ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 知事会見(動画とテキストでご覧になれます) > 2019年度知事会見録一覧 > 知事会見2019年12月20日
ここから本文です。
更新日:2019年12月27日
長野県知事 阿部守一
本日は私から大きく3点お話ししたいと思います。まず1点目「気候非常事態宣言」、「ゼロカーボン宣言」に関連して、その具体化を進めていく上での第一弾として、信州屋根ソーラーポテンシャルマップ、これまで一部の地域について公開していましたけれども、本日長野県内すべてのポテンシャルマップを作成し、公開しました。ソーラーポテンシャルマップを有効に活用し、長野県は太陽光、そして太陽熱を最大限利用していきたいと思っています。実現に向けては、多くの皆さまのご協力を得ながら進めていきたいと思っています。電気商業組合の皆さま、あるいは企業の皆さま、NPOの皆さま、さらには工務店協会の皆さま、多くの皆さまのお力をお借りしながら、このマップの策定にとどまらず、そこから一人一人の県民の皆さま、あるいは事業者の皆さまの行動につなげていきたいと思っています。今日はそういう観点で関係の皆さまにお越しいただいていますので、まずはソーラーポテンシャルマップの実物をご覧いただいて、その後それぞれの皆さまからお話をいただき、最後また私からお話ししたいと思いますので、よろしくお願いします。
環境エネルギー課長 真関隆
私から信州屋根ソーラーポテンシャルマップの操作方法等をご説明します。今こちらのスクリーンに松本市を映しています。ご覧いただくと赤と黄色の表示がありますけれども、これは年間の日射量によって、高いほうが赤、そうではないものを黄色という表示をしています。個別のデータをご覧いただくには、例えばこの建物をクリックすると、アルクマのマークが出て、「最適」という表示がされます。そこをクリックすると、この建物は年間どの程度の太陽光発電や太陽熱利用のポテンシャルがあるか、またCO2をどの程度削減できるかという表示もしています。また、電気やガスの料金をどの程度削減できるかという個別のデータも出しています。一番下を見ると、このシステムの特徴ですけれども、中央に緑のボタンがあります。ここをクリックすると、今日お越しいただいています団体に所属する事業者の皆さまの一覧が表示されます。現在松本地域を表示しているため、松本地域を営業範囲としている事業者の皆さまが出る形になっています。例えばこの一つをクリックすると、それぞれの事業者の皆さまの画面につながるという形になっています。またこちらの赤いアイコンをクリックすると、松本市がどのような補助金を扱っているかというページに飛ぶようになっています。このように今回のこのシステムは、利用者が自宅を調べてすぐ行動に移せる仕組みになっています。また、事業者の皆さまにすぐに発注ができる形になっており、地域内の経済を活性化する環境エネルギー戦略、長野県が目指す姿にもつながるということでこういった形にしています。全国で東京都と名古屋市が同じシステムをつくっていますけれども、この仕組みは本県独自のつくりです。操作方法等は以上です。
続きまして、長野県と連携してソーラーの普及を進めていただいている皆さまをご紹介申し上げます。長野県電機商業組合理事長、株式会社キタノヤ電器取締役会長、北原國人さま、自然エネルギー信州ネット、株式会社サンジュニア取締役会長、西原秀次さま、自然エネルギー信州ネット、NPO法人上田市民エネルギー理事長、藤川まゆみさま、長野県工務店協会専務理事、宮澤昭彦さまです。それでは、北原さまから一言ずつお願いします。
長野県電機商業組合理事長 北原國人 氏
私どもは今日、長野県の阿部知事が出席して発表会をすることに対して、長野県が本気だということを身をもって体感した次第です。太陽光で言いますと、FIT(フィット/固定価格買取制度政策)がやや低調になってきました。この時に長野県のポテンシャルマップが公開されるということは、私どもの業界から見ても、またそこにお住まいの生活している方が、本当に自然エネルギーというものをどう取るか。また、地球温暖化の防止に向かって、非常に議論がされている最中です。先ほどもCOP25(コップにじゅうご/第25回国連気候変動枠組み条約締結国会議)にも県から出席されたということを聞いて、いかに長野県の方針が時代に合ったものであるか、温暖化防止に向かって叫んでいる県の姿勢を感じる次第です。太陽光の活用というのは、太陽光電気そのものを使うことと、蓄電すること、緊急の場合、災害の場合に電気を使える、生活を守るという、そういう面でいくつもの効率がありますけれども、最近はEVの時代になってきました。これは車のバッテリーで動く時代になりました。その熱源に太陽光から採った電気を「V2H(ブイツーエッチ/ビークルツーホーム)」とか、または「トライブリッド」と言って、そのまま燃料に使える時代になっています。
先日、ガンダムの新作が出ました。そのときに富野監督が地球滅亡ということを言っていました。地球が滅びてしまうんだということをガンダムで訴えています。今の時代には間に合わないので次世代の皆さまにしっかりやってもらいたいという話を聞いたときに、やはり地球環境の本当の意味でやっていくのは、長野県のような太陽光に最も向いた、日本一の自然環境の中にあるわけです。だからこれを活用して太陽光発電をしっかりと推進していく。地産地消とか自給自足という言葉がよく使われていますけれども、私は自分なりに言葉を変えまして、自産自消、自分でつくって自分で消費する、自分のつくった電気を自分で使っていく時代になる。これから地球温暖化防止に向かって、一人一人が本気になって取り組んでいく時代になってきたと感じています。どうぞ、この県の企画を、私どもは最高の時宜を得たと捉えていますので、一生懸命推進したり、またお客さまにPRして、県の方針を理解していただくということで、地球温暖化防止に向かっての構えをしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
自然エネルギー信州ネット 西原秀次 氏
自然エネルギー信州ネットの太陽光部会の部長をしています、株式会社サンジュニアの西原です。本日信州屋根ソーラーポテンシャルマップが全県公開され、業界としては大いに期待しています。これにより、長野県内の屋根が持っている潜在エネルギーの予測が可能となり、太陽光発電、太陽熱の活用可能性の予測が住所やマップから可視化される、目で見えるようになるということで非常に大きく期待しているところです。長野県は日射量も多く、空気も澄んでいて、自然豊かな地域です。ソーラー業界としては、ソーラーマップを活用して、大いに普及拡大に貢献できるように、成功事例をたくさん作ることを予定しています。昨今、太陽光発電の電力はFIT、固定価格買取制度、これで売る時代から、先ほど電機商業組合の理事長さまもおっしゃいましたように、自家消費する時代に変化する、ちょうど今年度は節目の年になります。具体的にお話ししますと、FITで売るより自分で使った方が十分メリットがあるという時代になります。昼間の余剰電力を売るより、これを蓄電しておいて夜間に自分で使うという、そんな未来の家庭の状況が想像できると思います。
ここでグリーングリッド(Green Grid)という話をしたいと思いますけれども、今話した内容は、自分の家で電気をつくって自分で使う、これが当たり前になると思います。また自分の家で電気を作って、隣の家で余剰電力を使うと、つまり隣組で電力を使うということが想像できます。これを拡大していきますと同じ町で発電して同じ町で使うということ、それから同じ市内で発電をして、同じ市内で消費するということを、私が考えた言葉ですけれども、グリーングリッドといいまして、緑の電気をみんなで共有するというそんな世の中になると思います。ですから今回のこの構想では長野県で発電した電力を長野県の人が使うということができれば、理想が実現できるということです。これには法的規制や送電線の借用料などのいろいろな規制がありますので、これは解決していかなければいけないのですけれども、こんな夢を持ちたいと考えています。
太陽光発電は自己所有が一番メリットがあります。ただし、家庭、工場、倉庫、学校、公共施設に、われわれは今家賃を支払って、無償で太陽光発電装置を設置して、この電力をFITによって販売したり、直接電力を使うなど、青空電力という仕組みも今メニューとしては揃えてあります。このようにソーラーマップが成功事例を多く作り、長野県の総エネルギーをグリーン電力とするとともに、他の都道府県のモデル事業となるように業界として活用していきたいと思います。
自然エネルギー信州ネット 藤川まゆみ 氏
東信地域を中心として市民出資型の太陽光発電所を増やす活動をしていますNPO法人上田市民エネルギーの藤川と申します。長野県は「気候非常事態宣言」、そして「ゼロカーボン宣言」を行いました。これは3.11の前から自然エネルギーを長野県で広めていこうという政策があったからこそ実現できたと思っています。その中で生まれた自然エネルギー信州ネットの太陽光部会に私たちも所属しています。おかげでいろいろな支援を受けてここまで事業を行うことができました。「相乗りくん」では屋根主である屋根オーナーは初期費用なしで太陽光パネルを設置できます。太陽光の電気を使うことができ、いざというときの非常用電源にもなり、住宅の場合は12年後、大きい屋根の場合は17年後にパネルは全て無償譲渡されます。今は太陽光の電気がとても安くなりましたので電気代もお得になります。そして初期費用はパネルオーナーという出資者の皆さまのお金で賄われています。パネルオーナーはマンションや賃貸住宅など、屋根があってもパネルは付けられないという方に、ご自身のパネルを他の家の屋根に、それも日当たりの良い屋根に設置して、太陽光発電に10万円から気軽に参加できるという仕組みです。出資額に応じて売電収入を得ていただいています。「相乗りくん」がスタートして8年が経ちますが、市民出資額は1億2,000万円を超えました。「相乗りくん」は誰でも太陽光発電に参加できる仕組みです。日当たりの良い屋根を持っているけれども初期費用が高いという方は屋根オーナーに、パネルを設置できる屋根がないという方はパネルオーナーにご参加いただければと思います。CO2を出さない自然エネルギーは、気候変動による災害を防ぐ、最大の防災だともいえます。「気候非常事態宣言」をして、信州の全ての屋根にパネルを設置していこうという趣旨に私たちも強く賛同しています。ソーラーポテンシャルマップを見ると、黄色は太陽光パネルの設置に適している、赤はすごく適している、こんなに適している屋根があるということが分かります。まだまだ屋根は空いています。なので、ぜひ「気候非常事態宣言」を受けて、オール信州で自分の使うエネルギーをRE100(アールイ―ひゃく/リニューアブルエナジー100パーセント)にしよう。「自分RE100宣言」を個人の方もなさって、ぜひ広めていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。
長野県工務店協会専務理事 宮澤昭彦 氏
県内1万7,000人の建設職人を抱える長野県建設労連を母体とします長野県工務店協会の宮澤と申します。長野県工務店協会は、県内のそれぞれの地域において地元に根を張って、主として木造住宅の新築およびリフォーム施工を行う約230社の大工、工務店が集まってできた団体です。今回、長野県工務店協会の9社、まだ少ないわけですが、9社がマップのサポートページに紹介されることになりました。現在、県内の多くの新築住宅等において屋根ソーラーが設置されていますが、まだ半分ぐらいと聞いているところです。当工務店協会の会員に聞いても、木造住宅の新築、リフォームに関するお客さまからの太陽光発電、蓄電池に関する相談や問い合わせがあると聞いているところです。実際の設置については、先ほどお話がございました電機商業組合さま、信州ネットの皆さま、それから電気工事店さまが行うわけですけれども、私ども工務店の仕事というのはその取り次ぎと、それから設置のための住宅の建設施工が主な仕事ということになってまいります。信州屋根ソーラーポテンシャルマップを見ていただくことによって、お客さまとの話題が広がり、さらに県民の皆さまの木造住宅への屋根ソーラー設置のきっかけになるものと私どもも期待しているところです。長野県の地域経済の発展につながることでもありますので、長野県工務店協会としましても、このマップの利用促進を図り、屋根ソーラー利用のさらなる普及に取り組んでいきたいと思っています。以上で終わります。ありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
4名からそれぞれの立場でお話をいただきました。今お聞きいただいたように信州屋根ソーラーポテンシャルマップは非常に大きな可能性を持っています。単に屋根に太陽光パネルを乗せましょうということだけではなくて、地域でエネルギーを融通したり、あるいは自分のエネルギーは自分でつくるというライフスタイルの転換であったり、さらには地域経済を活性化していくことだったり、地球環境をわれわれの力で守り、そして次世代にしっかりと素晴らしい地球の環境を引き継いでいくということに加えて、いろいろな意味があるということがお分かりいただけたのではないかと思います。ぜひ私も自産自消、グリーングリッドということを頭に入れながら、政策を進めていきたいと思いますし、「相乗りくん」も藤川さまの力でだいぶ広がっていますけれども、今回のソーラーポテンシャルマップ、単にマップを作って終わりということではなくて、いろいろな次なる展開にも県としてしっかりつながるように取り組んでいきたいと思っています。
今回の取り組みを補足的にご説明しますと、まず、航空測量データ等から長野県全域の175万棟の建物を対象にこのマップを作らせていただいています。このうち、太陽光発電設備を設置可能な広さの屋根、おおむね20平方メートル以上ですけれども、そうした屋根を持つ建物が103万棟あります。それで今回、今ご説明したように「最適」とか「適」という形で太陽光発電を実施するために必要な日射量を得られると考えられる建物が約9割以上、98万棟あるということがマップを作成して分かりました。このポテンシャルマップで表示している設備容量を単純に合計しますと、全県で526万キロワットという形になります。個人のお宅に限って申し上げれば、住宅用太陽光発電に適する屋根を持つ建物のトータルで約350万キロワットです。現在設置済みの住宅用太陽光発電設備は約35万キロワットということで、可能性のある屋根の1割しかまだ使われていないという状況です。メディアの皆さまにはぜひこういう状況をご理解いただいた上で、まだ可能性がたくさんあります。「気候非常事態宣言」や「ゼロカーボン宣言」をしました。しかしこれを実現するには、行政も全力で取り組んでいかなければいけませんけれども、県民の皆さまができることをそれぞれ行っていただくということが重要です。今まで太陽光や太陽熱利用というのは一体どうすればいいのかよく分からないという方もいらっしゃったのではないかと思いますけれども、ソーラーポテンシャルマップをご覧いただくと、お宅の屋根はすごく適していますよ、あるいは適していますよ、ということが一目で分かります。そして先ほど4名にお話をいただきましたけれども、そうした関心をお持ちいただいて、何かアクションを起こそうかという人たちが相談いただければ、いろいろな方がそれぞれの立場でお宅はこうした方がいいのではないですかと、先ほど「相乗りくん」でもありましたが、初期投資が難しければとりあえず屋根だけ貸してくれませんかと、そういう相談対応もできますので、ぜひ県民の皆さまにはこのソーラーポテンシャルマップ、ぜひ自分の家や事業所を見ていただいて、そしてぜひ具体的なアクションにつなげてもらいたいと思います。そういう趣旨を十分ご理解いただいた上で報道していただければ大変ありがたいと思っています。ちなみに原子力発電所の1基当たりの発電容量はおおむね100万キロワットと言われていますので、今回長野県の住宅用の太陽光発電に適する屋根を持つ建物は、先ほど350万キロワットと、利用されているものがまだ35万キロワットと申し上げましたので、設備容量的には原子力発電所3基分、長野県の屋根でまだ活用できますよ、ということになりますので、「ゼロカーボン宣言」をスタートして、まず第1弾の取り組みですけれども、広く多くの県民の皆さま方のご協力とご理解をいただきながら、ぜひ行動をしていただくように呼び掛けていきたいと思っています。どうかよろしくお願いします。
テレビ信州 塩澤涼 氏
今のお話の中で個人宅ですとおよそ350万キロワット発電できるというお話がありましたけれども、これが例えば県内で今、年間で使われている総電力の何パーセントに当たるですとか、どれぐらいの規模なのか、仮に全て設置された場合にはどの程度の規模になるのかという部分が分かれば教えていただきたいと思います。
長野県知事 阿部守一
今のご質問は重要なご質問だと思っています。今日も会見に臨むに当たってもっと分かりやすくできないかということをずいぶん議論したのですけれど、これから県民の皆さまの行動を促していく上では、分かりやすく情報を出していくということは重要だと思っていますので、今いただいたご質問も含めて、われわれもよく整理して間に合えばできるだけ早目に、もう少し先ほどご説明したことも分かりやすくメディアの皆さまにご提供するようにしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
この取り組みでゼロカーボンが具体的に県民も協力して進むわけですが、やはり初期投資、先ほどありました通り、屋根だけ貸すということもありますけれども、やはり経済状態がいいとは言えない方は、ちゅうちょされる方もあると思います。ただ、やはり県民に協力してほしいということで行政の協力も不可欠だと思うのですけれども、分かる段階で、例えば県は個人宅への設置に助成や補助をしているのか、そして画面に松本が出ているので、松本のページでこのような補助をやっているというのが見られると言っていたので、市町村でもこのような助成、特にものすごい助成をしているとかあれば教えていただきたいです。
長野県知事 阿部守一
長野県は太陽光については、FITで一定の期間があれば採算が取れるということで、太陽光パネルの設置そのものに対する補助金というものは今まで出してきていません。ただその一方で工務店協会からもお話がありましたように、長野県は地球温暖化対策条例で自然エネルギーの導入検討制度、家を建てるときには必ず検討してくださいということを行ってきています。そういう意味で新築住宅を建てる際には必ず検討するというプロセスを踏んでいただいていますし、それから藤川さまがお取組みになっている「相乗りくん」の仕組みも自然エネルギー信州ネット等を通じて、県としても後押しして、直接的にキャッシュで県がお金を出すということも、やり方としてはあると思っていますけれども、ただそれはお金がなくなればそれで終わりで、必ずしも持続可能な仕組みになり得るのかという疑問があるので、そういう意味では単なる補助金だけに頼らないで、いろいろな仕掛け、検討義務付けだとか、「相乗りくん」など、そういうことを総合的に進める中で広げてきています。県内市町村の補助金の情報や、それから環境配慮型住宅の普及のためのリフォームの支援などの取り組みの紹介など、そういった取り組みは県としても行ってきていますので、引き続きソーラーポテンシャルマップをまず見ていただいて、「最適」の方というのはおおむね10年で投資が回収できるという前提でわれわれは考えていますので、ぜひ補助金頼み、補助金を出す立場で言うのも気が引けるところがありますけれども、補助金に過度に頼らずに、自立した持続可能な仕組みという前提で、まずは各家庭や各事業所でしっかり考えてもらいたいと思っています。その他に補助金の説明があったらお願いします。
環境エネルギー課長 真関隆
今お尋ねのありました市町村の補助金ですけれども、直近の調べでは、県内の47市町村でそうした補助制度があります。それぞれのメニューはいろいろございますけれども、だいたい1 キロワット当たりいくらという補助で、上限もありますけれども、こちらでご覧いただいたり、またお住まいの市町村にお問い合わせいただければ詳しいことはお分かりいただけるかと思います。47市町村で今行っています。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
台風でかなりの家が全壊、大規模半壊、そして間もなく長野市も公費解体の受付が始まります。そのような方は住宅再建のことで頭がいっぱいでしょうけれども、ビルド・バック・ベターということもありますので、そういう方々にも再建に当たっては、太陽光発電施設の設置というものは促していきたいという考えはありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
被災された方々は住宅の再建がまず最重要課題だと思いますので、県としてもその部分をしっかり応援していきたいと思っています。ただ新しく住宅を建てられるという際には先ほど申し上げたように検討が義務付けになっていますので、被災された方々も「気候非常事態宣言」を長野県が出しているということをご理解いただいた上で、検討いただければありがたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
私も自分の家を建てたときに、実は相談をしまして、私の家には太陽光パネルが乗っていて、FITで売電しています。しかし10年経つとFITがなくなって、その後自分で使うためにはまた蓄電池が必要になります。この設備は100万円ぐらいかかるということがありまして、何かとお金がかかるのですが、発電して自分で電気を使うのが当たり前の時代になるというお話がありましたけれども、蓄電池に対する補助などは県ではお考えになっていないのでしょうか。そういうものがないとそれこそ持続可能ではない気がするのですが。
長野県知事 阿部守一
今はないです。国にはあります。
環境エネルギー課長 真関隆
市町村でもやっているところはあります。
長野県知事 阿部守一
先ほども申し上げたように、ソーラーポテンシャルマップを作って終わりという話ではないと思っていて、ここからさらにいろいろな深堀りをした政策を考えていかなければならないないと思っています。先ほどのお話にもありましたけれども、例えば今、電気自動車を、単に車を走らせるだけではなくて、蓄電池として利用するという形もどんどん広がりつつあります。今お話のあった家庭用蓄電池もこれからどんどん普及していくと思いますので、そういう中でゼロカーボンを目指して、県としてどこに注力していくかということについては、しっかり考えていきたいと思います。いずれにしても今お話をいただいたことも含めて、単にマップを作って終わりということにせず、トータルの政策をこれからしっかり考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
最後に、知事のご自宅はソーラー系のことは何かやってらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
私の自宅は太陽光発電設備を付けています。
長野県知事 阿部守一
2点目ですけれども、これも「気候非常事態宣言」、「ゼロカーボン宣言」に関連する話ですけれども、2050年に二酸化炭素排出量実質ゼロの表明の呼び掛けについてということです。G20環境エネルギー大臣会合の際に長野県として、世界の自治体と連携して地球環境問題に取り組んでいこうという長野宣言(持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言)を発出しています。賛同いただいた自治体も多数ある中で、今回私どもが「気候非常事態宣言」を行ったことを踏まえまして、長野宣言に賛同いただいた自治体、そして県内の市町村、ただし白馬村はすでに宣言されていらっしゃいますので、白馬村以外の県内市町村ですけれども、こうした自治体に対して、「2050年二酸化炭素排出実質ゼロ」をご表明いただきたい、そして共に行動していただきたい、そういうことを検討いただくよう文書で呼び掛けています。今回は国内の自治体ですが、今後イクレイとも相談した上で、国外の自治体に対しても同じ取り組み、働き掛けをするかどうかということについては検討を行っていきたいと思っています。いずれにしましても長野県として「気候非常事態宣言」を行ったわけですので、全国あるいは世界の気候変動対策をしっかりと先導できるように、引き続き取り組んでいきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから大きな3点目ですけれども、これは台風第19号の災害対応に関連してですけれども、ボランティアのお願いです。台風第19号災害からの復旧に関しましては、県内外からこれまで災害ボランティアで約6万8,000人、農業ボランティアで約7,000人の皆さまにご協力をいただき、被災者の皆さま方に寄り添った対応を行っていただいています。改めてボランティア活動を行っていただいた皆さまに感謝申し上げます。年末を控える中で、本日から明後日の22日日曜日まで、ぜひ多くの災害ボランティアの皆さまにご協力いただきたいと思っています。今回長野市の北部、そして南部のボランティアセンターにおいて、住宅の片付けを中心に集中的に活動をしたいと聞いています。県外からもこれまでも多くの皆さまにお越しいただいていますけれども、なかなか身近だと応援しづらい、意識の壁がある方もいらっしゃるかもしれませんけれども、例えば「ONE NAGANO」で、この年末、ぜひ多くの皆さまのご参画を得たいと思っています。そして特に私からお願いしたいのは、今回被災した地域がなかなか大きな道路に面していないところもたくさんあるという状況です。そういう意味で軽トラの活躍の余地が非常に大きいわけですので、軽トラックをお持ちいただいてボランティアに参加しているという方も、ぜひ大勢ご協力をいただきたいと思っています。被災された皆さま方が、気持ちよく、年末年始を迎えていただくことができるように、1人でも多くの県民の皆さまのボランティアへのご協力を呼び掛けたいと思いますので、どうかよろしくお願いをしたいと思います。私からは以上です。
時事通信 真勢春海 氏
昨日ですけれども、予算要求が発表になりまして、9月に予算編成方針を発表した後、台風の災害もありまして、今後予算をまとめる上でどのような考え方でまとめていかれるのか、お考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
今日の部局長会議でも来年度予算に向けての私の考え方を各部局長にお話ししました。台風災害があって、基金の取り崩しで対応しているということもありますが、それ以上に世の中はどんどん移り変わっていくわけですので、常に必要な政策にはしっかり取り組む、そしてそれと同時に、不要となった政策、必要性があって始めているので完全に不要ということはなかなかないと思いますけれども、ただ優先順位が下がっているものや必要性が事業開始時に比べて低くなっているものについては、まずしっかり見直しを行ってもらいたいと思います。そういう意味で、選択と集中ということをこれまで以上に徹底して、来年度の予算編成をしていきたいと思っています。また国の予算も最大限活用しなければいけないと思っていますけれども、今知事会の中でも、国から計画を作れとか、この事務をやってとか、こういう検討の、組織を作れとか、非常に多くなりすぎているのでないかという議論があります。国も善意でいろいろな取り組みを行っていただいているのは分かりますけれども、それを無批判に受け入れていると、本当に力を入れるべきものが、どうしても財源的にも人的にも集中しづらくなりますので、そういう意味では、国からこれに取り組んでほしいと言われたものであっても、長野県として主体性を持って優先順位を付けるということが重要だと思います。そういう趣旨を部局長会議でお話ししていますので、来年度の予算編成に向けては、各部にもそうした視点を持ってもらいたいと思いますし、私自身もそうした観点で予算編成に向き合っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
本日、政府の来年度の予算案が閣議決定され、2年連続で100兆円を超えるということで、いろいろな論点はあるかと思うのですが、地方交付税が15兆8,000円程という数字も出ています。先ほども見解がありましたけれども、予算案全体の受け止めと、知事のお考えをお聞かせいただければと思います。
長野県知事 阿部守一
まだ詳細な内容を見ていないので、具体的なコメントをしづらいのですけれども、地方財政対策については交付税総額も出口ベースで、しっかり前年以上の金額を確保いただけているということで、地方公共団体の財政運営にとっては非常にいい方向性ではないかと思っています。これから県として予算編成に臨んでいくわけですけれども、まだ私も予算案の内容をよく見ていませんけれども、国の予算もしっかり活用しながら、県民の皆さまの期待に応えられるいい予算に仕上げていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
地方交付税は0.4兆円のプラスで、一般財源総額を適切に確保しつつ、臨時財政対策債の発行は0.1兆円減らしました。また地方法人課税の偏在是正というものもやっていくということもありますが、知事とすれば、もう少し政府案をしっかり見たいということですか。
長野県知事 阿部守一
そうです。ただ1点だけ申し上げると、防災減災対策という観点で、「緊急浚渫(しゅんせつ)推進事業費」なるものが、まだ仮称みたいですけれど出たようです。河川とかダムの浚渫、これも地域の皆さまの要望が非常に強い部分ですけれども、今まで浚渫をやろうとした場合には一般財源でやらなければいけない部分について今回地方債発行の特例措置が講じられて、なおかつ交付税措置もされる方向と聞いていますので、そういう意味では身近な防災対策を進めていく上では大変ありがたい制度だと思っています。
テレビ信州 塩澤涼 氏
ボランティアなのですけれども、県のホームページを見ますと、今後の活動予定は22日までという掲示があるのですけれども、改めて年内のボランティアの受け付けは22日が最後となるのか、また年末改めて日付設定をすることになるのか、お考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
われわれがコントロールしているわけではないので、長野市社協に問い合わせていただくのが正確だと思いますけれども、今週末集中して対応していきたいとは伺っています。年末年始も被災された方々のニーズにいろいろ対応していかなくてはならないので、そういうところにどう対応していくかということを、ボランティアセンターで検討していただいていますけれども、まずこの週末が一つの大きな節目ですので、先ほど申し上げたように、できるだけ多くの皆さまにボランティアに参加していただきたいと思っています。
テレビ信州 塩澤涼 氏
もう1点、別のことなのですけれども、先週、神奈川県庁のハードディスクが流出した問題で、長野県でも調査が行われているということがありましたけれども、その後どういう形になったかということと、またその結果を受けての受け止めがありましたら教えてください。
長野県知事 阿部守一
私は聞いていないので、担当課から何かあれば。
情報政策課長 宮坂克良 氏
その後調査を進めまして、過去5年間に県からリース事業者を通じてブロードリンクに消去を依頼した台数ですが、サーバーが2台、パソコンが41台、合計43台ということが判明しています。これらの全ての消去作業については終了したことを事業課に対して確認をしましたので、情報の流出はございません。なお、先週の会見時より台数が若干減少していますけれども、先週の段階では契約書に記載された台数に基づき算定していますが、その後一つ一つ確認をしまして、その結果、リース切れ後も所属で買い取って現在も使用中であるということが判明したため減少したものです。また、その他の5年間で使用が廃止になった全てのサーバーとパソコンについても、すでに消去済み、または県の各部局で保管していますので、情報の流出の恐れはないということを確認しました。
テレビ信州 塩澤涼 氏
情報の流出はないとのことですが、いかがですか。
長野県知事 阿部守一
前回の会見で申し上げましたように、情報管理はわれわれとしてもしっかりやらなければいけないと思っています。業者に委託した部分が計画通り行われていないということはまず基本的にあってはならないということだと思っていますけれども、今回のケースもあり得るということは念頭に置きながら、今後の対応はしっかり考えていかなければいけないと思います。
どうもありがとうございました。
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください