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更新日:2025年2月4日
長野県知事 阿部守一
それでは、本日の会見を始めます。私からは2点お話ししたいと思います。その前にきょうから11月定例県議会が始まりました。先ほど提案説明をしましたが、条例案、補正予算案を提出しています。議会の皆さまのご質問にもしっかり丁寧に対応した上で、各議案がご議決いただけるように取り組んでいきたいと思います。また、特に人口減少問題については県民会議準備会合を開いて、方向性が出てきたところですので、今後幅広い県民の皆さまのご理解とご協力を頂く中で、明るい長野県の未来をつくるべく全力で取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
そうした中でまず一つ目が、今の人口戦略に関連して、信州未来共創戦略(仮称)案の取りまとめと、未来の長野創造県民会議(仮称)の設立についてです。皆さまにも資料をお配りしていますが、一つは戦略案について県民の皆さまからご意見を頂戴したいと思っています。きょうから12月11日まで、県民の皆さまの思いを結集したものにしていきたいと思っていますので、ぜひ多くの皆さまにご意見を出していただければと思っています。もう一つは未来の長野創造県民会議(仮称)については、12月23日に設立をしたいと考えています。ぜひ、多くの皆さまにご参加いただければと考えています。戦略案については、先ほど申し上げたように、明るい未来のビジョンを実現するために、多くの皆さまと共に行動していくための羅針盤となるものと考えています。また県民会議については、まず戦略を決定して、そして具体的な対策を議論し、推進していく、アクションを多くの皆さまと一緒に起こしていきたいと思っています。具体的な活動をどうするかは、また会議の中で議論していただきますけれども、私としてはまず、戦略案にもあるように、人口減少の事実、あるいは課題を広く県民の皆さまと共有していきたいと思っていますし、また、これまでの価値観を転換していかなければいけないことがたくさんあると思います。どんな当たり前をどのように変えていくのかについても多くの皆さまと共に考えていきたいと思います。加えて、ありたい姿、あるいは2030年にこうなっていこうと、みんなで目指そうという旗を掲げていますので、それぞれの参加者の皆さまにも、その旗の実現に向けてどんなことができるのかを考えていただき、共創・協働して、共に実現していく場にしていければと思っています。ぜひ、多くの皆さまからご意見を頂くことを期待すると同時に、ぜひ多くの皆さまに県民会議にご参加いただければと思います。特に若い皆さんには積極的にご意見、ご参加をいただければありがたいと思っています。
それから2点目ですけれども、プレスリリースでお配りしているように、障がいのある方が創作されたアート作品をレンタルする仕組みをスタートさせます。ザワメキサポートセンター(長野県障がい者芸術文化活動支援センター)の皆さまにも大変ご尽力いただき、また健康福祉部にも頑張ってもらって、レンタルする仕組みを検討し、12月2日からスタートさせていきたいと思っています。障がいがある方のアート作品は、非常に独創的、あるいは個性的な作品も多く、知事室にもずっといろんな作品を飾らせていただいていますけれども、ぜひ多くの皆さまに、障がいがある方が創作されたアート作品に触れ合ってもらい、そこからいろんなインプレッションを頂くことも可能だと思いますし、また今回有償でレンタルする形になりますが、こうした方たちの活動をぜひ多くの県民の皆さまにはサポートしていただきたいと思っています。「ザワメキアートレンタル事業」ということでスタートしていきたいと思いますが、ザワメキサポートセンターに実施主体になっていただいて、毎年実施していますザワメキアート展の出品作家の作品の中から、作者の同意を得られた作品を貸し出すことにします。レンタルの対象は、まずはレプリカの作品にしたいと思っています。実物の方が望ましいという意見もあるのですが、レンタルを検討されている方の中からは、やはりお預かりした作品を傷つけるようなことがあると大変だというご意見もあるので、まずレプリカでレンタルするところからスタートしていきたいと思っています。レンタル料については1作品1カ月4000円ということで、最低3カ月からレンタルしていただきたいと思っています。かつ、できれば先ほど申し上げたように多くの方の目に触れるような場所に作品を飾っていただきたい、展示していただきたいと思っています。そのことが、障がいがある方の創作活動に対する喜び、あるいは自己実現へとつながるものと思っています。多くの皆さまにこうした作品と触れ合っていただくことを通じて、障がいがある方に対する理解の促進、そして経済的な部分での一助となることを目指して取り組んでいきます。12月2日からは、今3社で作品を展示していただく予定にしていますし、県庁の1階、それから10カ所の合同庁舎においても12月3日から展示する予定にしています。まず、このザワメキアートセンターの取り組みについては、中村さんからご説明をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
長野県社会福祉事業団 中村 氏
ザワメキサポートセンターを運営しています長野県社会福祉事業団の中村と申します。よろしくお願いします。当センターは、長野県から委託を受けて、障がいのある方の芸術文化活動の普及・支援に向けて、相談、人材育成、作品の展示等を推進しています。今こういった取り組みをするセンターは全国各地にありまして、長野県はザワメキサポートセンターが運営をしているという状況です。「ザワメキ」という言葉ですけれども、先ほど知事からもありました通り、平成28年度からやっていますザワメキアート展に由来していまして、タイトルを決める時に、先ほども作品が独創的だ、個性的だというような話もありましたけれども、作品を見てびっくりしたり、わくわくしたり、ゾクッとしたり、心がざわめくということでザワメキアートという名前を付けて展示会を開催しています。今回のレンタル事業は、ザワメキアート展に展示した作家さまが過去に100人以上いらっしゃいますが、その作家さまの中からレンタルにご同意を頂いた方にお願いして、レプリカを制作して、レンタルをさせていただく形でやらせていただいています。12月3日から障害者週間が始まりますが、そこに合わせて長野県庁でレンタルをしていただくこちらの作品ですが、安曇野市在住のカミジョウミカさんの「カラフルゴーストもりもりです」という作品になります。本当にカラフルでわくわくするようなざわめく作品かと思っています。この他にも、長野県の合同庁舎、10庁舎に、できる限り作家さまと支援者さまが一緒にレンタルしていただく作品をお届けにあがりたいと考えています。作家さまたちですが、どうしてもやはり作品を見ていただく機会が非常に少ないという言葉を頂いていまして、こういったレンタルを通じて、「見てもらえるのは楽しみだ」ですとか、「うれしい」、そんな話を聞いているところです。この他には、先ほど3つの企業という話がありましたけれども、レンタルの申し出を頂いた企業さまからは、過去の展示作品をホームページから見ていただきまして、お気に入りの作品を選んでいただいてレプリカを制作しました。長野県には「信州あいサポート運動」というものがあるのですが、今このアートを取り上げた企業さまだったり、ドラマ、いろんなことがあるのですが、意外と障がいのある方たちが施設やご自宅でどんなことをされていらっしゃるかを知らない方がすごく多いと思います。ですので、今回のレンタルが障がいのある方の経済的自立の一助になることも大切ですが、まずは知っていただいたり、障がいのある方の取り組みに興味を持っていただければと考えていますので、ぜひ報道していただけたらと思います。以上です。ありがとうございます。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。共生社会づくりにつながる重要な取り組みだと思っていますので、多くの企業や団体の皆さまにもぜひご理解いただき、一緒になってこうした素晴らしい作品を多くの人にご覧いただけるような機会をつくっていただければと思います。よろしくお願いします。私からは以上ですので、よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 福島 氏
障がいのある方のアート事業についてお伺いしたいのですけれども、経済的な自立の一助になることも期待したいというお話がありましたが、このレンタル料4000円のうち諸経費を控除してどのくらいが作家さまに還元されるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
最初のうちとその後と違っているので、障がい者支援課長からご説明します。
障がい者支援課長 藤木秀明
まず借りていただいて最初の3カ月間は25%を還元します。これはいろんなレプリカを作るお金だったりとか、お届けする運送費とか、額に入れる額装費とかそういったものが掛かりますので、最初の3カ月は25%を還元して、その後のレンタル料については100%作家さまに還元する仕組みになっています。以上です。
信濃毎日新聞 福島 氏
そうすると3カ月を超えてレンタルすると4000円全額が作家さまに入るということでしょうか。
障がい者支援課長 藤木秀明
そういうことになります。
長野県知事 阿部守一
ぜひ応援してください。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
県民会議の関連で伺えたらと思います。まず、きょうから戦略案に対する意見の募集ということですけれども、先日準備会合も開かれて知事も参加されましたが、その時の受け止めでしたり、今回県民会議の参加者を募集するに当たっての呼び掛けというのを、改めてまずお願いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
前回の準備会合では私もグループに分かれての議論に参加し、また、戦略名称案も、私も一員として投票しましたが、私が投票したものは決勝戦にも残らなかったというような状況でしたが、その後、県がお膳立てをしてというような会議体とは違う、私たちとしてはその方が望ましいと思ってやってきていますので、そういう形がだいぶしっかり出来上がってきているのではないかと思っています。ただ一方、私が参加したグループの皆さまとお話ししている中では、もう少し若い人たちに参加してもらっていった方がいいのではないかというご意見もありましたし、私もそう受け止めています。私もいろんな所で若い世代の皆さまと意見交換をしていますけれども、若い世代が感じていること、考えていることと、例えば私の世代以上の人たちが考えていること、感じていることというのは、どうしてもこれまでの体験の差とかがありますので、結構違うところがあります。そういうところをやはりお互いしっかり出し合って、どういう社会が望ましいのか考えていく必要がありますので、そういう意味では、若い人たちにぜひできるだけ積極的に参加してもらいたいと思います。来たるべき本会合に向けては、きょうこういう形で参加の呼び掛けをしていますが、いろんな皆さまにぜひご参加いただければと思いますが、特に若い世代の皆さまには積極的に参加いただけると、会議が本来の在り方、役割を発揮できるのではないかと思っています。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
若い方に参加してもらいたいということでしたが、今後の県民会議の運営といいますか、会議自体の意義付けというところで伺いたいのですけれども、なかなか多くの人に参加してもらうというのは、一方でどういう動きになるのかとか、どんな効果を持つのか、ともすれば非常に散漫になってしまう恐れもあり、何のための会議なのかということにもなりかねないのかと思うのですが、その辺りの会議の実行力というか、あるいは会議の効果、その辺りについては知事としてはどのようにお考えなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ご指摘いただいた点は私も懸念を少し持っています。持っているというのは、先ほど申し上げたように県がお膳立てするわけではないので、正直なところ、確実にこうやって展開させますと私がここでは申し上げられないので、そういう意味では、どういう形になっていくのかというのはまだ未知数のところも率直に言ってあります。ただ、私もこの間ずっといろんな人たち、特に若い世代の皆さまと意見交換をする中で、その発想が間違っていたんだろうと、実は思っていまして、その発想というのは今の私の発想です。要するにお膳立てしないとうまく進まないのではないかと、行政とか何か権限を持っている人たちとか、声が大きい人、力が大きい人たちが、こういうふうにやったらいいのではないかとやってきているので、逆に若い人や既存の組織に属さない人たちにとってはやりづらいところがあったのではないかと思っています。そういう意味では私の立場では、今ご指摘いただいたように、率直に言って何も心配していませんということではないです。ただ逆にそういうところを乗り越えていかないと、本当にいろんな人たちが自由に発言して行動していく形にはなっていかないと思っています。前回も県職員ではない方に会議をファシリテートしてもらいましたし、今後もできるだけいろんな県民の皆さまに参加していただき、主体的に運営していっていただきたいと思っています。ただそういう中で、前回の準備会合でも意見が出ていましたけれども、お膳立てするということではなく、参加された方が例えばこんなことをやっていこうということをこの指とまれ方式でみんなで集まってプロジェクトにしていくことが重要なご指摘だったと思いますので、会議の運営を、ただ単に集まって意見交換するだけではなくて、具体的なアクションにつながるような方向が生み出されるような会の在り方は、県も意識をして取り組んでいきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
そういう意味ではある程度未知のものではあるけれども、方向性としては正しいという確信を知事も持たれているということですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、今回はまず戦略は共有します。全く何もない中で集まるというわけではなく、未来共創戦略については、まず第1回目の会合で共有して、その実現に向けて取り組もうということは共通認識として持つわけですから、そこからどういうやり方とか、どういう形で進めていくかについては、やはり一定の自由度というか、斬新な形で取り組んでいくことによって逆に新しく生まれてくるものもあるのではないかと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
きょうの議案説明の関係でお伺いしますが、本県の海外戦略を抜本的に強化しますと表明されましたが、現時点で知事が思い描いている強化策と、抜本的強化ということですが、現時点の青写真の段階かもしれないですけれども、組織体制とかスケジュールとか、その辺含めて具体的にどのようなことをやっていくかというのをお伺いしたいです。
長野県知事 阿部守一
一つは組織の話がありましたけれども、今例えば海外との関係は企画振興部が取りまとめ窓口になり、かつ、輸出等であれば産業労働部であったり、営業局であったり、農政部であったりそれぞれ縦割りに対応していますし、インバウンドの誘致になれば今度は観光スポーツ部という形で、それぞれ個別に動いている部分が大きいです。ただ、資源を集中的に投入していかなければならない状況の中で、この部はここでやっているけれどこの部はこっちでやっているみたいな話ですと、なかなか継続的に成果を上げていくのは難しくなってきていると思っていますので、そういう意味ではまず、部局横断的にしっかり対応できるような庁内体制を考えていく必要があると思っています。そうしたことに加えて、人口戦略の説明の中でも申し上げているように、人口減少の中では海外の活力をどう取り込むかということは非常に重要になってきますので、そういう意味では、国や地域満遍なくということではなく、しっかり重点的に関係性を構築する所を全庁的に共有しながら、関係性を深めていくことも重要だと思っています。先ほどの提案説明で申し上げたように、例えばアメリカの西海岸は重点化していく重要な地域の候補だと思っています。そういう観点、取り組みの力点の置き方、それから組織の連携・協力の在り方、こうしたものも含めて海外戦略を強化していきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
今、部局横断的な対応体制ということでおっしゃいましたけれど、新年度から、ある程度組織改編も視野に検討していくという認識でよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
それは具体的な形はこれからの議論ですので、この場でこうだとは申し上げられないですけれども、少なくとも部局間の横断的な取り組みができるような体制、新しい組織をつくるかどうかということは別として、横断的に取り組めるような体制をしっかりつくっていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
もう一点、最後にアメリカ西海岸は重点的にとおっしゃいましたけれども、他にも重点的に今、知事の頭の中で描いていらっしゃる部分でどことかいうのがありましたら伺いたいです。
長野県知事 阿部守一
海外戦略をどうするかについてはこれからの議論ですので、まだ私の個人レベルの話という感じで申し上げれば、提案説明でもドイツの話に言及しましたが、先日、全国知事会とEU各国大使との懇談会があり私も参加しました。ヨーロッパの国々の皆さまは、今かなり日本に対する関心が高まっているのではないかと思っています。その背景には、やはりアメリカ、あるいは中国との関係性が非常に流動的な部分も世界情勢としてあるわけですので、安定的な関係性を構築するという観点から、日本に目を向けていただいている国が総体的に多くなっているのではないかと私としては受け止めています。私も各国大使といろいろお話をする中で、ヨーロッパと長野県は、実は結構親和性が高いと思っていまして、例えば、環境問題等に対しては非常に先進的な取り組みをされている国も多いです。また、私は締めの挨拶をしたのですけれど、その時にヨーロッパのアルプスと日本アルプスに言及をして、私たち長野県は非常にヨーロッパの皆さまに親近感を抱いていますと。実際、長野県の市町村は、スイスであったりオーストリアであったりそうした所と姉妹提携をしている市町村も多いです。この間もスピードスケートのワールドカップがありましたが、当然ヨーロッパ選手、オランダをはじめ多くの選手がいらっしゃっています。非常に長野県と環境的にも産業的にも近い国とこれまでも交流をしていますので、そういうものをもっともっと太くして、関係性をもっと強めていくということは一つ重要な視点だと思っています。
中日新聞 清水 氏
同じく議案説明の中であった宿泊税のことですけれど、以前議会の会派代表者との懇談会や議長・副議長の懇談会の場でも検討しなければならないというお話もありましたが、宿泊税という方向になったということなのでしょうけれど、今まで報道上、便宜上、宿泊税とずっと表現させていただいた中でも、県は観光振興税という名前を推していた印象があったのですが、改めて宿泊税と、名前をこの方向でいくとした意義を教えていただきたいことと、あと、早ければ11月定例会提出を目指すと当初ありましたが、2月定例会に遅れたということで、何か影響などはあるのでしょうかというところを伺いたいです。
長野県知事 阿部守一
まず名称ですが、まだ仮称ではありますが、提案説明で申し上げたように宿泊税(仮称)という形に変えようと思っています。というのは、意見交換をする中で、両方議論がありました。一つは宿泊税がいいのではないかというご意見と、それから観光振興税がいいのではないかというご意見と両面あったわけですけれども、県もこれまでは、どちらかというと税金の使い道の方で名称化しようと、ご指摘の通り本県の骨子では観光振興税という名称を使っていましたが、宿泊関係の皆さまから分かりづらいのではないかと、一つは他の県がみんな宿泊税と言っていて、同じ種類の同じ目的の税金なのに長野県だけ名前が違うのはいかがなものかといったご意見もありましたし、もう一つは、これは宿泊目的にかかわらず課税をしたいと思っていますが、長野県内に宿泊される方の中には、観光目的以外で宿泊される方もいらっしゃいます。そうした方へ特別徴収義務者となられる宿泊事業者がご説明されるときに、観光振興税という名称ですと「私は観光で来たんじゃない」と言われてしまうとトラブルの元になってしまうのではないかといったご意見がありましたので、そうしたことを勘案した上で、今回宿泊税という名前にする方向で取り組んでいきたいと、進めていきたいということを表明したところです。それからもう一点、2月定例会での条例案提出ということで進めていきたいと思いますが、これはまだ周知期間をどう取るかという議論まで至っていないのですが、基本的には大きな影響を及ぼすことなく対応できると思っています。県議会の皆さまからも、丁寧な説明をして真摯(しんし)にいろんな方の声に耳を傾けてほしいとご要請いただいています。先ほど申し上げたようにいくつかのご意見を頂いていますので、少し丁寧に関係の皆さまと意見交換した上で、2月議会に条例案を提出できるよう取り組んでいきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
では当初の予定通り2026年4月の導入を目指すという方向は変わらないということですか。
長野県知事 阿部守一
4月の導入を目指すとこれまでも言ってきていますが、導入時期は、制度化する時に改めて慎重に考えていきたいと思っています。ほぼその時期を目安に考えたいと思いますが、税の導入時期が観光シーズンに重なると、宿泊事業者の負担が重くなる可能性もあるかと思っています。日本の年度替わりで4月1日は、県の都合としてはいいのですが、春休みの真ん中という形になるので、そこがよいかどうかは少し検討する必要があると思っています。
中日新聞 清水 氏
時期は少し検討ではありますが、2026年に導入というのは今のところは。
長野県知事 阿部守一
そうですね。ですから何月何日とまでは申し上げないですけれど、おおむねその時期をめどに導入するよう進めていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
同じく宿泊税についてお尋ねします。名称の話が出ましたので、改めてですが、そもそも、県外で宿泊税という名前を使っている所がほぼ全てという状況は初めから把握されていたと思うのですが、最初に観光振興税という名前をまず仮称として出した、当初の理由というのは何だったのでしょう。
長野県知事 阿部守一
当初宿泊関係者の皆さまからは、どちらかというと目的に着目した名称の方がいいのではないかというご意見も頂いていましたので、そうしたことも勘案してそうした仮称を使っていましたが、今回改めてパブリックコメントをしたり、意見交換をする中で、先ほど申し上げたように両面のご意見はありましたが、全体として見るとやはり宿泊税の方がいいのではないかというご意見が強かったと受け止めていますので、宿泊税と整理しています。
信濃毎日新聞 河田 氏
今回見直しの中身として、免税点の引き上げと導入事業者の支援策を検討というところが挙がっていますけれど、いずれも見直しのポイントは意見交換で出た意見を踏まえてそれを反映させたということだと思いますが、これ以外の、例えば一番関心のある1泊定額300円という額について、2月の提出までに検討するであるとか、きょう提案説明があった以外の見直しのポイントというのはあるのかどうか教えてください。
長野県知事 阿部守一
きょうの提案説明では、名称の話と、合宿等についての話と、特別徴収義務者の負担軽減、加えて課税免除、免税点をどうするかというところに言及をしていますけれども、主な論点はこうしたところだと思っています。ご指摘いただいた税率の話は、私が参加した意見交換会では基本的には出ていなかったと思うのですが、パブリックコメント等で一部そうしたご意見も頂いていますので、全く視野に入れてないかといえばそんなことは当然ない、頂いたご意見はしっかり念頭に置いて対応を考えていきますが、私の感覚ではかなりご理解を頂けつつあるのかなと。ただ低価格の宿泊料金の方たちからは、宿泊される方には負担が大きいのではないかというご意見は出ていますので、そこを勘案して、免税点の引き上げについては検討するべき論点だということで、提示しています。ただ、県の立場からすると、やはり最終的にはどれぐらい税額を確保できるかも当然重要な視点ですので、例えば免税点はどうあるべきかを考えたときに、全く他のところが全然関係ないわけではなく、税率とか課税免除をどう仕組むかによって、負担感とか税収規模が変わってきますので、常に全体を意識しながら検討していきます。ただ、主な論点については、きょうお示ししたところかと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
今話にありました免税点の引き上げですけれども、やはり低額な宿などにとっては、非常に関心が集まるところかと思うのですけれど、宿泊代自体どこもかなり値上げで額がどんどん上がっていっているという状況においては、設定がとても難しいと思うのですが、3000円に設定した時もなかなか難しかったと思うのですが、これの引き上げの考え方ですとか、規模というか、大まかにこれぐらいのというのは今現状では案はありますか。
長野県知事 阿部守一
きょうは提案説明でご説明したので、それ以上何か具体的に考えていることがあればきょうご説明をしていますけれども、今の時点ではどうするかについてまで、県として確たる方向性を決めているわけではありません。
中日新聞 長尾 氏
発表外ですが、松本市のやまびこドームについてお伺いしたいです。今月から命名権の募集がもう一度始まっていると思いますけれども、やまびこドームの命名権の募集は2008年から始まって16年間一度も契約に至っていないということですけれども、これに対する知事の受け止めと要因をどのようにお考えかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
PRの仕方とか個別に引き受けていただけそうな方へのアプローチをしていかないと、同じことを繰り返してもなかなか難しいのではないのかとは率直に思いますので、どうしていくかは、ご指摘いただいたので私も状況を把握して考えていきたいと思います。どうもありがとうございます。
財産活用課長 柳澤祐史
やまびこドームの命名権につきましては平成20年から公募をしています。これまで価格を見直したり関係の機関に働き掛けを行うなど広報活動も行ってきて、いくつか今、問い合わせも来ている状況です。また引き続き、どういった形で販売というか、手を挙げていただけるかは工夫を重ねていきたいと思います。以上です。
信越放送(SBC) 小口 氏
きょう新聞で一部報道がありましたけれども、県内の義務教育の教員でしたり、高校の教員などで欠員が増えているということで、この状況を知事はどのように受け止めていらっしゃるかを、まずお願いします。
長野県知事 阿部守一
教育委員会も一生懸命努力をして、教員の確保、それから子どもたちの教育環境が、欠員が出ても大きな支障が生じないように対応していただいていますが、人口減少下では非常に構造的な課題、問題になってきていると受け止めています。提案説明でも申し上げましたけれども、教員になるなら長野県で教員になりたいという人たちをどんどん増やしていきたいと思いますし、不安定な雇用状況に置かれている方たちの在り方については、教育委員会と一緒に県も考えていきたいと思っています。特に市町村の皆さまと話をした時に、これは教員の話ではないですけれど、例えばだんだん保育士確保が難しくなっているという状況の中で、県と市町村で協議を進めて、その結果、会計年度任用職員として毎年雇用するのではなくて、任期付職員として雇用する保育士をもっと増やす必要があるのではないかといった方向も出していますので、教員の確保についても、どういう身分で任用することが望ましいのか、そうしたことも含めて教育委員会と一緒に考えていきたいと思います。
信越放送(SBC) 小口 氏
欠員の理由の中で病気療養などが多いのですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
教員の皆さまの働き方改革については、信州学び円卓会議でも大きなテーマだということで取り上げられていますし、私も問題意識を持っています。この場でも以前申し上げたと思いますけれども、今、学校の先生に何でもかんでも負担が覆いかぶさってしまっているという状況の中で、教員の皆さまの仕事面における負担の軽減も片方で考えていかないといけないと思います。それは教員以外の人たちがもっと学校に関わっていったり、あるいはそもそも学校で本当にやらなければいけないことなのかどうかをもう少し厳選して、学校の業務負担を減らしていく。例えば、学校の先生のアンケートを見るとよく言われるのは、いろんな通知とか調査がいっぱい来て大変だ、子どもたちに向き合う時間がなかなか取れないということもあるので、そういうことも検討する必要があると思いますし、授業時間数も、これは私があまり口出しする話ではないですが、本当に必要な時間数はどうなのかということも含めて、しっかり考える必要があるのではないかと思います。
信越放送(SBC) 小口 氏
欠員を補うための講師の登録も減っているということですが、これについての受け止めと今後どのような対策、今どのような対策をしているのかというところを最後にお願いします。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたのですが、要はあらゆる業種で人手が足りないので、処遇が他の職種に比べて悪かったり雇用が安定しない職場は、どんどん選ばれなくなるのは当然だと思いますので、そういう意味では、先ほど申し上げたような任用の在り方、教員としてどういう形で任用するか、どういう処遇にするのかということも含めて教育委員会と一緒に考えていきたいと思います。
日本放送協会(NHK) 杉本 氏
宿泊税のところで改めてですが、今回課税対象と免税点の再検討というところで、この辺りの見直していくやり方といいますか、先ほどいつまでにというところは少しはっきり言いづらいというのはありましたが、どういうやり方でこれを落とし込んでいくのかというところを改めてコメントを頂けますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、私の思いももとよりそうですが、やはり税金を頂くことは非常に重い作業だと思っています。そういう意味ではできるだけ多くの皆さまにご理解を頂き、協力していただけるようにしていくことが重要だと思いますし、この点県議会からも丁寧な対応をと、おっしゃっていただいていますので、これまで出されたご意見を踏まえて、先ほど申し上げたような方向性や論点については改めて整理していきたいと思っています。説明会をした時も一番ご参加いただいていたのは宿泊関係者でした。実際税の負担は宿泊される方ですが、特別徴収義務者として宿泊行為に影響が出たり自分たちの業務が過重になったりということで心配される方もいらっしゃいますので、まず県としては宿泊事業者の皆さまを中心にご理解を得られるようにしていきたいと思っています。加えてもちろん県議会で最終的にご判断いただく形になるので、県議会の皆さまにも今定例会も含めて丁寧にご説明をしてご意見を頂きたいと思っていますし、また市町村と県はお互い課税権を持っていますので、市町村の皆さまのご意見もよく伺った上で、最終的な案を取りまとめていきたいと思っています。
共同通信 滝野瀬 氏
きょうの発表外のことになるのですが、長野県内のガソリン代が比較的またずっと高い状況が続いているということで、これは構造的な問題なのかもしれないですが、この点に関する知事の受け止めというか、これからまた寒くなってくるのでガソリンも需要が高まってくるかと思うのですが、受け止めというのと、改めて対策等あればお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
ガソリンスタンドの皆さまとも一緒に、例えば軽油の配送等に負担が掛かっていることを軽減するような取り組みも進めてきましたけれども、なかなかそのレベルの対応では十分ガソリン価格が他の県に比べて下がるようにはなってきていないことは私もしっかり受け止めています。今、トリガー条項の話も含めてガソリン代の負担軽減のことも議論されていますけれども、全国一律で下げていただくことも必要なのかもしれないですが、県の立場からすれば、全国的な価格差についてもしっかり目を向けて対策・対応を考えてもらいたいと思っています。そうした問題意識を持ちながら、関係方面と一緒に取り組んでいきたいと思います。
共同通信 滝野瀬 氏
国への財政支援というのが念頭にあるということですか。
長野県知事 阿部守一
多額の税金でガソリン価格の引き下げをこれまでも行ってきているわけですが、そうした中でこの地域差の問題についてもしっかりと考えてもらう必要があると思っています。
共同通信 滝野瀬 氏
知事の率直なお考えとしては、県としてもやれることに限界があるというような、それは一つあるかと思うのですが、この辺りどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ガソリン価格そのものについて県としてできることには限界が正直あると思っています。全体的な流通の問題も含めて変えないとなかなか変わっていかない。また、ガソリンは行政がコントロールしている価格ではなく、もちろん税金がかなり乗ってる部分はありますけれども、流通・販売について行政がコントロールしているわけではありませんから、そういう意味では需要と供給であったり、あるいは事業者のコストであったり、こうしたことがどうしても価格に反映されざるを得ないと思っています。そういうことを考えれば、なかなか行政が直接価格面の変動を抑制するのは難しいところもあるのですが、とはいえ今、国においてはガソリン価格を抑制する取り組みをこれまでもやってきているわけですから、地域間の格差というものをもっと認識してもらうことが必要だと思っています。
どうもありがとうございました。
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