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更新日:2023年11月10日

知事会見(令和5年(2023年)7月27日(木曜日)15時17分~16時08分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について
  2. 中国(河北省・北京市等)への訪問について
  3. 要介護度をもとにした健康寿命が男性、女性ともに長野県が全国1位になったことについて
  4. 女性・若者から選ばれる県づくりに向けた取り組みについて

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)
  2. 新たな観光振興財源の検討について
  3. マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴う保険証の廃止について
  4. 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)
  5. 7月25日から26日まで開催された全国知事会議について
  6. ヘルパンギーナの感染状況について
  7. 御嶽山登山道立入規制緩和の実施について
  8. 中国(河北省・北京市等)への訪問について

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは、私の方からきょうは、冒頭4点発言したいと思います。まず、1点目ですけれども、新型コロナのこの夏の感染対策についてのお願い(会見資料1)です。皆さまのところに呼び掛けの文書をお配りしていますが、夏休みに入って非常に人の動きも激しくなってくる状況です。2類から5類感染症という位置付けになってからは初めての夏になるわけです。現在の感染対策は、あくまでも県民の皆さまの自主的な取り組みがベースという状況ですが、今の状況認識を少し説明しますので、県民の皆さまに共有した上で、適切に対応していっていただきたいと思っています。まず、感染状況ですけれども、お配りしている資料の4枚目の別紙です。長野県内の状況は今、陽性者数の把握は定点医療機関での把握という形になっていますけれども、7月17日から23日までの1週間、定点当たりの届出数が9.66。先週に比べて約1.18倍と、増加傾向が継続しています。特に注目しているのは、下の方に年代別の状況という表がありますけれども、非常に若い世代の感染者数が多い状況ではありますが、少しずつご高齢の陽性者が増加してきている状況です。そうしたこともあって、事後的にもう少し増えてくる可能性がありますけれども、24日の入院者数は暫定値で185人です。重症の方もいらっしゃるということで、この185人という入院者数は5類に移行してから最大値です。また、全国の状況が一番最後についているかと思いますが、本県は、全国の状況に比べると定点当たりの報告者数が少ない状況にとどまっています。全国の状況をご覧いただくと、沖縄は少しピークアウトしてきている感はありますけれども、他の地域についてはかなり陽性者数が右肩上がりで増加してきています。現在のところ、本県において医療に過大な負荷がかかっているような状況ではありませんけれども、全国的には感染者の増加傾向が続いている状況ですので、新型コロナに対しての注意は必要な状況だと考えています。そういう観点で、一番頭の紙にお戻りいただいて、この夏の感染対策です。まずは、冒頭の文章の後段に書いていますように、今、県民の皆さまの自主的な取り組みが基本の感染対策にはなっていますけれども、ぜひ地域の感染状況、流行状況に関心を持っていただきたいと思いますし、また、ご自身や身近な方々を守る、ひいては社会を守るという観点で、引き続き適切に対応いただきたいと思っています。特に、基本的な対策について述べていますが、手洗い、手指消毒等の手指衛生、換気、3密回避、これらについては引き続き有効です。また、マスクの着用は個人の判断が基本という形になっていますが、特に今回、医療機関や高齢者施設等を訪問する際はマスクを着用しましょうということを強調しています。県内の状況を見ると、医療機関とか高齢者施設での集団発生の事例も出てきていますので、こうした医療機関とか高齢者施設は重症化リスクが高い高齢の方とかが多い場所ですので、そうした際はマスクの着用を行っていただきたいと思います。それから、発熱等の症状がある方は、無理せず自宅で療養いただきたいと思っています。また、重症化リスクが高い方等は、かかりつけ医、身近な医療機関に相談いただきたいと思います。それから、高齢者や基礎疾患をお持ちの方については、現在、新型コロナワクチンの追加接種を8月末まで行っていますので、この機会に接種のご検討をお願いしたいと思っています。以上が、今の状況認識とこれからの夏に向けてのお願いです。
 それから、コロナの関係でもう一つ資料をお配りしていますが、呼び掛けの1枚後ろに「新型コロナウイルス感染症の受診相談・健康相談の窓口を統合します」ということです。これまでは、事前の受診・相談センターと症状等の健康相談先を分けていましたけれども、8月1日以降は統合します。2つに分かれていると、相互にクロスして相談されたりするケースもありますので、一本化して分かりやすい対応法に変えていきたいと思っています。それに伴って、電話番号が変わります。0120-924-444と、24時間対応のフリーダイヤルで対応しますので、この点をメディアの皆さまには広くお伝えいただければ大変ありがたいと思っています。

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2 中国(河北省・北京市等)への訪問について

長野県知事 阿部守一
 
それから、2点目です。プレスリリース資料をお配りしているかと思いますが、31日から来月4日まで、私をはじめ、県議会議長、町村長の一部、経営者協会の碓井会長、日中友好協会の皆さま、スキー連盟、さらには県立大学、信州大学の皆さま、観光関係者、県内のさまざまな皆さまと共に中国を訪問します(会見資料2)。今回の訪中は、まず、河北省と友好提携40周年という機会を捉えて、河北省の皆さま、中国の皆さまとの地方間の交流を、コロナでこうした交流ができない時期が続いていましたので、交流を再開していきたいと思っています。併せて、相互理解の促進、そしてインバウンド客の増加等、中国との関係性をさらに強化していきたいと思っています。あと、佐々木議長にもご同行いただく予定にしています。今の予定はまだ変動する可能性がありますけれども、お示ししているとおり、まず北京市に入り、北京市の人民政府を訪問し、観光プロモーションを行い、翌日、国家体育総局や滑雪協会を訪問します。冬季オリンピックが中国で開催され、長野県もさまざまな協力をしたということもありますし、これからのウインタースポーツでさらに協力関係を深めていきたいと思っていますので、国家体育総局や滑雪協会を訪問し、海外との友好交流の窓口になっていただいている対外友好協会も訪問していきたいと思っています。また、北京の日本大使館も訪問します。それから、その後は河北省を訪問し、40周年の交流記念行事を行います。加えて、上海にも訪問し、上海総領事館を訪問するとともに、日本政府観光局等を訪問して、インバウンドの増加につなげていきたいと考えています。コロナでなかなか交流が十分できない時期が長く続きましたけれども、これまでも中国からは多くの学習旅行をお迎えしています。また、インバウンドもまだ本格的な回復という状況ではありませんけれども、非常に大きな可能性を持っています。中国との間では、さまざまな友好交流をこれまでも進めてきましたので、先人の皆さまに築いていただいた信頼関係の上に立って、中国とのさらなる交流の発展強化を図っていきたいと考えています。

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3 要介護度をもとにした健康寿命が男性、女性ともに長野県が全国1位になったことについて

長野県知事 阿部守一
 それから、3点目ですけれども、いわゆる要介護度をもとにした「健康寿命」が長野県の男性、女性ともに全国1位となりましたというご報告(会見資料3)です。今月18日に国民健康保険中央会から、要介護度をもとに算出した健康寿命が公表されています。長野県は男性、女性ともに全国第1位です。特に、女性は6年連続で全国1位、そして男性は前の年は2位でしたけれども、今回は2年ぶりに全国1位という結果になっています。令和3年の数値です。健康長寿県としての取り組みは、コロナもあってなかなか十分行えない状況が続いてきましたけれども、今回の要介護度をもとにした健康寿命が全国1位ということを踏まえて、さらに健康長寿県に向けた取り組みを進めていきたいと思います。
信州ACEプロジェクトについても着実に推進していきたいと思っています。また、フレイル予防対策や食塩の摂取量を抑える取り組み、野菜摂取量を増加させるための取り組みも進めていきたいと考えています。長野県の健康長寿は、この間の全国知事会の懇親の場でも、「どうして長野県は健康長寿なんですか」という話題になりましたけれども、年を取っても働いている方が多く、高齢者の就業率が全国1番であるということ、それから野菜の摂取量も全国1番であるということ、さらには保健補導員や食生活改善推進員の皆さまによる自主的かつ、きめ細やかな取り組みが功を奏してきているといったようなこと、さらには専門職の医師、保健師、管理栄養士といったような皆さまが、長い間地域医療、地域の保健環境の改善にご尽力いただいてきていると、こうしたことが相まって成果を挙げてきていると考えています。引き続きこうした強みを生かせるように取り組んでいきたいと考えています。

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4 女性・若者から選ばれる県づくりに向けた取り組みについて

長野県知事 阿部守一
 それから、最後4点目ですけれども、女性や若者から選ばれる県づくりを進めていく長野県として、二つプレスリリースしています。一つは「長野県こどもモニター」の募集(会見資料4)と、もう一つは「女性デジタルインターン」の受講生募集(会見資料5)です。 
 まず、こどもモニターですが、さまざまな政策を進めていく上で、これまでは、やはり大人の意見を中心に取り組んできたわけですが、今般、こども基本法も施行され、われわれ都道府県も子ども施策の策定、実施等に当たって、子どもの意見を反映していきたいと思っています。そういう観点で、新たに「長野県こどもモニター」を募集します。こどもモニターにご登録いただいた皆さまにはアンケートを行っていきたいと思いますし、その結果については全庁的に共有し、政策づくりに活用していきたいと思っています。子どもたちの思いをしっかり受け止めて政策を作っていきたいと考えています。
 それからもう一つ、「女性デジタルインターン」の受講生募集です。社会のデジタル化を進めていく上で、これは男性、女性を問わずデジタル分野での活躍を広げていかなければいけないと考えています。特にデジタルを活用しての、デジタル分野での就労ということは、比較的場所や時間にとらわれず、柔軟に働くことができやすい分野ですので、育児や介護等に携わっている機会が多い女性の皆さまの就労機会を広げていくことにもつながると考えています。今年度からこのカリキュラムをスタートさせていくわけですけれども、給与、交通費、託児費用、こうしたものを支給します。そうした中で経済面や育児の面でも安心して業務を経験していただきたいと思っています。また、デジタル分野において就労、活躍をしていっていただきたいと考えています。ぜひ多くの皆さまに応募を頂ければと思っています。私の方からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

信濃毎日新聞 野口 氏
 知事が冒頭におっしゃっていた新型コロナのことについてお伺いします。長野県はまだ、全国的に見てもかなり広がっているとは比較の中では言えない状況ではあるのですが、全国的には、知事もおっしゃったように感染が広がって、第9波というような表現を使っているような都道府県もあります。知事の認識としますと、これから夏休みに入って人の移動が増える、いろいろな感染の機会も増えていくという中で、この大きな波というか、感染の傾向に関しては今どういうふうに見ていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 情報、データの把握の仕方が5類移行前と変わっているので、なかなか単純に以前の状況と比較しにくいところではありますけれども、今の陽性者数のレベル感というのは、かつての医療アラートを発出するもう少し前の段階だと思っています。ただ、増加傾向が続いていますので、今後の状況についてはしっかり注視していかなければいけないと思いますし、先ほど申し上げたように、全国的にも感染者の増加傾向が続いているということは十分留意しなければいけない状況だと思っています。ただ一方で、先ほど申し上げたように、少し医療施設等での集団感染等が出てきていますが、全体的には医療がひっ迫するような状況にはまだ立ち至っている状況ではないと認識していますので、そういう意味では、今の段階で過度に、こうしてくれああしてくれと申し上げるということではなく、先ほど申し上げたような一般的な対策を中心に、県民の皆さまには心掛けていただければと思っています。

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2 新たな観光振興財源の検討について

信濃毎日新聞 野口 氏
 2点目ですが、先ほど会議がありました観光振興審議会の中で、観光財源のことについて、きょう、諮問がありまして、本格的な議論が始まることになります。以前もお伺いさせていただいたのですが、改めて、きょうというきっかけがありますのでお伺いしますが、なぜこのタイミングでの議論の開始になるのか、また見据えているものというのはどういう県の狙いがあるのか、どういった議論を知事としては期待して臨んでいるのか、その点についてお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 この場でも何回か申し上げたかもしれないですけれども、やはり行政がいろいろな政策を進めていく上で、財源の確保は非常に重要だと思っています。全国知事会議においても地方一般財源の確保という非常に重要なテーマとして今回も取り扱われたわけですけれども、特に観光振興は、例えば全国的に見ても観光産業のウエートとか、観光客の数というのは非常に地域差がある分野だと思っています。そうした中で、長野県は非常に多くの観光客の皆さまに訪れていただき、そして各地域で観光地域づくりが進められてきているという状況ですが、世界水準の山岳高原観光地を目指していくことを考えたときには、さまざまなインフラの整備であったり、世界的なプロモーションであったり、これから観光振興のための取り組みを進めていく上では、財源が必要になってくると考えています。もとより県は県民の皆さまからお預かりしている税金を基本に仕事をしてきているわけですけれども、ただ、観光振興ということになると、どうしても受益される方が県民の皆さまというよりは観光でいらっしゃる方というケースも非常に多いわけですので、そういう意味では観光でお越しいただく方にも一定程度負担いただくというようなことも視野に入れながら、これから観光振興の財源をどう考えていくかをしっかり考えていきたいと思っています。

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3 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に伴う保険証の廃止について

信濃毎日新聞 野口 氏
 話題が変わってですが、弊社の方で77市町村に、マイナンバーカードと保険証の秋までの廃止についてのアンケートをしたところ、3割近い自治体の方から、延期もしくは撤回すべきだというような意見が聞かれました。特に、小さい自治体ほど業務を圧迫するというような懸念があったり、大きな自治体であっても全体の業務量だとかスケジュール感が示されていなくて、そういった点が困っているというような声も聞かれました。県としますと、専門の部署を今、構えていて、そうした市町村への支援に取り組んでいくという体制だと思いますが、改めて、知事として今、マイナンバーカードと健康保険証の一連の問題であるとか、今後の支援についてどのように考えてらっしゃるかお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 マイナンバーカード、あるいはマイナンバー制度については、昨日までの全国知事会議においてもいろいろと議論が交わされて、その上で緊急提言等も取りまとめられたところです。マイナンバーは、デジタル社会をつくっていく上では非常に重要な基盤であると私は考えていますが、その一方でさまざまな問題が発生することによって、国民の信頼を損ないかねないという懸念もあります。そうした中で今、総点検ということで国を中心に都道府県、市町村も協力して対応していく形になっているわけですけれども、ご指摘の通り、知事会においても、私としても、総点検においての過大な負担が、地方公共団体、市町村、あるいはわれわれ都道府県にもたらされることがないように取り組んでもらうということが重要だと思っています。しっかり点検していくということが必要だと思いますが、何度も何度も繰り返し点検しなければいけないような事態は避けてもらいたいと思いますし、本当に必要な部分は何かというところに焦点を絞った対応も心掛けてもらいたいと思っています。また、点検の内容にもよりますけれども、そういった点検を行うに当たっても、一定の費用が発生するような場合もありますので、そうした場合でも地方公共団体に費用負担が発生しないように、国としてはしっかり対応していただきたいと思っています。この問題は地方にとっても非常に重要な課題ですので、国においては、地方公共団体、都道府県あるいは市町村と十分話し合い、協議していただく中で、いろいろな対策、対応を進めていってもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 県として、市町村とどういうふうに協力していくか、そのへんはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 市町村の取り組みのウエートがかなり高くなってきますので、市町村の皆さまの問題意識を県もできるだけ共有し、必要なことがあれば、国に対してもしっかり訴えかけていきたいと思います。

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4 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

市民タイムス 萩原 氏
 コロナで追加で1点お伺いしたいのですけれども、発熱等の症状がある方は無理せず自宅療養というのが、今まで5類移行になってから行動制限というのは特になかった中で、自宅療養という言葉も久しぶりに見たなという感じもするのですけれども、全体としてはやはり行動制限を求めるものではないけれども、基本的な対策をもう1回振り返ってみてね、というような認識でよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
5類移行の時に出したメッセージも、実は同じ表現が入っていて、「発熱等の症状がある方は無理せず自宅で療養し」というのは、今も呼び掛けている内容です。ただ、今回太字で強調させていただいていますが、専門家懇談会の皆さまと議論する中で、もちろん手指消毒だとか換気だとかそういうことは必要ですけれども、やはり症状がある方たちが広げないということは非常に重要なので、ぜひこうしたところを強調してほしいというご意見もありましたので、この部分を太字にしているところです。今までも同じように呼び掛けてはいますが、特に強調しています。発熱等症状がある方は無理をしないでいただければと思っています。

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5 7月25日から26日まで開催された全国知事会議について

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点全く別ですが、先ほど知事会の話も出ましたが、きのうまでの知事会で、知事は脱炭素・地球温暖化対策本部の本部長を務められていて、セッションでも脱炭素関連の座長を務められたと思うのですけれども、取材に伺えなかったので、他の部分も含めて知事会の成果と評価をお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 全国知事会においては、脱炭素・地球温暖化対策本部として、まず、国への提言をまとめました。それに対して、知事会の全体会議で出された意見として多かったのが、環境と調和の取れた再生可能エネルギーの普及ということで、宮城県の村井知事からは新しく税を導入していくと、促進区域に太陽光の設置を誘導するというような観点での税制の創設というお話もありました。長野県も今、条例案の検討を進めているところですので、県としても、それから全国知事会としても、環境や景観、こうしたものと調和の取れた再生可能エネルギーの普及拡大の方策は、引き続き先進的な事例の共有等を図りながら、普及に努めていきたいと思っています。それから、四つのセッションが開かれたわけですけれども、私は脱炭素セッションの座長ということで取りまとめ役を担いました。脱炭素・地球温暖化対策本部の基本的な方針としては、あらゆるステークホルダーと共創で脱炭素社会をつくっていこうということを打ち出していますので、今回は企業との共創をどうやって進めていくかという観点で、戸田建設の副社長さまはじめ再生可能エネルギー等の普及拡大に御尽力されている、あるいは省エネルギーの推進に尽力されている企業の皆さまと都道府県知事との間で議論したところです。セッションのアウトプットとしては、一つは企業の皆さまのいろいろな提案を具体的に今回も頂いたわけですけれども、例えばAIであったり蓄電池であったり、こうしたものを活用してのスマートグリッドの構築みたいな話、あるいは断熱性能の高い高性能の集合住宅の建設促進であったり、こうしたことについては企業とわれわれ行政が共創することによっていろいろな可能性が膨らむのではないかと考えています。また、この共創関係を進めていく上で、いろいろ乗り越えなければいけない課題もあると思っていますけれども、一つは、企業の皆さまとわれわれ行政、やはりミッションであったり、パッションであったりをもっとしっかり共有していくということが重要だと、その場でもご意見いただきましたし私もそう思っています。加えて、どうしても行政の場合は公平性・中立性ということが求められます。例えば企業と契約することに当たっても基本的には競争入札で行うという形になるわけですが、これだけさまざまな技術革新が急速に進んでいったり、新たなビジネスモデルがどんどん生み出されている中で、例えば企業の実績を求めるみたいな形になると、なかなか企業とコラボレーションできません。そういう意味では、われわれ行政側の契約の在り方とか、入札の在り方とか、こういったものを少し考えていかないと、スピード感のある脱炭素社会の実現は難しいのではないかというのが共通認識ですので、そうした観点は、今後、脱炭素本部の中で研究をしていくという形にしていきます。いずれにしても、企業との共創はさまざまな可能性もあり、また一方で共創を進めるに当たっても課題があるということを知事会の共通認識として持つことができたセッションだったと思っています。

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6 ヘルパンギーナの感染状況について

日本放送協会(NHK) 高田 氏
 新型コロナとは別でヘルパンギーナの関係ですけれども、最新の数字では前の週より若干減っているということでしたが、依然高い状況が続いているかと思います。ヘルパンギーナの感染状況について、現状の認識ですとか、県民の方に対して何か呼び掛けたいことなどありましたらお願いいたします。

長野県知事 阿部守一
 コロナ以外の感染症も確かに発生している状況ですので、行政としてしっかり留意しなければいけないと思っています。ただ一方で、専門家の皆さまからは、いろいろとコロナで免疫が少なくなったり、あるいはコロナ禍で感染対策をしっかりしていたので広がらなかったけれども、また、いろいろな感染症も、ある意味普通の状況に戻ってきているのではないかという認識ですので、県としてはしっかり留意しながらも、できるだけ感染が広がらないように注意をしてもらうようにしていきたいと思っています。今の状況について感染症対策課からお願いします。

感染症対策課長 棚田益弘
 今、ご指摘のありましたヘルパンギーナですが、昨日の最新値について公表しています。定点当たりの患者数ですけれども、先週1週間の結果10.61人ということで、前週が12.06人でしたので、ここ何週間かずっと増加してきておりましたが、この1週間については減少に転じたと言っていいのかはもう少し見なければいけませんけれども、そういう状況です。ただ、このヘルパンギーナについては、定点当たり6人というのが、いわゆる流行の基準になっていますので、まだまだ高い状況ではあります。ヘルパンギーナという感染症については、コロナの専門家の先生方にもそういった他の感染症の流行状況も情報を共有させていただく中で、小児科の専門医の先生方の認識としては、通常、毎年起こる夏風邪であるので現状ではそこまで心配はされてないというご発言も頂いていますけれども、いずれにしても過去10年間で最も高いような感染状況が出てきていますので、引き続きこの感染状況については県としても注視していきたいと思います。ヘルパンギーナに限らず他の小児を中心とする感染症も、ここ数年コロナの感染対策がしっかり行われてきたことを受けて、免疫がないお子さんが多くなっていることも影響していると思っていますので、引き続き注視していきたいと考えています。以上です。

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7 御嶽山登山道立入規制緩和の実施について

信濃毎日新聞 森 氏
 きょうの話題とはずれるのですが、あさって29日に王滝村の方が御嶽山の八丁ダルミの登山道の立ち入り規制を緩和するということで、これは2014年の噴火災害以降初めて一般の登山者の方が通れるようになりますが、これについて、知事の受け止めと期待等ありましたらお願いいたします。

長野県知事 阿部守一
 まず、御嶽山の噴火災害でお亡くなりになられた方のご冥福をお祈り申し上げたいと思います。2年にわたる本当に大規模な捜索を行い、また、木曽地域にも非常に観光面を含めて大きな影響を与えた御嶽山噴火災害でありました。今回、慰霊登山、それから行方不明者の方がいらっしゃるので現地確認調査ということで、いろいろな皆さまのご協力を得ながら行いましたが、やはり親族を亡くされたご遺族の方とか、また、行方不明のご家族がいらっしゃる皆さまの思いを考えると、本当に今も言葉がないという状況です。私も被災された方々や亡くなった方々のご家族と、災害直後や毎年の慰霊祭等でお話をしていますが、二度と同じような災害を発生させることがないように、という思いをしっかり持って取り組んでいかなければいけないという決意を、私としては新たにしているところです。八丁ダルミが一般の方々に開放される状況になったことは、地元の木曽町、王滝村はじめ、関係の皆さまのご努力のおかげであると同時に、関係の皆さまの希望されていた、待ち望んでいた状況だと思います。私としては、こうした噴火災害があったという記憶、教訓、こうしたものは決して風化させないようにしながらも、また多くの皆さまに御嶽山に戻ってきていただけるように取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 森 氏
 関連して、今、知事の方からもありましたけれども、24日、25日の行方不明者の現地調査の件ですけれども、2日間の調査では明確な手掛かりというのが見つからなかったということですけれども、今回、行方不明者の家族の方は、県とか木曽町、王滝村が関わってくれたことで、より深い場所、急峻な場所にも踏み込めたという受け止めをされておりました。県として今後、来年以降、同様の形では難しいという認識かと思いますが、今後、行方不明者の家族の方との関わり方についてはどのようにやっていくお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 2014年から本当に長い間、立ち入り制限がかかっていたわけですので、行方不明者のご家族やご遺族の皆さまは非常にもどかしい思いをずっとされていたと思います。そういう意味で、今回、八丁ダルミに一般の方にもお入りいただくことに併せて、その前にご遺族の方、行方不明者のご家族に入っていただこうということで、町村とも相談して取り組んだところです。今後とも被災された方々のご家族、ご遺族の皆さま、あるいは行方不明者のご家族の皆さまの思いにはしっかり寄り添っていかなければいけないと思いますが、今、ご指摘もありましたが、県として同じようなことをずっと続けていくということは、率直に申し上げてなかなか難しい状況にもありますので、必要なコミュニケーションはしっかり行いながら、例えば行方不明のご家族を継続して探されるときに、またいろいろな方の協力が必要だということがあれば、そうした橋渡しをするとか、側面からのサポートも含めて、まずどういう思いかをお伺いしながら対応を考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 森 氏
 最後に、噴火災害以降、地元の町村の方では、ハード・ソフト両面で安全対策を進めて段階的に登山道の規制を緩和してきたと思います。それが今回の八丁ダルミ等の登山道の規制緩和にもつながったということだと思うのですけれども、どうしてもやはり両町村だけでは人員とか予算の面でなかなか難しい面が今後もあるかと思うのですけれども、県として今後、両町村の支援などについては、どのように関わっていくお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは知事会の際にも活火山法の改正等含めて、火山を抱えている知事といろいろと今後の在り方について話し合う場があったわけですけれども、長野県としては、今回の活火山法の改正等につながった御嶽山の噴火災害、この教訓をしっかり踏まえながら、地元の町や村とも協力して、しっかりとその安全面での対応を充実していきたいと思っていますし、長野県としては、火山は御嶽山だけではないので、浅間山等も含めた他の火山の対策、できるだけハード面での対策、それからソフト面での対策をより強化しながらも、火山の場合はほとんど県境にある山が多いので、他の都道府県との連携であったり、あるいは火山の専門家が全国的に少ないという問題もありますので、火山防災に知見を持つ人材の確保・育成であったり、こうしたことも含めてしっかり取り組みを進めていきたいと思っています。

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8  中国(河北省・北京市等)への訪問について

共同通信 滝野瀬 氏
 訪中の関係でお尋ねします。今回、観光PRなど日程の中で予定されていますが、中国は福島第一原発事故の後、長野県の食品の輸入を停止しています。今回の訪中で、当局の規制について対象県として県産食品をPRする機会であったり、規制そのものの撤廃を求めるような計画というのは日程の中にあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず、農産物のPRは予定していませんけれども、ご指摘がありましたように、長野県の農産物については、原発事故以後、輸入が制限されてしまっている状況です。これについては、これまで在京の中国大使館をはじめ、各方面に何度となく働き掛けてきました。県としては、科学的に見たときに十分安全性が確保されていると考えていますので、そうしたことを繰り返しこれまでも説明してきています。今回の中国訪問に当たっても、そのことが主目的という形にはなっていませんけれども、幅広い友好交流を進めていく上では、農産物の輸出規制というのは、ある意味一つのネックでもあると思っていますので、関係の皆さまとはぜひ問題意識を共有できるようにしていきたいと考えています。

共同通信 滝野瀬 氏
 これも国レベルの話になってしまいますが、東京電力の原発の処理水の海洋放出というのが夏頃される中での今回の知事の訪中になりますけれども、この関係で地域間レベルの交流、知事の訪中というのがどういった役割を果たせるのか、このあたりについて知事のご見解を改めてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 きのうの知事会の会見で、私も同席していましたけれども、知事会長と福島県知事にこの処理水の海洋放出についてのご質問があったわけですけれども、県としては、やはり福島県の思いというものも共有しながら対応していかなければいけないと思っています。地方間交流が重要だと考えているのは、国と国とはいろいろな関係性があり、時にはなかなか両国の交流が必ずしも円滑とはいえないような事態が生じたこともこれまであるわけですけれども、県としては、地域間の交流、あるいは日中友好協会の皆さまはじめ、市民レベルの交流、こうしたものは、やはり継続していくことが重要だと思います。相互理解を深めていくということが大きな意味で両国間の安定にもつながっていくと考えていますので、先ほどの農産物の輸出規制の話についても、県の認識であったり、実情であったり、こうしたものをしっかりと中国の関係の皆さまにも伝えていきたいと思っています。

中日新聞 清水 氏
 同じく訪中の関係で、コロナもあって、だいぶ知事の訪問なども途絶えていたかと思いますが、まず訪中はいつぶりかというお話と、あとスポーツの分野の話が上がったので伺いますが、近々中国と日本が関係する大きな大会としては、3年後にアジア大会が名古屋で開催される予定がありますけれども、その中でも例えば長野と河北省の関わりなど、何か想定されていることとか思いとかがありましたらお願いいたします。

長野県知事 阿部守一
 令和元年8月以来の4年ぶりです。アジア大会で直接どうこうということは今の段階でイメージしていませんけれども、長野県はご承知の通り、冬季オリンピックを開催した県ですし、北京冬季オリンピックの際には北京市と、それから河北省が会場になっています。当時の蔡奇北京市書記が白馬のジャンプ台に北京冬季オリンピックの前に視察に来られて、私も対応させていただいたわけですけれども、冬季スポーツを通じて、また、冬季オリンピックを開催した地域としての共通項がありますので、冬季スポーツを切り口にしながら友好交流をさらに広げていきたいと思っています。
 どうもありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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