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更新日:2024年7月9日

知事会見(令和6年(2024年)5月24日(金曜日)14時04分~15時07分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 「HOPE2050女性・若者との県民対話」の開催について

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取材者からの質問

  1. 中野市における殺人事件について
  2. リニア中央新幹線について
  3. 交通系ICカードの導入について
  4. 「HOPE2050女性・若者との県民対話」について(1)
  5. 人口減少対策について(1)
  6. 県政の情報発信について
  7. 人口減少対策について(2)
  8. 国と地方の関係について(1)
  9. 「HOPE2050女性・若者との県民対話」について(2)
  10. 国と地方の関係について(2)
  11. 信州そばのブランド化について
  12. 教員不足について
  13. 新たな観光振興財源について
  14. 国と地方の関係について(3)
  15. 人口減少対策について(3)
  16. 国と地方の関係について(4)

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本文

阿部知事からの説明

 1 「HOPE2050女性・若者との県民対話」の開催について

長野県知事 阿部守一
 それでは本日の会見を始めたいと思います。私から冒頭1点だけお話をしたいと思います。「HOPE2050女性・若者との県民対話」ということで5月27日、来週の月曜日に若い世代の皆さまとの対話をスタートさせたいと思っています。人口戦略を長野県としても取りまとめていきたいと考えていますが、やはり多くの県民の皆さまの課題や悩み、あるいは未来に向けての希望、こうしたものをお伺いしながら取りまとめていきたいと思いますが、特に若い方の問題意識であったり、若い皆さまの未来に向けての考え方であったり、こうしたことが非常に重要だと思っています。そういう意味で今回長野県立大学の三輪キャンパスで39歳以下の方を対象に、まず県民対話をスタートさせていきたいと思っています。今の時点で約40人の方から申し込みを頂いているということで、一応定員を50人としていますので、まだ少し余裕があるようですので、ぜひご参加希望の方はお申し込みを頂ければと思います。

総合政策課職員
 申し込みはホームページからできます。フォームという入力のシステムがありますので、そちらから申し込んでいただくことが可能です。

長野県知事 阿部守一
 対話をしなくても聞きにお越しいただくのは自由ですので、関心のある方は5月27日17時から19時まで長野県立大学の三輪キャンパスで開催しますので、ぜひお越しいただければと思っています。今回を皮切りに、まずは県内4カ所、基本的には北信だけではなくて東信、中信、南信とやっていきたいと思いますし、若い人たちだけではなくて、いろんな団体とかいろんな属性の県民の皆さまとどんどん積極的な対話を、私も含めて各部局もしっかり行って、その上で人口戦略を作っていきたいと思っています。この場は危機意識であったり、状況認識を広く皆さまと共有し、そして県民の皆さまの悩みや課題、希望、こうしたものをお伺いして最終的には多くの県民の皆さまと一緒になって戦略の具体化に向けて取り組んでいきたいと思っていますので、最初の一歩にしていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
 また、「人口戦略緊急アピール」の資料を皆さまのお手元にお配りしているかと思いますけれども、先日宮崎で日本創生のための将来世代応援知事同盟のサミットが開催されました。私も参加してきたわけですけれども、人口戦略会議の三村議長にもご参加を頂き、人口戦略会議としての考え方とか方向感でご講演いただいた後、各県知事がいろいろと人口減少について発言し、最終的に人口戦略緊急アピールという形で取りまとめたところです。まず私どもとしては人口減少は地域における重要な課題として受け止めているところですけれども、しかしながらその一方で国レベルでもよりしっかりとした対応をしてもらいたいというのが、このアピールの一番の主眼です。そういう意味で三つ書いていますけれども、一つ目のところには真に実効ある政策を再構築してもらう必要があると、それから国において司令塔の設置をしてもらいたいと、そして地方との適切な役割分担で政策を進めていってもらいたいと、こうしたことを国に対する要請事項として書いています。その一方で知事も主体的に行動していきたいと思っていますし、加えて経済界、労働界、各界と連携して運動を起こしていきたいと考えています。これから国においても人口問題についてしっかりと踏み込んだ議論をして、方向感を定めていってもらいたいと思いますし、各県知事、あるいは知事会としてもしっかりそうした考え方を国と共有しながら取り組んでいきたいと思っています。私は今、全国知事会の国民運動本部長をしていますけれども、6月11日には人口減少と地方自治をテーマにしたシンポジウムを都道府県会館で開催する予定になっています。またこれについては別途お知らせするということで、ぜひ多くの皆さまには関心を持っていただければありがたいと思っています。
私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 中野市における殺人事件について

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 中野市の事件に関連してお伺いしたいのですが、中野市で女性と警察官合わせて4人が殺害された事件の発生からあすで1年となるのに関連して2点伺います。一つが事件から1年となることへの受け止めについてお聞かせください。もう一つが長野県でも事件の前から犯罪被害者等支援条例を制定して見舞金の支給だったり、相談体制の整備に取り組んでいるかと思います。一方、市町村の中では条例制定に至っていない所もあるなど県内の支援の状況についてまだ改善の余地がある部分もあるかと考えますが、県の被害者等支援の取り組みだったり、市町村の取り組みへの支援など知事がお考えになる課題と今後取り組んでいくことについてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず昨年の5月25日の夕刻、4人の方が亡くなられる痛ましい事件が発生しました。改めて哀悼の意を表したいと思っています。お話がありましたように、長野県として長野県犯罪被害者等支援条例を制定していますので、この条例を踏まえて県としても犯罪被害者支援センター等とも連携しながら対応してきたところです。また周辺住民の皆さまは非常に不安感をお持ちになられた方が大勢いらっしゃいましたので、心のケアをはじめとする対応に関係機関とも連携して取り組んできたところです。今でもストレスを抱えていらっしゃる方がいらっしゃれば、ぜひ相談していただければと思います。市役所あるいは保健福祉事務所、こうした所で対応しますのでよろしくお願いします。また犯罪被害者等支援条例は今県内55の市町村で制定されています。これは私としてもぜひすべての市町村で制定していってもらいたいと思っています。また機会があれば市町村の皆さまにも制定を呼び掛けていきたいと思っています。今回のケースは銃器を使っての大変痛ましい犯罪行為であったわけです。こうした事件が繰り返されることのないように、県警ともしっかり連携しながら安全・安心な長野県づくりに取り組んでいきたいと思っています。

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2 リニア中央新幹線について

信濃毎日新聞 竹端 氏
 リニアに関連してお伺いします。先日岐阜県で井戸やため池の水位が低下してJR東海が工事を中断された件なのですけれども、隣県の出来事ですけれども改めて知事の所感をお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私も具体的な状況は報道で知り得ている範囲ではありますけれども、JR東海から岐阜県に対する連絡が必ずしも速やかに行われていなかったのではないかと思っています。そういう意味で長野県においては、これまでもJR東海に対してはさまざまな事故等があった場合には速やかな情報の共有をお願いしているところですので、そうした地域の皆さまの課題が発生した場合には、ぜひ関係市町村、それから県ともしっかり対応しながら取り組んでいってもらいたいと思っています。また水源に対する不安や懸念というものは長野県内にもありますので、工事が進む中でJR東海にはしっかりとモニタリングすべきところはしていってもらいたいと思いますし、変化が生じた場合、影響が出る場合、こうした場合には地元の皆さまの声を伺ってしっかり対応していただきたいと思います。県も引き続きJR東海とは十分な意思疎通を図りながら地元の皆さま、地域の市町村にしっかり寄り添って対応していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 竹端 氏
 重ねてお伺いしたいのですけれども、今課題が発生した場合はという話もありましたけれども、念のため確認ですが現時点で長野県内では水の利用に、生活に大きく関わるような影響等の情報は寄せられていらっしゃらないのか、重ねて今回岐阜の件を受けて県からJR東海に対して何か確認ですとか何かアクションをなされたのかどうかお伺いしてもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように影響が懸念されている場所はありますし、そうした地域においては例えば別の水源から水を運んでくるような対策も講じてきていただいています。工事で具体的に影響が出ているという状況はありますかね。

リニア整備推進局次長 青木能健
 今現在、JR(東海)に確認したところ、県内では特に支障となることは起きていません。

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3 交通系ICカードの導入について

長野朝日放送(abn) 浅野 氏
 先日しなの鉄道が交通系ICのSuica(スイカ)の導入を検討しているということで、一つ県の立場として利便性、インバウンドを含めどのようなことを期待しているのか、どのような取り組みが必要なのか、知事の見解をお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 JRが交通系ICカードの利用区域を順次拡大してきていただいています。このことは望ましい方向性だと思いますが、しかしながらその一方で、しなの鉄道ではいまだに利用できないということで、お越しいただく方にはご不便をお掛けしているところがあると思っています。JRもさらに交通系ICカードの利用区間を拡大されていく形になりますが、確実になると伺っていますけれども、しなの鉄道もSuicaを導入する方向で検討しているというのが今の状況です。私としてはやはりしなの鉄道の経営にも関わる話ではありますけれども、できるだけ早く導入することが利用される方、特に観光でお越しいただく方に対しては非常に有効だと思っていますので引き続き沿線の市町村、それからしなの鉄道とも十分な意思疎通をしながら取り組みを進めていきたいと思っています。一番の課題は財源の確保になりますけれども、しなの鉄道とも一緒に国土交通省にもこれまでも要請をしてきています。政府の公共交通のリ・デザイン実現会議でも私からもお願いをしてきているところですけれども、ぜひこうしたインバウンドのお客さまが非常に増えている中で交通系ICカードを全国に広く普及することができるように、国には一層の支援策の強化をお願いしていきたいと思っています。

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4 「HOPE2050女性・若者との県民対話」について(1)

市民タイムス 萩原 氏
 先ほど発表されました女性・若者との県民対話の関係で県内4カ所とおっしゃいましたけれども、いつ頃どこでやるというのはもう決まっているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど私も早く言えないかという話をしたのですが、今会場と調整中ですので決まりましたら速やかにお伝えしていきたいと思います。

市民タイムス 萩原 氏
 いつごろまでにやりたいとかそういったのはありますか。

長野県知事 阿部守一
 できるだけ早くやりたいと思っています。

総合政策課職員
 今、大学側とも調整中なのですが、6月に全部というのはなかなか難しくて夏ぐらい、9月ぐらいまでにやっていきたいと思っています。

長野県知事 阿部守一
 女性・若者だけの対話以外の対話もやっていきますので、これだけで人口減少の議論はできませんので、いろんな各界、各層の皆さまとしっかり対話をしていきたいと思っていますし、長野県は広い県土です。それぞれの地域によっての問題意識も少しずつ違うと思いますので、できるだけいろんな地域で対話を行っていきたいと思っています。

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5 人口減少対策について(1)

市民タイムス 萩原 氏
 それと少し絡めて、人口戦略をこれからこういった対話を基に練り上げていくことになると思うのですけれども、人口問題は先日の市町村との協議の場でもっとスピードアップできないかみたいな意見が出ていましたし、やっぱり急がなければいけない一方で即効性ある特効薬も見当たらないのが現状なのかとも思ったりもするのですけれども、これから対話で多くの方の意見を聞いていくことになると思うのですけれども、現時点で知事の考えとして戦略をどういう方向で持っていくかという部分、現時点での考えで結構なので、今までお話されている部分もありますけれども伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 大きく分けて人口減少に向かっていく上では人口減少のスピードを緩和して早く定常化させる、人口戦略会議でいうところの定常化戦略、長野県は緩和と言っていますけれども、それともう一つは人口戦略会議でいうところの強靭(きょうじん)化戦略、長野県は適応という言い方をしますが、要は人口減少下でも強靭な活力ある地域をどう維持していくかと、この両面の対応が必要だと思っています。少子化・人口減少のスピードをどう緩和していくかということについては、今年県も子育て家庭応援プランというものを市町村と一緒に出して保育料の軽減であったり、あるいは私立高校の授業料の軽減であったり、こうしたことをさらにこれまでの取り組みに加えて追加をしているわけですけれども、きのうの関東知事会の議論でも、ほとんどの都道府県知事が同じ考えだと思っているのは少子化をどう食い止めるかみたいなところは国全体の政策として取り組むべきことがかなり多いと思っています。長野県も例えば子ども医療費助成を国の統一的な制度にするべきだということを、これまでも国に求めてきていますが、今、全国の都道府県市町村で子ども医療費助成をやっていますけれども、ある所は所得制限があったり、なかったり、ある所は中学校3年生まで県が助成していたり、あるいは小学校6年生で止まっていたりということで同じ子ども医療費の助成をしていても地域によって非常にバラバラです。これはある意味政策判断の部分もあると同時に、財政力の違いが如実に反映してしまっているところもあるのではないかと思います。そういう意味で、もちろん主体的に人口減少を食い止めるための努力はしていきますけれども、やはりこれは国家的な課題として国にもっと踏み込んだ対応を求めることが、少なくとも定常化戦略であったり、緩和のところは必要だと思っています。その一方でもう一つの強靭化戦略ですけれども、これはやはり地域によって取り組み方とか対応の仕方が必ずしも一律ではないのではないかと思っています。県内でも移住者をどんどん受け入れることによって、一定程度子どもの数を維持している地域もあれば、なかなか移住者を迎えるような環境ではない中で産業振興等で頑張っていこうという地域もあるわけですので、むしろ強靭化戦略の方こそ地方がもっともっと競争していく必要があるのではないかと思います。ただそのときの課題は私は二つあると、経団連でこの間お話した時も申し上げましたけれども、一つは東京一極集中が過度なので、東京の引力があまりにも強過ぎると、企業とか高等教育機関があまりにも東京に集まり過ぎているので、県だけの努力ではこの引力を弱めることはなかなか難しいので、これはまた国土政策としてしっかり対応してもらいたいと思っています。もう一つは国と地方の役割分担で、例えば人が集まってくれるようなまちづくりをしようとしたときに、土地利用の規制であったり、あるいはきのうの関東知事会で少し議論になったことの一つは、最低賃金をもっと地方で主体的に決められるようにした方がいいのではないかという話もありましたけれども、まだまだ国が全国一律に縛っていることがたくさんあります。私は何でも分権すればいいとか何でも集権化すればいいと思っていませんが、今申し上げたように子どもの支援とか子育て家庭の支援はやっぱり国が統一的な制度として取り組んで、まちづくりとか、あるいは産業振興とか、そういうところはもっともっと権限・財源を地方に移譲してもらって、われわれが地域の特性に合った政策を進めていくことが重要だと思っています。6月11日のシンポジウムでも私はそういう趣旨で発言していこうかとは思っていますけれども、県として取りまとめる人口戦略においても、今申し上げた緩和と適応、両面意識していきたいと思っていますが、今までどちらかというと緩和の方に重点を置いて議論してきましたけれども、これからは適応の部分もしっかり力を入れて取り組んでいきたいと考えています。そういう意味では例えば具体的にはまちづくりとか、あるいは産業政策とか、あるいは外国人をはじめとする多様な人材をどう受け入れるかとか、寛容性の高い社会をどうつくるかとか、そういうところにより踏み込んで検討していかなければいけないと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 知事のお考えがよく分かりました。今のお考えがある上でこの県民対話をこれから始められて先ほど第一歩という話もありましたけれども、この県民対話に期待するところも改めてお伺いできますか。

長野県知事 阿部守一
 今回あえて39歳以下という形にして、一定年齢以上の方は対象にしない会議にしているので申し訳ないのですけれども、やはり若い人たちと、私はもう60(歳)を超えていますけれど、私ぐらいの年代の人間だとかなり意識とか価値観とかだいぶ変わってきている部分があると思っています。そういう意味で若い人たちがどういう未来に対する希望を抱いているのか、あるいは今どういう課題に直面しているのか、こうしたことを、ぜひ私としてはお伺いする機会にしていきたいと思っていますし、先ほど申し上げた対話ですので、私が思い描く方向感というのもまだ完全に描ききれてないのですけれども、一定程度お話をする中で実りのある対話にしていきたいと思っています。

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6 県政の情報発信について

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点だけ全く別件になるのですけれども、先日部局(定例)会見ということで会見していただいたのですけれども、知事が考える長野県の広報とか情報発信への部分で知事が今考えていらっしゃる広報・情報発信の課題とか問題点、また工夫している点、展望、今後情報発信をこうしていきたい、そういった知事のお考えをお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 私は一昨年の選挙の時も対話と共創ということを掲げて当選をしています。そういう意味で今の若者との対話も含めて県民の皆さまとあらゆる場面でしっかり対話をしていくことが重要だと思っています。これは私だけでなくて県組織も、県民の皆さまのための組織ですから、やっぱり持っている情報は積極的に県民の皆さまと共有しつつ県民の皆さまの課題とか問題意識、そういうものについてはしっかり県も受け止めながら県政を進めることが重要だと思っています。そのためにはまず県が何をやっているかとか県が何を考えているかということをできるだけ発信していくことが重要だと思っています。そういう意味でこの(知事)会見の機会も大変重要な機会だと思っていますし、私だけではなくてもっと具体的な政策に精通している各部局からも県民の皆さまに対してしっかり発信していくことが重要だと考えて部局定例会見を行う形にしました。長野県全体としての発信力を高める上では、そういった機会が増えることによって職員の発信力も高めていくことにもつながってくるとも思いますし、県民の皆さまには私はどちらかというと知事の立場ですから、大きな課題とかそうしたものを発信することが多いですけれども、各部局が会見すればもう少し具体的な話とか、細かい政策テーマについてもお伝えすることができると思いますので、私の会見と部局の会見と両方併せて全体として県民の皆さまに長野県の考えとか取り組みがもっともっと伝わるようにしていきたいと思っています。

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7 人口減少対策について(2)

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 先ほどの人口減少対策の関係でお伺いしたいのですけれども、戦略の取りまとめに当たっては県民会議をつくってそこで対話を踏まえてまとめていくと、5月に準備会というお話も以前1月の会議の時に話されていたかと思うのですが、今後のスケジュール感を改めて教えていただけますか。

長野県知事 阿部守一
 戦略については県民会議で最終的には固めていきたいと思っています。その前の段階は先ほど申し上げたように人口減少対策は非常に広い分野にわたります。そしてまた短期的ではない、息の長い長期的な取り組みが必要になってきますので、そういう意味では県民の皆さま、幅広い皆さまに参加していただく会議にしていきたいと思っています。ただその策定プロセスに当たって、広く県民の皆さまが参加してもなかなか議論がまとまっていかないと思いますので、そういう意味では県民会議に至る前の段階として一定のいろんな属性の皆さまに集まっていただいて、県民会議のための準備会合みたいなものを行っていきたいと思っています。そういう場での具体的な議論を行うに当たっては、今回のHOPE2050をはじめ県の各部局もいろんな皆さまと対話をしていきますので、そうした対話から出てくる課題や方向感というものも、しっかり取り入れながら議論していくようにしていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 準備会合自体はまだ日程的にはこれからというところでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まだもう少し時間がかかると、そういう方向でやろうというところまでは中で議論していますけれども、具体的にいつどのような形でスタートするかはまだ具体的な形になっていませんので、決まり次第またお伝えしていきたいと思います。

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8 国と地方の関係について(1)

信濃毎日新聞 井手 氏
 一極集中の是正についてなのですけれども、知事は国と地方の役割分担の重要性というのを強調されていますけれども、きょうの部局長会議だったり会見でも子どもの医療費だったり最低賃金、土地利用なんかの言及もありましたけれども、そういう国と地方の役割を、例えばこうあるべきだというのを県なり知事会なりが整理して、それを国に求めていくとか、そういった動き、考えというのは今あるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の段階では、きのうの関東知事会もそうですけれども、個別の分野ごとに要求しているわけですよね。長野県であれば子ども医療費助成はかねてから要望していますし、例えばきのうの関東知事会議では私立高等学校の授業料の助成であったり、ゼロから2歳児の保育料の軽減について、今までは政策ごとにこれは国がやるべきだということで言っていますけれども、きのうの関東知事会でも私は同じように発言したのですけれども、そろそろもう少し全体的な議論をしていくべきではないかとその場でも申し上げました。これは長野県だけでやってもなかなか国は多分動かないと思いますので、少し全国知事会の分権委員会、その他の場でそうした議論をしていく必要があるのかなと思います。先ほど申し上げたように国民運動本部としては6月11日には人口減少と地方自治をテーマにシンポジウムをやっていきたいと思いますので、そういうところの動きも踏まえながら、全国知事会で人口問題をどう取り扱うかということは夏の知事会でも議論になると思います。その場でも私の考え方は発言して、これはまとまって動いていかなければいけないと思いますので、他の知事の意見も聞きながら対応を考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 井手 氏
 その関連なのですけれども地方分権の絡みで、今、国の指示権を拡大する地方自治法の改正案が国会で審議中です。知事会とすると指示権の発動前の事前の協議をしっかりするようにと国に求めていますけれども、また知事にも以前の会見でも伺っているのですけれども、今の国会の審議が進んでいる中、この指示権の拡大について改めて知事のお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 これは村井会長をはじめ平井知事、湯﨑知事と私とで関係方面に要請に行きました。松本総務大臣の所にもお伺いしましたけれども、私どもの考え方、やはり地域の実情はわれわれがよく分かっているので、そういう意味では十分協議をしてもらうことなど、しっかり意思疎通をしてもらう必要があるということについては一定程度ご理解を頂けているのではないかと思っています。今、国会でいろいろ議論されている状況ですけれども、法律上書けること書けないことがあると思いますけれども、やはり今回の法案の考え方というのは、やはり極めて例外的なケースだということを前提にしつつ、かつ地方公共団体と十分意思疎通をしながら取り組んでもらう、法の規定を運用するということをしっかり念頭に置いた上で法律を制定させていってもらいたいと思っています。

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9 「HOPE2050女性・若者との県民対話」について(2)

信濃毎日新聞 井手 氏
 もう1点だけHOPE2050なのですけれども、開始が午後5時ということでなかなか社会人が出るのが難しいのではないかと思ってしまうのですけれども、その時間設定とか今後やるときは6時からにするとかありますか。

長野県知事 阿部守一
 全くご指摘の通りだと私も思います。これは当初学生を中心に念頭に置いてセットしているので、こういう形になっているので、働いている世代の皆さまからすると5時には駆け付けられないという方も多いと思いますので、そこは申し訳ないと思います。

総合政策課職員
 今後については、皆さまが参加しやすいような時間帯を選ぶなど工夫はしていきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 長野県は広いので今回はネットの配信とかしませんが、そういうことも工夫していくことがこれからは必要かと思っています。

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10 国と地方の関係について(2)

読売新聞 村上 氏
 先ほどの指示権に関してなのですけれども、しっかり議論した上で進めていってもらいたいということなのですが、知事の現状としての、指示権を盛り込んだ地方自治法改正法に関しての賛否でしたり、どういうところをしっかり議論してもらいたいとか、先ほどと少しかぶるかもしれませんが、課題について知事会としてというよりも阿部知事としての考えをお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは大臣をはじめ関係の皆さまとお話した感覚で申し上げれば、政府も決して地方自治をないがしろにするというような発想は持っていないというのは当たり前ですが、改めてそれが確認できたと思っています。個別法に規定を置けないような緊急事態での限定的な制度ということが大前提だと受け止めていますので、法文を読むだけだとそういうところがなかなか十分表現されていないので、先ほど申し上げたように法文ですから他の法令とのバランスとかを考えれば、あまりこの法律だけ細かく書き込むというのは現実的には難しい部分もあります。そういう意味でぜひ国会審議等でそうした考え方を明らかにしてもらった上で、われわれが求めているような地方公共団体と十分な意思疎通をしながら的確な運用を図っていくということをしっかりと担保しながら、この法案の議論、それから法制化を進めていっていただきたいと思っています。

読売新聞 村上 氏
 法制化を進めていってもらいたいということは法制化自体は賛成ということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。法文だけ読むといろいろな解釈がなくはないと思いますけれども、大臣はじめ政府与党の責任ある方とお話しした感覚では十分地方自治について尊重して対応していくという感覚はすべての皆さまがお持ちだったと受け止めていますので、そういう部分を国会審議の中でこの法律の趣旨はこうだと、運用はこうしていくということをぜひ明らかにしていっていただきたいと思いますし、そうした運用を実際面でも行っていただくと、その前提で私としては法制化することについては理解をするところです。

読売新聞 村上 氏
 実際にコロナ禍などでは国の指示権があればと思うことがあったりしたタイミングはありましたでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは国の立場からすると、やはり都道府県、あるいは特に保健所の対応等が必ずしも一律にそろっていないというところは、今後いろんな感染症対応をしていく上では課題となり得る部分だと受け止められているところもあるのではないかと思います。ただ例えば感染症対策等について特別措置法の改正もなされて個別法での対応は今回のことを踏まえれば一定程度可能になってきていると思いますので、ただ、それだけではなくて想定されない事態というのはこれからもあり得なくはないので、そういう場合の限定的な規定ということで運用していっていただくことが重要だと思っています。

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11 信州そばのブランド化について

中日新聞 小山 氏
 発表外のことで大変申し訳ないのですが、1点だけもし伺えればと思っていますが、先日市長会の花岡会長と白鳥副会長が知事の元にいらっしゃっていろいろと要望された中で、信州そばのブランド化というところで知事は非常に課題感を強く示されたかとお見受けしました。この点について知事の課題感をもう1回改めてお伺いしたいのと、県内のそばとか小麦とか、そういう業者さまの中で海外展開とか輸出とか円安とか国際情勢の変化とかもあるので、そういうような動きも出ているのですけれども、海外の売り込みであるとか、それが国内の産地間競争に与える効果であるとか何か知事のお考えがあればお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 きのうも伝統的建造物群保存地区協議会という集まりがあって夕方の交流会に私も参加しました。長野県内は今7地区で、今度須坂市が加わって8地区が伝統的建造物群保存地区になるわけですけれども、長野市が開催地ということで戸隠の方たちが大勢いらっしゃって、高校生がそば打ちをして戸隠そばを振る舞ってもらってということです。長野県はいろいろな特産品があるわけですけれども、長野県、信州といったときのそばのブランド力というのは非常に大きなものがあると考えていますし、昨年私はヨーロッパに行きましたけれども、その時もまさに戸隠から戸隠そばを打つ方にもご一緒いただいて、外国人の前で私が一緒にそば打ちをやったのはドイツだったと思いますけれど、ドイツでお客さまの前で実際にそば打ちを実演していただいたところ、非常に皆さま関心を持って、スマホのカメラを向けて素晴らしい技を感動しながらご覧になっていました。そういう意味では食べてもおいしいし、そば打ち自体がいろいろな体験のメニューにもなりますし、あるいはその熟練の技自体、多くの皆さまに関心を持ってもらえるということで、もう1回信州そばを長野県の重要な産品として、あるいはもう1回信州そばのブランド力をどう高めるかということを考えることは非常に私は重要だと思っています。先日、ご指摘の通り市長会からもご提案いただいたところですし、早速関係部局に検討を指示したところです。私は県内を回って対話した際にも、いくつかの市町村ではそばを中心に地域振興、地域おこしに取り組んでいるという地域もありましたので、そういう意味ではもう1回そばを生産される方、それから製造される方、それから小売りの方、あるいは飲食店の方、多くの皆さまと一緒にブランド化を図る、さらなるブランド力の強化を図るためにどうするか、そして今の海外展開も含めて今後の信州そばの発展の取り組みをどうするか、こうしたことを一緒に考える場が必要ではないかというのが私の考え方ですので具体的にどうするかは至急考えて取り組んでいきたいと思っています。

中日新聞 小山 氏
 海外展開は知事にとって非常に重要なことだとお考えだということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。海外においては、あるいはインバウンドのお客さまにとっては今、日本のラーメンが非常に注目されていますけれども、しかしながら先ほど申し上げたように、私が行ったドイツの食料品店でもそばを売っていましたので、そういう意味では海外に対する発信、販売ということも大いに可能性はあると思っています。

中日新聞 小山 氏
 重ねてもう1点だけ、海外に展開することが、ひいては日本の中での信州のそば、そば以外の物もあると思うのですけれど、そのプレゼンスというか競争力を高めることにもつながるとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。結果的にはそういうふうになると思いますし、今、実際に例えば信州の独自のブランドとして信州ひすいそばの生産も行っていただいていますし、あるいは地域、あるいは企業ベースでもそばの生産をもっと増やそうという取り組みをされている地域もありますので、そういう皆さまと一緒になって、まずは長野県自体の底力を上げていかなければいけないと思いますが、それと同時に長野県は今、多くの方がインバウンドでお越しを頂いている地域でもありますし、物産の海外展開というのは人口減少下において非常に重要だと思いますので、そういう中で、そばをどう活用できるかということはしっかり考えていきたいと思います。

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12 教員不足について

信濃毎日新聞 森 氏
 教員不足のことでお伺いしたいのですけれど、教育行政の話で大変恐縮なのですけれど、教育委員会の調査で県立高校でも5月1日時点で欠員が6人生じていたことが今回分かりました。これまで県内の公立小中学校では以前から欠員が生じている状況がありましたけれど、今回は県立高校の方でも出てしまったということで、教員不足は全国的にも課題になっている問題であるとは思うのですけれど、県内の教育現場でも欠員が生じている現状について知事はどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 全国的にそういう傾向になっている中で、長野県としても例外ではない状況です。そういう意味では子どもたちの教育を充実させるためには子どもたちにしっかり向き合ってもらえる意欲あふれる教員の皆さまをしっかり確保していくことが重要ですので、教員が足りていないことについては深刻な問題だと私は受け止めています。きょうも武田教育長とも少しお話をさせてもらいましたけれども、今教員の皆さまの働き方改革であったり、あるいは処遇の改善が大きなテーマになっているわけです。学び円卓会議でもそうした問題意識が出されて県も共有しているところです。ぜひ早く長野県における学校の先生の働き方改革の方向性であったり、あるいは処遇改善の方向性であったり、こうしたものをしっかりと打ち出していきたいと思っていますし、そういうことを通じて意欲あふれる先生が教員をやるなら長野県で教員をやりたいと思っていただけるような県にしていきたいと、こうした方向感で教育委員会と一緒に取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 森 氏
 今、知事もおっしゃっていただきました、先日ご出席されていた学び円卓会議の方でも世の中が大きく変わる中で教員の働き方改革も含めて進めていかないといけないというお話があったかと思うのですけれど、具体的に現状の教員の働き方の中でどんな点が課題だと認識されているのかということと、人口減少も含めて全国で教員不足が問題となっている中で、長野県の教育現場で働きたいと思ってもらえるためには長野県ならではの魅力であったりとかというところも磨いていかなければいけないのかなと思うのですけれど、その辺りについてのお考えをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 学校の先生、教員の皆さまが子どもたちにしっかり向き合う時間が十分でないのではないかというのが、いろんな課題の中でやはり共通している感覚ではないかなと思っています。そうしたことを考えれば、教員の皆さまが持つ、例えば担任する授業時間数の在り方等もこれまで通りでいいのかということも考えていかなければいけないと思いますし、一方で私としては学校、あるいは学校の先生に期待するものが何でもかんでも学校で考えてくださいという話になっていますけれども、本当に学校とか学校の先生が担っているものを、もっと減らす余地はないのかというようなこと、そして加えてそれと表裏ですけれども、学校の先生、教員以外の皆さまが担うべき役割もあるのではないか、こうしたことをしっかり考えていくことによって教員の皆さまが本来やるべきことをクリアにした上で、そこに集中してもらえるような環境をつくることが大変重要ではないかと思っています。長野県の教育としては私はいろんな所で申し上げていますけれども、教育の改革、学校の改革を私は分権型であるべきだと思っています。学校で決められることはできるだけ学校で決めてもらうことが重要だと思います。ただ民主社会ですので、学校の校長先生と教員が勝手に決めるということではなくて、保護者、地域の皆さまと一緒に学校経営を考えていけるような仕組みをつくることが大事だと思いますし、そのことが一人ひとりの先生が本当に子どもたちにふさわしい、子どもたちにとって望ましい教育と考えることを実現できる道だと思っています。そういう意味では私の立場としては、できるだけ分権型の教育改革、学校改革を目指していきたいと思いますし、その一方で学校においては校長先生のマネジメント能力の向上であったり、あるいは地域とのしっかりとした連携、コミュニケーションであったり、こうしたことと併せて教育全体を変えていくことが重要だと思いますし、それが結果として先生のやりがいにもつながっていくと思っています。

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13 新たな観光振興財源について

信濃毎日新聞 河田 氏
 確認だけさせてください。宿泊税の関係なのですけれども、先日の県と市町村との協議の場で市町村側から要望というか検討の方向性について意見がありまして、大きく言うと宿泊施設の数にそれぞれ差があるので薄く広く全体的に分配について考えていくのか、宿泊施設が多い所にはある程度集中的に分配していくのか、大きく言うと二つの方向性でそれぞれ希望があるのかなと思ったのですが、今後の議論の方向性について知事としては大きい方向性としてどちらの方で考えていくのか、現時点の考えがありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 どちらというよりは、あそこの場で小泉市長、柳田市長がおっしゃったように、長野県としてこの財源を使って何を大きく進めていくのか、何を大きく変化させていくのかということをはっきりさせていくことが重要だと思っています。どうしても配分の仕方のところに議論が行きがちですが、それよりもやっぱり長野県の観光の質をどう高めるかと、まずはどの部分から質の向上を図っていくかということをしっかりと関係者の皆さまと協議をしながら定めていくことが大事だと思っています。

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14 国と地方の関係について(3)

信濃毎日新聞 河田 氏
 もう1点、市町村との意思疎通という関係で指示権の話に戻るのですけれども、知事のお考え、全国知事会の考えはすでに示されている通りだと思いますが、県内の市町村長と指示権についてどう考えるかという意見交換、情報収集はされたのか、されたとすればどういう意見が出たのか、あるいはもう国会審議に入っていますけれども、今後そういった意見を聞くようなお考えはあるのかどうか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 私は市町村長とはその話はほとんどしてないですが、特に国の指示権ですので県と市町村が協力して何とかするという話では必ずしもないだろうと思いますし、先ほど申し上げたように指示権がどんどんいろいろな場面で利用されてしまうような状況であれば、市町村と一緒に阻止しなければいけないと思いますが、私の今の受け止めは先ほど申し上げたように、政府与党の関係者の皆さまもかなり地方自治を尊重するということについては十分意識をしていただいた上で国会審議等でそうした考え方も明らかにされていく方向だと受け止めていますので、そういう意味では今改めて市町村長の皆さまとこのことについて話をする必要性は乏しいのではないかと思っています。

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15 人口減少対策について(3)

市民タイムス 萩原 氏
 先ほど人口減少の関係でスケジュール感の話が出ましたけれども、それに重ねてもう1点だけ聞かせてください。私の認識が間違っていたらご指摘いただきたいのですけれども、戦略は秋頃をめどにというお話だったかと記憶しているのですけれども、そこから一歩踏み込んでというか、戦略は多分作るのが目的ではなくて戦略に沿って、あえて戦略というから闘っていかなければいけない、人口減少問題と闘っていかなければいけないという部分を考えると、先ほどもスピーディーにという話もしましたけれど、やっぱり早めにやった方がいいのかという気もするのですけれども、改めて知事の中でそのスケジュール感という意味で戦略をいつ頃までには練り上げて早速具体化していきたいとか、そこら辺のお話し、お考えがあればお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 この間の県と市町村の協議の場でももっと早くできないのかというご指摘も頂きましたが、私はできるものはもうすでに始めていると思っています。先ほど申し上げた子育て家庭応援プランをはじめ、例えば緩和策についても市町村の皆さまと話し合いをしながら取り組みを始めています。保育料軽減については第2子が2分の1、第3子以降無償、ゼロから2歳児のところはほぼ1年以内ぐらいの間には長野県全体の市町村が足並みをそろえていただけるのではないかと思いますので、こうしたことはメディアの皆さまもぜひ広く伝えていっていただければありがたいと思っています。その一方で先ほど申し上げたように、適応策の方はかなり難問が多いと思っています。例えば外国人政策みたいなことはどういうアプローチをしていくのかということから含めてしっかり考えなければいけないことがたくさんあります。あるいはまちづくりをどうするかみたいなことも、なかなか県だけでは進められません。市町村の皆さまと共に進めなければいけないテーマです。ただこうした部分は人口の戦略の適応策、強靭化戦略を考える上で非常に重要なテーマですので、私としてはそういうところをあまり拙速に考えてやるよりは、しっかり方向付けをするべきではないかと思っています。そういう意味で先ほど申し上げたように県民会議の設置をしていく、そして県民の皆さまと対話をしていくという方向感は出していますが、まだ細部のところの具体的な、いつまでこれをするというところまでスケジュールをしっかり詰め切れてないところがありますので、それもできるだけ早くお示しできるようにしていきたいと思っています。ただあまりスケジュールにとらわれて不十分な議論のまま取りまとめをやるというよりは、やはりしっかりとした内容のものを作っていかないと今度は総合計画の5年間よりももっと長期を見通さなければいけない話ですので、あまりぶれたくない。何年か経ったらやはりこっちにしましょうとはしたくないので、そういう意味で本当に幅広い皆さまの意見を聞きながら、特に長野県として力を入れていくべきものを明確にできるようなものにしていきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 改めてしつこくて恐縮なのですけれど、やっぱり戦略は秋めどにというお考えはそのままということでよろしいですかね。

総合政策課職員
 戦略自体は県民会議で決定するとなっていまして、それが今のところ12月くらいに県民会議を開催できれば、それまでにいろいろ議論を重ねていくというような、そんなスケジュール感になっています。

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16 国と地方の関係について(4)

信濃毎日新聞 竹端 氏
 細かいことなのですが1点お伺いしたいのですけれども、先ほど別の方へのご回答の中で少し最低賃金の話、お言葉があったかと思うのですが、それをお伺いしたいのですけれども、現状、各都道府県で労使双方が議論した先に各都道府県の額が決まるかと思うのですけれども、一方で中央が示した目安額に結果的に近い額に集約されるという面もあって、都道府県ごとの差というのがなかなか縮まらない面もあるかと思うのですけれども、この最低賃金の決め方、在り方について知事は何かお考えがあるようでしたらお伺いしたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 直ちに今の方式を変えるべきだとは思ってないです。賃金については労使間でしっかり話し合いをした上で決めていくべきものですし、今の最低賃金の決定の在り方も一定程度定着している部分もあるのかなと思っています。そういう意味では直ちに今のやり方を変える必要があるとは思っていません。ただ関東知事会の中ではそうした議論もあったということでお話をしたところですし、例えばこれから分権型の社会をどうつくっていくかという大きな構想を描く中では国が統一的に決めているものについても、より分権型にしていくべきものというのはたくさん出てくると思います。そういう大きな議論の中ではそうした検討もあり得ると思いますけれども、ただ、今、直ちに変えていくべきだとは思っていません。
 どうもありがとうございました。

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