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更新日:2025年5月19日

知事会見(令和7年(2025年)2月13日(木曜日)15時00分~15時47分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 県議会2⽉定例会の開会について
  2. 二地域居住について
  3. 子宮頸(けい)がん予防のためのHPVワクチン接種(キャッチアップ接種)の期間延長について

 

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取材者からの質問

  1. 二地域居住について
  2. 人権全般を包括する条例の検討について(1)
  3. 県内プロスポーツチームとの連携について
  4. 大糸線について
  5. ガソリン価格調整疑い報道について(1)
  6. 県立木曽病院における分娩(ぶんべん)の取り扱い中止について
  7. 平成の大合併について(1)
  8. 人権全般を包括する条例の検討について(2)
  9. 平成の大合併について(2)
  10. ガソリン価格調整疑い報道について(2)

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本文

阿部知事からの説明

1 県議会2⽉定例会の開会について

長野県知事 阿部守一
 それでは本日の会見を始めます。まず、本日から2月県議会が始まりました。先ほどの提案説明で、予算案の概要等についてはご説明したところですが、(提案説明の)冒頭でも申し上げましたようにパラダイムチェンジという時代の大きな転換点ですので足元のさまざまな課題にしっかり向き合っていくことと併せて、中・長期の視点で、県民の皆さまとも未来のNAGANO創造県民会議等でしっかり問題意識と方向感を共有しながら、力を合わせて中・長期的、とりわけ長期の視点に立った施策についてもしっかりと取り組んでいきたいと思っています。予算案・条例案をはじめ各議案については、しっかりと県議会の場でもご説明し、ご議決していただけるように取り組みたいと思っています。

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2 二地域居住について

長野県知事 阿部守一
 きょうは私から2点お話を申し上げたいと思います。プレスリリース資料等をお配りしていますけれども、まず1点目が二地域居住の促進についてです。今回、広域的地域活性化基盤整備計画を、都道府県としては一番最初に策定しました。今、人口減少社会になる中で、マルチタスク(一人多役)、あるいはマルチハビテーション(多拠点生活)、こうした新しい生き方・暮らし方・働き方が重要になってきていると考えています。そうした観点で、長野県としてもさまざまな皆さまとも連携しながら二地域居住を積極的に進めていきたいと考えています。今回2月10日付で広域的地域活性化基盤整備計画を全国で初めて策定しました。これは昨年の改正広域的地域活性化基盤整備法によって、二地域居住の促進に関する事項を記載した計画を県として策定することができることになったことを踏まえて策定したところです。今回は塩尻市をまずは重点地区として先行的に定めて県としても取り組みを後押ししていきたいと思っていますが、今後、順次重点地区については県内市町村のご意向も踏まえながら拡大していきたい、追加していきたいと考えています。なお、市町村が県計画に基づいて特定居住促進計画を策定しますと、二地域居住に関する拠点施設の整備等について国からの財政支援が受けられる形になりますので、市町村とも連携して、二地域居住をしっかり進めていきたいと考えています。また、本日提案した新年度予算案においても、二地域居住の促進に向けて、例えば信州ワーキングホリデーであったり、あるいは県が採用する地域おこし協力隊による移住や二地域居住の促進に向けた取り組みに関連する予算も計上しているところです。引き続き県としては、大都市圏に近い長野県の優位性を生かせる分野だと思いますので、しっかり取り組んでいきたいと思います。併せて、全国二地域居住等促進官民連携プラットフォームというものがあります。長野県として、共同代表を務めているところですので、こうした官民連携の枠組みも活用しながら、国に対して二地域居住者の負担軽減等、さまざまな制度改正についても今後検討の上、働き掛けを行っていきたいと思っています。

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3 子宮頸(けい)がん予防のためのHPVワクチン接種(キャッチアップ接種)の期間延長について

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですが、HPVワクチンの接種、特にキャッチアップ接種についてのお知らせです。HPVワクチンについてはこれまでもお伝えしてきたところです。一時期、接種勧奨を行わないという時期がありましたので、キャッチアップ接種ということで、接種がその間できなかった方に対しての接種を行ってきています。対象は、平成9年度から平成19年度生まれまでの女性で、今の年齢でいうと17歳、高校2年生相当から27歳に該当する方です。こうした方を対象として、今年の3月末までを期限にワクチン接種を公費で受けられるキャッチアップ接種を実施していて、県としても接種の呼び掛けを行ってきたところです。一方で、昨年の夏以降大幅に需要が増加し、HPVワクチンが全国的に不足したことなども踏まえて、令和8年3月末まで期間が延長されました。対象者は、キャッチアップ接種の対象者、それから、令和6年度が定期接種の最終年度となります平成20年度生まれの方、16歳、高校1年生相当、かつ、令和4年4月から令和7年3月までにHPVワクチンを1回以上接種した方が対象になっています。多くの女性がHPV、ヒトパピローマウイルスに一度は感染すると言われています。感染するとがんになる場合もありますので、感染を防ぐことが、がんにならないためには重要だと考えられています。日本では毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんになり、毎年約3000人の女性が亡くなられていると言われていますし、特に患者が20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう、妊娠できなくなってしまう方も1年間に約1000人程度いらっしゃる状況です。そういう意味では、ワクチンで予防できることであれば、ワクチン接種についてぜひ多くの皆さまにご検討いただきたいと考えています。もとよりコロナワクチンの時も副反応の話もしましたので、そうしたリスクも十分勘案していただいた上で接種の検討を積極的に行っていただきたいと思っています。ワクチンはいくつか種類がありますが、最も高価なワクチンですと、3回接種で大体8万円から10万円ということですが、公費負担ですと基本的には無料になります。先ほど申し上げたように、キャッチアップ接種の対象者の方でも、今年の3月までにHPVワクチンを1回以上接種していないと対象にならなくなってしまいますので、ぜひこの期間に、この期間にというともうほとんど時間があまりないので、接種するかどうか、対象になる方はよくご検討いただきたいと思っています。3月を超えてしまって1回目の接種が行われていないとキャッチアップ接種の対象期間が延びても接種対象にならないという話になってしまいますので、そこから遅れると先ほど申し上げたようにかなり費用負担が掛かってしまいますので、保護者の方、それからご本人においては、ぜひご検討いただきたいと思います。私が口で言ってもなかなか分かりづらいところもあると思いますので、ペーパー等を見て、メディアの皆さまには、ぜひ正確にお伝えいただければありがたいと。救える命が救えなくならないようにということでコロナ対策もずっと行ってきましたけれども、ワクチンで防げるものでありますので、ワクチン接種についてはぜひご検討いただきたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

1 二地域居住について

朝日新聞 高木 氏
 二地域居住に関する整備計画の策定のお話がありました。これに関してお願いします。まず、塩尻市の地区を重点地区とした理由を教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 プレスリリース資料の中に計画もそのまま付けていると思いますけれども、塩尻市においては記載されているように、かねてコワーキングスペースであったり、シェアハウスであったり、お試し居住施設であったり、施設整備等を行って積極的に取り組みを進めていらっしゃる地域です。そういう意味で、今回塩尻市でも今後計画を策定される予定になっていますので、県としてまず塩尻市を対象として計画を策定しました。ただ今後、冒頭申し上げたように他の地域にも広げていきたいと思っています。

朝日新聞 高木 氏
 先ほど大都市圏に近い長野県の優位性というお話がありましたけれども、移住とは違った形での二地域居住について、長野県における優位性、それから首都圏、大都市圏の方に向けてのメッセージがありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。やはり二地域居住という新しい形のライフスタイルを考えたときに、なかなか遠隔地だと行ったり来たりとか、複数に拠点を持つというのは、移動コストも時間もかかりますし、非常に取り組みづらい可能性があると思います。一方、長野県は首都圏、あるいは中京圏に比較的近接した地域ですし、新幹線であったり、高速道路であったりを通じて、非常に時間的にも早くお越しいただくことができます。二拠点を持っているとどうしても片方の地域で用事があるから急に飛んで行かなければいけないとか、二つの地域の行き来の利便性は非常に有利な点になると思いますが、そういう意味では長野県は大都市圏に比較的近接していて、また高速交通網も一定程度整っているということで、優位性が高いと思っています。これまでも長野県へ多くの皆さまに移住していただいていますし、またもうすでに二拠点居住されている方も結構いらっしゃいます。引き続き県もしっかり取り組んでいきたいと思いますし、また冒頭申し上げたように、そうした方の二地域居住における課題がより少なくなり、もっと便利に二地域居住を行っていただけるように、いろんな仕組みや制度も今後民間の皆さまとも一緒に考えていきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 今の関連で続きですけれども、二地域居住で塩尻市を選ばれた中で、塩尻市になった理由のところで、鉄道も高速も比較的利便性が高い所かと思うのですけれど、アクセス面の良さというのも考慮されたのかという部分と、あと、この仕組みの理解の部分で、まず塩尻で重点地区として取り組んで順次拡大していくという理解でよろしいのか、その2点を。

長野県知事 阿部守一
 まず塩尻市はご指摘の通り、先ほど申し上げたように、非常にこれまでもいろんな拠点整備等を積極的に取り組みされているということもありますし、もう一つ今お話があったように交通的にも中京圏、首都圏からも非常に利便性が高いということで、二地域居住を進めていく上では、塩尻市として非常に積極的なご意向をお持ちという状況ですし、県としても進めていくには適した地域だと思っています。そういう観点で今回塩尻市を重点地域にしていますが、今後長野県内は他の地域においても積極的に二地域居住、あるいは、例えばリゾートテレワーク等に取り組まれている地域もたくさんありますので、そういう地域にも今後地域の皆さまの考え方も踏まえて拡大していきたいと思っています。

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2 人権全般を包括する条例の検討について(1)

市民タイムス 萩原 氏
 議案説明の関係で何点か伺いたいのですが、続けてお願いします。議案説明の中で人権全般を包括する条例の検討に着手しますとありましたけれども、この条例について現時点で知事がイメージしている条例の姿、内容とスケジュール的なもののお考えがあったらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 具体的な内容についてはこれからしっかり考えていかなければいけないと思います。ただ提案説明でも言及したように、かなり人権を取り巻く環境は変わってきていて、SNSによる例えば誹謗(ひぼう)中傷みたいな話も含めて変わってきています。これまで長野県は指針で人権対策を進めてきましたけれども、世界的に、やはり人権の問題というのは重要な課題になってきています。条例は県議会での意思決定がなければ成立しませんので、長野県としての人権についての考え方、あるいは対応の仕方、そういうことも含めた包括的な条例を定めていきたいと考えていますので、現下の課題やこれまでの県の取り組みを踏まえつつ検討を進めていきたいと思います。

市民タイムス 萩原 氏
 スケジュール的なものは、まだいつまでにとかそういったところまでは。

長野県知事 阿部守一
 もちろんできるだけ早くとは思っていますが、非常に難しい論点等も条例の規定の仕方によっては出てくる可能性もありますので、しっかり検討していきたいと思います。ただ、世の中の環境はどんどん変わっているので、いたずらに時間をかけることなく取り組んでいきたいと思います。

市民タイムス 萩原 氏
 有識者を交えての検討会みたいなものを設けるとかそういったことは。

長野県知事 阿部守一
 県だけではなくていろんな皆さまの考え方を踏まえて策定していかないといけないと思っています。

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3 県内プロスポーツチームとの連携について

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点、議案説明の関係で県内プロスポーツチームとの試合観戦と周辺観光を一体で楽しむための仕組みづくりも知事がイメージされている姿と、もう具体的にどこか具体的なチームと話は進んでいるのか、もしくはこれから話し合いの組織を設けてやっていくのか。進め方の部分をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 県民参加型予算で提案されてきたんですよね。

広報・共創推進課長 小池貴浩
 共創型です。

長野県知事 阿部守一
 かなり具体的な検討をしてきていると思いますが、今私の手元には資料がないので、担当の観光スポーツ部に聞いてもらうのがいいと思います。

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4 大糸線について

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点だけ細かい部分で、県内移動の利便性向上の部分でJR大糸線の本格的な利用促進という「本格的な」という言葉が入りましたが、「本格的な」に込めた知事の思いと、具体的にどんなことを考えているか。

長野県知事 阿部守一
 JR西日本さま、それから地元の市町村の皆さまと一緒に昨年から、大糸線プラス、鉄道だけではなかなか便数が少ないので並行してバスでの輸送も行って、どの程度の需要があるのかも見極めながら対応してきているところですけれども、県としてはまずは地域の皆さまに極力乗っていただく必要があると思っていますし、また特に大糸線は観光路線として重要な路線でもありますので、そういう意味では県外からの観光誘客も含めてしっかり取り組んでいくことが必要だと思っています。いろんな側面からの取り組み、力を結集して利用促進に取り組んでいきたいという思いを込めて「本格的な利用促進」と申し述べたところです。

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5 ガソリン価格調整疑い報道について(1)

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 何点か伺えればと思います。まずガソリン価格の問題ですが、先日組合に2週間をめどに調査結果を報告するようにということを伝えて自民党県議団からも申し入れなどがあったかと思うのですけれども、その後組合から何らかの接触といいますか、調査方法をどういうふうにするですとか、あるいは場合によってはもう中間報告的な何か情報だとかそういったものがまずはあるのかどうか、現状について教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。基本的にないと思っています。少なくとも私の所にはないので、何か細かいやり取りがあるかどうか。ありますかね。

担当課職員
 ないです。

長野県知事 阿部守一
 ないという状況です。ですから、県としては報告を求めた後、先方において調査・検討が行われている状況だと受け止めています。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 今回内部での調査なので、かなり調査手法だったりとか、一部報道では長野市内以外でも調整があるのではないかという声も出ていますけれども、そうした状況下でどんな方法にするのかとか、あるいはどのレベルまでやるのかというのは非常に重要な部分になってくるのかなと思っているのですけれども、もちろん県で調査権限はないというところはありますけれども、知事としてもかなり強く強調されていたと思うので、その辺りの取り組み方というのはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今お話があったように県として今回の事案について調査する権限はないわけですが、しかしながら一方で、きょうの提案説明でも言及したように、ガソリン価格の抑制に向けて関係する皆さまとどういう対策が取り得るのかを検討していこうと準備を進めてきたところです。そういう意味では、県としても権限がなくても、県民の皆さまの関心は極めて高いですし、関心どころかこうしたことが事実であれば非常に許し難いことではないかという多くのご意見も寄せられている状況ですから、県としてはこれまでも組合と対話してきた関係性もありますので、組合においては誠実に今回の事案に向き合っていただきたいと思っています。そういう意味では私どもからの要請にも誠意を持って対応していただきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 細かいところですが、長野市以外でもそういった疑いがあるのではないかという一部報道については、どのように知事は受け止めていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 組合に対しては、どこの地域ということだけではなくてやはり全体的にしっかり状況を把握していただくということが必要だと思っています。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 それと先ほど県民からもかなりいろんな声が来ているということですが、具体的に何かどんな声があるだとか、それに対してどのように感じるのかというところももう少し伺えますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今手元に(資料を)持っていないのですが、県に対しても非常に厳しいご意見が含まれていると思っています。本当に今、食料をはじめいろんな物価が高騰して、非常に県民の皆さまが苦しまれている、お困りになられている方が多くいらっしゃる中でのこうした報道ですので、ある意味県に対しても厳しいご意見が出ているというのは、もっとしっかりやれという期待の表れでもあると思いますので、真摯(しんし)に受け止めて県としては対応していきたいと思っています。

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6 県立木曽病院における分娩(ぶんべん)の取り扱い中止について

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 ガソリン価格以外のところで伺えたらと思うのですけれども、1点医療関係できょうの提案説明の中でも県立木曽病院で分娩が再来年度から中止される見通しであるという話に触れられていますけれども、この辺りの地域医療への、医師不足も含めたこうした課題というところを、どのようにお考えなのか。そして対策も何か考えているような書きぶりかなと思ったのですけれど、その辺りはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 県立病院機構の木曽病院については、今地域における分娩取り扱い件数が非常に少なくなっているということもあって、令和8年度からの分娩が中止される見通しという状況です。提案説明のその前の部分でも少し触れていますけれども、やはり県としては持続可能な医療提供体制をどう確保するかということが、医療面では今最大の課題だといっても差し支えないだろうと思います。医療圏ごとに調整会議をつくって、医療機関同士の連携、あるいは役割分担、こうしたものを議論していただいてきているところですが、人口減少の中で、私も医療を受診する側の立場に立てば当たり前ですけれども、どこの地域においてもすべての医療が受けられる、身近で受けられる、これは多分最も理想的な姿だと思います。ただ、今の急速な人口減少の中で、かつ限られた医療資源、医療機関はもとより、医師、看護師、そうした限られた医療人材のことを考えれば、やはり安心できる医療を維持するためには一定程度、例えば人材の集約だとか、医療機関の機能分担とかを進めていかざるを得ないと思っています。これは総論的には多くの皆さまに賛同していただけると思いますが、各論となるとまた非常に厳しい問題、各医療機関の経営にも関わる話ですし、地域医療を受ける方にとっては身近な所で、例えば今のように分娩ができなくなるとかいう話になるので、非常に厳しい話です。ただそうしたことをしっかり話し合いながら、未来の医療体制の在り方を考えていく必要があると思っています。先日私も上田圏域の地域医療の調整会議に参加しましたが、やはり一定程度役割分担を進めていかなければいけないという問題意識の下でご議論いただいているというのは、大変ありがたく思って議論に参加したところですし、そうした動きを県行政としてもしっかり地域の皆さまと問題意識や方向感を共有する中で、いろいろ不便が生じる部分も全くないということは難しいと思います。いろいろ不便が出てくるところがあっても、将来の安心できる持続可能な医療体制にとってこういうことが必要なんだということを県からはお伝えし、ご理解が得られるように取り組むことが必要だと思っています。そういう意味で、今回の木曽病院における分娩に関しても、きょう申し上げたように、まず木曽地域と他の地域、松本あるいは伊那で、実際今でも分娩されている方がいらっしゃいますので、そうした病院間の連携をしっかり保っていく、強化していくことと併せて、交通費に対する支援、こうしたものもできるだけ手厚くして、受診される方の負担ができるだけ少なくなるように、そして安心して医療を受けられるようにしていきたいと思っています。この議論をずいぶん私の所でもしましたけれども、身近な所にあった方がいいのではないかと私は最初担当課にも言いましたけれど、やはり例えば今非常にハイリスクの分娩の方が増えています。そうすると、産婦人科のお医者さまが一人いるだけでは足りないと。麻酔医がいなければいけなかったり、あるいは小児科医が必要だったり、また分娩取り扱いになると、通常分娩であれば時間を選ばないわけですので、24時間ちゃんと対応できるということが、やはり安心できる医療のために必要ですので、一定程度の役割分担と集約はやむを得ないものだと受け止めていますが、広く多くの皆さまのご理解を得られるように努力していきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 ちなみに今の交通費の支給だとか、その辺りの何か支援策というのは、もう具体的に決まってきているものがあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 令和8年度からの分娩中止の見通しということですので、できるだけ早く方向を定めてお伝えできるようしていきたいと思っています。

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7 平成の大合併について(1)

信濃毎日新聞 河田 氏
 本日木曽郡の旧山口村が越県合併してから20年という節目を迎えました。20年前知事は直接は関わっていなかったかもしれませんが、当時の知事が議会に合併の議案を出す出さないともめた経緯もあったり、県としては別の県になったけれども観光連携で引き続き交流があったりということもありました。この20年間の歩みについての振り返り、今のご所感、節目を迎えたことへの所見を教えてください。

長野県知事 阿部守一
 旧山口村の合併は、私が副知事をしてその後県庁を去った後に議決されたものですので、当時の議論とか直接的に承知しているわけではありませんけれども、県境を越えての合併ということで多くの皆さまが関心を持ち、そして地域の皆さまも非常にいろいろ考えに考え抜かれた末の結論だと受け止めています。当時の加藤村長から私も直接お話を伺う機会もありましたが、やはり地域の皆さまの思いを集約していくのに大変ご苦労されたとお伺いしています。今、中津川市になっているわけですけれども、木曽地域という形で捉えれば、妻籠と馬籠の間を往来されている観光客の皆さまも多いですし、岐阜県になったといっても、やはりこれからも地域の交流、連携は引き続き進めていく必要があると思います。また今度リニアの岐阜県駅ができれば、まさに岐阜県側と特に長野県木曽地域はこれまで以上にいろんな形での人の交流が増えてくると思いますので、そういうことも考えれば、旧山口村の皆さまとも、引き続きしっかり連携・協力しながら地域の発展のために取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 河田 氏
 関連で合併全体のことでお伺いしたいのですが、一つは平成の大合併から20年というところも、県内市町村多くありますけれども、効率化が進んだ一方で地域の形が変わったり、地域内の格差が広がったりという、マイナスとも取れるような面もあるかと思うのですが、長野県は比較的自立を選んだ市町村の数も多いかと思いますが、長野県における平成の大合併の評価をお聞きしたいというのが一つ。もう一つ、人口減少局面にあって、財政・行政サービスの維持というのはなかなか課題だと思いますが、合併という手段が、財政・行政サービスの維持ということにおいて、今後も有効な手段になり得るかどうかというところの展望をお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 難しい質問ですね。平成の大合併の評価というのは、多分地域ごとに必ずしも一律ではないような気がしますし、地域の皆さまのさまざまな思いもあると思いますが、いわゆる行政体制を充実していくという観点では、一定の意義があったんだろうなとは思います。ただ、そのことと例えば住民の皆さまの思いとは必ずしも軌を一にしていない場合もあるので、何かトータルとしての評価というのは一くくりにはなかなか難しいのではないかと思います。今後の合併ということですが、きょうの提案説明でもパラダイムチェンジと話をしましたが、私は知事の仕事をする中で小さな自治体であることの優位性というのも実はすごく感じることがあります。確かに財政的には脆弱(ぜいじゃく)であったり、職員数も少なかったりということはありますが、その一方で例えば災害時の対応を考えたときには、どこでどんな方がお住まいになっているかを、村の人、役場の職員も地域の人たちもよく分かっていらっしゃるので、例えば被害状況の把握も非常に早く行われたりと、一律に大きければすべて良くてとか、あるいは小さければすべていいということでは必ずしもないというのは非常に感じるところがあります。そういうことを考えると、今までの市町村というものがそのままでいいのか、ご質問の趣旨を外れてしまうかもしれないですけれど、都道府県、市町村の2層制というのはずっと長らく続いてきていますけれども、先ほど申し上げたパラダイムチェンジみたいなことを考えたときには、やはり自治の枠組みの在り方ももう1回ちゃんと考え、要するに単に合併するとかしないとかという次元ではなくて、私がかねて申し上げている国と地方の役割分担は、ほとんど国が権限を持ち過ぎだと思っていますし、それから県と市町村の関係性も、私はもっともっと変えるべき点があるのではないかと。一定程度能力が高い、行財政能力がしっかりしている市町村には、むしろ都道府県からはもっと権限が移ってもいいのではないかと思いますので、そういうことを考えれば国、都道府県、市町村の3層制の在り方だとか、役割だとか、そろそろ抜本的に考えていくことが人口減少社会の中では必要になってきているのではないかなと。ご質問の趣旨は人口減少の中でどう考えるかだと思いますが、日本全体の人口が縮小しているので、多少合併したからといって何か本質的に問題が、これから将来に向けて変わるということには多分ならないのかなと。そういうことを考えると、やはり市町村の在り方だとか、都道府県と市町村の関係性だとか、あるいは自治体同士の広域連合を含めた事務の共同化だとか、こうしたことにもっともっと目を向けていくことが必要かなと思っています。

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8 人権全般を包括する条例の検討について(2)

信濃毎日新聞 河田 氏
 1点確認で、人権の条例について先ほどお話がありましたけれども、現時点のイメージでは理念を掲げるような条例になるのか、条例制定に伴ってご相談窓口を開設したりという事業と併せての取り組みになっていくのか。今のイメージを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 そこは非常に重要な論点だと思います。人権の問題は幅広い課題がありますし、受け止め方によっては、例えば誹謗(ひぼう)中傷になるけれども、その反面例えば言論の自由といったこともあるので、個別具体的な案件に対してどこまで対応できるのか、あるいはしていくべきなのかということは、国の機関との関係性も含めて、慎重に考えなければいけない部分があるなとは思っています。そういう意味で、まだその辺は率直に言って、こういう形にするということまでは決めきっているわけではありませんので、幅広い皆さまのご意見をお伺いする中で、方向性を決めていきたいと思っています。

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9 平成の大合併について(2)

読売新聞 岡本 氏
 平成の大合併の関係で質問させてください。長野県は比較的他県に比べると、自立を選んだ自治体が多かったという話がありましたけれども、当時の田中康夫知事はいろいろ過去のものを読ませていただく中で市町村合併に必ずしも前向きではなかったのかなと思うのですけれど、当時副知事を務められていた阿部知事として、長野県における平成の大合併の議論の進め方というものがどうであったのか、県の関与みたいなところも含めて、その辺りを振り返った上での所感を頂ければと思います。

長野県知事 阿部守一
 議論の進め方は、合併自体はやはり地域の皆さまがどう考えるかということが基本ですし、これまで行われている合併も、そうした地域の主体性を尊重しながら進められてきていると思っています。そうした中で、先ほど山口村の話をしましたけれども、地域における意見集約は非常に難しい問題がありますので、そういう意味ではそれぞれが判断する中で今の市町村の数・形になっていると思っています。全国的に見れば、長野県は合併が進んでいる県に比べれば進まなかったという形になりますが、先ほど申し上げたように進まなかったことがすべて良くなかったかというと、必ずしも私はそうは受け止めていません。ただ、未来に向けて自治体、市町村がどういう形で存続していくのかということを考えたときには、先ほど申し上げたように、もちろん今でも合併するという選択肢はないわけではないと思います。合併を全部排除するわけではないですが、合併すること以外にもいろんな選択肢、事務の共同化とか広域連合の強化だとかありますし、国全体で考えれば、国・県・市町村の役割分担をそろそろしっかり見直す必要があるのではないかなと思っています。

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10 ガソリン価格調整疑い報道について(2)

信越放送(SBC) 湯本 氏
 先ほどのガソリンの関係ですけれども、取材の中で複数の関係者からやはり価格調整があったというようなことが出てきています。一応県に調査の権限がないということですが、報告で(価格調整が)ない、仮にそういうことはないというものが返ってきた場合に、何か次の一手というか、県として現時点で考えておられますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 石破総理は仮定の質問には答えないのが国会の通例だっておっしゃっていましたけれども、県も石油商業組合の皆さまには真摯に対応してもらいたいということを期待してお願いをしていますので、私としては、やはりどういう形でご回答いただけるかということを踏まえた上で対応を考えていきたいと思っています。
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

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電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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