ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2023年度知事会見録一覧 > 知事会見2023年11月30日
ここから本文です。
更新日:2024年1月4日
長野県知事 阿部守一
本日から11月の定例県議会が開会しました。経済対策等を盛り込んだ補正予算案をはじめ、重要な議案を提出していますので、しっかりと県議会の皆さまにご理解いただいた上で、ご議決いただくことができるように取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
きょう、私の方からは1点だけお話をしたいと思います。ライチョウ保護のためのクラウドファンディングです。本日からクラウドファンディングで、ライチョウ保護のための寄付金の募集を始めたいと思っています。詳細については担当課から説明をお願いします。
自然保護課長 池田敦
ただいま知事からご案内いただいた、新たな寄付金の募集開始についてご説明します。内容については、ライチョウ保護対策を実施するため、募金の募集期間を本日から令和6年8月31日まで、目標金額を1300万円として「ガチなが」でクラウドファンディングによる寄付金の募集を行うものです。日本のライチョウは本州中部の高山帯のみに生息し、世界のライチョウの中では最も南に分布する個体群で、氷河期の生き残りと言われています。また、ご承知の通り、ライチョウは、長野県の県鳥として長く愛されており、本県の豊かな山岳環境を象徴する大切な存在です。県民や多くの登山者の皆さまに愛され、親しまれているライチョウですが、近年は地球温暖化による高山植生の変化や、高山帯へのテン、キツネといった捕食者の侵入により、ライチョウを取り巻く環境は厳しさを増しており、生息数は1980年代に約3000羽、2000年代初頭には約1700羽まで減少したとの調査報告が公表されています。こうした背景から、長野県ではこれまでライチョウの保護のために皆さまから頂きました寄付金も活用しまして、高山帯で保護活動を行う専門人材の育成、生息状況の調査のほか、全国初となるライチョウの目撃情報投稿アプリ「ライポス」の開発など、さまざまな保護対策、普及開発に取り組んできました。ただいま、こちらのモニターで流しています映像も、県で作成しました学習動画の一つです。「守ろう、つなごう、ライチョウの未来」と題しまして、ライチョウの生態、オス・メスの見分け方など、子どもからお年寄りの皆さままで、誰でも分かりやすく学習できるように解説した動画となっていまして、現在YouTubeで公開中です。このように、ライチョウの保護対策は、環境省、市町村、専門機関と連携しまして、まさにスクラムを組んでさまざまな取り組みを行ってきたところです。平成30年に1羽が発見された中央アルプスでは、本年7月の調査で約70羽まで生息数が増加するなど、一部の山域において成果が見られるところです。これまでの知見を生かしながら、今後も有効な保護対策を実施していくために、高山帯での生態系情報は非常に重要なものとなります。一方で、厳しい山岳での調査は専門家が限られるとともに、膨大な労力と時間がかかり、情報が不足しているという状況にあります。こうした状況を踏まえまして、今回の寄付金では生息状況が十分に把握できていない山域でのモニタリング、ライチョウの生息を脅かすキツネ、テンといった捕食者の数や行動の調査、ライチョウの生息数が増えつつある中央アルプスにおける保護対策などの事業に活用をしたいと考えていまして、調査で得られたデータを活用しながら、保護対策を実施していきたいと考えています。登山者の方々からは、「ふと目の前に現れたライチョウ見かけると、なぜかしら心が優しくなります」、「ライチョウを見つけた時の喜びは忘れられなく、一生の旅の思い出となりました」といったお言葉も寄せられているところです。本日を契機に、この取り組みをさまざまな機会を通じて発信していきたいと考えていますので、ぜひとも多くの皆さまから信州の豊かな山々に対する思い、ライチョウの保護への思いを寄せていただければと考えています。どうぞ、心からお願い申し上げます。説明は以上です。よろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
私も少し補足しますけれども、説明にもありましたように長野県の県の鳥、県鳥がライチョウです。日本アルプスの象徴として絶滅させることがないように、多くの皆さまのお力を頂きながら、長野県としてもしっかりと取り組みを進めていきたいと思いますので、多くの皆さまのご支援、ご協力を心からお願いを申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。ということで、あとは皆さまからのご質問をお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いします。
長野日報 林 氏
今、発表がありましたライチョウの関係でお伺いしたいです。多分、担当課になるかと思うのですけれども、今回寄付ということで、寄付金の使途のところで先ほど簡単にざっくりと説明いただきましたけれども、生態系の調査ですとか、そういったもう少し具体的なところをお願いします。
長野県知事 阿部守一
先ほど、ある程度説明させていただいたと思いますが、生息状況が十分把握できていない山域におけるモニタリングであったり、あるいはライチョウの生息を脅かす捕食者、キツネやテン、こうした捕食者の数や行動の調査、そして、何とか生息数が増えつつある状況にある中央アルプスにおける保護対策、こうしたものに活用していきたいと思っていますが、さらに詳しくということですか。
長野日報 林 氏
そうです。そこの具体的な、より具体的な山域とはどこを指しているのかとか、保護対策とは具体的にというところをすみません。
長野県知事 阿部守一
ではそこは、担当課の方から補足してもらえますか。
自然保護課長 池田敦
具体的には、これから調査圏域、不足する場所というところを考えていくのですけれども、特に今、中央アルプスの関係の増殖保護対策を行っているところですが、それ以外には北アルプス、それから南アルプス、乗鞍岳、御嶽山、県内には複数の生息地がありまして、かなり広域なエリアに生息しているという状況にあります。そうした部分の調査というのは非常に山岳部での調査になりますので、より詳細な調査をわずかな時間の中でしていかなければならないということになりますので、そこらへんの部分を具体的にという形になっていくかと思っています。また、中央アルプスの関係の対策においては、これまでそうした生息環境の調査だとか、高度人材の育成を行いまして、サルの追い払いだとか、さらには、ヒナ等のケージ保護みたいなものを行ってきている状況がありますので、こうしたものを継続するということが、まずは保護対策としては非常に重要かと思っていますので、そうした分野の中での取り組みということを含めて考えていきたいと考えているところです。
長野日報 林 氏
今、具体的に県内各地、県内各山域のところを、まず調査地というところで挙げていただきましたけど、まだ具体的にどこをやる、重点的にやるかというのは、当然ですけれども、現時点で決まってないという認識なのでしょうか。
自然保護課長 池田敦
はい。また、具体的に考えていくのですけれども、特に北アルプスエリアは不足しているという状況が強いので、そうしたところを優先的に考えることは必要かと思っています。
長野日報 林 氏
あと、細かいところで恐縮なのですけれども、人材の育成というところで、県では、ライチョウは一昨年とかまでに10数名ほど育成プログラムをされたと思うのですけれども、その効果はさておき、今回のプロジェクトに今回のこの寄付にそこが入っていらっしゃるということでいいのでしょうか。今年も人材育成についてやるという、この寄付を用いてまた再開するという認識ですか。それもまだ決まってないという状況でしょうか。
自然保護課長 池田敦
今、お話ししましたように、まずはモニタリング調査、それから捕食者数の把握だとか行動の調査ということを中心に考えていきたいと思っているので、人材育成の関係については、これまで15名の方の高度人材の育成をさせていただきましたので、そうした方々のご協力を頂きながら、こうした調査というものを進めるということを第一に考えたいと今は考えています。
長野日報 林 氏
最後にもう1点だけ、今のライチョウの関係で「ライポス」のお話ありましたけれども、一昨年できて、正直言ってしまえばあまり有効活用されていない状況があるのですけれども、最近アップデートされたと伺っているのですが、どのようにアップデートされて、最近の「ライポス」の状況についてお伺いできればと思います。
自然保護課長 池田敦
「ライポス」については、アプリとして皆さまの携帯とかスマートフォンにインストールし、山でライチョウを目撃したときに、気軽に投稿ができるような仕組みのものになっています。開発しまして、当初、年間で150件程度の目撃情報を紙等で寄せられていたりということがあったのですが、「ライポス」を導入しまして、年間450件、約3倍ぐらいまで情報が頂けることになりました。これは、通常の専門機関が行う生体数の情報に加えて、そうした情報を活用させていただくということになっていますので、目撃情報だけですべてのデータを補うものではありません。そうした意味で、今の現状の調査に上乗せする形で、広く県民の皆さまのご協力を頂いた情報が更なる詳細なデータにつながっていくと考えていますので、さらに「ライポス」の普及啓発も含めて発信していきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
きょうの提案説明について関連して2点お伺いしたいのですが、1点目に国の補正予算の成立を受けて、追加の補正予算案を提出するという話がありましたが、具体的に防災・減災というところがあったかと思うのですが、具体的にはどのような補正予算案を追加で提出を考えているのかというところが一つと、もう一つがクマ対策のところでセンサーカメラの導入とかという話もありましたが、こうしたところは新しい取り組みとして行っていくのか、補正予算案なのか、当初予算案なのかとか、そのあたりを少しお伺いできたらと思います。
長野県知事 阿部守一
まず、国の予算の成立を踏まえて、今は追加で補正予算案を提出する準備をしています。今、まだ内部で検討中という状況ですので、まとまった段階でまたお伝えしていきたいと思っています。内容的には公共事業に関する部分がやはりウエート的には多くはなりますが、そのほか国の補正予算に対応して県として取り組むべきことについて、どんなものがあるかということを把握しながら、今できるだけ早く具体化できるように検討しているところです。それから、クマ対策についてですけれども、きょう、提案説明でお話をしたパトロールとかセンサーカメラの導入というのは、既存の予算の中で、できるだけ早く対応していきたいと思っています。それに加えて、今、抜本的な対応ということで、「長野県ツキノワグマ対策あり方検討会」を設置していますので、そこからいろいろとご提案が出てくれば、またそうしたものを必要があれば予算化することも含めて対応を考えたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
あと、一問目に関連して追加で、22日に発表があった県の総合経済対策の中で、11月補正への追加も視野に検討中というのが数えると三つぐらいあったかと思うのですが、そのあたりが、例えば子ども・子育て支援とかそういったところも今、追加の補正予算案を検討されてるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
国の予算を見極めた上で、必要なものが何かというのを今、精査しているところですので、今の段階でこれとこれということで具体的には申し上げられませんけれども、国の補正を受けて県として必要な対策についてはしっかりと予算化していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 井手 氏
まず、ライチョウの関係で伺いたいのですが、今回は県の事業としてではなくてクラウドファンディングを集めて、それで事業を行うことにした狙いというか、県民を巻き込む意義みたいなものがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
あとで少し私が補足しますけれど、まず、担当課から説明してもらいますか。
自然保護課長 池田敦
今回のクラウドファンディングを実施することが広く県民に、山岳環境の保全、さらにはライチョウというものに、より親しみだとか取り組みということを知っていただいて広げていくということが非常に重要かと思っています。特に、長野県の県としての事業はもちろんですけれども、こうした形で広く多くの皆さまの寄付金を頂くことは、より協働で、皆さまと共にそうした保護対策を打っていくということの象徴としては非常に有効かなとは思っていまして、そうした意味において、今回はクラウドファンディングという形の事業が一つ有効かと考えて、実施したというのが一つの理由です。
長野県知事 阿部守一
私もきょうの提案説明の中でもゼロカーボンは共創の視点を持って進めていきますというお話をしましたけれども、地球環境であったり、生態系を守っていくことについて、ぜひ多くの皆さまにやはり関心を持っていただくことがまずは大事だと思っています。また、今回、取り組もうとしている内容の中でも、多くの皆さまに参加してもらって、ここで目撃したよとか、そういう情報も非常に重要な情報ですので、多くの皆さまと共創・協働で、ぜひ生態系、ライチョウを守っていきたいと思いますので、単に予算化してというよりは広く多くの皆さまの協力をぜひお願いしたいと思っています。
信濃毎日新聞 井手 氏
もう1点伺いたいのですけれども、知事が公務に復帰されてきょうで4日目になるかと思うのですけれども、体調の回復具合だったり、今後の治療の方向性とか、何か決まったものがあれば。
長野県知事 阿部守一
今後の治療は多分、基本的に何もないと思いますし、先ほどの県議会でも提案説明させていただき、今もこうやって会見でお話ししているように、普通に仕事をしてきています。頭をあまり振ったりするとまだ万全ではないところがありますけれども、通常の公務をする上では、何ら支障がないという状況ですし、これから、今ご質問があったように、特に何か治療行為をしなければいけないとは主治医の方から伺っていませんので、普通に仕事をしていくという形になると思います。
信濃毎日新聞 井手 氏
復帰されてから、関副知事が公務を代行するようなことというか、知事が少し仕事をセーブするような時もあったかなと思うのですけれども、これからは、また元通りやっていくというような感じになるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
実は、元通りやらないようにしようかと思っていまして、例えば今も「かえるプロジェクト」で、きょうも午前中にいろいろと打ち合わせしてきましたけれども、例えば、勤務時間外の打ち合わせはやめてくれという話とかいろいろとあります。職員の働き方改革もしっかりしていかなければいけないと思っていますし、仕事の効率化であったり、減量化ということも重要な課題になっていますので、私自身の仕事の仕方というものも、ぜひ併せて見直していきたいと思っています。これは決して手を抜くということではなくて、重点的に私がやらなければいけないことに集中していくという形で取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
きょうの提案説明の中でもありました6年度の組織改正の関係で、観光スポーツ部、スポーツを生かした観光振興等ありますけれども、観光とスポーツをなぜ一緒にして、どういう狙いがあるのかという狙いの部分と、観光スポーツ部に懸ける知事の思いと、そのへんをお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
スポーツ分野については、これまでは教育委員会、学校スポーツの関係性をかなり意識して取り組んできたわけでありますし、これからも学校関係者、先生方の協力というのは、スポーツ分野においては必要だとは思っています。ただ、これから5年後に国民スポーツ大会、全国障害者スポーツ大会を控えている状況でもありますので、やはり教育とか学校という分野だけではなくて、より総合的にスポーツの振興を図っていきたいと思っています。観光部以外でもくっつける可能性はなくはないわけですけれども、やはりプロスポーツの振興をはじめスポーツ振興を地域の活性化等にもつなげていくという観点を考えれば、スポーツと観光と一体的に担っていく形が望ましいだろうということで、観光スポーツ部という形にしたいと思っています。障がい者スポーツとの一体化であったり、プロスポーツの振興であったり、これまで必ずしも十分行われていなかった分野も含めて、しっかり力を入れて取り組んでいきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
別件ですけれども、きのう発表ありましたコロナがまた4週間ぶりに微増ですけれども増加に転じて、インフルエンザがやはり相当数上がってきていて、あと梅毒等も、感染症の関係がいろいろ出てきていますけれども、これから冬に向けて、対策というか、県民への呼び掛けみたいなものをお願いします。
長野県知事 阿部守一
これまでもインフルエンザ、コロナは、手指消毒であったり、場面に応じたマスクの着用であったり、基本的な感染対策を呼び掛けさせてきていただいていますので、引き続きそうした対策はお願いしたいと思います。インフルエンザについては、直近の患者数は定点当たり51.83(人)で、前の週に比べると1.46倍と引き続き感染が拡大してきています。この傾向は、ますます寒くなってきてもいますので、しばらく続いていくものと考えています。一方、コロナについては、こちらは前の週に比べて1.17倍ということで微増と。ただ、入院者数については、11月の初旬には300人超えていましたが、11月27日現在の暫定値で148(人)で、コロナの入院者数についてはだいぶ落ち着いてはきていると思っています。先ほど申し上げたように、基本的な対策は引き続き呼び掛けつつ、県としても、患者数の動向等についてはしっかりウォッチ、注視をして、必要な対策を行っていきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
もう1点だけ、これは本当に確認だけですけれども、先ほどの国の予算成立を受けての追加補正ですけれども、今会期中に追加を出すという認識でよろしいですね。
長野県知事 阿部守一
できるだけ早くと思っていますので、そうした考えで取り組んでいます。
中日新聞 清水 氏
ライチョウの関係で、先ほど意図などは教えていただいたのですが、そもそも「ガチなが」ではないですけど、ふるさと納税制度を活用してのクラウドファンディングの呼び掛けは今までにも何回かあったようかと思うのですけど、なにゆえこのタイミングでこういったクラウドファンディングを再び募るようになったのか、背景なんかがありましたらお願いいたします。
自然保護課長 池田敦
今回、今のお話のとおり、「ガチなが」のクラウドファンディングという形での実施をさせていただくことにはなっています。実際、ライチョウの保護活動・保全活動というのは、春先から秋が集中します。そうしたものをより集約し、さまざまな研修の機会だとかフォーラムだとかというものがこれから冬の時期から始まります。そうした場面において、春から夏までに行ってきた取り組みを皆さまに発信して知っていただいて、その関心が高まったところでまた来春に事業を実施していく、こういうスケジュールのサイクルになっています。となると、このタイミングで今年度の取り組み、春先からの取り組みをしっかりと皆さまにお伝えするというのが一番タイミングとしてふさわしいと考えている部分が一つあります。そうしたものを含めて、今回の寄付金を活用して、来年度の調査等の事業に充てていくということをずっと続けていきたいという思いの中でスタートしているという感じになります。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください