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更新日:2019年4月26日
長野県知事 阿部守一
それでは4月26日の会見を始めたいと思います。私からは6点お話したいと思いますのでよろしくお願いします。
まず一点目ですが、鉄拳さんに作っていただいたパラパラ漫画の公開についてです。
昨年の9月6日に長野県とソフトバンク株式会社で包括連携協定を締結させていただきました。その中でソフトバンク様から、子ども支援の取り組みを推進するシンボルとして、本県出身で、人への優しさ、思いやりにあふれる作風が人気の鉄拳さんによるパラパラ漫画の制作について、申し出をいただいたところです。この包括連携協定締結の際には、鉄拳さんにもご出席いただいて、その際、今年の春公開予定という予告をいただいていました。本日それが完成して、インターネットで公開されるということになりましたので、お知らせしたいと思います。
タイトルは「ずっとともだち」。人と人との繋がりを大切に感じていただくことができるような、鉄拳さんにしか出せない、味わいのある作風に仕上がっています。まずは動画をご覧ください。
(動画放送)
ご覧いただきましたけれども、鉄拳さんの作風というか、温かな作品になっていると思います。また信州らしい風景も、随所に盛り込まれていて大変ありがたいと思っています。県としては、人と人との繋がりの大切さを県民の皆さま方と共有していきたいと思っていますので、そうした観点でパラパラ漫画を活用していきたいと思っています。
子どもたち、あるいは子どもたちを支える立場にある方たちが、お集まりになる場合等に、パラパラ漫画をご覧いただけるようにしていきたいと思っています。
また、今回のインターネット公開に合わせてパラパラ漫画の原画展を銀座NAGANOで開催しています。現場と中継をつないで様子を聞いてみたいと思います。銀座NAGANOからは、今年度長野県からソフトバンク様に研修派遣している岩瀬明日香さんにレポートしてもらいたいと思いますのでよろしくお願いします。
(銀座から中継)
長野県知事 阿部守一
会見では初めての試みなので少し不手際があって恐縮ですけれども、ぜひこのような形で他の会場とつないでの会見等もこれから行っていきたいと思います。
銀座NAGANOでも、あるいはソフトバンク様でも原画をご覧いただくことができますので、これから10連休もありますので、ぜひ銀座NAGANO にも多くの皆さんにお越しいただきたいと思います。ソフトバンク様との包括連携協定では、今回パラパラ漫画をご紹介しましたけれども、さまざまな取り組みがスタートしています。
まずスポーツ課の関係では、ジュニアアスリートの発掘・育成を目指す「NAGANOスポーツ☆きらきらっ子育成プログラム」がありますけれども、対象選手になった小学生に対してタブレット端末での遠隔指導をソフトバンク様の協力のもとで行わせていただいています。
また塩尻市と安曇野市の保育園4カ所で保育のクラウドサービス「hugmo(ハグモ―)」を導入させていただいて、保育士の業務効率化の実証実験を5月から行っていくことにしています。
また長野県みらいベース、NPO等の支援を行っているわけですけれども、ソフトバンク様の募金プラットフォーム「つながる募金」を活用して寄附金を集めていきたいと思っています。引き続きソフトバンク様の力を借りながら、子どもたちの支援に努めていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから2点目です。旧優生保護法に基づく優生手術を受けた方に対する一時金の支給についてです。おととい、一時金の支給に関する法律が成立したところです。今回の法施行を踏まえ、県としては、昨日から保健・疾病対策課ならびに10の保健福祉事務所で、国の一時金支給に関する請求書の受付や相談業務を開始しているところです。今後、一時金の支給対象者がスムーズに支給を受けられるように、対象となる方には高齢の方や障がいをお持ちの方が多数いらっしゃいますので、きめ細かな周知、丁寧な請求に当たっての支援、相談支援等、関係団体の皆さま方とも、連携して取り組んでいきたいと考えています。県としてこれまで国に対しては、当事者の思いを十分くみ取った上で救済を行うことを求めてきましたが、今回、法が制定され、取り組みが前進したものと考えています。これから一時金の受給の申し出があった際には、丁寧な対応をしていきたいと思っています。
この旧優生保護法に関しましては、県としても、機関委任事務として仕事を行ってきたわけです。これは議員立法で制定された法律でありますが、今の感覚、人権意識、そうしたものから考えると、さまざまな問題があったものと思っていますし、そうした観点で県としても、道義的な責任があると考えて、深く反省しているところです。これから障がい者の皆さまとの共生社会をしっかり県としてつくっていかなければいけないと思っていますので、こうした対応がかつて行われていたということに対しては、しっかり教訓として受け止めて、これからの取り組みを行っていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
3点目ですが、ふるさと信州寄付金についてです。本日からクラウドファンディング型による寄付受け付けを行いたいと思っています。ふるさと納税制度についてはいろいろなご質問等を受けたことがありますけれども、制度創設から10年が経過して、長野県としては多くの皆さま方から応援をいただく中で、政策の実現、あるいは地域のPRにとって大きな力になっていると考えています。しかしながら他方で、過度な返礼品競争が行われているという批判もあり、応援したい自治体を応援するという制度本来の趣旨がゆがめられているのではないかという見方もあります。そのようなことを踏まえて、長野県としては寄付金の使い道をより明確化させていただいて、寄付募集を行っていきたいと思っています。
そうした観点からのクラウドファンディング型ふるさと信州寄付金の第1弾として、二つのプロジェクトを進めていきたいと考えています。一つは「信州つばさプロジェクト」。これは長野県の高校生の留学支援になりますが、今回はウィーンで音楽を学ぶ短期留学プログラムに対する支援を、ふるさと信州寄付金を使って行っていきたいというものです。そしてもう一つが「信州アートサンタプロジェクト」です。児童養護施設の子どもたちが、アートに親しみ、楽しんでもらえる機会を提供していきたいと思っています。
このプロジェクトの詳細については、この会見の後に担当課からご説明させていただくことになっていますけれども、この二つのプロジェクトに対する寄付については、地場産品等の返礼は行わないという形にさせていただきます。お礼のお手紙といったようなことは返礼品として考えますけれども、何か物産がもらえるから寄付するということではなくて、こうした私どもの考え方にご理解いただき、子どもたちを支援したいという思いの皆さま方からのご寄付を集めていきたいと考えています。今回、第1弾ですので、第1弾の状況等を踏まえて、クラウドファンディング型ふるさと信州寄付金のあり方については、しっかり考えていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
4点目ですけれども、学びの県づくりフォーラムVol.2(ボリュームツー)の動画の公開についてのお知らせです。先月23日に養老孟司先生をお迎えして「学びの県づくりフォーラムVol.2」を岡谷市で開催しました。この模様を今日からYouTubeで公開します。学びの県づくりを進めていく上で、養老先生のお話は非常に得るものがあると思っていますので、ぜひ多くの皆さま方にご覧いただければと思っています。
また、「学びの県づくりフォーラム」はこれからも継続して行っていきたいと思っていますので、できる限りこのような形で広く多くの皆さま方にご覧いただけるようにしていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
それから5点目ですが、しあわせ信州移動知事室の佐久地域における実施についてのお知らせです。連休明けの5月9日、10日の2日間の日程で、しあわせ信州移動知事室を佐久地域で行いたいと考えています。年度が変わってから1回目の実施ですが、通算では12回目の実施です。今回は、立科町で観光振興についての意見交換や、佐久穂町に新たに開校しました茂来学園の大日向小学校にお伺いし、大日向小学校の学びのあり方について対話していきたいと思っています。また拡大版の佐久地域戦略会議に出席し、地元の市町村長の皆さま方と佐久地域の課題、あるいは県として共同で取り組むべきことについて意見交換を行っていきたいと思っています。またシニア大学佐久支部の皆さん、在校生、卒業生の皆さんと一緒に、年をとっても活躍できる長野県づくり、長野県のあり方について、意見交換等を行っていきたいと思っています。佐久地域の実情をしっかり受け止めて、これからの県政に活かしていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから最後、花フェスタについてです。花フェスタにつきましては、昨日開会式を行い、多くの皆さま方にご参加をいただき、大変感謝しています。テープカットセレモニーにおいては、LDH JAPAN様からTETSUYAさん、そして長野県松本市出身の澤本夏輝さんにもお越しいただき、また開会式には長野県永久観光大使の峰竜太さんにもご参加いただき盛大に開催することができました。関係の皆さま方に心から感謝を申し上げます。
今回は信州花フェスタの最新情報第7弾ということで明日から始まるゴールデンウィーク期間中のイベントをご紹介します。明日から29日までの3日間、メイン会場のやまびこドームにおきまして、「まるごと信州わくわくデー」を開催します。県内の市町村等がブースを出展し、物産の販売等を行います。またお買い上げいただいた方には毎日2回、宿泊券などの豪華景品が当たる抽選会を予定しています。また28日、やまびこドームのステージにおいては、先ほど鉄拳さんのパラパラ漫画をご紹介しましたけれども、信濃大町観光大使の鉄拳さんと村井美樹さんのトークショーを行う予定ですし、29日には特別企画展をメイン会場で劇団四季の皆さんに現在行っていただいていますけれども、劇団四季の俳優の方によるトークイベントも開催する予定です。いずれも入場無料ですので、多くの皆さま方にご来場いただきたいと思います。
また信州花フェスタの図柄を使用した宝くじが明日27日から5月14日まで発売します。メイン会場の大花壇「北アルプスと花の丘」をイメージした図柄になっています。信州花フェスタの記念にもなりますし、宝くじは地方公共団体の貴重な財源になっていますのでぜひ多くの皆さま方に、お買い求めをいただければありがたいと思っています。私からは以上です。
日本経済新聞 北川開 氏
本日が平成最後の記者会見になると思うのですけれども、知事は平成という時代には長野県とつながりが多かったと思うのですけれども、今のご心境と、新しい時代をどのようにしたいかということについてお伺いしたいのと、10連休中に知事はどのように過ごされるのかについて差し支えない範囲でお聞きしたいと思います。
長野県知事 阿部守一
私の個人的な体験としては2001年の1月1日付けに長野県民となって長野県職員となっていますので、そこからの経験・体験が主ですが、その以前の長野県としては冬季オリンピック・パラリンピックを開催し、多くの世界中の皆さんに感動をお届けする場所になったということは非常に意義あることだったと思いますし、多くの皆さんの記憶に残っていることだと思います。またオリンピックに向けては高速交通体系、新幹線を含めて整備が進んだわけですので、今の長野県の基盤づくりが行われたのが平成の前期だったのではないかと思っています。
私は2001年、平成の中盤、後半と直接的に長野県と関わっていたわけですけれども、私としてはいろいろな災害が、多くの人命が失われるような大きな災害が何回も襲ったというのが一番記憶に刻まれている部分です。改めてお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。今県としては防災減災対策、国土県土強靱化を進めていますので、こうした災害に対する備えをしっかり行っていかなければいけないと思っています。
それから社会経済環境としては、一番大きな変化は、平成の前半は人口増加。今世紀に入って人口減少ということで、世の中が大きく変わったのが平成の期間中だと思います。行政、あるいは社会を考える上で、人口が右肩上がりに増加している期間と右肩下がりで減少していく期間というのは、社会システムも、われわれ行政として取り組んでいくべきことも大分変化するわけですので、そうした変化をこれからもしっかりと自覚をしながら、取り組んでいかなければいけないと思います。また昨日も「AI(エーアイ:人工知能)活用/IoT(アイオーティー:モノのインターネット)デバイス事業化・開発センター」の開所式を行いましたけれども、まさにデジタル革命の時代ですので、これから平成から令和の時代になってますます技術革新が急速に進んでいくと思いますので、産業面でも、暮らしの面でも、新しい技術を積極的に活用して、県民の皆さま方の暮らしが安心安全で、希望があふれるものにしていかなければならないと改めて感じています。
それから連休中の話ですけれども、連休前半は県内にいまして、メーデーへの参加、あるいは、ブレイブウォリアーズの試合を個人的に応援させていただく予定にしています。5月に入ってからは、プライベートで沖縄に旅行しようと思っていまして、沖縄の文化、歴史、そうしたものを学んできたいと思っています。
共同通信 岡田健太郎 氏
旧優生保護法についてお伺いしたいのですが、鳥取県の平井知事がこの救済法案をめぐり、被害者への個別通知というものが盛り込まれていない点について、本当に救済に繋がるのかといった発言をされています。鳥取県は県として個別に通知する仕組みを整えるよう、検討する方針を示しているのですが、長野県として何か同じような対策を検討されているということはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
鳥取県の会見を見ていますけれども、必ずしも個別に通知するという決定まではまだしていないのではないかと、これから対応を考えたいということだと思っています。長野県でも、これまでこの問題については、関係団体の皆さま方のご意見を伺い、あるいは国に先駆けて資料の廃棄等を行わないようにというお願いをしてきたということで、国に言われたことを粛々とやるだけではない対応を心がけてきました。
この通知の問題については、非常に難しい側面があるというのが私の今の率直な感覚でして、いろいろな団体の方とお話する中で、当時のことは非常につらい記憶として受け止めている方もいらっしゃいます。もう思い出したくない、あるいは、触れられたくないという方もいらっしゃいますし、またご家族の方には、例えば知られたくないとか、さまざまなお考え、お気持ちの方々がいらっしゃいますので、そうした方々のお気持ちを踏まえながらの慎重な対応が求められると思っています。
ただ一方で、今回こういう法律が制定されたわけですので、プライバシーには最大限配慮しながらも、この法律の趣旨や内容については、必要な方にしっかり届く取り組みも重要だと思っています。そういう意味で今、具体的な対応方策を検討している部分もありますけれども、例えば「広報ながのけん」、これは全戸の方に周知できるようになっていますので、そうしたものの活用であったり、あるいは、障がい関係団体の皆さんとこの件について、意見交換をしていますので、団体の皆さま方のご協力を得ての関係者へのお知らせであったり、また障害者手帳を更新される際の情報提供等、いろいろな場面を通じてお伝えをしていく努力をしていきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 厚芝智行 氏
いよいよゴールデンウィークが始まりますけれども、県内交通死亡事故多発警報が出ています。その中での県の対応対策等、そして県内に暮らす方、県外からいらっしゃる方に知事から呼びかけたいことは一体何でしょうか。
長野県知事 阿部守一
交通安全協会などの交通安全運動に熱心に取り組みいただいている皆さま、また警察などの関係機関と連携して、現状をお伝えすると同時に、注意喚起していきたいと思います。特に行楽で多くの皆さまが長野県にお越しになりますので、交通ルールを守る、これはシートベルトを着用してもらうなどの基本的なことはもとより、無理な行動、無理な日程で、慌てていかなければいけないとか、そのようなことのないように、ゆとりを持った行動を心がけていただきたいと思います。
交通安全の取り組みについては、多くの皆さま方のご支援ご協力のおかげで交通事故の発生件数であったり、死傷者数であったり、年々減少傾向ですけれども、まだまだ非常に多くの方が犠牲になっているという現状ですので、引き続き関係機関としっかり連携をとりながら対応していきたいと思います。
信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
旧優生保護法の不妊手術の問題についてです。この法律は非常に難しい法律だと思うのですけれども、今も一時金の金額が少ないのではないかというお話や、国主導による手術に対する重大性というのがしっかり浮かび上がって明記されていないといったことなどさまざまな受け止めがあるかと思います。知事も障がい者関係団体の人と意見交換を重ねてきたということで、先ほども長野県も機関委任事務としてこの仕事を一部やってきたということの中で、その道義的責任があるというご発言がありましたが、この法律について全会一致で成立はしたわけですけれども、まだ不十分で、これからこの法律をさらに改善していく必要があるという声もある中で、今の救済制度の建てつけそのものについてご所見がありましたらお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
救済の対象にすべき方であったり、金額であったり、一時金じゃなくて年金であるべきだとかいろいろなご意見があるかと思います。ただ国会でこのような法律が成立したわけでして、旧優生保護法の手術を受けられた方に対する対応を国に求めてきた立場からすれば前進したという受け止めです。ただこれからもこの対象になられた方の思い、考えというものをわれわれもできる限り受け止める努力をしていきたいと思いますし、国においても真摯に受け止めて、継続的に丁寧な対応を行っていただきたいと思っています。また旧優生保護法自体の成立は、かつては国会で全会一致だった、ほとんどの皆さんが賛成して成立した法律です。しかしながら先ほど申し上げたように、今日的な観点からすれば多くの方たちが違和感を持つ中身、社会状況が大きく変わってきたということだけで済ませていいのかどうかということは、われわれ1人1人がしっかり考えなければいけない問題だと思います。日本国憲法上基本的人権は最大限尊重されなければいけないものと思っています。そのような意味で、県行政としてこれからも人権に対するしっかりとした認識を持ちながら、いろいろな政策を進めていきたいと思います。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
パラパラ漫画の関係で一点お伺いしたいのですが、先ほど見させていただく中で、ささいなすれ違いで仲たがいをしてしまった友達が最終的にはその誤解を解いてまた友達に戻るという内容だと思うのですが、先ほど知事が人との繋がりを大切にしてほしいというお話もありましたが、知事としてこれを見た子どもたちに具体的にはどのようなことを伝えていきたいかということがあればお願いできますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
鉄拳さんの意図は作者の意図として別途あるのかもしれないですけれども、私なりに申し上げれば、1つは友人との関係というのは、実は人生にとって非常にかけがえのない貴重な宝物だということは私自身も感じることがありますし、ぜひそういう思いを多くの子どもたちに持ってもらいたいと思います。
それからもう1つですが、例えばSNS 等が非常に広がっている中で、言葉だけでは行き違いをすることというのは結構起こりがちだと思います。人間と人間との関係は機械で繋がっているとか文字面だけで繋がっているわけではなくて、顔の表情であったり、心と心が通じ合ったり、そうしたところで繋がっているわけでありますので、子どもたちにはぜひ形式的な言葉だけをとらえて、人間関係を台無しにしてしまうのではなくて、 直に触れ合う中で人と人との温かなふれあいというものを大事にしてもらうようになってもらいたいなと思っています。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
ちなみにこれは何秒の動画ですか。
長野県知事 阿部守一
約3分10秒と聞いています。
信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
統一地方選の後半戦の市町村議選の投票率なのですけど、平均投票率が51.11%と過去最低で、市議選に限って言えば5割を切っているという状況で、去年の知事選から始まって県議選の方も投票率が上がらなかったですけれど、改めて知事は今回の結果をどのように受けとめていらっしゃるかお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
まず当選された皆さまには、お祝いを申し上げたいと思います。その上でメディアでも報道されていますけれども、なかなか議員になろうと思われる方が少ないということは民主主義社会にとっては大きな課題であり、もっと言えば、危機なのではないかと思います。議会のあり方について一つは、議会それぞれであり方をしっかり考えていただくことが重要ではないかと思います。例えば、若い人が議員になって、なかなか議員活動の報酬だけでは生活できないということがあります。市区町村議会は市などによって報酬の違いがあると思います。そういうことも含めてどうあるべきなのかというのは考えていかなければいけない課題だと思います。本来そのようなことはそれぞれの議会でしっかり考えていただいた上で住民の皆さんに投げかけていただくのが望ましいのではないかと思います。
信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
つまり一つには報酬というかその生活を支える部分、生活保障できるのかどうかというところが大きいのではないかということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
私は必ずしも議員の報酬で生活した方がいいかどうかというと、必ずしもそれが全てだとは思っていない立場です。むしろ多様な議会のあり方があってもいいのではないかと思いますので、非常に専門性を高くして、議員の皆さんには議会活動に専念していただく代わりに、議員の数は減らして報酬を上げていくという考え方もあると思います。逆に夜間だとか休日だとか、多くの皆さんが議員として参加しやすいような時間帯に議会を開いて、他に仕事を持ちながらでも議会にコミットできるという方法、報酬はそんなに高くないけれども、多くの皆さんが地方行政に参加するというようなやり方もありうると思いますので、報酬をもっと上げなきゃいけないとか、議員の数を減らさないといけないとかということではなくて、全体としてどのような形が望ましいのかということは、それぞれ考える余地があるのではないかと思います。
信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
今知事がおっしゃった二つの議会のあり方の話は総務省の有識者の会議が出している集中専門型と多数参加型の2つのことをおっしゃっているのかと思ったのですが、そのようなイメージですか。
長野県知事 阿部守一
その総務省の話は読んでいないですけれども、国によっても議会制度は違いますし、法律、例えば地方自治法などでもっとしっかり考えるべきだという議論もなくはないのだろうと思います。ただそうすると、例えば横浜市議会も、人口数百人の村議会も同じ形でいいのかというと、いろいろなところを実際見ると、 必ずしも同じでなくてもいいのではないかと思います。そうするとやっぱりそれぞれの市区町村議会の中での議論というものも必要なのではないかと思います。そうしないと、ふるさと納税の話ではないですけれども、国がルールを示してその枠の中でやってくださいという話になるのは、自治の観点からすると、 必ずしもいいことではないのではないと思います。いつも東京の人たちというか、国の関係とか国の審議会の人たちが議論して、地方議会でこうしようとか地方をこうしようと言われるのは、私自身は違和感を持っています。そういう意味ではやっぱり各地域でもっと考えてもいいのではないかと思います。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
教育委員会のことについて2点お伺いします。まず1点目、原山教育長が就任されて大分経ちますけれども、わいせつ行為に関しては、原山教育長が就任された年に7件起き、その後も毎年続いている状況です。教育長として原山さんがやってきた事全てを踏まえての原山さんの評価と、わいせつ行為に対する、原山さんの実績に対する評価をそれぞれ教えていただけないでしょうか。
長野県知事 阿部守一
教育長に対する評価という観点もさることながら、県の教育委員会全体として、教員のあり方については問題意識を持って取り組んできているところです。学校評価や授業評価の導入をはじめとして、いろいろな取り組みをしてきているわけですけれども、私としてはそういうことの実績成果を一度整理して、県民の皆さんや私に対しても示してもらいたいと思っています。それは教育委員会に対しては期待するところであります。
その上でこういった不祥事が起きる要因というものをしっかり分析して対処してもらわなければいけないだろうと思います。正規教員、正規職員以外の職員も学校現場に多くいるという中で、全ての教育にかかわる人間が子どもたちのために仕事をしているのだということと、子どもたちのメンタル面を考えたときには、普通の職場以上に先生方学校関係者の不祥事は非常に大きな影響を与えかねないということをぜひ全ての皆さんにしっかり自覚を持って対応してもらいたいと思います。
中日新聞 渡邉陽太郎 氏
2点目です。この前の教育委員会の定例会で、教職員のわいせつ行為の特別対策の改訂版とともに、情報公開のあり方についても正式に決まりました。情報公開のあり方に関しては実質前回より後退していて、それに対して教育長が会見の場で、教育長は子どもの権利や利益の方が最優先ということをおっしゃっていました。しかし今、保護者の方が不安に思っており、その保護者に対して具体的な行為等の情報を示したり、個人が特定されない程度の検証する機会を与えたりすることより、被害者の子どもの権利や利益が優先されるのかと聞いたところ、教育長は、それは被害者の方が優先されるとおっしゃっていました。それをやるのであれば、今回の情報公開の範囲のあり方については、自分たちで作った検討委員会だけではなくて、パブリックコメントを行って、保護者にも広く意見を求めることがあってもいいのではないかという質問が報道陣から出ましたが、教育長の方は、基本的には情報公開条例の範囲にあるので、パブリックコメントをやるにはなじまないとおっしゃっていました。結局非常に閉鎖的で、この体制になれば普通の人は隠蔽(いんぺい)体質だと思うのですけれども、この状況は本当に正しいのかという知事の見解をお願いします。
長野県知事 阿部守一
この間の会見の後、教育委員会と相当話しました。私自身もいろいろ考えなければいけないと思ったのですけれども、議論をもう少し整理していかなければいけないのではないかと思っています。1つは、教員の人たちの特にわいせつ行為に対しては、普通の他の公務員よりも厳しく臨むべきだと思っています。それが先ほどの保護者の心配という話に関連するのだと思います。
わいせつ行為に対しては、これまで行われたものを見ると、例えば自分の学校の生徒に対するものと、自分の学校じゃない生徒に対するものと2通りあります。自分の学校の生徒に対する行為は、非常に関係者間の関係の度合いが密ですから、子どもたちのプライバシーに相当配慮を払わないといけないと思います。他方で、学校外とか違う学校とかですね、そういうところは少し状況も違うかと思っています。自校以外のわいせつ行為については、例えば最近6件ありますけれども全員辞めています。免職か退職、自己都合退職で辞めています。もう辞めているので学校の世界から排除されている。排除されているということは、また同じようなことが起きるということには基本的にならない状況だと思います。
子どもを守らなければいけないということは、教育長が言うとおりだと私も思っています。報道等されることで、もう1回傷つくようなことは絶対あってはいけないと思っています。ただ、そういうことがなぜ起きるのかということと、もう1回起きないようにするにはどのようにすればいいの、というようなことについては、しっかり考えていかなければいけないと思います。そういう意味では個別の事件と行為が関連づけられるような出し方というのは、少なくとも自校の生徒に対してのわいせつ行為は、教育委員会の考えている方向でやるべきだと思います。ただ、一定期間経過した後に、どのようなことに対してどのような対応しなければいけないかという議論を行う際の問題意識の共有というのはこれまで以上に行われなければいけない部分があるのではないかと思っています。そういう話を教育委員会等ではさせてもらっています。教育委員会においても、子どものプライバシーには最大限配慮しながらも、どのような形で県民の皆さま方のご理解を得ていくかということについてはしっかり考えてもらえると思っています。
どうもありがとうございました。
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