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更新日:2021年12月2日

知事会見(令和3年(2021年)5月14日(金曜日)11時05分~12時25分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について1
  2. 被措置児童虐待事案について
  3. 犯罪被害者等支援条例について
  4. 新型コロナウイルス感染症への対応について2

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは本日の会見を開催したいと思います。冒頭私からはコロナウイルス関係、それから遠隔手話通訳システムの運用について、さらに県内事業者を支援するための幾つかの取り組み、そして県税の猶予制度についてお話をしたいと思います。
 まず、ウイルス関係です。各都道府県感染状況モニタリング表(会見資料2/新型コロナウイルス感染症 各都道府県感染状況モニタリング表)、これは県のホームページにも随時掲載していますけれども、新型コロナウイルス感染症の状況、全国的に非常に陽性者が増加をしてきているということで、私としては大変懸念しています。ご覧いただくと分かりますように、全国で見ますと、直近1週間の人口10万人当たり新規陽性者数、右から二つ目の欄、一番下のところに全国では35.65という数字があります。真ん中辺に長野県の数字がありますけれども、本県の直近1週間の人口10万人当たり新規陽性者が11.99ということで、10を超えている。長野県独自の感染警戒レベルでいけば、全県で10を超えるとレベル5相当ということで、非常に高い水準であるわけですけれども、ご覧いただきますと全国的には本県の数字でもまだ少ない方と。県内の状況は今、医療警報を出し、全県の警戒レベルを3にし、一部の圏域についてはレベル4ということで、県民の皆さまに警戒を呼び掛けているわけですけれども、そうした状況に比べても非常に全国的な陽性者の確認数は大きいという状況です。特に一番下の欄の右から三つ目の欄、前の週に比べて1万1000人以上新規陽性者数が増加しているということで、本県も含めて、全国的にかなり厳しい深刻な事態になっていると受け止めています。これは県民の皆さまの命と健康を守るためにも、また、こうしたまん延状況になりますと、観光や社会経済活動も特に強い働き掛けを行わなくても活動が行われなくなっていくということで、経済面、社会面でも大きな影響が出てくるということを強く懸念しています。全国知事会とも問題意識を共有しながら、それぞれできることはしっかりやりながらも、協力しながら取り組んでいきたいと思っています。そういう意味で、きょうこちら(会見資料1/スライド2ページ)にお示ししているのは、5月31日までの間に何とか医療警報解除の水準に持っていきたいと思っています。県民の皆さまには改めて医療警報発出中のお願い、人との接触機会の削減だったり、あるいは県外への訪問は慎重にご検討いただきたいといったようなことについては改めてお願いしたいと思います。ここ数日の新規陽性者の状況の報告を受けていますけれども、大型連休の人の移動に伴って、日頃接している人とは違う方と接する機会が生じたことによっての感染が疑われる事例というものがかなり確認されています。ここに健康観察のことを書きましたけれども、改めてご自身の体温測定、自分の体調は大丈夫かということを確認いただいて、発熱等の症状がある場合には速やかにかかりつけ医に相談をいただきたいと思います。今、診療検査医療機関、県内数多くの医療機関がこのコロナの検査にもご協力を頂いていますので、症状がある方は速やかにご相談いただき、医師の判断に従っていただければと思っています。また、人との接触機会の削減等については先ほど申し上げましたように、全国こういう状況で、今、右肩上がりで陽性者数が増えているという状況です。本県においても3月以降陽性者数が増加して、少し減少基調になり、またここへ来て下げ止まりから増加をすることが心配されているという状況ですので、そうした状況認識を県民の皆さまにもご理解をいただいた上で、引き続き感染防止対策を十分行っていただきたいと思います。これ(会見資料1/スライド3ページ)は「感染経路不明率の推移」ということで、今、感染経路不明者の割合が直近1週間の数字で17.8パーセントという数字になっています。少し右肩上がりです。前回右肩上がりだったのが4月の上旬のところが同じように右肩上がりで、4月中旬以降、感染経路不明者の割合が少し減って、またここへ来て少し右肩上がりになっているわけですけれども、各保健所が非常に頑張って疫学調査、濃厚接触者、あるいは接触者の調査を行って、松本市、長野市の保健所も含めて行って、陽性になった方からの感染の拡大を保健所の努力で抑え込もうということで一生懸命追い掛けて、検査等を行っているわけですけれども、どうしても一定割合感染経路が分からないという方がいらっしゃいます。今右肩上がりになっているのは、4月の上旬は「感染対策強化期間」ということで、年度末、年度初め、県民の皆さまに注意を呼び掛けましたが、ここは人の動きが変わる、いつも会わない人と会う機会が増える時期でしたし、また大型連休を挟んで4月下旬、5月に入って感染経路不明率が上がってきている状況ですので、これもデータとしては大型連休の影響が出てきていると考えています。そういう意味で、今、要注意の期間だと考えています。連休中は県民の皆さまにメッセージを出して、県外との往来の注意を呼び掛けましたけれども、多くの皆さま、事業者の皆さま、県民の皆さまにはご協力を頂きましたけれども、どうしても人の動きが出ますので、やはり影響が出てきていると思っていますので、今の期間、こうした感染経路不明者の割合が全県で増加傾向にあるということをご理解いただいて、感染対策をしっかり行っていただきたいと思います。県内における重症例ですけれども、本県において重症者、今、直近の数字で9名の方が人工呼吸器の装着等をされているという状況です。第3波のピーク時が9名で、今、同じ水準まで重症者の数が増えているという状況です。救える命が救えなくなるといったような状況を何とか避けなければいけないということを目標に掲げてこれまでも取り組んできたわけですけれども、ここへ来て、また重症者の方の数が増えているということを重く受け止めている状況です。何とか重症者が増えないように県も引き続き県民の皆さまへの呼び掛け等を行っていきたいと思いますが、この後、重症者の方について県の状況認識をお伝えしますので、ご理解いただいた上で重症化される方を減らすようにご協力いただきたいと思います。まず県内における重症例、昨年から4月30日までに重症になった方の状況をお伝えしたいと思います。4月30日の届け出分までで人数が49名ということで、平均年齢68.8歳、重症化された方の平均在院日数、入院されている期間は27.8日ということで、当然のことながら重症化された方は入院されている期間も非常に長くなる状況にあります。重症化されるとご本人の命のリスクも高まるということもありますし、重症の方が増えるということは医療機関に対する負荷も非常に増えてしまうという状況にあります。重症例の年代別の内訳ですが、4分の3以上が60代以上の方ということで、これまでもお話ししているように、ご高齢の方の重症化リスクはやはり高いということが数字からもお分かりいただけるかと思います。基礎疾患、重症化リスク因子があるかないかということで、49人を「あり」「なし」で分けているわけですけれども、基礎疾患、例えば糖尿病、高血圧、悪性腫瘍等がある方、それからご高齢の方は重症化リスクが高いので65歳以上の高齢者、あるいは喫煙されている方、肥満の方、こうした重症化リスク因子がある方、こうした方が重症例の49例中44人という状況です。そうした因子がない方、基礎疾患がない方が5名ということですので、基本的に基礎疾患がない方が重症例に占める割合というのは1割程度ということで、ほとんどご高齢の方で基礎疾患がおありになる方が重症化されているという状況です。これまでもお伝えしていますように、特にご高齢の方、基礎疾患がおありになる方についてはリスクが高い行動は避けていただきたいということと併せて、ご家族にこうした重症化リスクがある方がいらっしゃる場合は、ご家族も大切な方を守るという観点から慎重な行動を今の時期は心掛けていただきたいと思っています。何とか重症化される方を県としても少なくしたいと思っていますのでご協力をお願いします。
 ここから話が変わりますけれども、変異株についてです(会見資料1/スライド8ページ)。長野県は変異株のスクリーニング検査はかなり広範に行っています。5月3日から5月9日までの直近1週間のデータですけれども、届出患者数が190人です。そのうちスクリーニング検査をした方が136人、実施率は71.6パーセントということで、これまでも申し上げてきていますように、基本的には変異株のスクリーニング検査、検体が採取できない、要するにウイルスが少ない、あるいは一連の感染経路が濃厚に疑われるというようなケースを除いて検査を行っていますので、7割検査しています。そのうち変異株のスクリーニング検査の陽性者数が7割ということで、非常に急激に変異株の割合が増加してきています。変異株に対する備えということを県もしっかり行っていかなければいけないと思いますが、県民の皆さまもご注意いただきたいと思います。「変異株」と書いてありますが、N501Y変異株ですけれども、従来株との比較では感染性が1.32倍ということで、ここでも申し上げていますように、これまで以上に感染力が強いと。報道等でも言われていますけれども、今までと同じような形で対応していても、今までは大丈夫でも感染してしまう可能性が出てきている、感染力が強いということはご理解いただきたいと思います。先ほど重症者について言及しましたが、重症度も高い、重症化リスクも高いと言われています。この数字は厚生労働省のアドバイザリーボードの資料から抽出していますけれども、今、新しい変異株、これまでのウイルスとは異なって、より感染力が強く、そして重症化リスクも高いと言われているウイルスに置き換わりつつあるということをご理解をいただきたいと思います。
 それから、感染事例について県民の皆さまからもう少し分かりやすく説明してくれという話があるので、こういうところに気を付けてほしいと、事例を基に幾つか示しています(会見資料1/スライド9ページ)。最近どうしても若い方の感染事例が非常に多くなっています。高校生等の陽性例も多く確認されているわけですけれども、基本的に若い人たちもマスクはしていただいていますけれども、例えば昼食時にマスクを外して会話をしていた。あるいは部室等で活動するときに、部室も狭い、換気が悪いところでマスクを外して会話をしていた。さらに他の学校との間で試合を行う場合もありますけれども、そうした後に感染が確認されるというような事例もあります。そういう意味で学校生活の中でも換気をしてほしいとか、マスクをしっかりしてほしいということは一般的にもお願いしていますけれども、改めて学校生活の中でもこうしたことを徹底してもらいたいと思います。こうした子どもたちに対する注意喚起については、きょう市長会、町村会の皆さまともお話しする機会がありますので、そうしたところでもお願いしたいと思っています。それから職場です。職場における感染事例、同僚に感染が広がったというケースも最近よく見られるケースだと考えています。これもやはり休憩の時間、昼食の時間、マスクを外して会話をすると。仕事からほっとして、バックヤードに入ったり、同僚と親しく話をする時間なので、どうしても気が緩みがちですけれども、そうした際に感染したのではないかと疑われる事例がかなりありますので、気を付けていただきたいと思います。また、一緒に車に乗るような機会も働かれているとあると思いますが、そうした際に例えばマスクはしていたけれどもずっと窓を閉め切り、換気が悪いというようなことだと感染してしまう可能性がありますので、車に同乗するというような場合も気を付けていただきたいと思います。それから飲食店ですけれども、今、「信州の安心なお店」を広げようということで取り組んでいるわけですけれども、やはり感染例等を見ると必ずしもガイドラインが遵守されていないところで感染が広がるというケースがあります。換気が十分できていない、あるいはマスクをせずに接客をしているといったような場合にはどうしても感染リスクが高くなりますので、これは引き続きお店の皆さまにもお願いしていかなければいけないと思っていますが、ぜひ利用される方もこうした場合には感染リスクが高くなってしまうということを十分ご理解いただいた上で、ご自分の健康は守っていただきたいと思います。特にレベル4以上の地域については感染予防ガイドラインを守っていない飲食店、酒類の提供を行う飲食店については利用を控えていただきたいということはかねてお願いしているところですので、ぜひその点は十分ご注意をいただきたいと思います。以上が新型コロナの関連です。
 ここからはお手元の資料等をご覧いただければと思いますけれども、一つ目は、「遠隔手話通訳の仕組みをつくりました」ということです。昨年11月に全日本ろうあ連盟の役員の方がお越しになり、その際、懇談の中で、このシステムを使っての遠隔手話が有効だというお話を伺いました。それは県としても参考にして対応しなければいけないということで、このたび遠隔手話通訳システムを構築し、本格的な運用を開始しました。これについては長野県聴覚障害者協会の皆さまとも相談しながら準備を進めてきたところです。聴覚障害者協会の皆さまのご協力、ご支援に心から感謝を申し上げます。これまでは聴覚に障がいがある方についてコミュニケーションが非常に難しいということで、きょうも手話通訳をしていただいていますけれども、手話通訳者の派遣を市町村が行う際に、国と県とが補助をするというような形で応援してきています。昨年も1万5000件程度利用いただいているということで、人と人とのコミュニケーションが非常に重要ですのでニーズが高いわけです。しかしながら今コロナ禍ということで、例えば病院に行かれるような際に通訳者に一緒に行っていただくということにちゅうちょしてしまうという声が当事者団体の方からも寄せられていました。また手話通訳者の方を同行するということで、体調が悪いときに手話通訳者を同行するということになりますと、手話通訳者の方の感染リスクということも高まってしまうということで、本来は実際に同行いただくということが望ましい場面でも、どうしても利用される方もためらってしまうというような状況もありました。今回システムをつくり、タブレット、あるいはスマートフォンの画面を通じて、離れた場所から手話通訳を行っていただくという形が取れることになりました。今、コロナ禍で聴覚障がいの皆さまも非常にお困りの場合もあろうかと思いますし、先ほどから症状がある方は速やかに医療機関に相談してもらいたいというお話もしていますけれども、このシステムを十分活用していただいて、コミュニケーションを活発に取っていただければありがたいと思います。多くの皆さまにご利用いただけるように県としても取り組んでいきたいと考えています。
 次は産業支援の関係です。プレスリリース資料をお配りしていますけれども、「オールNAGANOモール」(会見資料4)、「販売機会マッチングNAGANO」(会見資料5)、「NAGANO market」(会見資料6)の三つについてです。今、新型コロナの影響でなかなかいろいろな営業活動、販売活動が難しくなっているという状況があります。今回、4月末からこの三つのウェブサイトの本格運用を始めているところです。すでにプレスリリースしていますが、改めてご紹介したいと思います。一つ目は、「オールNAGANOモール」です。これは長野県産品を取り扱う県内事業者のEC(電子商取引)サイトが一堂になっているポータルサイトです。農畜水産物、あるいは加工食品、さらには日本酒、ワイン、伝統工芸品、日用雑貨、こうしたものを多くの消費者にご覧いただくということを目的としています。5月11日時点で97の事業者に登録をいただいているという状況です。県もしっかりアピールしていきたいと思います。二つ目は、出店機会を探されている県内事業者と出店者を探しているイベントの主催者等とのマッチングをオンラインで行う「販売機会マッチングNAGANO」です。今の時点で出店希望事業者数が63者、イベントの主催者側で14者に登録をいただいています。積極的な活動を行っていただくための支援ということですので、引き続き県からもPRをして多くの皆さまにご利用いただけるようにしていきたいと思っています。それから三つ目の「NAGANO market」は輸出事業者向けのBtoBマッチングサイトです。商品の情報を英語と中国語の2カ国語で紹介して、海外に発信をしていこうというものです。ジェトロ(日本貿易振興機構)長野とも連携し、県内生産者と海外バイヤーとの商談機会をつくっていきたいと考えています。県内の生産者35者に登録いただいている状況で、すでにドイツの飲食店からはシードルについての取り扱い希望が出てきているという状況です。リアルで人と人との交流がなかなか難しい環境ではありますけれども、長野県の優れた物産を消費者の皆さま、あるいは海外にも継続的に発信をしていきたいと考えています。なお、これらのウェブサイトに登録いただくのはすべて無料ですので、ぜひ県内のさまざまな事業者の皆さまには積極的にご利用いただき、非常に厳しい経営環境ですけれども、販路の拡大、自社の物品、あるいは産品のPRを積極的に行っていただければありがたいと思います。
 最後、県税の猶予制度についてです(会見資料7)。今、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少し、経営環境が厳しい状況の事業者の皆さまも大勢いらっしゃると考えています。そういう中で、県税の納付が困難という場合には納税猶予の制度がありますので、ぜひ活用いただきたいと考えています。昨年はこの猶予制度については全国一律、立法措置で対応がされたわけですが、延長されていないという状況です。しかしながら先ほどもご覧いただいたように、新型コロナのまん延状況は昨年以上に非常に厳しい状況だと考えていますので、本県としては現行制度でできる範囲内で、できる限りコロナで納税が困難な方への対応、支援を行っていきたいと考えています。新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少して、納税が困難な場合には1年間納税の猶予を受けていただくことが可能ですので、納税が直ちに難しいという方は相談をいただきたいと思います。特に収入が50パーセント以上減少した場合には、延滞金についても全額免除という形にしたいと考えています。また収入の減が50パーセントに満たない場合でも、延滞金は通常8.8パーセントですけれども、1パーセントに軽減したいと考えています。対象税目は法人、個人の事業税の他、自動車税種別割等、県が徴収するほぼすべての税目が対象となります。今月末は自動車税の納期限になっています。納税できる方は期限内にしっかり納税を行っていただきたいと思いますが、納期限までに納税が困難な場合には最寄りの県税事務所にご相談いただきたいと思いますのでよろしくお願いします。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について1

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 緊急事態宣言についてですけれども、新たに北海道、岡山、広島県を対象とすることになりました。一方で、先日の全国知事会では、全国を対象に発令すべきだという意見もありましたが、知事ご自身のお考えを改めてですけれどもお聞かせ願いたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 前回の知事会でも私からも申し上げましたけれども、先ほども全国の数字をご覧いただきましたけれども、これは全国における緊急事態宣言も視野に入ってき得る状況だと思っています。前回の知事会でも、例えばまん延防止等重点措置についてもっと機動的に対応できるようにしてほしいといったような意見が複数の知事からも出されていましたが、先ほど変異株についてもお話ししたように、私も含めて多くの知事は、ほとんどの知事と言った方がいいかもしれませんけれども、相当の危機感を持って新型コロナウイルス対策に向き合っている状況です。そういう意味で早め早めの対応、そして例えばまん延防止等重点措置の適用の要請を国に行った場合には速やかに対処していただきたいと考えています。一方で、ただ国に何とかしてくださいと言うだけではいけないと思いますので、長野県の場合は独自の感染警戒レベルを定めて、圏域ごとにきめ細かく状況をウオッチしていますので、引き続き地域の感染状況に応じて県としても独自の対策をしっかり講じて、コロナの感染拡大を極力防げるように努力していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 県内に目を落とすと感染警戒レベルに伴う対策についても、強い措置を短く、早くといったような方針でやっていると思うのですが、全国でも緊急事態宣言は経済活動を止めるということでかなり強い措置になると思いますが、そうした考え方で全国的にも広げるべきだというお考えもあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 第3波のときは、特に本県は急速に陽性者数が増えて、その後、かなり短期間で陽性者数を減少することができたわけでありまして、これは県民の皆さま、事業者の皆さまのご協力のおかげだと思っています。ただ今回の第4波、これまでもそれぞれの地域ごとに時短要請等もしながら対応してきていますけれども、なかなか県全体で収束の方向に確実に向かっているとは言い切れない状況です。また連休中、連休を挟んで、先ほど申し上げたように、今、本県では感染経路不明者の割合も増加の方向になっているという状況です。そういう意味で全国的な視野でしっかり抑え込むと。経済活動への影響ということももちろんあるわけですけれども、だらだら感染の拡大、あるいはまん延状況が継続するということは、先ほど申し上げたように、行政が強い措置を講じなくても経済活動にも影響が出てきます。全国で緊急事態宣言とかまん延防止等重点措置が講じられていますので、すでに本県の観光は大きな影響を受けているわけですので、短期間でしっかり抑え込むということが非常に重要だと思っていますし、先ほどおっしゃっていただいたように、私としては県内の対策はできるだけ早く対応して、必要な措置を強く講じることによって短期間で抑制できるように引き続き取り組んでいきたいと考えています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 もう1点、コロナウイルスのワクチンの接種の関係なのですが、知事はご自身の接種はいつぐらいをめどに考えている状況でしょうか。

長野県知事 阿部守一
 順番が来たらと考えています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 今、県は医療従事者向けにやっていますが、それでもなく、各市町村が実施中の高齢者向け、それに続く一般的な枠組みでということですか。

長野県知事 阿部守一
 きょうもいろいろ報道されていますけれども、知事の立場だから特に順番を変えてもらうということについてこれまでも全く考えていませんし、今の時点でもそうした考え方ではないので、通常に接種したいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 平等性を考えると知事であってもそういった考えは必要だと思うのですが、別の考え方でいうと知事は長野県の要的な立場でもあり、コロナ対策のトップでもあると。であるならば、菅首相のように先立って受けるというのも一つの選択肢だと思うのですが、その辺についてはどうなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そういうことをおっしゃっていただくのは大変ありがたいことだと思いますが、先ほどもご覧いただいたように、ご高齢の方とか、基礎疾患があられる方、基礎疾患もいろいろな基礎疾患がありますけれども、ご自分の健康状態に不安をお持ちの方もまだ接種を受けられないでいる状況だと思いますので、特別な対応をするということではなくて、私ももちろん自分自身の感染対策を引き続き継続的にしっかりやっていかなければいけないと思いますけれども、通常の接種の順番の中で対応していきたいと考えています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 先ほども話がありましたが、全国を見渡すと市町村の首長さんが医療従事者分の接種を先行して受けたりとか、高齢者向けの予約を取らずにご自身で先行して行うといった事例も頻発していますが、そのことについての受け止めはどうなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 優先接種の順位をどうするかとだいぶ前に議論したときに、コロナ対策を推進する人たちは優先する必要があるみたいな議論も一部あったような気もするのですけれども、今、高齢者、最優先ということで、何とか早く接種できるように取り組んでいる状況です。そういう中で、それぞれの市町村において、例えば小規模な市町村であればかなり短期間で若い人まで打ち終わってしまう環境のところもあろうかと思いますので、一律に申し上げるのは難しいとは思いますけれども。ただ例えば、もし私が接種するときに他の人と順番が違うときは、どういう考え方とかどういう理由で先行して接種するかということは、政治家としてはしっかり説明して接種することが重要だと思います。

中日新聞 城石愛麻 氏
 今の質問に関係してなのですが、全国の市町村の首長が先にワクチンの接種を受けたという関連で、例えば医療従事者の方の余剰分が出たりとか、キャンセルの余った分を無駄にしないために受けたといったような意見も聞くのですけれども、そういった余剰分について知事としてはどのように有効活用すべきだと考えますか。

長野県知事 阿部守一
 これまでも申し上げてきていますが、例えば高齢者の枠としてきているワクチンを、打ち手となる医療従事者がまだ打ち終わっていなければ、それは医療従事者分に回してもらってもいいと。あるいは、無駄になってしまうような場合があれば、それは優先順位にかかわりなく打ってしまうということは、せっかくあるワクチンを無駄にせずに活用するということは重要だと思っています。ただ、この間も大町市を訪問してお話を聞きましたけれども、例えばキャンセルとか出たときにはどういう方に声を掛けるかとあらかじめ市町村で決めているところが多いと思いますので、そうした優先されるべき方に速やかに連絡を取って対応していくということが基本だと思います。

中日新聞 城石愛麻 氏
 その場合、余剰が出たので自治体の首長さんが受けるというような考えは少し違うのではないかということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 余剰が出て、接種可能なエリアにいる人間の中で優先順位が高いのがたまたま首長だったということはなくはないと思いますけれども。先ほど申し上げたように、無駄にしないでくれということは県からもお願いしていますので、キャンセルが出て、きょう中に使い終わらなければ無駄になってしまうような場合には、当然どういう方に声を掛けてどういう方に接種してもらうかというのはできるだけあらかじめ定めておくことが必要だと思います。

中日新聞 城石愛麻 氏
 確認ですが、県内ではまだ自治体の首長さんが優先的に接種を受けたというような事例は特に聞いていないということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 特に調べてもいないし聞いてもいません。

中日新聞 我那覇圭 氏
 変異株の関係で伺いたいと思います。まず最初に簡単にご認識だけ確認したいのですけれども。今、県内でも広がりを見せているとおっしゃっていましたが、知事の認識としては、これは今までの従来株以上の脅威だとお考えになっているのかどうか確認させてください。

長野県知事 阿部守一
 脅威だと思っています。感染状況等を共有するために保健所長ともオンラインでつないで意見交換をしていますけれども、現場の感覚としてもこれまでのウイルスとはかなり違っているのではないかと。先ほど感染力が強いという話をしましたけれども、現場感覚としても感染力が強いのではないかと受け止められていますので、私としても先ほど申し上げたように、これまでであればもっと落ち着いてもいいのではないかというようなケースでも、なかなか陽性者数が減っていかないと率直に感じていますので、県民の皆さまのご協力は第3波も、そして今回もかなり県の感染警戒レベルに合わせた対応を行っていただいていると思っていますけれども、第3波のときの収束に比べると今回なかなか全県の陽性者数が減っていかないと。非常に高い水準で横ばいの状況、全県ではやや右肩上がりという状況ですので、実際に対策をしている私の感覚としてもこれまでとはかなり違うと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 これも確認までですが、なかなか陽性者数が減らないというのは、やはり変異株の広がりが一つの要因になっているということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 科学的なエビデンスをもって申し上げにくいですけれども。例えば、二次感染、三次感染、四次感染とか、非常にどんどん感染者が拡大している場合がありますので、そういう意味で、変異株の影響がそうしたところにも出ているのではないかと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 先ほど知事も冒頭のご発言で、県としても備えをするので県民にもというような趣旨のことをおっしゃっていたと思いますが、それぞれ分けてお尋ねしたいのですけれども。まず県としての備えに関してなのですが、今N501Yが最も多くて、一部E484Kが出ていると。これらへの備えと併せて、まだ県内では出ていませんけれども、国内では南アフリカ型とかブラジル型とか、他に幾つか両方の性質を併せ持つような変異株というのがありますけれども、これらも含めた県としての備えというのはどのように考えていますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まずN501Yについては先ほどもご覧いただいたように、本県の場合、かなり広くスクリーニング検査をしています。それから前回申し上げたように、今後信州大学にも協力してもらい、変異株のスクリーニング検査をやっていこうと思っています。そういう意味で、まず現状をしっかり把握するという対応を行っています。それから検査対象についても、国の基準でいけば「濃厚接触者については検査」という形になっていますけれども、県としては濃厚接触者ではないけれども検査しておいた方がいいのではないかという方も接触者としてできるだけ広く検査しています。変異株の影響もありますので、引き続き検査対象の在り方ということについては検討して、できるだけ広く拡散しないように、感染が広がらないように取り組んで抑え込んでいきたいと思っています。それから感染性が強く、重症化リスクが高いと言われていますので、今、医療機関の皆さまとご相談をして病床の確保、5カ所目の宿泊療養施設の確保、鋭意取り組んでいるところですので、そうした療養体制についても強化をしていきたいと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 もう一方の県民ができる備えとしてはどういったことが考えられますでしょうか。基本的な感染症対策の徹底とか、ワクチン接種は今始まっていますが、そこら辺についてメッセージも併せてあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 人との接触機会を減らしていただいたり、あるいは今、全国的にかなり陽性者が増えていますので、県境をまたいだ往来については慎重にしていただきたいということはこれまでお願いしている通りです。ただ、これまで大丈夫だった行為がこれからも同じように大丈夫かというと、そうではないということは気を付けていただきたい点だと思っています。先ほどご覧いただいた事例のように、「車に同乗する際、マスクはしていたが換気が不十分であった」。今ほとんどの方はマスクをして行動されているので、何となくマスクをしていると安心感がありますけれども、やはりマスクをしていても例えば密閉空間に一定期間一緒にいると、今までは大丈夫だったけれども変異株だともしかしたら感染してしまうというようなことも含めて考えていただきたいと思っています。そういう意味では早期に発見して封じ込めていきたいと思いますので、冒頭お願いしたように、ご自分の体調管理をしていただいて、体調が悪いというときはぜひかかりつけ医等にご相談をいただきたいと。そのことによって感染を防いで、もちろんその方の健康を守るということにもつながりますし、疫学上はそこから感染が広がらないということにもつながりますので、そうした点は改めてお願いしたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 事務の方でも結構ですが、今、県内、変異株の関係でE484Kというのも確認されていると思うのですが、その感染性と重症化リスクとワクチンの効果について、厚生労働省の資料に基づいてでもいいのですが、どうご覧になっているのか教えていただけますでしょうか。

感染症対策課長 大日方隆 
 E484Kの関係については先日アドバイザリーボードで公表された資料がありまして、私どもで独自にそういう分析はしていないのですけれども、その資料によりますと、「感染性に影響を与える可能性がある変異は認められない」ということになっています。なので、あくまでも「懸念される変異株」というよりは「注目すべき変異株」という位置付けで、今のところ引き続き注視していくということになっています。あと、ワクチンの効果については、「現在日本で使用されているワクチンの効果を完全に無効化するものとは考えにくい」という記載になっています。ただ、具体的な中身についてはこれ以上の記載がないので私どもの方でまだ承知していませんので、そういう考え方に基づいて引き続き慎重に判断をしていきたいと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 先ほどお話が出ていたワクチンの接種の関係で確認だけなのですけれども。いろいろなタイミングが合えば、接種できるエリアの中に首長がいればたまたまそうなることもあるというのはその通りだと思います。知事がその対象になった場合、受けられるかということと、もう一つ、受けるときにキャンセルが出た場合、どういうふうにあらかじめ手順を定めておくかが必要だというご認識だったかなと受け止めましたが、県として、例えばガイドラインみたいなのをつくったりするとか、何か指標となるようなものをつくるようなお考えはありますでしょうか。この2点をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 それは各市町村がお考えになられて、要はワクチンを無駄にしないようにしてくださいと。国から言われたことを粛々と守るが故にワクチンを廃棄するというようなことは本末転倒だと私は思っていますので、そういう意味で、現場において柔軟に対応していただくと。また、県が基準をつくってその通りにやると、実は現場にはその対象者がいなかったから廃棄してしまうというようなことはいけないことだと思いますので、そこは現場でしっかり対応していただきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 たまたまいろいろタイミングが合って、知事がその対象になったら受けられると。

長野県知事 阿部守一
 たぶん、そういうケースはあまり想定されないのではないかと思います。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 知事は冒頭、全国でも今感染例が非常に増えているというようなことをおっしゃっていて、先日知事会としても意見を出して、その中でも発言なさっていたということなのですけれども。改めてお伺いするのですが、国のこれまでの対応も含めてですが、知事としてどういうふうに受け止めていらっしゃるか、今の現状も踏まえてなのですけれども、知事とすると今まで県境を越えた移動であるとか、そういった部分は国に明確にガイドライン的なものを示してほしいというようなこともおっしゃり続けていますけれども、まだそういう状況ではないかと思います。そういう意味でいうと、ある程度後手に回っているというか、実情に沿っていない部分もあるかなと思うのですけれども、で今この第4波、この状況であると。これまでの経過を踏まえてどういうふうに考えてらっしゃるかというのをお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 国も一生懸命対応していると思っています。ただ、前回の知事会でも申し上げたように、例えば国は国でしかできないことに集中して力を注いでいただいて、都道府県が責任を持ってやるべきことについてはできるだけ任せてほしいと思います。例えば水際対策、海外との関係はわれわれが全く手出しできる分野ではありませんので、こうしたところは国が強力な措置をしっかり講じて、水際のコロナ、新たな変異株の侵入等はぜひしっかり防いでもらいたいと思いますし、先ほどから変異株のご質問もいただいています。先ほど私から説明したのは、厚生労働省のアドバイザリーボードでこういうデータが示されているということにとどまっているわけですが、率直に申し上げて、県が独自に変異株の影響とか分析はなかなかできません。そういう意味で、全国的な情報を集めている国、あるいは国の関係機関がしっかり評価、分析をして、それに基づく呼び掛けであったり、注意喚起、あるいは行政が行う対応策、こうしたものをしっかり示していただくことが重要だと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 変異株のことについてお伺いするのですけれども。今回変異株の陽性率が71.3(パーセント)と出たのですけれども、知事としてこの数字というのは、率直な受け止めとして、今までの継続部分もあるのですけれども、多いと見ているのか、どう受け止めたのかなと、率直な思いをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 専門家懇談会の中でも次第に置き換わっていくのではないかというご発言等もこれまでもありますので、ある意味予想されている方向性になってきているとは思います。ただ、やはり非常に急速に置き換わっている状況だと思いますので、そういう意味で先ほど申し上げたように、改めて注意喚起をさせていただく必要があると思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 変異株の関係で、感染性が1.32倍になっているという表現があるのですけれども、その中で知事は従来どおり感染防止策を徹底して、これまでうつらなかった部分でもうつるようになりますよと今おっしゃったのですが、せっかくこういう記者会見の場なので、先ほどもお仕事の例などもあったのですが、こういうところがうつるようになっているみたいなのがもう少しありましたら、先ほどのは仕事の例だったものですから、一般的な部分でもう少し何かありましたらお願いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 職場の例を挙げていますけれど、実際にこういう事例があったということで示しているわけでして、職場だろうが他だろうが同じだと思っています。密な空間で換気が悪い所で、マスクをしているとはいえ、一定期間同じ空間にいるというような状況だとマスクをしていても感染してしまう可能性があるということは、ぜひご理解いただきたいと思います。今までもいろいろな対策を行っていただいているわけですけども、今まで大丈夫だから今後も大丈夫だということには必ずしもならないということはご理解いただきたいと思います。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 一般の人が理解しようとするときに感染性が強いというのはどう考えればいいかのかなと、少し理解しにくいのかなと思いますが。

長野県知事 阿部守一
 体内に取り込まれやすいということで、誰か専門家から説明してもらった方がいいと思いますが、感染症対策課で説明してくれますか。

感染症対策課長 大日方隆
 専門家ではないのですが、今、知事が少し申し上げたのですけれど、たんぱく質が普通よりくっつきやすいと言われています。私も専門家ではないので詳しくご説明することはできませんけれども。そうすると今までよりはウイルスが残るリスクがより大きくなるということで広まると言われています。必要があればまた後ほど詳しく説明をしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 正確にお伝えしておかないといけないので、あまり不正確な表現でお伝えしてもいけないので後ほどお伝えするようにしたいと思います。

信越放送(SBC) 宮下滋 氏
 ワクチンの接種なのですが、現状の接種率とかが分かればということと、それの進捗状況について知事がどう考えていらっしゃるのか。あと、市町村との意見交換がこの後ありますが、子どもへの対策について現状決まっているようなことがあれば教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 ワクチン接種率は担当から。あと、子どもの対策はこれまでも教育委員会等で整理しています。例えば、どういう状況になったら休業するとか、そういうことを決めていますので、先ほど申し上げたように若い世代の感染例も長野県内多いので、そうしたことの確認を改めて市町村長の皆さまともしておきたいと思っています。

危機管理部次長兼参事(ワクチン接種担当) 前沢直隆
 ワクチンの今の接種率ですけれども、昨日5月13日時点の数字ですが、まず医療従事者ですけれども、1回目を打った方が73.3パーセント、2回目を打った方が34.1パーセントということです。高齢者ですが、これはまだ始まったばかりという状況ですけれども、同じく昨日現在で1回目を打った方が2.3パーセントというような状況です。

信越放送(SBC) 宮下滋 氏
 それに対する知事の受け止めは、進捗状況的にはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 医療従事者接種についてはワクチンの配分量が時期的に全く均等という形ではない中で、基本的には順調に進んでいると考えています。それから高齢者接種は今、予約等を受け付けている状況ですので、これから本格的に始まってくる形になりますが、県としてはできるだけ希望される方の接種が早く終了できるように市町村と共に取り組んでいきたいと思っています。

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2 被措置児童虐待事案について

信越放送(SBC) 宮下滋 氏
 里親等の関係で重大な虐待事案があったということで、知事にもいろいろ情報が上がっていると思いますが、今後は検証委員会で検証するということですけれども、現時点で知事は今回の問題について何が一番問題だったと考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 被措置児童が虐待を受けるというあってはならないことが起きてしまったということで、私も大変申し訳なく思っていますし、被害に遭われた児童、そしてご家族の皆さまには心からおわびを申し上げたいと思っています。そういう中で、県としては二度と決してこうしたことが起きないようにということで、検証をしていかなければいけないと思っています。すでに皆さまにもお伝えしているように、社会福祉審議会の中に処遇審査部会がありますが、重大被措置児童虐待検証委員会ということで検討を行っています。今、家庭的な養護を広げていこうということで取り組んでいる中で、こうした事案が発生してしまったということを重く受け止めて、検証委員会の皆さまにはしっかり検証していただき、今後の対応につなげていきたいと考えています。

信越放送(SBC) 宮下滋 氏
 情報の出し方について不十分ではないかという指摘があって、私もそう考えているのですけれども、知事はこの情報の出し方で十分だと考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私としては、前もここでお話ししたような気がするのですけれども、例えば報道の自由であったり、県民の皆さまの知る権利であったり、というものと、それから被害を受けた方のプライバシー、どう均衡させるかという非常に難しい問題があると思っています。県としては子どものプライバシーをできるだけ守るということで取り組んでいかざるを得ないわけですけれども、この点についても第三者の目でしっかり見て、あるべき姿を検討いただきたいと考えています。

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3 犯罪被害者等支援条例について

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 今の質問と若干似通うところもあるかと思いますが、先日、検討部会の初会合がありました犯罪被害者(等)支援条例の関係でお尋ねします。県が示したところで、二次被害の定義のところに報道機関による過剰な取材を例示されています。確かに担当課の説明では、全国的な一般事例を挙げたという説明を聞いてはいるのですけれども、先行事例で定義に含めていない県も複数あります。知事のお考えをお聞きしたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 この間の報道を見ていて、まだ十分議論されていないところに過剰に反応されているというのが率直な意見です。先ほども申し上げたように、報道の自由の問題、あるいは知る権利の問題もある一方で、犯罪の被害者となってしまった方がさらに別の形で被害を受けるということはあってはいけないことだと思います。そういう意味で、いろいろなケースが想定されますけれども、犯罪の被害者となった方をどう守るかということを中心に考えていきたいと思いますが、その一方で、もちろん報道の自由とか知る権利、そうしたことについても念頭に置きながら対応を考えていく必要があると思います。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 知事は検討部会や審議会から意見陳述を受ける立場ですけれども、検討部会でこの点についてはどのように議論されることが望ましいと考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 あるべき形はどうなのかと。私も、例えば犯罪の被害者となった方のプライバシーをどう守るかということを調べてみたりしたのですけれども、率直に言って非常に難しい問題だと思っています。先日もハンセン病の関係で長野県が保管していたのではないかと思われるような書類が古書店からネットに出されたというようなことで、関係の皆さまと意見交換をしましたけれども、個人情報であったり、プライバシーをしっかり守っていくということは、県の役割としては非常に重要だと思っています。ただ、そうしたものと報道の在り方というのは非常にバッティングするというか、ぶつかる側面があり得ると率直に言って思っていますので、私の正直な思いとしては、メディアの皆さまからもご意見を頂く中で、どういう形の報道、要するに非常に難しいのですが、私が報道の皆さまにこういう報道をしてくれと言うことは適切ではないと思っていますので、そういう意味で、報道の皆さまが自主的、主体的にどういうお考えなのかというのは、むしろ逆にお伺いしながら考えていくべきテーマかと思います。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 先ほどの質問に、まだ議論が始まったところで過剰に反応されているという受け止めを聞きましたけれども。この問題はやはり大事な問題だと考えていまして、ある意味、条例に盛り込むことで、そういった場合に公権力による情報のコントロールにつながりかねないと危ぶんでいます。つながってはいけないことだと思っているのですけれども。その点について改めて…

長野県知事 阿部守一
 おっしゃることは私も十分分かりますから、先ほど申し上げたように、むしろ逆にメディアの皆さまのご意見を頂く中で考えていくべき問題ではないかと思っています。ただ、子どもを性被害から守るための条例の検討のときも、私としてはこの会見の場でも申し上げたところですけれども、さまざまなご意見があると思います。もちろん最大限情報公開をすべきだという意見もある一方で、片方では、被害者となったときには普通の状況でも心理的、精神的には大変な苦痛を持たれている方ですから、そうした方をどう守るかということも、これはやはり真剣に考えなければいけない課題ですので、そうした両面、県も考えていきたいと思いますし、世論喚起、世論もこの両面を考えなければいけないということを多くの皆さまに一緒に考えてもらいたいと。いつ、誰が被害者の立場になるか分からないわけですので、そうした観点で一緒に考えていただきたいと思います。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 知事のご発言の中で、報道とのこの問題についての協議の場を持つというお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 協議の場というか何というか分かりませんけれども、これは難しいことで、今回もコロナの関係で飲食店の皆さまには休業、あるいは時短の要請等をしています。それは、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいたり県の条例に基づいたりして、いろいろお願いしていますけれども、報道機関に対しては、そうしたお願いをする根拠はないどころか、やはり表現の自由は憲法上も最大限尊重されなければいけないと思っています。そういう意味では、こういう情報だからこういう取り扱いをしてくださいということを私からはストレートには言えない。それは使い方を間違えると権力者が一方的に報道内容をコントロールしているということにもつながりかねませんので、そこは慎重に控えなければいけない話だと思いますが。ただ、社会の公器としてのメディアの役割、責任ということもこれは一方ではあると思いますので、そういう意味でメディア側の皆さまのお考えも教えていただく中で、一緒に考えていくことが重要な問題ではないかと思います。

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4 新型コロナウイルス感染症への対応について2

朝日新聞 清水大輔 氏
 先ほどの知事のお答えの中で県内の宿泊療養施設などの強化を挙げられていたのですが、先月末の会見で県内の病床を今後20増やされて、宿泊療養施設も増やしていくということをおっしゃられていたかと思います。その後、現状その数が確保されているのかどうかということを教えていただきたいのと、きょうのこの会見の中でも全国的に数が増えていて、第4波に対する備えというのがこれまで以上に緊張感を持ってやらなければいけないということで、その20という数が今後さらに長野の場合は必要とご認識されているのかどうかを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 前回の会見のときも申し上げたかと思いますけれども、これまでも数次にわたって医療機関の皆さまにお願いをして、逐次コロナ対応の病床数を増加していただいています。そういう中でさらにお願いするということで、飛躍的に増大させるということはなかなか難しい側面があると思っています。これはスペースがあるだけではなくて、医療従事者がきちんと確保されなければいけないということがありますので、どんどんさらに拡大し続けるということは、これまでもお願いしてきていますので難しい部分があると思います。ただ、先ほどの変異株の状況等もありますので、緊急時の対応も含めて、何とか1床でも多く確保できないかということが県の願いでありますし、そうした形で今お願いして調整をしています。今月中には一定の取りまとめをしていきたいと思いますので、一定の取りまとめができた段階でお伝えしていきたいと思います。

朝日新聞 清水大輔 氏
 高齢者向けのワクチンについて、全国同様、県内でも複数の自治体さんからは国がゴールに掲げていた7月末というのがなかなか難しいよというのが聞こえています。これは改めてになってしまいますが、そういう自治体に特に目標までに終えることを目指して、県として何か対策であったり、手当てであったりというのをする考えというのがありましたら教えてください。

長野県知事 阿部守一
 各市町村もいろいろ工夫していただきながらワクチン接種に取り組んでいただいています。先ほども感染経路不明者の伸びが出ているところが、うちの県でいくと4月上旬と5月に入っての大型連休から大型連休後にかけてということで申し上げましたけれども、次に心配な時期は夏休みとかお盆の時期だと私は思っています。そういう意味ではその頃を目途にできるだけ早く高齢者接種を終えていくということが非常に重要だと思いますので、きょうも市町村長の皆さまとワクチンの話をしたいと思いますけれども、県としても市町村の取り組みをできるだけ応援していきたいと思っています。きょう、夕方またお話しする機会があると思いますので、ワクチンの話はまたそこでお伝えしたいと思います。

朝日新聞 清水大輔 氏
 県のナースセンターが、例えばこれまで以上に離職された方に復職を促されていたり、一部の県立の病院でも広域的に対策をされているようなのですが、そういう幾つかの県が関わる機関への新たな呼び掛け等をもし考えていらっしゃれば教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 関係の皆さまにはしっかりお願いはしていかなければいけないと思っていますし、専門家懇談会のメンバーの皆さまにも私からはそういうお話をしています。例えば、市町村の状況がどういう状況で、どれぐらいの医療従事者が必要なのかということを片方で見極めつつ、どういう方にどういう形でご協力いただけるかということも片方で整理しながら、そこのマッチングをしっかり行っていくことが重要だと思っています。
 ありがとうございました。

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