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更新日:2019年11月11日

知事会見(令和元年(2019年)10月31日(木曜日)16時36分~17時30分 会場:県庁)

項目

登壇者の説明

  1. 災害ボランティアについて 1
  2. 台風第19号災害義援金について 1
  3. 災害ボランティアについて 2
  4. 台風第19号災害義援金について 2 

取材者からの質問

  1. 災害ボランティアについて 

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本文

阿部知事からの説明

 1 災害ボランティアについて 1

高等教育振興課長 前沢直隆
 災害ボランティアの活動状況等について会見を行います。登壇者の紹介を申し上げます。中央が阿部守一知事です。知事の右側が社会福祉法人長野県社会福祉協議会総務企画部長の長峰夏樹さんです。その右隣が同じく、総務企画部企画グループ主任の山崎博之さんです。知事の左側が、社会福祉法人長野市社会福祉協議会地域福祉課長、それから長野市災害ボランティアセンターのセンター長でもある海沼充さんです。その右隣が特定非営利活動法人さくらネット代表理事であり、災害ボランティア活動支援プロジェクト会議の幹事の石井布紀子さんです。それでは、知事からボランティアに対する呼び掛けをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 ボランティアそして義援金について、県民の皆さまや広く全国の皆さまに呼び掛けをすると同時に、メディアの皆さまには私どもの状況をご理解いただいた上で、ぜひボランティアへの呼び掛け、そして義援金の募集についてご協力いただきたいと思っています。今日は県社協や市社協、NPOの石井さんにも同席していただいていますので、ボランティアの実情等については後ほどお話をしたいと思います。
 長野県としてこれから復旧・復興に向けて、県内の皆さんや全国からお越しいただくボランティアの皆さんと力を合わせて、取り組みを進めていきたいと考えています。これまでも多くのボランティアの皆さまに長野県にお越しいただき、また長野県民の皆さんにも参加していただき、被災者の皆さまの思いに寄り添った支援を行っていただいています。そのことに対して心から感謝を申し上げたいと思います。しかしながら、まだまだ被災者の皆さま方の置かれている状況は極めて過酷な状況です。泥が多いところ、まだまだ家具の片付けが終わっていない場所、これから未来に向けてどのように暮らしの再建をしていこうかということで多くの方が悩まれています。こうした皆さんをぜひ多くのボランティアの方に支えていただきたいと思っています。長野県は冬がせまっている中で日に日に寒さも募ってきています。ぜひ多くのボランティアの皆さまのお力を頂く中で、1日も早く被災された皆さまが普通の暮らしに戻ることができるような、元気を持っていただけるような取り組みをしていきたいと思っています。
 長野県としても県民の皆さまの支え合い活動、ボランティア活動をしっかり後押ししていきたいと思っています。ボランティアをサポートしている皆さまとお話すると、ボランティアでお越しいただく皆さんをもっと歓迎し、そして応援してもらいたいというご意見を頂いています。そういう意味で今いろいろな事業者の皆さんとボランティアを応援する仕組みができないかということを検討しています。まずは自分たちのところから始めなければいけないということで、信濃美術館の東山魁夷館ではボランティアでお越しいただいた方については、11月2日土曜日から入館料を無料にしたいと思っています。また、FDAには長野県応援ツアーとして、ボランティアの方に向けた格安の商品をご検討いただいている状況です。今後、長野県としては県のホームページにボランティアの専用コーナーをつくるとともに、防災ツイッターでしっかりと発信していきたいと考えています。これからも引き続き多くの皆さまのご支援を頂きたいと思っていますし、特に長野市におけるこれからの三連休が多くの皆さまの支援を頂く上では最も重要な節目となっています。メディアの皆さまにはこうした状況についてご理解いただいた上で、私どもの取り組みに格別のご支援を頂ければありがたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

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 2 台風第19号災害義援金について

 

 それからもう一点は義援金についてです。長野県として募集している台風第19号の義援金、10月30日で1億円を超えました。義援金についても、大変多くの皆さまから力強いご支援を頂いていますことを心から感謝申し上げたいと思います。台風第19号災害では長野県内で多くの方々が被災していらっしゃいます。被害を受けた世帯数は9,000世帯を超えているという状況です。私どもとしてはできる限り多くの義援金を集め、被災者の皆さまにお届けしたいと思っています。特に今回の災害は、公共施設等の被害も大変大きな被害があるわけですけれども、個々の皆さまの住宅の被害も大変大きい状況です。そして浸水被害ということで、大切にされていた財産、思い出の品々、こうしたものが水に漬かって使えないという状況に置かれる方々も大勢いらっしゃいます。そういう意味では多くの皆さまの資金的な支援も大変重要です。こうした状況をぜひ多くの皆さまにご理解いただき、一層のご支援を頂きたいと考えています。これからも、ボランティアの皆さんと力を合わせて、復旧・復興に向けた歩みをしっかりと進めていきたいと思っています。長野県を応援したいという思いをお持ちの多くの皆さまと連携して、そうした皆さまの活動を行政として支えながら、復旧・復興を目指していきたいと思っています。皆さまには、引き続きのご協力とご支援を賜りますように、心からお願いを申し上げて、私からのメッセージとしたいと思います。よろしくお願いします。

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  3 災害ボランティアについて 2

社会福祉法人長野県社会福祉協議会総務企画部長 長峰夏樹 氏
 それでは私どもからは、長野市のお話は後にしまして、長野市以外の市町村について説明します。現在のところ佐久穂町をはじめとして、市町村や社会福祉協議会を中心に、8カ所の災害ボランティアセンターを設置して、被災者の支援を行っています。本日まで、それぞれの市町村の支援、あるいは県民の皆さまにボランティアへの参加をいただきまして、被災者のニーズに、おおむね応えている状況です。改めて被災者のお宅を回り、ニーズの取りこぼしがないかしっかり確認した上で、今週末前後に長野市以外は災害ボランティアセンターで行う特別な対応はお休みにして、通常の支援に切り替えていく方向です。長野市以外についてはしっかりとニーズを把握しながら、次のフェーズへ移行していこうと考えています。

社会福祉法人社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 ボランティアセンターが開始してから、これまでに1万5,000人ほどのボランティアの皆さまにご活動いただいています。ただ、長野市としては、北は豊野、長沼、柳原、古里、それから南の方では若穂、松代、篠ノ井と、非常に広範囲にわたって被害を受けました。それぞれの地元の皆さまのお力で復旧・復興に当たった地区もあります。ボランティアの皆さんの力を借りて、復旧・復興に当たっている地域はまだまだあります。
 私どもは今、南部災害ボランティアセンターと北部災害ボランティアセンターの2カ所で拠点を設けて、それぞれの地域に支援に入っているところです。おかげさまで、南部の地域については、今個別のニーズにそれぞれ当たっているところです。ただ、北部方面、特に堤防が決壊した長沼地区については、個別というよりも、エリアマッチングという形で、地域を面で捉えて活動に入っている状況です。また特に豊野も含めて災害ごみが非常に多く出ています。それについては私どもが直面している課題でして、ボランティアセンターと自衛隊、それから住民の方々、皆で力を合わせて動かなければいけないということで、この三連休においても、災害ごみや泥、土砂等の排出について、力を合わせて取り組む予定です。ただ、それについても、人手や運搬のための軽トラック、あるいはトラックが不足している状況です。これまでも県や県社協の皆さまのお力添えをいただきながら運営しているわけですが、より一層、多くのボランティアの皆さまに来ていただき、お力添えをいただきたいと思い、本日ここに来た次第です。よろしくお願いします。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会総務企画部企画グループ主任 山崎博之 氏
 北部のボランティアセンターでは豊野地区に一つのサテライトを開設しました。豊野地区に関しては、隣接する飯綱町にサテライトをもう一つ開設したので、そこからボランティアの方を送る形です。また南部のセンターは交通の利便が良いので、南部のセンターに車両を止めて、大型バスで信州中野インターまで行って、活動していただく形になります。
 その他に、長沼地区には現在5つのサテライトがあります。豊野のサテライトを合わせた5つのサテライトについては、なかなか車両を止めておける場所がないです。また北部のセンターの柳原の拠点においても、自衛隊の車両が多数止まっていること、また長沼支所の機能が柳原に来ているので、被災された皆さまも出入りすることがあります。それを踏まえて、マイクロバスや大型バスで送迎して活動していただいています。先ほど海沼課長がおっしゃられましたが、エリアマッチング、コミュニティマッチングという形で地域に入り込んで活動を展開しています。今日現在でいいますと、まだしっかりと集計できていませんが、60人から80人程度のスタッフが、長沼地区においては5つのサテライトがあり、10名以上の場所や少ないところもありますが、たくさんのスタッフが現地に行っています。現地でさらに細かくエリアを分けまして、住民の皆さんと一緒に話をしながらボランティア活動の展開を進めているというところもあります。大きくポイントになるのは区長さんや消防団の皆さん、地元の皆さんと連携して行っていること。そして泥やがれきの量が多いところで、重機を使える技術系のNPOの方々も多数いますので、そういった経験を有しているNPOの皆さんと連携しながら、センターを運営して、ボランティア活動を行っているというのが北部のセンターの特徴になります。

特定非営利活動法人さくらネット代表理事 石井布紀子 氏
 赤い羽根の中央機関である中央共同募金会が災害ボランティア活動に関する全国ネットワークを作っていまして、そこに所属している石井と申します。私は兵庫県に在住していまして、24年間災害ボランティアや被災地の支援に取り組んでいます。今回、岩手県から神奈川県、そして長野県までの8県で災害ボランティアセンターが開設されていますが、長野県の傾向としては非常に多くの市民や県民のボランティアの方が活発に動いていらっしゃることではないかと感じています。特に長野市では自転車に乗ってボランティアセンターに来てくださるボランティアの方も多く、県外から来てくださったボランティアの方たちがすごく感銘を受けているという状況にあります。
 一方で、今回の被災地の一部では移動動線や被災地の中の動きづらさなどがあって、ボランティア活動を行う環境としては十分ではありません。また寒さが厳しくなる中、実情としてはボランティアの方が減っている状況にあります。それをもう少し一緒に共に歩んでいただきたい、お越しいただきたいという思いで、長野県内の皆さんがこのような場を設けられてメッセージを発していることに対して、本当に敬意を表したいと思っています。

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 4 台風第19号災害義援金について 2

長野県知事 阿部守一
 義援金について補足をします。できるだけ早く義援金を被災された方のお手元に配分していきたいと思っていますので、義援金配分委員会を設置して、来週中には第1回目の会合を開いて配分方法等の検討に着手したいと思っています。市町村を通じて配分する形になりますので、市町村とも十分連絡をとりながら、速やかに対応できるようにしていきたいと思っています。

 

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取材者からの質問

 1 ボランティアについて

時事通信 真勢春海 氏
 メッセージの中で、これまでボランティアの方が2万1,000人参加しているという数字を載せていますけれども、これはいつからいつまでの時点での数字なのかという点と、今どのくらいのボランティアの数が求められていて、それに比べてどのくらい足りないのか、分かれば教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 2万1,000人の数字は発災から30日までの長野県全体の数字です。それから先ほど申し上げたように、これからボランティアの皆さんに活躍いただく場面というのは、まだまだ長野市を中心にあるという状況ですので、1日2,000人以上受け入れる体制を長野市ではご用意していますので、ぜひ1人でも多くの方にお越しいただきたいと思っています。

時事通信 真勢春海 氏
 先ほどボランティアに参加する方への企業の支援について考えられているとお話がありましたが、どのような支援を考えられているのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ボランティアをすると、ボランティアのシールがもらえます。これをご持参いただくと店舗等で割引やサービスが受けられるような仕組みを作っていきたいということで調整を始めています。先ほど申し上げたように、信濃美術館東山魁夷館においては11月2日から無料で入館できるという形にしていきたいと思っていますので、こうしたボランティアで活躍された方を多くの皆さんに温かく応援していただきたいと思います。そういったメッセージをこれから多くの皆さんにお伝えしていきたいと思っています。

日本経済新聞 北川開 氏
 ボランティアの方の支援で、ボランティアシールと信濃美術館のことを今お話しいただきましたけれども、冒頭お話いただいたFDAの件についてもう少し詳しくお伺いしたいというのと、FDA以外の交通機関で同じようなことをされるのかどうかお伺いしたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 まだご検討いただいているところですので、今の時点で私から先ほど申し上げた以上のことを申し上げるわけにはいかないです。大変恐縮ですけれども、そうしたことを検討いただいているということですし、また、いろいろな事業者の皆さんにも、ぜひボランティアの方を応援する仕組みやサービスを検討いただくように引き続き働き掛けていきたいと思っています。

日本経済新聞 北川開 氏
 先ほどのシールの件はいつごろを目途に行うのですか。

長野県知事 阿部守一
 被災地の状況は、日々寒さが厳しくなってくる状況です。先ほど申し上げたように、この会見も皆さんを少しお待たせしましたけれども、ギリギリまで資料がなく、突貫工事でやっているというのが実情です。ボランティアの皆さんに早くメッセージを伝えたい、われわれの思いを早く伝えたいということでやっていますので、仕組みが整った都度、どんどん発信していきたいと思っていますので、引き続きさまざまな災害対応をしながら、並行してボランティアの皆さんに対する支援も調整していきたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 中村あゆみ 氏
 知事からのメッセージですと、1日2,000人以上ということで、目標数字が出ていると思うのですけれども、昨日の災害対策本部員会議で、平日1,000人、休日2,500人という数字があったと思うのですが、今回の呼び掛けでは、平日休日に関わらず、2,000人以上を受け入れられるので2,000人以上お願いしますという捉え方でよろしいでしょうか。

社会福祉法人長野市社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 昨日申し上げたのは、やはり平日と休日ではどうしても参加者数に違いがあり、私どもとしては、平日まで皆さんにご無理を申し上げるわけにはいきませんので、そのような数字を言わせていただきました。今回のメッセージの中では1日当たり2,000人以上の方が来ても、しっかり対応できる体制を整えていますので、こういった文言にしました。昨日発表の1日当たりの人数については変わりはありませんので、よろしくお願いします。

長野県知事 阿部守一
 先ほどのお話にあったように、2,000人以上の方に来ていただいても対応できる体制になっています。平日はどうしてもボランティアでお越しいただける方が少なめになってしまう現状がありますので、ぜひ平日にも大勢の皆さんにお越しいただけると大変ありがたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 中村あゆみ 氏
 発災当初、ボランティアにせっかく来たのだけれども、被災地に入れずにお帰りになるケースがいくつかあったと聞いているのですが、そういうことのない体制づくりができていると理解してよろしいですか。

社会福祉法人長野市社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 ボランティアに来ていただいた方が3,000人を超えた日が1日だけありました。そのときはまだ十分な体制ができていなかったところがありますので、お帰りいただいた人がいたという状況ですが、そのときの人数の皆さんが来られても、今は何の問題もなくお受けできるかと思っています。

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 2点ありまして、1点目はFDAの関係で、これは松本空港を発着する便で県内にボランティアで訪れた人を対象に、格安で移動できるサービスを検討しているということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 長野県にボランティアでお越しいただく方ですから、基本的に全然違う路線ということではなく、松本空港を利用される方ということが基本になると思います。ただ何度も繰り返し申し上げていますが、これはFDAで検討中の事項です。ただできるだけ早急に、今われわれが取り組んでいる情報をお伝えしなければいけないということで出していますので、それ以上の具体的な中身については、今の時点では申し上げられないので、ご理解いただければと思います。

日本放送協会(NHK) 高橋圭太 氏
 メッセージの中でも、特に長野市でこれからの三連休が山場だとありまして、寒さが厳しくなってきたり、被害が大きかった地域などの理由があると思うのですけれども、これからの三連休が、特に長野市で、なぜ山場なのかということを、補足する意味合いでお話しいただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 現場を熟知した皆さんから後で補足していただいた方が良いかもしれませんけれども、まだまだ人手を要する部分というのが長沼地区を中心にたくさんあります。冬が近づく中で、活動する環境としては厳しい状況になっていくことが見込まれますので、そのような意味で、早め早めにさまざまな対応をしていくということが重要だと考えています。お休みのときにお越しいただくボランティアの方が平日に比べると多くなりますので、これからの三連休に向けて、多くの皆さんにボランティアをやってみようかという気持ちを持っていただいて、ぜひ被災された皆さまをサポートしてもらいたい、応援してもらいたいと思っています。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会総務企画部企画グループ主任 山崎博之 氏
 
各地で災害ボランティアセンターを開設していますが、多くの災害ボランティアセンターにおいて、ボランティアに参加される方のピークは、最初の週末となっています。発災当初の日曜日に3,000人を超えるボランティアの方が来られました。2回目の週末については、1,800名という形になっています。今度迎えるのが3回目の週末になりますが、やはりたくさんのボランティアの方に活動していただきたい。2,000人以上という数字が出ていますが、たくさんのボランティアの方に活動していただきたいという部分になりますと、3回目の週末でボランティアの数を増やすというのは、情報発信も含めて、大きな力を入れていかないとなかなか難しいです。どうしても時間がたつに連れて報道も減りますので、市民の皆さんやボランティアの皆さんの関心というのが下がってしまいます。メディアの皆さんのお力をお借りしながら、大きく募集して、もう一度たくさんのボランティアの方に集まっていただいて、仕切り直しをしていきたいという部分を含めて、この三連休が山場という表現になっているかと思います。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 一つは、先ほども話が出ていたのですけれども、私たちが取材をしていると、ボランティアの方たちにも不満があるように思えて、その最たるものはせっかく来たのに活動時間が短いということです。ボランティアを運ぶ環境がよくないというお話が石井さんからもありましたが、現地に駐車場のスペースがないということで、どうしてもシャトルバス等での輸送を何回にもわたってしなければいけない。そうすると実質的な活動時間が短くなってしまう。ボランティアの方たちにとってみると、汗をかいて、被災者のためになったという満足度というものを得て帰っていただければ、またリピートするということもあるかと思います。ボランティアを受け入れる環境として3,000人はもし来られても受け入れられるというお話もありましたけれども、さらなる改善というのでしょうか、特に長沼地区においてそういった環境を皆さんの方で改善するということについて具体的なお話がありましたら、教えてください。

社会福祉法人長野市社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 当初の週末は北部には駐車場等をご用意していなかったので、基本的には南部の災害ボランティアセンター、いわゆる南長野運動公園からのシャトルバス、それから長野駅からの送迎バスという2パターンしかありませんでした。ですので、南長野からの輸送にはどうしても時間がかかるということで多くの皆さまにご迷惑をお掛けしたかと思っています。
 先週から、北部方面の長野運動公園の東側の空き地を借り受けまして、ボランティアの方の駐車場を設けていますし、先週からは富士通長野工場さんのご協力を得まして、土日、祝日についてはお借りして駐車場を確保しています。500台規模の駐車場がありますので、そこから北部センターへの輸送時間ははるかに短い時間になっていますので、そういった点では利便性が向上したかと思っています。
 活動時間が短いというお声もいただいていますが、この季節の中であまり長時間活動すると、どうしても汗が寒さを呼ぶということもあります。私どもとしてもあまり夕方遅くまでの活動はボランティアの皆さまの体調を考えて、極力避けたいと思っています。活動したいという思いをお持ちの方が非常に多くいらっしゃいますので、その点は苦慮しているのですが、できる方よりも、体力的に不安な方に無理をさせないということが必要なのかと思っていますので、ご理解いただきたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
ボランティアの方が不足しているということは、ボランティアのニーズに対して提供できないことがあるということだと思うのですけれども、今、ニーズに対して何が不足しているかということを具体的に教えていただけますでしょうか。つまり、特に長野市の北部について、具体的にどういうニーズがあって、そこに行き届いていかないという状況があるのか、教えてください。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会総務企画部企画グループ主任 山崎博之 氏
 
不足しているというところが難しい表現です。北部の堤防が決壊したエリアでは、先週までは高台避難公園で、国道を渡らなければ行けない津野区と穂保区をカバーするという形でやっていました。こちらは利便性が悪かったところがあります。そこで地域の中に入っていくため、区長さん等ともご相談させてもらいながら、重機を使えるボランティアの皆さんに泥を移動していただき、特別養護老人ホームのりんごの郷の施設長さんにもご理解をいただき、そちらの駐車場を使わせていただいて、りんごサテライトという形で穂保地区をカバーしています。そちらに30名近くのスタッフを配置しまして、そこからまた各地区にスタッフの皆さんが出回り、地域の中で困っていることがないかということを受け付けています。電話を通じてご依頼がくるケースや申請してご依頼されるケースもありますが、避難所で生活をしていて、昼間は片付けに帰ってくる方が電話して申請するだけではなくて、今そこにいる方で何かお手伝いできることがあればボランティアの方がいますのでどうですかという形で、現地でコーディネートしていくことが近くに拠点があることでできている部分があります。
 同じく津野区については、被災状況が大変大きく、そちらを長沼支所の敷地内に、まさに堤防決壊の目の前であるのですが、そこをサテライトという形で展開し始めました。それが日曜日からのスタートで、今週徐々に軌道に乗ってきまして、地区の方にも徐々に浸透してきました。ボランティアの方がここに拠点を構えているから少し相談してみようという形で、電話だけではなくて現地で相談を受けて活動展開をしていくという形になっています。そういった部分も含め、たくさんのボランティアの方に来ていただくと、活動していただけることが今まで以上にできるようになったという部分で、不足というよりも、もっとたくさんのボランティアの方が活動できる場所をコーディネートできるようになったという表現をしています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
明日ボランティアに行きたい人に対して、どのような格好をして、何を持って、何時、どこへ行けばいいのかということが適切にわかる方法としては、何を見るのが一番いいのでしょうか。

社会福祉法人長野市社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 
長野市社会福祉協議会のホームページから私どものフェイスブックをご覧いただきたいと思います。フェイスブックを開きますと、そこにボランティアの特設サイトを設けていますので、そちらをクリックしていただきますと、ボランティアセンターの場所、受付時間、アクセスの方法、そういったものを掲載しています。さらに服装については、その中でリンクしていますので、そこを確認いただければと思っています。長袖、長ズボン、長靴、手袋、それからマスクは必要です。このところ乾燥してきていますので、非常に粉じんが舞い上がっていますのでマスク、できれば防塵ゴーグルもご用意いただくと非常にありがたいと思っています。そのような服装のご案内もしていますので、ぜひ長野市社会福祉協議会のフェイスブックをご覧いただきたいと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
数字的に表すのは難しいかもしれませんが、災害直後に必要な作業というのはおおよそこういうものがあって、どれくらいやらなければいけないのか。全体でどれくらいの作業があって、それを解消するためにはどれだけの人数が必要で、寒くなる時期も見越して、いつまでにそれを集めなければいけないのか。またまもなく3週間になりますけれども、3週間の1日平均の比較でもいいのですが、現状とどれぐらいの開きがあるのかについてお尋ねしてもよろしいでしょうか。

社会福祉法人長野市社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 災害直後にどのような量の作業があるのかということについては、正直に言って浸水の度合いによって全く違ってきているかと思います。そのため私どもとしても、なかなか作業量を計算してという、そういうものではないのかと思っています。コミュニティーマッチングというような形で長沼地区には入っていますし、個別のニーズで入る地域もありますので、必要量がどのくらいとか、そういった形での推計というものをしていないので、お答えしにくいご質問かと思っています。

特定非営利活動法人さくらネット代表理事 石井布紀子 氏
 今回のような豪雨災害の場合、家屋の片付け、被災された家屋の家財等の運搬、家の中に入り込んだ泥を出す作業、家である程度の生活ができるまではいかなくても、その前段階のクリーンアップ、きれいにする作業、それから流出した大切なものをお探しする作業、等々が豪雨土砂災害時の一般的なボランティア活動の作業になっています。さらに長沼地区を中心に被災地内の移動がとても難しいという状況においては、本当に全国でもトップクラスといいますか、広島の災害時も比較的難しかったのですが、一部の地域はそれ以上の難しさがあります。道路の狭さなど、いろいろなことが関係しています。こういうことによって作業の手間のかかり方が変わってくるので、それが難易度を上げていると見受けられます。1.8 メートル以上の浸水等があった被災地が780件もありますので、例えばそこに100人ずつ必要だったと考えるなら、8万人近いボランティアの方が必要ということにはなります。被災者本人たちの努力やいろいろな要素が加わると、そこまでは必要がないと言っても、相当量のボランティアの方が必要な被災であるということは間違いないです。
 もう一つは、家屋の運搬は被災地によって変わっていますが、長野市においては運搬の難易度が比較的高い状況かと拝察しています。遠くまで運ぶこととなると、1日にできる回数が減りますので、そういったいろいろな要素もあって、たくさんのボランティアの方に柔軟な活動を手伝いしていただかなければならないというところがあります。
 一方で、駐車場不足だけではなく、寒さ対策等の環境整備が被災地内では本当に難しいです。そのため、お待たせするようなことや活動時間が短いこともありますが、大きな事故が一つ出てしまうと、活動全体を止めなければならなくなるというボランティア活動の限界があります。ステッカーにしても、毎日配り直して、その日の日付を書いている方だけが、私どもが公的に認めたボランティアとして支援していますが、いろいろなリスクを抱えるボランティア活動を誠意を持って支援するには、いろいろな障壁があります。いろいろな部分があることはわかりながら、やり続けているところです。一番の危惧は、まだ入れていない地区があるということなので、この三連休は多くお迎えして、人員を届けしたいという思いがありますので、ご理解いただければと思います。

中日新聞 我那覇圭 氏
 先ほどおっしゃったお話の中で、減っているというお話がありまして、山崎さんの話と合わせれば、最初は関心が高いのがだんだん自然的に減っていくという理由は推察できますが、他に減っている理由はありますか。例えば今回の台風災害では他のいろいろなところで大きな被害を受けているところがあって、結果的にそこに行ってしまい、こちらに来ないというような状況もあるのでしょうか。

特定非営利活動法人さくらネット代表理事 石井布紀子 氏
 長野県は今、県民や市民の方の努力もあって、全国8県の中では一番多くのボランティアの方を獲得している県になっています。それでも、もともと全然来てくださらない都道府県とは比較にならないものの、圧倒的に減ってきている傾向です。テレビ等でひどい被災があったという報道を見て駆けつけてくださる方々は、一番最初の報道以降は、自然に減っていきます。例えば広報で、ボランティアの方が来てくださったらこんなにきれいになっているということをお出しできると効果があるのですが、今回の被災地はごみの運搬の問題やいろいろな事があって、使用前と使用後という言い方を専門的にしたりするのですけれど、そうなりにくい事情があります。そういうことも手伝って、もともと最初の週末の後は減る傾向にあることは解消できませんが、他の県との比較で言うと、本当にたくさん集まってくださっています。これを絶やさないために、広報の力をお借りしたいというのが本日の趣旨になっています。マスコミの露出度が多く、心のこもったメッセージを発信してくださる方が多いと増えますので、フェイスブック等々での発信は私どもで全力を尽くしますので、それ以外での媒体の広報にぜひご協力をいただきたいというところです。

高等教育振興課長 前沢直隆
 
1点お詫びがあります。先ほどお配りしましたメッセージですけれども、3カ所ほど句点が抜けている、送り仮名あるいは漢字の不統一がございましたので、直しましたものをお配りしています。名簿についても、下から二番目の海沼さまの社会福祉法人の「人」の字が抜けていました。これもあわせてご案内したいと思っています。

中日新聞 我那覇圭 氏
 知事が先ほど発災から2万人とおっしゃっていたのですが、発災というのは何を指しておっしゃっているか確認できればと思います。

長野県知事 阿部守一
 
県内の災害ボランティア活動状況が集計できている10月13日から29日までの段階で約2万1000人という形になっています。ボランティアの集計なので、少し把握はアバウトなところがあると思いますけれども、おおむねそういう数字になっています。

高等教育振興課長 前沢直隆
 一点お知らせなのですが、今の場には間に合っていないのですけれども、長野市周辺のボランティアを募集するというチラシがありまして、そこにどうやって行ったらいいか、どういう格好でなど書かれていますので、後ほどお配りするようにします。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 
先ほど石井さんの話の中でまだ入れない地区があるというお話があったのですけれども、まだボランティアの方の手が入っていない場所が残っているのでしょうか。どのような状況なのでしょうか。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 
エリアについては長沼支所の津野サテライトを作った部分になります。ただ、まだ入っていないお宅というのは、不在のお宅や留守宅、避難をされていてご親類も片付けに来られていないお宅になります。

朝日新聞 岡林佐和 氏
 
全く入れないというよりは、点在して入れないところがあるということですか。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 
そうです。

中日新聞 我那覇圭 氏
 
実際一番大変な作業というのは長野においてどのようなことがあるのでしょうか。これから知らない人が来る上で、ある程度覚悟を持って来てもらうということが必要ではないかという気がします。もちろん熱意を持っていらっしゃる方が多いと思うのですが、具体的にはどのような作業を求められるのかを教えていただきたいです。

社会福祉法人長野県社会福祉協議会 長野市災害ボランティアセンター長 海沼充 氏
 一番大変な作業というところで、例えば地元の長野大学さんがとにかく力仕事がしたいと熱望して、今週月曜日から入っています。サテライトのスタッフと相談して一番大変なところに送り出しました。色々な髪の色をした学生たちが泥まみれになりながら泥を出している様子は、地域住民の皆さんの元気につながります。人それぞれに大変な作業、例えば赤沼公園の荷物の運び出し、運搬をお手伝いすることも大変な部分になりますし、本当にいろいろな部分があります。肉体労働はそういったものがありますが、この部分をより地域の皆さんに爽やかなメッセージとして伝えられるように運営しています。

長野県知事 阿部守一
 
私の午前中の会見だけでも、あるいは私だけではなかなかボランティアの実情をお伝えしきれないということで、今日4人の方にご協力いただきました。現場の実情をご理解いただけたのではないかと思いますので、ぜひ多くのボランティアの皆さまがお越しいただけるように、呼び掛けにご協力いただければ大変ありがたいと思いますので、よろしくお願いします。

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企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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