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更新日:2019年10月21日

 

知事会見(令和元年(2019年)10月16日(水曜日)16時15分~16時55分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 台風第19号に伴う災害への対応について
  2. 福井県による災害時ふるさと納税代行受付の開始等について
  3. 令和元年台風第19号災害義援金の募集開始について

取材者からの質問

  1. 台風第19号に伴う災害への対応について 1
  2. 被災された学生に向けてのメッセージについて
  3. 台風第19号に伴う災害への対応について 2
  4. 寄付金や義援金の用途について

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本文

阿部知事からの説明

 1 台風第19号に伴う災害への対応について

長野県知事 阿部守一
 それでは本日の会見を始めたいと思います。まず私からは災害関係についてです。先ほど災害対策本部員会議を開催し、マスコミの皆さまに公開させていただいて、概況等はご承知しているかと思いますけれども、午前中、佐久市それから佐久穂町などの災害被災地を訪問しましたので、それを受けての感想を少し申し上げたいと思います。
 今回はまず佐久市にお伺いしました。千曲川の左岸が崩落して家屋が流出した地点を柳田市長と一緒に状況の視察をしました。地域の皆さまからは、さらなる被害の拡大を懸念する声をお伺いし、また災害応急対策の迅速化のご要請をいただきました。そういう意味で、できるだけ最善最速の対応ができないかということで、私から建設部長に指示をし、昼夜を分かたず、応急対応をしていくという方向にしていきたいと思っています。非常に被害が拡大する恐れがある箇所でありまして、県内被災箇所は本当に数えきれない箇所数があるわけですけれども、先ほどの災害対策本部員会議でも申し上げたように、優先順位を見定めながら、そうすると被災しても復旧時期が遅れてしまう箇所が逆に出てくる可能性があるかもしれませんけれども、さらなる被害の拡大の恐れがあるような地点であるとか、あるいは県民の皆さまの暮らしに大きく影響しているような地点、その後、佐久市の田子川、矢川を訪問させてもらいましたけれども、まさに集落の中を縦断している河川、そして道路が被災しているという状況ですので、暮らしに大きな支障が出ているそうした地点を優先的に応急対策を進めていくようにしていきたいと思っています。
 それから佐久穂町、国道141号の被災箇所、千曲川左岸が崩落している地点の状況をお伺いし、またその後、佐々木町長と意見交換をしました。先ほど申し上げたように、この地点も非常に重要な地点ですので、できる限り早く復旧に努めていきたいと思いますし、また先ほどの本部員会議で申し上げましたけれども、市町村に対する人的支援、こうした部分も市町村のご要望も十分お伺いをしながら、また私どもも、市町村の実情を十分把握しながら、必要な応援を行えるように取り組んでいきたいと思っています。
 それから、本部員会議で申し上げたことに重なってきますけれども、まず私ども、今避難をされている方々、住宅を失われた方々、あるいは今、直ちに住宅に戻って生活をすることが困難な方々、そうした方々にしっかり寄り添った対応を市町村と一緒に行っていきたいと思っています。そういう意味で、避難所の環境改善、あるいは保健師等による心のケア、こうしたものについてはできる限りの対応を行っていきたいと思っています。また、昨日、長野市の避難所を訪問させていただいた際にも、やはり、住宅の再建に非常に多くの皆さま方が強い関心をお持ちですし、心配をされている分野でもあります。市町村と連携して必要な対象者数を把握すると同時に、どのようなニーズがあるのか、お年寄り、あるいは乳幼児を抱えているご家族、そういうさまざまな被災された方がいらっしゃいますし、またできるだけ地域のコミュニティにまとまった形で暮らしたいというようなニーズも中にはあり得るのでないかと思いますので、きめ細かくニーズの把握に努めていきたいと思っています。こうした取り組みを進めていく上では、市町村における罹災証明の発行手続きが迅速に行われていくことが大変重要だと思っていますので、こうした点については、先ほどの人的支援の強化ということも含めて、市町村の皆さまの取り組みをさらに応援していきたいと思っています。

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 2 福井県による災害時ふるさと納税代行受付の開始等について

長野県知事 阿部守一
 
それからこの災害対応の関連で、メディアの皆さまにぜひ、多くの皆さまに周知をしていただきたいと思っていますのが、災害義援金の募集、それからふるさと納税の募集です。多くの被害をもたらした台風第19号。多くの方々が被災をし、そして、暮らしの再建に向けて、まだ十分な見通しが立たないという方も大勢いらっしゃるという状況でです。被災された皆さま方には、改めてお見舞いを申し上げます。
 そういう中で、多くの皆さまが被災された方々を応援したいという気持ちをお持ちになられています。そういう意味で、まずこれまでふるさと寄付金の受け付けを県として行ってきています。そしてこの度、災害時のふるさと納税の代行受付、これはあらかじめ関係県でふるさと納税代行受付による災害時相互応援制度というものを設けていました。この9月に運用開始したわけですけれども、それに基づいて、今般、福井県において、長野県への災害支援寄付、ふるさと納税の代行受付をしていただくこととなります。先ほど福井県の杉本知事には感謝の意をお伝えしたところですけれども、このふるさと納税制度を使って、多くの皆さまがご支援を長野県に対して行っていただければありがたいです。

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 3 令和元年台風第19号災害義援金の募集開始について

長野県知事 阿部守一
 
それからもう一つ、被災された方々を支援するための義援金の募集を本日から始めさせていただいています。こちらにつきましては銀行振込によるほか、義援金箱を県庁そして合同庁舎、名古屋事務所、大阪事務所、銀座NAGANOに設置して義援金の受付を行っています。この義援金は県そして市長会・町村会、さらには義援金受付団体等で構成いたします配分委員会によりまして、配分を決定して、県内市町村を通じて被災された方々にお届けしたいと思っています。多くの皆さま方のご協力、ご支援をお願いしたいと思っています。義援金については八十二銀行を通じて振り込みいただくと手数料が無料という形になっています。また日本赤十字社、社会福祉法人の長野県共同募金会、こちらの口座で受付をさせていただいていますので、ぜひ広く多くの皆さまに周知をしたいと思います。皆さまにはご協力いただければありがたいと思っています。私からは以上です。

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取材者からの質問

 1 台風第19号に伴う災害への対応について 1

 

日本経済新聞 北川開 氏
 鉄道網についてお伺いしたいと思います。北陸新幹線は金沢方面がまだ復旧していないということと本数が1時間に一本に減ってしまっていて、あとあずさがまだ復旧の見通しが立っていないということで、直接被災した地域だけではなく、松本方面にも影響が出る見通しです。さらにしなの鉄道、橋が崩落した上田電鉄をはじめとして、鉄道と県内の私鉄にも影響が出ていますが、こうしたことの県民生活への影響が大きいと思うのですけれども、知事の見解などをお願いします。

長野県知事 阿部守一
 まず私からはJR東日本に対しては、1日も早い復旧をお願いしたいということを伝えさせていただいています。その上で、長沼の車両基地が浸水被害を受けていますので、これは国土交通省にご協力いただいて、優先的に、速やかな排水をお願いをし、実行いただいたところです。そういう意味で新幹線の復旧後、国にも応援いただきながら、協力させていただく中で取り組ませていただいています。中央東線、あるいは新幹線をはじめ、また各地で鉄道が分断されている状況であったり、あるいはまだ十分な運行本数が確保されていないという現状は非常に深刻な事態と受け止めています。先ほど本部員会議でもありましたように、通勤通学の足にも非常に影響していますし、また長野県を訪れる観光客の皆さん、あるいは産業活動にも多大な影響を与えているという認識を持っています。われわれとしては1日も早い復旧をお願いすると同時に、できることがあればしっかり協力して取り組んでいきたいと思いますし、また影響をできる限り回避するように、しなの鉄道の代替バス運行について、どう考えているかということも含めて、関係部局で連携して対応を検討し、具体化していきたいと思います。

日本経済新聞 北川開 氏
 もう一点お伺いしたいのですが、長野市穂保では北部工業団地もありまして、このほか穂保をはじめとしていろいろな企業の工場などはかなり被害を受けている会社が多いですが、まだ被災者の支援というところで大変な状況だと思うのですけれども、そういった設備などが被災してしまった企業への支援についてはどうですか。

長野県知事 阿部守一
 それもわれわれとしては重大な関心を持って取り組んでいます。産業労働部に対しては事業所の被災状況を調査するように指示しています。その上でできる限り手厚い支援措置、事業所の再開に向けて、建物あるいは機械類等も被災している事業所もありますので、そうした事業所が再開、復興していくことができるように国に対しても必要な支援を求めていきたいと思っています。

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 今知事からもお話ありました新幹線の車両センターの件なのですけれども、長野市のハザードマップで車両センターの真っ赤な場所といいますか、10 メートル以上の浸水が予測される場所として、今回現実的になってしまったという現状があるのですが、市のハザードマップなので一概に知事からは言えないということも考えられますが、公共の施設といいますか、乗り物が今回ハザードマップのそのような場所に建設されていて実際に被害に遭ってしまったと、そういった現状について率直に知事の受け止めはどのようなものがありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 JR東日本の決める事項ですので、私としてはどういう経過でどういう判断かというのは全く承知していませんけれども、一般的に申し上げれば、例えば河川のハザードマップであるとか、あるいは土砂災害の警戒区域であるとか、さまざまな予防的な情報というものを出させていただいていますし、行政として提供させていただいています。そういう意味でさまざまな事業者、あるいは県民の皆さまにはそうした情報に十分に関心を払っていただいた上で、例えば家屋の立地等についても考えていただくことが必要だと思っています。

信越放送(SBC) 熊﨑陽太 氏
 今回のセンターが結果的にこのような状況になってしまっているというのは、JR東日本の計画に沿ってではあるものの、やはり結果として今電車も止まっていたりだとか、そういったことを招いてしまっている一因としては、例えばセンターの場所だとかで、速やかな対応だとか見直しというところまで、改善を求めていく必要性などそういったものはあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 1日も早くJR東日本には通常の運行に戻してもらいたいという要請をさせていただいている段階ですので、今のような視点では現時点では対応はしていませんし、今後いろいろな施設が立地するというときには、先ほど申し上げたような検討は当然、各事業者とか個人の皆さんに行っていただくということが重要だと思っています。JR東日本が検討される話だと思いますので、ぜひその辺のご懸念とかあればJRのほうに問い合わせていただくのが望ましいのではないかと思います。まずは、私としては、全力で最速で復旧復興していきたいと思いますし、そのためにはJR東日本もぜひ全面的に頑張ってもらいたいと思いますし、われわれの取り組みにも協力をしてもらいたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 2点ありますが、まず一点目です。けが人が今日になって軽症の方が主に長野市、佐久市でかなり増えてまいりました。これまで数人程度と少なかったのですけれども、この数がどっと増えたことについて、この数に対する評価と今後けが人等の人的被害の見通しについてどのようにお考えかお聞かせいただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 住家被害の状況等も調査中という形になっている現状ですから、われわれはやはり人命救助、それから被災者の支援、そこにまず全力を傾けて取り組んでいます。もちろんこうしたデータも重要だとは思いますけれども、数字ではなくて、そこにいる方をどう助けるかということが重要です。非常に規模が大きい災害ですので、例えば被害状況等もこれから判明してくるという部分もあると思いますので、そうしたものについては判明次第、できるだけ早く提供するようにしていきたいと思っています。

長野朝日放送(abn) 川見能人 氏
 関連して先ほど災害対策本部員会議で出たかと思うのですが、長野市が床下・床上両方とも調査中で一度数字が出たのですけれども引っ込められてしまわれて調査中に戻ってしまいました。いろいろ仕事があって忙しいのは分かるのですが、なかなか数字が出てこないというところもあります。これについてのご所感はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、今後、例えば住宅を必要とされる方がどの程度いらっしゃるかということが極めて生活再建に重要だと思っています。そしてそのためには市町村が罹災証明をできるだけ早く出していくということが重要だと思っています。そういう意味ではここの数字ができるだけ早く確定していくということが望ましい状況ですので、私の立場としては、各市町村にいろいろ取り組む事項があって、昼夜分かたず取り組んでいる中ではありますけれども、できるだけ早く罹災証明書の発行と住宅の必要な方の数については確定いただけるようにお願いしていきたいと思っています。

朝日新聞社 岡林佐和 氏
 今回の災害では千曲川の決壊というのが非常に大きな被害をもたらしたわけなのですけれども、この決壊の一報が入った時の様子を、知事のところにどのように入ったか、最初の映像は、私たちにとってもショッキングでしたけれども、どのように受け止められたかというところを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今回の場合は千曲川上流から少しずつ越水しているという情報は入ってきていました。その上で、決壊したという情報は、建設部長からの報告だったと記憶しています。われわれとしては市町村に対して的確な避難指示を出してもらうということが重要なことだと思っていますので、先ほどのハザードマップもありましたけれども、河川の上流から次第に水位が上がってきているという情報を把握しながら、市町村に対しては適切な対応をしてもらえるように情報提供していくという姿勢で取り組んでまいりました。

朝日新聞社 岡林佐和 氏
 知事は現場はご覧になっていますか。

長野県知事 阿部守一
 決壊現場には行かせていただいて、堤防の決壊箇所の少し手前のところから現地の状況を国の千曲川河川事務所にご説明をいただいて、状況把握させていただいています。

朝日新聞社 岡林佐和 氏
 会議の中でも、知事が何度か言及されていますけれども、避難が長期化してくるに従って、避難所を快適な状態にしたいということで、知事からもいくつか指示を出されていると思うのですが、避難所のどういうところをご覧になって、そういうふうにお感じになったのか。避難所の方とお話をされたということなのですけれども、どういったお話から知事がそういうふうにお感じになったのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 いろいろな観点がありますし、私が被災された方とお話した時点から市町村も大分改善をいただいているので、今の時点で私が申し上げることが当てはまっているかどうかというのは置いておいていただければと思いますが、例えばこの災害後非常に気温が下がっています。私が避難所をお伺いした際も、少し昨晩寒かったというようなお話もありましたので、その後毛布等も追加させていただいているところですし、またダンボールべットなどの提供も行っています。それから、あとは例えばプライバシーの問題で、パーテーションが必ずしもない避難所等もあります。今ももしかしたらあるかもしれませんけれども、そうしたところについてやはり、特に小さなお子さんがいらっしゃる方とか、女性からするとなかなか環境的には大変なものがあるのでないかと思いますので、そうしたものも市町村のニーズを聞きながら対応するようにということを指示しています。

中日新聞 安永陽祐 氏
 避難所の運営についてお伺いしたいのですが、特に避難所の中に授乳室がなかったり、女性職員が常駐しなかったりといった避難所もあるそうでして、県が策定された避難所の運営マニュアルの中でも、女性への配慮というものを示されていて、さらに国からは今月、女性とか子育て家庭に配慮するようにという要請もきているかと思うのですが、そういった点から県として各市町村にそういった女性への配慮についてどのような指示をしているのかということと、女性への配慮について知事自身の問題意識をお伺いできればと思います。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、パーテーションを作ったりという話は指示していますし、本当に、被災された皆さんは、その環境以前に精神的にもつらいものを抱えていらっしゃる方が大勢いらっしゃるという状況です。そういう意味で、できるだけ被災された方たちの思いに寄り添って対応することが必要だと思っていますので、例えば長野市の避難所に県の職員が応援に行ったりしていましたが、県の職員には言われたことを事務的に行うのではなく、どういう課題や悩みを抱えているかということも報告してくれと指示して、細かいことも含めていろいろ出てきますので、そうした必要なものについては市町村にフィードバックして対応していただいています。女性の皆さんにとっては、やはりプライバシーの問題であったり、あるいは小さなお子さまをお持ちの方は今の授乳室の問題であったり、そうした課題がありますので、できる限りご要望にお応えできるように、市町村と一緒に取り組んでいきたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
佐久地方の被害の話が今日も冒頭からありましたけれども、現地の建設事務所にお伺いしますと、河川の被害が佐久地域で190カ所あるという話を、今日私も初めて聞きました。これまで3日間の経過を見てみても、なかなか被害の全容を把握するのに今もそこまでまだ至っていないのではないかと思えるぐらい小さい川の支流なんかでいろいろな被害が出てくると、私達もメディアという立場で取材していますが、長野市の決壊に目が行き過ぎているのかと反省も含めて思うのですけれども、知事も、災害後、初めて佐久地方の被害の甚大さについても目の当たりにされて、認識を新たにされているところがあるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
私も鈴木さんと同じような認識を持っています。同じような認識というのは、例えば千曲川の堤防決壊というような事態がなければ、他の箇所の被災だけで極めて重大な事案となるような、災害が多発しているという認識を持っています。そういう意味でどうしても一番被害が大きいところにだけ目が行きがちなところがあると思いますけれども、われわれ行政としてはそういうことがないようにしなければいけない。被害が大きいところはもちろん最優先で応援しますし、例えば避難されている方が一番多いのが長野市ですから、長野市の災害対策本部に太田副知事も派遣して最も強力に連携しながら取り組んでいますが、しかしながら他の地域も極めて大きな被害を受けているという状況ですから、相対的なレベル感で考えるのではなくて、絶対的なレベル感を持ってわれわれは対策をしていくという事が重要だと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 
地域の集落の中を流れている細い川があふれるとか、市町村でなければ分からないようなところがいっぱいあったりして、全容把握にはまだまだ時間がかかると思うのですけれど、対策本部で配られている建設部が作っている1枚紙の資料にも、もっとたくさんの被害が実際にはあるのでないかと思っていて、国交省の発表資料で今日入ってきた麻績村の麻績川が決壊しているという話もまた入ってきて、ただこの紙に書いてなかったりするというのもあり、おやと思ったところです。県の皆さんもあちこち行ってらっしゃるのですけれど、相当大変なのかと思うのですが、復旧するにはまず被害状況を把握しないといけない、それが最優先だと思いますのでやっぱり状況の把握に今後も力を入れていくということでよろしいですか。

長野県知事 阿部守一
 私は両面あると思っています。両面というのは、例えば政府には激甚災害指定を求めています。激甚災害指定をするためにはどのぐらいの箇所でどれぐらいの被害が起きているかというのをできるだけ速やかに把握して、国にも報告をした上で、激甚災害として指定してもらうということが重要ですので、そういう意味では、災害の個々の箇所をしっかり拾い出していくという作業を今やっています。
 それと同時に大局的な状況把握というものも必要だと思っていまして、例えば先ほどお話をいただいた各事務所ごとの河川の状況、確かに河川の被害状況は、この一覧表で掲げているわけですけれども、例えば今日私が訪問させていただいたところは河川も被害を受けて、なおかつその横を通っている道路が被害を受けた。さらにはその周辺の住家も浸水しているというようなことですから、その河川の被害状況はこうですということと、その地域の皆さんの暮らしをどう支えるかというのは少し観点がまた違ってきます。そういう意味では、被害がある道路が何箇所あるということの把握も必要ですし、そこもやっていますが、もう一つやはり県民の皆さまの暮らしをどう支えるか、どう早く回復していただけるようにするかという観点ではもう少し包括的な部分、大局的な把握をしていくということも重要だと思いますので、両面急いでいきたいと思います。

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  被災された学生に向けてのメッセージについて

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 しなの鉄道ですが、私が災害対策本部員会議で聞いていて、高校の生徒さんの学校への通学で1,000人でしたでしょうか、バスでその方を運ぶと四、五十台のバスが必要になるということで代替輸送というのは非常に難しいという状況で、そうすると学校がなかなか再開の目途が立たないということになって、影響が出ていると思います。高校生たちもどうやって、学校がまたいつ始まるのかをすごく気にしていらっしゃると思うのですけれども、知事からメッセージを送るとすれば、高校生たちにどういうメッセージを送られますか。

長野県知事 阿部守一
 
災害対策本部員会議で報告があったように、今現場でどれぐらいの復旧見込みになりそうかということを検討してその上で教育委員会、あるいは建設部でどう対応するかということを考えていく形になりますので、まずその状況を把握した上で、よく考えたいと思っています。また高校生の皆さんも勉強に、スポーツに取り組んでいく中でこういう災害で大きな影響を受けたということで大変残念な思いをしている生徒とか、つらい思いをしている直接被災した子どもたちもいますし、そうでない子どもたちも間接的にはかなりの影響を受けていると思います。われわれとしては早期の復旧、そして鉄道の復旧が叶わないときには、どういう代替措置がとれるかということを鋭意検討していきたいと思いますので、それまで少し我慢してもらいたいと思いますし、通学できなくて友人とコミュニケーションが取れない期間になってしまいますけれども、それぞれの若い人たちにはこの際、ぜひ長野県は災害とこれからも向き合い続けなければいけないので、災害についても考える機会にしてもらえるとありがたいと思います。

 

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 3 台風第19号に伴う災害への対応について 2

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 長野市の穂保地区の全体を北部の水害で申し上げますと、千曲川の決壊と浅川の内水氾濫ということがダブルで起きたわけです。国は千曲川の河川整備を行い、県は浅川の対策、排水機場を造って、上流に浅川ダムも造ってということをやってきました。もちろん現状はまずは水をくみ出して堤防の応急処置をするということだと思うのですけれども、今後のさらなる雨の降り方というのはだんだん激しくなっていく中でどういう対策を、とりあえず応急処置をするとしてさらにその先を見据えていくと、どういった対策の検討が必要であろうと、今の段階で考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 応急対策に取り組んでいる段階ですので、まずそこはしっかりやり抜かなければいけないと思っています。河川直轄区間がありますので、国にも取り組みいただきながら、暮らしの回復に向けて、できるだけスピード感を持って対応していきたいと思っています。ただ、河川自体のあり方というご質問だと思いますが、もちろん今回の災害を踏まえて、これからの治水対策のあり方というものはおそらく全国的にもいろいろな検討が行われていくのではないかと思います。私としては、千曲川の場合は国管理区間と県管理区間と双方存在しているという状況でありまして、私は分権とは逆ベクトルではありますけれども、本来国が一貫した管理をしていただく必要があるとこれまでも申し上げてきていますし、またこの河川のあり方の議論が応急対策、復旧のフェーズなので、まだそういう議論の段階ではないと思っていますけれども、今後そうした河川管理のあり方も含めて、しっかりわれわれも考えていきたいと思っています。

 

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 4 寄付金や義援金の用途について

時事通信 真勢春海 氏
 先ほどふるさと納税と義援金の話がありましたけれども、これについて、どのように寄付金とかが役立てられていくかという点についてお伺いいたします。

長野県知事 阿部守一
 義援金とふるさと納税は県の収入になります。義援金は先ほど申し上げたように、被災された方々に配分するということで、われわれも丁寧にお伝えした方がいいと思いますけれども、入ってくるところが違っています。義援金ではない寄付金の使い方ですが、これはどれぐらいご寄付いただけるかということにもよって、どう考えているかということをまだ明確に決めているわけではありませんけれども、私の思いとしてはできる限り被災された方々のために使用していくことが必要ではないかと思っています。というのは、要は今申し上げたように県の歳入になりますので、例えば県の公共土木施設の復旧ということにもしかしたら使うかもしれませんけれども、できる限り被災された方々の生活支援であったり、あるいは被災された事業所の支援であったり、そうした分野に役立てていくことが必要だと、今の時点では考えています。まだどれぐらい寄付いただけるかとか、われわれとして今後公共施設の復旧復興も含めて、県予算もかなり多額の支出が必要になってくるという状況ですので、全体像がまだ見極められていないので、断言はできませんけれども、私の気持ちとしては、そうした部分に役立てたいと思っています。

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