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更新日:2024年12月24日
長野県知事 阿部守一
私からは初めに5点お話をしていきたいと思います。
きょう、9月定例会が閉会しましたので、しっかり予算の執行を行っていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
その中でまず1点目ですが、観光振興税(仮称)の骨子を今回お示しをしたところですが、県民の皆さまとの対話をしっかりと行っていきたいと思っています。10月1日にプレスリリースした資料ですけれど、県民説明会を10月15日から県内4カ所で行っていきます。私も15日、17日、20日に長野市、松本市、小諸市、3つの会場で県民の皆さまに県の考え方をお伝えしていきたいと思っています。また、事業者団体等が別途説明会を希望される場合は、可能な限り、担当職員が出向いてご説明していきたいと思っています。また、パブリックコメントについては現在実施しているところです。ホームページから骨子案をご覧いただき、ご意見をお寄せいただければと思いますし、今回10月15日、北信の長野会場の県民説明会についてはオンライン配信を行いますので、ご覧いただいた上で、ご意見をお寄せいただいても結構です。県のホームページで動画として後でもご覧いただけるようにしますので、ご意見をお寄せいただければと思いますので、よろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
それから2点目ですけれど、長野県に大きな被害をもたらした東日本台風災害から5年の月日がたとうとしています。改めて亡くなられた方に哀悼の意を表したいと思います。また、被災された皆さまにはお見舞いを申し上げます。千曲川の堤防が決壊し大変広範囲にわたる被害が生じました。警察、消防、自衛隊、あるいは海上保安庁の皆さまにも応援いただいたわけですが、救助・救出に駆け付けていただいた皆さま、また復旧・復興に際しては、全国から本当に大勢のボランティアの皆さまにお越しをいただきました。改めて関係の皆さまのご協力とご支援、ご尽力に心から感謝を申し上げたいと思います。これまで県としては、市町村、国とも連携しながら、復旧・復興を行ってきたところです。インフラの復旧については昨年度までに、道路・河川、あるいは農業用施設の災害復旧工事も完了したところです。また、同程度の災害にしっかり対応できるように、国や新潟県と共同で信濃川水系緊急治水対策プロジェクトを策定して取り組みを進めてきました。国の管理河川については、令和9年度末の完了を目標に現在事業が進められている状況です。また、県の管理河川については、今年度末までの完了を目標にしていましたが、佐久市の遊水地事業など、一部で目標の時期までの達成が困難な状況になっています。引き続き、関係の皆さまのご理解・ご協力を頂きながら整備を進めていきたいと思っています。また、東日本台風災害を契機に、信州防災「逃げ遅れゼロ」プロジェクトに取り組んできています。ぜひ県民の皆さまには、自らの命は自らが守るという意識を持っていただいて、自分たちの住む地域がどんな状況にあるのか、ハザードマップもしっかり再確認していただければと思います。また避難所の確認、最低3日分の備蓄、こうした取り組みにぜひ主体的に取り組んでいただければありがたいと思っています。そうした中で、きょうお配りしている資料は9月にお配りしているものですけれども、5年目の節目を迎えるということで、(令和元年東日本台風災害の)教訓を忘れない、後世に伝えていくという観点から、今月は集中的にイベントが行われています。あした12日は地域における住民、学校、企業の活動をご紹介しながら、災害への備えについて考えていただくシンポジウムを開催します。私も参加する予定にしていますし、また31日には流域治水の観点から、水害の伝承、あるいはタイムラインの有効性等、防災・減災対策について、理解を深めていただくシンポジウムを行います。ぜひ多くの皆さまにご参加いただければと思っています。
長野県知事 阿部守一
続きまして、ツキノワグマの出没警報の期間延長についてです。10月14日まで佐久、上伊那、木曽、北アルプス、北信の5地域にツキノワグマ出没警報を発出しているところですが、今般、現下の状況を踏まえて、11月14日まで警報を延長していくこととしました。これは、これまでの出没状況、あるいは堅果類(けんかるい)の豊凶調査結果、そして専門家のご意見、こうしたことを踏まえて、今後もクマによる人身被害のリスクが高いということで、警報を継続するものです。秋は、クマが冬眠前まで食べ物を求めて広範囲で移動する時期です。警報発出の地域はもとより、それ以外の地域の皆さまにおかれても、ぜひクマへの備えを行っていただきたい、クマとの不意の遭遇にぜひ注意していただきたいと思っています。また里地にクマを寄せ付けないための対策、例えば収穫しない果樹類は適切な処理をしていただくといったような対応もぜひお願いしたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
続いて、新型コロナワクチンの定期接種についてです。お手元にチラシを配っていますけれども、10月から順次、各市町村で新型コロナワクチンの定期接種が始まっています。対象者は65歳以上の方、そして60歳から64歳の一定の基礎疾患を有する方が対象になっています。定期接種は通常の任意で接種を受けられる方に比べますと料金も安く接種を受けていただくことができます。ご心配な方については、ぜひこの機会をご利用いただければと思っています。今回接種できるワクチンは、リーフレットの中段から少し下に記載されていますように、いくつかの種類があります。詳細等については、医療機関等にお問い合わせをいただければと思っています。9月にお配りした次のプレスリリース資料ですけれども、県では、新型コロナワクチン接種相談センターを開設しています。接種をされるに当たって分からないことや不安なこと、そうしたものがある方については、ぜひこのセンターにご相談いただければと思っています。新型コロナワクチンと同様、インフルエンザワクチンの接種についても、今後順次開始されてくる形になります。秋冬の流行期になってきますので、ぜひ県民の皆さまには、引き続き感染に対する注意、備えを行っていただければと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから最後5点目ですが、銀座NAGANOのリニューアルオープンについてです。信州首都圏総合活動拠点「銀座NAGANO」については、ちょうど10年前の2014年10月に銀座5丁目に開設しました。これまで、延べ700万人を超える方にご来館をいただきご愛顧を頂いたところです。販売額も22億円以上ということで多くの皆さまにお越しいただいたことは大変ありがたく思っていますし、また多くの信州ファンを増やしていくことにも貢献してくることができたと思います。開設から10年が経過しようとする中で、いくつか課題がありました。来館していただく方の年齢層が比較的若い方が少なく、40代から60代が中心だったこととか、1階の床に段差があったり、店舗内の通路が狭かったり、いろんな課題がありましたので、今回リニューアルをして、10月26日にリニューアルオープンすることとしました。プレスリリース資料にありますように、10月26日、それから10月27日、2日間にわたって、リニューアルオープンを記念した特別イベントを開催する予定です。ぜひ多くの皆さまにお越しいただければありがたいと思っています。生まれ変わった銀座NAGANOがぜひ多くの皆さまから愛される、親しまれる、そうした場所になるように、これからも取り組んでいきたいと思っています。
私からは以上です。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 上沼 氏
ツキノワグマの出没警報について質問します。9月9日に発出して以降、人身被害を把握しているものがありましたら教えてください。
長野県知事 阿部守一
説明は担当課からします。
森林づくり推進課鳥獣対策担当課長 塚平賢治
9月9日の発出以降、人身被害は本日まで確認されていません。以上です。
中日新聞 清水 氏
ツキノワグマの出没警報の関係で、9月9日に発出されて1カ月少したったところですけれど、初めて警報という仕組みをつくられて、かつ初めて発出されて、その効果といいますか、手応えみたいなものは、どう捉えていらっしゃるかお願いします。
長野県知事 阿部守一
今回新しく警報の仕組みをつくって、そしてクマ対策のチームを設けて、予防的な対策も含めて各地域で行ってきました。自然の動物が相手ですので、その効果を定量的に計測するのはなかなか難しいですけれども、先ほど申し上げたようにこれまでの間、人身被害がなく過ごしてくることができたと思っています。これは、県民の皆さまお一人お一人が行動を注意されたこともあると思いますし、また一定の対策が功を奏している部分もあると思います。今回警報を延長する形になりますので、何よりも県民の皆さまの生命・身体を守ることが重要ですので、引き続き市町村をはじめ猟友会、関係の皆さまのご協力を頂きながらしっかり対応していきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
台風19号災害から5年ということの関係で、知事がおっしゃった一部で、本当は本年度末で県の事業が終了予定だったのですけれど、佐久などでその達成が困難となっているということなのですけれど、もう少し、どういった理由でどの事業が遅れているのかということを教えていただけるとありがたいです。
長野県知事 阿部守一
県として一番大きな遅れが出ているのは、桜井遊水地事業です。これは営農されている方がいらっしゃる地域ですので、やはり地域の皆さまのご理解をしっかり得ていくプロセスが重要になっています。県としてもしっかり事業の必要性をお話しして、ご理解を得られるように取り組んでいきたいと思っています。また、その他、今の段階では、令和6年度末までに完了しない事業が7事業と考えていますが、桜井遊水地事業を除くその他の6事業については、鋭意工事を進めている状況です。ただ、事業がいつまでに完了するかについては、今、精査中という状況です。県としては全体として治水効果がしっかり上がるように、できるだけ早く完成できるように引き続き取り組んでいきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
つまりは工事の着手が予定より少し遅れた影響があったということですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。今申し上げた桜井遊水地については、地元の皆さまのご理解がまだ十分得られていない状況ですので、しっかり理解を得られるように取り組んでいきたいと思っています。
朝日新聞 高木 氏
15日に衆議院議員選挙が公示されますが、選挙戦に期待されること、論戦で期待されることがありましたらお願いします。
長野県知事 阿部守一
きのう、全国知事会の国民運動本部長として、全国知事会として各政党に政策提言し、その集計結果について記者会見したところですが、私は取りまとめ役を担ったということもあって、人口問題については各政党とも問題意識を持って取り組んでいただける方向だとは思っていますので、具体的な取り組みも含めて、選挙戦の論戦の中で方向感をしっかり打ち出していっていただければありがたいと思っています。その他にも知事会としては九つの重点項目を掲げていますけれども、本県においても今回地震防災対策強化アクションプランを作りましたけれども、やはり大規模災害に対する備えであったり、あるいは子育て支援等、国として全国一律に行った方が望ましいという制度の国としての責任ある対応、こうしたことについても、強く期待をしているところです。
日本経済新聞 臼井 氏
銀座NAGANOの件でお聞きしたいのが、リニューアル前と後で結構変わったこととして、2、3軒隣に新潟県のアンテナショップができて、移住支援ですとか、あと日本酒みたいなものが、結構強みがかぶるのかなと思っていて、知事としてリニューアル後の銀座NAGANOで、長野らしいアピールポイントみたいなものがあれば教えていただきたいです。
長野県知事 阿部守一
近くに強力なライバル、また、できれば一緒にコラボレーションするところもコラボレーションして、新潟の皆さまと取り組んでいきたいと思っています。今回リニューアルをして、まず1階部分については先ほど段差等があるというお話をしましたが、バリアフリー化をして、さまざまな商品をお買い求めいただくために、より快適なスペースを提供することができると思っています。それから2階部分については、これまでのイベントスペースに加えて、日本酒、ワインのテイスティングスペースを設けますので、まさに日本酒の酒蔵とワイナリーの数を合わせると日本一の数を有する長野県としては、こうした多種多彩なお酒をお楽しみいただけるようなスペースも充実させています。加えて5階の部分には移住・観光相談機能を集約しましたので、移住者、あるいは関係人口の増加、そして観光のPR、こうした人と人をつなぐ役割も、これまで以上に強化をします。全体的にこうした取り組みを通じて、長野県と首都圏の皆さまがしっかりつながる、そうした拠点になるように取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
観光振興税(仮称)について二つお伺いします。県議会の委員会の審議の中で、骨子で示している定額ではなくて定率がいいのではないのかという意見もありましたけれども、定額で300円と設定していることのメリット、あるいはデメリットを、今、知事はどういうふうに考えているかというのを一つお伺いしたいのと、もう一つ、15日から説明が始まりますけれども、骨子に対して多様な意見が出た場合に、導入を予定している日程ですとか、中身について考えて修正を加えたりするということはあり得るのかどうか、この2点をお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
まず、定率、定額については、税金の在り方をどう考えるかということにかなりよる部分が大きいのではないかと思います。いわゆる応益なのか、応能なのか。定額の考え方というのは、基本的には長野県に滞在いただく方は同じように一定程度の行政サービスを受けているだろうということで定額という形。これは考え方としては首尾一貫するのではないかと思いますし、定率になるとやはり応能の視点になって、要するにより多く負担できる人からしっかり負担していただこうというもので、定率と定額はそもそも考え方がだいぶ、根本から違う話になり得ると思っています。そうした中では、県としては現在の考え方は定額ということでお示しをしています。それは滞在される方は高価格帯の宿泊施設に泊まる方であっても、そうでない方であっても、やはり同じようなサービスを行政の側が提供しているという視点に立っているわけです。そういう意味で現在の骨子案は定額制という形にしています。定率、定額のメリット、デメリットというのはもちろんあると思いますが、例えば、どんどんこれからインフレの時代になったときには、定率制であれば、特に条例改正等をしなくても税収額が増えることもありますし、そもそも税の基本的な考え方として、価格が高い宿泊を行った方は担税力が高いということで多くの税額を納めていただく形になるわけです。どちらが正しいとか間違っているということではなくて、どういう考え方に立って、どういう形でご負担に理解を求めるかということではないかと思います。ただ一方で、定率にした場合には、例えば、今、消費税が定率課税されているわけですので、非常にそうした既存の税との関係性としてはある意味分かりにくくなってしまう部分もあると思っています。さまざまなことを検討した上で、今回県としては定額が望ましいと判断しているところですが、もちろんいろんな方のご意見をこれからしっかり伺っていきたいと思います。全国的にも一部の自治体を除けばほぼ定額で課税しているケースが多いと思いますので、そうしたことも踏まえれば、県としては定額制についてご理解いただけるようにしていきたいと思っています。それから導入の時期等についてですけれども、県議会でもお話をしたように、県としては税金を頂戴することが目的ではなくて、必要と思われる観光振興のためにしっかり税金を使っていかなければいけないと思っていますので、そういう意味ではできるだけ早くいろんな取り組みをスタートさせていく上では、早く税収を確保できるようにしていきたいという思いはあります。その一方で、宿泊事業者をはじめとする関係の皆さま、市町村の皆さま、何よりも納税いただく皆さま、こうした多くの皆さまのご理解を頂くことも必要だと思います。今回の提案説明でも、早ければ11月定例会での条例案の提出を視野に入れて取り組んでいきますとご説明しましたが、できるだけ早く進めていきたいという思いもある一方で、絶対ここまででなければならない、絶対譲らないと決めているわけでもありませんので、今後説明会等を行う中で、判断したいと思っています。
どうもありがとうございました。
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