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更新日:2023年11月15日
長野県知事 阿部守一
それでは、私からきょうは3点お話を申し上げたいと思います。まず、1点目はクマ対策について(会見資料1)です。先日、飯山市でツキノワグマが原因と思われる死亡事故が発生しました。被害に遭われた方のご遺族の皆さまに心よりお悔やみ申し上げます。野生のクマによる死亡事故は、平成18年10月以来で非常に深刻に受け止めています。これまでクマの目撃情報の増加、あるいは季節ごとのクマの生態、行動を踏まえた注意喚起等を県としても行ってきたわけですけれども、市町村あるいは観光関係部局を通じても、人身被害の防止に取り組んできています。ただ、今回の事故を受けまして、まず16日月曜日に、改めて地域振興局、市町村、猟友会の会員の皆さま等の捕獲関係者に対して、安全を確認して捕獲作業を行うこと、また、万が一の事故等に備えて、わなの見回りはできる限り複数人で行うこと等、直ちに着手できる安全対策の徹底について文書で求めたところです。さらに、明後日、20日金曜日には、野生鳥獣被害対策本部会議を緊急に開催したいと思っています。この本部会議では、関係機関とクマの出没状況、被害状況を共有したいと思います。また、クマが出没した地域の緊急点検を通じた安全指導等、直ちに着手できる安全対策を改めて周知徹底していきたいと思っています。また、今回の事故はイノシシ用に仕掛けたわなにクマがかかった錯誤捕獲で発生しているわけであります。錯誤捕獲時の対応の在り方についても見直しが必要ではないかと考えています。先日の県民の皆さまとの対話集会の中でも、クマ対策の在り方についてご意見を頂いていますので、その時のご議論、ご意見等も踏まえて、また町村長の皆さまからもクマ対策の在り方についてご意見を私も頂戴していますので、こうしたことも含めて、今後の対応の在り方について考えていかなければいけないと思っています。今後、専門家等の意見も幅広くお伺いしながら、クマ対策の在り方について、改めて検討を行い、痛ましい事故が繰り返されることがないように、相手が自然ですので、また、自然と近接して暮らしているわけですので、そうした出会いの場、出会いの機会というのが全くゼロになるということはなかなか難しいと思いますけれども、そうした事故をどうすればより少なくしていくことができるのかをしっかり考えていかなければいけないと思っています。また、県民の皆さまには、山に入る際は、改めてクマよけの鈴であったり、あるいはラジオを音を出していただく等、クマが近寄らないような対策をしていただければと思います。また、山に入られる際はぜひ複数人での行動を心掛けていただきたいと思っています。また、里地においては、収穫しない果実や廃棄する農作物、こうしたものを適切に処理するなど、里にクマを近づけない対策もお願いしたいと思っています。自然相手、生き物相手ということですので、唯一絶対これが正解ということがない、なかなか難しい課題ではありますけれども、県民の皆さまの生命、身体をしっかり守り抜くという観点で取り組みを進めていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから、2点目です。沖縄県との文化芸術分野での交流推進について(会見資料2)で、プレスリリース資料をお配りしていますように、「琉球芸能公演、琉球芸能の華やぎ~古典芸能から現代まで~」という催しを、11月26日の日曜日に長野市の北野文芸座で開催していただくという形になりました。これは沖縄県の主催ということで、沖縄県関係の皆さまに、改めて御礼申し上げたいと思っています。沖縄県とは今年3月に交流連携協定を締結して、沖縄県との間のチャーター便の運航であったり、沖縄県における物産展としての「長野フェア」の開催であったり、こうしたことを行ってきているわけですけれども、今回は文化面での交流ということです。県民の皆さまには歴史ある琉球芸能に触れていただく機会ですので、多くの皆さまにぜひご来場いただければありがたいと思っています。既に公演チケットは発売中ですので、多くの皆さまに琉球芸能の素晴らしさをご堪能いただきたいと思います。メディアの皆さまにも、せっかく沖縄から素晴らしい役者、演奏家の皆さまをお迎えする機会でありますので、ぜひアピールいただければありがたいと思っています。沖縄県にも長野県にもアーツカウンシルが存在していますので、今後、さまざまな交流分野の中で、この文化芸術分野における交流拡大の可能性についてもしっかり考えていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、最後3点目ですけれども、県職員のウェルカムバック採用(会見資料3)ということでお話をしたいと思います。これも資料をお配りしているかと思いますけれども、かつて県職員であられた皆さんを再度、県職員として採用しようというものです。人口減少下で職員採用もいろいろな工夫を凝らしてきているわけでありますけれども、なかなか職員採用にも困難が増してきているという状況です。そういう中で、さまざまな事情で県職員を退職された方々がいらっしゃいますので、こうした皆さまに、もう一度県職員として働いていただき、県行政に力を貸していただきたいという思いで、ウェルカムバック採用制度を創設します。これからは、結婚・育児で辞められるような方が出ないようにしていかなければいけませんけれども、子育て等で辞められた方もいらっしゃいますし、また、公務以外のところで活躍しようということで、退職された方もいらっしゃいますが、こうした公務以外での経験も、長野県の組織の中においては、これから大変生かしていただく場が増えてきていると思っています。そういう皆さんに、ぜひこのウェルカムバック採用制度に応募いただきたいと思っています。一度辞められた方々ですので、再度応募することにちゅうちょしてしまったり、退職後公務と離れていてブランクがあって、職場復帰に不安があるという方もいらっしゃるかと思いますが、県としても、そうした思いを解消できるように、復帰しやすい配属先の検討であったり、あるいは採用に至るまでの積極的なコミュニケーションなどを図らせていただきたいと思っています。タイトルにあるように、ウェルカムバック、ようこそお帰りなさいという思いで応募をお待ちしているところです。募集期間は11月10日までで、来年の4月から働く皆さんを募集したいと思っています。詳細は県のホームページをご覧いただければと思いますので、よろしくお願いします。私からは以上です。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 野口 氏
1点目はツキノワグマの関係についてです。飯山市で死者が出るという事故を受けての対応ですが、20日の会議で、今後の対策の部分も含めて、現時点でもし判明というか、決まっていればで結構なのですが、どういった部分について話し合うのかということを、まずお伺いしたいというのと、あと、知事が説明の中でおっしゃっていた対話集会の中で、そういう意見が出ていたというようなお話あったものですから、すみません、私はそこに全て出ているわけではないので、そこでどういう議論があったのかというのも、併せて教えていただいてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
まず、本部会議においては、先ほど申し上げたように、クマの出没状況や被害状況をまずは共有したいと思います。加えて、緊急点検ということで、出没の恐れがある箇所等の緊急点検についても方向性の検討を行い、実行していきたいと思っています。また、先ほども申し上げたように、クマの捕獲については、原則許可制という形になっていますけれども、今のルールであったり、対応の在り方というのが、現状を踏まえたときに見直すべき点がないのかということをしっかり検討していきたいと思っています。県民の皆さまとの対話集会の中で、直近でクマの話が出たのは大鹿村でした。例えば錯誤捕獲の話で、今、錯誤捕獲してしまったときには、麻酔で眠らせて放獣する形になっていますけれども、麻酔銃を撃つ、麻酔ができる方が限られている中で、県内で対応いただける方が、例えば他の地域の対応等で出掛けていらっしゃるときは、静岡県からお越しいただいているといったような話があり、なかなか迅速な対応がしにくい環境があるのではないかと私としては受け止めています。クマをどういうケースのときに処分するのが適切なのかということも、片方で鳥獣保護という観点があり、片方で人命を守り抜く、あるいは農作物被害等を防ぐというような要請があったときに、優先されるべきものは、当然のことながら人の生命身体を守るというのがまず最優先であるべきだと思います。そうしたことを考えたときの今の対応の仕方とか、仕組みの在り方とか、こういったことについてはしっかり考えていく必要があると思っています。先ほど申し上げた市町村長の皆さまとお話させていただいた時にも、クマの捕獲についての考え方の在り方については、いろいろと現場で対応するときには課題もあるとお伺いしていますので、そうしたことも踏まえて検討していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口 氏
県職員のウェルカムバック採用についてです。業種がいろいろと3ページの方に書いてありますが、専門的な分野も非常に多いのですが、分野というのは、特にこだわりなく、全般的に募集するという、そういうような理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
受験案内を添付しているかと思いますけれども、ここに記載しているような幅広い分野で職員を募集したいと思っています。
信濃毎日新聞 野口 氏
分かりました。人口減少であったりだとか、いろいろと県のこれまでの政策の一環ではあると思うのですが、改めて、なぜ今、県職員の採用に対してこういう危機感を持って、こういう政策を展開するのかという部分についてお伺いいたします。
長野県知事 阿部守一
対話集会で全県を回らせていただく中で感じているのは、もうありとあらゆる分野で人手が足りないというのは共通の課題です。これは長野県という組織においても同じでして、やはりできるだけ県民の皆さまの思いにしっかり寄り添って県政を進めてもらえる優秀な職員をしっかり確保していくということは、県にとっての至上命題です。そういう中で、一度、県職員として経験を積まれた方で、さまざまなご事情で一度退職された方に、もう一度戻っていただくことができれば、県行政の基本を身に付けてもらうプロセスなしに即戦力としてご活躍いただけると考えています。県組織の総合力を高めていく上でも、一度退職された職員の皆さまの能力をもう一度、長野県において生かしていただきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口 氏
最後にもう1点だけ、きょうの会見の話とは少しずれますが、松本空港の関係です。上半期が終わりまして、14万人を超える利用者がいて、非常に順調であると、大変いいことかなと思うのですが、他の地方空港に話を聞いてみますと、結構伸び悩んでいたりだとか、なかなか難しい状況のところもあるようで、きょう、突然聞いてあれかもしれないですが、知事自身、去年を上回る利用者数で伸びていることの分析と受け止めであったりだとか、今後は、国際チャーター便、もしくは定期的な就航というのが、一番目標になるかなと思うのですが、そのへんについて今どのように考えてらっしゃるかというのをお伺いいたします。
長野県知事 阿部守一
まず、松本空港のご利用者が着実に増えてきていることは、私としても大変うれしく思っていますし、こうした取り組みができてきているのも、まず、FDAやJAL、航空機を飛ばしていただいている皆さまのご努力と、そして、松本市、塩尻市をはじめ、周辺の市町村や経済団体、さらには空港周辺の皆さまのご理解とご協力のおかげだと思っています。改めて感謝申し上げたいと思います。先日もFDAの皆さまと少しお話させていただきましたけれども、松本空港は非常にポテンシャル、潜在力が高い空港だとおっしゃっていただいています。いろいろなところの定期便を増やしていく上では、相手先となる空港の利用状況等も影響してくるので、松本空港だけの状況ではなかなか路線を拡大していけない部分もありますけれども、しかしながら、まずは沖縄とのチャーター便を増やしていくことに始まって、ぜひ沖縄との定期便の就航をまずは目指して取り組んでいきたいと思っています。加えて、海外との関係では、コロナでチャーター便の就航がなくなってしまっていますけれども、まず、その復活から取り組みを行って、海外との窓口にもなり得るように取り組んでいきたいと考えています。長野県の空の玄関口ですので、関係の皆さまともしっかり、常に意思疎通を図りながら、さらなる発展、拡大の機会を逃すことのないように取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
きょうの発表とずれるのですけれども、きょうの午前中、高校文化部のインターハイというか、総文祭で放送部門が全国総合1位、文部科学大臣賞を受賞したということで、高校生たちが教育長の方に表敬にいらしたのですけれども、改めて知事にもこの文化部の生徒たちの…
長野県知事 阿部守一
私は聞いていないのでよく分かっていないのですけれども、総文祭ですか。
市民タイムス 萩原 氏
総文祭。鹿児島であった文化祭で放送部門が全国トップということで、きょうは松本深志高校とエクセラン高校と上田高校、岡谷南高校の皆さんが部門ごとにトップを取ったということでいらしていたのです。それらの得点の積み重ねで全国1位。
長野県知事 阿部守一
それは各学校のトータルで長野県が1位ということですか。
市民タイムス 萩原 氏
各校でもトップになった校もあるし、文化部の生徒たちの頑張りに対して一言というか。
長野県知事 阿部守一
まずは、大変うれしいニュースだと思いますし、各学校でそれぞれ工夫して臨んでいただいた成果だと思いますので、心からお祝い申し上げたいと思います。今、部活については、中学部活の地域移行も含めて、人口減少の中でどうやって維持・存続していくかをしっかり考えていかなければいけない局面ではありますけれども、子どもたち、中学生、高校生たちが自分たちが楽しめる、そして、自分たちの能力をもっともっと発揮できる分野をしっかり伸ばしていけるように、教育委員会と一緒に取り組んでいきたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
全く別件で、先日、コロナの専門家懇談会で、冬に向けた備えで、重症者をまず重視ということで、30床確保する体制を整えているよという話が出たかと思うのですけれども、改めてこれから冬に向けてのコロナ、インフルエンザ、その他感染症いろいろ想定されますが、備えというか、冬に向けたお考えを伺えればと。
長野県知事 阿部守一
まず、医療体制については、専門家懇談会でもご議論いただいて、一定数の病床を確保して、感染者、患者の発生状況のフェーズによって、しっかり確保して対応していこうという方向になっています。医療機関の皆さまのご協力を頂きながら、引き続き県民の皆さまの命を守ることができるように取り組んでいきたいと思っています。新型コロナについては、今、本県も全国も患者の数が減少傾向という状況ですが、一方でインフルエンザについては、引き続き増加傾向という状況になっています。新型コロナも季節性インフルエンザも手洗い等をしっかり行っていただくことが非常に重要です。ひところに比べるとコロナに関する呼び掛けは、県からは行わない状況にはなっていますけれども、基本的な感染対策は、私も今も消毒液を使ったり手洗いしたりということは、かなりまめに行っていますので、そうした部分は心掛けていただければありがたいと思います。また、コロナもインフルエンザもワクチン接種が順次開始されていますので、重症化リスクが高い方を中心に、ぜひこの機会にワクチン接種をご検討いただければと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点だけすみません。ツキノワグマに関してなのですけれども、今、全国的に増えてしまっていて、他県では、非常事態になりつつあるみたいなことを言っている県もあるようですけれども、県内の現状、死者が出てしまったとかは悲しいことですけれども、現状どう受け止めていらっしゃるか、改めて。
長野県知事 阿部守一
クマの目撃件数が9月末までで1100件で、前年の同時期に比べると大幅に増えている状況です。昨年の令和4年の9月末だと671件でしたが、(今年は)1100件ということで、大幅に目撃件数が増えている状況です。ただ、過去と比べると令和元年の9月末時点が1110件、令和2年度が1201件ですので、令和元年とか2年度と目撃件数ベースで見ると、同様の状況という形になっています。そうしたことから、先ほど申し上げたように、まず状況認識をしっかり共有しようということで対策本部会議を開いていきたいと思っています。先ほども呼び掛けましたように、まず、ご自分の命、体を守るように心掛けていただきたいと思いますし、県としての対策、対応の在り方についても、今一度改めて考えていきたいと、見直しが必要なところについては、しっかり見直しをして、クマへの対策、対応を強化していきたいと考えています。
中日新聞 小山 氏
私も発表と関係なくて申し訳ないのですが、1点だけ伺います。御嶽山の噴火の関係で、遺族の方などが、国とか県に損害賠償を求めている裁判があって、一審の長野地裁松本支部は、昨年、原告の請求を棄却するような判決を出したのですけれども、その控訴審が、恐らく今なのですけれども、東京高裁の方で控訴審の初公判が行われているのですが、改めて知事の受け止めとか、何かコメントがあればいただきたいのですけれども。
長野県知事 阿部守一
御嶽山の噴火災害は、多くの犠牲者を出してしまう結果になっていますので、県としては噴火災害の教訓を踏まえて、火山防災対策の強化をこれまでも取り組んできていますし、これからもしっかりとその充実に努めていきたいと思っています。裁判で争われている事項については、県も被告になっていますが、県としての主張はまた裁判の中でしっかり申し上げていかなければいけないと思っています。
中日新聞 清水 氏
ウェルカムバック採用の件ですが、すみません、私も不勉強で大変恐縮ですけれど、そもそも普通の採用選考と今回の再採用の選考はどういうところが、戻ってきてもらいたい人たちに、何かより有利な試験になっているのかとか、あと、知事自身がこの試験はこういうところが門戸を広げているので、ぜひ来てほしいというところのアピールポイントといいますか、そういうところをお願いします。
長野県知事 阿部守一
不十分な説明で申し訳ありません。一般の採用は能力実証をしっかりしなければいけないということで、いろいろな試験等を行わせていただいているわけですけれども、今回のウェルカムバック採用は、能力実証は採用試験を一度通られている方ですので、作文と面接だけで採用の判定を行っていきたいと思います。そういう意味では、改めて公務員試験の勉強を行うことなく、申し込んでいただいくことができますので、ぜひ県職員であられた方は、積極的にこの際ウェルカムバック採用への応募をご検討いただきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
確認ですけれど、正採用みたいな形になるということでよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
もちろんその通りです。しっかりとした正規職員、任期の定めのない職員という言い方が正確だと思いますけれども、いわゆる正規の県職員として活躍していただきたいと思っています。
中日新聞 清水 氏
ウェルカムバック採用は、民間でもあるところはあると思うのですけれど、都道府県の自治体が導入するという例は、他にあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ちゃんと調査しているわけではないですが、他の県が今年の夏に聞き取った調査では、13の都道府県で類似の制度を導入していると把握しています。
中日新聞 清水 氏
発表外なのですけれど、先週、県教委の方で不登校児童生徒の数が過去最多になった旨の発表があったのですけれど、主には県教委がいろいろと対応は考えていくかとは思うのですが、とはいえ、今、知事部局でもフリースクールの認証制度を検討していらっしゃったりとか、知事部局側からの学校の外の環境を整える意味での何か対応ができるかと思うのですけれど、まず率直に過去最大になった知事の受け止めと、知事部局からの何かこんなアプローチもできないかというような、そんな意向などありましたら、お願いいたします。
長野県知事 阿部守一
不登校の(お子さんの)保護者の方から「不登校という言い方をしないでください」と言われたこともあるので、学校に行かない子とか行けない子とか、そうした子どもたちが増えていることについては、行政、特に教育行政に携わる人間としては、しっかり受け止めなければいけないと思っています。一つは、今もお話がありましたように、学校に行かない、行けない子どもたちを今でもフリースクールはじめ、さまざまな方たちが支えていただいています。そうした学びの場であったり居場所であったり、そうした取り組みを県としても来年度からしっかり支援していきたいと思っています。それがフリースクールの認証制度です。もう一つは、教育委員会にしっかり考えていただくテーマではありますけれども、どうして学校に行かない、あるいは行けない子どもたちが増えているのかと、実態をよく把握していかなければいけないと思います。保護者の方たちとお話しした時には、いわゆる文部科学省が行っているような調査だけで実態が本当に分かるとは言い切れないのではないか、むしろ別の形の調査とか、聞き取りが必要ではないかというようなお話もありましたので、今後はそういうことも含めて考えていかなければいけないのではないかと思っています。かつ、その上で、子どもたちが学校に行かない、行けないというのは、学校の在り方に対して、ある意味子どもたちからSOSが発せられているのではないかと私は思っていますので、今、信州学び円卓会議を作って、これからの学校の在り方、学びの在り方を検討していますけれども、そうした議論、検討の中にも、子どもたちの思いが反映できるように取り組んでいきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 小椿 氏
きょうの会見の内容とは少し関係がないのですが、北陸新幹線の敦賀延伸まで5カ月を切る中で、改めて県としてこの延伸についてどう捉えているか教えてください。
長野県知事 阿部守一
まず、私たち長野県も沿線の都道府県の皆さまと一緒に、北陸新幹線の敦賀延伸、あるいはその先の関西の延伸を働き掛けてきていますので、敦賀延伸が秒読み段階になったことは大変うれしく思っています。これまでも北陸各県の皆さまとは、近い関係になったということで、いろいろな交流を深めようとしてきていますが、福井県の皆さまともぜひしっかり交流していきたいと思いますし、まさにその先の関西圏とも大分近くなりますので、大阪・関西万博を控えている関西圏の皆さまとの観光面での交流であったり、産業面での交流であったり、こうしたものを改めて強化できるように取り組んでいきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 小椿 氏
その中で、一概に比べられないことだと思うのですけれども、福井県がしているプロモーションに比べて、長野県は2015年の時ほどは盛り上がっていないようにも感じるのですが、そのあたりについてはどう受け止められているでしょうか。
長野県知事 阿部守一
福井県にとっては新幹線が来て、しかも、当面は終着駅が福井県内という形になりますので、非常に大きなインパクトになると思います。それに比べて、長野県がそれだけに特化していないというのは、やはり置かれている状況が違うので、やむを得ないというか、福井県より長野県の方が盛り上がることは多分、今の状況ではないのだろうと思います。ただ、長野県にとっても交流の機会が広がっていくことは間違いありませんので、敦賀、そして、その先の皆さまとのさらなる交流強化に向けては取り組んでいきたいと思っています。実際、大阪・関西万博にも長野県としての関わり方を今、検討してきているところです。それから、関西の経済界の皆さまとの交流機会もこれからさらに充実させていきたいと思っていますので、そういう意味で、北陸新幹線の敦賀延伸、そして、その先の延伸を見据えた取り組みを県としてもしっかり進めていきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 小椿 氏
軽井沢町が県の中では福井県と連携協定を結んで、今、いろいろと取り組んでいるのですが、県として何か今後考えている具体的なプロモーションなど、現時点であれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
福井県とというよりは、先ほどから申し上げているように、関西圏との交流で、例えば長野県もJR西日本の区間が一部あるわけですので、JRの皆さまのご協力も頂いての観光キャンペーンとか、そうしたこともぜひこれから積極的に働き掛けていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 実延 氏
県民対話集会についてお聞きします。来週の23日に開催する長野市で、全77市町村の日程を終えられます。これまで集会を重ねる中で、どのような課題が共通として住民の方から挙がってこられたのでしょうか。また、集会で出た住民からの提案を政策に仕上げていく今後の過程の中で、見える化など、どのように進めていきたいお考えかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
まず、各地域ごとにそれぞれ異なる課題と、それから、どこでも大体共通している課題と、両方もちろんあります。共通している課題は、やはり何といっても人手が足りない、人材不足ということが大きいと思います。保育人材、介護人材をはじめ、農業や林業、さまざまな地域社会、地域経済の担い手の確保が難しいというのは、どこに行ってもほぼ共通の課題だったと思っています。それから、もう一つは教育についてのご意見が、本来は教育委員会が所管している事項でも、私との対話集会ということで、教育についてのご意見、ご提案もかなり多かったと思っています。具体的なテーマとしては、もちろん高校再編が行われている地域は、今後の将来見通しについて非常に多くの皆さまが関心を持たれていました。また、先ほども不登校、学校に行かない、行けない子どものお話がありましたけれども、子どもたちにもっと多様な選択肢を与えられるような県であってほしいと、いろいろな居場所とか、さまざまな学びとか、そういうご意見もかなりいろいろなところで頂戴してきています。頂いているご意見ももちろんさまざまですが、場所ごとに課題を整理して、担当部局とも共有していますので、今後、具体的に予算化等をしていく際には、これは対話集会で出た意見を踏まえたというのが分かるように、できるかどうか少し工夫はしてみたいと思いますけれども、個別に対応するというよりは、私としての問題意識をかなりクリアにさせていただけたとは思っています。ここで間接的な情報を聞くよりは、やはり現場で困っている方、悩んでいる方の思いを聞くのが一番課題の所在がよく分かるので、私としての政策判断にはしっかり生かしていきたいと思いますし、先ほど申し上げたような共通するようなテーマは、県としても対応策を打ち出していこうと思いますので、対話集会で出たからというくくりにするかどうかは別として、頂いたご意見は意識して政策に反映していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 実延 氏
集会に出席した県民、住民の方から、県民対話集会、一度ではなく定期の開催、継続的な開催を求める意見もございました。今後の開催について、今はどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まだ、秘書課とも何も相談していない状況ですけれども、私としては、地域ごとの対話集会は一通り全市町村をもうすぐ回らせていただく形になりますので、今後は少しテーマごとにもやれないのかなと思っています。教育なら教育とか、介護は介護とか。そういうふうにすると、より議論を深めていくことも可能になるのではないかと思います。ただ、長野県の場合(県の面積が)広いので、リアルでやるのはかなり限界があるので、リアルとオンラインのハイブリッドにするとか、今回は全市町村を回らせていただくということで、リアル・対面を基調に行わせていただきましたけれども、今後、対話集会を行っていく上では、オンラインの活用も含めて工夫していく必要があるかと思っています。
どうもありがとうございました。
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