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更新日:2019年5月20日

知事会見(令和元年(2019年)5月17日(金曜日)11時03分~11時57分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 「信州プラスチックスマート運動」の実施について
  2. 「政策対話」の実施について
  3. シリーズ「信州花フェスタ2019」

取材者からの質問

  1. プラスチックスマート運動で企業等に求めることについて
  2. 河川にあるごみの現状について
  3. 県消防防災ヘリの民間との共同運航について
  4. 議会の慣例の合理化について
  5. 「政策対話」への転換の理由について
  6. プラスチックスマート運動の具体的な方策について
  7. プラスチックスマート運動に関係する過去の取り組みの検証について
  8. 高齢者の労働環境の整備について
  9. 保育園の交通安全対策、「松本走り」への対応について
  10. 米中貿易摩擦の県内経済への影響と対策について 

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本文

阿部知事からの説明

 1 「信州プラスチックスマート運動」の実施について

長野県知事 阿部守一

 私からは3点お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、「信州プラスチックスマート運動」の実施についてです。
 長野県として、昨今世界的な課題になっている海洋プラスチック問題にしっかり向き合っていきたいと思っています。長野県としてエシカル消費の推進にも取り組んでいるわけですけれども、生活スタイルの見つめ直しも含めて、県民の皆さん、事業者の皆さんにもご協力をいただく中で、「信州プラスチックスマート運動」を進めていきたいと考えています。
 ご承知のとおり、海洋プラスチックゴミの問題については世界的な課題になっています。海に流出したプラスチックの海洋生物による誤食だったり、生態系への影響が懸念されています。日本全体においても、国において、プラスチック資源循環戦略の策定検討が行われているところでして、6月には策定される予定と伺っています。私ども長野県では、G20の関係閣僚会合、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合が6月に開催を予定されているところですので、世界の閣僚の皆さんが集まって地球環境について議論していくというこの時期に合わせて、長野県からこうした運動の展開をしていきたいと思っています。
 県民の皆さまには、三つのCというものを意識した行動を提唱していきたいと考えています。三つのCとはチョイス(Choice)、チェンジ(Change)、コレクト(Collect)です。例えば飲食店に行ったり、お買い物されたりするときに、何気なくストローやレジ袋を受け取ってしまう方も多いと思います。もちろん必要な活用はあるけれども、別になくてもよかったと思うことがあります。私も時々コンビニで買い物すると、袋がいらなくても袋に入れてくれようとするので、なるべく断るようにはしていますが、あまり意識していないと、入れてくれるのでそのままもらってしまうこともあって、そういうことは日常茶飯時で、いろいろな場面であるのではないかと思います。そういう意味で意識して選択していただきたいということです。
 それから、チェンジです。生活スタイルを変えられるところは少しずつ変えていってもらいたいということです。洗剤や化粧品などで詰め替え用の製品もだいぶ増えてきていますので、できるだけそうしたものを選択していただくということも重要だと思います。使用する物、使用の仕方を少しずつ転換していってもらいたいということです。
 それからコレクトということで、プラスチック製品をすべて排除するということでなくて、適正なリサイクル等も行われているわけですので、各市町村によって分別ルール等があるわけですけれども、使い終わった際にはしっかりルールに従って分別していただく。
 こういうチョイス、チェンジ、コレクトというような活動を県民の皆さま方にはお願いしていきたいと思っています。市町村あるいは、経済界、環境関係の団体の皆さま方とも協力させていただきながら、あるいは協力いただきながら、この運動を着実に進めていきたいと思っています。
 長野県は内陸県ですが、内陸県としてこのような海洋プラスチック問題について取り組むというのはあまり他の県ではないものではないかと思っています。この運動を進めることで、一般廃棄物の1人当たりのごみの排出量が日本一少ない県ですので、このごみの減量化にも繋げていきたいと思いますし、また先ほど申し上げたように長野県版エシカル消費の推進ということも進めていますので、こうした取り組みと相まって環境に優しい長野県をしっかり進めていくと同時に、国内外にもアピールしていきたいと思っています。
 プラスチックスマート運動の関係、その一環として、今月の26日に「クリーン信州forザ・ブルー」ということで、県内10カ所で河川の一斉清掃を行っていきたいと思っています。これは環境省と日本財団が連携して行う「海ごみゼロウィーク」ともタイアップさせていただいて、行おうというものです。当日は私も参加しますし、また加藤長野市長にもご参加いただきます。また環境省からも、環境再生資源循環局の山本局長がお見えになって、一緒に取り組んでいただく予定にしています。河川清掃は、これまでは行政機関を中心に平日に行ってきましたが、今回はこのプラスチックスマート運動を県民の皆さんにも、意識していただくきっかけにもしていきたいと思っていますので、ボランティアの皆さま方の参加も募って日曜日に実施します。ザ・ブルーと称しているのは、海をイメージしているものであり、上流県である本県から美しい環境づくりの活動を進めて海洋環境の改善にも貢献していきたいと思っています。多くの皆さま方にご参加いただいて、一緒になって地域の環境改善、そして地球環境の問題について考えていただき、一緒に行動していただければと思っています。

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 2 「政策対話」の実施について

長野県知事 阿部守一
 
それから大きな2点目ですが、「政策対話」の実施についてです。これについては5月14日に総務部からすでにプレスリリース済みですが、改めて私の方からコメントしたいと思います。平成24年度から「県民協働による事業改善」ということで実施してきましたが、 今年度から新たに「政策対話」という形で行っていきたいと思っています。「県民参加と協働、共感と対話の県政」ということを掲げて、県政を進めてきていますけれども、私の場合は移動知事室やランチミーティング、あるいは選挙の場など、いろいろな機会を通じて、県民の皆さま方から直接ご意見をいただいたり、対話する機会が比較的多いわけです。ただ、予算編成等も分権型にしていこうと考えている中で、各部局においても、これまで以上に積極的に県民の皆さんと対話を行ってもらいたいと思っています。そうした観点で、各部局において県民の皆さまと一緒に政策形成を進めていく一環として、この「政策対話」を広げていきたいと思っています。机上での検討だけでは良い政策はなかなか作れないと思っています。
 第1弾としては、総務部がコンプライアンス・行政経営課を所管しているということもあり、総務部長がまず第1弾としてやることになっていますけれども、「県有財産の有効活用」ということをテーマに、6月9日(日曜日)に、環境保全研究所を会場に実施する予定になっています。今回は旧自治研修所と環境保全研究所の飯綱庁舎を今後どうしていくかということを中心に対話をしてもらう予定になっています。現場も参加される方に見ていただいた上で、意見交換、対話を行ってもらいたいと思っています。ぜひ良い形でこの「政策対話」が実施され、これから広げていくことを進めていきたいと思っています。今後教育委員会も含む本庁の部局ごとに、この「政策対話」を実施する予定ですので、ぜひ多くの皆さま方にご参画いただきたいと思っています。

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 3 シリーズ「信州花フェスタ2019」

長野県知事 阿部守一
 
それから大きな3点目ですが、信州花フェスタについてです。まず信州花フェスタの状況について、ご報告します。4月25日に開幕してから3週間が経過しました。大型連休中は約28万人もの方々にご来場いただきました。その後も天候に恵まれたこともあり、累計で約38万人を超える方々にお越しいただいているところです。ご来場いただいた皆さま方には大変感謝を申し上げるとともに、このフェアの運営にご協力いただいております造園園芸団体あるいは、地元の小学生をはじめ、関係者の皆さま方に改めて感謝を申し上げたいと思いますし、引き続きご協力お願いしたいと思っています。今のが状況報告ですが、まだ今後のイベントもあります。
 2点申し上げますが、一つは、5月25日(土曜日)からメイン会場のやまびこドームにおきまして「いわさきちひろ・花とあそびの庭」展を開催する予定です。いわさきちひろさんの温かな作品と花や緑がコラボレートした企画展となっています。作品を立体的に表現することで、絵本から飛び出したような空間を体験していただくことができるようになっていますので、また多くの皆さま方にお越しいただければと思います。いわさきちひろさんのファンの方も多いと思いますので、ぜひご来場いただければと思っています。
 そしてもう一点はメイン会場のバラ園についてです。開幕時にはつぼみでしたが、今、74種4,200株のバラが咲き誇る花のプロムナード(散歩道)が見どころになっています。移り変わる花や緑の装いをお楽しみいただくことができる場になっていますので、引き続きまた多くの皆さま方にご来場いただければと思っています。私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

 1 プラスチックスマート運動で企業等に求めることについて

日本経済新聞 北川開 氏
 プラスチックスマート運動についてお伺いしたいのですけれども、企業や経済界、農業関係者などについてはどのようなことを求めていきたいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この運動を実施していくということで、経済団体あるいは環境関係団体あるいは市長会、町村会に私どものほうからこのプラスチックスマート運動の考え方、趣旨、内容等についてご説明させていただいていまして、さまざまな団体がこのプラスチックスマート運動に対して共鳴していただいています。お話にありましたように行政だけで進められるものではないわけですので、それぞれの立場でいろいろな取り組みをしていただきたいと思っています。
 先ほど、この「チョイス、チェンジ、コレクト」ということで三つの観点から県民の皆さま方にお願いしたいことということで申し上げましたけれども、ご質問にあったようにこれから事業者の皆さんとも一緒に取り組んでいきたいと思っています。そういう観点では、例えば、企業とか農業者の皆さま方に対しては代替プラスチックの技術の開発や、あるいは新しい製品等の開発等についてぜひ積極的に進めていただきたいと思っていますし、また農業資材等も分解できるような製品、水分解性のものがありますので、そうしたものを活用いただくことも今後お願いしていきたいと思っています。
 また、小売店や飲食店の方々には先ほどストローやレジ袋の話をさせてもらいましたけれども、消費者の皆さんの主体的な選択ということもお願いすると同時に、事業者側のほうからも、例えば必要かどうかといったような声かけをしていただくこともお願いしていきたいと思っています。このプラスチックスマート運動はいろいろな取り組みが必要になってきますので、今後、関係団体の皆さまとも十分協議をさせていただきながら、具体的な成果が挙がるように取り組んでいきたいと思っています。

日本経済新聞 北川開 氏
 もう1点で、G20まで1カ月程度となりましたけれども、改めて信州をどう発信していくか、県そのものでしたり県内の企業とか自然とか環境に対する取り組みをどう発信していきたいかを改めてお伺いできますか。

長野県知事 阿部守一
 このプラスチックスマート運動もこのタイミングでスタートして、県としてG20にあわせてアピールしていきたいと思っています。また、長野県はこれまで地球温暖化対策、とりわけ自然エネルギーの普及拡大についてもいろいろな取り組みを行ってきていますので、こうした取り組みについては世界的な規模での発信をこれからも心がけていきたいと思っています。
 加えて、今回のテーマが「持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境」の問題になっていますので、そういう意味で企業局が先般、水素ステーションを設置しました。新しい時代に向けて、われわれ長野県としては取り組んでいることもしっかり発信できるようにしていきたいと思っています。

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 2 河川にあるごみの現状について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 
プラスチックのことについて、知事と、もし数字があれば、担当部局の方にお願いしたいのですけれど、まず知事に。先ほど「クリーン信州forザ・ブルー」で、河川の清掃というのは行政機関が中心にやってきたが、この機会に県民の方もきっかけにしてほしいということですが、知事は千曲川などいろいろな所を視察されると思いますが、まず河川や河川敷にあるごみの現状というのは、普段われわれがなかなかそのような所を歩かないので、知事ご自身で見られて、どのような印象を抱かれていますか。

長野県知事 阿部守一
 私はなかなか川の近くにそこまで行く機会がないので、河川に特化するのではなく、県内いろいろな所を訪れる際に気になることがあります。例えばこんなところにごみが捨てられているとかです。長野県内のごみの不法投棄件数は毎年3,500件ぐらいあるという状況です。先ほど、適切な利用、そしてしっかり分別してリサイクルに回してもらいたいという話をしましたけれども、自然に戻れないプラスチックを投棄するというようなことは、絶対にやめてもらいたいと思っています。今長野県は1人当たりのごみの排出量が日本で一番少ない県ですので、そういった取り組みに加えて、地球環境にもっと優しい県にしていこうという思いを多くの皆さんと共有していきたいと思っています。

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 長野県では、主に太平洋・日本海に流れ込む川は千曲川、天竜川、木曽川になると思いますが、もし何か数字で、プラスチックもどれだけ流入しているとか、他県から何とかしてほしいという話や要請がきているとかありましたら教えていただきたいです。

資源循環推進課長 伊東和徳
 河川に投棄されるプラスチックゴミの量ですが、具体的にどのぐらいのものが捨てられているか、どれだけのものが川へ流れ出ているかということの具体的な数値は持ち合わせていませんが、環境省の資料等によりますと、海洋プラスチックのうちの7割が陸域から出ているということで、何らかのかたちで長野県からも、そういったものが海に流れ出ているのではないかということは推測しています。今のところ、下流県から何とかしてほしいという苦情や協力要請というものは私どもの方にはいただいていません。

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 3 県消防防災ヘリの民間との共同運航について

長野放送(NBS) 漆澤謙治 氏
 
県の消防防災ヘリについてですけれども、運航再開から1年が経ちました。現在、県職員と民間、パイロット、整備士とで共同運航という形でやっていますが、途中で整備士が退職して運休となることがありました。こうしたやり方に内部で異論もあったという話も聞いていますけれども、このやり方について1年間振り返って、まず知事はどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
このやり方というのは民間に運航委託したということですか。

長野放送(NBS) 漆澤謙治 氏
 
民間と県職員との共同運航ということです。

長野県知事 阿部守一
 
長野県としてまず一番重要なことは、 県民の皆さまの安全安心をしっかり守っていくということです。それとあわせて、二度と痛ましい事故を発生させないという安全対策に万全を期するというこの両面が重要なことだと思っています。
 そうした中で操縦士の確保や、あるいは整備士の確保というのも非常に困難を極めている現状があります。そして、機体の購入も発注して翌日配達されるというようなものではなくて、発注してから製造が始まって納入まで時間がかかるというようなことですから、これは当然、県民の皆さまの安全安心を守るという観点から考えれば、民間への委託、民間の操縦士にお願いする、あるいは、民間の保有している機材を活用していくという方向で取り組まなければいけない、取り組まざるを得ないという状況でした。
 今後の方向性はわれわれとしては、基本的には、自分の組織で機材についてもしっかりと購入して、そして人材についても確保し、あるいは育成していくという方法で取り組んでいきますので、今後、市町村あるいは、消防機関の皆さま方にもそうした方向性は十分ご理解いただいていますので、これからもしっかり連携しながら取り組んでいきたいと思っています。

長野放送(NBS) 漆澤謙治 氏
 その点についてですけれども、この共同運航を1年やってきましたけども、総括してみて知事としては、どう見ていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げた安全面での対応をしっかり行いながら、段階的に運航している状況です。成山運航管理幹を初めとして、専門家の皆さんにも、しっかりこの運航にコミットしてもらいながら、責任をもってもらいながら、取り組みを進めてきているわけです。私も現場の消防防災航空隊員と懇談させてもらいましたけれども、非常に士気高く、志高く頑張ってもらっていますので、そういう意味では、県民の皆さま方の期待に応えられる方向性になってきていると思っています。
 ただ、私としては、先ほど申し上げた安全を第一ということで取り組まなければいけないと思っていますので、その意味では、現場の皆さんは早くいろいろなことを何でもやりたいという思いを強く持っていらっしゃいますけれども、着実にステップを踏みながら、運航の再開を進めているという現状です。

長野放送(NBS) 漆澤謙治 氏
 この共同運航に関して一つ課題を挙げるとすればどういったところを知事は考えられてますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 課題という意識はあまりないですね。現場の皆さんも本当に志高くやってもらっていますので、県民の皆さんの安全安心を空から守る消防防災航空隊として、ぜひ、これからも引き続き頑張ってもらいたいと思っています。

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 4 議会の慣例の合理化について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
臨時県会が昨日閉会になったのですけれども、今回の新しい取り組みとしてですね、初日以降の本会議では、理事者側の出席者、今まで25人の方が該当して、たくさんいらっしゃったわけですけれども、臨時県会は、基本的には議会の人事に関することが主題なので、理事者の方の出席を制限するという新しい試みがありました。
 昨日も閉会中審査に関する委員会というものを通常の場合、10分間程度各委員会を開いて、それで閉会中審査を決めるという手続きが省略されていることがあって、こういったある種慣例の合理化というのでしょうか。不要というか、県民から見てあまり議会活動の実態とは少し違うような、慣例的な部分を省略するという動きが試みられたのですが、このことについては、知事はどのようにお感じになりましたでしょうか。


長野県知事 阿部守一
 
大変感謝しています。議会のお取り組みに敬意を表すると同時に感謝しています。われわれ執行機関あるいは理事者側は、県議会の皆さま方の審議に全面的にご協力させていただく立場ですし、また、われわれ県議会議員の皆さんには厳しいチェックをいただいたり、あるいはご提言をいただいたり、そういう立場であるわけですけれども、その反面、各部局各課それぞれいろいろな業務を抱えている訳ですので、そういう意味では今回の議会の判断は私としては大変ありがたいと受け止めています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 知事から見て更に改革の余地があるさまざまな議会の慣例というものについてご所見をお聞かせいただきたい。

長野県知事 阿部守一
 われわれと県議会との関係性は、いろいろな局面があります。今でいえば働き方改革、県職員の働き方改革もしっかり進めていかなければいけないということもありますし、県議会においても今回の取り組みをはじめとして、県議会のあり方をいろいろご検討されていくというかたちになると思いますので、思いを共有しながら、充実するべきところは充実し、そして効率化できるところは効率化していくという両面から考えていくことが必要だと思います。もちろん県議会の皆さんが主体的にご検討いただく話ですけれども、私どもとしてもできるだけ議会のお取り組みの検討にはしっかり協力をさせていただきたいと思います。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 新たな議長に清沢さん、副議長に荒井さんが就任されました。1年申し合わせの任期で、1年で交代ですが、二人について特別な想いがありましたらお答えいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 個人的には清沢議長や荒井副議長にもいろいろ接する機会もありますし、お世話になることも多々これまでありましたが、議長、副議長というお立場でもありますし、私は知事という立場ですので、しっかりと私としての職責を果たしたいと思いますし、県議会の皆さま方とは十分対話しながら県政を進めていきたいと思っています。

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 5 「政策対話」への転換への理由について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
「政策対話」のことですけれども、今回たくさんの部局とやろうという試みで、年1回のドンとやるのではなくて、たくさんやろうということで、それはそれで前向きなのかと思っているのですけれども、今までの事業改善は参加者に事前にきちっと勉強する時間をとって、それで少人数で議論をしてもらって、最終的にはその改善の必要性について判定してもらうということをやってきました。これはこれで県民に一つの事業について現状と課題をじっくり知ってもらうというそういうプロセスであって、突っ込んだ議論と深い学びにもつながっていたものではないかと思うのですけれども、反面担当課とすると膨大なエネルギーと時間がかかっているということはあったと思います。
 事業改善の良かった点、逆に悪かった点というか課題、そういうものを改めてなのですが、「政策対話」に転換する今の時点で考えますと、知事からどのように見ていらっしゃって今回の対話への転換になったのかをお聞かせ願います。

長野県知事 阿部守一
 事業仕分けから始まって事業改善、政策対話というかたちで、その時々の状況に応じて変えてきているという状況ですけれども、最初のスタート時点の事業仕分け段階は、国でもいろいろ議論ありましたけれども、まるバツ三角みたいな形で現場が判断していくというものです。国で私も一緒にやっていたのでわかりますけど、一般の県民の皆さんが通常接することが無いような事業の議論をやるということは、それ自体新しさがあり、意味があったのではないかと思います。
 ただ、極めて難しいなと感じたのは、その必要性がもともとないような事業は無いことです。全くゼロみたいなものはほとんど無い。無いと言った方が正解かもしれないですけど、結局まるバツ三角的にやると、本当の深い議論になりづらいところがあって、要するにこれは継続だとか拡大だとか、廃止だとかいったアウトプットを意識すればするほど、そちらに引っ張られてしまって、結論をその場で出すということで、急ぎ過ぎることで逆にあまり深い議論になりづらいところもあると思います。
 そうしたこともあって事業改善に前向きな改善の部分にフォーカスしようということに改めました。これはこれで過去の評価というより、むしろこれからどういう改善しましょうというところに変えたので、われわれも事業改善の点検結果を踏まえて、いろいろな事業見直しをこれまでもしてきたので、それはそれ自体意義がある。一定の役割は果たしてきたと思っています。
 ただそれはどうしても今やっている事業、あるいは過去取り組んできた事業をどう改善するかという事業改善程度にとどまらざるを得ないということがありました。私の問題意識としてはいろいろなところで時代が大きく変わろうとしている中で、むしろ、今まで全くなかった視点や、全くやっていないようなこととかも含めて考えていかなければいけない時代になってきていると思います。そういうことを考えると今やっている事業をどのように改善するかというよりは、もう少し幅を広く持って、未来に向けて県民の皆さまと私どもの県組織が対話していくということが非常に重要になってきているのではないかと思いますので、そういう意味でこの「政策対話」というかたちにして、今年度から実施していきたいと思っています。

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 6 プラスチックスマート運動の具体的な方策について

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 長野県は海なし県ですが各河川の最上流部に当たるので、その最上流部でこういう活動をして下流にきれいな水を渡していくというのはとても重要な活動だと思っています。
 ただ一方で、使い捨てプラスチックの問題は海洋生物の誤食とかが一番大きな問題になっていて、長野県は海なし県で、私もそうですけどなかなかこういう問題を身近に感じづらいという問題も一部あると思います。その中で、知事としてこの活動を広く広げていくための方策はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今ご指摘あったようにそこが一番難しいと私も思います。これはいろいろな団体や、企業の皆さんにもご協力いただけないといけないと思いますし、何より県民の皆さんの行動が変わらないといけないということで非常に難しいテーマだと私は思っています。
 先ほど少しエシカル消費の話もさせていただきましたけれども、長野県がなぜエシカル消費を推進するかというのは、もちろん政治参加して世の中を変えるということも重要ですけれども、消費者として選択することによって、例えば地球環境問題の解決に繋がったりとか、あるいは世界の紛争の種になっているようなところから資源を調達しているような製品はなるべく選ばないということによって世界平和に貢献するといった、政治行動とか、投票行動以外の消費者としての行動でも、実は私たち一人一人は社会を選択していると思っています。そのようなエシカル消費の考え方についても、プラスチックスマート運動を広げ、普及させていくこととあわせてこの運動を広げていきたいと思っています。そのことによって、県民の皆さま方の行動を変えていきたいというのがまず理念的な思いとしてあります。
 もう一つは先ほど申し上げたように、今回の取り組みは県だけではなかなかできないので、これまでも経済団体や、あるいは市町村の皆さまにも、こうした運動を一緒に進めましょうという呼びかけをさせていただいています。担当課の話ですと皆さん非常に好意的に受けとめていただいて、これは必要だという問題意識を持っていただいているようですので、そうした団体の皆さま方の力も借りながら、進めていきたいと思っています。

資源循環推進課長 伊東和徳
 この運動の発表に先立ちまして、市長会、町村会、それから経済団体、環境団体の皆さま方に私どもが取り組んでいきたいことについてご説明しました。どこの団体の皆さんも、やはりこういったことはさまざまなかたちでメディア等でも取り上げられているということで認識していただいていまして、こういった取り組みは大事だということをおっしゃっていただいていますし、上流県からこういう取り組みをするということは非常にいいことだということで、大変勇気付けられる言葉もいただいています。そういった団体の皆さま方としっかりと連携をとりながらこの運動を進めていきたいと考えています。

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 この運動は要するにACE(エース)プロジェクトのような感じで、通年のものという捉え方でいいのですか。

長野県知事 阿部守一
 これから永続的にやっていこうと思っています。

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 スタートは今日ということでいいのですか。

長野県知事 阿部守一
 そうですね。私がやりますと発表していますので。
 順次拡大はしていきますけど、まずスタートをさせていきたいと思います。

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 7 プラスチックスマート運動に関係する過去の取り組みの検証について

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 
関連してプラスチックスマート運動の関係なのですけれども、先ほど知事が挙げられました農業資材の生分解資材への活用等については、幾年も前から提唱されていても、現時点で導入や改善がそれほど進んでいないというような面も現実的にあると思います。そうした状況を打開するためには、相当なブレークスルー(科学技術などが飛躍的に進歩すること)が必要だと思っていますけれども、今後のプラスチックスマート運動を進めるために、県民にそうした運動をアピールするだけではなくて、そうした過去のさまざまな取り組みを検証し直すということも必要なのではないかと思うのですけれども、その辺についてはどうお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは必要なことだと私も思います。今回環境部中心にやっていますけれども、環境部だけの取り組みでは済まないと思っています。エシカル消費の関係でいけば県民文化部としっかり連携して進めなければいけない話ですし、今の農業関係であれば農政部も含めて考えなければいけない話ですので、そこはご指摘を踏まえて、これまでやってきていることの何が不十分なのか、どうして進まないのかというようなことはしっかり考えなければいけないだろうと思います。
 もう一つは先ほど申し上げたように、エシカル消費の問題もそうですけれども、一人一人の行動は確かに社会的な影響力は小さいかもしれませんけれども、自分たちの行動が例えば県民全体で取り組んだときにはどういう結果になるのかということを、われわれがもう少し分かりやすく県民の皆さんにお伝えしていくということも必要ではないかと思います。言うのは簡単ですけれども、具体的な行動変容や成果を出していくのはかなり工夫しなければいけないと思いますので、今ご指摘いただいたような、これまで取り組んできたことについてもしっかり検討して検証しながら、具体的な取り組みを行っていきたいと思います。

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 8 高齢者の労働環境の整備について

信濃毎日新聞 熊谷直彦 氏
 
高齢者の働く環境の整備についてご所見を伺いたいと思います。
 15日のことですけれども、希望する人が70歳まで働き続けられるように就業環境を確保するということを企業に努力義務として求めるというような考え方が、政府の未来投資会議で議論されました。少子高齢化が進む中で、そうした人手不足を受けて、働き手を確保したいという狙いがあると思いますけれども、一方で人件費の増加とかそういったことを懸念する企業側の反発もあると思います。高齢人口が今後増えていって、人生100年時代を迎えるためには、こうした高齢者の就業環境について対応が必要だと思いますけれども、その点についてどう受けとめていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この人口減少社会の中で、地域の活力を維持し、産業を発展させていく上では、この人材の話が一番重要な課題だと思っています。そういう意味で就業促進や働き方改革戦略会議も作って関係者の皆さんと、就業問題とか働き方改革の問題に取り組んでいるわけですが、その中で高齢者、年をとっても、働き続けられる環境を作っていくというのは、一つ重要なテーマだと私は思います。ただ働き方改革全般について言えることですけれども、なかなか中小企業にとっては、いろいろな制度や仕組みができても、実行するのは難しいというご意見も出ていますので、そうしたことはわれわれ行政としても受け止めながら、一緒に考えていかないといけない課題だと思います。
 もう一方で、長野県は健康長寿県で、元気なお年寄りの方、シニア世代が大勢いらっしゃいます。そして平均寿命も日本全体では相当伸びてきています。産業や地域の活力を維持していくという観点とは別に、やはり人生100年時代の一人一人の人生設計がどうあるべきか、どうしていくかということも、これは表裏の関係で重要な話になってきます。とはいえ一言でシニア世代が元気になったといっても個人差があって、病気がちな方たちもいらっしゃいますし、そういう方たちが置き去りにされてしまうことがないようにしなければいけないと思いますので、全ての人たちが安心して暮らせるような社会を作っていくということとセットで、働く希望があり、働きたいという、能力がある方たちが活躍できるような社会をどのようにつくるかというのは、これから経済や市町村の皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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 9 保育園の交通安全対策、「松本走り」への対応について

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 
今月8日に大津市の方でありました保育園児を含む死亡事故の件でお聞かせください。大変痛ましい事故だったのですけれども、そのあと県内でも、各保育園が散歩のルートを改善したりですとか、あと県警の方でも付き添って交通指導を行ったりだとか、いろいろな動きが関連して出てきているわけなのですけれども、当事者側、園児側にとっては、保育園側にとっては防ぎようがないという側面もあるかもしれないのですが、例えば危険箇所の調査ですとか、ガードレールの整備とか歩道の整備だとか、そういったことを県としてこれから対応していくようなお考え、調査していくようなお考えというのはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 大津市での事故、大変痛ましい事故でありますし、亡くなられたお子さんのご冥福を心からお祈りしたいと思います。今お話があったように、なかなか個々の保育園の取り組みだけでは対応できないことだと思いますので、社会全体で交通安全について、もう1回しっかり意識を持たなければいけないと思っています。
 長野県では平成24年に通学路の緊急合同点検を行って、その要対策箇所を洗い出して、学校関係者の皆さんに協力いただいて、改善事業を行ってきています。これは通学路の安全点検をして、改善が必要だという箇所については、ほぼ9割、改善対応してきています。しかしながら、今回は保育園ということで、学校は通学路があるのですけれども、保育園の場合は大概の方がお子さんの送り迎えをして、お散歩中の事故ということで、通学路のように決められた箇所では必ずしもないということですので、少しまた違った角度からの検討が必要な問題ではないかと思います。
 一般的な交通安全の呼びかけとか交通安全運動は、関係者の皆さまとこれからも引き続きしっかりとやっていきたいと思っていますが、今回の事故を受けて警察あるいは道路管理者としての建設部、保育園を所管している県民文化部など、部局がまたがる課題になるので、県としての方向性をどうするかというのをしっかり定めて取り組んでいきたいと思います。通学路の対策のときは、全庁的にまたがる課題でしたので、しっかり方向合わせをして進めましたので、今回の事故を受けてどう対応するかということについては、警察の対応、交通安全部局の対応、子ども部局の対応、あるいは道路管理者としての対応、バラバラな対応になることがないように調整をして取り組んでいきたいというふうに思います。

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 この間松本市長の定例会見によって、「松本走り」という言葉が全国的に名前が知られてしまったような状況ではあるのですけども、ドライバーに向けて改めて運転だとか、そういったところについて知事のご見解といいますか、メッセージがあればお願いします。

長野県知事 阿部守一
 私も長野県民になりたての頃は違和感を持った運転のされ方をされている方が多いと感じたことがあります。また、県政ホットラインにも運転の仕方について県民の方々からご意見をいただいたこともあります。JAF(ジャフ/日本自動車連盟)の調査で、横断歩道でちゃんと止まってくれる車が日本中で一番多い、率が多いという、ドライバーの大変いいマナーがある反面、そうした運転の仕方についてはしっかり考えなければいけない部分もあると私も感じていますので、これも警察を含めて交通安全対策の取り組まれている団体の皆さんもいらっしゃるので、問題意識を共有してどう対応していけばいいか一緒に考えたいと思います。

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10 米中貿易摩擦の県内経済への影響と対策について 

テレビ信州(TSB) 佐々木渉 氏
 米中の貿易摩擦について伺いたいと思います。全国的、世界的に問題になっていますけれども、県内でも製造業を中心にも影響が出ているという声が聞かれています。長野市の財団法人が行った調査だと4割以上は影響が出ているという回答があります。これについて今知事の受けとめというものはいかがなものでしょうか。あとは長引いた場合、県として対策をどのように考えていこうかとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 われわれも景気動向は、注目しながらいつも見ていますけれども、内閣府の景気動向指数、3月分の景気動向指数の基調判断は下方への局面変化から悪化という形に引き下げられています。しっかりわれわれが認識しなければいけない動きだと思っています。また日本銀行松本支店の5月の長野県の景気経済動向では、生産の一部に弱めの動きがみられるものの、緩やかに拡大しているということで、緩やかに拡大しているとありますが、生産の一部に弱めの動きがあるということで、米中貿易摩擦や中国の景気減速で本県の主力の製造業において影響が出てきていると感じています。
 国際関係の部分については、なかなか県レベルはいかんともしがたいところがありますけれども、われわれ企業の皆さんとしっかり意思疎通をさせていただきながら、景気全般の方向感は先ほど申し上げたようなとおりでありますけれども、個々の企業の置かれている状況によって対応すべき課題も様々あると思いますので、十分意思疎通をさせていただくとともに、中小企業振興センターやジェトロで、関係機関とも連携しながら、様々な企業の課題や悩みに対応していきたいと思います。
 どうもありがとうございました。

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