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更新日:2023年7月10日
長野県知事 阿部守一
スタートの時間が遅くなりましたこと、まずはお詫びを申し上げます。きょう、私の方からは、冒頭5点お話しします。まず1点目、プレスリリース資料をお配りしているかと思いますが、「信州スタートアップステーション」に女性起業相談窓口を設置しました(会見資料2)。長野県は、日本一創業しやすい県づくりということで取り組みを進めてきています。スタートアップステーションの設置による相談対応であったり、ファンドの設立による資金面での支援であったり、さまざまな環境整備を進めてきています。こうした中、私も市町村を回って県民の皆さまと対話をしていますけれども、各部局においても政策対話を行っていますが、産業労働部の政策対話を女性起業家支援という形で昨年8月に行ったところです。この対話の場で、新しく事業を始めようとしても相談できるつながりが少ないというご意見であったり、あるいは女性が気軽に相談でき、思いに共感してもらいながら事業の相談をしたいといった声が寄せられました。女性・若者から選ばれる県づくりということも、県の新しい総合計画の下での大きなテーマでもあります。こうしたご意見も踏まえて、女性が創業しやすい環境を整備しようということで、新たに女性起業相談窓口を設置することとしました。起業というのは、女性が自分らしく生活をしながら、多様な働き方を実現していく手段でもあります。多くの皆さまにこの相談窓口をぜひ積極的にご利用いただきたいと思っています。資料にも書いていますが、女性起業家の方を中心に相談対応していただきます。資料にもお付けしていますが、女性起業家で県立大学の講師でもある渡邉さやかさんに相談に乗っていただこうと思っています。起業に関する相談のみならず、仕事や家庭、子育ての両立・バランスをどう取るか、ビジネス上のコミュニケーションの取り方など幅広くご相談に対応していきます。原則は平日の10時から19時までで、若干夜間まで対応することにしていますが、女性の皆さまへの対応ということで、家事・育児をされている方もいらっしゃると思います。時間や曜日も柔軟に対応を考えていきたいと思いますし、オンラインでの相談も受け付けていきます。新しく事業を始めようとお考えの女性の皆さまには、この女性起業相談窓口をぜひご活用いただきたいと思います。男性に相談しづらいようなビジネスアイデアや先輩女性起業家の話を聞きたい、女性起業家同士で交流したいという方には、ぜひこの窓口を利用していただきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
2点目ですが、児童・生徒向けの情報モラル教材「GIGAワークブック信州」を作成しました(会見資料3)。これもプレスリリース資料をお配りしているところですが、ICTを活用しての教育はこれからの時代、不可欠なものになっています。しかしながら、ネットに起因した子どもたちのトラブルもあります。これまで学校においては、どちらかというとインターネットの危険性を強調して、使用を抑制するような指導が主流になっていました。今回、一般財団法人LINEみらい財団と連携して、授業で使用できる本県独自の情報モラル教材「GIGAワークブック信州」を作成しました。この教材を活用することによって、情報モラルやリスク回避、こうした側面に加えて、社会におけるICTの活用、また、トラブルが起きた際の解決方法等、デジタル・シチズンシップ教育の視点を取り入れた指導を、現場の教員の皆さまに行っていただくことが可能になると考えています。教材の学習を通じて、ぜひ先端技術を用いて、積極的に自らの可能性を子どもたちに広げていってもらいたいと思っています。きょうは、作成担当者からこの教材の特徴等についてご説明したいと思いますので、よろしくお願いします。
教育委員会事務局 心の支援課職員
この教材の特徴などを簡単に説明します(会見資料1/スライド2ページ)。普段の授業において、ICTを使う場面に合わせて比較的短時間で必要な知識や技能、考え方や態度などを学べる形になっています。また、紙媒体ではなく、児童・生徒の1人1台端末にダウンロードして、授業中に必要なときにすぐに利用できるようになっています。もちろん、保護者の皆さまもダウンロードすることが可能です。長野県独自の部分と、全国共通の部分で構成されています。長野県独自の部分については、「デジとしょ信州」や「統計ステーションながの」といった県が持っているコンテンツを活用しながら、子どもたちの情報活用能力を高める内容になっています。子どもを支える保護者の皆さまに向けたページについては、家庭でのルールづくりや不適切なコンテンツにつながりにくくなるフィルタリングサービスの設定の仕方などを紹介しています。また、トラブルなどが起きたときに相談するように、県内の相談窓口を紹介しているページもあります。今後は学校での活用を進めるために、教職員等を対象にした研修会を7月から8月の間に、オンラインで行う予定です。以上になります。ありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
教育委員会のホームページでも公開中ですので、私立を含めた多くの学校でこの教材を積極的にご活用いただきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
3点目は、「Forbes JAPAN」に県教育委員会をはじめ、県内学校がたくさん取り上げられました(会見資料4)というご紹介です。「Forbes JAPAN」の4月25日(発行)の記事ですが、「イノベーティブ・エデュケーション30 ~子どものウェルビーイングを実現する変革者たち~」というサブタイトルで、「Forbes JAPAN」で、学校・教育委員会・プロジェクトを対象に、教育に関するアワード、「イノベーティブ・エデュケーション・アワード」を初めて実施して、ドラスティックな変化が起きている教育について、これまで変革を指導してきた方々がイノベーターだという趣旨でこういう名称のアワードを作りました。そうした中に長野県から、伊那市立伊那小学校、軽井沢の風越学園、県立坂城高校、そして県の教育委員会が取り上げられましたということでご紹介します。まず、教育委員会については、学びのDXにつながるEdTech教材を各校が導入するということで、これは選択して導入するという学校の主体性を大切にした取り組みを行いながら、DXを進めていくことが評価されています。また、坂城高校はDXを積極的に活用しているということで、既にデジタル庁からデジタル社会推進賞の最高賞を受賞している学校でもあります。また、伊那小学校は、子ども中心、子ども主体の探究する総合学習を昔から取り入れている、これも有名な取り組みですけれども、こうしたことが評価され、また、軽井沢の風越学園は、一人ひとりの「したい」という思いから始まる探究の学びを実践しているということで、それぞれ選ばれています。なお、風越学園と県の教育委員会は、今年3月に連携協定を締結して、探究を中核とした学びを実践する教員を育成する研修プログラムを研究・開発していこうということで、共に取り組んでいるところです。学びの県づくりを進めていこうという長野県として、こういう形で長野県教育委員会や長野県における学校の取り組みが評価されたことは、大変うれしく思っているところです。引き続き、画一的な教育を個別最適な学びへしっかりと転換していきたいと思っています。教育委員会とも連携しながら、長野県から新しい教育の在り方、新しい学びの在り方を形づくって、子どもたち中心の教育をしっかり行っていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
4点目は、ChatGPTの関係(会見資料5)です。まず、県の業務におけるChatGPTの活用についてお話ししていきたいと思います。この場でもChatGPTについてはいろいろとご質問を頂いてきましたけれども、週明けの5月15日からChatGPTを試行的に活用していきたいと思っています。皆さまのところに資料をお配りしているかと思いますけれども、基本的な考え方としては、ChatGPTをはじめとする生成AIについては、業務の効率化につながることが期待されるということ、その一方で、情報セキュリティに対しての懸念や職員の主体性が問われるというような懸念もあるところですので、まず、一定のルールの下で活用していこうと思っています。その上で、さまざまな課題、問題が出てくる可能性もありますので、そうしたものを蓄積し共有して、今後の方針を決めていきたいと思っています。資料の2にあるのが当面の方針です。現在、長野県で会議支援ツール「ログミーツ」というものを導入していますが、それに実はChatGPT技術が付加されています。議事録の要約であったり、AIへの質問は、ChatGPTを直接使うのとほぼ同じような利用ができる形になっていますが、これはAI学習には利用されない形になっていますので、一定程度情報セキュリティについては確保されているということで、まずは、「ログミーツ」を積極的に利用して、庁内での知見の蓄積・共有を図っていきたいと思っています。まず、試行的に積極的に使っていきたいと思っています。5月15日から7月21日までを試行期間とした上で、課題、問題の整理をしていきたいと思っています。なお、「職員が遵守すべきルール」ということで、4点ほど書いていますけれども、個人情報や機密性の高い情報は取り扱わない。また、ファクト面ではだいぶ疑義がありますので、事実調査のツールとしては利用しない。あるいは資料を作成した場合には、その旨を明記してもらう。また、著作権、商標権侵害に注意をして、サービス利用規約を適宜確認する。こうしたことを踏まえて活用していきたいと思っています。想定される用途は以下に書いてあるようなことが可能と思っていますが、これに限定せずに、各部局のニーズに応じて活用していきたいと思っています。今回の試行によってどういう課題が出てくるのか、あまり出てこないのか、あるいはどれぐらい業務が効率化していくのか、こうしたことをしっかり見極めながら、今後の対応を行っていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
最後は、民生委員・児童委員の日について(会見資料6)です。本日5月12日は「民生委員・児童委員の日」です。また、活動強化週間が(5月)12日から18日までになっていますので、全県であいさつ運動やPRグッズの配布等を行うことにより、民生委員・児童委員の皆さまの活動をPRしていきたいと思っています。先日、民生・児童委員の皆さまと意見交換しました。その際にも、民生委員・児童委員の活動の認知度が低いのではないかというご指摘を頂いています。ぜひこの機会に、改めて多くの皆さまに民生委員・児童委員の活動を知っていただきたいと思っています。いろいろなお悩み事等をお持ちの皆さまには、民生委員・児童委員を積極的な相談相手としてご相談いただければと思うのと同時に、民生委員・児童委員の活動・活躍を多くの皆さまにご理解いただき、支えていっていただきたいと思っています。
(動画再生)
県内で約5200名の皆さまが民生委員・児童委員としてご活躍いただいています。コロナであったり、価格高騰であったり、いろいろな福祉的な支援や相談を必要とされている方が大勢いらっしゃいます。ぜひこうした民生委員・児童委員の皆さまにご相談を頂いたり、あるいは課題を抱えている周囲の皆さまも、民生委員・児童委員にこうした方をつないでいただければと思っています。民生委員・児童委員の皆さまのご活躍に改めて感謝申し上げるとともに、われわれ県としても、しっかり民生委員・児童委員の活動をサポートしていきたいと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
ChatGPTの関係でお伺いします。対象の部署はDX推進課などに限らず、全部署で全庁的に試行する形ですか。
長野県知事 阿部守一
全庁的に試行していきたいと思っていますので、必要最低限のルールだけ決めて使っていこうと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
7月21日で一応の区切りということで、2カ月余りの試行ということですが、この後のスケジュール感というか、どういった考えでこの後は進むのかもお伺いします。
長野県知事 阿部守一
これは使ってみないと、どれぐらい使えるのか使えないのかが今ひとつよく分からないので、まずは試行した上で課題や問題点があれば整理していきたいと思っていますので、その状況次第ですね。あまり業務が効率化されないような状況や問題がいっぱい出てくるような状況であれば、積極的に使う意義がないという話になりますし、逆に、使えば随分効果的ではないかということであれば、より具体的なルール設定も含めて、今後の使用方法についてしっかり整理していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
教育の関係で、画一的な教育から個別最適な学びができる長野県の新しい学校の在り方をこれから考えていきたいとおっしゃっていました。教育委員会との関係もあると思いますが、知事もこれまでおっしゃっている部分もあるかと思いますが、改めて個別最適な教育というのは、どういったものを目指しているのかを、この機会ですのでお伺いしてもよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
子どもたちの能力や特性というのは本当にさまざまです。ただ、日本に限らず世界もそうですが、教育はある意味、画一的な枠組みの中で、教育を普及させる上では一定程度画一性というのは求められてきたと思いますし、同じような教育を行うことが、いわゆる工業社会、画一大量生産が経済的にも有利な時代においては必要とされたし、重要だったと思います。しかしながら、まさに今ChatGPTの話をしましたけれども、画一的な暗記や知識はほとんど人間以外で代替できてしまう時代になっていますから、人間にしかできないことであったり、AIではできないこと、だんだんAIでできないことは少なくなってきてはいますけれども、本来人間の主体的な判断や価値観が求められることに対して、しっかりとした役立つ学びを行っていくことが重要になってきていると思います。そういう意味では、一斉型の教育ではなくて、一人ひとりの子どもの進度であったり、好奇心であったり、特性であったり、こうしたものに合った個別最適な学びがますます重要になってきていると思っています。実際そうした学びを始めている学校も増えてきていますので、教育委員会ともしっかり話をしなければいけませんし、何よりも学校の在り方というのは、子どもたちを中心に、保護者の方だったり、学校関係者であったり、そうした皆さまがもっともっと主体的に考えられるようにしていかなければいけないと思います。私が画一的にこうだということを言うよりは、もっと分権的な、もっと民主的な、そうした学校の在り方というものを、ぜひ長野県からつくっていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
話は変わって、県議会選を終えまして、新しい議長、副議長、あと各委員会構成も昨日決まったわけですが、改めて知事として期待するところ、もしくはお考えがありましたらお伺いします。
長野県知事 阿部守一
正副議長、各委員会の構成も決まりましたので、県としても、新たな思いでしっかり県議会の皆さまとの対話や意見交換を通じて、共に長野県の未来をつくっていきたいと思っています。私はずっと知事をやっているわけですけれども、県議会のメンバーも新しい議員の皆さまも入られましたし、女性の議員の方も増えましたし、議会の構成も新たになりました。そういう意味では、私も新しい気持ちで議会の皆さまとしっかり向き合っていきたいと思います。
信濃毎日新聞 野口健太郎 氏
今の関係で補足ですが、佐々木新議長をはじめ、旧統一教会との関係が指摘されている議員が複数人いらっしゃいます。県としては、そういった関係を持つことが適切でない団体とは一定の距離を置く考えを今までも示していらっしゃるかと思いますが、これは個々人の政治家の判断の部分にもなるところがあるかもしれませんが、知事として、その点についてはどのように考えていらっしゃるかをお伺いします。
長野県知事 阿部守一
私も選挙で選ばれる政治家ですから、県議会議員の先生方一人ひとりの行動とか在りようについて、特にどうこう申し上げるような立場ではないと思います。一人ひとりの皆さまのどういう考え方で政治活動をするかとかは個々人の判断に委ねられていると思っています。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
ChatGPTの件です。もともと導入されているログミーツに新たに機能が付与されて、それを試験的に使っていくということだと思うのですけれども、多分皆さま、既にログミーツを使っている方がAIの機能も使おうかとなると思うのですけれども、実際2022年4月に正式にログミーツが導入されて、今、県庁の中でどれぐらいの方がログミーツを使われているのかが気になっているのですが、そのあたりの普及率みたいなところはどうでしょうか。
長野県知事 阿部守一
会議支援ツールのログミーツにそういう機能が付いていますが、基本的には会議の文字起こしという主たる機能以外は、これまではほとんど使われていなかったと聞いています。今回幅広く各課で使ってもらえるようにして、こういう付加機能があるということも周知した上で、全庁的に使っていきたいと思っています。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
では、ログミーツは2021年の試験期間で大体4割ぐらい時間がカットできてという成果はあったのですが、一つの機能しか使われていなかったというのが実態ということですか。
長野県知事 阿部守一
DX推進課の方から少し補足させてもらいます。
DX推進課職員
ログミーツの機能とか使われ方についてのご質問ですけれども、ログミーツ自体は、皆さまが使われているICレコーダーと同じようなものを2年ほど前から導入しているところです。県庁内には30台ありまして、貸出しをしながら使ってきているところですが、GPT機能については今年4月に取り入れて1カ月も経っていない状況で、庁内周知や環境を整えていて、まだ使われていない状況です。音声文字起こしの機能と切り離した形で、今回GPT機能の試行として展開していこうと考えております。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
全庁的にやられるということですが、実際の規模が気になっていて、今実際にどのぐらいの方がログミーツを使っていらっしゃるとか、多分、専用のレコーダーみたいなものがあると思うのですが、今後台数を増やされるとか、そういうことはありますか。
DX推進課職員
GPT機能は音声文字起こしの機械と切り離して使えますので、機械の制限なく使えると思っています。利用状況ですけれども、大体月に100時間~150時間ぐらい、手元に資料がないので記憶になってしまいますが、それぐらいの使われ方で、一定程度県庁の中で使われていると考えています。これは音声文字起こしの方です。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
100~150時間というのは、30台でということでしょうか。
DX推進課職員
30台で使い回している時間です。
長野県知事 阿部守一
文字起こしとGPT機能は全然違いますね。
DX推進課職員
違います。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
あと、ログミーツの試験導入のときに、確か県庁を含めて15自治体で試験的に使いますみたいなリリースが昔出ていたと思いますが、今回の新機能に関しては、あくまでも県庁だけでやって、他の自治体で試験をする予定は特にないという理解でいいですか。
DX推進課職員
音声の文字起こしのツールは共同調達という形でやっていますが、今回の機能は県庁のみの試行です。
日本経済新聞 臼井優衣 氏
今後さらに広げていく予定はあるのでしょうか。それは県庁内の確認というか、検証を経てみたいなことになるわけですか。
長野県知事 阿部守一
これを広げるというのは、他の市町村は市町村の主体的な判断があると思いますので、うちも同じようにやりたいというところがあれば、それは別に否定するものではありませんので、それぞれのご判断という形になると思います。
市民タイムス 萩原真一 氏
きょうの午前中のこども食堂の皆さんのホットライン信州の要望の関係で確認です。あの場で知事はかなり前向きというか、ホットライン信州などの運営団体などと継続的に話し合って意見交換してシステムづくりを進めていくというスタンスかと聞かせていただいたのですが、今後こども食堂の支援をどういう形で進めていくのか、あの場で伺ったことも含めて、改めて思いを聞かせていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
きょう、こども食堂を支援いただいている団体の皆さまから状況を教えていただき、また、ご要請も頂きました。私としては、6月議会に向けても価格高騰対策をどうしようかとか、いわゆる子どもの貧困対策をどうしようかとか、いろいろ考えている中で、ああいう形での子どもたちへの食料支援は極めて重要なテーマだと思っています。とはいえ、県という行政組織が1から10まですべてのこども食堂を応援したり、その先のご家庭に食料をお届けするのはなかなかやり切れない問題です。そういう意味では、ホットライン信州の皆さまをはじめ、既にそうした、子どもたちや食料に困られている皆さまへの支援をされている方たちとの共創はすごく重要な話だと思います。ぜひ一緒にシステムを考えていきたいということでお話ししました。食料の調達から保管・運搬、実際に子どもたちや食料に困られている皆さまの手に渡るところまでの一貫した体制を、きょうも事務局体制の話もありましたけれども、安定的な形で実行していくにはどうすればいいのかということを、ぜひ一緒に考えていきたいと思っています。行政のできること、できないことがありますけれども、既に取り組まれているNPOの皆さまの課題を共有して、一緒にシステムをつくっていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
きょう、ホットライン信州さんがいらしていましたが、ホットライン信州とか他にもやっている団体があると思います。その方々と継続的に協議の場みたいなものを設けて、一定期間、情報交換して取り組んでいく、そういったイメージでよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
相手方のある話なので、私が勝手にこうしたいと決めるわけにはいかないのですが、私の思いとしては、今申し上げたように、具体的な形がつくれるようにしていきたいと思います。それは一回話し合ってすぐできるものではないだろうと思いますので、継続的に意見交換ができるとありがたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
別件でもう1点、新型コロナの関係ですが、全数把握が終了して、ゴールデンウイークの影響等の状況も分かりにくくなっていると思いますけれども、知事のところに何か情報は入っていますか。
長野県知事 阿部守一
この場でも申し上げたように、定点観測の情報提供が来週になりますので、今週の状況は、少し個別に情報を取りながら確認していかなければいけないということで、実際、各保健所からいくつかの医療機関に対して聞き取り調査をしています。あと、G-MISで入院者数の報告が来ていますが、それらを見ると、現在、特に陽性者、入院者が連休を挟んで爆発的に増加しているといったような状況ではないのかなと。ただ、連休前から少しずつ陽性者数、入院者数が増加傾向にあって、まだその傾向は続いている状況ですので、新しく5類移行になってから、入院については8、9、10日の3日のデータしか取れていませんし、外来(診療)についてもこの3日間の状況を聞き取っているだけですので、まだ連休の影響がしっかり出ているのかどうかということも含めて見極めなければいけませんけれども、今の段階で、感染が急拡大しているような状況では必ずしもないと把握しています。引き続き状況をしっかり見極めていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原真一 氏
もう1点だけすみません。ChatGPTの関係ですが、今後業務がどれだけ効率化できるか見極めて、セキュリティ面も見極めてということでしたが、知事としては期待の方が大きい形なのか、あまり期待していないと言ったらあれですけれども、思いとしてはどうですか。
長野県知事 阿部守一
多分、使えるところと使えないところとはっきりするような気がします。まだ使っていないのにそんなこと言ってはいけないですが。先ほども少し言いましたように、私も個人的に何度か使っていますが、事実関係は相当ファクトチェックしないと使えないという感覚は持っています。その一方で、もっともらしい文章はすぐ作ると思いますので、分野によるのかなとは思っています。あまり予断を持たずに試行していきたいとは思っていますけれども、今の私の感想はそんなところです。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
コロナの5類移行の関係で今お話が出ましたけれども、入院・外来の受け入れの医療機関の拡充だったり、医療機関同士の入院調整ということで、変更点がいくつかありますが、そのへんの関係はスムーズに移行できているだとか、知事のところに入っている情報の中で、どのように受け止めていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
連休前に5類移行後の対応についての一定の方向性を示して、8日にまた本部会議で決定した方向性等をお伝えしたところですが、大きく変化はしていないと思っています。入院可能な医療機関については、順次拡大していく方針ですが、これまでの最多の入院患者数を上回る受け入れは可能な状況だと判断していますし、前回申し上げたように、外来(診療)を受け付けていただく医療機関についても、少しずつ増えてきている状況です。引き続き多くの医療機関の皆さまにご協力を頂き、感染が急拡大しても対応できるようにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井口賢太 氏
もう1点、別件ですけれども、県が建設を助成して、知事も開館式に出席、参列された阿智村の満蒙開拓平和記念館が4月24日に開館10年を迎えました。ゴールデンウイーク前の知事会見で聞く機会を逸してしまいまして。長野県の歴史を語る上で満蒙開拓は欠かせないと思いますし、平和学習で訪れる子どもも多いと聞いています。当事者が高齢化する中で、館が果たす役割に期待する点だとかを含めて、10年を迎えて知事の所感をお願いします。
長野県知事 阿部守一
満蒙開拓平和記念館については、開館前から関係者の皆さまの熱い思いを私も伺ってきました。過去の悲惨な歴史を忘れない、そしてしっかりと引き継いでいくことが大変重要だと私も思っていますので、県も一定の支援をして設置される皆さまを支援してきたところです。戦争体験をお持ちの方がだんだん高齢化したり、お亡くなりになられる中で、記念館がしっかり継続していくことは、これからも重要だと思います。県としても、引き続き関係の皆さまの思いをしっかりお伺いしながら、いろいろな皆さまとの交流や活用の仕方を一緒に考えていくことができればありがたいと思っています。
ありがとうございました。
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