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更新日:2021年3月31日

知事会見(令和2年(2020年)11月24日(火曜日)17時00分~18時00分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 先ほど新型コロナウイルス感染症長野県対策本部会議を開催しました。大きく二つ決定しました。一つは感染警戒レベルです。すでにレベル4に引き上げている長野圏域以外の全県をレベル3、北信はすでにレベル3ですが、すべてレベル3にして警報を発出することです。もう一つは12月1日以降の新型コロナウイルス感染症等対応方針を定めたことです。本部会議の冒頭でも私から申し上げましたけれども、11月に入って本県内でも新規の陽性者の数が急激に増加してきました。またご承知の通り全国、あるいは世界でも陽性者の数が増えているという状況です。今の県内の状況は後でお話ししますけれども、今後陽性者の数がさらに増加していくということになりますと、医療体制が逼迫(ひっぱく)していく恐れ、懸念がありますし、またこれ以上陽性者の数が増えてくるということになりますと、社会経済活動に対する抑制を伴う措置を講じていくことも必要になる恐れがあります。県民の皆さまの命と経済を守っていく上でこれ以上の感染拡大を何としてでも防いでいきたいと、そのために県民の皆さまのご協力を頂きたいと考えています。今がまさに正念場だと考えていますので、すべての県民の皆さまのご理解とご協力を頂きたいと思っています。
 感染状況ですけれども、昨日現在で入院されている方、宿泊療養の方、自宅療養の方、そして調整中という方を合わせて181名です。重症の方はいらっしゃらないという状況ではあります。ただ確保病床数に対する使用率は37.7パーセントということで、非常に高い状況になっています。県としては宿泊療養できる方、あるいは自宅療養が可能な方については、宿泊施設、ご自宅で対応いただくという対応を取っています。週別ですけれども11月上旬以降、新規の陽性者数が非常に増えているという状況ですので、冒頭申し上げましたように、これ以上の拡大を防いでいきたいということが私どもの認識です。そういう観点で感染警戒レベルについては、すでにレベル4の長野圏域を除いて、全県でレベル3ということで「新型コロナウイルス警報」を発出して、注意喚起をしていきます。地域ごとの状況ですけれども、これから「陽性者数」という形にしていこうと思っていますけれども、無症状病原体保有者も含めた人口10万人当たりの新規陽性者数が、佐久、上伊那、北信では非常に多くなっています。上田や諏訪はまだ比較的少ない状況で、南信州、木曽、北アルプス、あるいは松本も少ない状況ですけれども、全県の新規陽性者数が6.57人という形になっていますので、全県を引き上げて多くの皆さまに注意を呼び掛けるとともに、県としての対策を強化していきたいと考えています。対策として一つ目が「市町村と連携した情報発信の強化」です。県民の皆さまには改めてマスクの着用、手洗いの徹底、こうした基本的なことをお願いしていきたいと思いますが、「うつらない」、「うつさない」、「ひろげない」、そうした観点での広報を市町村の皆さまとも連携して行っていきたいと考えています。それから各店舗、飲食店等においてのガイドラインの周知や推進、これについては引き続き市町村、経済団体とも連携して取り組んでいきます。それから「積極的な検査」ということで、これまでも濃厚接触者の把握と濃厚接触者全員の検査ということに努めてきていますが、濃厚接触者に当たらない接触者についても極力広く検査を行って、陽性の方がいらっしゃればそうした方に療養をお願いしていきたいと考えています。それから先ほど申し上げたように、病床がかなり埋まってきているという状況ですので、受け入れ可能病床の拡充に努めていきたいと思っています。一つは医療機関にさらに受け入れ拡充をお願いしていくということと、併せて県としても宿泊療養施設を1カ所で運用していますけれども、増設していきたいと考えています。また自宅療養が可能な方については、ご自宅での療養をお願いしていきたいと思います。そうしたことによって本来医療機関での対応が望ましい方が医療機関に入院いただける、そうした体制をつくっていきたいと考えています。基本的な考え方としては、重症者や中等症者はもとより入院いただかなければいけないわけですけれども、ご高齢の方、65歳以上の方、あるいは呼吸器疾患等がある方、妊婦の方、こうした方についてはしっかり入院をしていただく。また今申し上げた条件に該当されない方についても、念には念を入れなければいけないということで、感染症指定医療機関等の医師に診察をしていただいた上で必要な場合には入院をしていただき、必要がないと判断された場合には宿泊療養かご自宅での療養をしていただきます。ご自宅で療養をしていただくケースは一人暮らしで自立生活が可能である方、あるいは例えば同居されている方と生活空間を分けることが可能であるといったような状況を勘案して、保健所長が自宅療養の対象者と認める方、そうした方については自宅で療養していただくということで対応をしていきます。それから「重症化リスクが高い感染者の早期発見と対応」ということで、医療機関、あるいは高齢者施設等で陽性者が1人でも出た場合には、関係する従事者、利用者全員をPCR検査の対象として対策を講じていきます。また、速やかにクラスター対策チームを派遣して対応していきたいと考えています。重症化リスクが高い方を県として対策していきますし、県民の皆さまのご協力の中で守っていきたいと、ぜひご協力いただきたいと思っています。
 そして、県民の皆さまへの投げ掛けということで、五つの観点で県民の皆さまにお考えいただきたいと思っています。これまで新型コロナウイルス感染症対策では多くの皆さまに大変なご協力を頂き、特に人と接することが多い職業の方等には大変な注意を払って対応してきていただいています。そのことについては改めて感謝を申し上げたいと思います。新しい生活様式、例えばマスクをする、手洗いをするというようなこともかなり多くの方に徹底いただいてきているわけですが、そうした行動や活動、私も毎日マスクをして出掛けるのが当たり前になっていますし、小まめに手指消毒するのも日常化してきてはいますけれども、であるが故に改めて皆さまにお考えいただきたいことということで5点記載しています。まず『最近「これくらいなら大丈夫だ」と人との距離が近くなっていませんか』ということです。4月、5月の頃は新型コロナウイルスの正体が本当によく分からないということもあって、一人一人の注意が相当コロナに向けられていたと思っています。そうしたことで感染を避けていただき、また感染拡大の防止にご協力いただけたと思っています。ただそうした状況を切り抜けてきた今日、「3密」等の問題に少し慣れてしまってきている側面もあるのではないかと思います。改めて行く場所、あるいは居る場所、そうしたもののリスクを確認していただいたり、また人と人との距離の確保、あるいはマスクの着用、こうしたことをお願いしていきたいと思います。これぐらいなら大丈夫だと、人との距離が近くなっていないかということを改めて確認いただきたいと思います。それから「消毒や手洗い」ですが、これも当たり前のようにわれわれも呼び掛けていますし、多くの皆さまにはご協力を頂いています。ある意味意識をしないでも行っていただけるようになってはいるわけですけれども、逆に忘れがち、例えば手指消毒が置いてあるけれど急いでいるから今日はいいやということになりかねません。ちょっとした油断が周囲への感染を広げてしまう可能性があるということで、ぜひ改めてうっかり忘れていないかということを考えていただきたいと思います。それから「自分が元気なら、人にうつさないと思っていませんか」ということで、無症状であっても感染をさせてしまうリスクがあるということ、あるいは症状が発現する前から人にうつしてしまう可能性があるということを、ぜひ思い起こしていただきたいと思います。そういう意味で、自分は全然元気だという方でも人にうつす可能性がありますので、その点改めて認識していただきたいと思いますし、繰り返しになりますが、体調が悪いときには外出は控えていただきたいと思います。それから4番目、「マスクをしていれば、換気や加湿は必要ないと思っていませんか」ということで、空気が乾燥する冬期間、特に飛沫(ひまつ)による感染にご留意いただきたいと思っています。今、多くの方がマスクをしている状況ではありますけれども、私も今一時的にマスクを外していますけれども、飲食等をする場合には一時的にマスクを外すといったこともあります。改めて換気や加湿、こうしたことについてはウイルス濃度を下げる、あるいはウイルスが漂いにくくする、こうした観点で換気や加湿が必要ないと思っていないか、おろそかになっていないか、考えていただきたい。最後5点目、『「自分は大丈夫」「あの人は大丈夫」と思っていませんか』ということです。もうずっと新型コロナウイルスへの備えを皆さまにやっていただいています。これはもうすべての県民の皆さまが何らかの注意をしていただいてきているわけです。ここに至るまで感染していない方がほとんどです。そのこと自体はありがたいことですけれども、今まで大丈夫だったから自分は大丈夫だと、あるいはあの人は大丈夫だと思いがちな時期になってきているのではないかと思います。そういう意味で、改めて『「自分は大丈夫」「あの人は大丈夫」と思っていませんか』ということで、問い直していただければと思っています。これまでもさまざまなお願いをしてきましたけれども、新型コロナウイルス対策を非常に長く続けてきていますので、改めて県民の皆さまにお考えいただきたいことということで5点挙げました。ぜひ振り返っていただいて、ご自分で気になるところがあれば、改善いただければありがたいと思っています。
 それから次ですが、12月1日以降の対応方針についてです。大きく五つ重点的な対策を掲げています。「第3波による感染拡大の抑止に向けた的確な対策の実施」、『「新しい生活様式」の定着と冬場に向けた呼びかけの強化』、「感染拡大に対処するため、医療・検査体制の整備を促進」、「県民の皆様の生活を支え、経済を再生」、最後に「誹謗(ひぼう)中傷等を抑止し県民の絆を守る」ということで対策を進めていきたいと考えています。この方針の中で何点か、特にお伝えをしたいところだけ申し上げていきますけれども、先ほど申し上げた注意喚起、ご自分で改めて振り返っていただくということも含めて、市町村ともしっかり連携して対応していきたいと考えています。そうした中で県外への訪問についてです。基本的な感染防止対策を徹底して慎重に行動いただきたいと考えているのが、直近1週間の人口10万人当たりの新規陽性者数が5人以上の都道府県です。それから15人以上の都道府県、いわゆる国のレベルでいうところのステージ3に該当している地域ですけれども、そうした地域への訪問については感染リスクが高い状況は避けていただいて、避けられないというときは訪問を控えていただきたいと思います。特に重症化しやすい方、あるいはそのご家族については慎重にお考えいただきたいと思っています。今15人以上に該当しているのは、北海道、東京、愛知、大阪、兵庫、沖縄という形になっていますので、こうしたことを念頭に置きながら訪問の検討をいただければと考えています。それから先ほど投げ掛けさせてもらいましたが「新たな日常のすゝめ 冬ver.」というものをつくりました。これもまた市町村の皆さまと一緒に周知を図っていきたいと思っていますので、ぜひご理解、ご協力を頂きたいと思っています。
 それから私から何点かお話をしたいと思います。医療提供体制については先ほど申し上げた通りですが、県としてはできるだけ重症化リスクの高い方に入院していただけるような対応をしていくということを重視しながら対策を講じていきます。また新型コロナウイルスだけではなくて、季節性のインフルエンザの流行期に備えた検査体制の強化ということも、引き続き医療機関の皆さまと一緒になって進めていきたいと考えています。それから、これから一番抑止していきたいと考えていますのが、医療機関や社会福祉施設等におけるクラスターの発生です。先ほど申し上げたように陽性者が1人でも出た場合には、関係する方については徹底的な検査を行っていきたいと思っていますし、クラスター対策チームを派遣していきます。重症化リスクの高い方を県民の皆さまのご協力の中で守っていきたいと考えています。冒頭申し上げたように、長野県においてこれ以上陽性者の数が増えないようにしていかなければいけない、まさに正念場ですので、多くの皆さまにご理解いただき、そしてお一人お一人が基本的な対応、対策ということをぜひ心掛けていただき、一緒になってこの局面を乗り越えていきたいと思っています。県民の皆さまお一人お一人のご協力を切にお願い申し上げます。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 県外との往来のことについてお伺いします。12月1日からということですが、これまでの基準というものがあったかと思うのですが、それは今月いっぱいは生きているという理解でよろしいのでしょうか。それとも先立ってこういった形で適用されるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 担当課から説明します。

参事(新型コロナウイルス対策担当) 福田雄一
 本日の対応方針の中に少し書いていますけれども、具体的には3ページから4ページのところですけれども、「令和2年11月24日から適用」という括弧書きを入れていますので、この呼び掛けは本日からしたいと思っています。この部分だけは24日から適用という形にしています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 その上で、これまでの基準というのは2.5人と5.0人がそれぞれあったと思うのですが、それはもう無いという理解でよろしいですか。

参事(新型コロナウイルス対策担当) 福田雄一
 2.5人を超えたところと往来される場合、往来をされる場合という言い方をしていました。少し分かりにくいというか、他県から来られる方も対象にしていると読まれる方が多いもので、訪問する場合ということで、基本的には長野県民を対象に呼び掛けしていますので、他県を訪問される方という言い方にしています。2.5人を超えた場合は慎重な行動をと言っていました。もうすでに全国的に非常に高くなってきていまして、そもそも県外へ出られる場合、移動にはリスクがつきものですので、県をまたいで移動される場合は、基本的な感染防止策をぜひ徹底していただきたいと、こういう形にしました。それから5.0人については、今までは往来そのものを慎重に判断していただきたい、行かれる場合は慎重に行動をとしていましたが、どうしても仕事等で行かれる方が非常に多くて、しかもそういったところで会食等を通じて感染して帰って来られる方が多いということもありまして、呼び掛けの内容に、会食におけるリスクの低下ということについての呼び掛けを少し詳しく加えまして、その代わり慎重に判断という言い方については整理をしたところです。それから今回さらに15.0人を上回っているということで、国のいわゆるステージ3以上のところに対しては、行かれることも含めて慎重にご判断いただくという観点を付け加えたところです。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 県内での移動についてお伺いしたいのですが。今回レベル3、一気に県内引き上げということになりましたけれども、先ほど説明いただいたように、まだ出ていないところもあったかと思います。そういった場合、県内で活動するときに、県民の皆さまとするとどういうふうに動けばいいかという心配もあるかと思うのですが、そういった点について知事のお考えはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一 
 先ほど担当から説明したように、県外へ行かれるときは慎重な検討と慎重な行動ということでお願いしています。それから県民の皆さまへの県内での行動については、今回の方針にいろいろ書いていますけれども、例えば4ページです。「年末年始の感染拡大を防止するための呼びかけの強化」、忘年会等の会食の話はあまりここ(会見資料スライド「今、みなさんに考えていただきたいこと」)で強調していませんけれども、警戒レベルの引き上げと12月以降の対応が同日になってしまったのでこちらを強調していますけれども、対応方針には年末年始の、例えば会食等についてのお願いをしていくということを記載しています。4ページの「(3)」ですけれども、具体的にこれから分かりやすく周知していきたいと思っていますけれども、例えば帰省や旅行は人が集中する時期を避けていただくといったことであったり、あるいは在宅勤務やテレワークを促進していただくということであったり、また会食の際にはガイドラインを遵守する店舗を利用していただくとともに、体調が悪い方は参加しない、これはぜひ守っていただきたいと思います。開始前後に手指消毒や手洗いを行ったり、あるいは人と直接、間接に接触しないとか、そうしたことを県民の皆さまにはお願いしたいと思っています。県外を訪問される際には、ぜひ慎重な行動、慎重な検討をお願いしたいということと、「3密」回避や手指消毒、あるいは会食の際の留意事項、そうしたことについてはこれからも併せてお願いしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 感染者が出ていない地域も含めてレベル3になったのですけれども。知事から危機意識や問題点はいろいろ説明いただいたのですが、改めてなぜ出ていないところも含めてレベル3に上げる必要があるのか、南信州や木曽、北アルプスも出ていないですが、お願いします。

長野県知事 阿部守一
 冒頭申し上げたように全国的にも新規の陽性者数が増えてきているという状況にあります。そして長野県内、圏域を見ても、先ほどの本部会議の資料にもありますように、かなり広い圏域で発生してきていることと併せて、少ない圏域においても散発的ではありますけれども、陽性者が出てきつつあるという状況があります。一番念頭に置いて対応していかなければいけないのは、救える命が救えなくならないようにすることは、何度も繰り返し申し上げてきています。重症者はいらっしゃらないですけれども、入院者の数は非常に増えています。そして特定の圏域だけでは入院し切れないということで、広域調整をして対応しているという状況ですので、陽性者の数が増えるという事態を今の時点で抑え込んでいきたいと思っています。そういう意味で全県を対象としてレベル3にし、警報を発出して対応していくということです。

市民タイムス 田子元気 氏
 「Go To イート」、「Go To トラベル」についてお伺いします。昨日全国知事会でステージ3相当になった地域は対象から除外するという提言がまとめられました。長野県においてのステージ3相当というのはどこのレベルなのかということと、実際中止となった場合、それを最終的に決定するのは知事でいらっしゃるのか、国の判断になるのかということを伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 ステージ3の運用判断については全国知事会の昨日の緊急提言の中でも、「ステージ3の運用・判断について一層の明確化を図る」ように国に求めています。基本的には総合的に判断するという状況になっていますが、次の質問にも関係しますけれども、「Go To イート」や「Go To トラベル」の実施主体は政府で、われわれが実施主体になっているわけではありませんので、そうしたところについては、しっかり責任を持って対応してもらいたいと思っています。ただ地域の状況はわれわれの方が国よりも分かっているところがありますので、そういう意味では連携して対応していくことが必要だと思います。例えば「Go To トラベル」についても、これまでも旅行関係者の皆さまや宿泊関係者の皆さまが非常に混乱した経過もありますので、国においてはしっかり明確な考え方を早めに示していただいて、合理的な基準を作ってもらいたいと思っています。

市民タイムス 田子元気 氏
 きょう全県でレベル3に上がったということで、今後レベルが上がっていく中で、例えばレベル4になったら国との協議の上で中止にするだとか、そういった具体的な基準というものはお持ちなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 レベルが上がらないように県民の皆さまにお願いしていくということですけれども、今後陽性者の数がさらに増加して、宿泊療養、自宅療養も含めて、入院患者の数が全体としてさらに増加していくということであれば、冒頭に申し上げたように、経済活動を抑止していくような措置も県として考えていかなければならざるを得ませんし、国に対しても求めていくということも必要になってくるケースも当然想定されます。ただ今の段階ではそうならないように県民の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

市民タイムス 田子元気 氏
 全国の知事の中では中止ということは自分が判断するんだとおっしゃられている方もいらっしゃいますけれども、最終的な確認ですけれども、お話を聞く上では知事はあくまで国の施策ということで、国との協議の上で最終的に判断されるということですか。

長野県知事 阿部守一
 最終判断は国です。県の制度ではないのでそうせざるを得ないと思います。感染拡大防止に必要な状況になってくれば、国からどうしますかと聞いてくるかもしれませんし、そうではなくても必要があれば県から対応を要請することももちろんあり得ると思います。制度的に最終的に決める権限は国ですけれども、県としては状況判断をしっかり行いながら、国と連携して適切な対応を行っていきたいと思っています。

長野放送(NBS) 中村明子 氏
 時期的に帰省の話も含まれていましたけれども、県内に帰省される方や県内にいるそのご家族に対しての呼び掛け、考え方を改めてお願いします。

長野県知事 阿部守一
 今回の対応方針の中でも少し触れていますけれども、年末年始であったり、帰省であったりの考え方は、改めて専門家の意見も聞きながら、再度県民の皆さまにお願いしていく機会をつくらなければいけないだろうと思っています。全国的な状況や県内の状況をもう少ししっかり見ていかなければいけないと思っています。先ほど申し上げた4ページのところに、例えば帰省とか旅行は人が集中する時期を避けてくださいといったことを書いています。昨日の知事会の中では、私は毎回同じことを言っているのですけれども、都道府県をまたぐ人の往来の在り方は、政府がもっとしっかり考えていただかないと、迎える側と送り出す側がちぐはぐな対応をしてはいけない、メッセージが混乱すると思いますので、少なくともそこはしっかり考えてもらいたいということです。昨日の知事会の提言の中でも私の意見を入れてもらって、「国として、年末年始に向け、人の移動のあり方について検討する」ことという趣旨を入れてもらっていますので、国においてはぜひ全国的な見地で考えてもらいたいと思います。また国が分かりやすいメッセージを出さない場合には、県から専門家のご意見を伺いながら、しっかり呼び掛けを考えていきたいと思います。

長野放送(NBS) 中村明子 氏
 県では何かメッセージといいますか、県内に向けてありますか。

長野県知事 阿部守一
 今まで申し上げてきたことと重なりますけれども、体調の悪い方は帰省だけでなくて外出もやめてもらわなければいけないということは基本的にあります。その上でこれからどういうメッセージを出すかということに関係しますけれども、例えばさっきの訪問される方のところ(会見資料スライド「県外への訪問」)に「戻ったあとも自ら健康観察、行動歴を記録」と書いています。感染拡大を食い止めるためにはぜひお願いしていきたい事項です。旅行される方には「旅マエ」から気を付けてくださいと言っています。帰省される方にも帰省される前からご自分の健康管理をされて、健康観察していただいて、感染リスクの高い所は訪問しないといったことで、ご家族の健康を守る努力をしてもらいたいと思います。県内で言っても県外に暮らしている長野県関係者には伝わらないので、そういう意味でも政府においてこういう発信をぜひしてもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 先ほど「Go To 事業」の関係で質問がありましたが、それに関連して質問させてください。この事業については対象から除外することについての最終判断は国ということで、必要があれば長野県として対応を要請するというお話でした。国では大阪市であったり、札幌市であったり、そうした地域単位で除外する方向性で検討されていますが、長野県内で今後そうした除外を行う場合については、どういった地域単位で考えていくか、そういった方向性があれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 大前提として長野県は広いので、仮にそういう状況が生じた場合には地域単位ということが原則的な考え方になると思います。ただ、その地域をどうするかということは、私からはそうした事態に備えて観光部としていろいろと頭の体操をするようにということで検討してもらっています。10圏域は、県が警戒レベルを発動している単位ですけれども、観光地という観点で見たときに、ああいう形が適切なのかどうかということは検討する必要があるだろうと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 先日「Go To イート」の関係については、人数制限をしないという方向であるという発言がありましたが、レベル3に上げた上でも対応に変化はないのかということと、観光庁も「Go To トラベル」の地域共通クーポンを使った飲食について人数制限を求めていますが、こちらも人数制限はしないという方向でよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 本県においては人数制限は行わないということで回答していますし、「Go To トラベル」も「Go To イート」も、双方そうですけれども、国としての考え方の合理的な説明、エビデンスで、例えばなぜ4人と5人で差を付けるのかとか、そういう丁寧な説明を国においては行っていただく必要があるのではないかと思っています。またそういう考え方をわれわれも共有した上で対応していくということが必要だと思います。それと同時にこの場でも何回も申し上げていますように、例えば5人なら5人、4人なら4人という人数でも、人と人との距離がどれぐらい取れるかとか、換気ができているかとか、そういうことによって相当程度状況が違いますので、そういう意味では一律に人数だけが強調されるということは、場合によっては誤ったメッセージを利用者に伝えてしまう恐れもあるのではないかと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 全国的にこういった感染拡大局面にある中で「Go To 事業」の実施を進めていくということは、そもそもですけれども、どういった受け止めを知事はされていらっしゃるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 「Go To 事業」も一律に同じ扱いではないと思います。旅行とイートというのは同じ「Go To 事業」でも、それぞれ違う特性があるだろうと思いますので、一律には言いづらい、論じられないところがあると思いますけれども。例えば「Go To トラベル」については、長野県は観光県ですので、ひと頃の観光需要が激減したところから、この3連休も多くのお客さまがお越しいただけるようになったということで、経済面では非常に効果があったと思っています。ただ11月以降、本県でも陽性者の数が増えてきているという状況ですので、アクセルとブレーキをどう使い分けるかということをしっかり考えていく時期に来ているのではないかと思っています。そういう意味で知事会においても「国として責任を持って全国を通じたアクセル・ブレーキの切り替えをそれぞれの地域の実情を踏まえて判断し、適切かつ機動的に行うこと」ということで、「Go To 事業」の在り方というのは一部の地域を除外してという細かい話だけではなくて、そもそも全体の在り方もしっかり考えていただく時期に来ているのではないかと思います。というのは例えば政府がやろうとしているのは、目的地を外すか外さないかという形になっていますけれども、移動のことを考えれば出発地側をどうするかとか、もう少し幅広い観点での検討というものが必要な状況だと思いますので、国においては全国知事会からの提言を踏まえてしっかり考えてもらいたいと思います。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 変わってもう一つ、県外との往来の話ですが。これまでの基準は人口10万人当たり2.5人と5人だったと思うのですが、これが5人と15人ということになると少し基準が緩むのではないかという受け止め方もできると思うのですが、そこら辺の説明をしていただけないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これまで県が呼び掛けてきたものに比べると、人口の基準は緩和されているという状況です。これについては専門家懇談会でもご議論いただいてきたところでして、感染警戒レベルについても当初の警戒レベルから緩和して運用しています。緩和したというのは単に緩めたということだけではなくて、要は実態に合わせて改善をしているという状況ですので、県外の基準についても、例えば前回のように2.5人であったり、5人という数字は今の現状からすると逆に厳し過ぎるという形で実態に合わなくなってきているということから、こういう基準にしていくという整理をしています。

信越放送(SBC) 湯本和寛 氏
 宿泊療養施設をこれから充実させていくということですけれども、上田圏域1カ所ということになっていますが、今後の方針等を詳しく伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 東信1カ所と言うと。

信越放送(SBC) 湯本和寛 氏
 1カ所ということですけれども、地域間でバランスを取ったりとか、何かこれからの方針があれば。

長野県知事 阿部守一
 当面は中信地域に開設していきたいと思っています。全県的な利便性等を考えれば中信地域の施設が必要ではないかと思っています。それに加えて北信でも開設ができないかということで検討を行っていきたいと考えています。今運用している施設について今後どうしていくかということについては中信、あるいは北信の状況を踏まえて検討していくという形になります。宿泊療養施設については先ほど申し上げたように、医療機関にあまり過度に負担がかからないようにということで開設していきたいと思っていますけれども、今後の陽性者の状況等を見極めながら対応していきたいと考えています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今の医療提供体制の関係ですけれども、一つは宿泊療養施設に関して大本で言いますと、全県で最大4カ所で、合わせて約250人療養できるようにするというお話でした。増設と知事がおっしゃったのは、それに加えて従来、想定していなかったところも含めて、例えば北信に二つとか、そういったこともできるようにしていくという考えなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 対処方針等で「増設」と言っているのは、今の1カ所から増やしていくという意味です。ただ県としてはいろいろな選択肢を持っておきたいということで、宿泊療養施設の在り方については例えばいろいろな候補を挙げて、場所の状況とか、そういうことも含めて検討しながら対応していけるようにしていきたいと思っています。そういう意味で入院350名程度、それから宿泊療養施設250名程度ということでこれまでお話をしてきていますが、それはもちろん前提として持ちながらもそれ以外の選択肢もいろいろ考えて、状況に応じて開設を考えていくということですので、固定的な形よりはできるだけ状況を見極めながらしっかり適切な対応ができるように常に考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 宿泊療養施設は開設しようと思ってすぐできるかというと、なかなか準備が大変だと聞いています。今のところもう開設している東信だとか、北、中、南の1カ所ずつに関しては、宿泊施設の事業者さんと一応お話がついているというか、開設できるようにお話ができているということだったと思うのですけれども。今の知事のお答えだとそれ以外も否定はしていらっしゃらないので、他にも事業者と話し合うなどして、さらに4カ所以外にも増やせないかということも検討を進めているということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 新型コロナの対策は常に状況が変わってきます。県とすれば陽性者の数を減らせるようにしていきたいと思いますので、仮に減ってくればあえてどんどん増やしていくという必要性はなくなるわけですけれども、増えてくるという状況であれば、先ほどご覧いただいたように、医療機関の受け入れはかなり増えてきている状況ですので、できるだけ宿泊療養や自宅で療養いただくという形にしていかなければいけない。そのときには宿泊療養施設を増やす選択肢というものを持っておかなければいけませんので、そういう意味ではいろいろな検討を行っているという状況です。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 もう一つ医療機関の病床の関係ですけれども。こちらも対応方針で言いますと「更なる患者受入の拡大の協力を求め」ていくということですけれども、こちらは350床より増やしていく、そのような考え方ですか。

長野県知事 阿部守一
 現実に個々の医療機関と相談していく中で、例えばあらかじめ何床というところも場合によるともっと多く受け入れていただくという対応を行っていただいてもいますので、これからも随時そうしたお願いをしていきますし、全体としても病床数をもっと増やすことができないかということで、医療機関にはお願いしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 何病床まで増やしたいという、今のところの方針というものはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の状況では重症者がいらっしゃらないということ、それから中等症の方も十数名という状況ですので、先ほどから申し上げているように、重症化リスクが高い方が陽性者にならないように働き掛けていきたいと思っています。重症化リスクの低い方が陽性者として増えた場合には、こちら(入院)はできるだけ減らして、できるだけ宿泊療養という形で対応していきたいと思いますので、そうしたケースになれば病床数を増やすよりはむしろ宿泊療養者、あるいは自宅療養の方を増やしていくという形になりますし、今後、重症、中等症、あるいは重症化リスクが高い方が増えていくという状況になれば、場合によっては病床を増やしていくということをさらにお願いする形になります。今の段階では宿泊療養を増やしていくというところが重要な局面ではないかと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今の局面という話であると、宿泊療養施設を現状の1カ所だけではなくて、プラス中信でも。

長野県知事 阿部守一
 増加をしていきたいということです。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 増加をしていきたいということですね。分かりました。あと、もともとなぜ600人に対応できるようにしたかというと、6月に厚生労働省が出した試算方法で、1日最大37人の陽性者が出るという話があって、それを基に最大で485人が療養者として出るという話だったのですけれど、それを基に余裕を見て600人としたと記事では書いています。これは当時の想定ですけれども、それより多く想定しなければいけないと現時点で知事は考えていらっしゃるということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の時点では必ずしもそうした考え方ではありません。今後の入院とか宿泊療養者の推計、例えば今の入院日数の平均値とか、あるいは宿泊療養される方の平均値を基に先を見ながら対応していかなければいけませんので推計していますけれども。例えば毎日16名から20名程度であれば、ある程度入院者数であったり、宿泊療養者数も200名前後ぐらいでしばらく推移するのかと思っていますし、今後の陽性者数の出方次第でまた変わってくる場合もあろうかと思いますが、こうした見通しを常に更新しながら対策を講じていきたいと思っています。この350床、あるいは600人ということを出した時の推計はもちろん持っていますので、そういう意味では例えば連日のように30人というレベルで新規陽性者が増えてくると、さらにいろいろなことを考えなければいけない局面になり得るのではないかと思いますが、今の状況はまだそこまでには至っていないと思います。今まさに県民の皆さまのご理解をいただきながら、何とか抑制していきたいということですので、ぜひそうした入院施設、宿泊療養施設がさらに必要になることのないように、県も対策を講じますし、県民の皆さまにもお願いしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 基本的にはこれまで想定していた600人の中でできるだけ機動的に、早く対応できるようにすると、宿泊療養施設も対応できるようにということですか。

長野県知事 阿部守一
 600という数字はお示ししています。それは基本的な数字としては前提ですが、先ほどから申し上げているように、医療機関も何床ということを上回ってすでに受け入れていただいているところもありますし、また宿泊療養を250がアッパーということでフィックスしているわけではなくて、必要に応じて開設することも念頭に置きながら対応していきたいと思っています。これまでお示ししているのは念頭に置きながら対応しますが、唯一絶対その数字だけでコントロールしようとか、運用していこうということではありません。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 あと最後に1点。「陽性者数」という言い方に切り替えたのは、どういった理由からでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私の今の説明も「陽性」と「感染」がごちゃ混ぜになっていて、少し分かりづらくて大変恐縮ですけれども。専門家のご意見を伺った上で、いわゆる「感染者」という使い方をしたときには二つ捉え方があって、新型コロナの場合は患者と無症状病原体保有者といらっしゃるわけですけれども、「感染者」と言ったときには狭義では患者のみ、広義では無症状病原体保有者も含むという理解になりますけれども、「陽性者」と言った場合には患者と無症状病原体保有者ということがはっきりしますので、「陽性者」という使い方の方がよいのではないかというアドバイスを頂いた上で、「陽性者」という言い方にしています。
 ありがとうございました。

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