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更新日:2023年12月12日

知事会見(令和5年(2023年)8月23日(金曜日)15時00分~15時53分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について
  2. 「信州 火山防災の日」記念日登録及び「信州 火山防災月間」について

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取材者からの質問

  1. 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)
  2. ガソリン価格の高騰について(1)
  3. 上皇・上皇后両陛下の軽井沢でのご静養について
  4. ガソリンの価格高騰について(2)
  5. 東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出について
  6. 火山防災について(1)
  7. スタートダッシュ・アクション2022について
  8. 火山防災について(2)
  9. 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)
  10. 県組織の在り方について
  11. 県民対話集会について
  12. 長野県の学校の夏休みについて

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本文

阿部知事からの説明

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは、本日の会見を始めたいと思います。冒頭、私の方からは2点お話を申し上げます。まず、一つ目が新型コロナの関連(会見資料1)です。皆さまのお手元に資料をお配りしているかと思いますけれども、本日公表した8月14日から20日までの定点医療機関からの患者の届け出数は、定点当たり19.67人で、前の週に比べて1.48倍という状況です。これは9週連続での増加であり、かつ5類移行後、最も多い数値です。また、8月21日時点での入院者数については、時間とともに若干増えてくることがありますが、暫定値で280人で、入院者数についても5類移行後最大となっています。これまでもお話してきている通り、長野県は医療警報の発出の目安を入院者数300人としていますので、だいぶ近づいてきている状況であり、一層注意していくことが必要だと考えています。こうした状況の中で、県民の皆さまには改めて基本的な感染対策を講じていただくようお願いしていきたいと思います。換気や手洗い等の手指衛生、こうした対策は引き続き有効です。また、発熱等の症状がある方は、無理せず自宅で療養いただき、重症化リスクが高い方や症状が重い方は、かかりつけ医、身近な医療機関に相談して受診していただければと思います。コロナ対応の基本ですが、ぜひ事前に電話でご相談ください。また、医療機関や高齢者施設においての集団感染を防ぐ観点で、医療機関や福祉施設が講じている対策にご協力を頂きたいと思っています。その一方で、コロナとは違いますけれども、熱中症もぜひ気を付けていただきたいと思っています。コロナ感染等を契機として脱水症状を起こすこともあると伺っています。ぜひ、こまめな水分補給をお願いします。また、暑い日が続いていますので、併せて熱中症にも十分ご注意ください。加えて、高齢の方、基礎疾患をお持ちの方を対象としたワクチン接種を行っていますので、ぜひこの機会に接種を検討ください。引き続き県としては、新型コロナの感染状況等しっかり把握して、県民の皆さまに適時適切に呼び掛けしていきたいと考えています。まず、コロナについての現状のお知らせです。

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2 「信州 火山防災の日」記念日登録及び「信州 火山防災月間」について

 それから、火山防災について(会見資料2)です。長野県においては「信州 火山防災の日」を9月27日と定めているわけですけれども、今回この「信州 火山防災の日」が一般社団法人日本記念日協会が認定する記念日に登録されることとなりました。御嶽山噴火災害を風化させることなく、さらに火山防災に係る意識の向上に取り組むといったような制定の趣旨をご評価いただいたものと考えています。登録証につきましては、9月23日に木曽町で開催されます「信州 火山防災の日」制定記念シンポジウムに合わせまして、日本記念日協会の加瀬清志代表理事から私に対して交付いただく予定になっています。9月27日を「信州 火山防災の日」と、御嶽山噴火災害の日を定めたわけです。記念日登録と併せて、火山災害の教訓をしっかりと引き継ぎ、風化させることがないように取り組んでいきたいと考えています。
 それから、火山についてもう1点ですけれども、8月28日から「信州 火山防災月間」ということで取り組みをスタートさせます。8月28日から9月27日までの1カ月間を「信州 火山防災月間」として、火山防災意識の向上や火山並びに周辺地域の魅力発信等を重点的に行います。いろいろな取り組みはプレスリリース資料の2枚目にお付けしていますので、また後ほどご覧いただければと思いますけれども、先ほど申し上げたように9月23日に記念シンポジウムを開催します。パネルディスカッションには私も参加をします。また、地元の火山防災を学んでいる小中高生から御嶽山地域の取り組み等をご紹介いただくことになっています。また、9月27日の「信州 火山防災の日」の当日には、市町村の皆さまにもご協力を頂き、長野駅、松本駅や御嶽山、浅間山登山口等でヘルメットの着用など、安全登山についての呼び掛けも行います。この「信州 火山防災の日」を広く県民の皆さまに知っていただくよう取り組んでいくとともに、火山防災意識をしっかりと高められるように県としても取り組んでいきたいと考えています。私からはきょうは2点です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

信濃毎日新聞 井口 氏
 新型コロナの関係で伺いたいのですけれども、感染が前週比で急増していますけれども、これは夏休みの人の動きの活発化など、背景や原因としては知事はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今は5類になったので感染者数の把握方法等がこれまでと変わってきていますけれども、昨年もお盆の時期に陽性者数が増えました。多くの人が移動し、接触する機会が増えたということで、やはりお盆の影響が出てきているものと思っています。

信濃毎日新聞 井口 氏
 入院者数300人が目前に迫っていますけれども、医療警報の発出検討に向けた動き等を考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 医療警報発出をする際には専門家の皆さまのご意見も伺った上で対応していきたいと思っています。専門家懇談会は定期的に開催していますが、それ以外にも随時、専門家の皆さんのご意見を伺ってきています。今回の状況についても専門家懇談会の皆さまと情報共有させていただいているところですので、引き続き専門家のご意見も伺いながら、必要な対策・対応を行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 井口 氏
 お盆明けということで増えているということかもしれませんけれども、このへんは引き続き推移といいますか、状況を注視していくということになりますか。

長野県知事 阿部守一
 全国的な状況も把握していかなければいけないと思いますし、また、お盆の時期の一時的な状況によるものなのか、この傾向がこれから続いていく、あるいは加速化していくのかということについてはしっかり見極めて対応していかなければいけないと思っています。まだ今のデータだけでは予断を持って発言することはできないと思っています。

信濃毎日新聞 井口 氏
 急増していますけれども、知事としては県民へのメッセージといいますか、何か呼び掛けみたいなものを改めて考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは今後ということですか。

信濃毎日新聞 井口賢太 氏
 そうですね。

長野県知事 阿部守一
 仮に医療警報を出すということになれば、その時点で県民の皆さまにお伝えしたいことをしっかり会見を開いて申し上げていきたいと思いますけれども、現時点では、先ほど申し上げたように、基本的な感染対策は既に多くの方が身に付けられていると思っていますし、引き続き有効ですので、今の状況を踏まえた対応を行っていただきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 今の質問とかぶってしまう部分もあるのですけれども、今まで過去第7波、8波の時は、知事の見解として「第7波の入口」とか「第8波の入口」とかそういった発言もありましたけれども、現状、第9波というものをどう見ていらっしゃるかをお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 ここでも何度もお話しているように、これまで第何波ということは、専門家の皆さまのご意見を伺いながら長野県として判断してきています。前回の8月10日の専門家懇談会でも現状を共有させていただいて、認識をお伺いしましたが、その時点で9波という判断が示されなかったという状況です。先ほど申し上げたように、今の状況も含めて専門家の皆さまと情報共有させていただいていますので、今後そうした判断をしていくのかどうかについては、専門家のご意見も伺って対応していきたいと思っています。5類という形になったので、そもそも第何波ということをこれからも言い続けていくのが適切かといったようなご意見がある反面、県民の皆さまに注意喚起する上では有効だという見方もあるので、今の状況認識をどうお伝えするかということについてはこれまでもさまざまご意見が出ているところです。今後、専門家懇談会の場で引き続いてご意見を伺っていく形になると思いますので、そうしたご意見を踏まえて判断していきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点コロナで、先ほどの医療警報の関係で専門家のご意見を伺いながらという話でしたが、現時点としては、例えば表現の部分になってしまうのですけれども、医療警報も視野に内部で情報収集を始めたとか、専門家とのやり取りを始めたとか、そういった状態と考えてよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 (入院者数の)目安が300名ですので、県としては(医療警報を)念頭には置き始めていますが、あくまで目安ですので、いろいろな要素を勘案して(医療警報を)出すか出さないかについては現時点では白紙の状況です。ただ、専門家の皆さまとは情報共有は始めているのが現状です。

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2 ガソリン価格の高騰について(1)

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 2点あるのですけれども、まず1点目がガソリン価格についてです。今週の県内のガソリン価格は192.3円と全国で最も高い状況が続いています。政府の方でも燃料油の価格の高騰対策を検討するとはされていますが、県としては影響を受けている事業者などへの支援を考えていらっしゃるでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ガソリン価格の高騰をはじめとするさまざまな物価高騰対策については、国や市町村とも力を合わせてこれまでも県として取り組んできたところです。総理の方からガソリン価格の高騰対策等も含めた対応について検討の指示がなされたと、報道で承知していますので、ぜひしっかりとした対策を打ち立てていってもらいたいと思いますし、県としても、国の検討において実態を知ってもらう上でも、必要な要請を行うことも検討していきたいと考えています。また、これから9月補正、11月補正がありますけれども、国の対策・対応がどの時点でどれぐらいの内容のものが出てくるかということも見極めなければいけませんけれども、引き続き価格高騰対策の必要性というものはあるのではないかと思います。国の動き、対応等も見極めながら、県としての独自の対応の必要性であったり、内容であったり、引き続き検討していきたいと思っています。

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3 上皇・上皇后両陛下の軽井沢でのご静養について

日本放送協会(NHK) 大場 氏
 もう1点ですけれども、きのうから上皇ご夫妻が軽井沢の方に来られて4年ぶりの静養となりました。もし、知事も面会等されていましたら、その時のご様子ですとか、4年ぶりということの受け止めを聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 私も昨日、軽井沢駅でお出迎えをしました。4年ぶり、令和元年にご静養でお越しいただいて以来ということで、私としても、あるいは多くの県民の皆さまも大変喜んでいる、心から歓迎しているところです。両陛下ともお話をしましたが、長野県の、例えばこの間の災害等について非常にご心配を頂いたりしていますので、いつも国民のことをお気に留めていただいて大変ありがたいと思っています。また、車で移動する際、私は後ろの車に乗っていましたけれども、沿道の皆さまが温かく両陛下をお迎えする姿を拝見して、本当に上皇陛下、上皇后陛下が再びお元気に軽井沢へお越しいただけてよかったなと思っています。

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4 ガソリン価格の高騰について(2)

日本経済新聞 臼井 氏
 先ほどの質問とかぶるのですけれども、ガソリン価格の件で、バスとかタクシー事業者向けに燃料費の助成はされていると思うのですけれども、足元を問い合わせると対象事業者の半分ぐらいしかまだ申請が来ていないということで、国が今後どう決めるかを見てからというお話でしたけれども、助成金という支援だけで十分と考えていらっしゃるか、他にもっと何か自治体とか事業者と一緒に何か考えていくような支援というのは、現時点で検討されているかどうかを教えていただきたいです。

長野県知事 阿部守一
 これからということですけれども、一つはこれまでも県としてもいろいろな対策を予算化してきましたが、予算の成立と実際に支援が行き届くまではどうしてもタイムラグが出てしまっています。できるだけ早く必要な方に支援が行き渡るように取り組んでいきたいと思っています。今後の取り組みについては、先ほど申し上げたように国の動向も踏まえつつ、県として考えていく必要があると思いますが、今の時点での私の思いで、まだ具体的な検討をしているわけではありませんけれども、当面の価格高騰対策をしっかり行うことによって県民の皆さまの暮らしや事業者の事業活動を支えていくことは片方で重要な課題ですので、国の動きとも連動しながらしっかり対応しなければいけないと思っています。もう一方で、長野県、あるいは世界も気候変動、ゼロカーボンに向けた取り組みを進めようとしている中で、エネルギー消費をどう削減していくかということもこうした機会にしっかり考えていく必要があるのではないかと思っています。例えば、公共交通の利用をもっと促進していくような取り組みであったり、あるいはゼロカーボン戦略の中でもEVへの転換ということも掲げていますけれども、もっとそうした動きを加速化するとか、当面の厳しい状況に置かれている県民や事業者の皆さまの暮らしや事業活動を支えるという観点と、それからもう一つ、中長期的な視点で、社会のエネルギーの在り方自体を転換していくための取り組みの両方を視野に入れながら対応していく必要があると思っています。

日本経済新聞 臼井 氏
 当面のところで言うと、今やっていらっしゃるバス事業者向けの燃料費の助成等ですか。

長野県知事 阿部守一
 やはり当面の対策としてはどうしても即効性がある取り組みが優先される形になると思いますので、まずはそうした支援が有効だと思っていますし、今後の取り組みについては少し違うアプローチも考える必要があるのではないかと思っています。

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5 東京電力福島第一原子力発電所におけるALPS処理水の海洋放出について

時事通信 齋藤 氏
 会見の内容とずれるのですけれども、政府が東京電力の福島第一原発から処理水をあしたにも海洋放出すると決定をしました。賛否が分かれているような話ですが、政府の決定に対する知事の見解を伺いたいのが一つと、海洋放出により、香港が10都県の水産物の輸入を禁止するとしておりまして、その10都県に長野県が含まれています。この香港政府の対応についてもお考えがあればお聞かせいただきたいです。

長野県知事 阿部守一
 まず、ALPS処理水の海洋への放出については、やはりまだ不安をお持ちの方、あるいは反対意見を持ちの方もいらっしゃるという状況の中で、政府としてご決断されたと思います。そういう意味では、関係閣僚会議の中でも今後のいろいろな取り組みが示されているわけですので、政府として責任を持って着実にさまざまな取り組み、風評被害の防止も含めて取り組んでいっていただきたいと思っています。それから、香港政府が長野県の水産物の輸入規制をすることについては、今、中国に長野県の農産物が輸出できない状況になっていますけれども、それと同様に科学的根拠がないのではないかと思っています。先般、中国を訪問した際も、科学的にしっかり検討してもらわなければいけないというお話も各方面にしたところですが、長野県は海がない県ですので、海洋とは基本的には関係がないと思っています。今後、関係する県の対応も把握し、香港政府に対して、こうした規制の在り方は科学的根拠がないのではないかということで除外を求めていくことも考えていく必要があると思っています。世界でいろいろなことを協力して取り組んでいかなければいけない状況にあります。ぜひ政府間においてもしっかりと対話をしていただいて、日本の主張を関係方面に伝えていってもらいたいと思います。

時事通信 齋藤 氏
 今、お話で出た、関係する県と対応も把握して香港政府に除外を求めていくことが考えられるとおっしゃっていましたけれども、今回禁止の対象となった10都県が念頭にあるということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 そもそもどうして長野県が対象なのかということについては疑問を持っているところですし、逆にこれまで中国本土に対する農産物の輸出については科学的な根拠がないのではないかということで、強く関係方面には規制解除を求めてきていますので、そうした取り組みと一貫性のある対応を今後も行っていきたいと思っています。

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6 火山防災について(1)

日本放送協会(NHK)谷古宇 氏
 知事から「信州 火山防災の日」と月間の話もありましたが、御嶽山の火山防災について質問です。来週で八丁ダルミの規制緩和から1カ月となりますが、緩和以来、王滝村側の登山口や登山道に多くの登山者が訪れていると聞きまして、それはいいことだと思うのですが、一方で八丁ダルミを通る人も含めた登山者の安全を守るのは引き続き課題だと思います。課題としての認識と今後の取り組み方針や、どのような思いで取り組むのかについてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 御嶽山の噴火災害の対策を陣頭指揮した私の思いとしては、二度とああした災害を起こしてはいけないという思いを強く持っています。そういう意味で、今回「信州 火山防災の日」を制定するのも、将来に向けて御嶽山噴火災害を県民全体で忘れない日にしていこうという思いでもあります。また、噴火災害後、ビジターセンターを県と木曽町で設置していますが、やはり火山噴火災害の教訓を伝承していくための場としての位置付けもあります。いろいろな災害も時間の経過とともに風化してしまいかねないところがありますが、火山防災の日であったりビジターセンターであったり、こうした恒久的な取り組みと、それから先ほど申し上げたように、今回の月間に合わせて、いろいろと火山防災に対する啓発活動を行っていきますので、県民の皆さまや御嶽山に訪れていただく皆さまにしっかりと火山の美しさ、素晴らしさと同時に、いったん噴火すると非常に恐ろしい側面があることも伝わるように努力していきたいと思っています。

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7 スタートダッシュ・アクション2022について

中日新聞 清水 氏
 少し気が早いかもしれないのですけれども、9月1日で阿部知事が4期目始めてからちょうど1年になるのですが、当初「スタートダッシュ・アクション2022」といって、まず取り組むことを10項目示されたと思うのですけれども、この約1年での振り返りとか、その10項目を中心に公約の進捗状況、あと2年目に向けての展望などを伺いたいかと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず「スタートダッシュ・アクション」については10項目掲げていますけれども、一番最後の市町村と一緒に協力しての人材確保のところだけ、まだもう少し踏み込まなければいけないと思いますが、他の部分、例えばパートナーシップ制度であったり、県民参加型予算であったり、こうしたものについては具体化してくることができたと思っています。県民の皆さまとの対話集会は、まだあと17市町村残っている状況ですが、「スタートダッシュ・アクション」については、この1年間でほぼ進めてくることができたと思っています。もう一方でこの間、新しい総合計画を策定し、県の新しい方向付けもしました。そういう意味では、まさに今、新しい思いで県民の皆さまに昨年の選挙のときに訴えかけたことを具現化していこうということで取り組んでいます。女性や若者から選ばれる県づくりだったり、それとも関連しますが、さまざまな産業分野における人材の確保、さらには教育の改革も特色ある県立高校づくり懇談会も動き始めましたし、信州学び円卓会議も近々スタートさせます。また、フリースクールの認証制度の検討会も方向性を出していただいてきているところですので、新たに総合計画に掲げて、そして私が県民の皆さまにいろいろと訴えかけてきて取り組もうとしている政策も、徐々に具体化してきていると思っています。ここからは、私の残りの任期3年ですので、しっかりと具体的な成果が上がるように全力で取り組んでいきたいと思います。

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8 火山防災について(2)

信濃毎日新聞 森 氏
 話が戻ってしまうのですが、私も火山防災の日の関係で何点かお伺いします。今回、日本記念日協会によって「信州 火山防災の日」が記念日に認定されるということですけれども、これは県の方から協会側に申請したという形で今回認定される運びとなったのでしょうか。そうであれば申請した理由などありましたら教えてください。

危機管理防災課職員 
 登録の関係につきましては、日本記念日協会に申請してお認めいただいたという内容ですけれども、最初の取っかかりについては、記念日協会さまの方からお声掛けいただきまして、それに対して県が申請させていただいたという経過です。

長野県知事 阿部守一
 向こうが声を掛けてくれて、県もそれはありがたいことだということで申請したという理解でいいですか。

危機管理防災課職員
 そのような形です。

信濃毎日新聞 森 氏
 「火山防災の日」の制定に当たってですけれども、県としては火山防災の先進県を目指すということで目標に掲げられていると思いますが、噴火災害があった御嶽山の取り組みを県内の他の活火山にも広げていったり、横のつながりであったり、連携をしていくことが重要かと思いますが、知事としてはこの横のつながり、横の連携についての取り組みの現状についてはどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 長野県内もいくつか火山がありますけれども、火山防災の協議会が地域ごとに組織されているので、ご指摘があったように、横の連携をもっと強化していくことは重要だと思っています。例えば、御嶽山は火山マイスターという制度を作りましたけれども、私としては他の地域にももっとこういう取り組みを広げていく必要があると思っていますし、また、御嶽山の火山噴火災害の時に全国的に議論になったのが、火山防災の専門職、専門家が全国的に少ない、火山の研究者が少ないといったようなこともありますので、今後、長野県としても、火山防災の専門家を育成、確保することもしっかり進めていく必要があると思っています。

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9 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

信濃毎日新聞 野口 氏
 コロナ関係でまず1点お伺いいたします。これは現状でこういう声があればということで結構ですが、医療提供体制の状態、特に入院患者数が急激に増えていまして、300名という警報の基準は満たしてないのですが、ひっ迫しているというような声がもしあればお伺いしたいのですが、特に届いてないということであれば結構です。そのへんはいかがでしたでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 外来のひっ迫状況についても定期的に状況把握をしているところですが、一部にひっ迫が生じている状況も見られるというのが今の現状だと思っています。外来患者への診察・検査状況であったり、電話での対応状況であったり、行列の発生状況だったり、こうしたことを外来診療を行っている医療機関から把握をしているところですけれども、今の状況を非常にざっくり申し上げると、第8波の9月から10月にかけてのピークの谷間、比較的少なかった頃とほぼ近いぐらいの水準ですので、感染者が非常に多くてほとんどの医療機関でひっ迫していたというような状況にはまだほど遠い、そうした状況に至っていない現状だと認識しています。ただ、先ほどから申し上げているように、今回、定点当たりの陽性者数、感染者数が少し伸び方が大きくなっています。前週比約148%で1.5倍になっていますので、しっかり注視していかなければいけないと思っています。あと、若干、専門家懇談会のメンバーの方からも現場の状況も教えていただいているところですけれども、患者の数は増えてはいるものの、救急外来がひっ迫するとかそうした状況にはまだなっていないといったようなご意見も伺っていますので、外来(診療)を受けたくてもなかなか受けにくくなってしまっているような状況では、全県を見たときには、まだそこには至ってないと、一部そうした医療機関もあるという状況だと思っています。

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10 県組織の在り方について

信濃毎日新聞 野口 氏
 話は変わりまして、知事就任1年の質問が先ほどありましたが、それに関係してお伺いしたいと思います。総合計画、第3期をこれから実行に移していくという段階になると思いますが、一方で、人口減少対策ということを知事は非常に重視していらっしゃるかと思います。その関連で質問させていただくのですが、県組織の人数というものも、今後、知事の任期、もしくはその先を見据えた場合、かなり先細りというか、対策をしていかないと追いつかなくなるというような状況があると思います。知事が描く政策を実現していくためにも、そういった部分への対策というのが重要になっていて、今、県の方でもどうするかという方向性をまさに検討しているところだと思うのですが、知事といたしましては、今後を見据えた県組織の在り方というものについてはどのように考えていらっしゃるかご意見をお伺いいたします。今、検討しているのは例えば地域振興局とか現地機関などを中心にしたり、もしくは少人数の組織というところを人事課中心にやっていらっしゃるかなと思うのですが、そこでもいいですし、全体でもいいですし、知事のお考えがあればお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 行政機構審議会でご検討いただいている部分はそうした検討を踏まえて対応していきたいと思いますけれども、一つは選択と集中をしっかりしていくことが重要だと思っています。本当に県として力を入れていく分野と、少し自然体で対応していく分野と、やはり組織的にめりはりをつけていくことが必要だと思います。そういう観点で、例えば新たに交通政策局を作ったりして、施策の重点分野にはできるだけしっかりとした組織体制の下、人も充実させて取り組んでいきたいと思っています。それから、人口減少の中での職員数の在り方ですけれども、単にどんどん減らせばいいということばかりでもないだろうと思っています。今、職員の皆さんと一緒に「かえるプロジェクト」に取り組んでいますけれども、県職員の多忙感が何に由来してどう改善すればいいのか、明るく楽しく前向きに仕事ができる県組織にするとともに県民の皆さまのご期待にしっかり応えられる県組織にするにはどうすればいいか、ということを考えていますが、もとより人口減少下の中ですので、人口が減れば行政サービスの量を縮小してもいい分野というのももちろんあります。そうしたものは、縮小していかなければいけないと思いますけれども、その一方で行政がやらなければいけない仕事はかなり専門化、複雑化しているところがあります。そういう意味では、職員の人事異動の在り方も含めて、一つは専門性を高めていくことも必要だと思います。また、今でも複業人材の活用ということで外部の方にも入っていただいて、県の仕事を一緒にやっていただいていますけれども、こうした取り組みであったり、あるいは社会貢献職員応援制度のような、県職員が地域に出て行って活動することももっともっと広げていきたいと思います。県民の皆さまと一緒になって仕事をする県組織の、従来通りの発想とか視点ではなくて、県民の皆さまとの対話と共創ということを掲げていますので、組織とか人事の面でも共創をどう進めていくか、共に創る共創ですが、そうした観点での組織の在り方、人事の在り方を考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 もう1点、人口減少の流れの中で県財政をどう維持していくか、県税の収入が人口減少とともに少なくなると見込まれる中、知事も公約も含めて、そして今、検討している観光振興財源も含めて、新しい財源の捻出というのはある意味避けられない面が出てくるのかもしれないです。具体的にはどれもこれからという側面があるかと思うのですが、将来的な県財政の在り方に対しては、今、知事としてはどのように考えていらっしゃるかお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 県財政もいろいろな分野も共通のキーワードとして持続可能なものにしていくことが重要だと思っています。予算編成においても、先ほど申し上げたように組織と同じように選択と集中、めりはりのある予算編成をこれまでも心掛けてきましたし、これからますます重点分野に集中的に投資していくことが必要になってくると思っています。その一方で、時代の変化とともに必要度が低くなっている政策については、関係の皆さまがいらっしゃる中で、スパッと仕事をやめるというのはなかなかやめづらい部分もあります。しかしながら、それをやっているとどんどん新しい仕事が上乗せになるだけだと、組織も回っていかなくなりますし、財政的にも耐えきれないという形になるので、やはり時代の状況に応じて事業の取捨選択、廃止も含めた見直し、こうしたものはしっかり行っていかなければいけないと思っています。

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11 県民対話集会について

信濃毎日新聞 野口 氏
 最後にもう1点だけ。先ほどの知事の発言の中でもありましたが、県民対話集会というような形で県民の声を聞いていらっしゃると思います。知事もこれまでいろいろな発言の機会の中で、例えば教育についてかなり熱心に意見を言ってもらったり、もしくは各地域に対応した個別の話題についても意見交換できたという話が出ていました。この機会なので改めてお伺いするのですが、これまでの成果であるとか到達点、そしてそれを政策に移すときに、例えば県民対話集会に移したものをどういうふうに分かりやすく、例えば知事はよく教育の話を対話集会からヒントを得たんですよとかそう言って見せていくやり方も重要かなと思うのですが、どういうふうに県民から聞いたものというのを分かりやすく出していくかという、そのへんについてはどのように考えてらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 今、頂いたヒントも含めて考えていきたいと思いますが、一つは、個別具体的にこうしたことをやるべきだみたいな話についてはできるだけ具体的な形で、やる、やらない、こういう形でやっていくという方向性を出していきたいと思っています。例えば直近でも、信濃町と筑北村で同じような薬草の活用がもっとできないかといったような問題提起を頂きましたので、これについては県としてしっかり検討してどうするか、方向付けをしていきたいと思っています。他にも同じようなものはたくさんありますが、それと同時に、私の意識がコロナ禍でどうしても県庁の中の情報に偏っていたきらいがありますので、そこはだいぶ修正してきていただけているのではないかと思っています。市町村長との対話、それから県民の皆さまと対話をすると、日々の暮らしであったり、日々の地域における生活の中での切実な課題、例えば農業でいえば、これまでも県としても取り組んできましたけれども、鳥獣被害は農業を継続するモチベーションとしては非常に重要だというようなお話を伺うと、改めて、県としてもこれまでも取り組んできましたが、もう1回、コロナ後の状況も踏まえた方向付けもしていかなければいけないといったようなことも頭の中で考えるようになりますので、そういう意味で、私の考え方とか方向性をだいぶ覚醒していただけていると思っています。そうしたものは目に見える形ですべてお示しするということではありませんけれども、日々、方向付けをしたり、具体的な政策の議論をする中でしっかり私としては生かしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 最後に今の関係で、知事としますと、県民対話集会以外にもこの前も医療的ケア児の保護者の方であるとか関係者の方との意見交換会で、いろいろな手法で声を聞いていらっしゃるかと思うのですが、そのへんのすみ分けは、知事の中ではどういうふうになっているのか。これを最後にします。

長野県知事 阿部守一
 すみ分けというか、対話と共創を掲げているので、いろいろな機会に対話をして、課題や悩み、希望や夢を共有していきたいと思っています。これに対応するのは必ずしも私だけではなくて、例えば地域振興局長なども同席している時には、局長の宿題という形で分担をしてもらったりしているので、できるだけ私が具体的な宿題として認識したものは、しっかり形になるように取り組んでいきたいと思います。また、地域振興局長をはじめ割り振られた人たちにも、そこはしっかり進めていってもらいたいと思っています。

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12 長野県の学校の夏休みについて

市民タイムス 萩原 氏
 教育委員会マターになってしまうかもしれませんが、あえて知事にお伺いします。ものすごく暑い中、学校が始まったところもあります。長野県は夏休みが短いというのは以前から言われているところですけれども、改めて、子どもたちの夏休みの在り方みたいなものも期間も含めて知事のお考えを伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 以前から長野県が夏休みが少ないと、子どもたちと会うとそういう話を言われることが多いので、ただ教育委員会マターでもあり、学校のカリキュラムとか行事との関係もあるので、私があまり軽々なことは言いづらいですが、先ほど申し上げたように、今回、信州学び円卓会議を作って、義務教育にまつわる課題も含めていろいろな方のご意見を出してもらいたいと思っています。子どもたちにとって、学校で過ごす時間をどう使うかということと、夏休みをはじめとする長期の休みを子どもたちにとってどう有意義なものにしていくか、両面が重要ではないかと思っています。私の願望ですけれども例えば長野県をもっとサマースクールのメッカにしていきたいと。長野県はいろいろなところが避暑地としてこれまでも栄えてきましたし、これから地域の力を高めていく上では、やはり教育というのが大事だと思っています。県内外の子どもたちが、長野県の自然の中で学び育つというのは非常に重要だと思います。そういう意味で、夏季期間をどう使うかということは、教育の本体とは少し違う話ですけれども、重要な話だと思います。それと同時に、夏季休暇の在り方というのも、毎日のように熱中症アラートが出る中で、私が子どもの頃は夏休みは外で遊びなさいとか言われて結構外で遊んでいましたけれども、こんなに熱中症アラートが毎日出ると、外で遊びなさいとも言いづらい中で、夏季休暇の在り方、子どもたちの夏休みの在り方というのもだいぶ気候変動の関係では変わってこざるを得ない部分もあるような気がするので、学び円卓会議のストレートな課題ではないですけれども、教育に関係する話なので、ぜひ多くの皆さまからいろいろな形で問題提起を頂きたいと思いますし、夏休みが少ないという問題は、教育委員会も意識されていると思いますので、いろいろな関係者の皆さまの考え方を踏まえて対応してもらえればと思っています。
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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