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更新日:2021年1月29日

知事会見(令和2年(2020年)10月22日(木曜日)11時02分~12時10分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 令和3年度当初予算編成方針について
  2. 第15回「地域ブランド調査2020」、2020年版「47都道府県幸福度ランキング」について
  3. 秋・冬の観光を安心して楽しんでいただくための共同メッセージについて
  4. 「Nagano Fledge」、「ワーケーションEXPO@信州」の開催について
  5. 日本みどりのプロジェクトについて
  6. 沖縄訪問について

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取材者からの質問

  1. 令和3年度当初予算編成方針について1
  2. 新型コロナウイルス感染症への対応について1
  3. 沖縄訪問について1
  4. 行政手続きのデジタル化について
  5. 沖縄訪問について2
  6. 令和3年度当初予算編成方針について2
  7. 新型コロナウイルス感染症への対応について2
  8. 令和3年度当初予算編成方針について3
  9. 新型コロナウイルス感染症への対応について3

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本文

阿部知事からの説明

 1 令和3年度当初予算編成方針について

長野県知事 阿部守一
 それでは22日の会見を始めます。私から冒頭、6点お話ししたいと思います。
 まず来年度の当初予算編成方針についてです。本日の部局長会議で、この方針を庁内に徹底しましたが、基本的な考え方は、「しあわせ信州創造プラン2.0」を着実に進めていくということ、それから新しい時代の行政経営への転換と財政構造改革を進めていくということです。具体的な取り組みとしては、新型コロナウイルス感染症への対応は引き続き行っていきますが、新しい視点での取り組みの推進ということで、2050ゼロカーボンに向けた取り組み、そしてDX(デジタルトランスフォーメーション/ITの浸透が人々の暮らしをあらゆる面でより良い方向に変化させること)を意識した政策形成ということで進めていきます。政府においてもデジタル化の推進ということで、菅内閣の下、かなりデジタル化も加速化をしていきそうな状況ですし、また一部報道によれば、国においても2050年ゼロカーボンの目標を掲げていくという報道もされていますので、県が目指していく方向性の追い風になるものと考えています。
 部局全体で政策を進めていく上で、大きなテーマとして五つ掲げています。いずれも特定の部局の仕事というよりは県庁全体で進めていかなければいけない施策だと思っています。「新型コロナウイルス感染症への対応」、医療・検査体制の充実はもとより、新型コロナウイルスで影響を受けている暮らしや産業の支援ということも引き続き行っていかなければいけないと思います。それから「アフターコロナも見据えた未来への投資」ということで、コロナ禍で地方回帰の動きが少しずつ見られるようになってきていますし、また産業の在り方というものも大きく変わっていく部分もありますので、そうした今のコロナ禍で、未来に向けて新しい時代を切り開いていく側面での取り組みも進めていきたいと思います。それから先ほど申し上げた『「長野県DX戦略」の具体化』、『「2050ゼロカーボン」の実現に向けた取組』。そして最後に、「災害からの復旧・復興、災害に強い県土づくり」は引き続き重要課題ですし、ソフト面、ハード面、両面からしっかり進められるような予算にしていきたいと考えています。厳しい財政状況の中ですので、選択と集中を徹底しながら、県民の皆さまの期待に応えられる予算にしていきたいと考えています。

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2 第15回「地域ブランド調査2020」、2020年版「47都道府県幸福度ランキング」について

長野県知事 阿部守一
 それからもうすでに報道されていますが、地域ブランド調査と都道府県の幸福度ランキングが出されましたので、触れておきたいと思います。ブランド総合研究所の地域ブランド調査、都道府県魅力度ランキングで長野県は8位ということで、昨年の10位から二つ順位が上がりましたし、最も魅力度がアップした県だということで報道いただいています。とはいえ、私としては北海道と長野県の差はまだかなり大きいと思っています。ベストテンに入っているということは、いいことでもありますし、行政のみならず多くの皆さまの取り組みの成果だと思っていますが、さらに上位になるように頑張っていきたいと思っています。
 それから幸福度ランキングですが、長野県は5位。数年前は1位だったので、こちらも上位ですし、実際の点数の付け方のトータルの総合評価を見ると、上位5都県とその下とは一定程度開きがあるので、安定的に上位の評価を頂けているということはありがたいと思っています。ただこちらも内容をよく分析して、今後の施策を組み立てていきたいと思っています。点数自体は2年前より上がっていますので、抜かれた県がもっと点数が上がっているという状況になっています。いろいろな分野別に指標が設定されていますけれども、県としては個々の指標をよく分析して今後の施策に役立てていきたいと思っています。

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3 秋・冬の観光を安心して楽しんでいただくための共同メッセージについて

長野県知事 阿部守一
 
それから昨日、関東地方知事会議が開催されました。そこで共同メッセージを発出することを決定いただきました。長野県から提案して、観光については単独の都道府県だけの取り組みではなかなか観光振興はできませんので、「秋・冬の観光を安心して楽しんでいただくための関東知事会 共同メッセージ」ということで取りまとめいただきました。旅行される皆さまには、旅の前から準備をして健康管理していただきたいと思いますし、また旅の途中でも感染防止対策にぜひご協力いただきたい。そして受け入れる各事業者の皆さまにあっては、感染防止対策をしっかり行うことも含めて旅行される方が安心して楽しい旅を送っていただけるように引き続き取り組んでいただきたいと思っています。「都民・県民の皆さまへ」ということで、「他都県からの観光客を温かく迎え入れましょう」ということで、1都9県共同のメッセージとして出しました。長野県も秋の観光キャンペーンをスタートしていますので、ぜひ県民の皆さまにも県内観光をお楽しみいただきたいと思いますし、近隣県ともこういう取り組みを行っていますので、まず相互に行き来をして、コロナ対応で行動しづらい状況がずっと続いていますけれども、感染防止対策を行いながら、観光は行っていっていただきたいと思っています。

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4 「Nagano Fledge」、「ワーケーションEXPO@信州」の開催について

長野県知事 阿部守一
 
それから本日の部局長会議で報告がありました「Nagano Fledge(ナガノ フレッジ)」と「ワーケーションEXPO@信州」の開催についてです。信州ITバレー構想を進めていく中で、これまでも例えばアプリコンテスト等、個別に進めてきた施策もありますけれども、IT人材の育成、あるいはIT企業の集積ということを目指しているITバレー構想を加速化させるために、さまざまな取り組みを一定期間に集約して行っていきたいと考えています。ITバレー構想も多くの皆さまのご協力の中で、多くの企業も巻き込みながら進めてくることができています。オンラインでも参加できますので、ぜひ多くの皆さまに長野県の今のIT人材の育成であったり、ITによる産業の活性化であったり、そうした事例であったり、方向性について共有いただく、そうした機会にしていきたいと考えています。それから「ワーケーションEXPO@信州」についても11月5日、6日に開催します。こちらについても先ほど申し上げたように、地方回帰の動きの中で、国においても関係省庁でワーケーションへの取り組み支援ということが検討されていますし、長野県も和歌山県と一緒にワーケーション自治体協議会を設立して、多くの地方団体と連携しながら取り組む体制ができています。コロナ禍ですので、アフターコロナを見据えて、一気にワーケーションが広がるように取り組んでいきたいと考えています。小泉環境大臣からはまたメッセージを頂く予定にしています。ワーケーションを進める上でも、秋の観光キャンペーンの中に入れていますけれども、「信州連泊エンジョイプラン」ということで、「Go To トラベル」に上乗せして2泊目までは2000円引き、そして3泊目以降7泊目までは3000円引きというプランをつくっていますので、こうしたことをアピールしていきますし、ワーケーションのような長期滞在型の観光もこれから県として振興していきたいと思いますので、こうした取り組みをセットでワーケーションを進めていきたいと思っています。

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5 日本みどりのプロジェクトについて

長野県知事 阿部守一
 
それから5番目ですけれども、「日本みどりのプロジェクト」というものをスタートしていきたいと思っています。今、長野県が置かれている状況も、日本全体が置かれている状況も、一つは人口減少社会の中で交流人口を拡大していかなければいけない、地域経済を活性化させ、地方創生を実現していく上で、地方がしっかり立ち上がらなければいけないということ。それからSDGs(エスディージーズ/国連が定めた持続可能な開発目標)の動きが世界共通の取り組みになる中で、ゼロカーボン、脱炭素化、本県も県議会で条例ができました。さらにこうした地球環境に優しい取り組みを加速化させていかなければいけません。そして私たち一人一人も生物の一員ですので、多様な主体と連携しながら生物の多様性を守っていく、こうしたことが今求められています。そういう中で、高知県、三重県、鳥取県の知事、大阪の観光局、そして本県の観光機構、こうした皆さまと思いを共有して、「日本みどりのプロジェクト推進協議会」というものを設立して、そして大阪・関西万博が2025年にあります。日本の「自然(みどり)」というのは世界からすると非常に魅力的であり、また日本の価値でもあります。そうしたものを発信していくということも念頭に置きながら、官民一体となって「自然(みどり)」を生かして観光振興、あるいは経済の活性化を図っていく、そうしたプラットフォームをつくっていきたいと思っています。「自然(みどり)」、あるいは環境について学ぶ、それから「自然(みどり)」を増やす、「自然(みどり)」を活かす、そして「自然(みどり)」の価値を伝えていく、こうした取り組みを行っていきたいと思っています。日本全体の「自然(みどり・花)」に対する意識の醸成、そして「自然(みどり・花)」に関する事業の創出、そして世界に向けた情報の発信ということで取り組みます。
 そもそものきっかけですけれども、北陸新幹線の敦賀延伸、さらにはそこから先の延伸、そして大阪・関西万博、こうしたものを見据えて、昨年、長野県、そして長野県観光機構と大阪観光局で連携協定を結びました。そこの場で、万博においても日本の「自然(みどり)」というものを大阪として発信していきたいというお話もありましたし、長野県としては気候変動対策をしっかり進めなければいけないと同時に、国立公園をはじめとする豊かな自然環境を守ることと併せて、どう生かしていくかということを考えていかなければいけない、そういう問題意識の中で都市部と地方部が一体となって、そして官民連携で取り組みが進められないかという話になりました。そして長野県は、ご承知の通り気候非常事態宣言を発出して、県民一丸となって省エネルギー、再生可能エネルギーの普及拡大を図ると同時に、まさにゼロカーボンに向けた取り組みは本県だけではなくて、日本全体の取り組みにすると同時に、世界に向けても発信し、世界と連携をしていかなければいけないと考えています。そういう中で協議会を設立しようということになりました。10月25日に設立総会、記念シンポジウムを東京で開催する予定にしています。私のあいさつと、それから小泉環境大臣にも基調講演を行っていただく予定にしています。それから「ABMORI(エビモリ)」でずっと、志賀高原の植樹を行っていただいている市川海老蔵さんにもご参加いただいて、トークセッションに加わっていただく。そして俳優の渡辺謙さんからもVTRのメッセージを頂いて、日本全体で「自然(みどり)」を守る、「自然(みどり)」を活かす、そうした取り組みを行っていきたいと思っています。皆さまのご協力をぜひお願いしたいと思います。

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6 沖縄訪問について

長野県知事 阿部守一
 最後ですけれども、「ツーリズムEXPOジャパン」が沖縄で開催されます。10月28日から30日にかけて観光のPR、そして沖縄県との連携を深めるために沖縄に行きたいと考えています。28日は移動日ですから、29日、30日の実質2日間です。駆け足ですけれども、二つ大きな目的があります。一つは沖縄県との連携を強化していきたいと考えています。玉城知事に30日の金曜日にお目にかかる予定にしていますけれども、海に囲まれた沖縄と山に囲まれた信州、補完関係が成り立ちやすい地理的特性にあると思っています。そういう意味で観光の相互送客の促進、それから沖縄の国際物流拠点を活用したアジア方面への信州産の物産の輸出の促進、さらに信州まつもと空港を活用して、沖縄と信州まつもと空港を結ぶチャーター便の就航、こうしたことについて意見交換したいと考えています。そうした観点で、JTA日本トランスオーシャン航空にもお伺いする予定にしています。それから沖縄のメディア関係の皆さまのところにもお伺いして、沖縄と長野県の連携、そして信州の観光のPRを行ってきたいと思っています。それから「ツーリズムEXPOジャパン」にも参加します。「ツーリズムEXPOジャパン」については2014年から開催され、本県も毎年のように参加してきています。日本最大の観光見本市ですが、従前は東京ビッグサイトで開催されてきていましたけれども、本来であれば今年はオリンピックで会場の確保等の問題もあるということで、沖縄開催という形になっています。国内外から多くの皆さまが参加され、そして出展されます。予想来場者数が2万7000人という非常に規模の大きなイベントですので、長野県としても観光県として、しっかり観光PRを行っていきたいと思いますし、またいろいろな関係者の皆さまと今後の長野県の観光がさらに発展するような連携を図れるようにしてきたいと考えています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 令和3年度当初予算編成方針について1

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 予算編成方針についてお伺いします。知事のご説明の中と部局長会議の中で、基金の取り崩しはなるべくせずに、予算をめりはりのあるもの、選択と集中をするとおっしゃっていました。その中で公務員がすべきこと、もしくは国、市町村がすべきことというような発言があったのですけれども、具体的に何か想定しているものというのがもしあればお伺いしたいのですけれども。

長野県知事 阿部守一
 これから事業の見直しとかを具体的に行っていきますので、現段階でこれとこれが具体的に該当するということを申し上げられる段階ではありません。常に行政の仕事の在り方は見直さなければいけないと思っていますけれども、そのときの観点として、民間でできる仕事なのか、行政でしかできないのかとか、あるいは行政の中でも、そもそも県が本来担うべき役割なのかということについては常に考えるべき課題だと思います。特に財政的には次年度以降も引き続き厳しい環境が続くと見込まれますので、県民にとって望ましい仕事をしていく上では、そうした視点での見直しが必要だと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 もう1点予算編成方針についてですが、今回資料で元気づくり支援金であるとか、その部分で95パーセント、前年からシーリングが設けられているかと思うのですが。コロナの関係でなかなか活動しづらいという部分もあるかもしれないのですが、こういうふうに県民が直接自分たちで考えてできる活動の幅が狭まる部分もあるのかと、そういう意味でいうと若干心配があるのですが、そういう点についてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 事業見直しをすれば、必ずどなたかには影響が及ぶ話です。それは県としての考え方をしっかり持った上で、影響を受ける皆さまに対しては丁寧な説明をして、理解を求めながら必要な見直しを行っていくということが必要だと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 今、知事の発言の中にあった部分で、補足でお伺いしたいのですけれども。次年度予算について具体的には説明いただいているのですけれど、大きな方針としてどのような形にしていくか、今ありました、どうしても削る部分が出てくるというところは税収が100億円近く減るという見込みの中で仕方ない部分もあるかと思うのですが、そういう部分での知事のお考えというのを改めてお伺いしてもよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 「アフターコロナも見据えた未来への投資」とか、『「長野県DX戦略」の具体化』とか、『「2050ゼロカーボン」の実現に向けた取組』とかということを重点テーマとして掲げていますけれども、10年前まではDXだとか、ゼロカーボンだとかという話はあまり前には出てきていなかったと思います。行政の役割も時代とともに変化させていかないと本当の意味で県民の皆さまの暮らしや産業をよくすることができないと思っていますし、時代の変化をしっかり受け止めながら県としての役割を果たしていくということが、今まさに重要な局面だと思っています。そうした中で、これまで続けてきたことを縮小しましょうとか、廃止しましょうということも出てくる可能性がもちろんあります。それは大きな方向性を県民の皆さまと共有して進めていくということが必要だと思っています。今日予算編成方針を定めましたので、大きなテーマに即した取り組みを県として打ち出していくことと併せて、厳しい財政状況の問題意識の多くの皆さまとの共有であるとか、あるいはそうした中で個別にいろいろな事務事業の見直しも今後、来年度予算編成に向けてのみならず、かなり継続的に検討を行っていかなければいけないと思います。その際には関係者の皆さまともしっかり問題意識を共有して対応しながら、ご理解いただきながら進められるように努力していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
 知事の説明の中で行政の役割も変わりつつあるとおっしゃっていたのですけれども、もちろん根本的に変わらない部分も多くあると思うのですが、これまではこうだった、でもこれからはこういうふうになっていくというような行政の在り方の知事としてのビジョンというか、考え方みたいなものを説明いただいてもよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 これ(会見資料1、スライドの2ページ)が私のビジョンと言えばビジョンですけれども。まず行政の基本的な役割としては県民の皆さまの命と健康を守る。今コロナ禍にあってはとりわけ重要な課題だと思っています。そういう意味でコロナウイルス対応と、それから災害対応、この二つは県民の皆さまの命を守るという上からも、これまでの取り組みをさらに継続、強化していきたいと思っています。それから「アフターコロナも見据えた未来への投資」、例えば地方回帰の動きをしっかりつかまえなければいけない。あるいはDXによって産業、暮らしの利便性を高めていく。そしてデジタル化の中で取り残される方が出てこないようにしていく。そしてゼロカーボンで未来の世代に対して重荷を引き継がない。こうしたことについては今まさに取り組まなければいけない重要な課題だと思っています。もちろんここに掲げている以外にも県として継続的にやらなければいけないこと、ベースの施策として重要なこともありますが、未来に向けて来年度以降はこうした点に力を入れて取り組んでいきたいというのが私の考え方です。その一方で漫然と継続してくような事業はないように、そして不要な事業というのは基本的にこれまでも行ってきていないわけですけれども、時代の変化とともに優先順位をどちらに付けるかということを、シビアな検討を行いながら、県民の皆さま、関係者の皆さまのご理解を頂きながら予算編成を進めていきたいと思います。

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2 新型コロナウイルス感染症への対応について1

市民タイムス 田子元気 氏
 新型コロナウイルスの関係で、長野赤十字病院でお亡くなりになられた方が相次いだことについてお尋ねします。対策は病院に負うところが大きいと思うのですが、県内で亡くなられた方がいらっしゃるということで、いかに院内感染を防いでいくか、県としても人の命が関わっている以上、最も重要なことだと考えています。知事として今後どのような対策が必要だと考えていらっしゃるのかというのをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まずお亡くなりになられた方に心から哀悼の意を表したいと思います。新型コロナ対策を進めていくに当たって幾つか重要なポイントがあると思っています。その一つは今お話しいただいた院内感染、あるいは介護施設の施設内感染を防ぐということだと思っています。これまでのケースの中で教訓となるようなところについては関係者と共有できるようにしていきたいと思っています。またクラスター対策チームを設置しています。これまでもいろいろな所に派遣して対応していますけれども、もちろん医療関係者がそこにいらっしゃるわけですけれども、いざというときは外部の目でしっかりアドバイスしていくということも必要だと思いますので、そういう意味でクラスター対策チームを派遣していくということも重要だと思っています。引き続き院内感染、施設内感染が広がることがないように、医療関係者、福祉関係者の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思っています。

市民タイムス 田子元気 氏
 長野赤十字病院のケースでは長野市保健所は記者会見という形を取らずに、記者レクという形で公表されていました。長野市以外の他の県内の病院で院内感染が発生した場合、県として記者レクの形を取るのか、それとも記者会見、テレビカメラを入れるという形を取るのかというのは、方針というのは決まっていらっしゃるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的にはクラスターの発生等のときには会見をする形にしていると思います。長野市がどういう状況でどういう判断をされたかというのは私も直接は伺っていませんけれども、県としてはこれまでメディアの皆さまにお伝えしてきた考え方で対応していきたいと思っています。例えば不特定多数の方に広がる可能性があるとか、あるいはクラスターの発生であるとか、そういうときには会見してお伝えしていくという形でお伝えしているかと思いますが、基本的にはそうした方針の下で対応していきたいと思っています。

市民タイムス 田子元気 氏
 クラスターではなくて最初の感染者が出た場合、院内であると今回の長野赤十字病院の事例で死亡リスクというのが極めて高いということで、初報がものすごく大事になると思います。私の考えではクラスターの発生というようなところにかかわらず、院内で感染した場合は即時、記者会見を開くべきだと考えています。それと長野市保健所の対応に至っても、これだけお亡くなりになられると、人命が最も尊いわけですから、県と歩調を合わせて会見という形を取られるべきなのではないでしょうか。お考えをお聞きします。

長野県知事 阿部守一
 県の専門家懇談会に長野市の保健所長も毎回参加してもらっていますので、県としての考え方は共有してもらっていると思っています。ただ具体的なケースにおける判断は長野県の場合、長野市しか保健所の設置市がない状況で、今度松本市も保健所設置市になっていきますけれども、いわば独自の責任と権限があるわけなので、他の県でも保健所設置市との関係性は難しい部分があるやに聞いていますけれども、長野県の場合は比較的問題意識を共有しながら連携が取れていると思っています。ただ対外的にどういうときに公表するかというところまで県が全体で統一する状況にはなっていませんので、私の問題意識はできるだけ県と市町村が同じ形の方がいいと思っていますので、それは常に私からは申し上げています。そうなるように引き続き長野市とは調整していきたいと思います。それから1例でも病院内の場合は会見すべきだというご指摘ですけれども、恐らくケース・バイ・ケースではないかと思います。例えば明らかに新たに入院された方だけが感染して、もう防御対策を取られていて、そこから広がるような恐れがない、でも病院内で発症した方がいるというようなときまでクラスターと同じような扱いをするべきかというと、必ずしもそうでないケースもあり得ると思いますので、そこはケース・バイ・ケースの判断をしていかざるを得ないのではないかと思います。

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3 沖縄訪問について1

市民タイムス 田子元気 氏
 沖縄の関係で1点。議会でも出たのですけれども、松本空港からのチャーター便の就航を考えていらっしゃるということで、時期はいつぐらいの就航を考えているのかというのがもし大ざっぱでもあれば教えていただきたいです。

長野県知事 阿部守一
 私としてはまず沖縄県の玉城知事はじめ関係の皆さまとお話をして、ぜひ積極的にお互いに行き来しましょうという中でチャーター便を増やしていきたいと思っていますので、特定の時期の特定のチャーター便を目的にして話し合うということではないので、いつどうだということで申し上げられるものは今の時点ではありません。

市民タイムス 田子元気 氏
 今回のトップセールスではそういった具体的な話はないということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 沖縄県との交流は先ほど申し上げたように、チャーター便の部分のみならず、先日も私も沖縄のマンゴーを頂いたり、沖縄側で長野県のシャインマスカットを売っていただいたりしましたけれども、そうした物産の交流であったり、あるいは観光の交流であったり、そうした全体の中でチャーター便も実現し、できれば多くの便数を飛ばせるようにしていきたいと思っています。

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4 行政手続きのデジタル化について

長野放送(NBS) 中村明子 氏
 冒頭発言がありましたデジタル化に関係するかと思うのですが、行政手続きの押印、はんこの使用についてお伺いします。政府が次々と廃止、脱はんこの方向性を打ち出していますけれども、県内の手続きにおいてはどのような方向性を考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、事務的には検討していると思います。私は押印の部分も、もちろん検討としては必要な部分だと思っていますけれども、この場でも申し上げたような気がしますけれど、県民の皆さまからよく言われるのは、いろいろな申請にこんなにいっぱい書類を出さなければいけないのかとかです。要は押印のところだけが問題というよりは、全体的な書類の簡素化がもっとできないのかということと、それからDXを進めていく上でオンラインでの手続き、いちいち紙で書いて持って来なければいけないようなものをどれだけオンライン化できるかとか、そうしたことも含めて検討して進めていかなければいけないと思っています。先ほど申し上げたように、「新時代の行政経営への転換」ということも県のテーマですので、そういう中で具体的な検討を進めていきたいと思っています。

長野放送(NBS) 中村明子 氏
 手続きのオンライン化ということは承知しました。一方ではんこは日本の独特の文化でもありまして、そういった部分で名残惜しいというような声もありますけれど、そういった部分に関して知事はどのようなお考えをお持ちでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 はんこの文化というのは私も身に付いているというか、染み付いていますので、もちろん文化として大切していかなければいけない部分もあると思います。ただ日常茶飯事の、しかも厳格な意味での本人確認が求められないような、必要性が低いようなものまで画一的に押印を求めている傾向があるのではないかとも思いますので、そういうところは個別の見直しをしていく必要があるだろうと思います。

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5 沖縄訪問について2

中日新聞 我那覇圭 氏
 沖縄訪問について伺いたいと思います。玉城知事と面会されるということですけれども、「意見交換のテーマ」と挙げていただいているのですが、具体的な成果として、例えば何か協定を結ぶとか、どういった成果を期待しているのか具体的に教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今お話があったように協定の締結というようなことも含めて沖縄県とはしっかり交流していきたいと思っています。ただまだ先方と調整しないとそういう話はできませんので、私の希望としては継続的に、かつここにも観光、物産、航空を書いていますが、これ以外にも例えば長野県からは多くの高校生が沖縄に修学旅行に行っていますので、そういう子どもたちの交流とか、できるだけ幅広い分野で友好交流ができるような環境を作っていきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 何か協定を結ぶとかというよりも、それに向けた地ならしみたいなそういうような位置付けと理解してよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 継続的な関係性をつくっていく上の最初のスタートという形の位置付けになると思います。

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6 令和3年度当初予算編成方針について2

中日新聞 我那覇圭 氏
 予算編成方針の「一般会計財政見通し」のところで収支差が140億円と出ているのですけれども、漠然とした質問で申し訳ないですが、これをどう受け止めていらっしゃるのか。あと一部理由は書いてありますけれども、なぜこういうことになりそうなのか改めて教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これはあくまでも仮試算です。ただ今回こういう形で公表しているのは、これまでと同じような感覚で予算編成できないということと、それから限られた予算をどこに振り向けるかしっかり考えなければいけませんけれども、それには県民の皆さまのご理解とご協力が不可欠です。そういう意味で県民の皆さまと、試算という形ですけれども、今の大枠の状況を共有したいということで公表しているものです。ただ非常に機械的な計算になっています。「試算の考え方」にも書いてありますように、人件費とか公債費は所要額ですけれども、社会保障関係費は自然増等を踏まえて、その他の経費については令和2年度当初予算と同額を基本ということにしていますので、あくまでもいろいろな見直し、検討を行わないで漫然と今年度と同じような予算を組むとこういう形になってしまうというものです。変わり得る要素としてはもちろん県が主体的な意思を持って持続可能な予算編成を行っていくということと、それから来年度の国の予算とか地方財政対策がどうなるかということによっても、かなり大きな影響を受けてくるだろうと思います。例えば新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金も、昨日の関東知事会の場においても次年度以降の継続をしっかり国に求めていく必要があるということで申し上げましたけれども、来年度そういう措置がされるか、されないかによっても今年度と同じような規模で考えれば数十億円単位で収支差が変わってくる可能性があります。そういう意味で現時点では変動要素がかなり大きいわけですけれども、国としてニュートラルに、あまり地方財政に手厚い措置を講じないで、かつ県の予算も令和2年度当初予算と同じような予算計上するとこれぐらいの形になるというものですので、そういう前提でご理解いただきたい。ですからこれがそのまま来年度当初予算の姿になるということではないわけで、これから全国知事会議等もありますけれども、国には地方財政の充実を引き続き知事会全体で強く求めていくということになると思いますし、県自身もできる改善努力をここから行っていくということです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 令和2年度当初予算で124億円とあるのが、これを読むと140億円に広がっているということで、資料だとプラスアルファといって、さらに遊びの部分というか、さらに膨らむ部分を想定しているのかと思うのですけれども、広がっていることについては率直にどういうふうに受け止めていらっしゃるでしょうか。財政的な意味で。もちろん変動要素があるというのは承知の上で。

長野県知事 阿部守一
 一番大きな要素は来年度の収入、特に税収見通しが非常に厳しいことが予想されるということが大きいと思います。今年度も税収が大幅に減ることは見込んでいますけれども、そうしたものに対する減収補填(ほてん)債のような措置も、これまでの税目をもっと広げて、例えば地方消費税も減収補填(ほてん)債の対象にしてもらうようにお願いしていますけれども、そうした国の財政措置との兼ね合いで、どこまでリカバーできるのか、どこまで一定の財政措置を持った形での税収減を補填(ほてん)できるのか、そうしたことにもかなりよってきます。ですから、そうした努力を国との関係でも行いますし、県としても持続可能な財政になるように取り組んでいくということが求められていると思っています。

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7 新型コロナウイルス感染症への対応について2

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 先ほども話題になりました新型コロナの死亡例の関係ですけれども。確認したいのですけれども、長野県としては最近の3例の死亡例に関して長野赤十字病院との関連というのはどのように説明を、現在ではなさるのでしょうか。そこを伺いたいのですけれども。長野赤十字病院の関連、入院患者だった方ということでいいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは会見をやっている者から説明させたいと思います。

感染症医療対策監 加藤浩康
 会見のときにもお話ししている通りで、死亡例の方についての治療経過等については特にお話ししていないという形でしていますので、そちらについてはコメントを差し控えたいと思います。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 死亡された方の治療経過については話さないというお話でしたね。分かりました。つまり最近の3人の方の死亡に関していうと、長野赤十字病院に関係ある人が含まれるのか、含まれないのか。含まれるとして何人含まれるのかということは分からないということです。長野県の今までの新型コロナ対策で、第1波のときは重症者もそれなりに出たけれども、死亡された方が1人もいなかったということ、誇るというのとは違うかもしれませんけれども、自負を持って説明もされてきたと受け取っています。それがここへ来て、10月11日、12日の2日間に立て続けに3例亡くなるということがあった。これについて最近の変化についてはどう捉えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 変化というのは。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 変化と言うか、要するにずっと死亡についてはかなり抑えてきたものが、ここへ来て立て続けに3例死亡例が出たということはなぜだと捉えているのか、あるいは単純に受け止めとしてはどんなふうに受け止めていらっしゃるのか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、院内感染を防いでいくということが重要なテーマです。これまでも、これからもです。そういう中でお亡くなりになられる方がいらっしゃるということは、私も重く受け止めなければいけないと思っています。いろいろな課題とか教訓というのは医療関係者の皆さまとしっかり共有していかなければいけない部分もあると思っていますし、また医療機関に対する支援体制、あるいは日頃の対応についてのお願い、こうしたこともしっかり行っていくということが重要だと考えています。いろいろな状況の方がいらっしゃいます。基礎疾患がおありになる方の場合は、直接的に何が一番の要因でお亡くなりになられたのかというようなことも非常に微妙な判断が必要になるケースもある状況です。また個々の具体的なケースを取り扱う、特にこうした会見の場とか公の場で発言をする際にはプライバシーの保護ということにも相当神経を使わなければいけないと思っています。メディアの皆さまからはもっと出すべきだというご意見があるのは承知していますけれども、できるだけ必要な情報を必要な方にお出しするようにはしていきたいと思いますけれども、機微にわたるところをすべて公開するようなことはなかなか難しい部分が多いというのが私の率直な思いです。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 今のお答えの最初のところで院内感染と知事おっしゃったのですけれども、最近のその3例の死亡例は院内感染が発端で感染したということはいいのでしょうか、そうなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは今までの会見での説明通りだと思います。これまでのケースの中でも院内感染を防ぐための努力をしてきましたが、残念ながら院内感染になってしまったようなケースもありますので、それをどう防ぐかということが重要です。一つ一つのケースがどうであったかということは、感染者とかご家族の方にとっても場合によっては非常に負担になることもあります。ですから先ほどから申し上げているように、医療機関の皆さまに必要な情報提供をしていくというのはこれから改善するために必要な部分もあると思いますけれども、すべての情報をつまびらかにしていくことが本当に望ましいかというと、そうでない場合もあると思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 院内感染かどうかについていうと、今まで健康福祉部の記者レクなどでは明確には言ってこなかったと思います。

長野県知事 阿部守一
 個別のケースとの関連性でどうこう言うというのは慎重でなければいけないと思っています。ただ、いろいろなケースが出てきていますので、こういう部分は気を付けなければいけないとか、こういうところは改善すべきみたいなことは県としてしっかり整理していかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 分かるのですけれども、弊紙で言いますと3人全員とは言わないまでも、かなり長野日赤の院内感染の事例と関係していると、そこで感染した方の死亡例があると捉えていますし、そういうふうに認識しています。ただそれはオフィシャルには全然、行政機関とか病院も公表していない状況です。では何でこんな急に最近、立て続けに亡くなるのだと、今まで何か長野県では重症化はしたけれども、全然死亡例はいなかったとおっしゃっていたけれど、何で急にこんなことになっているのかという、これが全然分からない。皆さん基礎疾患があるというけれども、こんな基礎疾患のある方が突然かかるようになった何らかの理由があるのか、それは病院でかかったからではないのか。もともと院内感染が発端だと分かればというか、認識していればそのような説明ができるのですけれども、そうでない何かどこでかかったか分からないけれど、最近基礎疾患のある方がよくコロナにかかって、よくお亡くなりになっているというような状況というのはなぜなのか、県民が全然分からないと思うのです。その背景が分からない。それは県として説明が十分なのですか。

長野県知事 阿部守一
 県の説明と医療機関の説明と、あるいは保健所の説明と、今どういうふうになっている認識ですか。私も別に情報を隠すつもりは全くないので。ただ先ほど申し上げているように、個々の情報は非常にセンシティブなので、ここのやり取りで、いやここはこうです、ああですというのは正直言って申し上げづらいです。ですから、どこまでどういう情報が出されているのかというのが、県だけが情報を出しているわけではないので。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 簡単に言ってしまうと、病院にしろ、県にしろ、長野市にしろ、最近の例で言いますと、長野赤十字病院の院内感染と見られる感染者が計9人です。従事者と患者さんを合わせて9人ということは実質的に明らかにはしているのですが、その中に死亡者が含まれるのかとか、死亡者は院内感染が発端であったかどうかということについては一切おっしゃっていないという状況です。

長野県知事 阿部守一
 全然隠すつもりはないですし、その一方でプライバシーとか、ご遺族の皆さまの思いに配慮しなければいけないと思っています。具体的にここが足りないのではないかとかというのは県も全く改善するつもりはないという話はないので、何があれば納得することなのですか。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 足りないと思っているのは、なぜこんなに立て続けに起きているのかということを説明する必要があると思っています。そのためにはもし特定の病院での院内感染が発端で、院内感染によって感染されたと思われる方が該当するのであれば、そのことを明らかにすべきだと思います。何例目の感染例の方かとか、それを明らかにしろとは今の時点では別に申し上げるつもりはないのだけれども、要するに何でこんなに最近お亡くなりになるのかと、どこどこの病院、医療機関で感染者がたくさん出た。それは当然、入院中の人であるから病気であるし、という説明はできると思います。

長野県知事 阿部守一
 おっしゃりたいことは分かったので、私のところでも関係機関からどんな情報が出ていて、今、県民の皆さまにどう伝わっているのかというのを整理した上で、改善すべき点があるのかというのは考えたいと思います。

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8 令和3年度当初予算編成方針について3

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 これまでも縷々(るる)説明がありましたけれども、予算編成方針の関係で一つ質問させてください。今回の方針の発表の段階で歳出規模が1兆円を超えるというのは、ひょっとしたら2000年代に入ってからないのではないかと思っています。新型コロナとか、災害からの復旧・復興などで財政規模が増えるというのは致し方ないとは思うのですけれども、今、国全体で財政出動が増えている状況の中で、県でもこれだけ財政規模が増えているということについての率直な受け止めをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 財政規模が大きくなっている要因は、一つは災害関連、復旧・復興、それから例えば千曲川の緊急治水対策プロジェクトをはじめ、県土の強靭化、県民の皆さまの命を守るという観点でどうしても平年ベースから比べると増えていかざるを得ない状況です。もう一つ新型コロナ対策、新年度にどういう状況になっているかというのはまだ見通せないところがありますけれども、完全に終息していないという状況であると、一定程度の医療、検査の部分であったり、あるいは暮らしや産業、雇用の支援であったり、こうしたものが必要になってくると思います。ただ、これまでずっと、いわゆる貯金に当たる基金残高を増やしてきましたし、通常債、建設事業に係る起債の発行も毎年着実に減少させてきました。そうした基調にできるだけ早く戻していくということはしっかり意識しなければいけないと思っています。その反面、今、県内全体、日本全体も非常に経済活動が縮小してしまっているという状況ですので、そうした中で、どうめりはりをつけて県内の活力を維持、発展できるようにしていくかということについては、しっかり選択と集中を徹底していかなければいけないと思います。ですから、まだ仮試算ですので、数字はすべて仮置きですけれども、来年度予算を最終に取りまとめるに当たっては、そうした状況認識であったり、あるいは今後の財政の見通しであったり、より具体的なものを県民の皆さまにお示しして、ご説明できるようにしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 別の話題でもう1点。冒頭の説明の中でも、2050年のゼロカーボンについて国としても首相が示すという報道があるとお話がありました。知事は全国知事会のPT(ゼロカーボン社会構築推進プロジェクトチーム)でも発起人となられて会長を務めていらっしゃると思いますし、これまでも国としてそういった対応をするように求めてきた過去があると思うのですけれども、今回の国の方針の受け止めと、国全体で達成するとなれば、さらなる課題があると思うのですが、そういった課題となり得ることについての認識、所見をお伺いしたいです。

長野県知事 阿部守一
 ゼロカーボンPT、全国知事会としても、私から小泉大臣には2050年セロカーボンの目標を国としても設定してほしい、国としてしっかり旗を掲げてほしいということをお願いしてきていますので、それが実現することになれば大変ありがたく、うれしいことだと思っています。CO2実質ゼロを目指すときには、一つは都道府県とか、市町村とか、例えばまちづくりとか、交通とか、そうした地方が担う役割がかなり重要だと思っていますので、そういう意味で国にも包括的な交付金をつくってほしいということを要請していますけれども、国と地方が一体となって取り組む上でも、そうした財政的な支援をしっかり行ってもらいたいと思っています。また2050年ゼロカーボンを目指すとなると、経済活動等へも、もちろんプラスの影響もあると思いますけれども、業種によっては逆に厳しい状況に置かれかねない場合もあります。そういう意味ではどう産業構造を変えていくかとか、ゼロカーボンへの取り組みも、中小企業等では取り組みにくいところもあると思いますので、そういう事業者をどう支援してゼロカーボンに持っていくかとか、国においては、そうしたSDGsの「誰一人取り残さない」という観点でのきめ細やかな検討も大きな旗を掲げていただくと同時に行ってもらいたいと思っています。それから総理がそういう発言をされるということは大変ありがたいと思いますのは、ゼロカーボンの目標というのは環境省、あるいは経済産業省だけでできる話ではなくて、県としてもゼロカーボンを目指すときには、住宅の問題が非常に大きいと思っています。これには国土交通省のご努力ということも必要になってきますので、そういう意味で政府は「縦割りを排して」ということをおっしゃっていますので、ぜひ政府一丸となってゼロカーボンへの取り組みを進めていただきたいということを強く期待しています。

 

9 新型コロナウイルス感染症への対応について3

中日新聞 我那覇圭 氏
 日赤の関係で1点だけ知事のお考えをお聞かせください。信毎(信濃毎日新聞)さんが先ほども話していましたけれども、複数の人が日赤関係者だとおっしゃっています。ただ、今のところ日赤が公式な確認には応じていないような状況です。プライバシーを守る重要性というのはあるのかもしれないだろうと、その重要性は非常に理解できるのですけれども、どこで何が起きているのかというのを最大限迅速に公表する必要性はあると考えていますが、知事のお考えはいかがでしょうか。日赤の問題に関しては、県のクラスター対策チームというのが入っているのも踏まえて、お考えをお尋ねしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 先ほどお話ししたことと同じです。病院の発表であったり、あるいは長野市の発表であったり、県の発表であったりがありますので、今、県民の皆さまにどういう形で何が伝わっているのかということをよく整理した上で、改善すべき点があるのかということは至急検討したいと思います。
 ありがとうございました。

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