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更新日:2020年6月10日

知事会見(令和2年(2020年)4月24日(金曜日)15時~16時18分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症対策について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について 1
  2. リニア中央新幹線について
  3. 新型コロナウイルス感染症への対応について 2
  4. 長野県護国神社例大祭について
  5. 新型コロナウイルス感染症への対応について 3

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症対策について

長野県知事 阿部守一
 
それでは会見を始めたいと思います。本日の項目も基本的にはすべて新型コロナウイルス感染症の関係です。まず一つ目ですけれども、『「信州の観光はお休み中」キャンペーン』ということで、今長野県として緊急事態宣言発令中の中で最も取り組まなければいけないことは県境をまたいだ人の往来、とりわけ観光でお越しになられる方を極力少なくしていくということが最重要の課題です。そういう意味でこうした取り組みを、本来、観光誘客促進ということで関係の皆さまと全力を傾けてきましたけれども、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにはやむを得ないということで、180度逆の取り組みを行っていきたいと思っています。
 目的は、「不要不急の帰省や観光は絶対にやめていただく」ということです。全国に緊急事態宣言が発令された趣旨の一つもこのことだと考えています。
 まず帰省についてです。このことについてはこれまでも私からはお願いをしてきているわけですけれども、ぜひ愛する家族、愛する人たちの命を守るためにも、今帰省することについては十分に慎重に考えてもらわなければいけないと思っています。長野県においても県外から戻られた方がご家族に感染させてしまっているという事例がある中です。全国で緊急事態宣言が発令され、すべての都道府県で不要不急の外出を自粛という形になっています。ぜひこのことをすべての皆さまにご理解いただいて、帰省についてはご家族と連絡を取り合って、今この時期に帰る必要があるのかということは十分考えていただきたいと思っています。
 それから観光面の対応です。観光対策は県から観光、あるいは観光目的の宿泊施設の皆さまに対して休業の検討の依頼というものをしています。多くの関係者の皆さまにはこうした考え方を受け止めていただき、休業への取り組みを行っていただいているところですけれども、観光客の往来を止めていくという上では、今長野県がどうなっているかということをしっかり県外にも発信しなければいけないと思っています。ここでご覧いただいていますように、まず「来られません」。高速バス、アルピコ交通、あるいは長電バス、県外との高速バスについてはほとんど運休中という状況ですし、またFDAについても全便運休という状況になっています。また県内の道の駅、トイレの利用等は行っていただけるわけですけれども、基本的にそうした利用に限定ということですし、また妻籠宿における駐車場もすべて閉鎖という対応になっています。また善光寺、松本城、あるいは立山黒部アルペンルートもお越しいただいても参観、観光をしていただけないという状況になっています。またさまざまなアクティビティーを行っていただいている事業者の中にも休業されている方が多くいらっしゃいますし、また昼神温泉、別所温泉、下諏訪温泉、こうした温泉も宿泊施設が休業中という状況です。また県公式観光サイトの「Go NAGANO」においては、通常であればこれからの大型連休は積極的にアピールしてお越しいただくわけですけれども、現時点においては閉鎖中ということで、情報提供も控えているという形になっています。こうした状況を下に書いてありますけれども、ラジオ、新聞、駅の広告、ツイッター、フェイスブック、ありとあらゆる手段を用いて発信を行っていきたいと思っています。
 それから観光対策の2番目ですけれども、「県境対策」ということで、往来自粛要請中ということですので、県内各所でこうしたことを訴えていきたいと思っています。インターチェンジ、あるいは一般道においてはプラカードの掲示と流入量、どこのナンバーの車が来ているかということも調べて対応していきたいと思っていますし、また駅においてはメッセージボードを掲示して不要不急の外出自粛をお願いしていきたいと思っています。また地元の方とも一緒になって観光地におけるパトロールを行って、状況を確認して必要な対応を行っていきたいと考えています。
 また登山の対策です。山岳県長野ですけれども、今の時期ぜひ登山は控えていただきたいと、入山を行わないでもらいたいという呼び掛けを行っていきたいと思っています。まずロープウエー等については運休しているという状況ですし、また登山相談員についても「相談できません」、今山小屋等が閉まっていますので「食べられません」、「泊まれません」という状況です。また一番下に書いてありますように、「救助隊はすぐに来ません」と少し冷たい感じですけれども、今の状況は救出、救助に行く際にも感染予防対策を行った上で対応していかなければいけないという状況になっていますし、また山小屋の多くは従業員がいないという状況ですので、そうしたところからの救助には駆け付けることができないという状況です。こうしたことを登山愛好家の皆さまにしっかりお伝えして、今長野県で登山をすることについては控えていただくようにお願いしていきたいと考えています。
 それから次に、『県内で「密」をつくらない対策』ということで、県内外の人を問わずですけれども、全県に外出自粛要請中ということです。従って県外からお越しになられた方についても特に必要な場合を除いて、外出については自粛していただきたいと思っています。また発熱等、風邪症状があるときは絶対に外出を行わないように強くお願いしていきたいと思っています。
 こうしたことを通じて今各都道府県が共同歩調で取り組んでいますし、政府も大型連休中の人の移動を何とか抑制しようということで取り組んでいるわけです。全国一丸となって人の移動が起きないように取り組んでいきたいと思いますし、観光県、あるいは山岳県・長野県としても、今申し上げたことを多くの関係者の皆さまと連携して取り組むことによって人の移動を極力抑え込んでいきたいと考えています。
 それから、入院医療体制についてです。先日4月10日、長野県において227床が新型コロナウイルス患者の受け入れ可能病床数であるということでお話をし、今月中を目途に500人の患者が発生しても対応できる体制にまで持っていきたいというお話をしました。現状が右側に記載してある状況でして、大変多くの医療機関の皆さまに積極的な対応をいただく中で、300を超える入院可能な病床数を確保することができました。関係の皆さまには心から深く感謝を申し上げたいと思っています。また宿泊施設についても200人以上受け入れていくことについてめどが立ったという現状です。長野県における感染者の状況は、毎日感染者が確認されているという状況ですけれども、何とかこの医療体制を上回る患者が発生しないように、県民の皆さまには改めて外出を控えていただき、人との接触機会を最大限8割を目標に減らしていただきたい、また手洗いの励行とか、せきエチケットとか、基本的な感染症対策を徹底いただきたい。こういうことを並行してお願いしていきたいと思います。
 それから次ですけれども、感染症の検査体制です。PCR検査、あるいはLAMP法で新型コロナウイルスの検査を行う体制を整えていこうとしているわけですけれども、今回の予算の中でも新型コロナウイルス感染症の外来・検査センター、県内に20カ所程度設置を行っていきたいと考えています。これについては地域の医師会、医療関係者の皆さまのご支援、ご協力を頂きながら取り組んでいきたいと思っていますけれども、5月の中旬から順次立ち上げることができるように進めていきたいと考えています。また検査ですけれども、現在1日88検体の対応が可能ですけれども、これについてもまず今月中には200検体の体制まで持っていきたいと思いますし、その後予算上は300検体を目指して施設の整備等を行っていきたいと考えています。外来・検査センターを設置することによって、帰国者・接触者外来への過度な負担を分散していきたいと思っていますし、また検体を採取するプロセスが、そこから感染が拡大してしまうリスクが非常にありますので、できるだけ限られた場所で検体採取を行っていきたいと思っています。こうしたことを通じて全体としての検査体制、医療体制の強化を図っていきたいと考えています。
 それから次は補正予算の関係です。予算の資料をお配りしているかと思いますけれども、今回の4月補正予算はもう丸ごと新型コロナウイルス感染症対策、新型コロナウイルス感染症対策緊急予算ということで編成しました。お配りしている資料をご覧いただきますと、総額278億円余の一般会計予算規模です。特に今回、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を最大限活用して編成を行うわけですけれども、ただ非常事態という中で通常時とは違った視点で思い切った予算付けをしていかなければいけないということで、今回財政調整のための基金も15億円取り崩して積極的に対応していこうと考えています。そのうち「検査・医療提供体制の強化」が78億円、「県内経済と県民生活の下支え」で187億円、また「遠隔教育環境の整備」で6億円という内訳になっています。
 検査・医療提供体制については、先ほど申し上げた外来・検査センターの設置、あるいは検査件数を拡大するための検査機器等の整備、また500人体制を構築する上で必要な人工呼吸器等の整備、あるいは軽症者受入用宿泊施設の借り上げ経費、こうしたことを計上しているところです。また患者を受け入れていただく医療機関に対しましては、新型コロナウイルスの感染者を引き受けていただくということは、医療機関にとって非常に負担になります。対応すべき人員も必要になってまいりますし、またこうした対応を行うことによって他の医療における対応がどうしても少なくならざるを得ないということもありますので、そういう意味で患者を引き受けていただいた実績に応じて医療機関に対して協力金を支給して、医療関係者の皆さまのご努力、お取り組みに応援を行っていきたいと考えています。
 またその一方で、県民の皆さまの暮らしや産業、経済をしっかり支えていかなければいけないと思っています。休業の要請等をしたときにも説明しましたけれども、今回市町村と連携して、休業要請等を行わせていただき、それに対応して休業等を行っていただいた皆さまには30万円を支給したいと考えています。また売上の減少等で経営が厳しい事業者の方々も大変大勢いらっしゃいます。一つは資金繰りが苦しい事業者向けに、実質無利子、無担保の資金で支援をしていこうということで、中小企業融資制度資金に新しいメニューを設けて応援をしていきたいと考えています。また国の制度ですけれども、国の予算が成立すれば直ちに執行されると思いますけれども、売上が特定の月に半減した事業者には法人で200万円、個人で100万円を給付する持続化給付金制度がありますので、こうしたことについても事業所の皆さまにしっかりお伝えして活用いただけるようにしていきたいと思っています。また収入が特定の月において20パーセント以上減少された事業者の皆さまには、県税すべて1年間、納税の猶予を行っていきたいと思いますし、また「助け合いふるさと寄付金」ということで、頑張っておられる飲食事業者、宿泊事業者の皆さまを多くの皆さまと一緒に支えていきたい、応援していきたいと考えています。それからこうした厳しい環境の中でも、いろいろな工夫をしながら取り組んでいかれようとしている事業者の方がいらっしゃいます。一つは「飲食・サービス業等新型コロナウイルス対策応援事業」ということで、例えばテークアウトや宅配等で新しい事業展開を行っていこうとしていらっしゃるグループの皆さまを最大300万円補助して応援していきたいと考えています。また、「クラウドファンディングを活用した食事券等の販売を支援」ということで、当面資金繰りに苦労されていらっしゃる方が大勢いらっしゃるわけですけれども、新型コロナウイルス終息後に使っていただける食事券等の発行を行っていただく取り組みを、県としてもクラウドファンディングを通じた応援の仕組みに協力していくということで支援していきたいと考えています。また文化、芸術関係の皆さまも発表する場が大変限られているというか、もうなくなってしまっているという中で、大変苦労されていらっしゃる方も大勢いらっしゃいますので、「頑張るアーティスト応援事業」ということでインターネット等を使って作品をご覧いただくような創意工夫を凝らした取り組みを県として応援していきたいと思っています。また雇用調整助成金は国の制度ですけれども、県からも積極的にアピールをしていくことで、極力雇用を維持していただきながら事業継続を行っていただくよう応援していきたいと考えています。それから個人の皆さまですけれども、一つは生活福祉資金、緊急に生活資金が必要な世帯に最大20万円、また失業等で生活の維持が困難な世帯には月20万円を3カ月貸し付けるという制度を今回の予算の中でも組み入れています。また「住宅確保給付事業」ということで、休業等で収入が減少してなかなか家賃が払いにくいという方に対しての家賃支援を行っていきたいと考えています。またこのほか国の制度ですけれども、一人一律10万円の給付、あるいは子育て世帯に対する児童一人当たり1万円の支給、こうしたものもアピールしてまいりたいと考えています。
 今回の予算、このほかに遠隔教育環境の整備ということを盛り込んでいます。今学校が休業中ということで、本当に子どもたちにとってはつらい毎日だと思いますけれども、学校のICT環境を活用して家庭でも学習できるような応援を行っていきたいと思っています。インターネットの接続環境がないご家庭にモバイルルーターを貸与したり、またネット上に家庭学習を支援するポータルサイトをつくったり、そうしたことで家庭におけるICT学習をしっかりと応援していきたいと考えています。
 予算については、今申し上げた、検査・医療体制、それから生活と産業の下支え、そして遠隔教育の充実と、この大きな三つの柱で取り組んでいきたいと思っています。来る臨時県議会にご提案し、ご議決をいただくことができるように取り組んでまいりたいと考えています。
 それから感染者情報の公表についてです。感染者情報の公表についてはメディアの皆さまからもいろいろとご意見を頂いてきたところですけれども、今まで感染者の方の居住地については何々保健所管内としていましたけれども、今後は市町村名まで公表させていただくことにしたいと思っています。これまでも説明してきたように、できるだけ感染者の方のプライバシーは守っていかなければいけないと思っています。その反面、感染症の拡大防止に必要な情報については、例えば事業所の固有名であっても必要な場合には公表をさせていただくということで対応をしてきました。基本的な考え方についてはこれからも同様であるわけですけれども、今回市町村名の公表については、今長野県も緊急事態宣言の対象となっていく中で、身近な危機として、身近な問題として多くの皆さまに捉えていただきたいと。そのためには何とか保健所管内というのは非常に漠然とした概念ですので、感染症防止という観点よりはむしろ多くの県民の皆さまと危機意識を共有するという観点で市町村名についても今後公表させていただくという形にしたいと思います。このことについては市町村の皆さまとも調整をさせていただき、対応を行っていきたいと思っています。ただ併せて県民の皆さまにお願いをしたいと思っていますのは、個人に対する誹謗(ひぼう)中傷という案件も大変多く見られるということを、さまざまな方から私は伺っています。市町村名を公表することが個人のプライバシーを探り当てるということにつながってはいけないと思っていますので、ぜひこうした情報の取り扱いについてはメディアの皆さまについてもご協力とご理解を頂ければと思っていますし、さまざまな誹謗(ひぼう)や中傷がいろいろなところで起きることがないように一人一人の県民の皆さまにはお願いを申し上げたいと思います。
 それから最後ですけれども、国の新型コロナウイルス感染症専門家会議においても、スーパー等で人が「密」に集まっている環境が生まれているのではないかということが指摘をされています。そういう中で長野県としても、一つは関係の事業者に対して感染症防止のための対策を改めてお願いをしていきたいと思っていますし、その一方で県民の皆さまにもお願いを申し上げたいと思います。買い物でお店にお出掛けになられるときの注意事項ということで、まず一つは出掛ける際の人数を必要最小限にしていただきたい、どうしても外出機会が限られている中で、家族で一緒に行きたいという思いはあろうかと思いますけれども、今こういう状況ですので、できるだけ人との接触機会を減らしていただくためには、できれば家族で代表の方が買い物に行っていただくという形でご検討をいただきたいと思います。また混雑する時間帯はぜひ避けていただきたいと思いますし、またソーシャルディスタンシングということでお願いしていますが、社会的距離をしっかり取っていただきたいと思います。また入店時には、店舗が消毒液を設置いただいているところがほとんどだと思いますが、そうしたもので手の消毒をしっかり行っていただきたいと、こうしたことは事業者の皆さまにも県から配慮のお願いをしていきたいと思いますけれども、ぜひ県民の皆さまお一人お一人もこうした点を心掛けていただいて「密」な環境をつくらないという観点でご理解、ご支援を頂ければと思っています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について1

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 『「信州の観光はお休み中」キャンペーン』のことでまず大きく2点伺いたいのですが、冒頭のご発言でも出ている部分があるかもしれませんが、先日宿泊ですとか、観光の施設に対して県として独自とも言える休業の検討の依頼ということをされていますけれども、そういったこともあって、そういう対応を多くの事業者が取っている中で、県としても強いメッセージを出すことで整合性を取りたいとか、その狙いというのを改めて教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 まさに冒頭申し上げたように、今一番懸念しているのが大型連休中の人の移動です。長野県だけではなくて全国共通の問題意識です。特に長野県は大都市圏、今まさに感染がどんどん拡大している地域に比較的近い県でもありますし、また通例であれば多くの観光客が訪れていただく場所がたくさん県内にあるわけですので、そういう意味で大変な危機意識を持って、県境をまたいだ往来については極力行わないようにしていただくための取り組みを行っていきたいと思っています。他の都道府県とも連携しながらしっかりと対策を進めていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 スライドでいくところの4ページ目ですが、県境対策ということで、観光地で地元の方も巻き込んで呼び掛け、パトロールをやるということですけれども、これについて2点、地元の方というのも含めて、あるいは県の方も含めて、どういうメンバーでやられるのかというのと、あとパトロールというと、例えばもしそこに県外から来ている感じの方がいらっしゃったら、やめてくださいとかという、どういう呼び掛けをするのかというところを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まさに県の職員も取り組んでいきたいと思っていますけれども、市町村であったり、観光協会であったり、そうした地域の皆さまに呼び掛けて一緒になって行っていきたいと思っています。いろいろな事情があってお越しになられている方もいると思いますので、あまり排他的な形になってはいけないと思っています。ただ、先ほど観光の最後のところで申し上げましたように、今現在長野県においても、あるいは日本全国においても、外出の自粛については強く求めているところですので、そういう意味では県外からお越しになられた方についてもぜひ不要不急の外出については控えていただきたい、また特に風邪症状がある方はぜひ滞在先にいていただきたいと、そういうことをしっかり徹底していきたいと考えています。

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 感染した方の情報の公表の在り方で、今後居住している市町村も公表していくというお話がありましたが、お尋ねなのですけれども、注意喚起という意味であれば、分かる範囲でなのですけれど、どういう場面でその方が感染したと見られるのかとか、そういったところもできる限り示すべきなのではないかと思うのですけれども、その辺についてのお考えはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私の考え方を申し上げればプライバシーをどう保護するかということと、感染症の防止をどうしっかりやるかと、この両方を成り立たせるということが必要だと思っています。そういう意味では個人の方の行動については、最大限守られなければいけない情報ではないかと思っています。ただ先ほども申し上げましたけれども、個々のケースをひも付けしづらい状況にあっては、例えばこういうケースで感染例があるとか、そういうことは積極的に伝えていくということが必要だと思いますので、個々のケースが具体的にどうだったかということよりは、むしろこうしたケースに気を付けてもらいたいという場面で、プライバシーを侵害しない範囲で積極的に呼び掛けを行っていくということは必要だと思っています。

読売新聞 田ノ上達也 氏
 今の感染者の居住自治体の公表に関して2点お尋ねします。1点目は先ほど知事のお話の中でも、緊急事態宣言が発令されたというお話がありましたけれども、具体的に自治体名の公表を考えるきっかけ、緊急事態宣言が発令されたとか、感染者が50名を突破したとか、具体的なきっかけになった点がありましたら教えてください。もう1点、すでに市町村側とは公表することですり合わせができているのか、もしくは今後していくのか、その辺りを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず後者の方は、市町村のご意見は伺った上で、今申し上げたような方向付けをしています。どうしてということについては、一つは先ほど申し上げた緊急事態宣言が出されているということがありますが、それと併せて県内すべての圏域で感染者が発生しているという状況になっています。これまで発生がない圏域もあったわけですけれども、今すべての圏域で発生している中で、より危機感を持っていただくという上では、何々圏域ということよりも踏み込んで何々市町村居住の方という形でお示ししていく方が、先ほど申し上げたように、身近な危機意識として実感していただけるのではないかと考えています。まさに県民一丸となって行動変容、クラスターが発生しているような長野県の状況になりつつありますので、そういう中で一致団結して取り組んでいきたいと考えています。

時事通信社 真勢春海 氏
 観光対策というか、『「信州の観光はお休み中」キャンペーン』の関係で、スライドの4ページで「流入量調査」というのがあるのですけれども、これは抑止効果とかを狙ったものなのでしょうか、どういった狙いがあるのでしょうか。あとこのキャンペーンというのは、感染が終息した後は再び来てもらいたいという思いがあって「お休み」という意味合いになっているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろんそうです。本来であれば観光誘客は、県としても取り組まなければいけない最重要の課題の一つですが、今こういう状況ですので、お越しいただいてもお楽しみいただけませんというファクト(事実)をしっかりお伝えする中で外出、特に長野県にお越しいただくことを取りやめていただくというメッセージを出していきたいと思っています。それから流入量調査については、県外からお越しいただかない状況というのが今の状況では望ましいことですけれども、ただ実態を把握しないとどこに課題があるのかということが分かりませんので、そうした調査を行う中で必要な対策を講じていきたいと思っています。

時事通信社 真勢春海 氏
 では、期間はゴールデンウイーク期間中でいいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的には緊急事態宣言が発令されている5月6日まで、ここの「県境対策」のところにも日時を入れていますけれども、基本的には5月6日まで、この期間として取り組んでいきたいと考えています。

市民タイムス 田子元気 氏
 感染者情報の公表について1点確認させていただきたいのですけれども。市町村名の公表は今までされてこなかったのですけれども、これまで松本保健所管内だとか、そういった「管内」とされてきた人の市町村名までさかのぼって公表される考えというのはおありでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今の時点ではさかのぼらずに、これからということです。

市民タイムス 田子元気 氏
 きょうの発表分からということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 きょうの発表分からそうしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 医療提供体制について幾つか伺いたいと思います。まず病床数に関してですが、300を超えるとおっしゃったのですけれど、具体的に300を超えてどれぐらいになっているのかというのをまず伺いたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 「51の医療機関から300を超える入院可能な病床数を確保」ということで書かせていただいているかと思います。この表現ですけれども、各医療機関と調整して、何床可能かということは全部個別に把握しています。ただ実際の受け入れの場合には、入院患者がいらっしゃる場合もありますので、個別に調整をしていくということが必要になっています。そういう意味で実は300床対応できますという回答だけだと、300床体制になっているかということが確実になっていません。今回調整し、300床を超える、300床にとどまらずもっとご協力を頂けるという形になっていますので、そういう観点で300床については基本的に確保できるということでお示ししています。ですから実際に患者を受け入れる際の調整で、そこのところはある程度幅が必要になってきますので、この300床については現時点では確保ができていますということを申し上げているので、ご協力いただける病院、病床数はもう少し多い数字だということでご理解いただければと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 つまり300を超えて提供できるとおっしゃっているのですけれども、300なら、今300になっても入れるという状況だと。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、今現実に入院患者がいらっしゃる病院もあるわけですので、今長野県の実際の入院患者が50名程度ですけれども、まだ300にはかなり余裕がある状況ですので、全部病床を調整する段階ではありませんけれども、県としては300床までは十分対応ができる体制になっていると考えています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 予算の中で医療機関に対する協力金がありますが、こういった51の医療機関の中からそういう支援の仕組みがあれば受け入れやすいとか、なければずっとやっていくのは難しいとか、そういった声があったという感じでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私もこの間、医療関係者の皆さまと随分お話をしていますけれども、新型コロナウイルス感染症の方を受け入れるというのはかなり、例えば人的にも負担があります。また先ほども触れましたけれども、その一方で例えば患者を受け入れるということの関連で、どうしても他の外来患者も減ってしまうという状況もある中で、多くの医療機関の皆さまは今前向きにご協力いただけるという体制になってきていますので、そうした積極的にお取り組みいただく医療機関を県としてもしっかり応援していこうという趣旨でこうした協力金をつくらせていただいています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 次に宿泊施設に関してですけれども、つまり軽症の中で持病があったり、高齢だったりしない方について、自宅ではなく宿泊施設に原則入ってもらう趣旨だと思います。この理由はどうしてなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 前回お示ししたときは、実は「宿泊施設」と「自宅」ということを並列で記載していたかと思います。ただ医療関係者の皆さまとお話をすると、軽症であっても基本的には自宅ではなくて医療関係者がいる宿泊施設の方が望ましいというご意見が非常に強くあります。また他県ではご自宅にいる間に急に症状が悪化され、そしてお亡くなりになられるという大変痛ましいケースもありますので、そうしたことを考えれば、できるだけ宿泊施設と。ただ例えば小さなお子さまがいるとか、特別な場合もあろうかと思いますので、そうした場合には限定的にご自宅というケースもあろうかと思いますけれども、できるだけ宿泊施設での対応ということで考えていきたいと思っています。またもっと言うと医療関係者の皆さまは、宿泊施設が確保できたとしても基本的には医療施設の方が望ましいのではないかと思われている方が大勢いらっしゃいますので、そういう意味で優先順位としては、今の時点では医療機関を優先して対応していくという形になります。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 具体的な施設ですけれども、県内4カ所という線で考えているという話がきのうあったのですけれども、確保にめどがついたというのはどういった段階にあるのか、契約することが決まった段階か、内諾か、あるいは条件交渉をしている段階なのか、そこを詳しく伺えないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 東信、北信、中信、南信、1カ所ずつ確保したいと思っていますが、非常にセンシティブな情報ですので、具体的な企業名は現時点ではお話しするのは控えたいと思いますけれども、基本的な考え方については先方と合意を得ているという状況です。先ほど申し上げたように、直ちに宿泊施設が必要だという現状ではありませんので、今後の感染者数の状況の推移をしっかり見極めた上で、必要な段階で宿泊施設の対応ということも、対策本部で医療機関以外を使うという意思決定をしていく形になると思いますけれども、そこの段階から具体的な形で宿泊施設での受け入れを行うようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 知事のお話を伺っていると、かなり順調に500人体制というのは進んでいるように思うのですけれども、一方で感染の拡大具合というのも、4月に入ってきのうまでで54人ですけれども、退院したのは確かきのうまでの時点で12人。このペースだとペースが上がらなくてもゆるゆると増えていってしまうというところもあります。知事としては医療体制の充実と感染拡大の抑制という両面で取り組むとおっしゃっていますけれども、どういったところが今後の課題になると思っていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 まず一つは長野県内の医療関係者の皆さまには積極的なご協力を頂いているということで、大変ありがたく思っています。ただその反面、今お話があったように毎日のように感染者が確認されているという状況ですので、非常に緊張感を持ちながらしっかり対応していかなければいけない局面だと思っています。特に緊急事態宣言発令中ですので、われわれの目標は何回もこれまで申し上げてきているように、医療の提供能力を超える患者が出ないようにしていくということです。そういう状況になってしまうと本来救える命も救えなくなってしまうということですので、そうした状況は何とか避けなければいけないと思っています。そのために今医療関係者の皆さまのご協力で医療提供体制の充実に取り組んでいますが、その反面、県民の皆さまお一人お一人の行動が感染者の数を減らしていくということにつながると、人との接触機会を減らしていただくということが感染者の増加を抑えるということになるということを、ぜひ今一度多くの皆さまにご理解いただいて、この取り組みにすべての県民の皆さまにご協力いただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 10日に500人のことを発表なさったときに、これも今時点での目標だとおっしゃったのですけれど、この先についても医療体制の充実というのは視野に入れているということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず500人の患者が出ても対応可能な段階まで何とか持ってくることができました。患者の発生状況を見ながらの対応にこれからなってくると思いますので、クラスター等が発生すると一気に感染者の数が拡大するような状況もありますので、そうした状況を片方で見極めながら、医療提供体制の在り方についても引き続きしっかり関係の皆さまと協議を進めていきたいと思います。

日本農業新聞 藤川千尋 氏
 今回の経済の下支えの件でお伺いします。予算で「信州ふるさと割」ですとか、あとは県産品を「食べて応援」という県産品の消費拡大策というのは打ち出されたのですが、一方で佐久地域を中心に外国人技能実習生が来日できない等で産地の労働力、マッチングとか他産業の動きもあるようですが、労働力不足が今回結構懸念されています。その上で現状の農業分野の認識と、県としてこれから産地をどう支えていくか、知事の考えをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 先日もJAグループの皆さまからご要請をいただきました。今農業に携わっている皆さまにとっても、とりわけ例えば飲食店等が休業になってしまっていますので、比較的高価格帯の農産物についてはなかなか厳しい状況だと伺っています。そういう中で今回インターネットを通じた県産品の販売等についても県として取り組んで、農家の皆さまを応援していきたいと思っていますし、また一方で例えば花卉(かき)とか、牛乳とか、そうしたものについてもみんなで購入して支えましょうという運動も、JAグループの皆さまとも一緒になって長野県として取り組んできています。引き続きこうした観点での協力、支援も行っていきたいと思っています。また人材の確保については、海外からの労働力に頼っているだけではなかなか地域の農業が維持できないということもありますので、こうした点については例えば地域の観光業に携わっている皆さまとのマッチングとか、そうした取り組みを行っています。今非常に人手が足りなくなっている農業のような分野と、それから休業して人手が余ってしまっているという分野がありますので、そうした部分のマッチングについても県としてしっかり応援していきたいと考えています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 政府が国民に一律給付する10万円の件ですけれども、知事は受け取る場合にどうお使いになる予定なのかということと、今回発表された県補正予算には地域の飲食店を応援する事業がありますが、こうした事業に10万円などを使うお考えというのはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 後の方はどの事業ですか。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 クラウドファンディング活用応援事業です。

長野県知事 阿部守一
 10万円の個人給付については、まだ私は全く何も考えていません。それからこの10万円の給付は、個人の皆さまのお手元にできるだけ早く給付することが重要で、そのことについては市町村の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思いますけれども、どういう形で使われるかというのは受け取られた皆さまの主体的なご判断だと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 学校の関係なのですが、休校のさらなる延長の動きが全国的に見られますが、知事として休校の再延長を市町村に要請することについてはどうお考えですか。例えば宣言の対象期間が延長されれば休校も延長させるお考えなのか、それとも感染状況を見て、再開を含めて独自に検討するお考えなのかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 冒頭も申し上げたように、子どもたちの教育機会がなくなってしまっているという状況は、私も重く受け止めなければいけない事態だと思っています。他方で昨今の状況を見ると、子どもたちにも全国的には感染事例が随分出ているという状況にもなっていますので、長野県における新型コロナウイルスの拡大状況等をしっかり見極めながら、教育委員会とも十分相談しながら、対応を考えていかなければいけないと思います。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 その対応を決めるタイミングとしてはどういった点が考えられますか。

長野県知事 阿部守一
 遅くとも連休明けまでには決めていかなければいけない状況だと思いますけれども、一つは緊急事態宣言自体がどうなるのか、全国的な宣言が発令されている中でどうなのかということも念頭に置きながら対応していかなければいけないだろうと思います。そういう意味で政府においてはできるだけ早めの方向付けをしていただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 パワーポイントの最後にある買い物時の混雑のお願いの話なのですが、事業者に対してはどういった措置を求めるお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 すでに各事業者の皆さまはいろいろ工夫をしていただいている状況ですけれども、県民の皆さまへのお願いの表、裏の関係になろうかと思います。例えばできるだけ混雑する時間帯を避けていただくよう呼び掛けていただくということ、そのためには何時ごろが混んでいますというような広報をしてもらうとか、レジに並ぶときも一定の距離を取ってもらう目印を足元に置いていただくとか、消毒液を設置していただくとか、すでにお取り組みいただいているところがかなりありますけれども、改めてこうした点についてしっかりお願いしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 国の通知には入場制限なども含まれていると思うのですけれども、そういった点についてはどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 どうしても人混みができてしまうという場合には、そうした対応も含めてお願いしていかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 最後にもう1点。全国の首長には自らの給与を削減する動きもありますが、知事はこうした動きについてどうお感じですか。つまり自らもそうした削減をするといったお考えをお持ちなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 全く白紙です。それぞれの地方公共団体の置かれた状況で、それぞれの皆さまが自らの責任でご判断されているものと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 医療提供体制の関係でお尋ねします。病床数を500床程度に増やすと4月10日の時点でおっしゃっていた件について、今現在少なくとも300と伺いました。4月中というとまだ1週間程度あるけれども、ざっと計算して200届いていませんが、この理由というのはどういうことでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 届いていないとは。

中日新聞 我那覇圭 氏
 当初500人程度という目標を掲げていたと思うのですが、今少なくとも出ている数字というのが300だと、差し引きで200ぐらいまだ届いていないと思うのですが、ある程度見通しが立っているのか。

長野県知事 阿部守一
 500というのは、「500人以上の受け入れが可能」ということで、宿泊施設の活用も含めて500ということです。そういう意味でかねてからお話ししていた目標についてはほぼ達成できたと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 4月の頭のときにありました「自宅」というところが抜けているのですけれども、新しい図では。先ほどご説明がありましたが、これは方針を変えたということなのでしょうか。埼玉の事例もありましたけれども、そういうふうに理解してよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 方針を変えたというか、軽症者、あるいは無症状者については宿泊施設、あるいはご自宅でということを考えてきたところですけれども、先ほど申し上げたように、専門家懇談会の皆さまのご意見を伺っても、今回の新型コロナウイルスは病状が急変するケースもあるということで、どうしてもご自宅で対応した方がいいという方以外は、できるだけ宿泊施設にお入りいただくことが望ましいのではないかと言われています。また全国的な動向も、まさにその方向になりつつあると思っています。県としては特別な事情がある方についてはご自宅ということももちろん全く排除はしませんけれども、基本的には医療機関、医療機関でなくても大丈夫だと医師が判断された場合には宿泊施設という形で対応していきたいと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 確認までなのですけれども、当初500人で自宅を入れていたときに、このときは専門家懇談会の意見というのは聞いていなかったのでしたか。

地域医療担当部長 牧弘志
 自宅療養の話ですけれども、当初軽症者については自宅療養が原則だという厚生労働省の通知がありましたので、それを基に自宅療養ということもこの中に含めると考えたところです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 恐らくきのう加藤勝信厚生労働大臣が表明したこともあったと思うのですが、そこら辺も今回のこの判断に影響していると理解してよろしいですか。

地域医療担当部長 牧弘志
 そのとおりです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 変えたとなると、もともと自宅を見込んでいた分というのは、もちろん例外はあると思うのですけれども、その分だけ基本的には宿泊施設で受け入れると理解していいのでしょうか。となると、さらにまた予算措置を今後検討しているということでいいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 当初お示しした段階でも自宅が何人、宿泊施設が何人という形で厳密に分けていたわけではありませんし、新型インフルエンザ等対策特別措置法の行動計画上も自宅対応というのが全面に出た形で一般的な感染症対策は構成されています。だから厚生労働省も当初は自宅が原則という形だったと思いますけれども、先ほど申し上げたように、われわれがご意見を伺っている皆さまも、ご自宅は例外にした方がいいのではないかということですのでこういう対応をしますけれども、基本的な考え方が全く変わっているというものではないと思っています。 

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 2 リニア中央新幹線について

中日新聞 我那覇圭 氏
 
話が変わるのですけれども、リニアの関係でお尋ねします。きょうの話としてコロナウイルスの関係で長野工区の工事がなかなか進まなくなってしまっているという状況が聞こえてくるのですけれども、足元で県が動かしている関連する事業とかにどのような影響が出るとお考えになっているのか。併せてリニア自体がまだ進んでいなかった、もともと課題があったという中で、その上に終息が見えないコロナウイルスというのが重なってくるとなると、開業時期が2027年とまだ少しありますけれども。そこに何か影響が及ぶのではないかということを心配する向きも地元ではあるのですけれども、それについて知事はどういうふうにお考えになりますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
JR東海には、開業時期については県としても重視しているということを常々申し上げてきています。今新型コロナウイルスの影響等がいろいろな方面に出ている中で、リニアの工事にも及んできつつあるのかと思っていますけれども、県としてはしっかりJR東海の考え方をお伺いする中で対応を行っていきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
現時点で何か、例えば県の対策とかに直近で影響が及ぶということはありますか。

長野県知事 阿部守一
 
長野県として取り組んでいるのは基本的に道路整備等の基盤整備ですので、そういう意味で地域の交通ネットワークの利便性を高めていくという観点による事業ですので、そこは基本的には着実に進めていきたいと思っています。ただ伊那谷自治体会議等でいろいろな取り組みを行ってきていますので、今後JR東海の考え方、あるいは状況認識をしっかり聞いた上で対応していきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
確認なのですが、開業時期に与える影響というのは今の時点でどういうふうにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
それはJR東海がどう考えているのかというのを聞かなければ、私の方では今の時点では判断できません。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
社長なり、どなたか幹部なりと近々お会いになり会談というか、協議するお考えは。

長野県知事 阿部守一
 
今の時点では予定はないです。

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 3 新型コロナウイルス感染症への対応について2

中日新聞 我那覇圭 氏
 
スーパーの関係ですけれども、実際今知事のお耳にされている範囲で、県内で例えばすごく密な状況になっているとかというお話をお耳にされているようでしたらお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 
この間も少し申し上げましたけれども、店舗によっては例えば割引日とか、割引率が高い日とか、そうしたものを設けている事業者もありますので、そういうときは通常と比べると人が多いという話も伺っていますので、先ほど申し上げたように、事業者側にも「密」な空間ができないような取り組みをお願いしていきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
知事として3日に1回とか、そういう何か目安みたいなものを示すお考えはありますか。

長野県知事 阿部守一
 
東京の買い物の感覚と長野県の買い物の感覚は、必ずしも同じではないのではないかと思います。本県の場合は結構自家用車で行かれる方も多いと思います。東京の場合は一度にあまりたくさん買えない、長野県の場合は結構1回当たりの買う量は、恐らく東京に比べると多いのではないかと思いますので、東京都と同じような取り組みでいいかというと、必ずしもそうではないと思います。長野県の状況に合った対応を事業者の皆さまと一緒に工夫していきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
今ポイントの話がありましたけれども、私もここまでの状況になる少し前になりますけれども、そういうときにすごく並んでいるのを見たことがありまして、かなり密集しているという印象を抱いたことがあるのですけれども、先ほどおっしゃったのは、例えば事業者側にポイントデーの在り方の見直しを呼び掛けてみるとか、そういうお考えはあるということですか。

長野県知事 阿部守一
 
そこは多分事業者の皆さまの営業判断だと思いますけれども、ただそうした場合でも、先ほどのソーシャルディスタンシングでちゃんと列を並んでいただくとか、あるいはあまりにも多くの人たちが空間に入ってしまわざるを得ない状況であれば、それは順次入場していただくようにするとか、そうしたことはお願いしていかなければいけないだろうと思います。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 
先日取りまとめをされた全国知事会の緊急提言の関係でお伺いします。その中で大型連休中の県境を越えた人の移動の最小化をするため、「国管理の道路の規制」という部分を提言されました。国は物流の関係上難しいということをおっしゃっているようですけれども、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
例えば宿泊施設の取り扱いも、今回新型インフルエンザ等対策特別措置法の関係で、国は今までの考え方よりも少し緩い、緩いというか観光の宿泊施設については事業継続をしっかり行ってもらう施設としては位置付けないという考え方も示されてきています。その考え方自体は現状とか地域の実情に合った方向性だと思いますので、そのこと自体はいい方向に変わりつつあると思いますけれども、ただ一方で緊急事態宣言が出されて、本当に国民生活、経済活動に大変な影響が生じている中で、今の法制度全体が本当にそうした状況に合っているのかということについては、今一度政府においてはしっかり考えていただきたいと。例えば道路。基本的に道路法上は誰でも通行していただくということが基本だと思いますし、県もそうした考え方で取り組んできていますけれども、例えば観光利用が専らの道路というものも全国にはたくさんあるわけですので、そうしたものも本当に同じ扱いでなければいけないのかということも含めて政府においては考えていただくことが必要だと思っています。

毎日新聞 島袋太輔 氏
 
観光用の道路が側面という部分もあるというお話がありましたけれども、例えばきょう開通された志賀草津高原ルートに関しては、まさに冬期閉鎖されていることなどを鑑みると、観光面はかなり強い部分なのかと思います。志賀に関して、知事として個別に国に対して閉鎖をしてほしいというお考えはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 知事会を通じてそういう要請をしていますし、先ほど申し上げたように、県としては観光客の往来を食い止めるという観点で県境対策もしっかり行っていきたいと思いますので、そうした中で対応していきたいと思っています。

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4 長野県護国神社例大祭について

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 
30日、長野県護国神社の例大祭ですが、知事は昨年まで3回参列していらっしゃるのですけれども、今年はどうされますか。

長野県知事 阿部守一
 
今年は平日ですので伺う予定はありません。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 
それは平日だという理由だけですか。コロナウイルス対策で自粛を呼び掛けている立場であるからということはないですか。

長野県知事 阿部守一
 
いろいろな要因がありますけれども、これまでも私としては公務優先ということで取り組んでまいりました。お話のとおり、もう連日新型コロナウイルス対策で忙殺されているという状況ですので、私としては公務優先ということで全力投球していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 
行かない代わりに玉串料を送ったりとか、あるいは供物などを送るということはありますか。

長野県知事 阿部守一
 
全く考えていません。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 
崇敬者会の会長の判断を有識者に聞いて考えると表明されてから8カ月たつのですが、今も変わりはないですか。

長野県知事 阿部守一
 
変わりないというのは。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 
今も有識者に聞いているという状況ですか。

長野県知事 阿部守一
 
大変申し訳ないのですけれども、新型コロナウイルス対策をやっていますので、有識者のご意見をお伺いするいとまもなければ、お会いする時間も取れないという状況です。ただこれまでいろいろな方のご意見は伺ってきていますけれども、今は県民の皆さまの命を守る対策に専念したいと思っています。

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5 新型コロナウイルス感染症への対応について3

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
医療提供体制の方に戻ってしまうのですけれども、クルーズ船のときには横浜から、要するに他県から患者を受け入れるということをやられたと思いますが、今回500人程度の入院医療体制が整ったということですけれども、もし近隣の県で医療体制が逼迫(ひっぱく)する状況が生まれたときに、他県から患者を受け入れるということは可能性としてはあると。

長野県知事 阿部守一
 
仮定のお話に今答える状況ではないと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
基本的には長野県内で発生した患者のための施設という認識ということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 
県としてはそのために確保していますけれども、ただクルーズ船の患者の方を受け入れたときも、人道的な立場から協力しなければいけないということで受け入れています。日本全体の感染者数の動向がこれからどうなるかということは、今の時点で私は見通せません。もう何とか大都市も含めて収まってもらいたいと思っていますが、国全体を挙げて対応しているわけですので、今は全国的な状況をしっかり抑えていくということに力を合わせていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
関連してなのですけれども、今回の借り上げる民間の宿泊施設なのですけれども、現段階では交渉している施設名ですとか、企業名を公表できないということですが、早めに公表した方が県民の方がこういう施設があるというのをはっきり認識できて安心できるかと思うのですけれども、公表のタイミングというのはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
メディアの皆さまはすべて公表側でご意見を言われるので、先ほど申し上げたように、長野県の優先順位は今医療機関です。医療機関だけでは対応しきれない状況になってくれば宿泊施設を活用するということで、今からそのための準備は万全に整えているということですけれども、あまり早い段階から活用させていただくということになると、例えば名称が出ると今営業されているところは、もう完全に患者を受け入れる前から風評被害というか、予約も恐らくキャンセルされてしまうと思います。また県としても活用する段階から公費を支出して借り上げるという形になるわけですので、必要性がまだない段階から全部を空けさせて県が公費を投入することは、どう考えてもあまり効率的ではないと思います。そういう意味で今の段階では、しっかり準備を進めているということでご理解いただければと思います。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
ではもう本当に医療機関だけではままならない状況になって、まさに民間施設も活用しなければいけないと、そのタイミングでこの企業のこの施設というところも公表する、そういう認識でよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 
実際に活用する段階で、もちろんどこの施設というのは言わなくても分かってしまうことになると思いますけれども、今の段階ではそうした段階ではないと思います。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
例えば県ですとか、市町村営の宿泊施設ですとか、宿泊施設に近いような施設がもしあれば、そういうところを活用されていくという、そんなお考えというのは県の方でおありでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
宿泊施設ならどこでもいいという話ではなくて、厚生労働省の方からも一応の考え方の基準というのも示されていますので、そういうものにできるだけ合致した施設で対応していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺知弘 氏
 
市町村ですとか、県が持っている施設では、それに合致する施設があまりないということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
新型コロナウイルスの患者を受け入れるのに適切な施設ということで、幾つか条件があると思っています。施設に入られた方が年中、相互に交流してしまう施設では困るので、例えば一般的な温泉旅館みたいなところは、なかなかなじまないと思っています。そういう意味でいろいろな条件を設定した上で、そうした条件に合致する施設という形で進めているところです。
 ありがとうございました。

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電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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