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更新日:2024年12月3日

知事会見(令和6年(2024年)9月26日(木曜日)14時16分~15時08分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 県議会9月定例会の開会について
  2. 能登半島における大雨災害への対応について
  3. 御嶽山噴火災害から10年について
  4. 観光振興税(仮称)骨子について

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取材者からの質問

  1. 御嶽山噴火災害から10年について
  2. 消費生活センターの集約について
  3. 人口問題への対応について(1)
  4. 観光振興税(仮称)骨子について(1)
  5. 伊那新校について
  6. 観光振興税(仮称)骨子について(2)
  7. 「一人ひとりに合った学び実践校(仮称)」について
  8. 人口問題への対応について(2)
  9. 観光振興税(仮称)骨子について(3)

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本文

阿部知事からの説明

1 県議会9月定例会の開会について

長野県知事 阿部守一
 私からは4点お話を冒頭申し上げたいと思います。まず1点目はきょうから県議会9月定例会が始まりました。先ほど提案説明で説明したように、約111億円の補正予算案をはじめ、さまざまな議案を提出しています。しっかり説明して、ご議決いただけるように取り組んでいきたいと思っています。

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2 能登半島における大雨災害への対応について

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですが、能登半島の被災地支援についてです。今月20日からの低気圧と前線による大雨によりまして、お正月の大規模地震で被災された能登半島が再び大きな被害を受ける形になってしまいました。被災された方に改めてお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げます。本県においては、今回、発災直後から消防防災ヘリを応援派遣して、救助・救出活動に協力したところです。9月23日から25日の間に延べ8名の方を救助しました。また対口(たいこう)支援先の輪島市に情報連絡員を先遣隊として派遣し、本日、物資・物流関連に従事するため、県職員6名を派遣したところです。併せて被災者生活の復旧・再建を支援するためにはボランティアの皆さまのご協力が不可欠ですので、9月24日から団体・グループに対する活動費助成を行っています。1グループ当たり上限20万円ということで、こちらは長野県社会福祉協議会ホームページ等でぜひ確認していただき、ご利用いただきたいと思っています。またプレスリリースでお配りしている通り、きょうから県庁と県の各合同庁舎において義援金の受付を開始しています。また日本赤十字社に対する義援金の振り込みも可能ですので、ぜひ多くの皆さまのご協力・ご支援を頂ければと思っています。きょうの提案説明でも申し上げたように、能登半島は非常に孤立集落等も多く発生している地域ですが、決して本県にとってはひとごとではない災害だと思っています。引き続き能登半島の皆さまの思いに寄り添って、そして「チームながの」として、さまざまな団体等ともしっかり連携しながら、能登半島の皆さまの復旧・復興の支援をしっかりと長野県として応援していきたいと思っています。ぜひ県民の皆さまにも、引き続きのご協力とご支援をお願い申し上げます。

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3 御嶽山噴火災害から10年について

長野県知事 阿部守一
 それから3点目ですが、御嶽山噴火災害からあしたで10年を迎えることになります。あす9月27日には御嶽山噴火災害犠牲者追悼式が開催されますので、私も県民の皆さまを代表して出席する予定にしています。まずは、犠牲になられた方のみ霊に対して謹んで哀悼の意を表したいと思います。また噴火災害に遭遇された方に改めてお見舞いを申し上げます。58名もの尊い命が失われ、今なお5名が行方不明という状況です。県も警察、消防、自衛隊の皆さまと力を合わせて懸命の救助救出活動を行ってきたわけですけれども、最愛の方を亡くされた皆さまは本当にこの10年間、大変な思いだったと思います。県としては、この火山噴火災害の教訓をしっかり踏まえて、火山防災対策を強化していくことが役割、責任だと思ってこの10年間取り組みを行ってきました。先ほどの提案説明でもいろいろこれまでの取り組みを申し上げてきたところですけれども、自然相手の対策というのは、ここまでやれば完全だと、大丈夫だということにはなかなか至りません。引き続き「火山防災先進県・長野」を目指して、関係の皆さまと共に力を合わせて防災対策の推進に取り組んでいきたいと考えています。

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4 観光振興税(仮称)骨子について

長野県知事 阿部守一
 それから最後4点目ですが、観光振興税(仮称)の骨子についてです。観光振興審議会の検討部会でご議論を頂き、大きな考え方とか方向性についてはこれまでもお示ししてきているところでしたが、県としてさらによく検討せよということでペンディングになっていた論点がいくつかあります。そうしたことも含めて、今回県としての考え方を骨子という形でお示ししたところです。皆さまのお手元にもお配りしていると思いますけれども、きょうから骨子に対する意見募集、パブリックコメントを行うことにしました。骨子の内容ですが、課税客体は宿泊行為に対して課税するということで、お一人1泊300円の定額で課税したいと考えています。使途については法定外目的税ということで、観光振興の目的税にしていきたいと考えていますので、骨子にお示ししていますように、世界水準の山岳高原観光地づくりのための政策を重点的に進めるため、観光コンテンツの充実であったり、受け入れ環境の整備であったり、観光振興体制の充実であったり、こうしたことに使いたいと思っていることと、県と市町村で力を合わせて観光振興に取り組んでいかなければいけないということで、市町村に対しては徴税経費等を除く税収の最大2分の1を交付金として交付していきたいと考えています。また独自に課税されることを検討している市町村もありますので、県と市町村で協力していく観点から、県の制度としては独自課税を行う市町村が出てきた場合には、県の税額を150円まで下げようと考えています。その代わりに、先ほど申し上げた交付金の交付はそうした市町村には行わない形にしたいと思っています。長野県は多くの観光客をお迎えしている全国的に見ても有数の観光県だと考えています。コロナで非常に厳しい状況がありましたが、また再び国内外から多くの観光客の皆さまに訪れていただくことができるようになっています。長野県の観光をさらに発展させていくために、また世界水準の山岳高原観光地づくりということで、かねがね申し上げているように、世界の主要な観光地域と競い合っていくためには、やはり一定の財源を確保して観光振興のために役立てていくことが大変重要だと思っています。どうか県民の皆さま、そして宿泊事業者の皆さまをはじめ、関係の皆さまにはご協力・ご理解を頂ければありがたいと思っています。県としては県議会、それから市町村、さらには宿泊関係者の皆さま、そして県民の皆さまに丁寧に説明し、ご理解を得られるように取り組んでいきたいと考えています。
 私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

1 御嶽山噴火災害から10年について

信濃毎日新聞 竹端 氏
 御嶽山噴火から10年についてお伺いします。先ほど知事は、自然相手にどこまでやればいいということはないというお話がありましたけれども、この10年、国や市町村もそうだと思いますけれど、県の方でもビジターセンターですとかシェルターの整備、「信州 火山防災の日」の制定等、ハード・ソフト両面で取り組みを進めてきたことかと思われます。改めてこの10年の県の取り組みをどう自己評価されていて、今後はどういった対策を進めていくべきだとお考えなのか伺ってよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回、御嶽山噴火災害のことを改めて私も振り返っています。今お話があったように、この火山防災、御嶽山噴火災害の前と後を比べると、国の取り組みも、それから県であったり、地元市町村の取り組みであったり、あるいは全国的な取り組みであったり、かなり進めることができた部分が多いのではないかと思います。御嶽山噴火災害の時に、やはり火山の専門家が少ないという問題意識がありました。そして気象庁と、例えば大学をはじめとする関係機関がそれぞれ対応してきている中で統合的な対応が必要ではないかといったような議論もある中で、国においては火山防災体制の本部が設置されたりということで強化されてきましたし、長野県としても名古屋大学の火山研究施設を誘致して、まず専門家の知見を頂くという環境は以前に比べるとだいぶ進化したと思っています。県としても「火山対策総合アドバイザー」を設置するなど体制強化に努めてきたところです。それからシェルターの設置であったり、あるいは携帯の不感地域の解消であったり、御嶽山の火山防災対策についても、地元の町や村とも連携しながらかなり進めてくることができたと思っています。火山であることを知らないで登山をされていた方もいらっしゃる状況でありましたし、今は活動レベルが1でも活火山であることに注意というような注意喚起がされているわけですけれども、県から火山であることをしっかりお伝えするとともに、ヘルメットの着用等、火山を登るにふさわしい装備も行ってもらうようにこれまでも呼び掛けをしています。あと火山マイスターの育成であったり、ビジターセンターの整備であったり、さまざまな取り組みをこれまでも行ってきたところです。冒頭申し上げたように、ここまでやればもう十分だというレベルはないと思っていますので、引き続き安全対策の強化については常に点検しながら充実できるように取り組んでいきたいと思っています。その一方で、昨今で例えば富士山の噴火をはじめとして、大規模な噴火災害、広域を巻き込むような噴火災害への対策ということも、知事会等で問題意識を持っているところですので、そういう意味では国レベルでの火山防災体制の一層の充実強化、こうしたことも引き続き働き掛けていきたいと思っています。以上です。

信濃毎日新聞 竹端 氏
 今、広域を巻き込んでという話ですとか、国のお話もありましたけれども、火山防災に関して当然、山麓の市町村とは具体的な対策をなされて、国も各種の制度だったり対策を講じていると思いますけれども、改めて知事個人のお考えとして、火山防災における県の役割というのはどういったものになるとお考えなのか、伺ってもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的に災害時の対応というのは一般的に市町村が対応される形になるわけですけれども、例えば今回の御嶽山噴火災害の救助・救出活動は国の協力も頂きながら、警察・消防・自衛隊、長野県の災害対策本部がかなり先頭に立って対応しました。そういう意味では市町村レベルでの対応ではなかなか対処が難しい広域災害になる、あるいは被災される方もこういう観光で訪れている方というのは地域の住民の方たちばかりではありませんので、そういう意味で、都道府県が果たす役割というのは他の災害に比べるとやはり大きなものがあると思っています。ただ、どうしても火山は県境付近に存在しているケースが多い状況ですし、また大規模噴火になったときに、これはもう県レベルの対応ではなかなか対処できないと思いますので、そういう意味では国にはより一層の体制強化を求めていきたいと思っています。

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2 消費生活センターの集約について

市民タイムス 萩原 氏
 きょうの議案説明の関係で2点ほど伺いますが、まず来年4月に県の消費生活センターを松本市に集約とありましたけれども、消費生活センターの集約の目的と、その効果をどのように考えていらっしゃるかを伺いたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 消費者行政については、県も役割がある反面、市町村においても取り組んでいただいています。やはり県としては専門性が高い分野に力を注いでいくこと、それから市町村の行政を応援していくことに重点を置いて取り組んでいきたいということで、市町村と県との役割分担をしっかり踏まえた上で県としては集約化していきたいと考えています。

市民タイムス 萩原 氏
 集約されると、少しイメージがあれですけれども、今まであった所が集約されてなくなってしまうというと、そういった部分の不安もあろうかと思うのですけれど、その効果とメリット・デメリットを考えた場合、やはりメリットの方が大きいと。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。やはり専門性が高い分野に県はしっかり力を入れていきたいということと、それから市町村の支援に力を入れていきたいと思っていますので、そういう意味では場所的に相談員等が分散しているよりは集約していった方が効果的な仕事ができると考えていますし、実際相談される方は来所される方もいらっしゃいますが、電話等で相談される方も大勢いらっしゃいますので、そういう方にとっては場所がどこということはあまり関係がありません。加えて市町村の皆さまにおいても、ぜひ消費者行政にしっかり取り組んでいただければと思っていますし、市町村も消費者行政にしっかり取り組む方向性で体制を強化されてきている市町村が多くなっていますので、そういう意味で県の役割、市町村の役割、こうしたことを考えた上で今回のような見直しをしていきたいと考えています。

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点すみません。松本というのは、やはり(県の)真ん中だからというようなことですか。

長野県知事 阿部守一
 それは担当課から考え方を説明してもらえますか。

くらし安全・消費生活課長 西川裕
 市町村の支援を充実すると知事が言った上では位置的なものもあるのですけれども、県の四つの(消費生活センターにおける)相談件数の約4割が松本ということで、相談件数が最も多いエリアということも考慮して、松本ということで考えています。

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3 人口問題への対応について(1)

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点別件で、また議案説明のところで、人口問題への対応の中で都市機能の集約や公共交通の充実などを勘案し、県土全体の発展に向けたグランドデザイン策定とおっしゃられましたが、このグランドデザインの策定に向けたスケジュール感みたいなものと、具体的にどういったものを想定していらっしゃるのか、その辺を少しお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 スケジュール的なものについては、これはまだ骨子としてお示ししている段階ですので、今後いろんな皆さまのご意見を伺った上で戦略をまとめ、その上でスタートしていきたいと思いますが、問題意識としては、やはり長野県は広い県土です。いろいろな政策を考えるときに、やはりどういう地域にどういう形で課題があり、発展させていく必要があるのかということを、より明確に意識しながら進んでいくことが重要だと思います。これは県もそうですし、また地域の皆さまとも方向感を共有していくということが重要だと思っています。例えば一番分かりやすいのはリニアの長野県駅ができる南信州地域が大きく変化する地域だと思いますが、他の地域と同じような政策を取っていては地域の発展はなかなか難しいと思います。そういう意味では長野県の各地域がどういう課題がありどういう方向性で発展していくことが望ましいのかということを県全体の視点でしっかり長期的な構想を考えていくことが重要だと思っています。また、人口がどんどん縮小される中で、一つは楽しく快適なまちづくり、便利なまちづくり、こうしたことも若い人たちからは特に求められているところですし、また今、農地の集約化を進めていく反面、企業の皆さまからすると、もっと工場を拡張したいのになかなか農地転用がしづらいとか、そういった土地利用面での課題もあります。加えてまちの賑わいを取り戻していくためには立地適正化計画を作られている市町村もだいぶ多いわけですけれども、やはりまちのにぎわいを取り戻していくための考え方、取り組みということも重要になってきますので、そうしたことを全体としてお示しできるようなグランドデザインを作っていきたいと思っています。私は最近、人口減少問題で国に対しては、ぜひ国土の在り方をしっかり考えてもらいたいと申し上げてきていますので、それと基本的に同じような考え方ですね。例えば北海道と沖縄と長野県と、同じ日本の国土でもやはり特色とか強みとか違いますので、長野県も一言で信州長野県といっても、やはり強みとか課題とか違いますので、そういうことをしっかり見据えた構想を作っていきたいと思っています。

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4 観光振興税(仮称)骨子について(1)

中日新聞 清水 氏
 観光振興税の関係ですが、今までの議論を改めてになってしまうかもしれないのですけれど、知事のこれまでそういう財源がなかったことによって県の抱えてきた課題はどんなものがあったのかということが1点と、今後この財源ができることによっての期待、改めてになりますが、どんなことを進めていきたいというような期待について伺いたく思います。

長野県知事 阿部守一
 この財源の検討を始める時にも私から申し上げたと思いますけれども、やはり私のそもそもの問題意識としては観光振興、これは行政としてしっかり取り組むべき、特に長野県のような観光地を多く抱えている所では取り組むべき重要なテーマですが、ただその財源を県民の皆さまだけの負担で行うのが適切かといえば、やはり観光で訪れる皆さまにも一定の負担を頂くことが重要だと思っています。そういう意味で、まず観光振興をしていくためには観光でお越しいただき、長野県に来訪される方に一定のご負担を頂くことが必要ではないかと思っています。その一方で世界水準の山岳高原観光地づくりを県は目指しているわけですが、世界のさまざまな観光地は、やはり宿泊に関する税であったり、あるいは来訪される方、入山税みたいなものであったり、観光でお越しになられる方、訪問される方に一定の負担を取っている所は非常に多い状況の中で国内でもいくつかの都道府県や市町村が観光振興のための財源確保で独自の税を課税していると。私としては、やはり世界水準の山岳高原観光地を目指す上では、こうした世界の状況であったり、国内の状況に後れを取ることは許されないと思っています。やはり、これは税を取ることが目的ではなくて、観光地としての質を高めていくことなしには多くの皆さまにお越しいただいたり、あるいはまた、特にリピーターとしてお越しいただくということはなかなか難しくなってきますので、そういう意味では他の地域との競争・競合ということも念頭に置けば、この税の導入は、県としては着実に進めていくべきことだと思っています。

中日新聞 清水 氏
 すでに東京、大阪、福岡では導入済みで、宮城県でちょうど9月の定例会で条例が提出されているような状況ですけれど、長野県は順調にいけば都道府県単位だと5番目ぐらいになってくるのであろうかと思われるのですが、他県に比べて長野のこの制度ではこんな特徴があるですとか、こんなところに特に注力したといいますか、そういったところがありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 一番は私は市町村に対しての配分の部分だと思っています。県と市町村がそれぞれ課税権を持っているわけですので、県も市町村も自分がこうしたいということで押し通すということも場合によってはあり得るのかもしれないですけれども、私としては市長会等での懇親会等でもお話しする折には、やはり県と市町村でできるだけ調和のとれた形にしていきたいとお話ししています。今回徴税経費等を除いた2分の1は市町村に対する交付金という形にしようと思っていますが、これは長野県は多くの市町村、77の市町村を抱え、そして県内どこをとっても観光地と言っても過言ではない県ですので、そういう意味では市町村と県との協調型の税にしていきたいという思いで制度設計したところです。これまでも意見交換をしていますので、大きな方向感は合っているのではないかなと思いますが、こういう形で具体的な骨子をお示ししましたので、もちろん市町村の皆さまとも具体的に在り方をしっかり固めていきたいと思っていますが、私の思いとしては市町村と協力しながら観光振興を進められるような税制にしていきたいと、そういう思いで今回の骨子案を取りまとめています。

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5 伊那新校について

朝日新聞 高木 氏
 伊那市に建設予定の高校統合の関係です。伊那北高校と伊那弥生ケ丘高校の統合で伊那新校が計画されておりまして、このたび新しい校舎の建設案で建設が前倒しになるですとか、仮設校舎の位置等で変更がありました。ご所感を頂けますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。高校再編の話は教育委員会の方が中心に進めているので、私としてはあまり具体的なコメントは申し上げづらいですが、県民の皆さまとの対話でずっと県内市町村を回らせていただいた際に伊那の皆さまのテーマは教育でした。新しい伊那新校に対する期待というものが非常に強いことを感じていますし、まちづくりも含めてしっかり考えていきたいというのが伊那の皆さまの熱い思いだったと受け止めています。そういう中では具体的な在り方を考えるときに、校舎の建設のスケジュール等いろいろご意見、ご議論があったところですけれども、教育委員会において一定の方向性を出してもらえたものと受け止めています。引き続き地域の皆さまのご理解とご協力を頂きながら、いい形で新しい高校ができるように取り組んでいきたいと思っています。

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6 観光振興税(仮称)骨子について(2)

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 観光振興税のところですが、今回、令和8年4月導入を目指して広く周知しながらやっていくということですが、やはり観光客からしても宿泊税を取られるのだったらもっとこういう良い場所にしてほしいなという願いというのは当然あるかなと、期待感もあるかなと思うのですが、知事としてはこんな場所だったら訪れてみたい、多少税金を取られてでも訪れてみたいよという所、その辺りのポジティブに打ち出していく側面についてまずお伺いできたらと思います。

長野県知事 阿部守一
 きょうの提案説明の中では、若干、長野県の取り組みを否定するわけではないですけれど、マイナス要素を列挙して残念だという発言をしました。長野県は非常に優れた観光地をたくさん有している県ですけれども、しかしながら、そうした観光地を生かすための課題がいくつもあると思っています。私が一番感じているのはきょうの提案説明でも触れたように、まず交通です。例えば長野県は高速交通が非常に発達していますので、例えば新幹線で長野駅まで来たとしても、そこからレンタカーで行ける方はいいですが、そうでない人にとっては、かなり主要な観光地に行く際にもなかなか課題があるのではないかと思います。そういうことを考えると、今、片方で公共交通の計画を各圏域ごとに作るようにしていますけれども、県は観光でお越しいただく皆さまの足の確保というのは極めて交通の観点からも重要なテーマだと思っていますので、そうした部分はまずはしっかり対応していきたいと思っています。それから、やはり観光の分野でも、もっともっとお越しいただく方が便利さを感じていただく、こうしたことも必要だと思いますので、もっとデジタル化とかDXとか、こういうものも進めていくことによって不便さを感じることなく快適に観光していただける、そうした県にしていくことが大変重要だと思っています。今までは優れた観光地、優れた歴史遺産、そういう所に訪れるのに多少いろいろ課題があっても多くの皆さまにお越しいただいているわけですけれども、しかしながら、それに甘えていては私はいけないと思います。これからもっともっと世界各国からも、そして国内のお客さまにもどんどんリピーターとしてお越しいただきたいと思いますので、ご指摘の通り、そうした皆さまに、また来たくなるよね、そして来て良かったねと、そのように思っていただけるように、この財源を有効に活用していきたいと思っています。

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7 「一人ひとりに合った学び実践校(仮称)」について

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 もう1点、別件で教育の関係で教育委員会の所管かもしれませんが、「一人ひとりに合った学び実践校(仮称)」というところで要件が決まってきて、10月3日からは本格的に募集をしていくという話がきょうの教育委員会でありましたけれども、これはかなり日本の公教育を考える上でも本当に明治以来続いてきた一斉授業というものの方針を変えていくような、ある意味かなり転換点に立っているのかなとも思います。来年度からそういった実践校で取り組んでいくという流れにおいて、改めて知事の視点から見て、今の教育の進め方、在り方というところをコメントいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。まず県の教育委員会がかなり前向きにいろいろな取り組みを進めてもらっていることに感謝したいと思います。我が国の教育、今のお話にもあったように一斉画一授業ということが当たり前のように行われてきたわけですが、最近ではだいぶいろんな多様な動きが出てきていると思っています。特に本県の中では軽井沢風越学園とか、大日向小学校とか、どちらかというと私立の学校が先行していろいろな新しい試みをされ、そしてそういう所で子どもたちを学ばせたいということで移住されていらっしゃる方も増えているという現状です。いろんな方とお話しすると、やはり一つは長野県は教育県と言われてきた県です。学び・教育に対して問題意識を持たれている方が非常に多い県だと思います。そういう皆さまの思いも踏まえて、ぜひ教育委員会と一緒に新しい学びの形を長野県から作っていきたいと思っています。今お話のあった個別最適な学び、一人ひとりの子どもたちが持っている能力をしっかりと伸ばせるような教育を、ぜひ長野県からつくり上げていきたいと思います。教育内容については教育委員会の皆さまにしっかり取り組んでいただきたいと思いますが、一方で予算が掛かったり、先生の配置の在り方等を考えるときにも財源が必要になりますので、そうした部分は私も全面的に協力して取り組みを進めて、結果として信州から新しい学びの形が出来上がったなと、そしていろんなところに影響を与えることができたなと思えるように全力で取り組んでいきたいと思っています。

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8 人口問題への対応について(2)

長野朝日放送(abn) 松永 氏
 本日の提案説明の中で人口問題への対応のくだりの中で固定的な性別役割分担や年功序列などが若者や女性の生きづらさにつながっている現実を改めて認識されたと、これは意見交換を重ねてこられた中で感じてこられた部分だと思うのですけれど、きょう、民間の調査会社の1データではあるのですけれども、県内の274社を対象に調査した結果で女性管理職の割合が平均11.7%となりまして、これは長野県内では2013年以降の調査で初めて1割を超えたという数字ですけれども、この数字を今、知事がお聞きになって、どのように受け止められているかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 データを見ていないのでよく分からないですけれど、長野県の場合は、やはり性別役割分担意識が結構地域社会においても強固な部分があるというのを多くの皆さまとお話しする中では感じています。ただ、これは経営者の皆さまとお話ししても、かなり多くの皆さまが問題意識を持ってらっしゃって、やはりもっと女性あるいは外国人、いろいろな人たちに活躍してもらえるような職場にしていかなければいけないという思いを持たれている方が私はかなり多くなっているのではないかと思っています。そういう意味では女性管理職比率が増えているのは、そういう経営者の皆さまの感覚をある意味反映しているのではないかと思います。ただ私が今回ずっと若い世代とお話をしていて感じているのは、若い世代が見ている社会と、私はどっぷり昭和世代ですけれども、私のような60歳以上の世代が見ている社会と、だいぶ違うのだろうなと思います。そういう意味では、われわれの世代ももっと若者を応援しなければいけないということと、それから応援するだけではなくて、もっともっと若い皆さまの視点だとか考え方をぜひ具体化していく、若い人たちにしっかり中心になって取り組んでもらえるようなことも、これから考えていく必要があると思っています。きょうの提案説明の中でも、例えばユースセンターの設置の促進であったり、あるいは多様で柔軟な働き方の普及であったり、こうしたことにも言及しましたけれども、ぜひ人口戦略の中では、いろいろな人がその能力をしっかり発揮して活躍していただけるような職場環境づくり、こうしたことも経済界の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 松永 氏
 少し確認みたいなことになって恐縮ですが、数字が伸びてきているということと、知事がこれまでいろんな方と話し合いを続けてこられた中のその肌感覚的なものと、合うなというか、その実感みたいなものも知事の中にあったということでよろしいですかね。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。経営者の皆さまとお話しすると、例えば長野県の場合ものづくり産業のウエートが高いですが、ものづくり産業の経営者の方でも、やはり例えば女性の技術者をもっと採用できないかなとか、そういう問題意識をお持ちの方もいらっしゃいますので、そういう意味では徐々にですけれども、そういう固定的な役割分担意識を乗り越えていこうとされている企業や地域は増えてきていると思っています。

長野朝日放送(abn) 松永 氏
 最後に1点、ただ国の制度目標が結構高くて、2020年代に女性の管理職割合を30%というところもあって、まだまだこれから伸ばしていくための課題というのは改めていかがお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、まだまだいろいろな分野ではそうした役割分担意識は残っています。今回の人口戦略の中でも普通の行政が作るプランとしては異例だと思いますけれど、価値観の転換みたいなことを書いています。これは行政がこうしたいからこうしましょうということではなくて、県民会議をつくって一緒に議論していこうというテーマですので、やはり今まで、例えばジェンダーの問題も、この間保育士の方とお話しした時に、男の子は自動車ごっこ、女の子はおままごと、昔の発想はそういう話ですが保育士の皆さまに何かそういう問題提起をしたら、保育士の皆さまからは、まだそういう意識が残っている部分もあるけれどもだいぶ変わってきたと。特に印象に残ったのは保護者の方から指摘されて、そういうことは変えなければいけないですよねと気が付かされました、という方もいらっしゃいました。そういう意味では価値観の部分はだいぶ変わりつつある。たださっき言ったように世代によって多分見え方が違って、さっきの若い保護者の方に教えてもらって、そうなんだなと気付かされた方もいらっしゃいますので、そういう意味ではやっぱり世代間を通じて対話をもっともっとしていくということ、それから先ほどと重なりますけれど、若い人たちにもっともっと発言や行動してもらう、そういうことが重要かなと思います。

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9 観光振興税(仮称)骨子について(3)

信濃毎日新聞 河田 氏
 観光振興税についてお尋ねします。300円、あるいは免税点を3000円未満と設定したところの理由を伺いたいのですが、先行自治体ですと100円、200円という基準もあったり、免税点も少し対象を増やしたり、課税免除にする対象を増やしたりという自治体もあったりすると思うのですけれども、そういう意味では、少しボリュームが他県と比べて大きいとも言えるのかなと思うのですが、どういう理由、どういう設定でこの額になったかを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 一つ言えば、定率か定額の議論がありますけれども、やはり分かりやすく簡便なという点も踏まえて定額にしています。定額にしたときのどれぐらいの金額が適切かという部分は、一つは今回の骨子をお示しする際にも、別表ということで主な使途を付けていますけれども、これはまだこれからしっかり詰めなければいけませんけれども、やはりどういうことをやっていく必要があるのかというところから一定程度逆に割り出している部分と、それから他の先進自治体の税額、こうしたことも勘案しながら検討し、300円にしていこうというのが今の県の考え方です。これは多分100円、200円、300円、400円、500円、いろんな考え方があり得ると思いますけれども、今回の私の考え方は先ほど申したように、市町村とできるだけ調和のとれた形にしていきたいと考えています。そういうことを考えると、市町村と県とでそれぞれしっかり財源として活用できるような規模感が片方では必要ではないかと思っています。免税点についても今回3000円ということにしていますが、基本的に応益、長野県に宿泊される方に均一に税金をご負担いただくというような考え方でやっていますが、しかしながら、すごく宿泊代金が低い方にとっては過大な負担になってしまうのではないかという懸念もありますので、そういう意味では免税点は3000円という形で極力均一の課税をするという前提の中での免税点の設定をしている状況です。

信濃毎日新聞 河田 氏
 それと引き続き観光振興税についてですが、長野県としては初めて法定外目的税を創設するということで全く新しい負担を頂くという意味で、県民なり実際に徴収を担う宿泊業者なりというところの理解を、導入の令和8年4月までに、どのように説明して理解を得ていくかというスケジュールと併せて、どういう方針か教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず県民の皆さまに対する説明会は開催していきたいと思っています。まだ日程はこれから調整しますが、10月半ばぐらいに、今、箇所数はどうするか検討中ですが、県内複数の箇所で説明会を開催したいと思っています。また市町村の皆さまとはこれまでも意見交換していますので、そこはまた必要に応じてしっかり市町村の皆さまとは対話をしていきたいと思っていますし、特別徴収義務者となる宿泊関係の皆さまについては、県の方からも丁寧に説明をしていきたい。まず旅館ホテル組合会の役員の皆さまには丁寧に説明していきたいと思っていますし、その上で、もっとこういう形で説明してほしいというご要望等があれば、県も限られた人員ですので、なんでもかんでも対応できるということではありませんけれども、できるだけ丁寧に対応したいと思っています。

信濃毎日新聞 河田 氏
 もう1点だけ。現時点で独自課税を検討している5市町村の判断についてですが、当然市町村それぞれの判断になるとは思うのですが、徴収される側からすると300円の所があったり、独自課税の状況によってはその額が変わったりということがあれば、分かりづらさも出てきてしまうかなと思いますが、その点については5市町村と県とで、あまり口を出してもいけないと思うのですが、何か調整を図ったりとかということの機会は今後設けるようなことはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 市町村も独自の課税権を持っていますので、私としては基本的には市町村の判断を尊重していくことが重要だと思います。ただ、ご指摘があったように、とはいえ例えば同じ課税客体、宿泊行為に課税するということであれば、やはりその方々、あるいは特別徴収される方々には、ある意味市町村と県で連帯して説明を果たしていく責任が生じますので、そういう意味ではしっかり意思疎通を図っていくことが重要だと思います。先ほどから申し上げているように、市町村と県が対立するということではなく、できるだけ調和のとれた形で観光振興のための財源が確保できるように独自課税をされるというような市町村についても引き続き丁寧に対話をしていきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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