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更新日:2024年5月29日
長野県知事 阿部守一
それでは本日の会見を始めたいと思います。きょうは私から3点お話を申し上げたいと思います。まずは1点目ですけれども、資料をお配りしているかと思いますが、火山対策総合アドバイザーを土井恵治さまに委嘱しました。4月1日付けで火山対策総合アドバイザーということで、きょうご本人にもお越しいただいていますので、またご本人から少しコメントいただければと思っていますけれども、1986年に気象庁に入られ、その後退官されるまで、地震火山部の管理課長、地震火山部長、気象研究所長等を歴任されていらっしゃいます。火山防災についてもさまざまな具体的な火山噴火災害に対応されてこられた経験をお持ちですので、まさに活火山を多く抱えている長野県の対策推進にアドバイスを頂くのに適切な方だと考えていますし、また多くの火山研究者の皆さまとも専門的な見地から意見交換していただくことを期待しているところです。御嶽山噴火災害以降、火山防災の専門家の育成確保、これは国全体における重要な課題になっていたわけですけれども、やはり本県としても火山対策は非常に専門性が高い分野ですので、今回この火山対策総合アドバイザーを設置することによって、県としての火山防災体制の強化を図っていきたいと考えています。ぜひ土井さんにおかれましては、これまでのご経験をしっかり生かしていただいた上で、長野県の火山防災対策の強化、そして暮らす皆さまの安心安全の向上につながるようにお取り組みいただければありがたいと考えています。それでは土井さんからコメントを頂ければと思いますので、よろしくお願いします。
火山対策総合アドバイザー 土井恵治 氏
阿部知事、ありがとうございました。ただいまご紹介いただきました火山対策総合アドバイザーを拝命しました土井恵治と申します。よろしくお願いします。長野県におかれましては、御嶽山噴火以降、非常に火山災害対策、火山防災対策に熱心に取り組んできていらっしゃったと理解しております。そのような中、御嶽山の噴火10年の節目の年に、その対策をさらに強化するということで、火山対策総合アドバイザーというポジションをおつくりになると聞いていましたが、その中でご縁がありまして、そのポジションに就かせていただいたことに対して、非常に緊張感を持ってはいますけれども、ありがたいと感じています。ともすると火山の挙動といいますか、火山活動の見通し、動き、評価、こういったものについては先ほど阿部知事からもお話がありましたけど、非常に専門性が高い内容になっています。火山の研究を進めている学識者の方々にいろいろお話を聞いて活動の見立てをするのですけれども、そういった見立ての評価結果といいますか、アウトプットが必ずしも県庁の皆さま、あるいは地元の火山の周辺にお住まいの皆さまに分かりやすく伝わっているかというと、そこも多少難があるところがあるのでないかと考えています。アドバイザーというポジション、名前ではございますけれども、そういった火山の専門の立場の方々と、行政、あるいは地元の皆さんとの橋渡し、間をつなぐ、専門家がお話になる言葉を噛み砕いて、分かりやすく、関係する方々、地元の方々に伝えることが一つの大きな役割ではないかと私自身考えています。もちろんさまざまな火山防災対策を進めていく中で、例えばハードウェアの整備、避難場所だとか、あるいは避難路の整備だとか、あるいは情報の伝達、あるいは情報伝達する中身のソフト対策、それから避難に関わる計画、あるいはその避難訓練といった行動、さまざまな局面で行政の方あるいは地元の火山防災協議会の皆さまがおやりになるいろんなアクションに対しての助言ということも、私に与えられた役割ではないかと考えています。さまざまな面で、長野県の火山防災に対して力添えができるよう努めてまいりたいと思いますので、メディアの皆さんにも私たちの、県の行動をしっかり伝えていただけるようにお願いします。
市民タイムス 萩原 氏
木曽の方を管轄している者です。長野県は御嶽山噴火以降やっぱり住民の意識が高まってきていると思うのですけれども、一方で時が経つにつれて災害の風化という問題も出てくるかと思うのですけれども、御嶽山もそうですし、御嶽山に限らず火山が多いですから、住民の方々に専門家の立場からメッセージをお願いします。
火山対策総合アドバイザー 土井恵治 氏
自然災害というのは、いつどこでどのようなかたちで、どのような規模で起こるかということを、あらかじめ見通すということはすごく難しいと思います。特に火山というのは、火山の中身がどうなっているのか、火山の地下の様子がどうなっているのかは分かりづらいものがあるのでなおのことなのですけれども、逆に火山があるからこそ風光明媚(めいび)な地形や景色がつくられる、あるいは温泉が湧く、そういった恵みの部分があります。日頃、防災防災と言って、危ない場所、危ない所というような、危険なメッセージ、リスクのメッセージを発するだけではなくて、特に火山はほとんどの期間が非常に静かに活動することが多くて、むしろ火山を楽しむ、あるいは火山の観光でなりわいを進めていくというようなことで、県民全体が潤っていくというようなことの効果の方が大きいのではないかと思いますので、そのような中で、やっぱり日常的に楽しむ中で、それぞれの火山についてどういうリスクがあるのかということを時々思い出すということが、火山と共生していく一番の大事な要素ではないかと思います。何か事件があると意識がすごく高まる。今ご質問にあった通り、それがずっと長続きするかどうかということに対しては、やっぱりいろいろな事例を見ていても、そういうことではないことの方が多いように思います。長続きさせようと思うと普段の生活の中にいかに溶け込ませていくのか、普段の楽しみの中に、どうやってそのリスクと共存するということを溶け込ませていくのかということが大事ではないかと思っています。そういったその豊かさ、恵みと、そのリスクとのバランスをうまく取っていくことが大事かと思っています。なので、そういったことを県民の皆さん、あるいは長野県を訪れてくださる観光客の皆さんにも理解してもらうようにするのが大事ではないかと考えています。
長野県知事 阿部守一
それでは続けたいと思います。2点目ですけれども、諏訪湖サイクリングロード全線開通というお知らせです。部局長会議の資料でお配りしているかと思いますけれども、平成30年度から岡谷市、諏訪市、下諏訪町と長野県で連携して諏訪湖一周のサイクリングロードの整備を進めてきました。ジョギングロードも併設されて、長野県のシンボルともいえる諏訪湖の周りをジョギングでも自転車でも1周することが可能となりました。ぜひ多くの皆さまに諏訪湖を訪れていただいて、観光、サイクリングを楽しんでいただければと思っています。先日、諏訪湖環境研究センターが発足したわけですけれども、泳ぎたくなる諏訪湖、シジミがとれる諏訪湖、こうした自然環境の保全を片方でしっかり行いながら、多くの人たちから愛され親しまれる諏訪湖になるように、引き続き沿線・周辺の市町村、それから関係の皆さまと協力をしながら、取り組んでいきたいと思っています。あした開通記念式典、それから記念イベントがあります。私も式典には参加する予定にしていますし、さまざまなイベント等も行われる予定になっています。ぜひ多くの皆さまにお越しいただき、新しい諏訪湖のかたちを楽しんでいただければと思っています。また諏訪湖周辺(の一部)は「河川空間のオープン化」(の区域)の県内第1号として指定していますので、諏訪湖の周辺を地域の活性化、観光の振興、こうしたものにぜひ有効に活用していっていただきたいと思っています。ぜひこのサイクリングロードの完成を契機に、より多くの人たちが集う、そうした諏訪湖になるように県として取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから最後3点目ですけれども、犯罪被害者等見舞金給付制度における同性パートナーの取り扱いについてです。これは念の為のお知らせですけれども、3月26日に最高裁判所において、国の犯罪被害者等給付金の給付対象者に同性(パートナー)の方も該当し得るという判断がなされました。本県では犯罪被害者等支援条例を令和4年に施行して、その中で犯罪被害に遭われた方への重傷病見舞金、そしてご遺族の方への遺族見舞金の給付をすることにしています。この遺族見舞金の取り扱いについては、本県が昨年制定した長野県パートナーシップ届出制度に対応して、同性パートナーの方も給付対象にしているところです。従って今回の最高裁判所の判断で変わらない(判断による影響はない)、従前からそういう取り扱いをしているところですけれども、必ずしも十分周知されていないところもあろうかと思いますので、改めてお伝えするところですし、関係機関と連携してこうした点を周知していきたいと考えています。パートナーシップ届出制度を制定してから約1年です。性的マイノリティの方々がその人らしい人生を送っていただくことができるように、引き続きこうした制度の周知・普及に努めていきたいと考えています。私からは以上です。よろしくお願いします。
信越放送(SBC) 湯本 氏
2点あります。1点目が国民スポーツ大会に関して、各県の知事から見直しとか廃止といった議論が出ていますけれども、長野県も4年後に計画していますけれども、阿部知事の考えを伺いたいと思います。
長野県知事 阿部守一
国民スポーツ大会ですけれども、長野県は4年後に開催を控えている状況です。今まさに準備をしっかり行って、大会が成功するように取り組んでいるところですが、しかしながら一方で、例えば長野県も少子化・人口減少対策戦略を策定していこうとしていますけれども、少子化・人口減少対策戦略は、やはり価値観の転換とかこれまでの社会システムの転換とか、これまでの当たり前を変えていく、こうした視点が重要だと思っています。もとより国民体育大会は長野県においてもかつて開催して、非常にそうした中から各地域でスポーツ文化が根付いたところもあるわけでありまして、一定の役割はあると思っています。ただこれからも同じようなかたちで続けるべきなのかを考えたときには、少なくとも3巡目に入っていく局面ですので、ゼロベースで在り方を根本から考えることが必要ではないかと思っています。日本スポーツ協会でも見直しを始めているところです。村井会長をはじめ各県の知事もいろいろ発言をされているわけですけれども、今知事会においては文教スポーツ常任委員会は愛知県の大村知事が委員長をされていますけれども、そこで各県の意見照会をされているところです。国民運動本部長の私としては行政のスリム化ということが村井会長から与えられた使命でありまして、国民スポーツ大会の在り方ということも、われわれ国民運動本部として取り組むテーマにもなっていますので、そういう意味では文教スポーツ常任委員会とも連携して全国知事会としての考え方を整理した上で改革を促していきたいと考えています。
信越放送(SBC) 湯本 氏
それからもう一点、リニア新幹線に関して、おとといJR(東海)の丹羽社長が、既に着手している工事に関しても工期の延長もあり得ると会見の中で触れているのですけれども、その点について何か意見があれば伺いたいと思います。
長野県知事 阿部守一
リニアの着手工事の延期もあり得る(と会見で触れたことについては)、どういう発言を社長がされているか正確な情報が今手元にないですが、来週直接お話をする予定にしています。そういう意味で、私としては開業時期が大幅に延期されることになっている問題、あるいは県内工事がそれとの関連、あるいはそれ以外の状況からどういう進捗になるものかということについては直接お話を伺わなければいけないと思っています。間接的に伺っているだけでは何とも申し上げられないわけですけれども、やはり開業時期が延びる、あるいは工期が延長されるということになると、これはやはり地域にとっては非常に大きな影響が出てきます。例えば企業誘致やまちづくりを進めるときに、2027年を目標にしてやるのと、今の段階ではまだいつ開業するか分かりませんので、そういう意味では非常に県としてはさまざまな課題があると思っていますし、また県内の工事については地域の皆さまがこれまでいろいろと受忍をしながら、我慢をしながらご協力いただいている部分もありますので、そうしたことを考えると、やはりこれからJR東海がこの工事全体にどう向き合っていくのか、どういうスケジュール感でどう対応されるのかということについては極めて重要な課題だと思いますので、そういう意味ではこうした点についてもJR東海の考え方を私も直接お伺いをしていきたいと思っています。
信越放送(SBC) 湯本 氏
国民スポーツ大会はゼロベースでということがあったのですけれども、例えば国からの支援を求める知事もいますけれども、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず各県の意見集約をしているところですけれども、かなり共通している意見の一つは多分開催県の財政負担が大きいことが大きな論点ではないかと思います。財政負担が大きいということは、一つは大会の在り方とか規模とかどうするかという議論につながり得ると思いますし、その一方でほとんどの開催経費を地元の都道府県が負担している。この在り方も国民スポーツ大会の在り方としてどうなのかということも私は大きな論点ではないかなと思っています。現在県内の施設整備(について)、国に対しても交付金等の確保・充実をこれまでも長野県はお願いをしてきているわけですけれども、まずこうした財政的な部分の在り方についても、今後国全体でしっかり検討していくべき大きなテーマだと思っています。
朝日新聞 高木 氏
2点伺います。1点目は先ほどお話のありましたリニア中央新幹線の関連で、月曜日にJR東海の社長と会談をされますけれども、この中で長野県駅の停車本数についても話があるかと思います。改めてその停車本数に対してのお考えをお聞かせ願えますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
社長との対話をする中でどういう話をするかまだ決めていないので、今の段階で何とも申し上げられないのですけれども、これまで1時間に1本停車ということを長野県、あるいは県の協議会としては求めてきたところです。そうしたことを踏まえつつ、いろいろ状況の変化もありますので、どういうかたちでお願いするのか、言及するのかということは直接会談するまでに考えていきたいと思っています。
朝日新聞 高木 氏
もう一点、本日天竜川水系の関係で、河川整備計画の変更の原案が国土交通省の会議で示されたと伺っています。天竜川水系には戸草ダムという建設が現状止まっているダムもありますけれども、洪水の調整機能の増強という面で新設ダムについても調査・検討するといった内容だったと伺っています。改めてそのダムの在り方、洪水調整の点についてお考えを伺えればと思います。戸草ダムについても伺えればと思います。
長野県知事 阿部守一
天竜川水系の河川整備計画については、国土交通省でかねてから検討されてきているものだと思っています。天竜川水系はご承知の通りこれまでも非常に大きな水害に見舞われてきたところですので、治水安全度を向上していくことは流域の皆さまの大きな願いです。そういう意味で、私としては最善の方策をしっかりと国において考えてもらいたいと思っています。ダムを造る、造らないというところに議論が行きがちではありますけれども、長野県は田中県政の時に治水・利水ダム等検討委員会をつくって住民参加でいろいろなダムの検討をして一定の方向付けをしてきたところです。今、長野県内においては天竜川水系をこれからどうしていくかということが大きなテーマになっているわけですけれども、ダムだからいいとか、ダムだから駄目だとか、そういうことよりもむしろどういうかたちで治水安全度を上げていくのか。そして地域の皆さまの理解と協力を得られる治水対策、この治水対策は千曲川水系の緊急治水対策も東日本台風災害を受けて行っているわけですけれども、やはり県がいくら計画しても地域の皆さんの理解と協力なしにはなかなか進んでいかないということもありますので、そういう意味では地域の皆さまの思いや願い、そうしたことも踏まえながら国においてしっかりまず方向性を出してもらいたいと思っています。
時事通信社 村本 氏
2点お伺いします。まず国民スポーツ大会の関係なのですけれども、先ほどからゼロベースでというお話がありましたが、在り方とか規模感についてもう少し具体的なお話を頂きたいです。
長野県知事 阿部守一
国民スポーツ大会について具体的にもうちょっと言及しろという話ですけれども、例えば国民スポーツ大会は多くの人たちが集まるイベントですので、そういう意味では地域の活性化、経済面での波及効果であったり、あるいは国民スポーツ大会を開催することに向けていろいろな体育施設の整備等が行われるわけですので、そういう意味では、地域の振興にプラスの効果というものは一定程度あると思います。ただその一方で、非常に短期間に施設整備を集中的に行いますので、先ほど申し上げたように財政的に負担が非常に大きい。また各県が持ち回りでやっていますので、そうするとなかなかノウハウ等も蓄積されずに、開催県は一からどうやって対応するかということをしっかり考えていかなければいけないといったような、人的負担の問題。それから例えば長野県は冬季大会も開催できる県ですけれども、ただ47都道府県の中で冬季大会が開催できる県は一部の県です。そうすると冬季大会はいくつかの少数県で開催している状況ですので、特定の開催県の負担がどうしても多くなりがちといったような状況でもあります。また先ほど申し上げたように財政負担、誰がどういう部分を負担するかということを考えたときに、どうしても開催都道府県の負担が今非常に大きい状況になっています。そういう意味ではいろいろな課題もあると思っていますので、やはりこれまでの前例にとらわれることなく、これからまさに3巡目に入ろうとしていますから、そこに向けてしっかり関係者、都道府県もまさに重要な当事者だと思っていますので、日本スポーツ協会、そして都道府県がしっかりこれからの在り方を議論して、私としてはやはり先ほど申し上げたように人口減少社会においていろんな価値観の転換とか、システムの転換が求められているわけですので、そういう中で国民スポーツ大会の在り方もしっかり見直していくべきだと思っています。
時事通信社 村本 氏
先日環境省でクマが指定管理鳥獣になった受け止めをお願いします。
長野県知事 阿部守一
クマ対策については、長野県においても昨年非常に多くのクマが出没して人的な被害も出たということで対応を考えてきていますので、そういう意味では国においても問題意識を持って指定管理鳥獣に指定するということは方向性としては望ましいことだと思っています。引き続き市町村、関係団体としっかり連携をしながら、いろいろな人的・物的被害をもたらすおそれが高いときには積極的に対応しつつ、とはいえ反面われわれは自然と共生しながら、先ほどの火山ではないですけれども、生態系も維持しながらわれわれの暮らしも成り立っているわけですので、その両面をしっかり認識しながら対策を進めていきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
国民スポーツ大会の関係で、長野県も2028年に予定されていますけれども、今の段階で分かる総事業費が大体いくらぐらい掛かるのかというお話と、知事もその総事業費の金額を見た上で負担感といいますか、どのように感じていらっしゃるかを教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
具体的な数字についてはこれから詰めてお知らせしていかなければいけないと思っていますけれども、今、県が見込んでいる数値でいえば、例えば国民スポーツ大会の開催も先ほど言った施設整備をどれだけやるかとか、それによってもだいぶ変わってきてしまいますので、例えばコアの部分といえる大会の運営関係経費、これは県の事務局の運営経費であったり、あるいは市町村の運営費交付金であったり、そうしたものを合わせて大体60億円程度、数十億円程度掛かるのではないかと見込んでいます。またこの他に例えば冬季大会の分とか、それから長野県外でやる競技もあったりするので、そういう意味でまだ流動的なところがありますが、少なくとも運営経費で数十億円程度は掛かるだろうと思います。先催県では大体7、80億~百数十億。今、諸物価も高騰してきているので開催時にどれぐらいの経費になるかというのはまだ少し明確に申し上げられないですけれども、そういう意味では大会を運営するだけで数十億から百億円程度は掛かるという見通しです。こうした部分のかなりの部分は県が負担しなければいけない状況ですので、そういう意味で県は毎年予算編成に苦労しながら対応していますけれども、財政的な負担としてはかなり重いと思っています。ただ県は予定してやってきているので、これまでも基金への積み立てとか、単年でがっと負担して財政が回らないというようなことにならないように準備をしてきているわけですけれども、まずそうした工夫をして何とか対応してきていますけれども、とはいえやはり財政的な負担は非常に重いと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
松本空港について伺います。先日、去年の1年がまとまって25万人超え、開港後2番目に多い利用者だったということが発表されましたけれども、改めて知事の25万人超えへの受け止めと、松本空港の役割と、国内チャーター便がそのとき便数が減ったにもかかわらず人数が増えていて搭乗率いいんだなと、利用されてるんだなと思ったのですけど、一方で海外のチャーター便がまだ飛べない状況もあります。そのへんの受け止め、松本空港の役割、海外チャーター便、この3点を伺えればと思います。
長野県知事 阿部守一
利用していただく方が順調に増えていることは、空港の設置者としては非常にうれしい状況だと思っています。これはやはり地元の皆さまの理解、ご協力、そして活性化協議会をはじめ関係の皆さまの利用促進に向けた取り組み、多くの皆さんのご努力の賜物だと思っていますので、そういう意味で関係者の皆さまには改めて感謝申し上げたいと思っています。長野県における唯一の空の玄関ですので、長野県としてはより施設面での整備の充実も図っていかなければいけないと思いますし、また就航先もできるだけ増やせるように努力をしていきたいと思っていますが、これらも、やはり地域の皆さまのご理解なしには進みませんので、地元の皆さまとはこれからも丁寧な対話を心掛けていきたいと思っています。また海外のチャーター便についてはコロナで途絶えてしまったという状況で、コロナ前までは国際チャーターも就航していたわけですので、ぜひ早期に回復できるように取り組んでいきたいと思っています。近隣の国の方とお会いするときには必ずこのお話もしていますので、ぜひ早期に実現できるよう取り組んでいきたいと思っています。
長野朝日放送(abn) 草田 氏
重ねて申し訳ないのですが、国民スポーツ大会に関して、各知事がおっしゃっているリアクションの中で費用面で廃止というような、一つの考え方という言い方をされていますが、費用面で廃止というのはいかがなものかという声も出ている、その慎重論も中にはあるという、知事がおっしゃったように冬季大会を開催する場所が限られているであるとか、それから障がい者のスポーツ大会は非常に意義があるという声もある、そんな中でゼロベースと知事はおっしゃいましたけれども、長野県のこれまでの経験であるとか、地域の特性も含めて、何か今後の議論の中で提案していくようなお考えがあれば教えていただきたいのですが、いかがでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、私の立場はどちらかというと他の都道府県とも連携しながら知事会として取りまとめていかなければいけない立場ですので、まず各都道府県知事の考え方をしっかり把握していきたいと思っています。ただ例えば施設整備等も仮設等で対応するような場合もあるわけです。あるいは先ほど申し上げたように、他の県に今でも一部の競技をお願いせざるを得ないこともありますので、そうすると、例えばもう少し広域単位で開催をするというような考え方もあるのではないかと思いますし、それから先ほど少し申し上げたように、都道府県が持ち回りでやっているとなかなかノウハウの蓄積がされません。そうするとやはりまた毎回毎回同じような検討をしてやるかたちになりますけれども、例えばこうした部分は日本スポーツ協会の皆さんと共有することによって、毎回毎回一から組み立て直すのでなくて、一定のノウハウの蓄積の下で進めていくとか、いろんな工夫、改善の在り方があるのでないかと思っています。私がゼロベースでと申し上げているのは、そもそも社会・経済環境が変わる中で国民スポーツ大会の意義は何なのかと。私は長野県の国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会は成功させなければいけないけれども、それだけではいけないということをいろんな所で申し上げてきています。大会が終わった後、スポーツ文化が定着して一部のアスリートだけではなくて広く多くの県民の皆さまがスポーツに親しめるような状況にもっていくことが今長野県が目指している方向性ですので、そうしたことも考えると、やはり国民スポーツ大会の目的や意義、これは何なのかということも含めて考えていくことが必要だと思いますし、そういう意味ではある意味ゼロベースでしっかり考えていくことが必要だと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
2点お願いします。リニアについてなのですが、月曜日のトップ会談はこれまでと違って全面的に公開するかたちで開催するということですが、これは県から提案したことだと聞いていますが、その狙い、目的を教えていただきたいというのが一つ。
長野県知事 阿部守一
JR東海の社長とのトップ会談を公開にするのは、やはり非常に県民の皆さまの関心が高い事案です。長野県の場合、部局長会議も全部公開でやっていますし、多くの皆さんとの対話も原則公開で、むしろ公開しないのは個人情報を扱うとか、少しセンシティブな、例えばコロナ対策の専門家懇談会みたいなものは非公開にしていますけれども、その後もちゃんとブリーフィングしていると思います。そういう意味で原則公開ですので、県民の皆さまの関心も強いテーマですので公開にした方が望ましいと考えました。
信濃毎日新聞 河田 氏
もう一つ冒頭に戻って火山のアドバイザーの土井さんに改めて期待すること、知事のコメントでお願いします。
長野県知事 阿部守一
土井さんへの期待ですけれども、先ほども少し申し上げましたけれども、非常に火山防災は専門性が高い分野です。そういう意味ではなかなか県職員で専門家を育てていくのは難しい部分がありますので、そういう意味でこの専門性の高い分野についてしっかりアドバイザーとしての役割を果たしていっていただきたいと思いますし、また長野県だけでなく全国的にいろんな火山があるのですけれども、火山防災というか火山対策の難しさは、やはり火山それぞれに個性が強くて、浅間山の対策と御嶽山の対策は必ずしも同じではないと思っています。そういうことを考えると、やはり長野県としてアドバイザーをお願いをして、長野県の火山についてよく見てもらう、専門家の皆さんとも対話していただき的確な対策をとるようにしていくことが重要だと思っていますので、まずこれまでのご経験を生かしてご活躍いただければと思っています。
共同通信 竹内 氏
国民スポーツ大会に関してまた伺いたいのですけれども、先ほどこれまでの前例にとらわれずにということを知事がおっしゃっていましたけれども、そこで例えば財政負担などが改善されれば大会自体は継続すべきですとか、もしくはそれが改善されないのであれば廃止の方向に進んだ方がいいですとか、そういう阿部知事が現在お考えの大会の今後についてお聞かせいただけますか。
長野県知事 阿部守一
それはこれからの議論です。先ほど言ったように全国知事会ではこのことについて各都道府県知事の意見を聞いていますので、そうした中でどういう意見が強いのかということを踏まえて対応しなければいけないと思っています。私としては先ほどから申し上げているように、ゼロベースというのは廃止するか廃止しないかということだけではなくて、むしろ先ほど言った、目的は何なのかと。例えばかつて国民スポーツ大会はまだまだスポーツに親しむ環境が少ない中で、全国にもスポーツ施設で充実したものがそんなに多くない中で全国持ち回りで進めていくということには極めて大きな意義があったのではないかと思っています。それが今、これから人口減少社会になろうとしていく中で、そういう意味でこうした大会を一体何のためにやるのか、そしてそのやった成果、効果は一体何にしていくのかということも含めてしっかり考えていくことが重要だと思っています。もとよりそうした中で、やっても意味がないですよねということであれば、それは廃止ということもあるのかもしれないですけれども、先ほど申し上げたように、長野県のかつての国民体育大会は、私は一定程度意義があったと。今でも開催地が例えば、木曽地域は御嶽海関も誕生したり、相撲の文化が根付いたりしていますし、あるいはスポーツ施設が充実したことによってそういうスポーツが地域において根付いている市町村もあります。そういう意味ではそうした効果が一定程度あったと思っていますが、今後未来の社会に向けてはどうあるべきなのかということをしっかり考える必要があると思っています。
ありがとうございました。
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