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更新日:2024年3月22日

知事会見(令和6年(2024年)3月14日(木曜日)15時04分~15時54分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 県議会2⽉定例会の閉会について
  2. みすずハイウェイバスの利用促進について
  3. 『信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン』について
  4. 北陸新幹線の敦賀延伸について

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取材者からの質問

  1. 『信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン』について
  2. 松本市長選挙について
  3. みすずハイウェイバスの利⽤促進について
  4. 北陸新幹線の敦賀延伸について(1)
  5. 信州F・POWERプロジェクトについて
  6. ライドシェアの導入について
  7. 移住希望地ランキングについて
  8. 北陸新幹線の敦賀延伸について(2)
  9. 少子化・人口減少について
  10. 令和5年度包括外部監査の結果について
  11. 人口減少下における多文化共生について

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本文

阿部知事からの説明

 1 県議会2⽉定例会の閉会について

長野県知事 阿部守一
 それでは、本日の会見を始めたいと思います。県議会2月定例会も、各議案をご議決いただいて無事終了することができました。今回、9991億円余の当初予算をはじめ、重要な議案を議決いただきましたので、県議会で頂いたご意見も踏まえて、予算の執行、各般の施策の推進にしっかりと取り組んでいきたいと思っています。特に、県議会本会議等でもたくさんご意見を頂戴してきているのが、一つは少子化・人口減少対策、それからもう一つは地震防災対策です。人口減少対策については、県議会でも特別委員会を設置していただいているところですので、県議会とも十分連携しながら、具体的な取り組み方策を検討していきたいと思います。また、多くの方からご意見を頂いたのが、特に県民の皆さまとの意見交換です。女性、若者、子ども、こうした方たちとしっかり意見交換、対話をして、そうした皆さまの現実の課題や悩み、問題意識、こういうことも共有しながら取りまとめていく必要があるというご指摘を多くの方から頂きましたので、まずそこらへんをしっかり進めていきたいと思っています。地震防災対策も、能登半島地震について県民本部で今、支援をしているところですが、孤立集落の発生であったり、避難所の環境の在り方であったり、さまざまな課題、教訓が見えてきている部分があると思っていますので、これまでの長野県の災害対応で経験してきたこと、課題として認識していること、こうしたことをもう1回改めて点検をして、地震防災対策の強化に努めていきたいと思っています。

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2 みすずハイウェイバスの利⽤促進について

長野県知事 阿部守一
 
きょう、私からは大きく3点お話を申し上げます。まず一つは、みすずハイウェイバスの利用促進について(会見資料1)です。皆さまのところに表裏で1枚紙をお配りしているかと思いますけれども、ご承知の通り、みすずハイウェイバスは飯田と長野をつないでいる重要な公共交通です。そうした中でコロナ禍で(1日)8便から4便に今、減便をされている状況もあり、利用者が減少しています。また、燃料価格の高騰、あるいは運転手不足で、運行いただいている事業者の努力だけではなかなか運行継続が難しい状況になってきたということで、今回、運行継続に必要な支援を県として行うための予算を計上してお認めいただいたところです。税金を投入して維持するということだけではなくて、多くの皆さまにご利用いただいて、県内の主要な公共交通として利用者の増加を図っていきたいと思っています。お配りした紙にも書いているように、一つはコスト面で経済的ということ、それからゼロカーボン社会を目指している長野県としてはCO2の排出削減にもつながるということ、また、個人の皆さま、ご利用される皆さまにとっては、ご自分で運転される場合に比べて疲労が少なく事故リスクも下がり、時間も有効活用できるということで、ぜひ多くの皆さまにみすずハイウェイバスをご利用いただければということで呼び掛けさせていただきます。県としても県職員の利用が進むように取り組んでいきたいと考えています。出張の際、県職員も極力、公共交通を利用するように取り組んでいきたいと思いますし、いろいろな公共交通に合わせて、会議の時間等も設定するようにしていきたいと考えています。ぜひ、みすずハイウェイバスをご利用いただいて、今の1日4往復から増便していくことができるように、多くの皆さまのご協力を頂ければと考えています。利用者の状況に応じて、また運行事業者の皆さまとは増便に向けた検討、調整を行っていきたいと考えています。

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3 『信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン』について

長野県知事 阿部守一
 それから、2点目です。信州次世代空モビリティ活用推進協議会において、本日、『信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン』が取りまとめられました(会見資料2)。ドローンの社会実装等に向けて具体的な道筋を示そうというもので、具体的な内容については担当課からご説明しますのでよろしくお願いします。

DX推進課長 永野喜代彦
 ご紹介いただきました(信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出)ビジョン・ロードマップについてご説明します。長野県は、もともと山岳県、中山間地域が多いということで、空モビリティにとっては、なかなか飛行するのに力が得られにくい、揚力が得づらいというものでしたり、あとやはり天候が変わりやすい、あとは電波が届きにくいといった、空モビリティにとっては、他地域にはない非常に不利な地形、条件下にあります。他方で、条件が不利だからこそイノベーションの種があるのではないかということで、山岳地において、ドローンはじめ将来的には空モビリティの社会実装を実現すると、条件によらず全国どこでも空モビリティが活用できるモデルになるのではないかと、そういった趣旨に賛同していただいた企業・団体の皆さまで協議会は成り立っており、そういうような議論を経て策定されたものです。山岳地特有の信州モデルというものの創出を目標としていますけれども、例えば、山小屋への物資輸送や山岳遭難対応など、信州ならではの取り組みというところに取り組んでいこうと考えているところです。ただ一方で、空モビリティを飛ばすためには、機体であったり、インフラ、システムであったり、メンテナンス、規制対応、あと人材確保など、飛ばすためにも多様な必要条件を満たす必要があるということで、実施主体が一人では到底完結し得ないと考えていますので、今般のビジョンであったりロードマップの策定を契機に、産学官一体でベクトルとマイルストーン(中間目標)というものを共有して、順次、実装に向けた取り組みの具体化を進めたいと考えています。ただ、当面は先ほど知事からありましたように、地震災害対策ということで、能登半島地震でドローンの活用というものの有効性が確認されたところです。まさに、危機管理部などとも相談しながら、あと協議会の参加団体の皆さまにも相談をし始めて、実際、長野県で災害発生時に活用する際、市町村であったり機体メーカーであったり、座組といいますか、どういった体制が必要なのかと、どういった飛行ルートで飛ばせばいいのかというところの検討を開始しているところです。できるだけ年度早期にそういった取り組みを進めて、実証やルート設定というところにつなげていきたいと考えています。簡単ですが、私からの説明以上です。

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4 北陸新幹線の敦賀延伸について

長野県知事 阿部守一
 続いて3点目です。これも資料をお配りしているかと思いますけれども、いよいよ3月16日に北陸新幹線が敦賀まで延伸になります。沿線の都道府県等と一緒に早期延伸を求めてきた立場としては、大変うれしいイベントになります。1日も早く大阪につながるよう、引き続き関係の皆さまと一緒に取り組んでいきたいと思いますが、この敦賀延伸を契機に、県としては北陸関西方面にしっかり長野県をアピールしていきたいと考えています。まず、お配りしているように、イベントを行っていきます(会見資料3)。東京において、「越前そば」対「信州そば」ということで福井県との共同PRを行います。長野県も福井県も、おいしい、すばらしいそばがありますので、一緒に観光PR、食のPRをしようということでこうしたイベントを行います。また、大阪においては食の関係では「発酵・長寿県」をテーマとした観光物産展を4月6日、7日に行おうと思っています。関西圏は非常に心理的距離感が遠い地域になってしまっている状況ですけれども、北陸新幹線の敦賀延伸を契機に関西の皆さまともっとしっかりつながっていきたい、観光誘客を図るとともに物産の販売、あるいは経済界の皆さまとの交流も進めていきたいと思っています。また、神戸便、あるいは夏の伊丹便もありますので、松本空港の利用促進にもつなげていきたいと考えています。私もどこかのタイミングで関西を訪問し、関西の経済界の皆さまはじめ、主要な方々と懇談をさせていただくようにしていきたいと思っています。北陸新幹線の敦賀延伸を長野県にとってのメリットにつながるように努力をしていきたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 『信州「空モビリティ×山岳高原イノベーション」創出ビジョン』について

市民タイムス 萩原 氏
 改めてになりますが、今の空モビリティの関係で、直近では先ほどおっしゃったように災害対応とかいろいろあると思うのですけれども、将来的に本当に信州を「ソラ観光の世界級リゾートへ」とか、壮大な夢というか、あふれるものも書かれているのですけれども、知事がお考えになるそういった短期的な空活用の魅力と期待、それと長期的な部分での期待みたいなものを、改めてお伺いできればと。

長野県知事 阿部守一
 長期的にはここに書いてあるように、例えば空から観光を楽しんでいただくとか、山岳地帯が多いわけですけれども、より暮らしの利便性を高めていくといったようなことにつなげていきたいと思っています。短期的には先ほどもお話しいただいた中にも入っていましたけれども、まず災害対策にしっかり使えるようにしていきたいと思っています。きょうも関係の方たちと少しお話をさせていただきましたが、やはり非常事態のときだけ活用しようとしてもなかなか難しいというお話があります。やはり当該地域で日ごろからドローンを使っていないと、災害のときだけ出掛けていって円滑に運用して必要な支援を行うということはいろいろと課題があるので、できれば平常時の活用と非常時の活用とセットで考えられないかというお話がありましたので、ぜひそうしたことを考えていきたいと思っています。具体的な地域を選んで、県としてもそうした事業者の皆さまの力を借りて、平常時にはいろいろな物資の配送は運送事業者の方からすると、例えば片道1時間ぐらいかけて1軒のお宅に届けるというのは非常にコストパフォーマンスが悪いということですので、例えばそういう部分はドローンを活用して、住宅が密集しているようなところはトラックを活用してと、そういう活用が望ましいというお話もありましたので、そういうところでのドローンの活用を平時に行えるような体制づくりに市町村と一緒に県も協力させていただき、そしてそういう地域では、災害時も緊急物資輸送にドローンが使えるようにしていきたいと思います。この件についてはできるだけ具体的な話を早期に進めていきたいと考えています。

市民タイムス 萩原 氏
 今、お伺いした部分で短期的にはやはり実験というものよりも、もう生活にいきなりというか、本当に今、生活されている方の利便性を高めるというものを進めながら、実証実験的に進めていくというイメージでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 ドローンの活用もだいぶ規制も変わってきつつありますので、既に実際に活用できるフェーズに入ってきているという状況ですので、ぜひ具体的な活用を速やかに図れるように関係の皆さまと協議をしていきたいと思っています。

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2 松本市長選挙について

市民タイムス 萩原 氏
 きょうの発表と別件ですけれども、次の日曜日は松本市長選挙の投開票になりますけれども、今激戦ともいえる状態で、知事としても中核市市長との懇話会等を開かれて、中核市との連携を強めているところかなと思うのですけれども、誰がどうこうということではなく、激戦となっている選挙への期待と新市長への期待、そこらへんのことをお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 松本市と長野市は長野県の中でも中核市ということで、一部の事務については県と同じ権能を持たれているところです。そういう意味で、松本市が今後どういう政策でどう発展していくかということは長野県全体にとっても非常に重要だと考えています。今回、市民の皆さまが市長を選ばれる形になるわけですので、私としては、多くの皆さまに投票所に足を運んでいただいて、自分の思いを一票に託していただきたいと思います。また、新しい市長とはしっかり信頼関係をつくって、松本市が発展するように、また、松本市の発展が長野県全体の発展につながるように、一緒に取り組ませていただきたいと思っています。

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3 みすずハイウェイバスの利⽤促進について

中日新聞 小山 氏
 まず、一番最初にご説明ありました、みすずハイウェイバスの関連で1点伺いたいです。主要都市を結ぶ都市間の重要な交通手段ということで予算づけをされていたのも理解はしておるのですけれども、知事からも利用客が増えることで、また増便とか利便性の向上にもつながるというお話もありましたが、一方で増便したくてもできないという、知事も言及なさったように、運転手不足とかそういう事情もあると思うのですけれども、その辺りも含めてどのような支援をしていきたいとか、便数が増えるために必要なことは今後どういうことがあるかとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、これから、いろいろな公共交通は一定程度公費を入れて、公費の負担を、税の負担を行いながら維持発展させていくことがまず不可欠だと思っています。ある意味、今回その第1弾という形ではあります。ただその一方で、無尽蔵に税金を投入することは財政規律の面からも、あるいは、今、民間事業者が担っていただいているということからもあり得ないと思っています。そうしたことを考えると、やはり、今、県内は自家用車で移動されている方が非常に多い状況ですけれども、先ほど申し上げたように、地球環境の問題等も勘案していただいて、ぜひ極力、公共交通を利用していただきたいと思っています。私どもも市町村等とも協力して、先ほど言ったように、例えば会議時間の設定等も工夫していきたいと思いますし、お配りした資料にも書いたように、パークアンドライドの仕組みも使っていただくように呼び掛けていきたいと考えています。ドライバーの確保については、今回、ドライバーの移住支援も予算化しました。あらゆる分野で人材が足りないということで悩んでいらっしゃるわけですけれども、公共交通の担い手が確保できないというのは、あらゆる暮らしや産業に影響する分野ですので、引き続きバス事業者の皆さまと問題意識を共有して、県も一緒に取り組みを進めていきたいと思っています。

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4 北陸新幹線の敦賀延伸について(1)

中日新聞 小山 氏
 それから、北陸新幹線の関係で伺いたいです。知事からも期待感が先ほど示されたかと思うのですけれども、同じ北信越地域とも言われる北陸地域が、能登半島地震で大変大きな被害を受けた中、このタイミングで延伸開業になるということについても、知事はどういうふうに受け止められていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 実際に、被災地にどういう影響が出るかは私はしかと承知をしているわけでありませんが、ただ、新幹線が延伸することによって、人の移動の利便性が高まりますので、そういう意味では能登半島地域の復興に少しでも役立つことにつながればいいのではないかなと。また、風評被害等も含めて観光でいらっしゃる方が激減されたとも伺っていますので、まだ観光客を受け入れるような状況ではない地域もたくさんありますけれども、そうでないところには多くの皆さまが観光で訪れて、応援をするということも重要だと思っています。

中日新聞 小山 氏
 次に最後の質問にさせてもらいますが、きょうの資料でも、そばという共通項を用いた福井県との共同PRなどという催しのご案内ですけれども、一方で、例えば長野には良質な雪質のスキー場であるとか、福井であれば海で海鮮とか、違いを生かすみたいなところもあるかと思うのですけれども、先ほど福井、関西方面で魅力をアピールするという話もありましたが、具体的に長野県のどういうところをアピールしていきたいかというお考えをお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず、やはり観光でアピールするには、ご指摘の通り、他の地域ではない強みをアピールすることが必要だと思っています。3000メートル級の山々に囲まれた山岳高原というものを、冬も夏も春も秋も資源がたくさんありますので、しっかりアピールをしていきたいと思っています。食の関係では先ほど申し上げた、発酵・長寿NAGANOということで、今、発酵食品の国内外へのアピールに努めていますので、こうした物産を中心にPRをしていきたいと思っています。あと、先ほども少し申し上げたように、どちらかというと、今まで例えばリゾートテレワークであったり、企業の立地促進であったり、東京側、首都圏側に顔が向いているところがありますが、こうしたものもやはり経済界との交流もしっかり関西経済界の皆さまと対話をして、企業立地であったり、あるいはリゾートテレワークの活用であったり、こうしたことにつながるように取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 実延 氏
 北陸新幹線の敦賀延伸開業で、二次交通の大糸線の利用促進に対して沿線でも期待が持たれています。長野県におかれましても、12日に可決されました24年度の予算でも、新規事業として大糸線利用促進事業費が計上されております。敦賀延伸による大糸線への今後の利用促進に向けた期待感など、どのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 北陸新幹線の敦賀延伸に伴って、また人の流れ方もだいぶ変わってくると思っています。関西方面からの人の動きが強まることを期待するわけですけれども、その中で糸魚川経由で大糸線から本県に入ってこられる、例えば、北アルプス地域を訪れる方たちにとっては、関西からいらっしゃるときの鉄道利用の最短経路という形になりますので、この機にJR西日本、あるいは関係自治体とも連携して、しっかり利用促進を図っていきたいと思っています。利用のお客様が低迷している大糸線ではありますけれども、沿線の資源は非常に豊かな地域だと思っていますので、関西北陸の皆さまにも、北アルプス地域、あるいは大糸線沿線地域をしっかりアピールすることによって、利用客の増加を図っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 実延 氏
 関連してですが、一方で、知事も冒頭おっしゃったように、大阪延伸までは見通しが立っておりません。全線開業の時期が仮に明確になれば、大糸線など県内の他の二次交通の利便促進や、あと観光誘客など新幹線停車駅の県内の沿線地点にとっても追い風というか、計画を立てやすい側面もあるかと思われるのですが、大阪延伸の見通しが今、立っていないことに対して、大糸線の今後の利用促進に与える影響であったり、あとは長野県の新幹線が停車する沿線地域への影響など、現時点でどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、私ども長野県も含めて、沿線の都道府県は一日も早く大阪までつなげてほしいということを申し上げてきています。ただ、いつまでにというところが必ずしも明確になりきれてないので、ご指摘の通り一日も早くつながることによる効果を早く発揮できるようにしてもらいたいと思っています。建設促進の働き掛けは、引き続き関係の皆さまと一緒に行っていきたいと思います。ただ、今回の敦賀延伸でも時間的にはだいぶ短縮されてきます。長野から敦賀までは50分短縮という形になりますし、大阪までは3時間20分で行けるという形になりますので、こうした時間短縮効果をしっかり関西の皆さまにもアピールをしていきたいと思います。コロナ前ではありますが、私が関西を訪れて関西の経済界の皆さまとお話しした時によく言われたのは、昔はシュプール号ということでスキーに多く(の人が)鉄道で出掛けていたけれども、交通体系も変わってきたので、何となくそういうつながりが少なくなってしまっていますね、ということを何人かの経済界の方がおっしゃられました。今度、また新しい形で交通体系が変わってきていますので、また新しいつながりを生み出すことができるようにしていきたいと思っています。

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5 信州F・POWERプロジェクトについて

信濃毎日新聞 須田 氏
 F・POWERプロジェクトの関係で民事再生中の征矢野建材の再生計画案が先月、債権者集会で認められ、裁判所の認可決定を受けて今月に入って官報にも載っている状況ですけれども、知事は以前、会見等でもまだ案の段階なのでというようなことで、推移を見守るというお話もされていたかと思いますが、裁判所の認可決定というものを受けてほぼ固まった段階と言っていいのではないかと思っています。改めて、この再生計画の受け止めについてお伺いしたいです。

長野県知事 阿部守一
 今回、信州F・POWERプロジェクトの中核企業の征矢野建材が民事再生手続を取られて、その結果、多くの債権者の方々が損失を被ることになりました。私ども長野県としても関わりを持って進めてきたプロジェクトですので、県としてもこうした事態の重大さを痛感しているところです。まだ、この事業は継続している状況ですので、引き続き県としてこのプロジェクトにおける役割をしっかり果たしていきたいと考えていますし、森林資源の有効活用、あるいは主伐・再造林の推進、こうしたことに積極的に取り組む中で、林業が経済的にも魅力のある産業となるように努力をしていきたいと考えています。

信濃毎日新聞 須田 氏
 いわゆる債務総額の67億円のうち、代理人弁護士によると、そのまま弁済されるのはおおむね28億円ということで、そのうちのおよそ26億円ぐらいは、金融機関が担保をつけている部分だということですけれども、要するに何が言いたいかというと、その40億円が弁済されないと、弁済されない部分はだいぶ一般の取引先の方々が一部しか売掛金などが回収できないという状況になっていると、このことについて林務委員会でも、債権者に対して一緒に中核的にプロジェクトを進めてきた県として、申し訳なさを感じるべきなのではないかと、どう考えているのかという質問が出ました。それはなぜかというと今までは重く受け止めるという表現だったから、直接的な公の謝罪等が、債権者に迷惑をかけたことへの謝罪等がないことから出た質問だったわけですけれども、このことに対する知事のお考えを伺えますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 われわれ長野県も関わってきたプロジェクトですので、先ほど申し上げたように、県としてもこうした事態に立ち至ったことは大変重大なことだと受け止めています。県内の関係者の皆さまも、結果的に負担を負うということになりました。基本的に民民同士の関係ではありますが、県としてもこの事業に関わりを持って進めてきた立場ですので、私の思いとしては大変心苦しく思っているところです。

信濃毎日新聞 須田 氏
 心苦しいというのは申し訳ないみたいなことまで言うのと少し違うニュアンスなのでしょうか、知事の表現とすると。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、県が直接どなたかに損害を与えたということであれば、深くお詫びを申し上げないといけないと思いますが、今回の関係性は民民同士の関係でもあります。ただ、そうは言っても、全く関係がないということではないので、そういう意味で私の思いとしては非常に心苦しい思いであるというふうに申し上げたところです。

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6 ライドシェアの導入について

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 ライドシェアについてですが、昨日、国土交通省が日本版のライドシェアを行う地域を指定して、東京や京都なども入っていたのですが、地元で導入の動きが進んでいる軽井沢は入っていませんでした。軽井沢とそれ以外の地域も含めて、県内でのライドシェアの導入について知事のお考えをお聞かせください。国は今回は指定しなかったのですけれど、また指定してほしいというところなのか、まずは日本版ライドシェアの導入の動きを見てからなのかとかその辺りを。

長野県知事 阿部守一
 地元では日本版ライドシェアを導入する方向で調整をされてきていると承知をしていますが、一方で国においては日本版ライドシェア、一定のタクシーの利用状況等を踏まえて地域指定をした上で実施をしていこうという形になっています。私は今回、国がどういう考え方と基準で選定をしたか、つまびらかに承知していませんけれども、まず、県としても把握をしたいと思っています。その上で、一つはやはり円滑な輸送ができるように、旅客輸送ができるようにしていくことが必要だと思っていますが、その反面、今のタクシー事業、あるいはライドシェアということになると、安全性であったり運行管理であったり、こういったところをしっかりとやっていくことが必要になりますので、そのへんとの兼ね合いで、国の考え方をどう評価するかという形になると思います。そういう意味で今回の指定基準について把握した上で、県としての考え方をお伝えしていければと思います。

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7 移住希望地ランキングについて

産経新聞 石毛 氏
 今回の発表とは違いますけれども、3月1日にふるさと回帰支援センターが移住希望地ランキングを発表しました。今回、長野県は4位だったという発表で、前回から二つ落ちています。その受け止めと、これからどうしていただきたいかというお考えを。

長野県知事 阿部守一
 極めて残念だと思っています。ただ一方で、長野県が移住したい県として好まれなくなっているということでも必ずしもないと思います。長野県はずっと選ばれる県の上位でありましたが、ほかの県がある意味、長野県以上に移住者の受け入れに積極的に取り組まれていることが表れていると思っています。そういう意味で長野県も負けずに、もっと市町村、関係の皆さまと一緒に移住希望者に対するアピールをしっかりしていくことが必要だと思います。その一方で、単なる移住だけではなくて、つながり人口、関係人口を増やすことも重要なテーマですので、リゾートテレワークであったり、山村留学であったり、長野県としての強みを生かして、交流人口の拡大にも取り組んでいきたいと思っています。

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8 北陸新幹線の敦賀延伸について(2)

信濃毎日新聞 野口 氏
 先ほど知事が新幹線延伸の流れの中で関西圏へのアプローチを強めていきたいというお話がありまして、リゾートテレワーク、企業の立地促進などの部分を例に挙げて、関西の関係者の方たちと対話していきたいというようなお話があったのですが、その部分についてお伺いしたいです。質問の流れの中で流れるように出てきたものだったのでこれに特化してお伺いしたいのですが、例えばいつぐらいに、また目的であるとか、そのへんをもう少し踏み込んでお伺いしたいなと思います。お願いいたします。

長野県知事 阿部守一
 先方もあるのでまだ調整中ではありますが、夏、8月頃を目途に訪問をできればと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 目的というか、多分一つにとどまらないと思うのですが、さっきおっしゃっていた以外には、こういうこと、ああいうこともやってみたい、話していきたいというのがありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 相手のアポイントが取れないのにここに行きたい、あそこに行きたいというのもなかなか言いづらいですが、考え方で申し上げれば、先ほど申し上げたコロナ前は実は関西経済界の皆さまと交流させていただいていましたが、コロナでそうした交流が途絶えてしまっていますので、もう1回、関西の経済界の皆さまとつながりをつくり直したいと思っています。それからもう一つは、やはり関西方面からの観光誘客です。あとは松本空港の利用促進ということで、経済産業面で幅広く関西圏とのつながりを深められるようにしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 もちろんこれからで、また相手方のあることではあるのですが、知事として、今この時期に関西というのは、延伸の関係もあるのでしょうか。今のタイミングですと、コロナが明けて、いよいよ動けるようになったという話もあるのですが、そのへんはどっちもあるとは思うのですが、タイミング的なものとか、あとは今いろいろ挙げていただきましたが、特にここに力点を入れていくみたいな部分がありましたら、よろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 まず、タイミングとしてはやはり新幹線の延伸の要素が大きいです。先ほどから申し上げているように、首都圏だけではなくて、長野県は中京圏とのつながりも深いですけれども、相対的に関西圏のつながりが弱いので、これからの経済発展とか観光振興を考えたときにはやはり関西圏を、少し言い方が悪いけれども、開拓するということは非常に重要だと思っています。

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9 少子化・人口減少について

長野朝日放送(abn) 坂口 氏
 先ほどの移住希望地のランキングの話にもつながるのですけれども、2月の推定人口が50年ぶりに200万人を割っていたりする中で、移住者の増加というのもかなり重要な点ではあるかと思うのですが、そんな中で予算でも保育料の無償化だったり子育て家庭を応援する取り組みを盛り込んでいて、女性の働きやすさだったり、横断的な取り組みが今後必要になってくることかと思うのですけれども、改めてこの現状の人口減への危機感というか、意識と併せて、6年度の取り組みへの意気込みといいますか、思いをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 人口減少の問題は、人手不足をはじめとしてコミュニティの衰退や社会経済面で非常に大きな影響が出始めてきていると思っています。そういう意味で、冒頭申し上げたように人口減少の問題、来年度に向けての最も県が力を入れて取り組まなければいけない課題だと考えています。いろいろな取り組むべき課題がありますけれども、やはり一番の大きな課題は若い女性の人口が急速に減っていることだと思っています。これから、女性、若者のご意見を聞いて、本当に何が要因でどういう対策が考えられるのかということをしっかり政策として打ち出していけるようにしていきたいと思っていますけれども、非常に急激に若い女性が減少していることは、いろいろな意味で大きな問題だと思っています。ただ、女性を呼び込むだけの政策をとればいいのかというと少し違うかなと思っていまして、やはり全ての人たちが生きやすい、暮らしやすい県をつくっていかないと、例えば若い女性といっても、皆さまだんだん年を取られるわけですから、年を取っても安心して暮らせる地域なのか、あるいは例えば少子化とか、結婚・子育てのところだけにフォーカスすれば、若い女性が増えて結婚する人が増えればいいという方にどうしても目が向きがちですけれども、今、暮らし方、生き方も多様化しているので、むしろ結婚しないという選択肢を選ばれる方もいらっしゃいます。そうしたいろいろな方たちのライフスタイルをできるだけ尊重しながら、多様性がある、お互い理解し合い、支え合いながら暮らせる社会、こうしたことをつくっていくことが重要だと思います。そういう意味で、人口減少対策というのは非常に多面的に施策を充実させていかなければいけないと思っていますので、来年度の秋口までには戦略をまとめていこうと取り組んでいます。企画振興部、県民文化部はもとより、全ての部局を挙げて、この問題に取り組んでいきたいと思っています。

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10 令和5年度包括外部監査の結果について

長野日報 林 氏
 先週ありました包括外部監査の関係で1点お伺いします。知事もご存知のとおり、報告書では長野県の観光機構の問題がクローズアップされていましたけれども、それから1週間が経過したということで、改めて知事のこの問題に対する受け止めと、今後どうしていくかということでお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず、具体的にご指摘を頂いた点については、早急に観光部、観光機構と協力して点検をして、改善すべきところは改善していく必要があると思っています。併せて観光機構の在り方ということについても、今回の外部監査人のご指摘も踏まえて、対応を考えていきたいと思っています。長野県は非常に観光が重要な産業です。そういう中で、観光機構が有効に機能してもらう、観光機構がその役割をしっかり果たしていくことが長野県の観光振興にとって極めて重要です。観光機構におけるガバナンスであったり、観光部と観光機構の関係性であったり、こうしたものをもう一度しっかり見つめ直してより良い形にしていきたいと思っています。

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11 人口減少下における多文化共生について

読売新聞 村上 氏
 先日発表されました、県内に住む外国人の方が4万人を超えたということですけれども、先ほどの少子化・人口減少の中でも県内の働き手という面でも、また、今、一緒に暮らしていく県民の一人としても重要になってくるかと思いますが、外国人の方がより活躍できる手法でしたりとか、共生していく中で、県としてこういうことをやっていきたいということがあれば、受け止めとともにお願いします。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げた多様性を尊重する社会にしていくということは、外国人の方にとっても住みやすい県にしていくということだと考えています。いろいろな分野で人材、人手が足りないということで、外国人の方に仕事をお願いしている分野もたくさん増えているわけですけれども、単なる働き手として受け入れるのではなくて、やはり地域の担い手として活躍してもらう、外国人の方にとっても暮らしやすい社会にしていくことが、これからの人口減少問題に対応していく上でも一つの重要なテーマだと思っています。人口減少対策を考える中でも、この点についてしっかりと議論して、方向性を出していかなければいけないと思っています。日本の場合は、移民の受け入れにガッとかじを切るわけでもなく、しかしながら、人手が足りないところはかなり外国人の方に依存しているということで、何となく地域における受け入れ体制も曖昧な感じで推移して、困っている人たちがいれば何かそこを頑張って応援するという対応になっていますけれども、もう少し本格的に、例えば日本語教育の体制を強化するとか、そうしたことも含めて、これは国全体でまずしっかり議論してもらいたいと思いますし、その一方で、われわれ都道府県、市町村も、より外国人の方にとって暮らしやすい地域にするにはどうすればいいかということを、この人口減少下の中でよりしっかり検討していきたいと思っています。
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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