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更新日:2024年9月27日
長野県知事 阿部守一
それでは会見を始めたいと思います。項目が多いので少し簡潔な説明をしていきたいと思いますが、きょうは7点お話をしていきたいと思います。まず1点目ですけれども、パリオリンピックがいよいよ開幕ということで、既に競技によっては始まっていますけれども、長野県の関係の皆さまもオリンピックに出場するということで、ぜひ県民の皆さまと一緒に長野県関係の選手、そして日本選手、そしてすべてのアスリートをしっかり応援していきたいと思っています。資料でお配りしている方が長野県関係のゆかりの選手です。選手の皆さまにはぜひ日頃の成果を遺憾なく発揮していただき、悔いのないオリンピックにしてもらいたいと思いますし、ぜひ県民の皆さまには温かな声援を送っていただきたいと思っています。各選手の皆さまの活躍を心から願っています。
長野県知事 阿部守一
続きまして2点目ですけれども、アウトドアサウナの振興に関連して、以前(信州)サウナ同盟のサウナを振興しようという皆さまと(県政)ティーミーティングでお話をしました。その際に、県としての規制を緩和していく必要があるのではないかというご提案を頂き、健康福祉部を中心に検討してもらって、今回、構造設備基準の見直しを行うことにしました。資料にあるように、県内のいろんな所でサウナを楽しまれる方が増えてきていますし、特に長野県の豊かな自然の中でサウナを楽しむ方が増えている状況です。ぜひ観光振興、それからサウナ産業の振興、こうしたことにもつなげていきたいと思っています。見直しの内容は大きく二つあります。一つは公衆浴場の設置場所の配置及び衛生等の措置の基準に関する条例施行規則において外部から見通せない構造がすべてのケースにおいて必要とされていますが、水着等を着用する場合に目隠しは要らないだろうということで、ここは緩和します。それからお湯が出るシャワー設備が必要という基準になっていますけれども、お湯に限らず水が出るシャワーでもいいですよというかたちにします。アウトドアでサウナを楽しむというときに、やはりこの二つの規制が大きなハードルだというご指摘を頂いていましたので、これでだいぶ、いわゆるアウトドアサウナの普及振興に弾みをつけることができるのではないかと思っています。これについては本日付けで関連規則を改正して、基準の見直しを行ったところです。ぜひこの規制改革を各事業者の皆さまには有効に活用していただいて、サウナ振興、特にアウトドアサウナを広めていただくようにお願いしたいと思います。また一方で、市街地でイベント的に設置するアウトドアサウナ、規制は見直しをして緩和しますが、ぜひ近隣住民の皆さまへの配慮等を行って、多くの皆さまが快適に過ごせるようにしていただきたいと思っています。今後、長野県の観光振興の視点で、ぜひアウトドアサウナの振興の方向も打ち出していきたいと思っています。長野県はアウトドアサウナの聖地だと多くの方に思っていただけるように取り組んでいきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
続きまして3点目ですけれども、大糸線のプロモーションについてです。北陸新幹線の敦賀延伸を契機に、関西方面からの観光客の増加が期待されているところです。大糸線利用促進輸送強化期成同盟会におきましても、大糸線のプロモーションとして、この夏新たな事業に取り組まれることになっています。まず大糸線のプロモーションサイトとして「いとしの大糸線」を開設しました。沿線の魅力を映像等で伝えるとともに、イベント等の紹介を行っていきます。また謎解きイベントとして、「9つの物語」をあした26日から大糸線を舞台に開催します。さらには8月中旬からは大糸線沿線の自然資源、あるいは観光資源、こうしたものを活用した旅行プランを造成していきたいと考えていまして、現在準備を進めているところです。私も関西方面にプロモーションに行く予定がありますので、ぜひ関西方面へもしっかり長野県のPRをしていきたいと思いますし、特に北陸新幹線経由で入っていただくお客さま、大糸線経由で入っていただくお客さま、こうした方が増えるように県としても取り組んでいきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
続きまして4点目ですが、信州型フリースクール認証制度の第1期分の認証についてのお知らせです。4月22日から募集を行って、学び支援型17カ所、居場所支援型は6カ所、計23カ所を1期分として認証します。県としては信州型フリースクールへの人件費、あるいは支援の充実に必要な経費に対する運営経費の補助を行っていきますし、併せてフリースクール職員向けの研修、あるいは学校内外の支援者が交流する場づくり、その連携を促すサポート人材の配置、こうしたことに取り組んでいきたいと考えています。県、市町村の教育委員会とも連携しながら、順次実施していきたいと考えています。一方でフリースクールの運営費は県が直接支援をさせていただきますが、利用料が掛かります。そうしたご家庭の負担軽減については、ぜひ市町村の皆さまにご支援いただくように昨年度からお願いを重ねてきているところです。現在フリースクール利用者がいらっしゃる市町村のうち半数近くで支援策を実施、または検討中ということでありまして、引き続き市町村には格別のご理解とご協力を頂きたいと思っています。本年度は3期に分けて認証申請の受け付けを行っていく予定ですので、明日26日から2期の募集を開始します。学校の充実と併せて、学校以外の居場所としてのフリースクールの充実を県としても引き続きしっかり取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから5点目ですけれども、子宮頸がん予防のためのHPVワクチンの接種についてのお知らせです。特にキャッチアップ接種についてですが、お手元の資料にあるように、一時、副反応の懸念ということもあり、積極的な勧奨が控えられている時期が続いていました。令和4年から積極的な接種の勧奨が再開されているわけですけれども、これまで接種機会を逃された方がいらっしゃいます。平成9年度から19年度生まれの女性、17歳から27歳の方が該当しますが、この方が公費負担でキャッチアップ接種を受けられるのは来年の3月末までになっています。十分な効果を得るためには間隔を空けて3回の接種が必要とされていますので、完了するまで約6カ月かかってしまいます。そういう意味では公費で3回接種を受けるためには、今年の9月ごろまでには1回目の接種を受けていただくことが必要だということで、この段階で呼び掛けるものです。ご承知の通り、子宮頸がんは毎年約1万1000人の女性が罹患(りかん)して、約2900人の方がお亡くなりになられているという状況です。また若い方が発症する割合が比較的高く、20歳代から増え始めて、30歳代までにがん治療で子宮を失われる方も年間約1000人ほどいらっしゃいます。そういう意味では子宮頸がん対策をしっかり行うことが重要だと思っています。HPVの感染予防のワクチン接種と、それからぜひ子宮頸がん検診の双方をぜひ受けていただくことをご検討いただければと思っています。また、お手元の資料にあるように今年度はキャッチアップ接種の最終年度ですので、子宮頸がんの予防啓発活動を行っていらっしゃる「愛は子宮を救う実行委員会」と共催での啓発活動を行っていきたいと思っています。8月17日にはWebの講演会を行ってワクチンの有効性や検診の重要性、こうしたものをご講演いただく予定にしています。ぜひ接種対象となる方については積極的なワクチン接種の検討をお願いしたいと思いますし、メディアの皆さまにも一時期、積極的な接種勧奨を控えていたわけでありますし、救える命を救っていくというのはコロナの時からずっと申し上げている話ですので、ぜひ子宮頸がん検診、受診、それからワクチン接種をメディアの皆さまにも、ぜひ多くの皆さまにお伝えいただけるようにご協力いただければありがたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから6点目ですけれども、感染症の発生状況についてです。お手元に資料をお配りしているように、新型コロナの直近1週間の定点医療機関からの届け出数は定点当たり12.38人ということで4週連続で増加しています。また子どもを中心に夏に流行する手足口病については10週連続で増加ということで、直近1週間の届け出数は定点当たり17.04人ということで警報レベルの5人を超える状況が継続しているところです。新型コロナの対策として、ずっと手洗い、換気、場面に応じたマスク着用ということをお伝えしてきていますが、ぜひもう1回必要な場面における必要な対応を行っていただきたいと思いますし、また手足口病については手洗い、せきエチケット、そして家族内でのタオルの共有を避けるといったようなことも有効ですので、ぜひご検討いただければと思っています。これからお盆を控える時期ですし、夏休みでもあります。大人数で集まる機会もありますし、田舎のおじいちゃんおばあちゃんに子どもたちが会いに出掛ける時期でもあります。ぜひこうした新型コロナであったり、手足口病が流行期になっているということをご理解いただいた上で、適切な予防に努めていただきたいと思います。またコロナ等の感染を契機として脱水症状を起こす危険性もありますので、熱中症予防という観点も含めて、小まめな水分補給を心掛けていただければと思っています。
長野県知事 阿部守一
最後7点目ですが、県職員の採用、社会人経験者採用についてです。お手元の資料をご覧いただければと思いますが、全国的に、あるいはさまざまな分野で人材確保が重要なテーマです。なかなか採用しづらい状況になってきています。来年4月採用の社会人経験者を対象とした採用選考において、今回新たに地域枠採用の仕組みを導入していきます。どうしても県の場合は全県異動ということがあって、県と市町村を受験して両方受かると市町村に行ってしまうという傾向が最近あるわけですので、そういう意味では人材を確保していくという観点、それから地域に精通した職員を育てようという観点で、地域枠採用の仕組みを導入していきたいと思っています。ぜひ地域の発展に貢献したいという方については積極的にチャレンジしていただきたいと思っています。特に今回募集する地域は県内で比較的人口規模が少ない地域が中心になっています。南信地域、中信地域の一部ですので、地域と一体で仕事をしていただくとありがたいと思っています。また今回の社会人経験者採用におきましては、面接試験を東京においても実施しますので、受験機会を広げていきたいと思っています。7月19日から募集を開始していますので、多くの皆さまに応募いただきたいと思っています。
そうした中で、もう1枚紙をお配りしていますけれども、今回の社会人採用の募集と併せて、長野県の働き方をどんどん変えていきたいと思っていまして、そうしたものもPRしていきたいと思っています。そこにも書いてありますように、来年度からは選択的週休3日制の導入を行っていきたいと思っています。フレックスタイム制を導入することによって実現していこうというものです。また男性育休等の取得推奨、有給休暇の取得向上、テレワークの推進、こうしたものにも県として取り組んでいるわけですので、引き続き今働いている職員の執務環境の向上、モチベーションの向上という観点と、それからこうした取り組みをすることによって多くの職員を集めていきたいと、応募者を増やしていきたいという思いで、さらに徹底して取り組んでいきたいと考えています。
市民タイムス 萩原 氏
2点お伺いしたいことがあるのですが、まず大糸線の発表もありましたけれども、大糸線は冬も夏も魅力のある路線だと思うのですけれども、先ほど知事が関西の方に売り込みに行かれる、トップセールスに行かれるということでしたが、改めて大糸線の魅力のどういったことをアピールしたいかという部分と、魅力が高いのに利用者がやっぱり伸びていないという課題は以前から指摘されていると思うのですけれど、やはりその課題はどこに問題があって今後どうしていくか、その辺の展望があればお願いします。
長野県知事 阿部守一
一つやっぱり大糸線の魅力は雄大な北アルプスの麓をずっと走っていく、沿線には多くの観光地を抱えているということにあると思っています。課題はやっぱり大糸線全線の経営主体がJR西日本とJR東日本にまたがっているということで、この場で以前も私は申し上げたかもしれないですが、私も白馬から糸魚川への往復を乗ってこようと思ったら、ちょうど南小谷の接続時間が非常に悪くて白馬-糸魚川往復を断念して、南小谷まで車で行ってそこから往復したという経験もあります。そういう意味でダイヤ等には課題があると思っていますが、ただご承知の通り、今そうした課題をカバーするべくバス運行を行っていますので、ぜひこの機会に多くの皆さまにご利用いただけるようにアピールしていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点きょうの発表にはないのですけれども、あした松本空港ジェット化30年で記念セレモニーに知事も出席されますが、ジェット化30年の前に先日モンゴルとの国際チャーター(便)の発表がありましたけれども、4年8カ月ぶりに国際チャーター(便)が飛ぶことが決まって、そのことに対するジェット化30年と国際チャーター(便)再開に向けた知事の率直な思いと、空港の今後の展望をお願いします。
長野県知事 阿部守一
まずはジェット化30周年を迎えられるということは、空港周辺の住民の皆さまのご理解とご協力、そして松本市、塩尻市はじめ関係の自治体、経済界、多くの皆さまのお支えがあってのことだと思って大変感謝をしているところです。これまでも、そもそも就航便がなくなってしまうのではないかとか、あるいはコロナで利用客が激減するとかいろんな危機があったわけですけれども、そうした危機を乗り越えながら30年という大きな節目を迎えられることを大変うれしく、ありがたく思っています。今、空港利用者の皆さまも増えてきている状況ですし、やっと海外チャーター便の就航もできる環境になってきましたので、引き続き松本空港が長野県の空の玄関口として発展していくことができるように、多くの皆さま、関係者の皆さまのご理解を頂きながら着実に県としての取り組みを進めていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
入国審査施設がまもなく10月で完成予定なのですけれども、改めて繰り返しなってしまう部分があるのですけれども、国際便への期待というか、そこら辺をお願いできればと。
長野県知事 阿部守一
今回久方ぶり、4年8カ月ぶりに、モンゴルへの国際チャーター便の就航が予定されているわけです。非常に長い間、国際チャーター便の就航が困難な状況が続いていたわけですけれども、ぜひこれを契機に、まずは着実なチャーター便の就航拡大から取り組んでいきたいと思っていますし、その先にぜひ定期便化も見据えながらいろんな取り組みを行っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 竹端 氏
発表項目ではないのですけれども、今月28日に丸10年を迎える「信州 山の日」についてお伺いします。この10年、全国に先駆けて登山安全条例ですとか、山のグレーディング、自然保育の認定制度等を制定・導入されてきたかと思いますけれども、改めましてこの10年をどのように総括されるか、お伺いしてもよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
長野県といえばやはり山岳、山、そして多くの県外の皆さまからすると、やっぱり山といえば信州というイメージが非常に強い県だと思っています。そういう意味では山と共生しながら発展してきた長野県ですので、山の豊かさ、恵みに感謝をして、そうした思いをこれからも引き継いでいくということで「信州 山の日」を制定したわけです。今お話いただいたように、いろんな取り組みを行ってきました。登山安全条例の制定はやはり安全・安心な登山をしてもらおうという思いですし、また「信州やまほいく」は豊かな森の中で非認知能力も含めた子どもたちの能力を伸び伸び生かしていこうという思いです。また中央日本4県とも協働しながら山のグレーディングを行ってきました。これからもやっぱり長野県としての財産は山だと思っていますし、特に信州の山は長野県の山というだけではなくて、日本全体、あるいは世界から愛されている山岳ですので、そういう意味ではしっかりと守っていくことも重要だと思っています。これからも環境、自然の保全とそれから山岳の利活用、両面からの取り組みをしっかり進めていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 竹端 氏
重ねて2点をお伺いしたいのですけれども、一方で山に親しむという意味で、登山者で遭難件数が昨年過去最多を記録して、これはいい悪いではないのですけれども、少し軽装の方ですとか、外国人の登山者等も昨今目立つと伺っていますけれども、現状の安全面に関する課題ですとか、対策についてどのようにお考えになっているかというのが一つと、もう1点が「信州 山の日」というものが、どの程度県民ないし県外の方に浸透していると肌感覚としてお感じになっているか、その2点、お伺いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず前者については、今、多彩な方が山に登られるようになってきていますし、また日本の平均年齢が上がっていく中で、かつて山に親しんだ人たちが年齢を重ねる中で、熟年、高齢になって山に登り続ける方もいらっしゃいます。そういう意味では、まさに山のグレーディングもそうですし、県もいろんなかたちで安全登山の啓発をこれまでも行ってきていますけれども、やはりご自身の技量、あるいは体力、こうしたものに合わせた登山をこれからもしっかりお願いをしていかなければいけないと思っています。ここは特に多くの皆さまをお迎えをしている県としては特にしっかりやっていかなければいけない点だと思います。山の日については、「信州 山の日」の制定をした後に国民の祝日としての山の日ができました。そういう意味では「信州 山の日」単体としての認知度は国民の祝日の山の日の影響で少し陰に隠れている部分があるのかなと思いますが、逆に言えば国民の祝日としての山の日と「信州 山の日」がありますので、そういう意味では山の日ということの理解や認知というのは逆に広くなっている部分もあると思っています。引き続き県としては国民の祝日としての山の日も「信州 山の日」も両方重要な日ですので、ぜひさまざまなイベントや取り組み等を通じてしっかりPRを行っていきたいと思っています。
長野放送(NBS) 宮入 氏
発表事項とは関係なくて、クマの被害の対策の関係でお伺いします。目撃件数や人身被害も相次いでいるところかと思いますが、現状の受け止めと、今後の対策の在り方というか、方向性というか、警報の発令の有無も含めて今のお考えをお願いします。
長野県知事 阿部守一
一昨日、それから昨日と、大町市、飯田市においてツキノワグマによる人身被害が発生しているという状況です。こうした事態は県も重く受け止めていますし、被害に遭われた方には心からお見舞い申し上げたいと思います。今年度の県内のクマの里地への出没状況は6月までに累計470件ということで、昨年の1.2倍という状況です。また人身被害の発生状況も、昨日までに6件の発生が確認をされています。現在ご承知の通りツキノワグマ出没注意報を発出している状況でありまして、県民の皆さまに注意喚起をしているわけですが、ホームページにもクマの出没マップを掲載しています。どういう場所でクマが出没しているかということを地図上で分かりやすくお示ししていますので、ぜひこうしたものも参考にしていただければありがたいと思っています。また緊急点検をこれまで行ってきましたけれども、さらに必要な箇所等がないのかということも、しっかり検討していきたいと思っています。これまでも入山する際の注意ということで、人間の存在を知らせましょうということとか、あるいは持ち込んだ食べ物を放置せず持ち帰ってもらいたいといったような呼び掛けをしていますので、引き続きこうした呼び掛けで、多くの皆さまがクマが人を避けてもらう、あるいはクマを呼び込めないような対策をしていかなければいけないと考えていますし、また、今ツキノワグマ出没注意報が出ているということをぜひご認識いただいて、クマと遭遇しやすいような場所であったり、時間帯であったり、こうしたものはぜひ避けていただければありがたいと思っています。
長野放送(NBS) 宮入 氏
加えて、今後も続くようであれば、また警報の発令ということも視野に入ってくるのでしょうか。いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今の注意報は8月末までということにしていますので、今後の状況を見極めながら注意報の扱いをどうするかということについては考えていきたいと思っています。またツキノワグマ対策としては、在り方検討会を開いて対策の方向性のご議論を頂いてきているわけですけれども、新たなクマ対策として市町村へのゾーニング管理の導入の促進であったり、あるいはクマ対策員と専門家の皆さまのご助言を得ながらの防除対策の推進等にしっかり取り組んでいきたいと考えています。今後、出没状況がさらに悪化するような場合には注意報でなく警報というものも発出をすることも視野に入れて対応していきたいと考えています。
中日新聞 清水 氏
地域枠の採用の関係なのですが、人口規模が比較的小さい地域を選んだというお話がありましたが、この地域に限って、例えば今まで職員の方が異動して、単身赴任になってしまったりとか、そういった何かこの地域を選んだ課題というか、背景みたいなものが何かありましたら教えていただきたいです。
長野県知事 阿部守一
長野県内の地域ごとの人口分布は、松本・長野を中心にやはり都市部に偏っているわけですし、例えば10広域ごとに見たときには木曽地域は長野県の中でも特に非常に人口密度が小さい地域です。そうなると必然的に一般的な職員募集をしていますと、当該地域の出身者とか当該地域を生活の本拠とする職員が、やはりどうしても少ない現状があります。ただ行政はどこの地域でも現時点では均等な行政を行ってきていますので、そうすると生活の本拠とは違う場所で働く職員がどうしても増えてしまわざるを得ないと思っています。今働く人たちの感覚は、できるだけ働く場所と住む場所は近接してやってもらいたい。そのこと自体が温かな家庭を持ったり子どもを持ったりすることにもつながってくる話ですし、また先ほども申し上げたように、今、広域異動する県という職場が異動によってなかなか選ばれにくいという状況になっていますので、そういう意味では、こうしたそもそも当該地域に関わりがある職員が少ない地域を中心として、まず地域枠を導入してみようということで対応しようとするものです。
中日新聞 清水 氏
あと関連で、選択的週休3日制の導入予定というところなのですけれど、今まで私は聞いた覚えがなかったのですが、これについて例えば週休3日制を導入することによって、どういったライフスタイルの方に特に活用してもらいたいですとか、今こういう現状があって3日制があればこういうところに役立つであろうですとか、知事がお考えのそういう活用方法といいますか、その辺りをお願いします。
長野県知事 阿部守一
勤務時間の割り振りを変えていくことによって、土曜・日曜が今お休みになっていますけれども、もう1日休める日を増やそうということで考えています。今いろんな多様な働き方を長野県としても進めています。例えば育児や介護、そうしたことで仕事と家庭の両立をしようと思いながらも悩んでいる職員も多いと思いますし、また長野県は社会貢献職員応援制度ということで、県職員でありながら地域に貢献できる仕事、例えば農業であったり、地域の振興につながるような仕事に携わってもいいよという話をしています。そういう意味では県職員のライフスタイルの多様化というものに適合させていきたいと思いますし、またいろんな知見を持っている県職員がもっともっと活躍できるような環境ということにも資する制度だと思っています。
中日新聞 清水 氏
これはすべての職員が対象になるという解釈でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これから制度化をしっかりして導入していきますが、基本的には原則すべての職員ということで考えていきたいですが、ただ職場によってはなかなかこうした勤務形態を取りづらい所も実際にあるのかなと思いますので、そうしたところは配慮をしていかなければいけないのではないかと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
先ほどの(会見の)続きで県立大の新しい理事長について二つお伺いします。一つは現状についてなのですけれども、県立大開学の際に大学進学時の県外流出という課題をある程度歯止めをかけるということ、県内の他の大学との連携を進めることという二つの課題解消というのも大きなテーマにあったかと思うのですが、県立大学開学の10年でその二つの課題がどうなっているかという現状についての見解を伺いたいのが一つ。もう一つは新しい理事長には、やはり経済人が続くかたちになったのですけれども、安藤さんのように学外での活動も含めていろんな役割を期待するのか、経済人としてどういうことをしてもらいたいかという知事の期待を教えてください。
長野県知事 阿部守一
前者のデータについて(担当課から)紹介してもらってもいいですか。
県民の学び支援課長 丸山俊樹
前者の長野県立大学の入学者に占める県内出身の割合を紹介したいと思います。今年の春の入学者選抜結果の状況ですけれども、学部の計で入学者数に占める長野県内出身者の割合は51.8%ということで、対前年度でプラスの1. 8%になっています。入学者の半数を超える方が県内出身者が占めているということで、一定の役割を果たしているものと考えています。以上です。
長野県知事 阿部守一
就職の状況は(担当課の方で)どうでしょうか。では後段の話を先に私が答えて、少し調べておいてください。
経済人としての期待ということですけれども、先ほどの会見でも申し上げたように、安藤理事長には本当にイノベーション、グローバルという観点での長野県立大学の特色をかなりしっかり打ち出して実現していただけたと思っています。ITバレー構想に関連してのNICOLLAP(一般社団法人長野ITコラボレーションプラットフォーム)の集まりも毎月定期的に行われていますが、そこにもご参画を頂いて、学生のみならず多くの経済人の皆さまにも刺激を与え続けてきていただけていると思って大変感謝をしているところです。佐藤新理事長も先ほど(の会見で)申し上げたようなご経歴で、まさにグローバル企業でもありMBA(経営学修士)をアメリカの大学で取得されて海外での学業のご経験もあるということですので、こうした安藤さんのつくってきた県立大学の特色というものを引き継ぎながら、さらに発展をさせていってもらいたいと強く期待をしているところですし、必ずや、そうしたものを実現いただける方だと思っています。やはり今回安藤理事長がご退任の意向をお示しになられた時から後任の理事をどうするかということを、いろいろ安藤理事長、あるいは金田一学長ともご相談しながら検討してきましたけれども、やはり先ほど申し上げたように経済界ご出身の安藤理事長と、それから学者ご出身の金田一学長とのある意味適切な役割分担というか、各々の特性というか、強みを生かして県立大学をけん引してきていただいていますので、やはりそうした関係性を今後も維持していった方がいいのではないかということでありましたし、そうした中でやはりグローバル、それからイノベーション、こうしたものを実現できるような方ということで、いろいろな候補者を議論しましたけれども、最終的に佐藤理事長が最適任ではないかということでお引き受けいただいたところです。ぜひグローバル、イノベーション、そして今回佐藤理事長は先ほどもお話があったようにテルモの社長もされていましたので、まさにものづくり産業でもあります。長野県ものづくり産業は非常にウエートが高い県ですので、ぜひこうしたご経歴、ご経験をフルに生かしていただいて長野県立大学のさらなる発展にご貢献いただきたいと思いますし、私としてはできれば安藤理事長と同じように地域の産業振興、あるいはアントレプレナーシップの推進、こうしたものにもお力を頂きたいと思っています。
県民の学び支援課長 丸山俊樹
県立大学の卒業生の就職状況です。今年の春の卒業生ですけれども、卒業生のうち長野県内の企業に就職された方は45.9%です。学部によって少し数字に違いがありますけれども、例えば食健康学科だと50%、こども学科ですと53.8%ということで、過半数を超えているものもあります。今年春の卒業生で3期目ということなのですけれども、過去3期、期ごとに数字の違いがありますけれども、おおむね50%近くの方が県内に就職されている状況です。
長野県知事 阿部守一
そういう中でまず一つは県立大学についてはいろんな機関との連携については相当進めてきていただいたと思っています。ソーシャルイノベーションを進めようということで、いろんな地域の活性化等にも県立大学としてコミットしていただいてきていますし、WE-Naganoグローバルカンファレンスということで女性起業家の方を集めた会議を開催していただきました。そういう意味ではWE-Naganoグローバルカンファレンスは今後、県も一緒になって広げていきたいと思っています。先ほど(の会見で)安藤理事長のお話にもあったように、コロナ禍が途中、県立大学には影響を及ぼしてしまいました。1年生全寮制、それから海外体験を全員させるといったようなことは、コロナ禍ではなかなか難しかったので、そういう意味ではコロナ禍は率直に言って足踏みした時期であったと思いますが、再びもう一度開学の理念に基づいた取り組みが始まっていますので、佐藤新理事長にはぜひそこをしっかり発展させていっていただきたいと思っています。また、学生の県内就職が多くなった方がいいと私も思うところはありますが、ただ学生の進路を学生の側に制約をかけるというのは本末転倒でありまして、むしろ学生時代から県内産業とか、県内企業とか、あるいは長野県のさまざまな地域とか、そういうところに関わっていただく機会を増やすことによって結果的に県内に多く定着してもらえるように取り組んでいきたいと思っています。
ありがとうございました。
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