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更新日:2020年2月18日

知事会見(令和2年(2020年)2月6日(木曜日)11時17分~12時31分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 令和2年度予算案について
  2. 2月県議会定例会に提出する条例案について
  3. 令和2年4月の組織改正について
  4. 「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」における県の取り組みについて
  5. 2回目の被災市町村への義援金の配分について

取材者からの質問

  1. 令和2年度予算案について 1
  2. 不妊治療休暇の導入について 1
  3. グリーンボンドの説明に関する訂正について
  4. 令和2年度予算案について 2
  5. 不妊治療休暇の導入について 2
  6. 令和2年度予算案について 3
  7. CSF(豚熱)について
  8. 医師確保と地域医療について
  9. 不妊治療休暇の導入について 3
  10. 令和2年度予算案について 4

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本文

阿部知事からの説明

1 令和2年度予算案について

長野県知事 阿部守一
 
今日私からは部局長会議での予算案、条例案等、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」に関する県としての取り組み、そして台風第19号災害の義援金の第2回の配分の三つについてお話を申し上げたいと思います。
 まず部局長会議の協議事項の予算案等についてお話を申し上げたいと思います。令和2年度当初予算案をまとめることができました。「命を守り、将来世代を応援する県づくりに向けて」というサブタイトルをつけました。予算の規模は約9,477億円ということで、前年度当初予算と比較して7パーセントの増、617億円余の増加という形になっています。これは台風第19号災害への対応等が大きいわけですけれども、今回の予算で台風第19号災害からの復旧・復興に道筋をつけていきたいと考えています。また、今回災害に遭わなかった地域も含めて、長野県全体を災害に強い県にしていく、そういう観点に主眼を置いて編成しています。
 加えて昨年の12月に県議会の決議を受けて、「気候非常事態宣言」そして「ゼロカーボン宣言」を出しました。「気候危機突破方針」まだ仮称ですけれども、年度内には取りまとめて具体的な取り組みをスタートさせていきたいと思っています。まずはこれまでも取り組んできています環境エネルギー戦略を着実に推進していくということと併せて、ゼロカーボンを進めるに当たっては、多くの県民の皆さまの理解と協力が不可欠だということ、そしてまた県だけではなくて市町村、あるいは国内外の地方政府と力を合わせて取り組んでいかなければいけないということで、『「学び」と「パートナーシップ」』こうした観点で当初予算に盛り込ませていただくと同時に、県が率先実行していこうということで、ゼロカーボン関係の予算は編成しています。加えて、「しあわせ信州創造プラン2.0」も3年目の折り返しという形になりますので、厳しい財政状況の中ではありますけれども、着実な推進を図っていきたいと思っています。台風第19号災害からの復旧・復興、災害に強い県土づくり、「気候非常事態宣言」を踏まえた対応、「しあわせ信州創造プラン2.0」の着実な推進、こういう観点で予算を取りまとめました。観点としては、「命を守る県づくり」、「将来世代を応援する県づくり」、「時代の変化に即応した産業・地域づくり」という形で予算を組ませていただいています。内容の細かい点については時間も限られていますので省略しますけれども、皆さまのところにお配りしている資料1ー1、予算案のポイントの2ページ目、3ページ目のところに主な政策を記載しています。
 いくつかこの中から私の方でコメントしますと、台風第19号災害からの復旧・復興に全力で取り組んでいきたいと思っていますけれども、特に「生業(なりわい)支援」の関係では、観光の関係で1億円の緊急対策を行っていく形にしています。これは、台風第19号災害の影響もございますし、また、非常に暖かい冬で雪が少ないということ、そして、新型コロナウイルスでインバウンドのお客様が減少してきているといったことも踏まえて、観光需要をしっかり喚起していく取り組みを地域の皆さまと一緒に進めていきたいと考えています。
 また、ハード面の対策では、浚渫(しゅんせつ)事業については予算額を大きく増やして対応していきたいと考えています。資料1-1の6ページに「公共事業の状況」という表がありますけれども、その一番下の欄、合計のさらに下に「河川等の浚渫」ということで、この部分だけ特出しにしていますけれども、令和2年度当初のところで51億円ということで対前年比24億円増という形にしています。特に中段の欄の県単の公共事業につきましては令和元年度当初は2億円の計上でありましたけれども、今回は20億円ということで約10倍の予算規模で浚渫を行っていきたいと思っています。地域の皆さまからも即効性のある災害対応として、非常に強いご要請をいただいていましたので、県としてもしっかり対応していきたいと考えています。
 それからソフト対策の中で、浸水想定区域図については、今回の台風第19号災害で床上浸水以上の被害が生じた市町村については、策定に着手していきたいと思っていますし、必要な河川については今後3カ年で緊急的に想定区域図を作成していきたいと考えています。
 それから「気候非常事態宣言を踏まえた取組」ということですけれども、『「2050年ゼロカーボン」の始動』ということで、グリーンボンド(環境改善効果のある事業に使途を限定した県債)の発行、あるいは県有施設のゼロエネルギー化、まずは駐在所においてモデル事業としてスタートさせていきたいと思っていますし、またゼロカーボンミーティングあるいは信州環境カレッジ等で県民の皆さまと気候変動に対する危機感を共有していきたいと考えています。
 また地域医療構想の推進についても引き続き力を入れていきたいと思いますけれども、担当部長を設置して、責任ある体制で地域医療構想の推進を図っていきたいと思っています。
 3ページですけれども、「将来世代を応援する県づくり」ということでいくつか書かせていただいていますが、高等教育の無償化であったり、あるいは通信制高校のサポート校利用生徒への助成であったり、私立の高等学校への助成であったり、国の教育無償化の仕組みを最大限活用しながら、県としてもプラスアルファして、できるだけ家計上の収入の格差、所得の格差で教育の機会が奪われることが少なくなるように、県としても一定の配慮を今回の予算ではしているところですので、そうした点については別途分かりやすくまとめてお示ししていきたいと思っています。
 それから産業面では引き続き「信州ITバレー構想」を進めると同時に、農業や林業を含めたさまざまな産業のデジタルトランスフォーメーション(ITの浸透が人々の暮らしをあらゆる面でより良い方向に変化させること)をしっかり進めて、新しい時代に産業が即応できる県にしていきたいと思っています。また、今年は東京オリンピック・パラリンピックの年ですので、この機会を有効に活用して長野県のさまざまな発信、あるいはインバウンドのさらなる増加に繋げていきたいと考えています。
 4ページ以降は計数的なことを記載していますので省略します。
 8ページですけれども、県債残高の見通しあるいは健全化判断比率の見通し等を書かせていただいていますけれども、普通会計ベースで台風第19号災害への対応や県土強靱化に積極的に取り組んでいくということにしていますので、令和2年度については県債残高は増加する見通しとなっています。ただ今回の予算編成に当たってもできるだけ国庫補助金を有効に活用し、また一方で交付税措置のある地方債等の活用に努めていますので、現時点での見通しでは令和3年度以降は再び県債残高の減少を見込んでいるところです。同じく健全化判断比率についても今回の対応を盛り込んだとしても、健全な水準は引き続き維持されるものと考えています。基金残高の見通しについては、引き続き厳しい状況ですが、今後とも財源の確保に努めながら、不要不急な事業の見直しを積極的に行いながら、持続可能な財政運営に努めていきたいと考えています。予算については以上のような考え方ですので、個別にご意見があればご質問を受けたいと思います。
 2月補正予算案については、台風第19号災害からの復旧・復興の加速化、あるいは防災・減災対策に力を入れて取り組んでいきます。特に地元からも強くご要請いただいていました上田電鉄別所線、バスの代替輸送費用についても応援していきたいと考えています。またすべての県立高校、特別支援学校に校内無線LANを整備して、これからのIT時代にふさわしい教育環境を整備していきたいと考えています。

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2 2月県議会定例会に提出する条例案について

長野県知事 阿部守一
 続きまして条例案についてですが、一部改正条例案が18件、新設条例案が4件、合わせて22件の条例案を提案していきたいと思っています。「職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例案」については、職員の仕事と家庭の両立支援を進めていくという観点で、不妊治療に専念することができるように、不妊治療休暇を新設しようというものです。「不妊治療を受けたい方が、仕事との両立も含め、治療を受けやすくなる長野県をめざします」という1枚紙ですが、今回の条例案は職員向けのものですけれども、不妊治療を受ける方が最近非常に多くなっています。全国ベースで不妊治療で誕生してくる子どもは約20人に1人というデータもあります。また、不妊の検査あるいは治療を受けたことがあるご夫婦も5.5組に1組というデータがあり、世の中で広くこうした不妊への対応が行われていますし、また逆にこうしたことで悩まれている方も大勢いらっしゃるものと考えています。県としては今回の条例改正で職員の取り組みを応援するということだけではなく、これまでも行ってまいりました不妊・不育専門相談センターでの相談対応、あるいは不妊治療への助成制度、こうしたものの周知をしっかり進めることにしていきたいと思っています。また、職場環境促進アドバイザーが企業を訪問して、こうした不妊治療のための休暇制度の導入の働き掛け等を行っていきたいと考えています。また、「職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度」も見直して、不妊治療の支援というものも、認証の要件の一つに加えていきたいと考えています。加えて、県のホームページに不妊治療等に関する特設ページを開設して、不妊で悩まれていらっしゃる方を県としてしっかり応援していきたいと考えています。
 条例の方に戻っていただきますけれども、「長野県附属機関条例案」というものを出しています。仕事改革の観点から附属機関の設置、廃止等を効率的に行うことができるように、各附属機関の設置条例を整理統合するとともに、要綱等で開催している会議体については、その運営状況等を踏まえて、必要なものについては附属機関として位置付けていこうというものです。
 また、「長野県公文書等の管理に関する条例案」ですけれども、公文書の適正な管理および歴史公文書の適切な保存、利用等を図るため、公文書の定義、公文書の作成、公文書の整理保存、特定歴史公文書の利用等について定めようとするものです。公文書の作成あるいは保管は、行政の仕事の極めて重要な部分だと考えていますので、職員の研修の充実も含めて、この条例を作るだけではなく、職場内でしっかりとした公文書が作成され、そして適正に保存、整理されるように取り組んでいきたいと考えています。
 予算案に計上した事業、あるいは条例案の具体的な内容については、後ほどそれぞれの担当部局に取材いただければと思いますので、よろしくお願いします。

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 3 令和2年4月の組織改正について 

長野県知事 阿部守一

 それから、組織改正についてです。令和2年4月の組織改正を先ほど決定しました。主な点を申し上げますが、まず国際課の再編ということで、現在県民文化部に置いている国際課のうち、国際交流業務については企画振興部に移管して、国際交流課を設置したいと考えています。また県民文化部側においては、多文化共生・パスポート室を設けて、外国籍県民の生活支援等については、引き続き県民文化部で担っていきたいと考えています。
 また医療政策課、そして医師・看護人材確保対策課を新たに設置したいと考えています。現在、地域医療構想の具現化がどこの県でも重要な課題になっています。持続可能な医療提供体制を構築していくということは、それぞれの地域が暮らしやすい地域になるかどうかという大変重要な意義を有していると考えていますので、今般そうした観点から医療政策に係る企画調整機能を強化して、地域医療構想などを所管する医療政策課を設置すると同時に、医師や看護人材の確保・養成と医療従事者の働き方改革を一体的に所管する、医師・看護人材確保対策課を設置することとします。また、こうした課を統括する職として、地域医療担当部長という職を新たに設置したいと考えています。
 続きまして環境部関係ですけれども、環境政策課と環境エネルギー課の再編です。環境エネルギー課の気候変動対策の企画業務は環境政策課に移管して、環境部全体の政策の中で強力に推進していきたいと考えています。そうした中で、脱炭素社会推進の取り組みといった事業執行部分は、ゼロカーボン推進室で所管すると同時に、部局横断的な調整、国内外との連携、情報発信を担当する気候変動担当部長を新たに配置して、気候変動問題に全庁を挙げて対応していきたいと考えています。あとは資料に記載されているとおりですので、省略したいと思います。以上が予算案、条例案、そして組織改正です。

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 4 「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」における県の取り組みについて

長野県知事 阿部守一
 続きまして「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」における県の取り組みについてお話ししたいと思います。台風第19号災害を受けまして、国と共に緊急治水対策会議を設置して、流域市町村の皆さまにも加わっていただき、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」を取りまとめたところです。すでにご承知のとおり、河川における対策、流域における対策、まちづくり・ソフト対策、この三つの取り組みを、概ね5年間で連携して推進していくということにしたところです。今回、令和2年度予算案の公表に合わせまして、県として取り組む対策の内容の一部についてご紹介したいと思います。河川における対策として、被災施設の復旧、あるいは再度災害を防止するための改良復旧、遊水地の整備等を進めていきたいと考えています。令和元年度から令和6年度までの、概ね5年間の間に約500億円の事業費をかけて、対策内容に記載されているような取り組みを進めていきたいと考えています。
 また先ほど申し上げましたように、中小河川における浸水想定区域図の策定も行っていきたいと思っています。まちづくり・ソフト対策として市町村長の皆さまからのご要望が多かった浸水想定区域図、これについては現在未作成の約320の中小河川にかかる浸水想定区域図を令和2年度から4年度までの3カ年で作成を進めていきたいと考えています。
 続きまして、台風第19号災害を踏まえた浅川の内水対策についてですが、浅川の内水対策は地元の皆さまからも大変強い期待をいただいているところです。私どももしっかり対応していかなければいけないと考えているところです。浅川の内水対策については浅川総合内水対策計画に基づきまして、排水機場の増設、堤防のかさ上げ、二線堤の整備、こうしたものを実施していきたいと考えています。この他の対策については、地域の皆さま、あるいは学識経験者の方々のご意見も踏まえた上で検討を行っていきたいと考えています。以上、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」に関する主な内容について、駆け足でお話し申し上げましたけれども、再度同じような災害が発生することがないように、国や市町村と密接に連携を図りながら、事業の推進を図っていきたいと考えています。

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 5 2回目の被災市町村への義援金の配分について

長野県知事 阿部守一
 それから最後に義援金についてです。台風第19号災害の義援金についてはこれまでも多くの皆さまからご支援をいただいて、多額の義援金をいただいているところです。12月13日に被災市町村に対して第1回の配分を行わせていただいたところですが、この度2回目の配分を行っていきたいと考えています。義援金受付額が21億9,900万円、これはトータルの義援金の受付額でありまして、今回配分するのは約15億1,000万円です。15億1,000万円を、来週2月14日に被災市町村に送金していきたいと考えています。被害の区分に応じて配分されるわけですけれども、死亡された方あるいは全壊世帯の方にはこれまで配分した金額と合わせて、今回の配分でトータル82万5,000円が県経由の義援金として配分される形になります。これまでご協力、ご支援いただいていますすべての皆さま、企業の皆さま、個人の皆さまに対して、この場を借りて心から感謝を申し上げたいと思います。また、市町村にはできるだけ速やかに被災者の手元にお届けいただけるように県からもお願いをしていきたいと考えています。他方で、いまだに多くの皆さまが仮設住宅等にお入りになられている状況です。住み慣れた地域を離れて生活されている方も大勢いらっしゃる中で、引き続き生活再建に向けた取り組みを市町村と連携してしっかり進めていきたいと思っていますし、また、義援金についても3月までの受付としていますけれども、受付期限を延長させていただく方向で調整しているところです。どうか引き続き多くの皆さまに義援金による支援についてもご協力いただければありがたいと思っています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 令和2年度予算案について 1

日本経済新聞 北川開 氏
 今回の予算について、災害復旧中心に環境への対応や教育などさまざまなことを盛り込まれていますが、知事としてこの予算に名前をつけるならどういう予算かということをお伺いしたいです。

長野県知事 阿部守一
 サブタイトルとして「命を守り、将来世代を応援する県づくりに向けて」と書かせていただいていますけれども、災害からの復旧・復興も、災害に強い県土づくりも、さらには気候変動対策も、県民の皆さまの命を守っていく上で極めて重要な予算だと思っています。そういう意味では、命を守るということにかなり力点を置いて編成しています。地域医療構想の推進であったり、あるいは今も高齢ドライバーへの対策も進めてきていますが、交通安全対策もかなり充実させているところですので、そういう意味で今回の台風第19号災害を受けて、改めて行政の基本的な役割である県民の皆さまの生命・財産を守っていく、その中でも特に命を守っていくということに力点を置いて編成しました。ただ、そうしたことだけではなくて、未来志向でITバレー構想の推進であったり、あるいは子どもたちを応援する高等教育の無償化等についても県としての独自の視点での支援策も盛り込ませていただいていますので、そういう意味では未来を担う若い世代をしっかり応援する形の予算にもなっていると思っています。

日本経済新聞 北川開 氏
 「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」もそうなのですけれども、来年度だけではなくこれから先、復旧・復興や防災・減災に関して、かなりの予算が今後も割かれていくことが予想されると思うのですけれども。こうした復旧事業、災害対策事業が必要な一方で、今後社会保障への対応や産業振興など、他にもやらなければならないことがあると思うのですけれども、復旧、防災・減災とその他の事業との今後の予算の中長期的な兼ね合いについてどのようなお考えを持っているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回の予算編成の中でも、私として一番考えなければいけないということで取り組んだのが、今回多額の財源を必要とする中で、財政の持続可能性をどう図っていくかということです。今回、例えば台風第19号災害への対応分として総額で約492億円を計上していますが、その中で純粋な一般財源は47億円です。先ほど申し上げましたように、例えばグループ補助金、あるいは災害復旧費をはじめとして、できるだけ国庫支出金、国からのお金を最大限活用していこうということと、それから地方債で対応できるところは地方債で対応して一般財源を抑制して、県の負担を単年度に集中させずに平準化していこうと考えています。そして、そういう中でも特に後年度交付税措置がある地方債をできる限り活用したということで、492億円の台風災害の対応ですが、一般財源ベースでは47億円の増に抑えています。その反面義務的経費の抑制、あるいは事務事業の見直しによる歳出削減、こうしたことを通じて、トータルとしての財源不足額は令和元年度が98億円ですが、今回124億円ということで26億円の財源不足に何とかとどめているという状況です。そういう意味では非常に規模の大きい予算編成をしていますけれども、これで長野県の財政が著しく悪化するというような事態にはならない形で予算編成をしていますし、今後とも財政の健全性の確保にはしっかり意を用いていきたいと思っています。

日本経済新聞 北川開 氏
 先ほどのお話の中でも気候変動対策、グリーンボンドについて言及があったと思うのですけれども、どのぐらいの規模を想定しているのか、どういった事業に使っていきたいかなどについて、現時点でのお考えがあればお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 そこはまだこれからです。財政課の方からお願いします。

財政課長 矢後雅司
 グリーンボンドについてお答えします。実際、グリーンボンドを活用するに当たっては外部の認証機関との調整などもありますので、まだ具体的な資金、使途についてはまだ決まっていないところですけれども、具体例で申し上げますと、小水力発電関係ですとか、また今回しなの鉄道がかなり大きく被災していますので、車両の更新ですとか、あとは県が率先する取り組みの一つとして、駐在所のゼロエネルギー化の話がございますが、そこへグリーンボンドを資金として充てる。また、様々な水害対策、河川の拡幅やインフラ整備がございますので、そういうものも念頭に置きながら外部の認証機関とも調整をする中で、どういう事業に当てていくかによって事業規模が決まってくると思いますので、それは来年度に向けてしっかりやっていきたいと思っています。

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 2 不妊治療休暇の導入について 1

日本経済新聞 北川開 氏
 不妊治療について、仙台市とかでは導入していると思うのですけれども、都道府県レベルではかなり珍しいということで、先ほども言及があったと思うのですけれども、県職員から不妊治療への支援を進めることは政策的にどういった意義があるのかということをお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように不妊の問題というのは、多くの方が悩まれている課題だと思っていますし、その反面、社会的にも非常に重要なテーマだと思っています。今回条例を改正することによって県職員の休暇制度も設けていく形にするわけですけれども、ある意味そういう社会をつくっていく、不妊を社会全体で応援していくという風土をつくっていきたいと思っています。そういう観点から先ほど申し上げたように企業の皆さま、産業界の皆さまにも、こうした実情をよく知っていただいて、社員や従業員の皆さまの不妊治療等をぜひ後押ししてもらいたい。そしてそのための仕組みづくりということも県として行っていきたいと思っています。極めてプライベートな話なので、社会の中であまりこうした話題を議論する機会というのは少ないわけですけれども、県として今回の休暇制度のような取り組みを率先的に実行することによって、社会全体で不妊で悩んでいる皆さまがいらっしゃるということをしっかり共有して、そういう皆さまを応援していきたい、あるいは不妊治療を支援していきたいという思いです。

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 3 グリーンボンドの説明に関する訂正について

広報県民課長 池上安雄
 先ほどの予算関係の財政課長からの説明で、一部訂正があります。

財政課長 矢後雅司
 グリーンボンドの関係で、先ほどしなの鉄道の車両の更新のお話をしましたが、これは被災した車両の更新というわけではなくて、老朽化した車両については毎年更新を行っていますが、それを省エネルギー化に対応する形での車両の更新というところでグリーンボンドの活用はできないのか、ということを想定しているということで、ご理解いただければと思います。

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  4 令和2年度予算案について 2

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 当初予算関係でいくつか質問します。さまざまな工夫をした予算案と受け止めています。知事は1月初めの年頭の記者会見で、行政でなければ取り組めないこととか、行政がやらないといけないことに向き合う年にしたいとおっしゃっていました。災害や義務的経費が増え、予算の自由度が硬直化する中で、県の役割を見つめ直すという狙いは今回の予算編成で十分に生かすことができたと考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど部局長会議でも申し上げましたように、部局長の裁量経費というのも予算の中にはあるわけですけれども、各部局でも問題意識を共有して、いろいろな見直しに取り組んでもらったと思っています。財政全体の話も先ほどしましたけれども、できる限り一般財源の負担を減らすために、例えば浚渫も本来は起債の適用外ですけれども、総務省の方でも私どもの状況をしっかり認識していただいた上で、特別の措置を講じてもらいました。特別の措置というのは、地方債の対象にするという措置を講じてもらっていますので、われわれが国に求めたことによって、県民の皆さまの財政負担を減らすことができている部分もあります。いろいろ国にもお願いしたり、われわれ自身も工夫したりしながら、災害対応への財源をできる限り捻出して、後年度の負担が、あるいは当該年度の一般財源負担があまり過度にならないように対応しているところです。そういう意味で、基金の取り崩しは確かに大きな規模ではありますけれども、県全体の財政規模からすれば、著しい財政悪化を起こすことなく編成することができたと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 必要な事業に十分な予算をつけないといけないという一方で、逆に本来ならばもう少しできた事業とか、もう少し踏み込みがしたかったという分野というものは、現時点ではありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほどの部局長会議でも言いましたけれど、こうしろああしろと各部局にもハッパを掛けて編成したので、ゼロカーボンの推進をはじめ、やるべきことを具体化することができたのでないかと思っています。ただ、例えばゼロカーボンの推進は、先ほど申し上げたように、まだ「学び」と「パートナーシップ」と率先垂範のところから一歩を踏み出すという形になっていますので、本格的な政策については、これからの方針であったり、その後の環境エネルギー戦略の中で、しっかりしたものを打ち出して、そしてそうしたものに対する具体的な予算付けを行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 気候変動対策の一部もそうだと思うのですけれども、台風に加えて暖冬や新型肺炎の影響がある観光業に対する助成事業は、今年に入ってから編成が具体化した事業ではないかと思うのですけれども、何かしらの思い入れなどありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 台風第19号災害の後、国でも「ふっこう割」の制度を作ってもらって、長野県としては他の県に先駆けて「ふっこう割」の活用もスタートさせたわけですけれども、その後の雪不足であったり、あるいは現在進行形の新型コロナウイルスへの対応であったり、観光業を中心にいろいろな分野で影響が出てきていると思っています。そういう中で観光については、とりわけ直接的に影響が出る分野と考えていますので、先ほど申し上げたように緊急対策を講じて、観光需要の下支えをしっかり行っていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 そうした積極的に予算を組む事業の一方で、中止とか廃止とか減額とか、そういった工夫をされた事業も多いかと思っていますが、そうした工夫の観点、どんな思いで削るべきところは削ったのか、その辺りはどうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば漫然とやっている会議は、なるべく統合して廃止してくれという話もしましたし、また世の中はどんどん変わっていきますので、常に事業自体の在り方は変えていかなければいけないと思っています。そういう意味で、継続して事業名があるものでも、内容的には毎年見直しをしていますし、今回も各部局には、財政状況をしっかり共有した上で取り組んでほしいというメッセージを私からも直接出していますので、各部局においてしっかりと取り組んでもらえたと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
1月の県議会の会派との会合の中で各議員から、台風災害に対応するため積極型の予算を作ってほしいという意見があって、今回の浚渫もその象徴なのかという気もしますけれども、知事は今回の予算について積極型予算だと認識していらっしゃるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は積極だとか消極だとかという意識を毎年あまり持っていないので、必要なことはやる、必要でないことはやらないと思っています。ただ今回は台風災害を受けて、復旧・復興については、被災した皆さまの安心安全をしっかり確保しなければいけないので、できるだけ早く実行しなければいけないと思っています。そういう意味でしっかり予算付けをしているところですし、県土の強靭化というような観点でも、今お話しがあった浚渫も、どこまでやれば100パーセントとかというメルクマール(物事を判断する基準やその指標)が必ずしも判然としない部分がある中で、地域からの要望には最大限応えるという形で予算計上しています。また浸水想定区域図の作成も、少なくとも被災した市町村について、新年度に事業を行わない、想定区域図の作成を行わないということはあり得ないという思いで実施するということにしましたので、財政規律とか予算の健全性をどう保つかという考えは一方で持ちながらも、人の命を守るという財政以上に重要な話を今回の予算ではかなり扱っていますから、私の思いとしては、積極的予算というよりは、災害対策については積極的に予算計上したと、そういう感覚です。

中日新聞 我那覇圭 氏
 財政の総論として今の認識についてお尋ねしたいのですけれども。先ほども言及がありましたけれども、これで著しく悪化しているわけではないという発言をされていましたけれども、一方で厳しい状況だというお話がありました。県財政が置かれている現在の状況というものを、おそらく厳しいということなのかと推察するのですが、知事としてはどのように大枠として見ていらっしゃるのかお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 地方財政は国の財政と連動するところがあって、地方財政計画でどこまで交付税総額が確保されるかとか、そういうことにかなり影響を受ける部分がある中で、台風災害の前においても基調的には厳しい財政運営であるという認識を持っていました。今回台風第19号災害を受けて、復旧・復興と県土を強靱化していくという防災・減災対策で、財政需要は一時的に膨らんでいる状況ですから、そういう意味では今回の台風災害を受けて一時的により厳しさを増しているという状況ではあります。ただ、一時的に厳しさを増していることが今後ともずっと同じ状況かというと、令和2年度の対応がいろいろな事業面でもピークになってくると思いますので、その後は県債残高も縮減していく見通しになっていますし、持続可能な財政構造は引き続き維持していかなければいけないし、現時点では維持できるものと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
今のお話にもありましたけれど、中期財政試算では財政調整のための基金残高が2024年度末に60億円まで落ち込むという見通しになっています。かなり堅く見ている部分もあるのだろうとは思いますけれども、景気の先行き次第では見通せない部分もありますし、ない方がいいのですけれど、いつまた災害が起きないとも限らない中で、財政運営に与える影響、懸念というのは、今の時点でお持ちではないでしょうか。あと関連して、部局長会議でもおっしゃっていましたけれど、執行の段階でも最小の経費で最大の効果を生むことを考えてほしいという指示をされていましたけれども、今後、安定的に財政運営を進める上でどういったことが具体的にできるか、併せてお考えを聞かせてください。

長野県知事 阿部守一
 
懸念という観点から言えば、資料にも昨年出している基金残高見込みを載せていますけれども、昨年も同様に厳しい見通しを出しています。そういう意味で今回は、先ほど申し上げたように、台風災害に係る県財政の負担は、事業はしっかり行いながらも極力県の負担が減るような工夫をしていますので、直ちに極端な悪化をするという状況ではないと思っています。ただ、台風災害以前から、財政の健全性の確保ということに留意して取り組んできていますので、今後ともそうした点についてはしっかり念頭に置きながら対応を進めていきたいと思っています。
 予算の執行段階では、私が先ほど申し上げたのは、予算の大枠の中でさらに工夫ができることはいろいろあるのではないかと思っているということを申し上げたわけです。例えば同じ会議を開催するに当たっても、50万円の会議費でどれだけの人を集めて、例えばシンポジウムみたいな一般の方もお越しいただくような、どうすればもっと多くの人に来てもらえて、1人当たりのコストが減らせるかというのは、予算編成段階でなくてむしろ執行段階で考えなければいけない話だと思っています。ともすると行政は予算主義なので予算をつくると一仕事という感覚になりがちですけれども、引き続き執行段階においても、より効果を上げられるようにするにはどうするか、あるいはできるだけコストを抑える方策が他にないのかというようなことは、常に考えながら取り組んでもらいたいと思っています。 

中日新聞 我那覇圭 氏
 基金の残高が60億円台まで落ち込んでいる見通しについては、どう受け止めていらっしゃいますか。

 長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、これまでの財政見通しにおいても、中期財政試算では基金残高は減っていく見通しになっていまして、それについては厳しい認識を持っています。今回も同じような傾向ですので、引き続き財政状況、財政運営についてはしっかりと健全性の担保を認識し続ける必要があると思っていますけれども、ただ、今回の災害で長野県財政の全体が極端に、財政の基調が変わってしまうということにはなっていないと思っています。

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  5 不妊治療休暇の導入について 2

中日新聞 我那覇圭 氏
 続けて不妊治療の関係でいくつかお聞かせください。不妊の発案のきっかけとなった出発点はあったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 資料には例えば、「仕事との両立への理解を深める」とか、「職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度」の見直しということを書かせていただいています。そもそも総合計画の中では、合計特殊出生率を向上させていく、人口減少に歯止めをかけるということを極めて重要なテーマとして掲げて取り組んできています。そういう中で改めて不妊治療の問題についても、しっかり取り組んでいくことが重要だろうと考えて、県としての率先垂範として不妊治療休暇の導入、併せて県民の皆さまがより不妊治療を受けやすい環境づくりを進めるということとセットでやっていくということにしたところです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 これは1年間無給になるのですか。

長野県知事 阿部守一
 無給です。

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 6 令和2年度予算案について 3

時事通信 真勢春海 氏
 予算案の防災の関係で浸水想定区域図なのですけれど、今回の101河川分というかなり規模の大きいものを予算計上していると思うのですけれども。建設部の予算要求の公表の中だと11河川で、ここから101まで大きくしたその背景と、浸水想定図は実際に市町村でハザードマップに反映させたり、活用が今後重要になってくると思うのですけれども、その期待もお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘のとおり、建設部は要求段階では抑制的な要求を、財政健全化にも配慮してやってもらったわけですけれども。先ほど申し上げたように、私としては市町村長の皆さまとお話をする中で、これだけの災害を受けた後に、ハザードマップがないという中では対応がなかなか難しい、浸水想定区域図をぜひ作成してほしいという強いご意見もあり、またハード面での対策も着実に進めなければいけないと思っていますけれども、市町村長の皆さまが適切な避難指示、避難勧告、こうしたものを出していただくということが災害被害を減らす上では極めて重要だと思っています。そういう観点で浸水想定区域図の策定についても、箇所数、予算とも要求よりかなり増やしました。床上浸水被害があった市町村については、すべて来年度作成の対象にしたところです。市町村が区域図を活用してハザードマップを作成していく形になるわけですけれども、今回の災害を見ても、ハザードマップは住民の皆さまにとって自分たちの安全を守る上で重要な材料になっていますので、県は浸水想定区域図の策定を行いますので、市町村においてはハザードマップの作成あるいは浸水想定区域図を踏まえた防災計画の見直し、こうしたものにぜひ有効に役立てていただきたいと思っています。

時事通信 真勢春海 氏
 この規模で作成を進めるというのは全国的に見ても踏み込んだ対応になるのでしょうか。

河川課長 吉川達也
 他県の状況は分かりませんので、また後で調べます。

時事通信 真瀬春海 氏
 台風の関係で、被災した鉄道の代行バスの補助を補正予算の方に計上していると思うのですけれども、しなの鉄道と上田電鉄の事業者負担を国との協調で無くす方向だと思うのですけれども、この背景についてお伺いさせてください。

長野県知事 阿部守一
 今回の災害で地域の基幹的な移動の足である地方鉄道が被災し、代行輸送で対応してもらいました。しなの鉄道についてはJRにもお願いして、学生の皆さまに対して新幹線での代替輸送も行っていただいたわけですけれども、経営状況も非常に厳しい中で、事業者の皆さまにはしっかりとした災害対応を行っていただいているところですので、地元からの強いご要望も受けて、県として代替輸送についても支援させていただくということにしました。

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 7 CSF(豚熱)について

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 CSFが県内で確認されてから、ちょうど1年になるのですけれども、この1年間さまざまな取り組みを進めてこられましたが、1年間の所感と、あと収束しているわけではございませんので、今後に向けてどのように取り組んでいくかということをお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 豚熱については、昨年から県として、養豚農家の皆さまの思いにしっかり寄り添って、できる限り迅速で的確な対応をしていこうということで心掛けてきているところです。当初、国が飼養豚へのワクチン接種をなかなか認めないという姿勢でしたので、非常に苦慮した時期もありましたけれども、農林水産大臣が大きくかじを切っていただいて、飼養豚へのワクチン接種を行っていただき、また国の大変な応援もいただく中で、各養豚農家の皆さまにはバイオセキュリティレベルの向上も行ってきていただいているところです。まだイノシシの感染があるという現状ですので、引き続き気を抜くことはできないと思っていますけれども、農家の皆さまの一時の非常に緊迫したフェーズからは少し落ち着きつつあるところもあると思っています。引き続き、養豚農家の皆さまの取り組みをしっかり応援していくと同時に、豚熱あるいはアフリカ豚熱の話もありますので、引き続き農家の皆さまとも連携して、しっかりとした対応を進めていきたいと思っています。

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 8 医師確保と地域医療について

医療タイムス 中川久美子 氏
 医師確保に向けて、先月5県の知事と知事の会(地域医療を担う医師確保を目指す知事の会)を設立したとのことですけれども、地域の医師確保に向けて複数の県が連携して取り組むということの意義と、県内の医師確保の状況と地域医療について、知事のお考えを伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 県内の医師確保は、ドクターバンクをはじめ、いろいろな取り組みを進めてきていますけれども、なかなか各医療機関が十分医師を確保できる環境にはなり得ていないと、厳しい状況が続いていると思っています。他県の知事と連携して取り組むことにしたのは、医師確保の問題はそれぞれの地域の課題であると同時に、日本全体で考えていかなければいけない問題ですし、それぞれの県が競争して確保するというよりは、本来必要な地域に医師が存在しているという形をどうつくるかということが重要だと思っているからです。地域医療構想の推進をこれからしっかり行っていかなければいけないわけですけれども、厚生労働省にはこれまでも、地域の実情を十分踏まえて、地域の声もしっかり聞いた上で、取り組みを進めてもらいたいとお願いをしてきていますし、県としてもさまざまな医療機関の皆さまの考え方を十分に踏まえた上で、各地域で医療体制が持続可能なものとなるようにしっかり取り組んでいきたいと思います。

医療タイムス 中川久美子 氏
 知事の会では今後政策提言を行っていくということですけれども、大体どういった方向性でまとめられるのか、またいつ頃になる予定なのか、今後の展望を含めて伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 それは私のところでまだ承知していませんけれども、重要な課題ですのでできるだけ早く提案していくことが必要でないかと思っています。医師確保の問題は、先ほども申し上げましたけれども、単に医療の問題では済まないと思っています。その地域に人が暮らし続けられるのかという、まさに地域の活性化や地域振興と表裏一体になっているのが地域医療の問題だと思っていますので、そういう問題意識を国とも共有できるような提言にしていくことが重要だと思っています。

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  9 不妊治療休暇の導入について 3

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 不妊治療休暇のことなのですけれども、男女とも1年間取得できる、また「男女とも」というところがポイントなのかと感じるのですけれども、こだわりがあるのですか。あとは他県とかの状況も含めて無給で1年間ということで、県でも実際使ってみようという方がいらっしゃるという見込みはあるのか、教えてください。

長野県知事 阿部守一
 
2点目の方は人事課の方からお答えしますけれど、「男女とも」というのは、とかく不妊の問題とか不妊治療については女性側の問題であったり、女性に過度に負担がかかってしまっているという実態があると認識しています。そういう中で、男性も女性も協力してこの問題に向き合っていくということが重要だと思っていますので、そういう意味で本県においては、他の県では女性だけという制度があるとお伺いしていますけれども、今申し上げたような考え方で、男性も女性も取得できるという制度にしたということです。

人事課長 玉井直
 
二つ目のご質問ですけれども、国の方でアンケート調査等したデータを見ましても、仕事と不妊治療の両立ができなくてやめざるを得ないという方が16パーセントいらっしゃるというデータもございます。子供をつくりたいという方がやめてしまうことは非常に残念ですし、人材確保、離職をしないでということをぜひ共通の目的としてやっていきたいと思っています。人数がどのくらいかというのはやってみないと分からない部分はございますが、例で言うと、茨城県は女性を対象として、同様の1年間の制度がございますが、昨年度10名程度の方がこういった休暇制度を活用しているようですので、私どもとしてもこのぐらいの方がくるのかどうか、できるだけ取りやすい環境整備も含めて対応していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 立松敏也 氏
 それは不妊治療休暇ですと公にして休む形になるのですか。

人事課長 玉井直
 これについては基本的に国の形になるのですけれども、不妊治療のカードというものがございまして、お医者さまが職場向けに出すカードがございます。こういったものを出していただくことで不妊治療しているのだと、これからするのだということを、出していただくことで制度の対象にするという形になると思います。

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 10 令和2年度予算案について 4

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 いろいろな工夫がされた予算案だと拝見しました。1点お伺いしたいのは気候変動対策なのですけれども、県が率先して行う取り組みについては面白いと、いろいろ工夫されたと見たのですけれども、社会全体を変えていくための施策とすると、フォーラム等の計画はあるようですが、強くアピールする政策を打ち出せたというには乏しいかという印象を受けました。それについては環境エネルギー戦略をこれから練る中でというお話で、これから取り組みを本格的に検討されると思うのですが、それは令和3年度に向けた検討ということと理解してよろしいのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ここのところは中途半端な政策は打ち出さないようにしています。先ほど申し上げたように、「気候危機突破のための方針」を年度内には策定したいと思っています。その中で今回は『「2050ゼロカーボン」の始動』のところは県の率先実行と「学び」と「パートナーシップ」ということで、率先実行以外は機運醸成のようなことだけにとどめていますけれども、当然のことながら危機突破のための方針においては各分野にわたって具体的な方向をしっかり出していきたいと思っています。その中で、2050年までとか2030年までにやらなければいけないものですから、悠長なこと言っていられない状況だと思いますので、必要なものについてはしっかり予算化、補正予算も含めて、対応できるようにしていきたいと思っています。
 ありがとうございました。

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