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更新日:2024年12月12日

知事会見(令和6年(2024年)8月9日(金曜日)15時34分~16時34分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 南海トラフ地震臨時情報について
  2. パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について
  3. 「2024セイジ・オザワ松本フェスティバル」の開幕について
  4. 県庁周辺の整備について
  5. 「健康寿命」全国1位について

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取材者からの質問

  1. 南海トラフ地震臨時情報について(1)
  2. 国民スポーツ大会について
  3. 大糸線について
  4. パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について(1)
  5. 信州学び円卓会議について
  6. 人口減少対策について(1)
  7. 県民起点の県政について
  8. 南海トラフ地震臨時情報について(2)
  9. パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について(2)
  10. 人口減少対策について(2)
  11. 公共交通機関における人材不足について
  12. 人口減少対策について(3)

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本文

阿部知事からの説明

 1 南海トラフ地震臨時情報について

長野県知事 阿部守一
 きょうの会見項目は全部で5点です。まず1点目が、南海トラフ地震の臨時情報についてです。これにつきましては、昨日危機管理監の方から県民の皆さまへの呼び掛けを行ったところです。きょうも資料をお配りしています。基本的には昨日と同じものですけれども、改めて私の方からも伝えたいと思います。昨晩、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」が19時15分に初めて発表されたところです。皆さまのお手元の資料にありますように、今後1週間は大きな地震に注意が必要です。長野県も34の市町村が南海トラフ地震防災対策推進地域に指定されているところです。これらの市町村では震度6弱以上の揺れが想定されているということですし、また地震被害想定等で南海トラフの地震に伴う県内の震度予測をしているところですが、これ以外の地域でも、例えば南海トラフでもいろいろなケースがありますので一概には申し上げられない部分もありますが、例えば長野市においても南海トラフの巨大地震の場合は震度5強ということも可能性としてはあるわけです。そういう意味で推進地域の皆さまは特に注意が必要ですけれども、それ以外の地域の皆さまも、ぜひ日頃から地震への備えの再確認をしていただきたいと思いますし、またすぐ避難できるような準備もお願いしたいと思っています。きょうお示しした資料には2枚目の所に「地震への備えの再確認や取るべき行動のチェックリスト」も付けているところです。迅速な避難、安全な避難場所とか避難経路の確認であったり、あるいはご家族の皆さまとの連絡手段を決めておくとか、こうしたことをぜひ心掛けていただければと思いますし、また家具類の転倒防止対策も重要ですし、地震発生後の避難生活への備えとしての備蓄であったり、今回南海トラフの地震の臨時情報が出ているわけですが、本県においても南海トラフ地震に限らず、いつ何時、大きな地震が起きるか分からないという状況もありますので、ぜひ県民の皆さまには南海トラフの地震臨時情報にまず留意をいただくとともに、ぜひ地震に対する備えの在り方というものを、この際しっかり再確認をして対応いただければと思っていますので、よろしくお願いします。

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2 パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですが、パリオリンピックが開催中です。連日のように日本選手の活躍が報道されているわけですけれども、長野県ゆかりの選手、出身の選手もいろいろと活躍しているところです。今回、出口クリスタ選手が金メダルを獲得され、また大岩義明選手が馬術で銅メダルということで大変うれしいニュースだと思っています。出口選手は東京オリンピックに出られなかった悔しさを糧にされて、たゆまぬ努力を重ねられた上で、世界ランク1位で今回初めてのオリンピックに臨まれて、見事金メダルを獲得されたということで、大変素晴らしい、これまでのご努力に敬意を表するとともに今回の金メダルの獲得に心からお祝いを申し上げたいと思います。また馬術競技で銅メダルを獲得された大岩選手、馬術では92年ぶりというメダルの獲得だと伺っています。5大会連続でご出場をされたわけでありまして、これまでのご努力に敬意を表したいと思います。まだ競技が続いているわけですので、長野県ゆかりの選手だけではなくて、日本選手全体、あるいはオリンピックに参加している各国の選手、ぜひ頑張ってほしいと思っています。長野県としては今回オリンピックに出場された皆さまにはスポーツ栄誉賞を贈呈したいと思っています。また特にメダルを獲得された皆さまにはスポーツ特別栄誉賞を授与したいと思っています。贈呈式については現在日程調整中ですので、また日程が決まれば皆さまにお伝えしていきたいと考えていますので、よろしくお願いします。

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3 「2024セイジ・オザワ松本フェスティバル」の開幕について

長野県知事 阿部守一
 続きまして、今年もセイジ・オザワ松本フェスティバルが開催されます。本日開幕ということで準備されてこられた実行委員会の皆さまをはじめ、関係の皆さまのご努力に感謝を申し上げたいと思います。今年の2月に小澤征爾総監督がご逝去されたわけですけれども、改めて小澤征爾総監督のご功績に心から哀悼の意を表するとともに、長野県も含めた関係者で総監督の思いをこれからもしっかり引き継いで、素晴らしい音楽フェスティバルとして発展するように取り組んでいきたいと考えています。この夏も多くの皆さまに感動と癒やしをもたらす、素晴らしいフェスティバルになると期待しているところです。多くの皆さまと力を合わせて、さらにセイジ・オザワ(松本)フェスティバルを発展させていくように私も努力していきたいと思っています。

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4 県庁周辺の整備について

長野県知事 阿部守一
 それから4点目ですけれども、県庁周辺の整備についてです。長野県庁の周辺、この地域はいわゆる長野県における官庁街です。私としては、かねてからこの周辺地域、そうした地域にふさわしい風格があり、潤い、あるいは憩いの場となるような場にしていきたいと考えているところですが、このたび県庁周辺の整備方針を策定していくことにしました。8月26日に第1回の有識者会議を開催して具体的な検討をスタートさせていきたいと思っています。UDC信州のセンター長をお引き受けいただいている東京大学の出口先生をはじめ、まちづくりの専門家、あるいは長野市、地域の代表の方にもご参画をいただき、長野市の都市計画や県有施設の立地状況も踏まえながら県庁周辺のまちづくりの方向性についてご意見を頂きたいと考えています。県警本部庁舎の建設というものを契機として、この県庁舎周辺を一体的に整備していきたいと考えています。県有施設は、これまで点としての整備ばかりでありましたが、やはり若者が居続けたくなるような地域をつくるためには、まちづくりは非常に重要だと思っていますし、人を引きつける地域にしていく上では、潤いのある快適な空間をどう地域においてつくっていくかということが大変重要だと思っています。そういう観点で、今回は県庁舎とその周辺を一体的に整備していきたいと考えています。専門家の皆さまからはしっかりとご意見を伺いながら活発な議論を進めていきたいと考えています。

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5 「健康寿命」全国1位について

長野県知事 阿部守一
 それから最後5点目ですが、健康寿命について今年も女性が7年連続、男性が2年連続で全国1位になったというニュースです。国民健康保険中央会から要介護度を基に健康寿命が算出されて今月公表されました。平成27年から毎年数値が公表されるようになったわけですが、平成28年以降、令和2年に男性が全国2位になりましたが、それ以外は男性も女性もずっと1位です。長野県の健康長寿を示す重要な指標だと考えています。ただ健康寿命の数値自体は少し下がってしまっている状況です。これは全国的な傾向ですけれども、本県においても下がっているということで、これは令和4年の数値ということで、まさにコロナ禍でもありましたので、なかなか活動がしづらかった、運動等もしづらかったといった、さまざまな要因がありうるものと思いますけれども、もう1回数値自体がアップするように県民の皆さまと取り組んでいきたいと考えています。信州ACE(エース)プロジェクトということで、アクション(A)・チェック(C)・イート(E)、運動、健診、それから食生活、こうしたものに留意してさまざまな取り組みを進めてきているわけですので、ぜひ県民の皆さまにも改めて、少しコロナの時にはなかなか運動したりとか、あるいはいろんな人とコミュニケーションが取りづらくて、どうしても家に引きこもりがちになりかねない状況であったわけですけれども、もう1回この健康長寿の長野県の数値を伸ばす方向性で、ぜひ県としても努力をしていきたいと思いますし、長野県で暮らす皆さまが健康で長生きすることができるように、お一人お一人にぜひ健康維持増進にご留意いただければと考えています。
 私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 南海トラフ地震臨時情報について(1)

信濃毎日新聞 竹端 氏
 南海トラフ地震の関係で数点お伺いします。長野県内でも地震が起きた場合は大きな被害が想定されるわけですけれども、改めて今回初めて臨時情報が出たことに対する知事のご所感と、きのうのきょうではありますけれども、もし現状で何か県としての課題ですとか、今後改めて重点を置いて対応を取るべきこと等ありましたら、まずお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 南海トラフの地震だけではなくて、本県内のいろいろな地震の被害想定を行って、これまでも地震に対する備えを行政としては進めてきました。ただご承知の通り能登半島地震を踏まえて、地震防災対策アクションプランを現在策定している途上ですので、より一層対策を強化すべき点がまだあると考えています。そうした中で今回、南海トラフ地震臨時情報、巨大地震注意というものが出されたところですので、改めて県行政としても気を引き締めて対応していきたいと思います。今後の対応については平常時に比べて大規模地震の発生確率が南海トラフの想定震源域では高まっている状況ですので、改めて大規模地震が起きたときに速やかに対応すべきことは何なのかということについて各部に検討してもらうようにしっかり指示をしていきたいと思っています。私も県知事としていろいろな災害対応を行ってきました。地震で申し上げれば栄村の地震、それから神城断層地震、白馬を中心とした地震がありますが、これらはいずれも地震の規模は大きかったですけれども、長野県全体から見れば地域限定的でした。今回、南海トラフの地震が仮に発生するということになれば、これまでの私が経験してきた地震に比べると、全く地域の規模、地震の強度、レベル感が違うものになる可能性がありますので、そういう意味では私も改めて地震に対して今までの経験値だけでは対応できないことがありうるという前提の下で、しっかりと向き合っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 竹端 氏
 重ねて情報発信の関係でお伺いしたいのですけれども、県民向けには既にホームページ等で注意の呼び掛け等をされていらっしゃいますけれども、今後1週間注意するという中で、今回お盆を控えているということで、あまり土地勘のない観光客の方ですとか、帰省される方等、人の往来が活発化すると思うのですけれども、そういった中で避難場所等を含めて、どういった手段でどういった情報をより広く発信されていくお考えなのか、お伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘の通り、今、夏休み期間中でもありますし、これからお盆の時期ということで、県外からいらっしゃる方への対応も非常に重要だと思っています。そういう意味では観光客の安全確保という観点で、県から宿泊観光施設に対しての注意喚起を市町村の観光担当課、あるいは観光関係団体を通じて行ったところです。ぜひ避難誘導体制の確認であったり、地震への備えの再確認、さらには施設設備等の防災対策の点検、こうしたものをしっかり行っておいていただきたいと思っています。

中日新聞 清水 氏
 続いて南海トラフの臨時情報の関係で、令和5年2月に対応を県としてまとめられたかと思うのですが、今回巨大地震注意という発表の中で、いろいろとこういうことを確認するということを一覧で対応の中でまとめていらっしゃいますけれど、今回どの程度これが機能して、実際に確認や呼び掛けを県が行ったかということを教えていただきたいということと、本日ため池の点検などをされたかと思うのですが、その点検結果など何か分かることがあればお願いします。きのうのきょうで恐縮ですが。

長野県知事 阿部守一
 まず南海トラフ地震臨時情報への対応について、これはご指摘の通り昨年2月に取りまとめています。昨日の会議の場でも各部局と共有して、これを踏まえてこれまで対応してきていますので、そういう意味では昨年取りまとめた対応の在り方が非常に役に立っていると思っています。ため池については調査中だと思いますが、農政部で、もし今、伝えられることがあれば。

農地整備課長 柳澤和道
 きょうの午後ぐらいから各市町村で順次ため池を見に行っているということで、多分マスコミの方も取材に行かれたということで、伊那市と飯田市の方の関係は始まっていると聞いています。数とかはまだ報告はないのですが、完了しましたら一応報告をしてもらう形でお願いをしてありますので、またその辺がまとまればお伝えできると思います。

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2 国民スポーツ大会について

長野朝日放送(abn) 山岸 氏
 おととい国スポの見直しで、知事会の代表としてスポーツ協会に行かれたと思うのですけれども、改めて考え方の要点というか、ポイント、それと9月からの有識者会議に知事は出席されるということですけれども、どんなことを訴えていきたいかお願いします。

長野県知事 阿部守一
 福井で開かれた全国知事会議で全国知事会としての考え方を取りまとめたところです。ポイントとしては、やはり3巡目を迎えるに当たって、今までの国民体育大会から国民スポーツ大会ということで名称も今年の佐賀大会から変わっていきます。そういう意味では新しい大会にしていくと。われわれ知事会としても持続可能な大会にしていくということが重要だと思っていますが、ただ、その大前提はゼロベースでの抜本的な見直し、これを行っていただくということが前提だと考えています。主たる論点としては、まずは人的・財政的負担が非常に重いということがあります。そういう意味では大会全体の簡素化であったり効率化、それから国と日本スポーツ協会に大会運営経費については2分の1以上を負担してほしいということを今回取りまとめていますけれども、やはり国民スポーツ大会は国と日本スポーツ協会と、それから都道府県との共催になっていますので、そういう意味では国と日本スポーツ協会にはしっかりとした負担をお願いしていくことが必要だと思っています。あと開催期間等についても、これは本大会は11日間とか、そういう縛りがかかっていますが、最近の国民体育大会に私も何回か参加してみると、やはり例えばなかなか参加人数が多いので周辺地域の宿泊施設やキャパシティが足りないとか、あるいはなかなかバスの調達に苦労するとか、そういった状況もありますので、こうしたものも極力弾力化してもらうことが必要だと思っています。国民スポーツ大会は改めて多くの方に注目されるような大会にしていくことが非常に重要だと思っている反面、今、申し上げたような課題を改善していただかなければ、持続可能な大会にはなっていかないと考えていますので、そういう意味では各都道府県知事の思いをしっかり踏まえながら、私としては知事会の代表として有識者会議にしっかり臨んでいきたいと思っています。

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3 大糸線について

市民タイムス 萩原 氏
 きょうの発表以外のことで恐縮なのですけれども、先週知事は福井県で大糸線のPRをテレビ・ラジオ等でしてこられましたが、福井で実際大糸線を知っていらっしゃる方がどれだけいるのかということもあるのですけれども、PRしてみて手応えは率直にどうでしたでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私がPRしたのは長野県永久観光大使の峰竜太さんと一緒にテレビ・ラジオへの出演と、それから地元の新聞社を訪問しましたので、正直に言って少し県民の皆さま、市民の皆さまの直接のリアクションは分からないところがあります。ただ、知事会の時に福井県の職員が随所に立って誘導していただけたので、長野県は敦賀延伸で新幹線でつながりましたがどうですかという話をしたら、例えば軽井沢にはやっぱり行きたいとか関心をお持ちになられていましたし、他の方と話しても軽井沢は非常に人気があるのではないかというお話はありました。ただ、その一方で今回は大糸線をメインにアピールをしたところですので、ぜひ大糸線経由でも長野県にお越しいただけることを心から期待しているところですし、そうした観点でしっかりPRをしたところです。

市民タイムス 萩原 氏
 今後もやはり大糸線に関しては、トップセールスみたいなことは随時やっていかれるお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。また関西にもお盆明けに行きますし、もちろん長野県の観光地は大糸線沿線だけではないのでいろんな所のPRもしますけれども、私としては一つは交通手段が北陸新幹線が敦賀まで延びて、関西方面からこれまでより時間と距離が短くなったこともありますので、ぜひ一つは北陸新幹線回りでの長野県観光をPRしたいと思います。それは大糸線も含めてですね。それから、もう一つは信州まつもと空港、やはり関西からお越しいただくときには神戸、それから季節便ですが伊丹便、こうしたこともしっかり認知度が上がるようにアピールしていきたいと思っています。

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4 パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について(1)

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点全く別件ですけれど、確認のような質問になってしまって恐縮なのですけれども、先ほどスポーツ特別栄誉賞の関係をおっしゃられましたが、確認で恐縮なのですけれど、メダルを取った方に贈られるということでしたが、本当にメダルの色は関係なく、あと出口選手はカナダ代表ということでしたが、そこら辺ももう関係なく、(長野県)ゆかりの方がこれからもメダルを取られたら特別栄誉賞という認識でよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。まずメダルの色には関係なくと思っていますし、出口選手は代表国こそカナダということですけれども、長野県で教育も受けられたり、柔道も長野県で身に付けられたということもありますので、そういう意味では出口選手も対象にしたいと思っています。

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5 信州学び円卓会議について

信濃毎日新聞 森 氏
 発表外で恐縮なのですけれど、先日ありました信州学び円卓会議の関連でいくつかお伺いします。先日会見の中で、知事と教育長で今後の教育改革に向けたメッセージというか決意を語っていただきましたが、円卓会議でまとめた項目については主に小中学校の義務教育に関わる部分が多いかと思います。県としてはこれまでフリースクール認証制度であったりとか、やまほいくの制度であったりとか、学校外での学びの充実というところを主に取り組まれてきたのかなと思うのですけれど、改めて今の義務教育に対する課題の認識と、なぜ今、義務教育に対する改革が必要なのかというところ、その2点についてお考えをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 私の権限と教育委員会の権限がありますので、どちらかと言うと信州やまほいくとか、信州型フリースクール認証制度とか、学校の本体以外のところの特色づくりに、これまで知事としては取り組んできました。もちろん学校の在り方は教育委員会がこれまでも一生懸命検討して改善すべきところは改善してきていただいたわけですが、ただ今回、信州学び円卓会議で県内のさまざまな方のご意見を伺い、また私も例えば全市町村を回っての対話集会でも、かなり教育、特に義務教育についてのご意見を市町村長の皆さまも含めていろいろ頂戴をしてきました。県の所管でいけば、やはり高等学校ということになると思いますけれど、高等学校もこれから再編だけではなくて特色づくりを進めていきたいと思いますが、やはり市町村立学校である小中学校についても、しっかりと改革をしていかなければ、県民の皆さまのご期待に応えることが難しいのではないかと思っています。そういう意味では私と教育長で決意表明をして、日本の学びの新しい当たり前を信州からつくっていこうということで、子どもたち一人ひとりの個性や能力に合わせた教育の実現であったり、あるいは先生がもっともっとチャレンジできるような環境づくりであったり、こうしたことに取り組んでいきたいと思っています。ずっとこの間、最近いろんな方と人口減少の議論もして、県民の皆さまの意見も聞かせていただいていますけれども、やっぱりいろんな意味で教育が出てきます。UIターン、やっぱり地元のことをもっと知ってもらう必要があるのではないかという観点での教育であったり、あるいは地域の皆さまが必要としている学びを実現していくための教育の在り方であったり、あるいは新しい時代の地域社会を担う、要はAIだったり、デジタルの時代における人づくりの在り方という観点での教育改革の方向性であったり、やはりいろんな議論をしていてもかなり教育に最終的には行き着くことが多いので、そういう意味では私の権限だけではなくて武田教育長をはじめ、県の教育委員会の権限、そして市町村長、市町村教育委員会の権限と非常にまたがってしまう分野ですけれども、しかしながらそうした皆さま、もちろん学校現場の皆さまも含めて、保護者、地域の皆さま、多くの皆さまと一緒に学びの改革、教育改革、義務教育にも踏み込んでいきたいということで決意表明しているところです。

信濃毎日新聞 森 氏
 今おっしゃっていただいたことと少しかぶるかもしれないのですけれど、今後まとめた部分を踏まえて実行に移していく段階に入ってくるかと思うのですけれど、それらを実現するには1年とか2年とかいうスパンではなくて、もう少しかなり長期でみていく必要があるのかと思うのですけれど、改めて知事が思い描く長野県教育の理想像であったりとか目指す姿について、お考えを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 すごく難しい話なので話し出すと長くなってしまうのですが、私の基本的な思いは、やはりまずは現場。現場というのは、要は教育でいえば学校。学校も先生だけでなくて保護者の皆さまの思いもあれば子どもたちの思いもあれば地域の皆さまの思いもありますので、そういう学校に関わる皆さまの思いが具体化できるような、より分権型というか、学校に権限がある、そうした教育に、まずは教育システムとしては変えていきたいなと。要は文部科学省が一番何か物事を決める権限を持っているかのような、実際はそうでないと思いますけれども、文部科学省の人たちも「いや、これはもっと現場でやっていいですよ」と言うことが多いので実際はそんなに文部科学省が全部すべてコントロールしていると私は思ってないですけれども、ただどうしても国からいろんな通知が出たりするとそれにとらわれがちなので、もっともっと主体的、自主的に学校経営がなされるような教育、長野県も広い県ですので、地域独自の教育がもっとできるようなこと、あるいは子どもたち一人ひとりに寄り添った教育ができるようにということが、まずは重要だと思っています。それと併せて、もちろん基礎学力をしっかり身に付けていただくことも重要ではありますが、今まさにいろいろな課題が世界の国々と直結している時代です。環境エネルギーの問題であったり、経済的な問題であったり、そうしたいろいろな課題が世界と常につながっていますので、そういう意味では地球市民的な発想や行動ができる、そうした学び、そうした人材を育てていくことができるような教育にぜひしていくことができればいいなと思っています。

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6 人口減少対策について(1)

信濃毎日新聞 井手 氏
 少子化・人口減少(対策)戦略について伺いたいのですけれども、9月に戦略の骨子案を作ると思うのですけれども、今、県庁挙げて意見交換を行っていますけれど、その骨子案に盛り込むような要素って、知事の感覚で大体絞り込まれてはきているような状況なのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 最近いろんな所で私も申し上げているので、私も相当対話をさせていただく中で、若い世代の人たちを中心に、かなり議論が集中する分野というのはやはりあると思っています。一つは働き方のところですよね。きょうも午前中、「女性から選ばれる長野県を目指すリーダーの会」を開催しましたけれども、やはり女性に限らず高齢者、障がい者、外国人、いろんな人たちが、もっともっと働きやすい職場環境、柔軟な働き方ができるような働きやすい職場をどうつくるかということは働く皆さまにとっても重要ですし、その一方で人材確保に今困難を極めつつある産業界、経済界にとっても、産業を発展させていくために避けては通れない重要なテーマだと思います。そういう意味では産業の生産性を上げていくことと、それから働き方を変えていくこと、表裏の関係ですが、働き方と経済の問題が、まず一つ大きな視点だと思っています。それからもう一つ、やはり若い人たちと話をすると、どうしても働く場が少ないから県外に出てしまうということももちろんありますけれども、もう一つやはり街の魅力、娯楽とかそうした部分のご意見をかなり伺うケースが多いです。これはやはり市町村の皆さまと力を合わせて、より魅力があるまちづくり、楽しい街をどうつくるか、ということをしっかり考えていかなければいけないと思っています。なかなか行政だけでは楽しい街にはならないので、ぜひ企業の皆さまはじめ多くの皆さまと一緒に、まちづくりを考えていかなければいけないと思いますが、それとの関係で行政的な視点で言えば、やはり市町村長の皆さまはインフラの持続可能性ということに対する危機感を持たれている方もいらっしゃいますので、そういう意味ではコンパクト・プラス・ネットワークの地域づくりをどう進めていくかということも、このまちづくりとほぼ似たような観点で重要なテーマだと思っています。また、もちろん若者の応援、この辺はずっと話をしていて、今、意識的には若い世代と意見交換をしていますけれど、若い世代の意見とか若い世代の声が、普通の場面ではなかなか世の中の変革につながるような意見表明をする場が少ないと思いますし、これからの未来、例えばデジタルスキルもだいぶ私の年代と若い世代も全く違うので、もっともっと若い人たちが活躍できる、そうした県にしていくことも重要なポイントではないかと思っています。細かい点はもっといっぱいありますけれども、どこでも大体出てくるテーマはそういう部分になってきているかなと。あと教育、人づくり。多くの人たちの話題が集中するのはそういう分野になってきていると思っています。

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7 県民起点の県政について

信濃毎日新聞 井手 氏
 もう1点。今、知事もいろんな所で直接対話を重ねられていると思うのですけれども、知事が就任された1期目の最初から県民主権だったり県民起点の県政ということで、県民の政治参加だったり県政への関与というのを進めてこられましたけれども、まもなく知事就任から14年を迎えますけれども、そこら辺の到達度というか、進み具合の自己評価というのはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。率直に言って今、申し上げたように、例えば若い世代の声がどこまで反映されているかと考えれば、まだまだではないかなと。ただ、例えば審議会の委員に占める女性の割合は一時4割を超えて、今は4割を切ってしまっていますけれど、かつてに比べればだいぶ増えていますので、そういう意味では女性の参画とか女性の声を聞く機会というのは、これまで以上に充実はしてきていると思っています。ただ少し若者の観点、こども基本法もできたり子どもも権利の主体としてとらえる、あるいは若い人たちにもっと声を上げてもらえる、そうした部分は率直に言って、まだこれからかなと思います。

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8 南海トラフ地震臨時情報について(2)

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 2点お伺いしたくて、一つ目なのですが、少し戻って南海トラフの件で、南海トラフというと、どうしても津波のイメージとかが全国的は大きかったりするのかなというところもあって、長野県での被害について被害想定とかの発信、これは私たちの反省も含めてもっと発信が必要かなという気もしていて、県のホームページとかを見ていても、もう少し、こんな被害がこれだけの地域でと、何かもう少し分かりやすく伝えることもできたらいいのかな、なんて思っていたのですが、このあたりはまずは南海トラフで、それ以外の地震も含めて今後どんな被害が想定されるからどう気を付けてほしいとか、発信について何か今後取り組む考えはあるのかをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 きょうは昨日のものに加えて地震への備えを具体的にどんなことに気を付けていただいた方がいいかということをお示しして、少し、より具体的にしたつもりではいます。ただ、ご指摘の通り南海トラフの地震が起きたときに、どれぐらいの被害が想定されているのかというのを県もデータを持っていますので、今までも公表はしていますけれども、少し分かりやすくお伝えしていく工夫は必要だなと思います。行政はしっかり対応・対策を行っていきますが、やはり初期の対応というのは一人ひとりの皆さまに委ねられる部分がたくさんありますので、そういう意味で県からもより分かりやすい注意喚起ができるように工夫をしていきたいと思います。

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9 パリオリンピックにおける長野県関係選手のメダル獲得について(2)

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 あともう一つだけなのですが、全然話が変わって、またオリンピックの話なのですが、個人的に知事が例えば出口選手の試合だったりとか大岩選手の競技の姿だったり、実際にリアルタイムでなくてもご覧になったりしたとか、もしご覧になっていたらその感想とか、結果を受けて自分としても何か勇気をもらったではないですけど、何かそういう個人的な感想があればお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 パリでやっているので時間帯がだいぶずれているので、ものによってはライブで見ているものもありますけれども、残念ながら出口選手と大岩選手のものはリアルでは見ていません。ニュース等でその後の状況を拝見しましたけれども、まず大岩選手はベルサイユ宮殿ですよね。素晴らしいフィールドで競技されていることにまず驚いたと同時に、やはり日本代表としては本当に長い間メダルが取れなかった中で獲得されたというのは、本当にすごい努力の積み上げの結晶ではないかと感動しているところです。また出口選手は県庁にもお越しいただいたことがありますので、ぜひ頑張ってもらいたいなと。世界ランキング1位で臨まれたということでプレッシャーもあったかと思いますが、非常にしっかり結果を残してもらえたということで、とてもうれしく思っているところです。

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10 人口減少対策について(2)

時事通信 村本 氏
 先ほどの人口減少対策のお話が出ましたけれども、先日の全国知事会の時に小池都知事が東京一極集中と人口減の関係は不明確だというお考えを示されましたが、改めて阿部知事のお受け止めをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 あの時は私も何か発言をして、どちらかというと知事間対立になりそうだったのであんまり対立しないようにとは思ったのですけれども、結局、小池知事というか東京都だけ違う意見であることを付記する結果になってしまいました。少し私としては率直に言って残念だなと。残念というのは、やっぱり知事会全体として国に強く求めていかなければいけないものですので、本当は同じ内容でまとまれればよかったと率直に思っています。私は東京の世界戦略であったり、成長戦略であったり、こうしたものはどんどん進めてもらって、東京が世界の中で優れた都市になる、選ばれる都市になることについては全く反対するものではありませんし、ぜひそうした取り組みを進めていってもらいたいと思っています。ただその反面、私も東京生まれ東京育ちですが、東日本大震災の後も結構いろんな所で言ったのですけれど、東京は自立してないと私は思っています。経済的には一見豊かで街もにぎやかなので、すごく自立した地域のような幻想にとらわれがちですけれども、食料にしても水にしてもエネルギーにしても、東京だけが独立したとすれば全く成り立たないわけですし、福島の原発事故の後、いかに東京がエネルギーを地方に依存しているかというのは当時、東京の皆さまはよく分かったのではないかと思っています。また時代が過ぎて、何となくそういう感覚が共有されなくなってしまっているのではないかと思っていますが、私は今、申し上げたように東京が発展しなくていいとは全然思いません。その一方で地方だけよければいいとも思いません。東京だけがいいとも思いません。やっぱり日本全体の中で都市と農山村部、大都市と地方がどうやって連携協力しながら発展させていけばいいのかということを真摯(しんし)に考える必要があるし、まさに人口減少の局面では、そうしたことが国民的にも求められているのではないかと思っています。全国知事会では人口対策の戦略本部が設置されたわけですので、今後そうした本部の中で知事会として一緒になって行動できるように私も努力していきたいと思っています。

共同通信 滝野瀬 氏
 今の(質問)に関連してですけれども、結局知事同士の中でも東京の知事も国に何とかしてほしいと、これは国の問題なんだという意識が共通しているにもかかわらず、決議文では、やっぱり産業の部分だったり人口の部分で一致できないというのは、これは知事同士の問題なのか、それとも構造的な問題なのか、背景はどういうふうに分析されるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私が反対しているわけではないので、そこは正直なところよく分からないところがありますが、少なくとも小池都知事も、やはり子育て支援は国がもっとしっかりやるべきだとおっしゃっていたと思いますので、その部分では目指す方向性は同じではないかと思います。ぜひ地方、市長会・町村会も含め、しっかり地方としてまとまって行動していくことが私は重要だと思いますので、そうした思いを持ちながら行動していきたいと思います。

共同通信 滝野瀬 氏
 改めて人口・産業が特定地域に集中という文言をめぐって今回やり取りがあったわけですけれども、その中で決議をしたという、そこの意義について改めてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 今回の全国知事会では国民スポーツ大会の話も各県知事からいろいろなご意見がありましたが、一番重要なテーマは人口問題だったと思います。そういう中で決議文が取りまとめられ、そして本部が設置されたということは知事会としては大きな前進だったと思っています。政府も子育て支援策にかなり一生懸命取り組んできているところですし、私としてはそうしたかなり財政的にも重点投入しながら取り組もうとしているので、そうした方向性は評価するところですが、ただ国土政策的な視点であったり、あるいは国と地方の最適な役割分担の在り方であったり、人口減少に向き合う上で本格的に取り組むべき問題がありますので、そうした部分についてはこれから国にしっかり問題提起をしていきたいと思っていますし、そうした問題意識を国とも共有しながら進めていくことが日本全体にとっては重要なことだと思っています。

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11 公共交通機関における人材不足について

信濃毎日新聞 河田 氏
 先ほど長野電鉄から特急列車を一定の期間、1日半分ぐらいに減便すると。理由は鉄道運転士の人員不足ということでした。観光立県を掲げている信州にとってスノーモンキーとか、ゆけむりという列車が運休するというのは影響もあるかと思いますが、この受け止めをお聞きしたいのが一つと、もう一つ、これまで主にバスを主眼に運転手の確保ということを考えてこられたと思いますが、今回は鉄道の運転手というところで県として交通の担い手の確保に向けてできる支援というのがあるのかどうか、この2点をお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 そのニュースを私は承知していないので的確なコメントをしかねるところもありますけれども、一般論的に申し上げれば、あらゆる分野で人手が足りなくなって、そしてそれに起因して企業の経営が成り立たなくなったり、あるいはサービス水準の低下を来していることは、まさに人口問題からくる重要な課題だと思っています。そういう意味では今、人口戦略を取りまとめる中では人材の確保育成をどうするかということは一つの大きな柱として位置付けていかなければいけないと思っています。とりわけ公共交通については地域の基本的な、いわゆる社会的共通資本でもありますので、そういう意味では他の分野以上に県がしっかり目を向けて取り組んでいかなければいけない分野だと思っています。ご指摘があったように、バス運転手の確保対策については支援を行っていますが、公共交通全体の在り方を今、検討しています。基本的には公共交通分野にはこれまで以上に公的な財源を投入してでも維持していかなければいけないというのが、何度も繰り返し申し上げているように私の考え方ですので、そういう中で人材確保をどうするかということも、事業者の皆さまの考え方もお伺いしながらしっかり方向感を出していきたいと思います。

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12 人口減少対策について(3)

共同通信 滝野瀬 氏
 先ほど知事の方から東京都は自立していないのではないかという発言がございましたけれども、これはその意味するところとすれば東京都がそういう現状を理解していれば今回の決議は、そういう反対が出てこなかったのではないかと、そういう受け止めでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこまで深い意味を込めて言っているわけではなくて、これまでもいろんな所で私は言ってきています。特に先ほども言ったように、東日本大震災の後はそうした発言を随所で私はしてきています。私はずっと、例えば地方行政に携わってきましたし、今は過疎連盟の会長をしていますが、ともすると大都市は何か自分たちでやっていけるというような幻想にとらわれがち。幻想というと強すぎるのかもしれませんけれども、実際地方がなくてもやっていけると思ってしまいかねないところがあるのでないかと思います。だけど、では東京だけ日本から切り離して、それで自立していけるかといえば、多分すぐにエネルギーとか食料とか、それはどうするんだと。例えば東京都が独立国家になったとしたら全部輸入するという形に多分なるのだと思います。そういうことを考えれば、やはり政治行政に携わる者が考えなければいけないのは、日本のそれぞれの地域が強みや特性を持っているわけです。ですから東京も東京の強みをもっともっと伸ばしてもらうことが必要だと思っていますが、しかしながら協力連携する部分はしっかり協力連携していくということが極めて重要だと思っていますし、そういう観点で申し上げたところです。

共同通信 滝野瀬 氏
 東日本大震災から都知事はもう何人も替わっているわけで、小池知事が個人としてそういうふうに思っているというか、東京都が置かれている現状について知事になるような人がそういうふうな幻想にとらわれる可能性があるという、そういうご指摘ということですか。

長野県知事 阿部守一
 知事がというか、先ほど申し上げたように私も東京生まれ東京育ちです。私は就職して最初に山口県庁で働くまでは基本的にはずっと東京で暮らしていましたので、東京の暮らしが日本のスタンダードとは違うということに初めて気が付きました。山口県庁の時ですね。だって東京の暮らしというのは大体、満員電車に乗るのが当たり前、通勤時間は1、2時間が当たり前、人の背中を無理やり押して通勤しなければ通えないというのが当たり前、道路が渋滞するのが当たり前、東京に住んでいればそれが当たり前の世界になりますけれど、やっぱり日本全体を見れば必ずしもそうではないわけです。私はそれまでは東京目線で見ていましたから、私もある意味、東京は東京だけでやっていけるのではないかという幻想を持っていた側ではなかったかと率直に反省しています。だけれどやっぱり豊かな農村があるからこそ食料が賄えるわけですし、やはり原発立地地域をはじめとする水源地の皆さまが一定の負担を受忍していただいているからこそ電力が供給されているわけですので、私は東京にいた観点からすれば、そういうことに思いをはせることも必要ではないかと思っています。今、世田谷の保育園には長野県の企業局から電力供給をしていて、その保育園の子どもたちはこういう山深い長野県で水力発電で発電された電気だということを学んでいただいていますので、そういうことをいろんな地域が地道に積み上げていくことも必要ではないかと思っています。
 ありがとうございました。

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