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更新日:2025年3月18日

知事会見(令和6年(2024年)12月27日(金曜日)13時30分~14時26分 会場:飯田合同庁舎(講堂)及び県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 全国高校駅伝について
  2. 知事南信州執務週間について
  3. 感染症対策について

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取材者からの質問

  1. 今年1年の振り返りについて(1)
  2. 知事南信州執務週間について(1)
  3. 私のアクション!未来のNAGANO創造県民会議について(1)
  4. 政府の新年度予算案について
  5. 今年1年の振り返りについて(2)
  6. 私のアクション!未来のNAGANO創造県民会議について(2)
  7. 知事南信州執務週間について(2)
  8. リニア中央新幹線について(1)
  9. 知事南信州執務週間について(3)
  10. リニア中央新幹線について(2)

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本文

阿部知事からの説明

1 全国高校駅伝について

長野県知事 阿部守一
 それでは、今年最後になりますけれども、会見を開きたいと思います。本日は飯田合同庁舎から会見を行っています。こちらの会場にもメディアの方にお越しいただいていますけれども、長野市にある県庁の皆さまとも、オンラインを通じてではありますが、しっかり質疑対応をさせていただこうと思いますので、どうぞよろしくお願いします。私から、まず冒頭3点お話を申し上げたいと思います。1点目は、全国高校駅伝、県勢で初めて男女同時優勝という大変うれしいニュースについてです。12月22日、京都市で開催された全国高校駅伝において、長野県代表として、女子は長野東高校、そして男子は佐久長聖高校、さらに北信越ブロックの代表として長野日大高校が出場しました。長野東高校は2年ぶり2回目、佐久長聖高校は2年連続4回目の優勝と、それぞれの優勝自体も大変うれしいことですが、男女同時優勝は県勢初の快挙だと受け止めています。改めて、選手、監督、コーチの皆さま、そして各学校の関係者の皆さま、保護者の皆さま、関係の皆さまに心からお祝いを申し上げます。長野東高校は終始トップを譲らずに、栄えある完全優勝ということですし、また佐久長聖高校は、事前の報道でも優勝候補の筆頭に挙げられ、2連覇のプレッシャーがかかる大会の中で、各選手がそれぞれ力を発揮され、見事に栄冠を勝ち取られたと思っています。また、長野日大高校は9年ぶりの出場ということで、緊張された部分もあったと思いますけれども、懸命にたすきをつないで、多くの人たちの心を打ったと受け止めています。「駅伝王国」長野の雄姿を、高校生の皆さまには全国に発信していただけたと思っています。年明けには、女子は京都で1月12日、男子は広島で1月19日に都道府県対抗駅伝が開催されます。今回活躍された選手からも出場される方がいますが、力強い走りでたすきをつないでいただければと思っています。スポーツの力で私たちに元気を与えていただくことに心から感謝を申し上げ、またこうした勢いを、ぜひ4年後の国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会にもつなげていきたいと思っています。

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2 知事南信州執務週間について

長野県知事 阿部守一
 続きまして、南信州執務週間を終えて、感想を申し述べたいと思います。今週の月曜日から本日まで執務の拠点を南信州・飯田に置いて仕事をしました。オンラインでの打ち合わせ等もかなり行いましたし、南信州各地のさまざまな現場、リニア、あるいは三遠南信の現場にも行きましたし、また保育士体験もしました。南信州・飯田に暮らす皆さまと同じ目線、同じ空気を吸いながら仕事をしたところですけれども、やはり長野県は非常に広い県ですので、改めてそれぞれの地域の課題、あるいは特色が全く違うということを感じています。私も県知事ですので、それぞれの地域のことを常に考えながら仕事をしていますけれども、今回こうして1週間滞在をすると、知らず知らずのうちに長野市目線で物事を考えるようになってしまうのではないかと、なっていたのではないかということに気付かされる部分もあります。引き続き、長野県全体がしっかり発展する県政でありたいと思いますし、また今回はリニアに関連してまちづくりをテーマに県民対話集会を開き、またリニアNAGANOサロンで、関係の皆さまとも、一緒にこれからのまちづくりを考える場の設定もしました。南信州地域、そして南信州の広域交通ネットワークの整備が県全体の発展にもしっかりとつながるものになるよう、県としても取り組んでいきたいと思っています。

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3 感染症対策について

長野県知事 阿部守一
 それから最後3点目ですが、資料をお配りしているかと思いますけれども、年末年始を迎えるに当たっての感染対策の呼び掛けです。インフルエンザ、それから新型コロナの状況ですが、まずインフルエンザについては、直近の定点当たりの患者数が35.55人で、前の週に比べて1.65倍増加しています。25日にはインフルエンザ警報を発表しています。しばらくの間、インフルエンザの流行の継続が懸念されますので、県民の皆さまにはぜひ注意していただきたいと思っています。またコロナについては、直近の定点当たりの患者数は8.19人、前週比1.36倍で、今後も増加が懸念されます。これから冬休み、あるいは年末年始で、帰省等で多くの方が移動される時期でもありますし、またふるさとのおじいちゃんおばあちゃん、ご高齢の方に接する機会が増える時期でもあります。県民の皆さまにはぜひ感染予防を心掛けていただきたいと思います。コロナの際には再三にわたって呼び掛けましたけれども、まず手洗い、マスクの着用を含むせきエチケット、換気、こうした基本的な感染対策は有効ですので、ぜひそれぞれ心掛けていただければと思います。また、マスクの着用はもう既に個人の判断という状況ですが、ご高齢の方とお会いしたり、また病院に行かれたり、大勢の方で会合をしたり、そういう際にはマスクの着用も含め感染対策への配慮、ご協力をお願いしたいと思います。また年末年始は、身近な医療機関がお休みになるケースも増えます。発熱等の症状がある方で受診を希望される場合には、地域の休日当番医を新聞、あるいは医師会のホームページ等でご確認いただき、事前に医療機関にご連絡いただいた上で受診していただければと思います。感染に気を付けて、健康で元気で県民の皆さまには新年をお迎えいただければと思います。私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

1 今年1年の振り返りについて(1)

市民タイムス 萩原 氏
 例年伺いますが、今年を振り返って、知事が考える今年の漢字と、それに絡めて今年の振り返りをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 私が考える今年の漢字は「人」です。人口の「人」です。これはまさに会見の場でも再三にわたって人口減少、あるいは人口戦略、人口の問題について言及する機会が多かったと思っていますし、特に若い人たちを中心として、多くの県民の皆さまと人口問題について問題意識を共有しながら、語り続けた1年だったと考えています。また教育の面では、一人ひとりに合った学びを実現しようと信州学び円卓会議からの提案も踏まえて、武田教育長と共に決意表明もしました。またさまざまな産業分野、医療や福祉、あるいは教育といった分野も含めてですけれども、さまざまな分野において人手が足りない。さまざまな分野の方と話す中で、人材不足は異口同音に出てきた今年の言葉でもあると思っています。そういうことで、人口であったり、子どもたち一人ひとりに合った学びの実現であったり、さらには人材の確保、人手不足、こういったことを総合的に考えると、今年は「人」だったと思っています。人口戦略を県民会議でも取りまとめましたので、2025年はこうした課題にしっかり向き合う年にしていきたいと思っています。以上です。

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2 知事南信州執務週間について(1)

中日新聞 清水 氏
 南信勤務の件ですけれど、いろいろ気付きがあったというお話をしていただきましたが、特に現場を視察する中、もしくはこの1週間の勤務の中で印象的だった何か出来事などありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 1週間いろいろありましたが幾つか申し上げれば、まず多くの市町村長、あるいは経済界の皆さまをはじめ、多くの方にお集まりいただく中でリニアNAGANOサロンを開催しました。リニア開業時期がだいぶ後ろ倒しになる中で、リニア中央新幹線を生かしたまちづくりをどうするかということについて、多くの皆さまにご参加いただきましたが、非常に熱気あふれる会場だったと思っています。リニアの開業時期は先に行ってしまったことは非常に残念ではありますけれども、引き続き地域の皆さまの思い、熱意、こうしたものをしっかり受け止めながら、県としての取り組みを進める必要があるということを強く実感しました。また保育士体験をしましたが、何よりも私の印象は、子どもたちがすごく元気がいい、圧倒されるぐらいのパワーだと思いましたけれども、私も子どもたちからすごく力、元気をもらったと思っています。一方保育士の皆さまの確保については、各園の皆さまがかなり苦労されていると感じていますので、より一層保育士確保には力を入れていく必要があることを痛感しました。また、丘のりんごの皆さまの製油工場、それからアントレプレナーシップ教育を進めていくことに取り組んでいる松川高校を訪問し、また阿島傘伝承館、いずれも地域資源を生かした前向きな取り組みが進められていることに、強く感銘を受けたところです。同時に、県としてはさまざまな地域資源をもっともっと有効につなげていくお手伝いができる余地が大きいのではないかということを、すごく実感をしたところです。例えば、木から抽出された製油、アロマ成分を生かしての取り組みは、これまで林務部が応援をしていますけれども、これからは、例えば林福連携という観点で健康福祉部であったり、あるいは物産振興という観点での営業局であったり、こうした観点も含めて総合的な応援をしていくことが重要だと思っていますし、また阿島傘のような伝統的工芸品についても、各地域がそれぞれ一生懸命頑張って保存・伝承に努めていただいていますけれども、例えば、その場でも申し上げましたけれども、観光地ともっとつなげるとか、人と人、あるいは地域と地域をつなげるところにもっともっと長野県も力を入れていかなければならないということを、こうした所を訪問して痛感したところです。いろいろ気付きがありましたが、長くなりますので、まずは以上としたいと思います。

中日新聞 清水 氏
 南信勤務に行かれる前に、まずはやってみて、今後こういった1週間どこか別の県庁でない所を拠点に勤務するという新しい形も考えるというようなお話もありましたが、現時点では実際、今後こういった勤務の形というか、いかがお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私はどんどんやっていきたいと思います。オンラインで私にレクチャーしてもらった人とか関係の皆さまの意見も聞いて今後の在り方は考えたいと思いますけれども、冒頭申し上げたように長野県は広い県ですので、これまでも移動知事室という形ではいろんな所に出向き、一定期間滞在しました。今回、多分長野県では初めてだと思いますけれども、長野市以外で予算の知事査定をしています。そういう意味ではもう既にどこでもいろんな仕事ができるようになっていますので、こうした状況の中で長野県知事としては、県庁にとどまらない、いろんな所に出向いての仕事というのは、これからも継続をさせていきたいと思います。よく言われるのが、県庁が北に偏っていて遠いと、特に南信州地域の皆さまからすると非常に遠いわけですけれども、こうした取り組みを通じて少しでも身近に感じていただくようにしていきたいと思いますし、またDXを進めることによってそもそも県庁に来なくてもいいような、そういう県にしていきたいと思っています。以上です。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 今の点にも関わってですが、知事査定を初めて長野市以外でされたというところですが、実際こうやってみての課題ですとか、それによって見えてきたもの、知事査定の中身の部分でどういった方向でやっていくのかというところも含めてお伺いできればなと思います。

長野県知事 阿部守一
 少なくとも普通の予算査定であったり、普通のレクチャーは、私としては全く何も支障がないと思っていて、周りの人がどう受け止めるかというのはありますけれど、そんなに支障はないんじゃないかと。支障というか、むしろ場合によってはオンラインでやった方が効率的に進むケースもあると思っているくらいです。普通の事務仕事は既に知事レクも基本的にペーパーレスにしていますので、オンラインを使えばほとんど支障なく仕事ができていると思っています。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 そうした意味では、オンラインの方が効率的な部分もあるということで、今後もより広げていきたいとか、例えば定期的にとか、あるいはこういう頻度でとか、何か行動目標みたいなものはありますか。

長野県知事 阿部守一
 定期的にどうするかというのは、まだよく私の年間スケジュールを見ないと、要するに今まで通りだと長野市周辺でのイベントがあったり、お客さまはどうしても県庁へいらっしゃいます。ただ、そういうことも私としてはどんどん変えていきたいと思っています。それと同時に、県の若い職員と一緒にご飯を食べながら話していたのですけれども、私だけではなく、県職員もあまり移動しなくて済む、会議もできるだけオンラインで済むようにした方がいい部分もありますし、いろんな形でデジタル化とかペーパーレスが進んでいることを、単に何か今までの仕事がちょっと変わったねということではなくて、仕事をする場所であったり、あるいは仕事の進め方であったり、そうしたことの変革にもつなげられるようにしていくことが極めて重要だと思っています。今回の私のこうした取り組みも、知事だけが移動することを頑張って続けましょうという観点というよりは、むしろ県庁全体の仕事のやり方をどう変えていくかということにもつなげていきたいと思っています。以上です。

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3 私のアクション!未来のNAGANO創造県民会議について(1)

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 もう1点だけ、今のお話とも関わってくるかと思うのですけれど、月曜日に行われた県民会議でも、終了後にオンラインでの答弁などを県民会議でもやっていきたいというようなことをおっしゃっていましたが、まず県民会議の初会合の受け止めと、具体的にアクションにつなげていくという意味で、ここはすぐにでもできるというようなところ、考えているところがありましたら教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず私も県民会議にオンラインで参加をしましたけれども、グループディスカッションみたいなところは、若干リアルで参加するのとは違って、正直言ってやりづらいところがありましたけれども、全体的な取り組みはほとんど普通に参加できたのではないかと思っています。人口戦略の中でどういうところを進めていくか、県民会議としてのアクションは、まだこれから次回方向性を定めていく形になると思いますけれども、少なくとも県としては、戦略に掲げられている中で県としてやらなければいけないものについては、来年度予算に向けて今積極的な検討を進めています。例えば、若者の主体的な活動をもっともっと応援するような取り組みを進めていきたいと思っていますし、またリニアのまちづくりとも関連しますけれども、県土のグランドデザインを策定するために、やはりベースとなる基礎調査が必要になってきますので、そうしたことも含めて、戦略は県も一員として取りまとめたわけですので、着実に実現できるように取り組んでいきたいと考えています。以上です。

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4 政府の新年度予算案について

信濃毎日新聞 井手 氏
 話題が変わるのですが、本日、政府の新年度予算案が閣議決定されました。115兆円を超えて過去最大となったそうです。政府の新年度予算案で知事が特に注目している点を教えていただきたいのと、また地方財政対策では、地方交付税の総額が本年度を上回ったということだったり、臨時財政対策債の新規発行額がゼロになったというようなトピックもありましたけれども、地財対策についての知事の評価もお願いします。

長野県知事 阿部守一
 政府の予算案もまだ詳細を見ていないので概要的な話になりますけれども、まず政府予算案の中では、重要政策課題への対応ということで、子ども・子育て支援の本格実施であったり、あるいは地方創生交付金の倍増、内閣府防災担当の予算・定員の倍増、それから教職調整額の段階的引き上げ、子ども・子育て支援であったり、教員の皆さまの処遇改善であったり、こうした私たちが取り組んでいる方向性と軌を一にした取り組みが打ち出されていることは大変ありがたいと思っています。また防災関係の充実と、それから地方創生交付金の倍増、長野県としても国のこうした取り組みを積極的に生かしながら、対策・対応の充実を図っていく必要があると思っています。地方創生交付金については、県としても有効に活用しながら来年度予算編成に役立てていきたいと思っています。それから地財対策についてはお話があったように、まず常にお願いをしているのは一般財源総額の確保ですが、これについては63.8兆円で、対前年度比プラス1.1兆円を確保していただけたことは大変ありがたく思っています。また臨時財政対策債もかねてなくしてほしいと、いくら普通の借金を減らしても、なかなか交付税の代わりに臨時財政対策債の発行を強いられると借金が減っていかないので、臨財債を廃止してほしいと求めてきましたが、やっと新規発行額がゼロになったということは、県の考え、思いに通ずるものという評価をしたいと思っています。細かいですけれども、緊急浚渫(しゅんせつ)推進事業等、災害対応は東日本台風災害も踏まえて、国において対応していただき、県もこれまでも積極的に活用して安全・安心を支えてきたわけですが、延長が打ち出されていますので、基本的にかなり地方の声を聞いていただいた内容になっていると受け止めています。

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5 今年1年の振り返りについて(2)

信濃毎日新聞 井手 氏
 もう1点伺いたいことがあって、今年の漢字につながるところでもあるんですけれども、県全体で今年は自然災害が比較的少なかったり、コロナ禍からの観光客が戻ってきたりと、そんな明るい話題もありましたけれども、知事から見て長野県が今年どんな1年だったかその辺りについて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 先ほどお話ししたように、県政ではやはり人口問題とか人材確保対策に力を注いだ1年だったと思っています。県全体としては、先ほどご指摘があったように、東日本台風災害の話もしましたが、東日本台風災害、それからコロナで非常に人の動きも極端に減って、また経済活動もかなり制約されていた局面から、今、観光客の皆さまにも多くお越しいただくようになっていますし、あるいは海外への、例えば農産物輸出等も順調に拡大して、そういう意味では人の動きであったり、経済面であったり、そうした面で再び活気を取り戻しつつある1年になったと思っています。ただ、その一方、物価高騰でいろんな影響を受けている事業者であったり、個人の皆さまが大勢いる、また経済の大きな転換期ですので、苦境に立たされている方もいらっしゃると思います。今、予算の査定をしていますけれども、こうした課題には補正予算で対応していこうと思っています。今年1年を振り返ると、あまり動かなかった人とか物とか経済が全般的に動き出し、プラスの側面がかなり明確になりつつある反面、それに伴う課題も見えてきた、そうした1年だったと思っています。

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6 私のアクション!未来のNAGANO創造県民会議について(2)

読売新聞 桜井 氏
 人口減少の県民会議の関係で、1点お伺いさせてください。先日1回目の会合がありまして、県などが策定した戦略では、2030年、2050年と中長期的な計画というか、目標なども出しています。今後県民会議をどのように進めていくのか、短期的な意味でどのように方向性を出していって、どういうところを着地として目指していくのかというのを教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず県民会議は、数カ月やって終わりとか1年で終わりという形ではなくて、息が長いものにしていかなければならないと思っています。そういう意味では、参加される皆さまが参加したくなるような場にしていかなければならないと思いますし、そのためには、県民会議自体が具体的なアクションをどんどん起こしていく、そういう核となる場として発展していくことが大変重要だと思っています。第1回の時にも少し問題意識の共有をしたところですが、今後参加者の皆さまにも、自分として取り組むアクションを掲げていただきますし、またそれぞれアクションに取り組むだけではなくて協働して取り組んでいくアクションも県民会議の場で決めていきたいと思います。そういうことを考えると、まだスタートしたばかりですけれども、一つでも具体的な動きや成果を、まずはつくり出していくことが大変重要だと思いますので、そういう観点から次の県民会議の位置付けは大変重いものがあると思っています。以上です。

読売新聞 桜井 氏
 質問とは趣旨が異なってしまうかもしれないのですけれども、知事も多くの県民に県民会議に参加していただきたいというお話をされておりまして、趣旨としては大変賛同しているんですけれども、多くの県民に参加をしてほしいという思いがあれば、できれば平日の日中ではなくて、例えば土日の夕方、土日ですとか、平日に行うようにして、皆さまが仕事終わりの夕方にも参加できるような、間口を広げるような開催の在り方も、今後検討いただければと思います。私からは以上です。

長野県知事 阿部守一
 全くその通りだと私も思っています。長野県は広いので、距離をどう乗り越えるかということを考えたらオンラインにしてもっと積極的に使いやすいものにしていくことが大事だと思います。また、多くの皆さまに参加していただけるようにするには開催の時期、時間帯も工夫していかなければならないと思いますので、ご指摘をしっかり受け止めたいと思います。ありがとうございます。

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7 知事南信州執務週間について(2)

読売新聞 柳沢 氏
 南信州執務週間、これが同時に今年の仕事納めということでお疲れさまでした。冒頭、長野市目線でいたのかもしれない、知らず知らずのうちに、そうであれば、実際に1週間弱過ごされてみて、予想外だったこと、ある程度想像できたことはあったかもしれませんが、実際に来て、勤めてみて、これは予想外だったとかいうことが、もし保育士以外であれば。

長野県知事 阿部守一
 予想外と言うと言い過ぎかもしれないですけれども、一つはリニアのまちづくりに大変多くの方が関心を持ってご参加いただけていることを強く感じました。リニアの開業時期は先に行ってしまいました、という事実だけ伝えていると、何となく先に行ってしまって残念ということだけが先行してしまいますけれども、こちらに来ていろんな方とお話をすると、リニアに対する期待、あるいは三遠南信も含めて高速交通ネットワークから取り残された状況でいることへの問題意識を強く感じますので、改めてこうした高速交通体系の整備についてはしっかり取り組むべきだと感じた次第です。

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8 リニア中央新幹線について(1)

読売新聞 柳沢 氏
 まさに関連することです。今年3月末にJR東海が正式に2027年の開業を断念しました。ということは、当初JR東海は2025年の開業を掲げていて、それを考えるともう来年開業というところだったんです。そのつもりで準備をしてきたところがあるが、もう10年以上先に延びてしまった。この良い影響、悪い影響、メリット、デメリットがあると思いますが、デメリットでいえば沿線自治体とか住民の生活環境の負荷が長引くということはデメリットかと思いますけれども、逆にメリットとして捉えなければならない側面もあるかとは思うのです。知事もおっしゃっていただいた、先ほどもご発言がありました県行政としては地域資源を有効につなげる役割が大きいと。この部分で残された10年余りをどのように組み立てていったらよいか、何か頭に地図があれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず一つはまちづくりです。今回もリニアNAGANOサロンを県として開催しましたけれども、人口減少戦略、信州未来共創戦略の中でも県土のグランドデザインということで、県土政策をもう1回しっかり進めていきたいと思っています。そういう中で、拠点となる地域のまちの在り方については、もちろん各市が中心になってご検討いただく必要がありますが、県も一緒になって協力し合いながら、いいまちをつくっていきたいと思っています。例えば、長野市では荻原市長と東急の野本会長と私で懇談をして、東急の力も借りながら県と市が協力してまちづくりを進めていく方向性で取り組み始めていますし、リニア駅を核としたまちづくりについても、長野県の南の玄関口になる重要な駅ですので、そういう意味では県としてしっかりコミットして、飯田市をはじめ関係町村、あるいは経済界の皆さまと共に取り組みを進めていきたいと思っています。それからもう一つは産業面です。南信地域は、伊那谷も含めて製造業のウエイトが高い地域ですが、それと同時に、地域の皆さまとお話をすると、例えば私たちの話の視点の中で、どうしても農業が抜けているのではないかとか、林業が足りないのではないかとか、そういう指摘を受けることが多いです。今回視察した場所でも、例えば、丘のりんごでは森林、林業との関わりが非常に強い中で、単なる林業とは違う取り組みをされていらっしゃいます。先ほども農業関係でいろんな賞、天皇杯等を受賞された皆さまもお越しいただきましたが、単に農業生産だけではなくて農産物の果汁、ジュース等への加工であったり、あるいは福祉との連携であったり、そうしたことで取り組まれていらっしゃいますので、南信地域の農業、林業、こうしたものを核にしながら、製造業や観光業とどうつなげて地域経済を発展させていくかも、リニア時代に向けての地域における大きな課題だと受け止めています。

読売新聞 柳沢 氏
 10年では足りない部分もあるかもしれませんね。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。ですからご指摘があったように、多分高速交通体系はいい面と悪い面と両方あると思います。良くするか悪くするかは、やはり地域がどれだけビジョンを描いて実行できるかだと思っていまして、そうでないと、便利になればなるほど人が他の地域に吸い取られてしまう可能性も増えるので、磁石で言えば磁力が強い南信州・伊那谷になるように県としても取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 葉山 氏
 今の質問にも関連しますが知事は執務週間の中で、リニアの現場、特に県の事業、153号線の県道の改良、現場を視察されたと思うのですけれども、その事業は、いわゆる開業延期に伴う工期の遅れという影響があって、当初予定よりも全線完成が遅れるという影響が出ています。それに付随して、隣接する飯田市駅前広場の整備も遅れが出まして、ご覧になったと思うんですけれども、まだ手付かずの状態で空き地のままで残っていると。先ほど地域の期待は大きいというのを強く感じたとおっしゃっていましたけれども、一方では工事の負担を被る住民生活への影響というのも、やはり10年工事が長引く中で、大きいものというのは変わらないであるわけですけれども、今後、例えばJRへのスタンスであるとか、工事の遅れに対するスタンス、これに対して県としてどう対処していくかということを、今回、執務週間の視察も含めて、その上でどうお考えになったのかというのをお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 リニア中央新幹線の工事に関連しては、ずっと住み続けた所から立ち退かなければならなかったりとか、あるいは騒音も含めた環境問題であったりとか、さまざまな課題があることも事実だと思っています。そういう部分に対しても県としてはしっかり向き合っていかなければならないと、県民の皆さまの思いを受け止めて対策をしていかなければならないと思っています。特にJR東海に対しては、これまでも地域の皆さまの理解と協力をしっかり得ながら事業を進めてほしいということを事有るごとに申し述べてきたところですので、これからも地域から出された課題や問題点はJR東海にしっかり対応を求めていきたいと思いますし、また行政で対応すべきものについては地域の皆さまとも協力しながら対処していきたいと思っています。リニア中央新幹線のプラスの側面だけではなくて課題にもしっかり目を向けながら、県としても取り組んでいきたいと考えています。

信濃毎日新聞 葉山 氏
 先ほど長野市目線ということをおっしゃっていましたけれども、やはりリニアについての温度差というか、そういったものもあるのかと、地元で取材していても感じておりまして、リニア整備推進局長がいらっしゃったりとかそういった機会はあるわけですけれども、地元としては、やはり知事に今回みたいに実際に現場を見ていただいていろいろ感じていただくという機会を、もっと今後持ってほしいと願う住民、あるいは首長たちも多いかと思うのですけれども、その辺りについては、今後どのような考えでいらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 もっと増やしたいと思います。先ほども若い職員と話をしていたのですが、長野県はすごく広くて難しい県、難しいというのは、今まさにご指摘いただいたように、長野市でリニアの話をしてもほとんどの県民の皆さまは関係がない、関心がない人たちが多いです。反面、南信州に来て北陸新幹線、敦賀から先どうしましょうかという話をしてもほとんどの人たちにとっては関心がないという状況ですので、そういうことを考えれば、やはり私たち長野県は全ての県民のための組織ですから、地域的な課題、目線、こうしたものにもこれからもしっかり寄り添って県政を進めていきたい、私自身もそうですし、県職員全体がそういう姿勢で臨むようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 葉山 氏
 最後に一つだけお願いします。今回リニアサロンということで地元の首長や経済界の方と懇談の場を設けられたわけですけれども、意見交換の中で、知事としては一番地元として何が求められている、県の役割として求められているとお感じになったかというのを教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 南信州地域は飯田市が核として、いろんな市町村・関係団体を取りまとめていらっしゃいますけれども、やはりもっと広域の視点、例えばリニアの駅も、南信州だけではなくて、伊那谷全体であったり、あるいはリニア新幹線の活用を考えれば、木曽地域と伊那谷をどう連携していくかということが非常に求められてくると思います。そのときにやはり、なかなか個々の市町村単位での行動は難しいところがありますので、そういう意味で県としては広域的な視点で全体の方向性やビジョンを描きながら、地域の皆さまの協力を得ながら取り組みを進めていく、そうした全体のビジョンなり構想づくりと、市町村域をまたいだ広域的な連携関係、調整の推進が強く求められていると私は受け止めました。

南信州新聞社 岡田 氏
 関連してになりますが、県庁が遠くて地元の声が届きにくいという中で、その声に応える形で南信州の執務週間というのが開かれたと認識しているのですが、関連してリニア関連部署の移転とか一部移転、地元というかリニアの駅に近い場所に移転してほしいという声も同時にあったと思うのですが、そういった考えというのは、知事が1週間ぐらい滞在されて、お考えに何か変化があったというか、何か思い付くことはあったでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように広い県土なので、それぞれの地域に拠点を置いて仕事をすることがその地域の課題を共有することにつながると思いますので、そういう意味では、リニア局については南信州地域に移すことも含めて検討していきたいと思いますし、先ほど来なくていい県庁にしたいと申し上げましたけれども、県民の皆さまがどこに暮らしても県庁と等距離で、いろんな関係性をつくっていただけるような工夫、もっとデジタル化を進めて物理的な距離感を縮めるとか、あるいはいろんな会議の開催場所等も、もっといろんな所で開催するように工夫をするとか、いろんな工夫をしながら、それぞれの地域の皆さまの思いをしっかり受け止められる、そうした県にしていきたいと思っています。

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9 知事南信州執務週間について(3)

南信州新聞社 岡田 氏
 あと1点、知事は日帰りで南信州へ出張されるという機会はこれまでもあったと思うのですが、これだけ長い間の滞在というのは、おそらく初めてなのかなとは考えるのですが、改めまして南信州地域の印象というのは、過ごされていかがだったかなというのをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 何度も来てはいますけれども、一つはやはり人が温かく、人と人との関係性が強い地域だということはすごく感じますし、また先ほどのリニアとか三遠南信のような高速交通網から遠い地域であったが故に、非常に豊かな伝統や文化、お祭りも含めて残されている地域だと思っています。高速交通体系ができたときに、新しいことを進めていくことも大事ですけれども、同時に守っていくべき自然であったり、文化であったりを、やはりしっかり守れるようにしていく必要があると改めて痛感しました。

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10 リニア中央新幹線について(2)

信濃毎日新聞 葉山 氏
 今のお話で、リニア整備推進局を南信州地域に移転することも検討したいという、そういったお話でしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そういうことも含めて検討します。

信濃毎日新聞 葉山 氏
 これは過去にも検討をされたことはあるのですか。それとも今回、執務週間を含めて、県知事としてお考えを取りまとめられたということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 11月県議会で、そうした方向性はお話をしています。

信濃毎日新聞 葉山 氏
 具体的なスケジュール感とか、例えばどんなふうに進めていきたいかということで、今ビジョンがもしあれば教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まだこれからです。何よりも特にリニアの問題について、地域の皆さまの思いを肌で感じながら仕事をしていかないと、思いや熱量というのがずれてしまいかねないというのは、今回改めてこちらに来て感じましたので、検討とは言っていますけれども実現する方向で検討していきたいなと思っています。

長野県知事 阿部守一
 本日仕事納めということで、今年の最後の会見になりました。改めてご参加いただいている報道関係の皆さま、お聞きいただいている県民の皆さまには心から感謝を申し上げます。1年間皆さまにもいろいろとご協力いただく中で、県政の取り組みを推進できたと思っています。今年1年は先ほど申し上げたように、ある意味人口問題に正面から向き合う1年でしたが、人口問題もいろんな分野があります。教育であったり、まちづくりであったり、あるいは子育て支援であったり、あるいは海外戦略であったり、こうした大きな人口減少という問題に向き合う中で出されてきた課題に対して、来年はしっかり政策として具現化して、県民会議の場では県民の皆さまと一緒になって考えて実行していく、そうした新しい1年にしていきたいと考えています。どうか報道の皆さまには引き続き、いろいろご批判いただくところも頂きつつ、また問題提起、ご指摘も頂きながら、ぜひ長野県の発展という観点では引き続きご協力いただければありがたいと思っています。今年1年、さまざまなご指導、ご意見を頂きましたことに深く感謝を申し上げ、また来年も皆さまと一緒に元気で仕事をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。皆さま、良いお年をお迎えください。ありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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