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更新日:2024年6月7日

知事会見(令和6年(2024年)4月26日(金曜日)15時06分~15時47分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 標準化死亡比について
  2. 日本型ライドシェアの開始について
  3. 春山の安全登山対策について

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取材者からの質問

  1. 日本型ライドシェアの開始について
  2. 消滅可能性自治体について
  3. 少子化・人口減少対策について
  4. リニア中央新幹線について(1)
  5. 国と地方の関係について
  6. リニア中央新幹線について(2)
  7. 標準化死亡比について

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本文

阿部知事からの説明

 1 標準化死亡比について

長野県知事 阿部守一
 それでは26日の会見を始めます。私からは冒頭3点お話を申し上げます。まず1点目が、お手元に資料をお配りしましたけれども、平成30年から令和4年の人口動態を踏まえた標準化死亡比という数値が公表されていますので、それについて少しコメントしたいと思います。先週、標準化死亡比という数値が国から公表されています。これは年齢構成の違いの影響を除いて地域ごとの死亡率を比較するものです。お手元の資料でお示ししていますように、長野県の状況は男性は全国1位、女性が全国2位で、数値が低い方がより年齢構成の影響を除いた場合の死亡数が少ないかたちになっていますので、そういう意味では長野県の健康長寿を裏打ちする数値だと受け止めています。また市区町村別にもこのデータが示されているわけですけれども、低い方から上位50位内に、男性の場合は11市町村が入っていますし、女性では6市町村が入っています。男性は数で全国1位、女性は全国3位ということで、長野県は個々の市町村の数値としても非常に優れた数値になっていると受け止めています。これまで生活習慣病予防であったり、あるいはがん対策の充実に取り組んできたわけですけれども、こうした数値はこうした努力の成果が現れているものと考えています。引き続きこうした健康長寿県としての指標が維持できるように、しっかりと取り組んでいかなければいけないと考えています。引き続きACE(エース)プロジェクトをはじめ、さまざまな健康づくりの取り組み、そして医療の充実・強化に全力を挙げていきたいと考えています。

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2 日本型ライドシェアの開始について

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですけれども、日本型ライドシェアの開始についてです。本日、軽井沢町で日本型ライドシェアの出発式が行われたところです。地域の皆さまの足としても、観光客の皆さまの足としても、タクシーは非常に重要なわけですけれども、運転手、ドライバーが足りていないということで、全国的にいろんな議論が進められてきているところです。県としてはこうした中で二種免許の取得支援等を行ってきているわけですけれども、今般日本型ライドシェア、一般のドライバーがタクシー会社の管理の下で運転を行うかたちでスタートしたわけですけれども、タクシー不足の解消に向けた一つの有効な手段だと考えています。軽井沢町でぜひこの日本型ライドシェアがいいかたちで定着し、成功していくことを期待しているところです。またこうした取り組みが他の地域にも広がることができるように、県としてもタクシー事業者の皆さん、あるいは関係者の皆さまと共に、取り組んでいきたいと考えています。タクシー供給不足対策連絡調整会議というものを近々開催して、軽井沢町における取り組み、あるいは課題、こうしたことを共有しながら対応を考えていきたいと思っています。また日本型ライドシェアだけではなくて、自家用有償旅客運送の支援策も県として講じているところです。こうした取り組み、地域の資源も非常に限られているわけですので、さまざまな取り組みを組み合わせて、その地域に最も適合した交通の在り方を構築することができるように、市町村の皆さまと共に、事業者の皆さまと共に、取り組みを進めていきたいと考えています。以上が2点目です。

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3 春山の安全登山対策について

長野県知事 阿部守一
 それから3点目ですが、資料をお配りしているかと思いますが、春山の安全登山についてのお願いです。あすから大型連休が始まるわけですけれども、昨年の大型連休中の遭難発生件数は18件、21人ということで、令和元年度の数値と並んで5年間で最悪の水準でした。大変残念なことだと思っています。令和6年のこれまでの遭難の発生状況ですけれども、昨年を上回る56件、64名の遭難者が発生している状況でありまして、そういう観点で大型連休に向けて、改めて登山の安全をお願いしたいと、安全登山をしっかり行っていただきたいということで呼び掛けます。春山は気温が高くなっていきますので雪解けが進んでいきます。今年は例年に比べて雪解けが早く進んでいるわけですので、岩が露出している場所、あるいはアイスバーンになりやすい日陰、特に早朝深夜には転倒、滑落に十分注意を頂きたいと考えています。また最近では単独での遭難が増加しています。経験、あるいは力量に合った登山をお願いしたいと思っています。長野県においては既にご承知の通り登山安全条例を制定しています。登山される際には登山計画書を事前に届け出ていただくことが条例上明記されていますので、必ず登山計画書を入山前に提出を頂きたいと思っていますし、ご家族・友人等にも共有していただきたいと思っています。近年の登山計画書の提出率は、アンケート調査によれば約8割の水準に達しています。これはインターネットで提出できるかたちになってきていますので、そうしたことも影響して上昇してきたわけですけれども、ぜひすべての方が、100%の方が登山計画書の提出を頂きたいと思っています。遭難等があったときの救助を速やかに行うことに役立つだけではなくて、まずこうした計画を立てるときに、ご自分の技量に合わせた計画をしっかり立てていくことが大変重要だと考えていますので、どうかよろしくお願いします。また県として安全登山を推進するために、今年は多くの登山口で、42カ所で登山相談所を開設します。また県警による山岳パトロール活動等も行っていきます。さらには山岳総合センターではLINEによる登山相談を行っていますし、安全登山の動画を配信しています。ぜひこうした相談、あるいは動画での学習を行っていただきたいと考えています。本当にだいぶ暖かくなっていろんな所に出掛けていきたい、心がウキウキする季節になってきたわけですけれども、ぜひ登山は危険と表裏であるということを十分ご認識を頂いた上で、お楽しみいただければと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 日本型ライドシェアの開始について

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 軽井沢のライドシェアに関連してお伺いしたいのですが、軽井沢がきのう許可が出てきょうから始まったということで、自治体の申し出による初めての事例ということで、町長もケーススタディーというか、先進的な事例としてやっていきたいみたいな話をされていたのですが、知事としては、例えば県内でどのような所、どのような自治体、エリアで実現可能性とかがあるとお考えなのかとか、やりたいみたいな話をお聞きしているのかというところと、このライドシェアに関する期待といいますか、そのあたりをお伺いできたらと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず、どういう地域かというのは地域によってそれぞれ状況が違いますので、まず地元の市町村、それからタクシー事業者の皆さまとしっかり意見交換をしながら、これは交通ですので、片方で安全性の確保をしっかり行いながら着実に進められるようにしていきたいと思っています。現時点で特にどこということで私として考えているわけではありません。地域の公共交通リ・デザイン実現会議にも参画していて、できるだけ地域の実態に合わせて、こうした日本型ライドシェアが導入できるようにお願いしてきましたが、一定程度市町村長の皆さまのご判断で取り組みができる方向性になったことは、大変歓迎すべき方向性だと思っています。長野県の場合は、例えば観光地が多く存在します。季節的に需要が大きく変動する場所でもありますので、そういう意味でこうした日本型のライドシェアを活用していく可能性は多い県だと思っています。そういうお越しいただく方、お住まいになられる方の今の移動の足の確保の補完、今の状況も必ずしも十分な状況ではありませんので、そうしたものの補完的な役割をしっかり果たしていくと同時に、タクシー事業者の皆さまも、片方でドライバーの確保に非常に困難を来している事情もありますので、そういう意味で地域にとってもタクシー事業者の皆さんにとっても、そして今回日本型ということで、タクシー会社のコントロールの下で運行することになりますので、ドライバーの皆さまにとってもプラスになるような制度として発展していくことを願っています。

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2 消滅可能性自治体について

信濃毎日新聞 井手 氏
 先日、日本戦略会議の報告で、消滅可能性があると県内の26の自治体が指摘を受けました。まず1点目、この報告に対する知事の受け止めをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 指摘を受けたという表現は当たらないと思いますけど、人口推計を基にして若い女性の数がどれぐらい減るかということで、各市町村を区分しているというのが正確な表現ではないかと思います。長野県も人口減少にしっかり取り組んでいこうとしているわけですが、あの分け方で一喜一憂する必要は全くないのではないかと思っています。あの推計は市町村の規模とか、市町村の、例えば広域的な観点でどういう位置付けの地域かというような観点がほとんどというか、全く入っていませんので、県が人口戦略を考えるときには一つの参考データとしては使えると思いますけれども、単にあの切り口だけでこれからの将来像を論じることは私としては全くするつもりはありません。むしろ人口減少下でも明るい未来をどう描くかということにしっかり力を注いでいきたいと考えています。少し「消滅可能性自治体」というかたちでショッキングなタイトルが付けられているので、各メディアがそういうかたちで報道されているわけですけれども、私としては一つの参考とすべきデータというかたちで受け止めて、これからの長野県としての独自の人口減少(対策)戦略をしっかり立てていきたいと思っています。

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3 少子化・人口減少対策について

信濃毎日新聞 井手 氏
 関連で、県内の市町村長の中には人口減少というのはどうしても地理的要件みたいなものが大きく関わってきて、子どもの医療費無償化だったり給食費の無償化などをやっても、一自治体の努力では結構限界があるという声も聞きます。国の関与を求める声も強いのですけれども、知事として何か国に求めたいことはどんなところでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 全く私も同じ思いです。この消滅可能性自治体は、何となく人口が減ってしまうのは市町村の努力が重要だみたいな誤ったメッセージになりかねないと思って、私自身は危惧していますけれども、むしろ少子化対策は本来国全体でしっかり腰を据えて取り組んでいただきたい。中央政府の責任、役割として取り組んでいただく部分が非常に大きいと思っています。一つは例えば子どもの医療費であったり、あるいはその教育費であったり、保育料であったり、こうした部分を、今はどちらかというと県とか市町村の努力で引き下げているわけですけれども、それが結果的に地域間の競争になってしまっていると思っています。日本で生まれる子どもたちは、どこに住んでいても基本的には同じようなサービス、同じような支援を受けられることが必要だと思っています。特に少子化の問題は地域の問題というよりは、むしろ日本の国全体の課題ですので、そういう意味で中央政府がこの緩和の部分、人口の自然減をどう抑制するかというところについてはしっかり取り組むべきだと思っています。逆に市町村はかなりいろいろ工夫をされて取り組んでいらっしゃいますので、これもやはり国レベルで方向をしっかり打ち出して取り組んでいただきたいと思っています。こうした支援の話だけではなくて、もう一つ東京一極集中という課題があると思っています。地域で生まれ育った皆さまがどんどん大都市に出ていく、ある意味地方の側からすると、特に東京に人口を吸い取られてしまっているというような構図になっています。もとより県自身が、先ほどもMINTO機構(一般財団法人民間都市開発推進機構)と連携協定を結ばせていただきましたように、魅力ある地域、魅力あるまちをつくっていくことは、もとより重要な県の役割だと思っていますけれども、しかしながら今日のように企業であったり、あるいは高等教育機関であったり、こうしたものが東京に過度に集中していると。この人口移動の問題は裏を返せば国土政策の問題だと私は考えていますので、こういう子育て支援等の社会保障制度的な観点、それから国土政策という観点、この二つの観点から、ぜひ国が本腰を入れて取り組んでいただきたいと考えています。もとより県が担うべきところもあるので、国が行うべきこと、それから県とか市町村、地方で行うこと、こうしたものは役割分担をしっかり整理してこの人口問題に取り組むことが重要だと思っています。

信濃毎日新聞 井手 氏
 もう一点伺いたいのですけれども、10年前に日本創成会議が同じような報告を出しまして、それ以降政府は地方創生を推し進めてきましたけれども、現状だと少子化に歯止めがかかっていないということですけれども、地方創生事業に対する知事の評価はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 地方創生自体は人口の問題についても触れてはいますけれども、ここ最近のように人口問題が最優先課題というところまでは言っていなかったと思っています。そういう意味では地域のまちづくりであったり、地域の活性化であったり、こうしたものが一定程度進められてきたことにおいては意義があると思っています。ただこれから未来に向けては人口減少はあらゆる分野に影響してくる話ですので、どう立ち向かうかということを考えたときには、先ほど申し上げたように、もう1回社会保障の在り方とか、あるいは国土政策の在り方とか、国全体の議論が必要になってきていると考えています。

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 今の質問に少し関連してなのですけれども、県では少子化・人口減少対策の戦略を今まとめているところだと思うのですが、今回こうした調査の結果が出たこともあって国民の関心も高まっているところだと思うのですが、そうした中で戦略の検討を加速させていく、そういったお考えはございますか。

長野県知事 阿部守一
 加速させるというか、今年しっかりつくっていきたいと思っています。かなり人口問題は今までの考え方とか価値観を大きく変えなければいけないところもあると思いますので、何とか拙速にまとめて拙速に実行するというよりは、これからいろんな皆さまと対話をし、そして多くの関係者の皆さまと一緒になって実行していくかたちになりますし、そういう取り組みが必要になってくると思います。そういうことを考えれば、やはり問題意識の共有、あるいは方向感の共有、こうしたことを丁寧に行いながら経済界、あるいは地域の皆さん、多くの皆さんと一緒になって取り組める、そうした戦略をまとめていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 もう一点関連で、先日、市長会の時の挨拶の中で知事がタブーにも切り込みながら新しい社会像をつくっていかなければという趣旨のご発言をされていたのですけれども、例えばこのタブーというのはどういうものを想定されていて、どういう取り組みをこれからしていきたいとお考えなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申したように価値観を変えるということですから、今までの常識をある意味打破していかなければいけないことがたくさんあると思います。それは例えば国と地方の関係も、何となく国から補助金をもらって国の言われた通りの仕事を、(地方)分権一括法ができて機関委任事務がなくなって、国と地方は対等・協力の関係になったとは言いながらも、かなりまだ財政的なコントロール、国のコントロールは強くなっています。例えば教育であったり、保育であったり、こうした金銭給付の部分は私は国が責任を持つべきだと思いますが、その一方で例えばどういう学校にするのかとか、どういう保育所にするのか、そういうところまで今過剰に国が介入していると思っています。施設面積はどうするべきだとか、人の配置はどうするべきだとか、事細かに決められているので、なかなか地域の実態に合わせた柔軟な取り組みができないと。今の制度の中のままで人口減少に立ち向かうのか、それともそうした今までの枠組みを転換して人口減少に立ち向かうのかで全く違ってきますので、私は後者の取り組みをしていかなければいけないと思っています。これは国と地方の関係にとどまらず、人々の価値観、例えば男女の固定的な性別役割分担意識、これを変えるのはなかなか行政がこうだって言って変わる問題ではないのですけれども、しかしながら多くの場面で私が知事として仕事をさせていただく相手はほとんど男性の、しかも一定年齢以上の方が多いのが実情ですので、もっと若い人が活躍できるとか、もっと女性がいろんな場所で自分の意思を述べるとか、そういう場が増えなければ人口問題は解決しないと思いますし、明るい社会にはなっていかないと思います。そういうことも何となく今までは男性中心、あるいは一定年齢以上の人たちが頑張っているのが当たり前でありましたけど、そうした風景も変えていかないといけないのではないかと思います。これは行政だけでできないこともたくさんありますけれども、そういう意味ではぜひ県民の皆さんと問題意識の方向性を共有して取り組んでいきたいと思っています。

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4 リニア中央新幹線について(1)

信濃毎日新聞 竹端 氏
 先日のリニアのトップ会談について少しお伺いしたいのですけれども、改めてJR東海から開業の遅れですとか、県内工区の遅れについての説明もありましたけれども、その他のやり取りも含めて会談の内容、結果を踏まえて、何か各種関連事業のスケジュール感等も含めて見直し等というのは考えられ得るのか。また未来志向の地域振興策のお話も出ていらっしゃいましたけれども、このあたりは見方によってはより時間ができて、よりじっくり練っていくこともできるのかと思うのですが、そのあたり地域振興策についてもどのように進めていきたいかお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず前者については、リニア全体の開業時期が遅れてしまうという状況と、それから県内工区については原則これまで通りの工期にしてほしいということを私から申し上げましたが、ただその一方でJR東海はそのへんの工期の見直しの含みのある発言もありましたし、あの場でも私が言及したように、地域によっては例えばトラックの運行台数とか平準化してもらった方がいいという地域もあるので、そこは地域の皆さんの意向を最大限尊重してもらうことが必要だと思っています。そういうことを考えますと、私がリニア推進整備局に指示したのは、開業時期の延期等に伴う課題を県として改めてしっかり把握をしていきたいと思っています。その上で県とか市町村で対応できる課題は対応しますし、そうでない問題についてはJR東海であったり国に強く対応を求めていきたいと思っています。それからもう一点、将来のまちづくりについては、私からはJR東海も公共交通を担っていただいている、長野県であれば例えば中央西線、あるいは飯田線、こうした運行を担っていただいているわけでありまして、ある意味地域に対しても責任を持っていただいているお立場ですから、そういう観点でよりこれからのまちづくり、地域の活性化にしっかりコミットしていただきたいということを申し上げました。これについてはあの場で私が初めて申し上げましたので、具体的なご回答が必ずしもあったわけではありませんけれども、この点は県からは引き続き強く要請していきたいと思っていますし、同じような課題は岐阜県、あるいは山梨県、中間駅が所在する地域も同じだと思いますので、そういう意味では中間駅周辺のまちづくりの在り方と、そこにどうJR東海にコミットしてもらうのかということについては他の中間駅を持つ県ともよく意思疎通をしながら対応を考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 竹端 氏
 関連して、トップ会談で県内駅への停車本数を今までよりも複数本というかたちでご要望されたかと思うのですが、最終的にはJR東海側が決定されるかと思うのですが、今後この本数に関してはどのように働き掛けとかを行っていくお考えなのか、お伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これはもとより私どもとしては地域の自治体関係者、それから経済界の皆さんと共に、直ちには結論を出せないという状況でありましたので、継続的に要請していきたいと思います。加えて全体の、リニアを地域振興にどう生かすか、国土軸としてどう発展させていくかということは、これもまた国においての重要課題だと思いますので、併せて国に対しても、JR(東海)が最終的に決める話ですけれども、しかしながら国家的プロジェクトとして進めてきている事業ですので、ぜひ国としても方向感をしっかり打ち出してもらえるように働き掛けていきたいと思います。

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5 国と地方の関係について

朝日新聞 高木 氏
 先ほど、国と地方の関係について言及がありましたけれども、教育や保育の場面でしょうか、施設面積や人の配置などについて縛りがあって地域の実態に合わせた柔軟な取り組みができないという課題を挙げられましたが、県内で具体的にどのよう場面でそういった問題意識をお持ちなのか、具体例を教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば今、どこでも保育士の確保は非常に難しい状況になっています。ただ、保育所の設置の要件をしっかり満たさなければ補助金をもらえなくなってしまうことにもなるわけですので、そういう意味でどこも一生懸命頑張って保育士確保に努めています。ただ一方で、私が保育士の皆さんとか、あるいは保護者の皆さんとお話しした時には、必ずしも保育士資格を持ってなくても、保育経験がある人たちがたくさんいらっしゃるので、そういう人たちをもっと活用する余地はないのかといったようなご意見も頂いています。これは保育の質の関係が出てきますので、直ちに保育士でなくてもすべていいと申し上げるつもりはありませんけれども、しかしながら先ほどの交通と同じように、地域にある資源、それから地域にいる人たちでどうやって最適な仕組み、最善の仕組みをつくれるかということを考えれば、もっといろんな知恵が出てくると思っています。しかしながら今、大変残念なことに学校にしても、保育にしても、極めて基本的な部分から細かいところまで国の考え方が貫徹されてしまっているということで、なかなか地域で独自の運営をしようということができない状況になっていますので、もっともっと分権するべきところは分権して、そして地域の中でどういう教育をするのか、どういう保育が望ましいのか、そういうことをもっともっと議論して決められるようにしていくことが地域社会をつくる上でも重要ですし、また民主主義とか自治意識を根付かせる上でも大変重要だと思っています。

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6 リニア中央新幹線について(2)

読売新聞 岡本 氏
 リニアに関連して、特に停車本数についてもJR(東海)側はこの間の会談ではもう少し決まるのは先のことだと、かわしたようなかたちになりましたけど、県としては今後どのような場面で県の考えを伝えて、より肯定的なというか、賛同を得ていきたいと考えているのかということと、これは中間駅を持つ他の県と足並みを揃えるというような観点もあるのかと思うのですけど、そういったところで他県との連携の必要性とか、今後の進め方についてどう考えているかというところを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これは例えば長野県も県だけではなくて地域の皆さんと一緒に協議会をつくって建設促進に取り組んできていますので、そういう意味ではそうした協議会の要請としても盛り込んでいきたいと思いますし、まさにご指摘いただいたように、同じような中間駅を持っている県とも連携して、それぞれの主張を伝えるだけではなくて、複数の県で連携して対応していくことが重要だと思いますので、その方法で取り組んでいきたいと思います。

読売新聞 岡本 氏
 それから工事事務所の分室を南木曽と阿智とでつくってもらえないかという提案もされたわけで、これはどちらかというとJR(東海)がむしろ否定的な見解を示したかと理解したのですけれど、これは今後県としても引き続き提案をし続けていくお考えなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは南木曽町はじめ地元の皆さんの考えを私の口からお伝えをした状況ですので、今回のJR東海の社長の対応を踏まえて、地域の皆さんとよく相談していきたいと思います。あの場でも私、申し上げましたけれども、やはり地域にしっかり根ざした活動をしていただくと、やはり地域の皆さんの理解と協力は促進されると思いますので、そういう意味で私としては設置いただくメリットは大きいと思っていますが、地域の皆さんがどこまで強い希望としてお持ちなのか、また実際どういう具体的な支障が生じるのか、そういうことも踏まえて今後の対応を考えたいと思います。

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7 標準化死亡比について

市民タイムス 萩原 氏
 先ほどお話のあった標準化死亡比の死因別でがんがものすごく低くて、逆に脳血管疾患が100を超えてしまっている状況なのですけれども、このへんの分析と対策というか、知事のお考え、がんが低いのはものすごくいいことだと思うけど脳血管疾患がやっぱりある程度高い、今後のここらへんの結果を、分析と今後の対策にどのように生かしていくかというところを少しお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、生活習慣病予防をはじめとする健康づくりに取り組んできています。長期的なスパンで見れば、長野県は必ずしも健康長寿県ではなかったところを地域の健康ボランティアの皆さんをはじめ、多くの皆さんの力で今日に至ることができたと思っていますので、そういう意味でそうした地道な健康維持のための活動を、これからも継続的に地域の皆さんと一緒に行っていくことと併せて、救える命をしっかり救う取り組みを行っていかなければいけないと思います。がんについては数字的には良好な数字ですけれども、しかしながらまだがんで命をなくされる方、あるいはがんで治療活動を行いながら入院をされたり、あるいは働かれたりという方たちがいらっしゃいますので、そうした方へのサポートの体制、そして予防のための、例えば子宮頸(けい)がんワクチンをはじめとする予防のための取り組み、こうしたことをしっかり進めていきたいと思っています。また脳血管疾患についてはかねてから長野県の課題です。減塩運動をはじめとしていろんな取り組みをこれまでも行ってきましたけれども、引き続きこの点については信州ACEプロジェクトの取り組み等をしっかり進めて、検診の受診率の向上であったり、あるいは健康経営に取り組む企業数の増加であったり、こうしたことを通じて改善に努めていきたいと思っています。
 どうもありがとうございました。

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電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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