ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2024年度知事会見録一覧 > 知事会見2024年12月13日
ここから本文です。
更新日:2025年2月19日
長野県知事 阿部守一
それでは会見を始めたいと思います。11月定例県議会が先ほど閉会し、予算案・条例案等、提出議案をご議決いただきました。県議会で出されたご意見等も踏まえて、適正な執行に当たっていきたいと思っています。私からは冒頭4点申し上げたいと思います。
長野県知事 阿部守一
まず1点目ですけれども、北朝鮮人権侵害問題啓発週間についてです。私もブルーリボンを着けていますけれども、12月10日から16日まで北朝鮮人権侵害問題啓発週間ということで、私をはじめ各部局長、副知事も着用していますし、多くの皆さま、市町村の皆さまにも啓発の呼び掛けを行っています。北朝鮮当局による拉致問題は我が国だけではなく他の国でも被害者がいらっしゃるとも言われており、国際的な、重大な人権侵害事案だと考えています。こうしたことは決して許されることではないと思っています。長野県としても、資料をお配りしていると思いますが、「拉致問題を考える国民の集いin長野」を来年の2月1日、ホクト文化ホールにおいて、政府拉致問題対策本部と一緒に開催する予定にしています。北朝鮮による拉致被害者家族連絡会の代表で、横田めぐみさんの弟でいらっしゃる横田拓也さんのご講演、そして、塩尻市ご出身で特定失踪者として公表されている高野清文さんの妹の高野美幸さんもご出席されます。また、東御市立北御牧中学校2年生の塩入心寧さんの発表も予定されています。県民の皆さまにもこの機会に拉致問題について改めて認識していただき、ぜひ、この2月1日の行事にも多くの皆さまにご参加いただければありがたいと思いますので、よろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
続いて2点目ですが、来週の初め12月15日から17日まで、私、そして関係職員が台湾を訪問します。私としては6年ぶりの訪問ですが、今回の訪問は、主としては松本空港への国際チャーター便の誘致、そしてインバウンド誘客の促進がメインで、県産品の販路拡大、産業分野における研究機関との連携にも併せて取り組んできます。チャーター便の誘致については、台湾を代表する旅行会社ライオントラベル、そして、航空会社は中華航空、それからタイガーエアのトップともお会いし、松本空港へのチャーター便の就航を直接依頼したいと考えています。アルプスの絶景を生かした長野県ならではのツアーを旅行会社にご提案し、チャーター便就航に向けた取り組みのお願いをします。まず来年春にチャーター便の就航ができるように関係方面に強くお願いをしていきたいと思っています。またインバウンドについては、本県への外国人延べ宿泊者数の中では、国・地域別では台湾がトップです。台湾の皆さま、特に日本に何度も来られているリピーター層をぜひ取り込みたいと考えています。そういう観点で、春先、グリーンシーズンを中心とした本県の観光コンテンツを売り込む観光セミナー、商談会を開催します。長野県としてはアウトドアを中心にしっかりアピールしていきたいと思っています。また県産品の販路拡大に関しては、台中市にある裕毛屋スーパーマーケットにおいて、長野フェアを12月13日から15日まで開催していただくことになっています。23社90商品の県産品を販売していただくと伺っています。県内14の事業者の皆さまも今回台湾に行きますので、一緒に店頭のプロモーション活動も行いたいと考えています。また、併せて世界有数の研究機関である台湾工業技術研究院を訪問します。ドイツとはフラウンホーファー研究機構と覚書を結ばせていただいていますけれども、県の関係機関、あるいは県内企業との連携の可能性等も含めて意見交換を行いたいと考えています。短期間の訪台になりますけれども、ぜひ成果が上がるように取り組んできたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから3点目ですけれども、知事の南信州執務週間ということで、年末の最後の週はずっと南信州に私の拠点を移して仕事をしていきたいと考えています。県議会をはじめいろいろな機会に南信州地域は県庁から遠くて移動時間もかかって大変だというご意見、あるいは県庁が遠い存在である、知事としてできるだけお伺いしていますが、なかなか来てくれないといったようなご指摘、ご意見を頂いています。デジタルの時代になって、県庁に私がいなくても仕事ができるようになっていますので、そういう意味では、南信州地域の皆さまに県の存在を少しでも身近に感じていただきたい。そして私が県庁に約1週間いなくても、特段支障なく仕事ができることを実証するために、12月23日から27日、南信州執務週間ということで、南信州を拠点に仕事をします。詳細はプレスリリースの通りですけれども、本庁ともオンラインでつないで仕事をしたいと思いますし、また会議等も、必要があればオンラインで参加したいと思っています。また南信州地域の皆さまとの対話を行うことと併せて、リニア中央新幹線、あるいは三遠南信自動車道、いろんなインフラ整備が進められていますので、そうした現状も見てきたいと思っています。またメディアの皆さまにはいつも会見場でこうやって会見を開いていますけれども、仕事納めの最終日には、私は飯田合同庁舎にいますので、飯田合同庁舎と県庁の会見場を結んでオンラインでの知事会見を行いたいと思いますので、ご理解とご協力をお願いしたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
そして最後4点目ですけれども、信州F・POWERプロジェクトにおける県としての対応の振り返りについてです。このことについては、今定例会の一般質問においてご質問を頂戴し、その中で私からは、プロジェクトにおける県の対応、取り組みを振り返りつつ、今後の同様の取り組みに今回の経験を生かしていくことができるよう取り組んでいきたいとお話をしたところです。こうしたことも踏まえてプロジェクトに関する県としての振り返りを行っていきたいと考えています。長野県としては、いろいろな社会課題の解決のためにはさまざまな主体との共創が極めて重要だということでこれまでも取り組んできています。そうした考えはこれからも変わらないですけれども、信州F・POWERプロジェクトは、ある意味、共創の一形態でもありますが、事業が円滑に進まなかったことで、関係者の皆さまに多大なご迷惑をお掛けし、また県民の皆さまからは不信を持たれる事態に至ってしまいました。このことについては大きな反省点だと考えています。今後共創あるいは協働を一層進めてさまざまな課題に向き合って取り組んでいくためには、今回の取り組みをしっかり振り返りつつ、県としての課題を明らかにし、今後の県政にその教訓を生かしていくことが大変重要だと考えています。そうした観点から、外部の方にもご参画いただき、県としての関わりの観点からプロジェクトを振り返って、併せて共創・協働をこれから県として進めていく際の課題、在り方、取り組みの方向性、こうしたものを明らかにしていきたいと考えています。信州F・POWERプロジェクト自体については現在事業継続中ということもあり、プロジェクトに関する課題については、県としての関わり方、関与の在り方を中心に取りまとめていきたいと考えています。長野県として、共創・協働事業が、これからも多くの皆さまのご理解・ご協力を頂く中で進めていくことができるように取り組んでいきたいと考えています。私からは以上です。よろしくお願いします。
市民タイムス 萩原 氏
2点伺いますが、まずチャーター便誘致とインバウンド誘客について、今回台湾を選んだ理由と意気込みを改めてお願いします。
長野県知事 阿部守一
台湾については先ほど申し上げたようにインバウンドでお越しいただく方が非常に多い地域ですし、またチャーター便を誘致する可能性も比較的高い地域で、今回重点的にチャーター便の就航のための働き掛けと、それからインバウンド誘致を行っていきたいと考えています。先ほども6年ぶりとお話ししましたけれども、コロナ前は教育旅行誘致をはじめ、台湾の皆さまといろいろな交流があったわけですが、コロナで少し途絶えたところもありますので、そうした関係性をもう一回しっかり再構築することも含めて台湾を訪問して、成果が上がるように取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点、最後におっしゃった信州F・POWERプロジェクトの関係ですけれども、これは確認ですけれど、新たな何か会議体というか、会議のようなものを設けて継続的に振り返りをやっていくというイメージでよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
どういう体制で進めていくかについては今検討中ですが、一般質問でもご質問を頂き、私としてもこれから共創・協働事業を進めていく上では、今回のプロジェクトの県としての関わり方の側面から今後の教訓をしっかり導き出して、これからの県政に生かすことは大変重要だと思っていますので、県として自ら振り返るとともに、例えば共創の側面であったり、あるいは第三セクターと行政との関わり方等に造詣が深い方のご意見等も伺いながら取り組めるようにしていきたいと思っています。具体的な体制やどういう方にご協力いただくかについては、これから具体的に考えていきたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
今の関連で、実際振り返りに入るときには、新たな会議というか場が設けられ、われわれが取材にも行けるというようなイメージでいてよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
検討の中身次第ですが、内部的な検討とは違うので、会議の内容についてはしっかりお知らせしていくことが重要だと思います。ただ、先ほど申し上げたように、現在進行形で行われている事業に対するこれまでの県としての関わり方になりますので、すべてがオープンで行うのが望ましいかというと微妙な場面もあると思いますので、どういう内容を振り返ってどういう教訓を導き出すか、その内容に応じて公開の度合いの在り方を考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 須田 氏
今の信州F・POWERプロジェクトの続きでお伺いしたいのですが、先日の林務委員会でも、一部の委員さんから、第三者による検証委員会のようなものをつくって検証すべきという意見が出たのに対して、須藤部長からはそういうお考えは示されなかったわけですが、今回その第三者の検証委員会のようなものをつくるという意味でいいのか、それと部長の答弁と今の知事のご説明はだいぶ開きがありますけど、何が起きて方針が変わったのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
違っているわけではなく、林務部長の発言の中にも、今回の振り返りを一つのベースとして県民の皆さまとも共有し、県が行う民間との協働の事業に生かしたいという趣旨で答弁をしているかと思います。先ほどから申し上げていますように、依田議員の一般質問に対して私からも、今回のプロジェクトにおける県の対応、取り組みを振り返りつつ、今後の同様の取り組みに今回の経験を生かしていくことができるよう取り組んでいきたいと本会議でお答えしていますので、まさにその通り進めたいと思っています。
信濃毎日新聞 須田 氏
林務委員会の後に何か知事のお考えで対応を変えたということではないということですか。
長野県知事 阿部守一
林務委員会よりもっと早い段階です。林務委員会の部長の答弁は、聞いていて分かりづらかったところがあるかと思いますが、先ほど申し上げたように、私としてはこれから県全体の共創の教訓にしていくべく振り返りをしていきたいと思っていますので、そういう意味では、これは林務部ではなく総務部中心になると思いますが、林務部以外のところで対応をしていこうと思っていますので、そういう意味では、林務部長からはなかなか、今私がここで申し上げているような内容については答弁しづらいこともあり、先ほど申し上げた内容の答弁になっていると思っています。
信濃毎日新聞 須田 氏
とすると、この委員さんがおっしゃっていたような第三者による検証委員会のようなものをつくるという理解でいいんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほどから申し上げているように、まず検証という言葉は使っていないです。信州F・POWERプロジェクト自体はまだ継続している事業ですし、プロジェクト全体を議論するということは、民間事業者の皆さまの活動をある意味制約してしまう、あるいは、例えば変な予見を関係者に与えてしまうことになりかねませんので、あくまでも県としての対応の在り方、関わり方、ここについて振り返りを行いたいと思います。その中で県としてこれからいろんな企業とか団体との共創・協働の在り方、改善点を導き出していきたいと思っていますので、このプロジェクトをもちろんしっかり振り返りますが、このプロジェクトだけではなくて、その他の県が今行ってきているものや、行ってきたようなことについても参考になるものがあれば、振り返りを行って今後に生かしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 須田 氏
イメージとすると、第三者の委員会で林務部というと、大北森林組合の検証委員会を思い出しますが、そういうものというよりは、内部で知事の言う振り返りというものを行って必要に応じて外部の意見を聞くということなのか、それとも大北の時みたいな委員会を設置してやるのかというとどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今の話でいけばまさに前者です。大北森林組合の問題はまさに相手方事業者に犯罪行為があった案件でもありますし、県としての対応も必ずしも望ましい対応が行われなかったという案件でしたので、そういう意味では徹底的に検証するために委員会を立ち上げたわけですけれども、今回そうしたものとは全くケースが違いますので、まずは内部で対応を振り返りつつ、県としての取り組みの在り方を考え今後に生かしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 須田 氏
長いので最後にしますが、委員会の資料でも知事のお話の中でもプロジェクトに関する県の役割については果たしてきたというご説明を今まで頂いていました。ですが、特に、原木の安定供給に向けた関係者間の調整というものも、役割も果たしてきたという説明を今までも頂いてきているんですが、事業に関係する方の評価とはだいぶ乖離(かいり)があります。役割を果たしてきたとは思えないとか、サプライチェーンセンターは機能していない、そういうところからも県の反省点もあるのではないかと思いますが、知事のこの振り返りの目的には、そういう県として至らなかったところを探って今後に生かすという狙いがあると捉えていいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ご質問にありましたように、会見の場でも県としての役割の話をしていますが、世の中一般的には必ずしもそういう受け止めにはなっていないということが、まさにご質問の趣旨だと思いますけれども、そういう点も含めてしっかり振り返りたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 篠田 氏
話が変わりまして、リニアについてお聞かせください。県議会でも例えばプロジェクトチームを立ち上げるとか一部話が出ていましたけれども、きょう発表の中のリニアNAGANOサロンについて、まずは1回目が23日に開かれるということですけれども、これは今後も継続的に開くような協議体みたいなのをイメージしているのか、それとも今回1回限りなのか、その辺りをまずお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
リニアNAGANOサロンは継続してやることはイメージしていないです。今回私が南信州で執務する中で、やはりリニア中央新幹線、南信州地域においてはこれからの地域を変えていく大きな契機となり得るプロジェクトですので、そういう意味では多くの関係者の皆さまにご参加いただく中で、リニアにまつわるまちづくりについて一緒に考えていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 篠田 氏
このタイミングでの開催というのは何か意図があるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず一つは私が行くということ。それから、先ほどもお話ししたように、これから中間駅の周辺の在り方をどうするかというのは、地域再生計画の策定も視野に入れて検討していかなければなりませんので、南信州地域の皆さまのお考えとか取り組みの方向性とか、そういうものも逆に私がお伺いをする中で、一緒に取り組める基盤をつくっていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 篠田 氏
最後に今年は駅の開業というか、リニア開通自体も遅れが示されましたし、県内の工事も遅れ、住民説明会が続いていますけれども、開業まで空白の期間ができる中で、県としては今後どういうふうにまちづくりに関わっていったりとか、あるいはこの空白期間をどのように有効に活用したり、その辺り少しお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
リニアの開業時期が延びていまだにいつまでということが明示されていないことについては、残念であると同時に、JR東海に早く示していただきたいと強く願っていますが、その期間、リニアを生かしてどういう地域をつくっていくのか、まちをつくっていくのかを、地元の皆さんと一緒に考える必要があると思っています。もちろんまちづくりの主役は地域の皆さまですけれども、今回のいわゆる人口戦略の案の中でも書かれているように、県としても県土のグランドデザインをこれからしっかり作っていきたいと思います。その中で南信州地域における三遠南信道であったり、リニア中央新幹線であったり、こうした高速交通ネットワークが近々整備されることは非常に大きなインパクトがある取り組みですので、そういう意味では県としても地域の皆さまに寄り添いながらというか、地域の皆さまと一緒にまちづくり、地域づくりを進めていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 篠田 氏
まちづくりに関して、県として包括的なビジョンは何か今後どのタイミングで示したいとか、知事としてはどういうスケジュール感で今考えていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
これまでもリニアバレー構想を策定したり、地元の皆さまとはリニアバレー構想の具現化のための取り組みを行ってきました。伊那谷自治体会議と称して意見交換も進めてきたわけですが、政府も中間駅の周辺整備については、関心を持って関係府省等会議も設置してもらいましたので、これから国の協力もしっかりもらいながら、新しい形のまちづくり・地域づくりができるように取り組んでいきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
信州F・POWERプロジェクトの話に戻るんですが、振り返りをされるということで、具体的に何か文書や方針か何かでその共創の在り方みたいなものをまとめるものなのか、ちょっと何かイメージがつかなくて、庁内でその在り方を検証という言葉は使えないでしょうけれど、どういう在り方が良かったかを振り返るに当たって、会議で総花的に終わっては多分意味がないと思いますし、先ほど知事がおっしゃったように世の中一般的にそういう受け止めになっていない可能性もある中で、何かこう見える形で出るべきかなと思うのですけれど、その辺りはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
もちろん、何も世の中にお示ししないで終えてしまうことは考えていませんので、一つはこれから県政を進めていく上での教訓はこんなことだと、これからこういうことに意を用いて共創・協働を進めていかなければいけないと、そういったものについてはまとめることが必要だと思います。
中日新聞 清水 氏
こういった状況にはなりましたけれど、改めてその共創・協働の意義といいますか、知事はどう捉えていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
いろんな場面で申し上げてきているように、さまざまな社会課題が複雑化する中で、なかなか行政だけでできることにも限界があり、また企業とかさまざまな団体だけでできることも限られている中で、やはり共創・協働を進めていくことは非常に重要だと思っています。例えば、これまでは公共交通分野も各事業者が運賃収入で独立採算で頑張ってくださいというのが基本的な関係性でしたが、これからは社会的共通資本として、ある意味県と事業者が、あるいは市町村と、適切な役割分担の中で地域交通を維持していかなければならないと思います。ただそのときに、どういう関係性であるのが望ましいのか、あるいは県としてできること、できないことがありますので、そうしたことも明確にしながら、取り組んでいくことが必要だと思います。そうしたことを考えると、共創・協働のこれからの在り方をしっかり考えていくことが私としては今重要な局面だと思っています。
中日新聞 清水 氏
では話が変わって南信の執務週間のことですけれど、先ほどの説明の中でも知事がここの県庁にいなくても仕事ができると実証するためにというようなお話もありましたが、これはあくまでこの年末、まず限定的に行うものなのか、もしこの1週間の勤務がいわばすごく有意義なものになれば今後も継続的、定期的にやっていこうというお考えはあるのかとか、もしくは地域は別にやることも考えていらっしゃるのか、その辺りはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
まず1回やってみなければ分からないと思いますが、別に、1回やってもうそれきり今後全くやらないというつもりでは、もちろんないです。
中日新聞 清水 氏
先ほどおっしゃったように南信の方は特に県庁が遠い存在だという言葉をよく県議会なんかでも議員の皆さんがおっしゃる通り、それが1回ではなかなか溝は埋まらないかなと思うのですけれど、定期的にやられるようなお考えとかはどうですか。1回まずというところですか。
長野県知事 阿部守一
1回限りで終わらせなければならないとは決して思っていないのですが、まずは一度やってみた上で、私たちの仕事の上で課題があるのかないのか、あるいは地域の皆さんの受け止めがどうなのか、あるいは今回南信州ですけれども、他の地域の皆さんはどんな受け止めかとかも踏まえて考えたいと思います。
中日新聞 清水 氏
リニアと三遠南信などのインフラ整備の現状も見てみたいというようなお話もありましたが、具体的にやはりなかなかこういうところが見えてこないとか、もしくはどんなところを見てみたいなのか、かつ、見た上でどんな働き掛けを考えていらっしゃるとか、その辺りはいかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
リニア中央新幹線も三遠南信道路も南信州地域のみならず長野県の県土を構成する非常に重要な高速ネットワークだと思っています。そういう観点で、リニアについてはリニア駅を核としたまちづくりも含めて地域の皆さまの思い、課題を共有したいと思っていますし、三遠南信道路については、地域の皆さまと国土交通省をはじめ関係方面には1日も早い全線開通をと呼び掛けていますので、今の進捗状況、特に青崩峠トンネルが貫通してからまだ私は伺ったことがないので現場を見つつ今の現状把握をして、その上で関係方面に一層の事業推進をお願いしていきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
最後に確認ですが、こういったどこか地域に一定の期間、県庁を離れて執務するという試み自体は、阿部知事が知事になられてから初めてというか。
長野県知事 阿部守一
移動知事室という形ではやっていますが、長くて3日、4日。1週間というのは今回が初めてです。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
少し違う話題で、議会関連ですけれども、今回の議会で選択的夫婦別姓の導入を求める意見書も可決が県議会の方でされていますけれども、二つ案があったうち、より強い表現といいますか、制度を導入するよう強く要請するという形で意見書が可決されていますが、県議会としてもそういった表明になっていると思いますけれども、知事自身の選択的夫婦別姓に対する現状をどう見ていてどのように制度を考えているのかというのを、まずお聞かせいただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
選択的夫婦別姓制度については、全国知事会の代表者として各政党には議論の加速化をしてほしいということでお願いをしています。平成27年に最高裁判決が出ていますけれども、その際にはいくつか反対意見や意見が付されていまして、そもそも違法だという反対意見も、一部裁判官の意見としてはありますし、またそこまで反対意見ということではないけれども、選択的夫婦別姓制度については、やはり国会で論じられ判断されるべきだということが判決文の中にもうたわれています。現在の制度で支障を感じる方もいらっしゃる中で、議論が進められずにいる状況は何とか変えなければならないと考えていますので、国会においてはしっかりとした議論を進めていただきたいと思います。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
県議会としてもかなり強い表明なのかなと思ったのですが、なかなか国会で論じることではあるかなと思うのですが、知事自身としては、この制度を導入することに対してどう考えますか。
長野県知事 阿部守一
私は進めた方がいいと思いますが、ただ、さまざまな意見がありますし、また選択的夫婦別姓制度を設けることに伴い生じる課題等についても、しっかり議論した上で制度設計していくことが必要だと思います。そういう意味では私としては進めることが望ましいと思いますが、ただ、いろんな国民の声とか、関連するさまざまな制度とか、そうしたことをしっかりと検討していただいた上で、国会の場において方向付けをされることが望ましいと思っています。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
南信での執務に伴って23日の月曜日の県民会議の初回はオンラインという形になるのかと思うんですが、最初の会議なので直接参加されるのかとも思っていたのですが、その辺りオンラインでやるということについては、知事自身はどう受け止めてらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろんリアルで出た方が場の雰囲気も分かりやすいかというところもあり得ますが、その反面、例えば南信州地域の皆さんからすると、県庁が遠いことによって非常にいろんな不利益が生じているのではないかというご懸念もあるので、そういう意味で、あえてオンラインで参加して、私自身が支障と感じるところがどんな点にあるのか考えることも重要ではないかと思っています。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
今、参加者の方も徐々に増えてきているとは聞いていますけれども、県民会議としてもやはり北信とか中信というだけではなくて、南信も含めて広くということだと思うのですが、その辺りの県民会議の取り組み方というところ、知事はどのようにお考えですか。
長野県知事 阿部守一
市民会議であればいいのですけれど、まさに県民会議なので、広い長野県のどこに暮らす方でも可能な限りご参加いただける仕組みにしていかなければならないと思っています。そういう意味では、リアルな会場としては今回長野市にはなりますけれども、今後は工夫していかなければならないと思いますし、また、むしろリアルでなくても、全部バーチャルなオンラインにしてしまうとか、そういうことも含めて、これからの在り方を、県だけが決める会議ではないので奥歯に物が挟まった言い方になりますけれども、県民会議の参加者の皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
信濃毎日新聞 河田 氏
いくつかありまして、まず、知事の受け止め、見解をお伺いします。1点目が宮田村村長の辞意表明についてです。パワハラと公職選挙法違反の疑いが指摘されて辞意を表明されました。これについて知事の受け止めをお聞きしたいです。
長野県知事 阿部守一
辞意に至った経過とか報道されている範囲でしか知り得ていないので直接コメントしづらいですけれども、非常に村政、移住者の受け入れも含めていろいろな取り組みをされていらっしゃったので、どうしてこういう形になってしまったのかという思いです。また小田切さんと直接お会いする機会もあると思いますので、これまでの取り組みに私としてはお礼を申し上げなければならないと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
2点目が飯山市のサービス付き高齢者向け住宅で入居していた男性から8000万円を横領した疑いがあるということについて、これは受け止めとともに、調査、あるいは今後の処分も含めた対応を県が主体になると思いますので、対応方針も含めて今後どうしていくかというところをお伺いします。
長野県知事 阿部守一
県としては、サービス付き高齢者向け住宅、それから有料老人ホーム、両面の観点から対応していかなければならないと思っています。サービス付き高齢者向け住宅としての対応としては、今、詳細な情報の提出を求めたところですし、また有料老人ホームの観点からは、老人福祉法に基づく立ち入り検査を早期に行いたいと考えています。また一般的な預かり金については、入居者自身が行っていただくことが原則ですが、とはいえご本人、また家族もしくは身元引受人から金銭の管理について依頼があった場合には、施設において管理することも可能ですし、行われています。県としてはこうした依頼・承諾は書面で確認していただきたいと思っていますし、また金銭の具体的な管理方法は本人、または身元引受人等に定期的に報告を行うなど、入所者の預かり金についての管理規程等を定めてもらうようにお願いをしてきていますので、各施設においても、ぜひ預かり金についてさまざまな紛争・疑念が起きることのないように対応していっていただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
それと確認が2点ありまして、まず1点目ですが、先ほど夫婦別姓の制度について知事は見解を示されましたけれども、進めてほしいと個人的に思っているという、これは議論をという意味なんでしょうか、それとも夫婦別姓制度の制度化を進めてほしいという意味でおっしゃったんですか。
長野県知事 阿部守一
私は制度化を進めていくべき時期になってきているのではないかと思っています。家族の形態というのも非常に多様化してきていますし、例えば、昔は結婚したら一生添い遂げるみたいなことが強く社会的な要請としてあったような気がしますけれども、今は必ずしもそういう形態ばかりではありませんし、あるいは今、私たちは女性・若者にとって寛容性の高い社会づくりを目指そうとしている中で、だいぶ若い皆さまの価値観がこれまでとは変わってきている部分もあると強く感じています。そういう意味では、これまでこうだったからこれまで通りということだけではなく、多くの人たちの思いを受け止めながら、家族法制の在り方、同姓でなければならないのか、こういうことも含めてしっかり考えていく時期なのではないかと思いますし、私としては、そうした制度を導入していくことに対しては推進していく必要があるのではないかと思っています。ただ、先ほども申し上げているように、その制度だけで成り立っているわけでは必ずしもないので、そういう意味では関連する課題についてしっかり整理を行った上で対応していただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
最後にもう1点、確認ですが、信州F・POWERプロジェクトの件ですが、先ほど用語の使い方として検証ではなくて振り返りということを強調されていましたが、ここも県民からするとその二つの使い方がどう違うのかというのは、私は検証でもいいのかなとも感じたのですが、知事とすればどういう思いでこの言葉を使い分けていますか。
長野県知事 阿部守一
検証、振り返りということに対するこだわりというよりは、どちらかというと県としての県側の対応についての振り返りという趣旨で申し上げているので、プロジェクトの検証というとすごく誤解を与えると思って使っていません。というのは先ほどもお話ししたように、このプロジェクトは、例えば事業主体は県の第三セクターが行っているとか、あるいは県の地方公社が行っているという案件ではそもそもないわけですので、そういう意味ではプロジェクトそのものを、全体を、しかもまだ関係者の皆さまのご努力で継続されている。それに対して県として検証するような権限はそもそも基本的にはないと思っています。まさにそれ自体がさらなる誤解を生んでしまう可能性があるので、そういう意味で県としての関わり方の振り返りという形で申し上げたわけで、県の対応の在り方については、やはり改善すべき点とか反省点というのは、確かにあるのではないかと思っています。そうした部分を明確にした上でこれからの県政に教訓として役立てていきたいと考えています。
長野朝日放送(abn) 松永 氏
先ほどの議員会館廃止の申し入れについてですけれども、知事の言葉の中で、県としては、できるだけこの方向性を尊重していきたいというお言葉があったと思うのですが、議会が出した議員会館の廃止というこの結論自体については異論を挟む余地なく、この言葉が指すというところは執務機能の代替、これについての言葉だったのかどうか、それをまず確認させてください。
長野県知事 阿部守一
私のどの発言ですか。
長野朝日放送(abn) 松永 氏
県としてはできるだけこの方向性を尊重したいというお言葉がコメントの中で、受け止めの中であったと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
まず私が尊重したいと申し上げたのは全体です。執務機能について一つは県議会の皆さまの活動が停滞することがないようにという話をしつつ、実際、今、議員会館がどういう形で活用されているか私はつまびらかに承知をしていないので、そういうことも教えていただきながら対応していくという趣旨で発言をしたところです。
長野朝日放送(abn) 松永 氏
議会側としては、議員会館の廃止という一定の結論をきょう出された形にはなると思うのですが、今後の県庁周辺の整備計画も含めて県側が起こしていくアクションといいますか、動きはどういったものになるか、時期尚早かもしれませんが、考えをお聞かせいただければ。
長野県知事 阿部守一
先ほど方針を伺ったところですので、まず議員会館を廃止されるという方向性は私もしっかり受け止めて、その前提のもとに県庁周辺の整備の在り方を考えていきたいと思います。
どうもありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください