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更新日:2023年11月14日

知事会見(令和5年(2023年)8月10日(木曜日)15時00分~16時07分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 中国(河北省・北京市等)への訪問について
  2. 新型コロナウイルス感染症への対応について
  3. 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について
  4. 信州F・POWERプロジェクトについて

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取材者からの質問

  1. 信州F・POWERプロジェクトについて(1)
  2. 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(1)
  3. 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)
  4. 信州F・POWERプロジェクトについて(2)
  5. 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)
  6. 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(2)
  7. 信州F・POWERプロジェクトについて(3)
  8. 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(3)
  9. 夏山登山について
  10.  7月25日から26日まで開催された全国知事会議について
  11. 中国の団体旅行の解禁について
  12. 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(4)
  13. マイナンバー情報総点検について

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本文

阿部知事からの説明

 1 中国(河北省・北京市等)への訪問について

長野県知事 阿部守一
 それでは、8月10日の会見を始めます。冒頭、私の方からは4点お話を申し上げたいと思います。まず1点目は、先週の中国訪問についてです。7月31日から8月4日にかけて、中国3都市、北京市、河北省石家荘市、上海市を訪問しました。一番基本的なミッションは、河北省との友好提携40周年の行事に参加することですが、今回、コロナ禍で途絶えていた中国と長野県とのさまざまな交流を再開していこう、また一層連携を強化していこうということで、さまざまな方々と会談しました。まず、河北省においては、ちょうど北京市、河北省が非常に記録的な豪雨災害に襲われている状況でしたが、友好提携40周年の懇談会、それからレセプションを予定通り開催していただきました。しかしながら、王正譜省長におかれては、災害現場に出向かれている状況でしたので、電話で会談し、代わりに金暉副省長と対談させていただきました。また、河北省は8月2日ですが、その前日の8月1日に北京市を訪問し、殷勇北京市長や林松添中国対外友好協会会長と会談をし、また、国家体育総局、そして在中国の日本大使館も訪問しました。また、上海市においては日本政府観光局や現地の旅行会社、そして上海の日本総領事館を訪問したところです。まず、河北省と北京市との間では、河北省は長い間の友好提携をしてきていますのでこれからも未来志向で友好提携をさらに強化していこうということで合意をしました。青少年交流であったり観光交流であったり、今回、県立大学の金田一学長も同行いただきましたが、河北大学と県立大学の提携であったり、いろいろな部門で河北省との交流を強化していきたいと思っています。また、北京市も非常に大きな災害に襲われている状況下で、予定の時刻がだいぶ変更にはなりましたが、夜の8時半から殷勇北京市長と会談しました。北京冬季オリンピックに向けた協力を、長野県としてスキー連盟はじめ多くの皆さまのご協力の中で行ってきましたが、こうしたウインタースポーツを通じての交流や青少年交流、観光交流、こうしたものを引き続き行っていこうということで、新たに北京市との間では覚書を締結したところです。また、北京市においてはウインタースポーツのプロモーションということで、多くの皆さまにご来場いただき、白馬村長、山ノ内町長をはじめ、関係の皆さまと一緒に長野県のリゾートの魅力をアピールしたところです。今回の訪問に大変なご協力、ご支援を頂いた長野県日中友好協会をはじめ関係の皆さまには改めて感謝を申し上げたいと思います。今回、いろいろな方との懇談の中で、私の方からは少し長野県としての問題提起をしました。一つは、農産物の輸入制限が東日本大震災の原発の事故以降、ずっと長野県は中国への輸出を止められている状況ですが、科学的には安全性が確認されている状況下で、こうした規制が一日も早く解除されるように関係方面にお願いをしました。また、今回、私をはじめ訪問団は全員ビザを取得しての渡航という形になりましたが、コロナ前まではビザなしで行くことができました。非常に時間面、金銭面で負担になり、交流を促進する観点からは障害になり得るということで、このことについても、こうしたビザの取得がなくなるように関係方面にお願いをしたところです。折しもきょう、中国からの団体旅行が認められることになって、観光面ではプラスの動きだと受け止めているところです。また、松本空港への国際チャーター便の就航にもご協力をお願いしたところでして、こうした課題解決に向けても、引き続き中国の皆さまのご協力を頂きながら、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
 それから、今回の訪問に関連してもう1点。先ほど来申し上げていますように、私が訪問しているさなか、ちょうど北京市も河北省もまさに災害対策の真っただ中でありました。そうした中で、省長と市長にお時間を割いていただいたことは大変ありがたく思っています。本県にとっての台風19号災害と同等、またはそれ以上の規模の災害だったと考えています。日本の国内ではあまり報道がされていないところですが、こうした友好提携、あるいは覚書を結んでの交流を行っている両市省との関係性に鑑みて、まず長野県からはお見舞いの手紙を差し上げたところです。また、この場をお借りして、改めて両市省の被災された皆さまにお見舞いを申し上げたいと思います。加えて、これまで国内外の自治体が被災した際には見舞金をお送りするということも行っていますので、今回も河北省と北京市に対しまして50万円ずつの見舞金をお送りしたいと考えています。一日も早く応急対策、復旧・復興が進んで平和な日常が戻ってくることを願っているところです。今回の訪中は、私にとって4年ぶり9回目になりました。中国の皆さまとお話すると、コロナ禍でなかなか交流することが叶わない期間が長かったわけですけれども、大変多くの方から積極的に交流をしたいという思いが伝わってきたところです。先ほど申し上げたようなことも含めて、日本と中国の間ではいろいろな課題、懸案があるわけですけれども、やはり人と人との顔の見える関係をしっかり築いていくことこそが、これからの両国の未来にとってもアジアの将来にとっても非常に重要だと思っています。先人の皆さまに築いていただいた信頼関係を踏まえて、これからも中国の皆さまとの友好交流にしっかりと取り組んでいきたいと考えています。

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2 新型コロナウイルス感染症への対応について

長野県知事 阿部守一
 
それから、二つ目ですけれども、新型コロナの関係です。皆さまのところには呼び掛け文(会見資料1)をお配りしているかと思いますが、基本的には前回お配りしているものとほとんど同じです。今の状況ですけれども、入院者数は先週まで増加基調でした。一部の医療機関で負荷が増大してきたところではありますが、直近ではやや減少したという状況です。ただ、少し入院者数の状況は見極めなければいけないと思いますし、5月、6月頃と比べると高い水準になっています。昨日発表した8月7日の入院者数が206人ということで、この206人からまだ変動する可能性がありますが、その前の週が247人で、前の週に比べると少し減ってはいるという状況にあります。それから、定点医療機関から報告を頂く1週間の患者数については、7週連続で増加という状況です。ただ、直近の状況を見ますと、増加はしているものの増加率は少なくなってきているということで、直近の伸びが前の週に比べて1.06倍、その前の週が1.26倍、その前の週が1.18倍でしたので、そういう意味では少しこちらの伸びは弱くなってはいると思っています。しかしながら、まさにこれからお盆のシーズンを迎えるわけです。帰省、あるいは同窓会等多くの皆さまで集まる機会が増える時期ですので、改めてこの紙をお配りして、感染対策についての呼び掛けをしたいと思っています。手洗い、手指衛生、換気、3密回避、こうした基本的な対策は引き続き有効です。また、重症化リスクが高い高齢者等に感染が及ばないように、マスクの着用については個人の判断とはなっていますけれども、その場に応じた適切な対応をぜひご検討いただきたいと思いますし、医療機関や高齢者施設等を訪問される際は、マスクの着用をお願いしたいと思います。また、特に発熱等の症状がある方は、外出を無理して行うことなく自宅で療養していただきたいと思います。また、重症化リスクが高い方、症状が重い方等は、ぜひ身近な医療機関、あるいはかかりつけ医によくご相談いただければと思います。今、全国的に新型コロナの陽性者数が増えてきている状況であるということを念頭に置いていただいた上で、その状況に合わせた対応を行っていただきたいと思います。また、高齢の方や基礎疾患をお持ちの方については、ぜひ新型コロナワクチンの追加接種のご検討をお願いしたいと思います。

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3 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について

長野県知事 阿部守一
 続きまして3点目ですが、小川村の土尻川で発生した浸水被害に関連して、その後の状況についてご説明を申し上げたい(会見資料2)と思います。小川村の土尻川で発生した浸水被害は、県発注の災害復旧工事に起因するものであると考えていまして、改めて被害を受けられた皆さまにお詫び申し上げます。本当に申し訳ございません。今回の浸水被害の原因は、出水時において工事で使用していた仮設道路が撤去されなかったことによるものと考えています。受注者は出水による危険が予想される場合には仮設道路を撤去することとされており、発注をした県としてもその旨は確認していたわけですけれども、撤去作業が実施されず、今回の浸水被害に至ったものと受け止めています。そのため、今回の浸水被害に至った原因、そして契約約款に基づきまして、受注した事業者の責任において、今、損害賠償の手続きを進めていただいているところです。県としても、損害賠償の手続きが速やかに行われるように受注者に求めていきたいと思っています。本当に被害を受けられた方は、暑いさなかに土砂の撤去をはじめとして大変な思いをされていらっしゃると思います。こうした実情を県もしっかり受け止めなければいけないと思っています。こうしたことから、まず、建設事務所の職員が被災された方々のお宅を訪問して、今、申し上げたような損害賠償請求手続きの支援など、お困り事に対して必要な対応を行ってきているところです。また、地元からのご要望の浸水箇所の護岸のかさ上げ工事や、上流域に堆積した土砂の撤去など、周辺の安全対策に係る工事手続きを進めてまいります。また、今回、床上・床下浸水という被害を受けられた方々には、早期の生活再建に役立てていただくことができるように、受注者が対応する損害賠償とは別に、県としても見舞金を給付することとします。本日、給付をしたところです。今後とも長野建設事務所の職員が被災した方と保険会社の間に入ることなど、損害賠償請求の手続きが円滑に進んで、一日も早く元の生活を取り戻していただくことができるように対応していきたいと考えています。また、こうしたケースが他にもないか、現在実施中の河川内の工事についての点検を行ってきたところです。河川内に仮設物がある工事については、より安全な対策を検討するよう受注者と協議を行い、施工方法の変更等を行ってきているところです。このことについては、この後、建設部からご説明したいと思っています。改めて被災された方々にお見舞い申し上げるとともに、お詫び申し上げたいと思います。

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4 信州F・POWERプロジェクトについて

長野県知事 阿部守一
 そして、最後4点目ですけれども、信州F・POWERプロジェクトの関連です。信州F・POWERプロジェクトの事業主体の一つの征矢野建材株式会社が、経営上のご判断でこの度、民事再生手続開始の申し立てを行い、綿半ホールディングス株式会社の支援を受けて再生を図る旨、昨日同社からご連絡を頂いたところです。このプロジェクトについては、森林資源を有効に活用して、本県の林業、木材産業の活性化にも資するものという観点から、県としても取り組んできたところです。征矢野建材は、プレカット事業など独自の加工技術力や製造機能を有し、県産木材の利活用にこれまで貢献をしてきていただいている企業です。信州F・POWERプロジェクトの中核的な役割を担う事業主体として、「森林県から林業県へ」との理念の下、これまで大変なご尽力を頂いてきているところです。そうした征矢野建材におきまして、今回こうした状況に至ったことについては、県としても真摯に受け止めているところです。綿半ホールディングスにおかれましては、昨日、征矢野建材に対してスポンサーとして再生支援を行う旨、意向表明をなされたところです。建設・建築分野などでも幅広く事業展開されていらっしゃる綿半ホールディングスにおきまして、県内林業の維持・発展に向けて今回こうしたご判断を頂いたことは、長野県としても大変ありがたいことと受け止めています。このプロジェクトについては、県としてこれまで補助金の執行者として善良な管理者の注意をもって、補助目的に沿った事業が実施されるよう指導するとともに、原木の安定供給に向けて関係者間の調整や素材生産の増加へとつながる林業事業者への支援を行うなど、役割を果たしてきたところです。県としては、今回の新たな状況を踏まえて、円滑に事業が継続されますよう、新たに弁護士、リスク管理などの外部有識者にもご参画いただいて、補助目的に沿った事業が継続実施されるよう支援するための事業継続支援チームを速やかに設置して対応していきたいと考えています。また、このF・POWERプロジェクトの現状や課題なども踏まえて、県内の林業・木材産業全体の活性化のための支援策を検討する原木安定供給等検討チームも設置していきます。こちらについては、林業・木材産業の専門家の方にも加わっていただきたいと思っています。全体として、県としての支援体制を一層強化して、必要な対応を行っていきたいと考えています。私の方からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 信州F・POWERプロジェクトについて(1)

信濃毎日新聞 野口 氏
 F・POWERプロジェクトに関連してお伺いいたします。今の知事の説明ですと、征矢野さんのこういった状況、そして綿半さんの再生支援の意向を受けて、チームを二つ立ち上げるという話でしたが、それぞれの役割と目的についてもう少し詳しくお伺いしてもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今、口で申し上げただけで分かりづらかったと思いますけれども、二つプロジェクトチームを設けていきたいと思っています。一つは、弁護士やリスク管理の専門家にもご参加いただいた上で、事業継続支援チームというものを作っていきたいと思っています。これは征矢野建材が今回の民事再生の手続き開始の申し立てをされたことに伴って、このF・POWERプロジェクトも新たな局面を迎える形になります。そうした中で、長野県としてはいくつかの役割を果たしてきているわけですけれども、補助金の執行者として補助目的に沿った事業継続が実施されるように支援をしていきたいと考えています。そういう観点で、この手続きがこれから順次進められていく形になると思いますけれども、速やかに事業継続支援チームについては設置して対応していきたいと思っています。それからもう一つ申し上げたのは、原木安定供給等検討チームです。こちらはこれまでのプロジェクトの現状あるいは課題を踏まえて、県内の林業、あるいは木材産業全体の活性化のための支援策を検討していきたいと思っています。ウッドショック等をはじめとして、森林、木材を巡る環境がだいぶ変化をしてきている中で、例えば発電事業者もチップを集めるのに苦労しているということも言われています。長野県全体の森林関連産業を活性化していくための方策について、こちらは考えていきたいと思っています。そういう意味では、前者の方は、まさに今回の征矢野建材の民事再生手続開始の申し立てに直接関連するもの、そしてもう一つの原木安定供給等検討チームは、もう少し県内全体の森林・林業関係事業者を幅広く視野に入れて、また今後の対応を検討していくチームと位置付けています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 今の関連でお伺いいたしますが、今回のF・POWERプロジェクトの関係ですが、そもそも県内で取れる木材の総量に対して、このプロジェクトを維持するための量というのが適切だったかどうか、今、知事もおっしゃっていましたが、木材を集めることに苦労している状況があったということも一因としてはあると思います。今のお話を聞いていますと、そういった部分も、今後この原木安定供給等検討チームの課題になるのかとも思うのですけれども、F・POWERプロジェクトの計画の見直し、一番メインなもので言えば木材の量、対象とする量などを含めて見直しというのはあり得るのか、今考えてらっしゃるのか、その点についてお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 見直しというか、今このプロジェクト自体は、それぞれの事業主体が責任を持って進めているという状況です。そういう意味で、それぞれの経営主体がそれぞれの経営判断の下でプロジェクトを進めている状況ですが、県としては、先ほど申し上げたように役割がいくつかあります。一つは補助金の執行者としての役割、それからもう一つは原木の安定供給に向けて関係者間の調整、あるいは素材生産の増加へとつなげるための林業事業者への支援、こうした役割があるわけですが、今申し上げた後者の部分について、先ほど申し上げたチームでしっかり対応していきたいと思っています。特に今、原木が不足している要因としては、やはり木材市況全体が大きく変化してきていることにあると考えています。例えば、近年、住宅着工数が伸び悩むことによって製材、合板用素材の需要と供給がなかなか伸びていかないといったようなこともあります。また、ウッドショック等で一時的に需要が伸びましたけれども、その一方で、山側の生産体制は急にはそうした状況には対応できてない、追い付けていないような状況もありますので、こうした問題意識の中で今後の長野県の森林・林業の在り方をしっかり考えていかなければいけないと思っています。

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2 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(1)

信濃毎日新聞 野口 氏
 話が変わりまして、小川村の関係についてお伺いいたします。今回、損害賠償の部分については事業者側で負担するということになりましたが、工事の発注時期が、そもそもにおいて一度水害があった場所ですので、出水期、水が多くなるような時期にやるのが適切だったかどうかということも、一つ検討の材料にはなるのかなと思うのですが、その部分については、今どういうふうに考えてらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、県全体の対応の状況を確認して、必要であれば改善を図っている状況にあります。一般論として申し上げれば、一つはやはり出水期においてはこうした工事を行わないということが基本的には必要になってきますけれども、しかしながら災害等で破損しているような場所があるときに、全くそのままにしておいていいかというと、必ずしもすべての場合でそんなことにはならないと思います。そういったことを考えますと、かなり比較衡量をしていかなければいけないと思っています。要は、出水期における工事については慎重を期する必要がありますが、その河川の置かれている実情を踏まえて、場合によっては工事を行わなければいけないということもあるわけです。既に被災している護岸の被害が拡大してしまうようなケースも想定されるわけですので、そうした場合には、出水期も含めて工事を実施せざるを得ないケースがあります。そういう意味で、一律に出水期には工事をする、しないということで判断するのは必ずしも適切ではないと思っていまして、出水期の河道内工事は行わないことを基本としつつも、そこの実情、実態を踏まえて適切に判断していかなければいけないと思っています。今、全体的な検討を行っているところですし、今回のことをしっかり踏まえて、今後同じようなケースが起きることがないように、それはそもそも工事を行う、行わないの判断、それから行うと判断したときには適切に、災害が起きないように速やかに仮設工事の資材等を撤去しなければいけませんので、そうしたことを総合的に充実していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 野口 氏
 これは、もし現時点で出ていればで結構ですが、今回の被害額、被害総額というのは現時点で算定されているでしょうか。現時点ではまだでしょうか。

河川課長 川上学
 被害総額というのは今のところまだ分かっていません。河川課では把握していません。

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3 新型コロナウイルス感染症への対応について(1)

信濃毎日新聞 野口 氏
 最後に新型コロナについてお伺いいたします。あした、専門家懇談会が開かれますが、感染が緩やかに伸びつつあるような状況というのは知事も先ほどおっしゃっていた段階ですが、今後の伸び方にもよると思うのですが、ここから伸びるか、またさらに増えるかの分岐点であるかなというような気もしますが、知事としますと、現時点での県内の感染状況の認識というのは、全国的には第9波に入っていると判断する自治体もある中で、どういうふうに考えてらっしゃるかという点についてお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 新型コロナについては、陽性者の把握方法が5類移行後変わっている状況ではありますけれども、今、仮に全数把握をしていた頃と同じように比較すると、まだ第8波の医療警報を出すさらに前の水準程度が、今の定点観測の人数で、当時の係数で置き換えるとそういう状況です。そういう意味で、増加基調が続いていることについてはしっかり注意しなければいけないと思いますし、新型コロナウイルスは、やはり高齢の方、基礎疾患がある方が重症化しやすいということですので、ワクチン接種のご検討であったり、あるいは注意していただくということが必要ですが、県として、まだ医療警報の制度を残していますけれども、そうしたものを出す状況ではないと思っています。引き続き、全国的にはまだ陽性者数が増え続けている状況ですので、しっかりその動向を注視しつつ、必要があれば新たな呼び掛けや対応を考えていきたいと思っています。

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4 信州F・POWERプロジェクトについて(2)

市民タイムス 萩原 氏
 F・POWERの関係で、先ほど二つのチームのご説明がありましたが、確認なのですが、先ほどの質問にもありましたように二つのチームで見直しというか、ベクトルの方向性を今までと変えることも視野に入れて検討するというのではなく、基本的には今、計画が進んでいる方向性を維持するための支援チームという認識でよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 ご質問の趣旨と違ってしまうかもしれませんが、私の認識を申し上げれば、二つチームがあります。まず、原木安定供給等検討チームは、今回の征矢野建材からの民事再生手続の開始申し立てとは少し違って、県全体の話で、ただ、F・POWERプロジェクトも包括している木材供給等の課題について解決していこうというものです。もう一つの事業継続支援チームについては、まさに今回、民事再生手続が始まることによって、今まで征矢野建材が中核的に担っていただいてきたこのプロジェクトについて、県として今後もしっかり継続して事業が行われていくことが重要だと思っています。そうした観点で、県は補助金を執行している立場でもありますので、しっかりと補助目的に沿った事業継続を行っていただくことができるように支援をしていきたいと思っています。そうした観点での事業継続を支援していきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 今回の件で大きな節目というか、大きな変化が起きていますけれども、そこで足踏みをしないように支援していくというイメージでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 今回の民事再生手続が始まりますと、再生計画が作られる形になるかと思います。もとよりこれは、いろいろな債権者の方がいらっしゃいますので、関係の皆さまのご意向を踏まえて計画を立てるという形になりますが、県としては、F・POWERプロジェクトをこれからもしっかり継続していく必要がある、これはまさに長野県の森林・林業全体のためにスタートしている事業ですから、県としてもこの事業継続が行えるような支援をしっかり行っていきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点、F・POWERに関して、先ほど知事の発言の中でもウッドショックと環境の変化というお言葉もありましたけれども、やはり知事の中では、想像を超える環境の変化があったという認識で、あまり振り返って言ってもあれですけれども、どこかで手を打つことができたのではないかとか、そこらへんのお考えはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これまでもこのプロジェクトは、先ほど申し上げたように県としての役割、補助金執行者としての役割、それから木材の円滑な供給を調整していくといった役割、あるいは林業事業者を支援する役割、こうした役割を果たす中で、いろいろな課題を何とか乗り越えられるように県としての支援を行ってきたところです。特に部局横断でF・POWERプロジェクトを支えようということで、事業改善検討チームというものも作って、いろいろな施策面の取り組みであったり、県産材製品の県内外の工務店とのマッチングであったり、さまざまな支援を行ってきたところです。しかしながら先ほど申し上げたように、木材を取り巻く環境は非常に大きく変化をしてきています。ウッドショックによる世界的な木材需要のひっ迫であったり、あるいは新型コロナの感染拡大で素材生産活動自体が停滞したといったようなこともあり、だいぶ環境が変化をしてきています。こうした環境の変化に対応していくための検討を先ほど申し上げたこの県内全体の森林・林業を考えていくためのチーム、原木安定供給等検討チームにおいてしっかり対応していきたいと思っています。

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5 新型コロナウイルス感染症への対応について(2)

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点最後に、コロナの関係ですけれども、先ほど5類移行前に置き換えた場合、医療警報レベルにはまだ届いてないというお話でしたけれども、全国はとりあえず置いておいて、長野県だけで見ると、まだ認識としては9波の入口にも行っていないという感じでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 これまでも新型コロナの7波、8波ということについては、専門家懇談会の皆さまのご意見を聞いて、県として、これは7波だ、8波だというお話をしてきています。きょうの夕方、専門家懇談会がありますので、そこで今の状況をご説明したいと思っていますので、そこでそういうご認識になるのかならないのかということにかかってくると、今の段階では県としてはそうした判断は行っていません。

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6 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(2)

読売新聞 三浦 氏
 小川村の関係で伺いたいのですが、先ほどの発言の中で、床上と床下の浸水被害を受けた方への見舞金の支給について言及されていらっしゃいましたが、金額や支給対象の件数については現段階で分かりますでしょうか。併せて、今回、県発注の事業で被災されたということを踏まえての見舞金の支給なのか、それとも一般的な災害での支給ということになるのか、どちらと考えればよろしいかお願いします。

長野県知事 阿部守一
 個別の方々への支給額というのは控えさせていただきたいと思いますが、今回の総額で200万円を見舞金として支出します。床上・床下浸水された方を対象にします。損害賠償については、先ほど申し上げたように、今回、契約約款、あるいは浸水被害に至った原因に鑑みて、受注者、事業者の責任において手続きを進めていただいているところですが、この損害賠償とは別に、県が発注した工事に元々の要因があるということを勘案した上で、見舞金として支出させていただくと。これは早期の生活再建等に役立てていただこうという趣旨です。

読売新聞 三浦 氏
 床上・床下の浸水被害の件数ですけれども、当時発生の時の発表を見ると計6件ということで聞いていたのですが、それで変わりないでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それで変わりないです。

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7 信州F・POWERプロジェクトについて(3)

信濃毎日新聞 須田 氏
 F・POWERの関係で補足的に教えていただきたくて、原木供給の支援チームの話ですけれども、今までもF・POWERに対しては、県として需給調整の役割を果たしてきている部分があると思うのですけれども、それを発展させる形のものなのか、それとも、先ほども県全体という話がありましたけれども、全然別個の動きなのかがよく分からないので教えてほしいのと、このメンバーも併せて教えてほしいのですが。

長野県知事 阿部守一
 まず、原木安定供給等検討チームについては、先ほど申し上げたように、F・POWERプロジェクトも包含はしますけれども、他の事業者も原木の安定供給が必要とされている事業者がありますので、県全体の原木安定のための取り組みを検討していこうというものです。メンバーについては、林業・木材産業の専門家にも入っていただいて県庁内で構成しようと思っていますが、具体的には今、人選中ですので、メンバーが固まった段階でまたお知らせしたいと思います。

信濃毎日新聞 須田 氏
 他の事業者というのはバイオマス発電のことでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 基本的にはバイオマス発電事業者の皆さまを念頭に置く形にはなりますが、ただ、必ずしもそこだけではなくて、原木の安定供給がこの森林・林業政策を進めていく上で非常にコアとなる部分ですので、幅広い視点で取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 須田 氏
 冒頭、民事再生の手続きの申請について、真摯(しんし)に受け止めるというお話があったと思うのですけれども、これは言い回しというか表現として、こういう事態になって県として何かしらその反省とかそういう思いを込めている発言なのか、それとも別の意味での真摯(しんし)にという話なのか、その意味をもう少し教えてほしいのですが。

長野県知事 阿部守一
 別の意味というか、真摯(しんし)は真摯(しんし)ですけれども、私の認識は先ほど来申し上げているように、信州F・POWERプロジェクト自体は、それぞれの事業主体がそれぞれの経営判断と責任の下で今進めているわけです。しかしながら、一方で長野県全体の森林・林業政策、森林・林業の活性化につながるものということで、県も補助金を支出したり、あるいは木材の供給サイドの調整役、関係者間の調整ということを行ってきたわけですので、そういう意味で、このプロジェクトの中核を担ってきていただいた征矢野建材が民事再生手続を開始という形になっているということは、やはり県としてもしっかり受け止めなければいけないと同時に、今後、先ほど申し上げたように事業継続が図られるように、全力を挙げていかなければいけないと考えています。そういった思いを込めて、真摯(しんし)に受け止めていると申し上げました。

信濃毎日新聞 須田 氏
 今までも需給調整をやってこられて、ところがやはり民と民の契約のものだから、県としては価格の部分などで口を出せない部分とかもあったと思うのですけれども、需給調整は結果としてはうまくいってなかったというところもあったとは思うのですが、たくさんの木材を必要とするこの事業で、当時というか最初からの見通しというものが甘かったという認識は、県としてはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この事業自体はいろいろなプロセスを踏みながら、その時々で慎重に関係者が判断しながら進めてきたものと思っています。その時点その時点で関係者の皆さまはいろいろなデータを踏まえて総合的に判断をしながらこのプロジェクトを進められてきていると思っています。県としては、今後、綿半ホールディングスの支援の下で事業の継続が図られるという形になっていますので、こうした事業を取り巻く環境の変化も踏まえながら、しっかりと事業が継続できるように取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 須田 氏
 木材を供給している事業者の方にも、今までも事業の規模が大き過ぎるという声はずっとあったと思うのですけれども、今のお話だと、その時々で関係者の意見を聞いて適切に判断してきたという趣旨だと思うのですが、何と言うか、その時々で正しい判断をしてきたけれども環境が変わったのでしょうがなかったというか、そういうふうに聞こえますけれども、そういう理解でいいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 しょうがなかったとは申し上げてはいないと思いますけれども。

信濃毎日新聞 須田 氏
 すみません。少し言い過ぎでした。

長野県知事 阿部守一
 それは少し曲解されていると思いますけれども。

信濃毎日新聞 須田 氏
 その時々では適正な判断だったということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。これは事業活動ですので、もちろん一定のリスクがある中で経営判断をそれぞれの事業者で行ってこられていると思っています。このプロジェクト自体、推進戦略会議を設けたり、いろいろな皆さまのご意見を踏まえながら、最終的には事業主体が経営判断をしながら、事業の規模とか、事業の進め方とか、決めて取り組んでこられてるわけですので、そういう意味で、あまりふわっとした形でコメントするのは非常に難しいと思います。いろいろな皆さまのさまざまな見方というものはあろうかと思いますし、そうした見方は県としても受け止めなければいけないところもあると思いますが、先ほど申し上げたように、このプロジェクトはその都度その都度それぞれ、まずは県としても推進戦略会議を設けて安定的な木材調達であったり、販路拡大の方向性であったり、こうしたものも相当な期間を費やして検討してきたところです。また、そうしたことを踏まえて各事業者が総合的に経営判断をしながら事業を進めてこられたものと思っています。そういう意味で、私が何か全体を安易に総括するのはなかなか難しいと思っています。

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8 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(3)

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 小川村の川の事故についてお伺いします。点検結果について詳しくはこの後(担当部局による記者レクが)あると思うのですが、直近で台風7号の接近などもあるので、現在その工事対象で今回と同様の事案だったといったようなところが、一定の安全確保がされているかどうかをお伺いしたいのと、もしされていない場合がある場合は、例えばその場所を公開して住民に危険性がゼロではないけれどもあるよとか、呼び掛けるとか、そういった考えはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、まさにこれは長野県の全体の点検をしてきていまして、この後、建設部からブリーフィングする予定になっていますのでそこで詳細はお聞きいただければと思いますが、今回のことを踏まえて県内の工事を点検して、対策等が必要であれば必要な対応をしてきているところですので、そうした状況について後ほど建設部からお話をしたいと思います。

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9 夏山登山について

日本放送協会(NHK) 谷古宇 氏
 あともう1点、お盆のシーズンに入るというところで、先ほど新型コロナの注意喚起もありましたが、夏山シーズンも始まっていますが、夏の登山シーズンで事故だったり、死者の数が例年より少し多いというところもあって、そういったところについて、山岳観光が盛んな長野県なので、知事の考え、注意喚起などがありましたらお願いします。

長野県知事 阿部守一
 本当にコロナでなかなか人の移動とか観光が難しい時期が長く続く中で、今、観光でお越しいただける方も非常に増えてきていますし、登山を楽しまれる方も増えてきて、このこと自体はいいことだと思っています。ただ、やはり長野県は非常に標高が高い山も多いので、ぜひ安全登山を心掛けていただきたいと思います。長野県登山安全条例も制定をしていますので、適切な登山届の提出もぜひ行っていただきたいと思います。また、「信州 山のグレーディング」ということも長野県で行っていますので、ご自分の体力であったり、技術力、こうしたものに合わせて、登る山の選定を行っていただいて安全に登山をお楽しみいただきたいと思います。

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10 7月25日から26日まで開催された全国知事会議について

時事通信 齋藤 氏
 先日も伺ったのですけれども、全国知事会の関係になります。任期満了に伴う次期会長選に平井会長が立候補しないと表明されて、きのうは宮城県の村井知事が立候補を表明しました。おととい単独で伺った際に白紙だとおっしゃっておりましたが、改めて知事の出馬する意思があるかどうかについてお伺いしたいです。

長野県知事 阿部守一
 全国知事会の会長については、平井知事が退任の意向を示されたということで、私としては大変残念な思いです。リーダーシップを発揮して、非常に円滑に知事会運営をしていただき、また国にもさまざまな強いメッセージを出し、特にコロナ対応にあっては平井会長の力でだいぶ国も動かしていただけたと感謝をしています。そういう意味で大変残念ではありますが、ご自分の強い意志で退任されるということで、次の会長については宮城県の村井知事が立候補を表明されました。私は村井知事を支持したいと思っています。何よりも、東日本大震災の復興の陣頭指揮を執ってこられた方でもありますし、私も村井知事とも日頃接している中で、いろいろな方としっかりコミュニケーションを取りながら知事会を導いてもらえる存在だと思っています。村井知事が立候補表明されましたので、私は村井知事を応援するというか、選挙になれば投票したいと思っています。

時事通信 齋藤 氏
 関連してですけれども、村井知事を支持するということで、推薦人になる意向はありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 推薦人については必要があればなりますが、これは村井知事がどういうご判断をされるかということによると思います。

時事通信 齋藤 氏
 村井知事から推薦人になってほしいというご要望があればお受けしたい、そういうような理解でよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。村井知事は非常に適任だと思いますので、全面的に支持したいと思いますので、村井知事のお考えを踏まえて、できるだけ協力していきたいと思います。

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11  中国の団体旅行の解禁について

日本経済新聞 臼井 氏
 中国の団体旅行の解禁の件で、まだ少し不透明なことも多いと思うのですけれども、かなり旅行者が一気に増えるという期待もある一方で、やはり人が増えることでコロナの感染とか、そもそも今、観光業は人手不足とか人件費みたいなことで苦しんでいる部分もあって、手放しでは喜べないとも思うのですけれども、このあたりのコメントを頂けたらと思います。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘の通り、観光産業は非常にコロナ禍で厳しい状況に置かれて、また観光産業が元気になりつつあるとはいえ、人手不足等、なかなか本格的な観光客の受入れをしにくい状況もあります。そういう意味で、全体の動きとしては、団体旅行が認められるというのはいい方向だと思っています。しかしながら、こうした中国をはじめとするインバウンドのお客さまをしっかりお迎えできるような体制を作っていくということも、われわれ行政としての大きな課題だと思います。観光客の受け入れのチャンス、観光事業者にとってはビジネスチャンスになるわけですけれども、こうしたものをできるだけ生かせるように、県としても取り組んでいきたいと思います。

日本経済新聞 臼井 氏
 先日の中国の訪問では、何か中国側から長野への観光的な期待みたいな声はあったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 その点を先ほど少し省略してしまいましたが、上海で上海竹園国際旅行社というところを訪問させていただき、またその前にJNTO(日本政府観光局)の上海事務所を訪問しました。まず、日本政府観光局においては、非常に中国の皆さまの日本への観光ニーズは高いというお話を頂いています。中国の皆さまは、日本の自然であったり、食であったり、こういったものを楽しみたいというニーズが非常に高いとおっしゃっていただいていましたので、中国からの観光誘客は非常に大きなチャンスだと思っています。それから、上海竹園国際旅行社さんは、どちらかというと富裕層向けの観光商品を作られていらっしゃいましたが、長野県で自然体験を子どもたちにさせていきたいというお話がありました。中国はかつて一人っ子政策を行っていましたので、そういう意味では、子どもさんと保護者、特に父親とのコミュニケーションの機会となるような旅行のニーズが高いというお話がありました。そして自然体験であったり、あるいは職人さんに学びたいというような話がありましたが、要は日本人の規律だとか、一筋に何かに取り組むとか、そういうことをお子さんたちに教えていきたいという思いを持たれている保護者の方が多いよ、というお話を頂きました。少しこうしたニーズも踏まえて、中国からの富裕層の誘客についてもしっかり考えていきたいと思っています。

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12 小川村高府地籍における土尻川からの溢水(いっすい)による浸水被害について(4)

信濃毎日新聞 森 氏
 話が戻ってしまうのですが、小川村の浸水被害の関係でもう何点か教えていただきたいと思います。先ほど被災者の方への見舞金をお支払いしたというお話がありましたけれども、床上・床下浸水があった家屋以外に農地への被害もあったとお伺いしていますが、農地とか耕作者がこういった見舞金とかの支給の対象にならなかった、その点の理由についてお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、今回は生活再建支援というような観点の思いも込めて見舞金を支給させていただこうと思っていますが、例えば、国の被災者生活再建支援制度であったり、あるいは県独自の生活再建支援制度がありますが、そうしたものでは住宅に対して被害が及んだものを対象とさせていただいています。もとより幅広くいろいろな方をお見舞いするということが重要な観点だと思いますが、これまでの県の取り組みだとか制度を踏まえると、今回のような対応でぜひご理解いただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 森 氏
 あと、原因についてなのですけれども、先ほどの知事からご説明ありましたように受注者側が河道内の仮設道路を撤去すべきところを適切に実施されなかったということで、契約上の扱いでいえば受注者に責任があるということですけれども、発注者としての県の責任については改めてどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、法的な責任の関係性については、発注者、事業者の間で取り決めがあります。そういう意味では、発注者、受注者関係の契約約款を踏まえれば、今回の賠償については、受注された事業者の方において行っていただくという形になります。ただ、先ほど来申し上げているように、そもそもこの工事自体は県が発注していますので、私からも先ほども改めてのお詫びを申し上げましたし、県として全く何も関係ないということではないと考えています。必ずしも十分ではないとは思いますけれども、見舞金の給付の対応をさせていただきますし、また県の職員がいろいろなお困り事をお伺いして、しっかりさまざまな悩み、課題にも対応していきたいと思っています。また、地域からご要望いただいています安全対策の工事についてもしっかり進めていきたいと思っています。こうしたことを通じて、被災された皆さまに、ぜひ一日も早く生活を元に戻していただけるように県としても協力をしていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 森 氏
 関連して、先ほど出水期の工事について、なかなか個々の実情を踏まえる必要があって一律にやるべきかどうかというのは判断するのは難しいという話ありましたけれども、今回の当該工事については現時点で、知事としては実施時期について適切だったかどうか、そのへんの認識についていかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回の工事については、もう少し詳細を聞いた上でないと私自身はなかなか判断できないと思っていますし、今回の工事だけではなくて全体をどうするかということについてしっかり考えていきたいと思います。先ほど申し上げたように、県としての対応であったり損害賠償に係る関係性は、今、申し上げたような関係性の整理の中でしっかり速やかに対応していきたいと思いますが、今後の河川工事に関わる非常に重要な課題だと思いますので、改めて建設部から状況をしっかり聞いた上で、これからの対応の在り方、県全体の対応の在り方についても考えていきたいと思っています。

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13 マイナンバー情報総点検について

信濃毎日新聞 実延 氏
 マイナンバーカードのトラブルを受けた政府の総点検の中間報告についてお尋ねをします。政府による8日の中間報告では、全国的にもひも付けミスというのは新たに判明している事例は出てきていますが、まずそうした現状への受け止めであったり、所感というのをお尋ねしたいのが1点と、長野県内で点検対象とされた自治体を取材しますと、ひも付けにおける不備が確認されていないにもかかわらず点検対象とされた自治体もあり、中には困惑している声も上がっています。今後、所管省庁が市町村などと具体的な点検範囲、方法、時期を協議するという今後のスケジュール感が政府によって示されていますが、こうした県内自治体に対して、県として現時点でどのように対応、支援をしていきたいお考えかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 まず、全国的にはいろいろなひも付けミス等が発見されているということについては、マイナンバーカードを広げよう、普及させようということで取り組んでいる者としては、こうした状況をしっかり受け止めて対応していかなければいけないと、事態が改善されるように取り組んでいかなければいけないと思っています。前回の会見で申し上げたように、とはいえ、この総点検自体が非常に市町村に対して過大な負担になり得る可能性があるということで、政府においては、できるだけ二度手間、三度手間になったり、あるいは過重な負担にならないように、多額の経費負担を要するような場合にはしっかり財政支援を行うとか、ちゃんとした支援を行っていただくということが重要だと思います。今お話のあった個々の団体でミスがないけれども総点検の対象になっているというところの実情と対応について、DX課の方から、もしコメントがあればしてもらえますか。

DX推進課長 永野喜代彦
 個々の対応については、これから制度所管の省庁から個別に連絡が来ることになっています。そのあたりは市町村の担当部署からご相談もあろうかと思います。関係課室と連携する、あとわれわれ事務局の方も連携しまして、情報収集であったり、あと国への要請などやっていきたいと考えています。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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