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更新日:2019年8月27日

知事会見(令和元年(2019年)8月23日(金曜日)11時~11時49分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 豚コレラへの対応について
  2. 自己啓発支援制度について
  3. 阿部知事のベトナム、タイへの訪問について

取材者からの質問

  1. ベトナム、タイへの県産品の輸出拡大について
  2. 政教分離問題について 1
  3. 豚コレラへの対応について 1
  4. 政教分離問題について 2
  5. 豚コレラへの対応について 2
  6. 政教分離問題について 3
  7. 医療・福祉分野での外国人材の活用について
  8. 政教分離問題について 4

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本文

阿部知事からの説明

 1 豚コレラへの対応について

長野県知事 阿部守一
 私から冒頭、3点お話したいと思います。まず1点目は、豚コレラへの対応についてです。先ほど、部局長会議において、組織改正の決定をしました。豚コレラ対策に全力で傾注していこうという観点で、農政部、林務部の関係室をそれぞれ強化していこうというものです。何度も申し上げてきているように、養豚農場の防疫対策と豚コレラ対策については、最大限の対応を迅速に行っていきたいと考えています。そういう観点で、まず家畜防疫対策室を設置します。農政部の園芸畜産課に家畜防疫対策室を設置しまして、これまで家畜防疫対策の担当は6名でしたが、12名に倍増して対応にあたっていきたいと思っています。このことを通じて県内の全養豚農場における防護柵の設置の促進、あるいは野生イノシシの感染対策の推進など、豚コレラ対策を強化していきたいと考えています。
 それから林務部ですが、鳥獣対策ジビエ振興室の人員を7名から10名に増強したいと考えています。これによってイノシシ捕獲の強化、あるいは重要地点における捕獲の強化と、豚コレラ感染イノシシの拡散防止を図っていきたいと考えています。 9月1日付けで組織改正を行っていきたいと考えています。8月13日付けで処分を行った早期執行等も図っていきたいと思っています。
 また、合わせて豚コレラの経口ワクチンの散布についてお伝えしたいと思います。来週から豚コレラウイルスに感染した野生イノシシに対する経口ワクチンの本格散布を開始していきたいと考えています。散布箇所は、松本市梓川周辺、塩尻市片丘、松本市中山・里山辺の周辺、阿智村の清内路周辺、阿南町・天龍村の周辺の地域において、合計2,400個のワクチンの散布を行っていきたいと考えています。今回の本格散布の実施主体は、県そして市町村猟友会、畜産会、獣医師会、養豚協会で構成する協議会において行う形になります。また、引き続き9月の下旬においては、さらに範囲を拡大して、より大規模な散布を行っていきたいと思っています。こうしたことを通じて、野生イノシシにおける豚コレラの感染エリアの拡大を食い止めていきたいと考えています。

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 2 自己啓発支援制度について

長野県知事 阿部守一
 
それから2点目ですけれども、部局長会議での報告事項として上がっていました自己啓発支援制度についてです。しあわせ信州創造プラン2.0においては、学ぶ県組織への転換ということを掲げています。その一環として、県職員の自己啓発支援制度を設けることとしました。職員一人一人が、学びと自治の実践者になってもらいたいという思いから、制度を設けるわけですが、県職員の職員能力開発はこれまで研修が中心です。しかしながらこれからは職員一人一人がそれぞれのキャリアプランや問題意識に合わせて、自己啓発にもしっかり取り組んでもらいたいと考えています。そういう観点で今回の支援制度は、職員の自己啓発に要する費用の一部を支援しようというものでして、大きく3つの種類があります。
 1つは、語学、法務、福祉、設計、施工管理等、209の多様な資格取得に対する支援です。そして2つ目が、大学の公開講座やeラーニング等、外部講座の受講の支援です。さらには、3点目として、修士課程・博士課程等、大学院等への修学支援です。県職員にはぜひ、こうした制度を積極的に活用して、自己研鑽(じこけんさん)に取り組んでもらいたいと思っていますし、またこうした取り組みを通じて、これから公務員としての就職を考えている皆さんに対しても、長野県庁は職員の成長をしっかり後押ししていく組織だということをアピールしていきたいと考えています。こうしたことを通じて県の組織力全体を向上して、県民の皆さまの福祉増進に繋げていきたいと考えています。

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 3 阿部知事のベトナム、タイへの訪問について

長野県知事 阿部守一
 
それから、3点目ですが、8月14日から17日までベトナムとタイを訪問してきました。今回、実質4日間の日程で、ベトナム、ハノイ、そしてホーチミン、さらにはタイのバンコクと駆け足で回ってきました。一番重要な観点は、ベトナム政府との間で人材協力についての覚書を締結したことだと考えています。今後、介護人材、あるいは観光人材、こうした人材を中心にして、ベトナムからの人材の受け入れをさらに促進していきたいと考えています。来年の2月にはベトナムにおいて、県内の観光事業者とベトナムの若者との採用面接会も予定しているところです。今、人口減少社会において、働く人材をどう確保するかということは、極めて大きなテーマですので、こうした海外からの人材の受け入れ体制の充実ということも含めて、しっかり取り組んでいきたいと思っています。
 それからもう1点は、長野県としてのさまざまな物産のアピール、あるいは、販路をどうやって作っていくかということについての調査を行ってきました。私の感覚としては、さまざまな流通関係の皆さん、あるいはレストラン関係の皆さん、メディア関係の皆さんとお話ししましたけれども、長野県の食材をタイに売り込んでいく可能性というのは、かなり高いのではないかと思っています。例えば長野県の特産品というのは、長野県の生産量が日本の中でも群を抜いている凍り豆腐のような健康食品も、うまい形でタイ料理と合わせる、タイ料理風に調理していただくということによって、需要拡大する余地もかなりあるのではないかとも考えています。これから海外における販売の促進あるいは長野県の物産のアピール、こうしたことについては、今回の成果を踏まえて、より具体的な形にしていきたいと考えています。その他にもいろいろな気づきがあった訪問でしたけれども、人材面あるいは物産面、県政の具体的な取り組みにしっかり繋げて行きたいと考えています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 ベトナム、タイへの県産品の輸出拡大について

日本経済新聞 北川開 氏
 今、お話がありましたベトナム、タイ訪問についてお伺いしたいのですけれども、加工品や農産物について輸入業者や、現地の販売店・量販店を巡ったり、あとトップセールスに売り込みなどをされたと思うのですけれど、どんなやりとりがあったかというのと、あとは県産品の輸出拡大に向けた手応えを感じられたかというのをお聞きしたい。

長野県知事 阿部守一
 さまざまな方々とさまざまなやりとりをしてきたわけですけれども、特徴的に問題意識を持った点を挙げると、まず一つは、タイあるいはベトナム等でも非常に健康志向が高まってきている部分があります。そうした側面をうまく活用することによって、健康長寿県としての長野県、「発酵・長寿」県宣言もさせていただいていますので、そういう意味で販路開拓をしていく可能性が高いと思っています。
 それからタイでは、ショップチャンネルといういわゆるテレビ通販、それをタイで行っている企業ともお話ししましたけれども、長野県の物産というものの特色は、品質は良いものが多いですけれども、例えば日本酒やワインもそうですが、なかなかロットが大きいものが少ないです。そういう意味では大きな流通ルートにのせるというよりは、むしろその商品のストーリーや背景、あるいは機能、そういうものを丁寧に発信することによって消費者に訴えかけ、そして高付加価値で販売していくということが重要だと思います。そういう意味で、量販店ルートで販売するということも考えていかなければいけないと思いますけれども、物によってはそうした通信販売ルートを使って、販売していくということも可能性が大きいのではないかと考えています。

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 2 政教分離問題について 1

日本放送協会(NHK) 河合風悟 氏
 昨日、今日と報道されています政教分離問題で、知事が松本の護国神社の支援組織の会長を務めていらっしゃることについて、また寄付金の募集に名前を連ねていることについて、専門家から政教分離の原則に反するのではないかという指摘があります。昨日コメントを出していただきましたが、改めて知事としてのお考えをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 昨日もコメントを出しましたけれども、今回報道されている活動については、完全に私人としての活動です。そういう意味で、この会見の場で私の思想信条に関わることを申し上げるのはいかがなものかというところもありますが、私としては戦争犠牲者の方々に哀惜(あいせき)の意を表すると同時に感謝の誠をささげ、加えて戦争の悲惨さ、あるいは平和の尊さ、こうしたものを次世代に引き継いでいこうという思いで私人として行っているものです。行政機関としての県の活動、あるいは行政機関としての知事の活動とは一線を画したものですので、そういう意味で、私としては日本国憲法に違反するものではないと考えているところです。もとより私は憲法遵守、憲法上の義務でもありますし、日々の県知事としての業務執行にあたっては、そうした点について十分意識しながら活動しているところです。憲法を尊重するという立場からも、私人における信教の自由というものは片方で保障されなければいけないものと考えているところです。ぜひそういう意味で冷静な議論をしていただくとありがたいと思っていますし、憲法上の信教の自由は極めて重要なことだと私は考えています。有識者のご意見をお伺いするなど引き続き慎重に考えを整理していきたいと考えています。

日本放送協会(NHK) 河合風悟 氏
 午後、市民団体から政教分離問題関係で申し入れが予定されているかと思うのですが、市民団体から申し入れがあるということについてはどのように受け止めていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 いろいろご意見があるというのは、それはそれとして受け止めていかなければいけないと思います。まだ内容等どのようなものか承知していませんので、まずお伺いしたいと思っています。私は公務と重なっており直接お会いできないので、間接的に文書を受け取るような形になるのではないかと思います。

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 3 豚コレラへの対応について 1

市民タイムス 田子元気 氏
 豚コレラについてお伺いします。組織改正について、園芸畜産課に家畜防疫対策室を設置し、12人で人数も倍増されているのですけれども、具体的に人数を増やして対応することによって、今後どういった内容で強化されていくのかという具体策、今後、検討されているところ、人数を増やすことによってどういったことが可能になるのかというところを教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 今回の部局長会議でも、さきの専決処分の内容について報告があり、各部局での取り組みの徹底をしたところですが、豚コレラ対策は複数の観点で取り組まなければいけないと思っています。まず一番われわれが目標にしているのが、養豚農場に豚コレラを侵入させないと、今野生イノシシには発生している状況ですが、これを養豚農家での発生に繋げないということが最大の現状の目標ですので、そういう意味で養豚農家におけるハード対策、ソフト対策、進入防止柵の設置であったり衛生管理の徹底だったり、こうしたものをさらに充実していきたいと思っています。
 また加えて、陽性反応が出る野生イノシシのエリアをこれ以上拡大させないように食い止めていくということが2点目として重要でして、そういう意味では感染イノシシの捕獲対策については充実させて、重要なポイントについて、わなを仕掛けてエリアが拡大しないように全力を尽くすと同時に、経口ワクチンの散布も、今後はこれまで以上に大規模な形で行っていきたいと考えています。加えて、昨日市長会総会の懇親会の場で私が冒頭お願いをしましたが、一般の方々、これから例えばキノコ採りのシーズンとなるわけですので、そういう方たちにも豚コレラについて十分認識を持っていただいた上で、対応していただくという意味で、さらに注意喚起を図っていきたいと思っています 。こうしたことを組織体制の充実に合わせて、さらに充実強化を図っていきたいと考えています。

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 4 政教分離問題について 2

中日新聞 我那覇圭 氏
 先ほど出ました護国神社の関係で、最初に知事がおっしゃっていた信教の自由が極めて大事だというのは、それは全く一緒なのですけれども、細かな事実関係のところが分からないので、単純に大事だけれど本当にそれだけで割り切っていいのかと感じていまして、細かなところを含めてお聞かせください。神社側の説明によりますと、2011年4月に就任されたとありますけれども、就任の打診というのは知事個人あるいは後援会にあったと理解してよろしいのでしょうか。それに関する手続きというのはどういうようなもので、誰が担ったか、あわせてお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 大分前の話なので正確に記憶していませんけれども、私個人に対しての依頼、もちろん機関としての県知事に対する依頼ではなくて、私に対しての依頼について、それを私が応諾したという形だと記憶しています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 それは直接知事のところにいらしたのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 どういう場所でどうだったかとは、正確には記憶していませんけれども、いずれにしても公務であったり、県知事としての職務と混同しないように留意しているということは言えると思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 それは秘書課が調整をしているのか。

長野県知事 阿部守一
 調整というか、秘書課は私の業務を結構みているので、全くそれに関与しなかったかどうかは、微妙なところはあると思います。 ただ、それが宗教的行事を応援するとか、そういう形ではなくて、私のところにはいろいろな方からいろいろな連絡や電話がきますから、そういう応答は全くないわけではないと思います。しかしながら社会通念上の感覚を逸脱して県組織として話を受けるとか、そういうことは一切ないと考えています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 神社側にお尋ねしたのですけれども、お答えにならなかったことについて知事としてのお考えを伺いたいのですけれども、実際、歴代県知事、田中元知事以外は、全員就任していると説明されているのですけれども、つまり知事に対して就任を依頼するのが慣例というか、そういうような経緯だったんだろうと推察しますが、知事としてはなぜ知事就任者に会長職を委ねようと神社側が考えていると思うのか、何が期待されていると思うのかお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこは私がコメントする話ではなく、神社側に聞いていただいた方がよろしいのでないかと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 知事としては、どのような思いで受け止めたのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
先ほど申し上げたように、長野県における戦争犠牲者の皆さまに、私人として感謝の思いをしっかりお伝えすると、そしてこれからの平和を願う、そういう思いでお引き受けしたところです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
知事就任者に対して打診しているわけですが、一般の民間企業など、いろいろな方がいらっしゃいますけれども、なぜ知事だと思われますか。

長野県知事 阿部守一
 それは私が推測して答える話ではなくて、神社側は神社側の考え方がおありになると思いますし、その辺について私が確認したことはありません。

中日新聞 我那覇圭 氏
 神社側の説明によればこの活動目的の中に、一部省略しますけれども、祭祀を行い、祭神の神徳を広めると、宗教性を帯びたような文言がありまして、知事が就任してから8年経過するわけですが、就任時、あるいはこの間、この目的について聞いたり、あるいは知っていましたか。

長野県知事 阿部守一
 宗教法人ですから、宗教的な活動をしているというのは当然の前提だと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
改めて伺いますが、宗教法人、正確に言えば護国神社の崇敬者会と宗教団体、そこに対しての会長就任には、特定の宗教に対する助長や促進という意味を持ちませんか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、憲法の話としては、私人として行っている活動ですから、そこが私人の活動であるけれども、程度の差異で、合憲性の判断がされるかどうかというところは、私としては、こうした考え方ではないのではないかという認識です。いろいろな裁判例の中で、やはり前提としては、公式参拝であるとか、公務の一環であるとか、そういうことが前提になっての議論になっていると私としては受け止めているところです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 趣意書に関してお尋ねします。知事と肩書きはないということですけれども、知事は就任されてから長いですし、名前を見れば多くの人には知事だろうと認識すると思いますけれども、今までの話と重複する部分もあるのですが、そのような方が護国神社の宮司さんと名前を連ねて、寄付を呼びかけるということに問題があるという認識は特にないと理解していいでしょうか。その答えをした上で、同じような趣意書をまた発出される場合は、また同じようにお名前を連ねられるとお考えはありますか。

長野県知事 阿部守一
 私としての認識は申し上げた通りです。しかしながら議論を整理すべきだと私は思っていまして、一つは憲法的な問題、もう一つは政治的な問題です。このところは あまり混ぜて、あわせて議論するというのは適切ではないのかと私としては考えていますので、そういう意味では、先ほど申し上げたように、例えば政治的にはいろいろな考え方の方もいらっしゃると思います。あるいは憲法上もいろいろな判決も出されています。 私としては有識者のご意見等をよく聞いて、自分なりの判断をしていきたい、考え方を整理していきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
同じような趣意書があればまたお名前を出されるお考えはありますか。

長野県知事 阿部守一
 
それは仮定の話ですので、先ほどから申し上げているように、今回の報道された事案というのは私としての私的な行為です。その前提で考えていくという形になるので、憲法上の問題としては、私としては憲法に反するものでないという認識です。ただ、いろいろなご意見がある方もいらっしゃいますし、私は決して人の意見をかたくなに拒むというタイプの人間ではありませんので、有識者のご意見も聞いた上で考え方を整理していきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 先ほどのご説明で、憲法に反しないとおっしゃったのですが、政教分離の趣旨に反しないというような意味でおっしゃったという理解していいですか。

長野県知事 阿部守一
 
日本国憲法に書いてあります20条信教の自由です。信教の自由は何人に対してもこれを保障すると、私も保障されているというのは当然の前提だと思います。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならないということ、第2項は今回とは関係ないと思いますが、何人も宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。第3項が、国およびその機関は宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならないということですので、私の活動は先ほど申し上げたとおり私人という認識です。そういう意味で私としては行政機関としての、県としての活動とは一線を画して、これまで行ってきていますので、そういう意味で憲法には違反しないものというのが私の認識です。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
会長をお辞めになる考えはありますか。

長野県知事 阿部守一
 
今申し上げたような認識ですので、私として直ちに辞任するというような考え方は持っていません。ただ、先ほど申し上げたようにいろいろなご意見を、今後お受けし、自分自身で考えていきたいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 特定の宗教に対する助長ではないというような意味合いでおっしゃっているんだと思いますけれども、宗教的な意味で言えば同じように戦没者を慰霊するとか、そういう意味で、まず仏教の方、キリスト教の方、他にもさまざまな宗教で同様な活動をされていると思うのですが、そこの方々の関連組織の会長に就任するというということはあり得ますか。

長野県知事 阿部守一
 それはその時の状況次第です。私が一方的に何かに就任するという話ではありませんので、私としては信教の自由というのは、憲法上重要な問題だと思います。そういう意味で、特定の宗教を助長させるというような考え方でいるわけではありませんので、ただ、私の内心の自由の問題もありますし、それから宗教としてどういう形の活動されるかということもさまざまあると思いますので、そういう意味で一律にこうだ、ということは申し上げにくい分野かと思います。

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 5 豚コレラへの対応について 2 

日本農業新聞 飯島有三 氏
 豚コレラ関係で何点か確認をしたいのですけれども、まず組織改正の関係ですけれども、園芸畜産課の家畜防疫対策室について、資料を見ますと、かっこで豚コレラ対策担当と書いてあるのですが、これは豚コレラの対策担当の専任者を置くということでよろしいでしょうか。

農政参事兼農業政策課長 草間康晴
 今お話ありました豚コレラ対策担当ということで、実際12名の中で担当としましては、7名を配置する予定でいます。

日本農業新聞 飯島有三 氏
 同じく、林務部が鳥獣対策・ジビエ振興室を7人から10人に増員するということで、この中では野生イノシシ対策の特に中心になる担当者の人数といったところはあるでしょうか。

鳥獣対策・ジビエ振興室長 清水靖久
 今度増員する3人につきましては、豚コレラ対策の主に捕獲対策の業務を行うようになります。そして重要なポイントとして、イノシシの県全体の動向の見える化を図っていますけれども、こちらもリアルタイムで更新していく、そういうような業務に就かせたいと考えています。

日本農業新聞 飯島有三 氏
 増員される3人が捕獲と情報発信の関係を中心に担当されるということですか。

鳥獣対策・ジビエ振興室長 清水靖久
 はい、その通りです。

日本農業新聞 飯島有三 氏
 これまでいた7人も、イノシシ対策には引き続き関わるのですか。

鳥獣対策・ジビエ振興室長 清水靖久
 通常の有害鳥獣捕獲とか既存のスキームもありますので、その方で関わってまいります。

日本農業新聞 飯島有三 氏
 知事にお伺いしたいのですけれども、農場の飼養豚へのワクチン接種の関係ですけれども、農水省は、生産した豚肉を県内流通に限るということですとか、あと対象となる養豚農家、全農家にその意向を確認した上で実施することとか、かなり厳しい条件を課して、実際にもし実現するとしても調整に相当な時間がかかるような情勢になっていますけれども、改めまして農場の飼養豚へのワクチン接種について知事のお考えをお聞かせいただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず豚に対するワクチン接種をしてもらいたいという声があることは承知しています。ただ反面、全ての農家が必ずしもそういうご意見ではないという現状もあります。非常に難しい問題だと思っていますけれども、私としては飼養豚に対するワクチン接種については、国が主体的に責任を持って考えていく必要があると思っています。元より全国一律に折衝(せっしょう)することであれば、国が判断しなければいけない範囲ですし、また他方で地域限定というようなことを考えた場合にも、例えばその場合にはトレーサビリティー(食品の安全を確保するために、栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にすること)とか、しっかり行っていかなければ地域限定の意味がなくなってしまうわけでありまして、そういった仕組み等を構築するのは、国がある意味では立法措置等を講ずる中で検討してもらわなければ、なかなか具体的な仕組みは構築しにくいと思っています。そういう意味で私としては、より踏み込んだ国における検討を期待したいと思っています。

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 6 政教分離問題について 3

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 護国神社の関係ですが、知事が私人として、他の宗教団体の団体の長に就いているということはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 崇敬者会のような形になっているケースはないと思います。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 宗教団体の長にも、当たり前ですが就いていないということでよろしいですか。それで先ほど、今後については、有識者の意見をご自分でお聞きになりたいというお話でしたけれど、どういった方たちに、学者とか、あるいは他の政治家とかいろいろあるかと思うのですが、どういった方に聞いて、いつごろまでに判断をしたいというお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、純粋な憲法問題と政治的な意味合いと両方あるのでないかと率直に感じていますので、そういう意味で幅広い方の意見を聞くとことも、単に憲法問題だけではなくて、幅広い方のご意見を伺うということも必要ではないかと思います。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 今回、護国神社の鳥居の修復の寄付集めとのことだったのですが、知事ご自身は寄付をされているということはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は選挙区内の者には寄付できないので、当然寄付はしていません。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 護国神社の関係なのですけれども、1つは就任の経緯のところでご依頼にお応えになったということなのですけれども、依頼の際に、歴代知事が就任されていますから阿部さんも私人としてお願いします、というような形で依頼があったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そんな失礼な頼み方ではなかったと思います。私に引き受けていただきたいということだったと思います。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 長野県知事が歴代就いているということは、認識されてということではなかったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私としては、別に前任の知事とか、前々任の知事の判断に引きずられる話では全くないと思っています。それは全く関係ないです。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 春の例大祭に何度かご参加されていると思うのですけれど、参加されて参拝と祝辞を述べられているかと思います。玉串料(たまぐしりょう)はお出しになっていないということなのですけれども、玉串料をお出しになっていない理由というか、そこをどのように判断されたのかを伺いたいです。

長野県知事 阿部守一
 あまりそこは、深い判断をした記憶はないです。私としては、先ほど神社の鳥居の寄付の話を申し上げたけれども、基本的に私の場合は、長野県内全域が公職選挙法上、寄付支援者の対象になっていますので、そういう意味で自分の個人のお金の出し方というのは、基本的には請求書等がちゃんとしないもの以外はあまり出さないです。寄付に当たる可能性もあるので、そういうことであまり私から積極的にお金を支出するということは、今回のことに限らずしていませんので、そういう意味では玉串料もお納めしていません。

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 7 医療・福祉分野での外国人材の活用について

医療タイムス 中川久美子 氏
 ベトナム政府との人材協力に関する覚書の件なのですけれども、県内の医療介護福祉分野での外国人材活用について、どのような期待感をお持ちなのか、改めてお考えをお聞きしたいと思います。また、受入促進に当たって県としてはどのような支援を行っていくのか、具体的な体制整備の方針等がありましたら、現時点でのお考えをお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 ベトナム政府との間で覚書を結ばせていただくことに加えて、送り出し機関であったり、あるいは人材の教育機関も今回訪問しました。私が強く感じたのは、本当にベトナムの若い皆さんは、将来に対する夢と希望を持って、一生懸命日本語を勉強したり、あるいは介護を勉強されていると受け止めました。そういう意味では、例えば介護の分野だとか観光の分野とか、人材が本当に逼迫(ひっぱく)していて必要だという方たちも大勢いらっしゃいますので、そういう意味でしっかりと、県として、その間の橋渡し、マッチングができるように取り組んでいきたい。加えて、そうした若い人たちが長野県にきてよかったと、働いてよかった、暮らしてよかった、そういうふうに感じていただけるようにしなければいけないと思っていますので、今度新しく外国語での生活相談に応じるセンターも設置していくことになっていますし、また、介護人材等に関しては、一定の家賃補助等も行っていきますので、こうしたことを通じて応援していきたいと思います。
 もう一つ、外国人材の受入れ基本方針というのを今検討中です。年度内には策定して全体的な受け入れ体制の構築を図っていきたいと思いますけれども、そういった議論の中でも、より充実した、他の都道府県に負けないような、安心して働いていただけるような環境づくりを目指していきたいと思っています。

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 8 政教分離問題について 4

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 先ほど知事がおっしゃった、憲法問題と政治問題に分けて考えるというのは、憲法問題というのは憲法に照らしてどうかということだと分かりますけれど、政治問題とのはどんなことを指しておっしゃっているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 憲法問題というのは純粋に法律論です。その周辺的な部分、例えば、こういうおそれがあるから控えるべきでないかというご意見もあるわけでありまして、そこは純粋的に法律上マルかバツかということだけではない判断というものもあり得る分野があると思っています。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 その有識者というのは憲法学者、それからあとどのような方々を想定されるのですか。

長野県知事 阿部守一
 これから私もちゃんと考えなければいけないと思っていますけれども、一つ法律的な問題をちゃんと考えなければいけないと思っています。あとは県民の皆さんがどう受け止めているか、これは法律問題とは別の次元で考えなければいけないと思います。今日ここでは、私は県知事として公の立場で会見していますが、公の立場で会見する中でも、記者の皆さまからはこの問題についてご意見をいただいているわけです。それはおそらく、県民の皆さまも同じような思いをお持ちになられている方もいらっしゃると思います。私の私人としての活動、あるいは信教の自由、これは尊重していただきたいと切に願っていますけれども、片方で知事としての活動について、いろいろこのようなご質問とかご意見をいただいているわけですので、そうしたことも含めてしっかり考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 渡辺秀樹 氏
 県民の受け止めとのはどのようにして把握されるのですか。

長野県知事 阿部守一
 いろいろな方がどういう問題意識を持っているかということは、私なりに把握していきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 今のお話に関連なのですけれども、これは当然、あくまで私的な会合として行っていくのですか。

長野県知事 阿部守一
 これを県の公式な会合で税金を支出を支出すると、それこそ私は政教分離違反というか、憲法20条違反になってしまうと思いますので、これはあくまで私が個人的に、その県の行政機関なり、県の活動とは別の形で行っていくということです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 いろいろな相談をしながら、個別に、例えば学者とか、政治家に相談するということですか。

長野県知事 阿部守一
 私としては、私の考え方は先ほど申し上げたとおりです。私の考え方が全くないわけではないことが大前提ですので、ゼロベースでいろいろな人に、ただ単にどう思いますかと聞くということでは全くないので、そんなに何か多くの方たちを集めて何とかするとか、いろいろな人に聞いてまわるというような感覚ではなくて、私自身の考え方をどうやって、もっと掘り下げていくかという形で考えていきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 結論はいつまでに出されるのですか。

長野県知事 阿部守一
 それこそ公務優先ですから、勤務時間中にこういうことをやるわけにはいかないと思っていますので、そういう意味では公務であれば、いつまでにやるということを申し上げますけれども、率直に言って私の私的時間は相当ないので、そういう意味では、いつまでにどうこうということを、この場で申し上げられるような段階ではありません。

中日新聞 我那覇圭 氏
 有識者にお話を伺うとおっしゃったということは、今回のこの一連の会長就任に対して何らかの疑義が生じていると知事自身もお感じになっていると理解していいですか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、憲法問題としては、私は憲法に違反していないという認識ですということは再三申し上げている通りです。ただ、例えば今日もこの会見の時間でこの問題でかなり時間を費やしています。私も豚コレラ対策やらなければいけない中で、こうした時間をとられるということは、私としては残念な部分も正直ありますので、そういうことも含めて考えていく必要があると思っていますので、そのことと純粋な憲法論の話というのは、分けていただかないといけないのでないかと思っています。

信濃毎日新聞 菊池公雄 氏
 護国神社と切り離せないものとして、靖国神社があると思います。靖国神社は境内の遊就館という博物館でご覧になれば分かるのですが、先の戦争を美化する歴史観を持っている神社となります。そのために今でも戦没者を合祀しているのですが、合祀は困るという形で一部の遺族は合祀を拒否する裁判を起こしている。そういう靖国神社ないし護国神社のあり方をどういうふうに判断して、護国神社の会合に名前を連ねたのかお聞かせ願いたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず私は靖国神社お参りさせていただいたことがありません。そういう意味で今、ここは知事としての会見の場ですので、先ほどずっと憲法の議論で政治と宗教を分離するべきだというのが皆さんの基本的なご主張だと思いますけれども、公の場で公の立場で特定の宗教については論評するというのは、今日は、私としては差し控えたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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