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更新日:2019年4月4日
長野県知事 阿部守一
今から会見を始めます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
私の方からは、まず本日の部局長会議で決定、報告した事項についてお話を申し上げたいと思います。
初めに11月補正予算案についてです。今回の11月補正予算自体の規模は16億円余ということですが、債務負担行為として101億円余を設定させていただいています。今回の11月補正におきましては、まず「台風21号、22号による災害への対応」、そして、これまで検討を重ねてきました「消防防災航空体制の再構築」、さらには「県立武道館の整備」、「東山魁夷館の改修」、こうしたことを進めていく上で必要な予算を追加計上させていただきたいというものです。
「台風21号、22号による災害の対応」といたしましては、県内各地で道路の路肩崩落あるいは河川の護岸の破損等が発生しています。地域の皆さま方からも早期の復旧を求められてきていますので、こうした土木施設を迅速に復旧していくための予算を追加計上していきたいと考えています。
また2点目ですけれども、「消防防災航空体制の再構築」です。市町村あるいは消防機関の皆さま方とこれまで検討を重ねてきました。そういう中で、やはり安全第一ということが強く求められていますし、私どもとしても二度と事故を起こさないという決意で臨んでいきたいと思います。そういう中で、来春の林野火災、消火活動の再開に向けまして、ヘリコプターの機体の借り上げ、あるいは操縦士等の派遣受け入れに要する経費を計上させていただくこととしました。訓練の十分な実施と段階的な手順を踏んだ上で、消火、救助活動等を再開していきたいと考えています。詳細につきましては後ほどまたご説明を申し上げたいと思います。
それから3点目ですが、「県立武道館の整備」事業についてです。こちらの両側に武道館のイメージ図を記載させていただいていますけれども、2019年度中の供用開始を目指して、債務負担行為を設定したいというものです。武道の拠点という位置付けでもありますし、また武道以外のスポーツ、文化活動、イベント等にも幅広く活用できるようにしていきたいと考えています。多くの県民の皆さま方から利用され、愛される施設となるように努めていきたいと思っています。
それから4点目ですが、「東山魁夷館の改修」です。2019年度のリニューアルオープンに向けまして、債務負担行為を設定していきます。時代の変化に合わせて機能充実を図るため、エレベーターの増設によりますバリアフリー化ですとか多目的トイレ、授乳室の設置等の改修を行っていきたいと考えています。現在、信濃美術館本館につきましては、基本設計を行っているところですので、併せて本県の文化芸術の中核としての役割を担うにふさわしい施設となるよう取り組んでいきたいと考えています。
続きまして、条例案についてです。条例につきましては、お手元の資料2の通り一部改正条例案4件、新設条例案5件、廃止条例案1件を提出する予定です。
まず「長野県森林づくり県民税条例の一部を改正する条例案」ですけれども、森林づくり県民税の使途を森林の多様な利活用の推進等に係る施策に拡充させていただきたいと思っています。その上で、5年間超過課税を継続するという形にさせていただきたいと思っています。事業の検証、評価等に関する規定を新たに設けていきたいと思っています。この県民税につきましても、後ほどもう少し詳しくお話を申し上げたいと思います。
それから、条例の8番目、9番目の国民健康保険関係の条例です。来年度から県が国民健康保険事業の財政運営の責任主体となります。そのため市町村に対する保険給付費等交付金の交付等について、あるいは市町村から徴収いたします納付金の算定の基準等について、それぞれ定めるものです。
また10番目の「長野県短期大学条例を廃止する条例案」ですが、長野県短期大学の運営を公立大学法人長野県立大学に引き継ぐことに伴いまして短期大学条例を廃止するものです。予算案、そして条例案の具体的な内容につきましては、後ほどそれぞれの担当部局等に取材いただければと思います。
長野県知事 阿部守一
それから、予算にも出てきましたけれども、県立武道館についてお話を申し上げたいと思います。県立武道館につきましては、昨年の5月に「県立武道館基本構想」を策定させていただき、昨年6月補正予算におきまして、設計委託料を計上いたしたところです。このたび施設概要を公表させていただき、その上で11月定例県議会に債務負担行為57億1,000万円余の補正予算案を提出するものです。具体的な設計に当たりましては、関係者、有識者からの詳細な意見聴取を行っていきます。
施設の特徴ですけれども、大きく3点あります。
一つは武道の特性にこだわったということです。例えば、床の構造を武道に特化した構造にさせていただいています。下地の弾力性あるいは仕上げの木材、こうしたものにこだわりをもって建設していきたいと思っています。県として設置するものですので、全国レベルの大会も十分開催できる規模を確保します。本県、武道の聖地として武道館の設備を備えた武道振興を武道団体の皆さま方と一緒に進めていきたいと考えています。
次に、多目的に利用できる「選ばれる」施設という点を重視しています。利用者目線で工夫を凝らすなどの取り組みを行っていきたいと思っています。まずはコンサート等の開催も可能にするという観点で、ステージを設置しています。これは施設の有効利用あるいは利用率の向上に繋がるものと考えています。また3,000席設置可能な施設としています。これは、東信地域では最も収容人員が大きな施設となりますので、地域の皆さま方からも大きな期待を寄せられているところです。今後、こうした点を各方面に積極的にPRさせていただき、地元の皆さま方と連携しながら、さまざまな催しを行う場にしていきたいと思っています。主道場につきましては、近年の大規模災害におきましては支援物資の集積場所が必要になってきます。この武道館も支援物資の集積場所として活用できるように床の耐荷重も強化させていただきたいと考えています。この主道場を佐久地域の物資拠点にしていきたいと考えています。
それから3点目ですが、環境を景観に配慮させていただきたいと思っています。浅間山の山麓ですので、浅間山の眺望を意識して建物を配置していきます。また建物の断熱化、自然エネルギーの活用等によりまして温室効果ガスの排出を抑制するとともに、光熱水費等の維持管理費の節減にも努めていきます。将来への財産としてしっかり継承できる良い施設にするために、重点的にしっかりとした投資を行っていきたいと考えています。財政課との議論も経て抑制するところは抑制しながら、今回、基本構想の50億円程度から57.1億円まで増加しているところですけれども、先ほど申し上げたような理由に加えて、資材価格等の高騰を織り込んでこうした予算にさせていただいているところです。多くの県民の皆さま方から愛され利用される施設となるようしっかりした建築に取り組んでいきたいと思っています。
それから、佐久市との関係ですけれども、佐久市からは建設用地の無償貸与等多大なご協力をいただくこととしています。加えてこの度、建設費につきましては12.5億円のご負担を佐久市からいただけるということとなりました。大変ありがたいことだと思っていますし、先ほども申し上げましたように、地域の皆さま方の期待に応えられるように、そして、地域の皆さま方と一緒に有効活用できる施設となるように取り組んでいきたいと考えています。
それから本日は、県立武道館の設置運営に関しまして、アドバイザーを委嘱させていただきたいということで、おふた方のアドバイザーに同席いただいています。ご紹介させていただきますが、まず伊藤仁(いとう じん)氏です。設計から将来の管理運営に至るまで愛情を持って見守っていただきたいということで、武道関係者の代表ということで参画してアドバイスをいただきたいと思います。どうしても公共施設を行政が造ると、なんとなく仕事で造ってしまう。自分の家を造るときのように愛情を込めて、われわれ県としても努力をして造っていかなければいけないと思いますけれど、ぜひ伊藤さんには武道の精神を熟知した立場からぜひ愛情をもって、建設からこれからの育成まで引っ張っていっていただきたいと思います。それからもうおひと方、神奈川大学の大竹弘和(おおたけ ひろかず)教授です。大竹教授には施設をより有効に活用していくという観点でアドバイスいただきたいと思っています。官民連携、そして公共施設のマネジメントの専門家でもあります。ぜひ大竹教授のアドバイスをいただきながら、この施設が有効に活用され、そして財政的にも効率的な運用が図れるように努力をしていきたいと思っています。またおふた方の他、さまざまなコンサート等のイベントを積極的に誘致していくということが重要だと考えていますので、現在、NAGANOプロモーションアドバイザーをお引き受けいただいております、黒井昭典(くろい あきのり)さんにも併せて協力をお願いしているところです。それでは、アドバイザーのおふた方から一言ずつご発言をいただければと思いますので、よろしくお願いします。
県立武道館アドバイザー(武道部門) 伊藤仁 氏
皆さんこんにちは。長野県空手道連盟の伊藤といいます。私は昨年の県立武道館基本構想検討会議の委員として関わって、今日までこの武道館の設計の段階においても教育委員会にはたびたび意見を申し上げてまいりました。空手道の高校生、小中学生の全国大会の運営に携わっている立場からしますと、立地条件も素晴らしく、この武道館は非常に使い勝手が良い設計がされており、期待しておるところであります。今後は武道団体の代表として、また全国大会を運営するものとして、床の材質や手すりの形状、また、今日のデジタル社会に通用する県立武道館として、細かな部分までチェックをして意見を申し上げていく次第です。また、各種の全国大会を誘致するなど、武道館の積極的な活用や、武道の振興に向けた事業に教育委員会と連携して取り組んでまいりたいと思っています。以上です。
県立武道館アドバイザー(施設マネジメント部門) 大竹弘和 氏
こんにちは。神奈川大学の大竹と申します。現在、スポーツ庁の「公共施設ストック適正化ガイドライン」というものを作成して、全国の公共施設をより効率的にと。われわれが今掲げているテーマが、今までの公共施設をお金のかかる施設からある程度お金を生んでいこうということで、コストセンターからプロフィットセンターという考え方を目標に、全国の公共施設をもう一回見直していこうという作業をやっています。その中で、長野県としては、県立武道館を建設すると。武道だけにとどまらず、コンサートやさまざまなスポーツの事業がそこで開催されながらしっかり収益を上げられると。どこまで収益を上げられるかということについては教育委員会とこれから一緒に利用料金の設定も含めて検討していくのですけれど、単なるコストのかかる施設から、収益を上げながら税金の負担を少なくしていくということを狙いとしてアドバイスさせていただきます。もう一つは、私の専門はモニタリング、第三者評価というモニタリングの本とかも書いております。これからの公共施設については官がしっかり運営者のチェックをしていく、約束事、業務仕様書、それから運営で達成するという目標がしっかり達成できているかというものを、第三者評価の仕組みを使ってチェックをしていくということが、これからの官と民の連携で非常に重要になってきます。この武道館の運営の中には運営者を管理してしっかりした業務を遂行してもらうという仕組みも導入していこうと思っています。私からは以上です。どうもありがとうございます。
長野県知事 阿部守一
伊藤さん、大竹さん、ありがとうございました。ぜひおふた方のアドバイスをいただきながらより良い施設になり、そしてより良い運営が行えるように努力していきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、大きな項目として「消防防災航空体制の再構築」についてです。6月から「消防防災航空体制のあり方検討会」で検討を重ねてきたわけですが、県としての対応方針を本日公表させていただくということで、昨日のあり方検討会におきましては、新しいヘリコプターを購入するという方向性が中長期的な観点では示されて、消防長会長からは訓練の再開に備えて消防吏員を来年1月から前倒しして従来の体制に戻していくということが表明されたところです。県としては、今後十分な訓練を行った上で、安全運航できる体制を確認して、その後、来年春の消火活動からの段階的な活動再開を目指していきたいと思っています。年度内を目途として、民間航空会社から機体の借り上げ、そして操縦士等の派遣により訓練を開始していきたいと考えています。
また、安全運航体制、活動再開の大前提ですが、年内を目途といたしまして、消防防災航空センターにヘリ運航を指揮されていた実務経験者を新しく安全運航管理幹という形で配置していきたいと思っています。また、運行開始後は、第三者による運行状況のチェック、あるいは助言、指導を行っていただくことを考えています。また、ダブルパイロット制ということで、機長が体調不良等の不測の事態に陥ったときにも、対処できるように安全管理を徹底していく考えです。
中長期的な体制については、昨日のあり方検討会の方向性を踏まえて、新しい機体の購入に向けた準備を進めていきたいと考えています。操縦士の確保、あるいは山岳救助への対応、こうしたことについてはあり方検討会において引き続き検討を行っていきます。市町村、消防機関の皆さま方と、これまでもしっかりと対話を行いながら、検討を行ってきたわけですが、これからも関係者の皆さま方のご理解を得ながら、隊員の安全をしっかりと確保しながら、消防防災ヘリコプターの再運行、再構築に向けて取り組んでいきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから、「森林づくり県民税に関する基本方針」についてです。9月21日に、県としての考え方を基本方針案として取りまとめ、それを元に県民説明会、あるいはパブリックコメントを行わせていただいたところです。私も県民説明会に参加しましたが、参加者の方々のほとんどは、森林整備は重要だ、森林づくり県民税はしっかりと継続すべき、というご意見を持たれていると受け止めましたが、もとより、パブリックコメント等では大北森林組合等の問題もあって、反対というご意見も出されているところです。多くの皆さんのご意見としては、今までの森林税は、例えば森林関係者からすると少し使い勝手が悪いところもありますし、今まで直接的にメリットを感じてこられていなかった県民の方からは、もう少し使途を拡大したらどうかというようなお考えが示されてきているところです。今回の森林税の活用事業については一定の要件緩和を行うことにさせていただいています。
また、対象になる事業部も教育、観光、環境といった観点も含めて、これまでよりも拡大させていく方針にさせていただいているところです。また、松くい虫対策については非常に要望が強いことを改めて、今回の意見交換を通じて、私も実感していますが、森林づくり県民税だけで松くい虫対策に対応するわけではないことは、まずご理解いただいた上で、例えば里山整備を進めていく中で、松くい虫被害地を植栽で再生していく取り組みであったり、あるいは、鳥獣被害対策のための緩衝帯整備であったり、こうしたものを里山整備への一環で実施していけることを明確にして、県民の皆さま方からのご意見にもできるだけ応えようという方向で対応させていただいています。
また、里山整備を行う際の所有者との協定期間が長すぎるというお話もありましたので、現行の20年から10年に緩和するような対応も行った上で、今般、「森林づくり県民税に関する基本方針」を決定したところです。30年度以降、5年間県民税の均等割の超過課税という形で、個人の皆さま方には年額500円、そして、法人の皆さま方には法人県民税均等割額の5%、ご負担をお願いしていきたいと思っています。
これからの県議会でご審議いただくわけですので、まずは県議会の皆さまのご理解をいただけるように努力すると共に、併せて、県民の皆さま方からご理解いただけるように、引き続きしっかり取り組んでいきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
総合5か年計画の案の概要についても、部局長会議で報告されたわけですけれど、まず、私からは、総合計画審議会においてご議論いただいた濱田会長はじめ、委員の皆さま方に心から感謝申し上げます。その上で、今回、学びと自治の力で拓く新時代という大きな命題を審議会の皆さま方から受け取ったわけですので、これからそうしたものを最大限具体化できるように取り組んでいきたいと思っています。部局長会議で申し上げましたけれど、パラダイムシフトをしていかなければいけないテーマはたくさんあると思っています。新しい時代に積極的に立ち向かっていく上では、まずは行政も学びの組織に変えていかなければいけない、学習する組織に変えていかなければいけないと思っていますし、県全体をかつての教育県とは少し違った形ではあるけれども、やはり、学びの県だなと自他共に認める県にしていきたいと思っています。
また、いろいろな取り組みを進めていく上では、均一的、画一的、あるいは上意下達的な、中央集権的な仕組みが日本は長く続いているわけですけれども、地方分権の拡充といった観点のみならず、やはり地域の皆さま方が、あるいは市町村が、主体的に取り組み、そうしたものをわれわれも積極的に応援していく、いろいろな地域であったり、団体の自治がしっかりと長野県で実現していく環境も作っていかなければいけないと思っています。
もとより、われわれ県という組織も地方公共団体ですので、どうしても県の仕事のほとんどは国の法律等で決められた仕事が多くなってしまうので、そうするとなんとなく国に言われたことをやるのがわれわれの仕事という感じになりがちですけれど、常にそうならないように口を酸っぱくして、いろいろなところで申し上げてきていますけれども、これからますますそうした視点を強く持って、自治という視点もしっかり新しい総合計画の政策づくりの中に据えながら、取り組んでいきたいと思っています。
これから、5か年計画については、県議会の議決も、最終的にいただいていかなければいけませんので、しっかりと今回の審議会の答申を踏まえた検討を行って、未来に向けて県民の皆さま方と目標を共有できるような、夢や希望がある計画にしていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。私からは以上です。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
この時期に県立武道館を建設して、2019年度に供用する意図を改めて教えてください。
長野県知事 阿部守一
武道館の議論はかねてから行われていたわけですけれども、今はほとんどの都道府県で県立の武道館が設置されてきている状況です。一つは、武道が平成24年度に必修化という形で教育の中にしっかり組み込まれたということが大きな要因ではないかと思いますし、また、武道団体の皆さま方も、これまでもスポーツとしての側面のみならず、青少年の健全育成という観点からも、あるいは、日本古来の精神性を引き継いでいくという観点からも、武道の重要性ということが言われてきていますので、そういう中で私ども長野県としても武道振興の中核となる拠点として、今回、県立の武道館を設置していきたいと思っています。
折しも東京オリンピックが2020年に開催される予定になっていますので、そこの時点に間に合うように取り組んでいきたいと思っていますし、また併せて10年後の国民体育大会、障がい者スポーツ大会が内々定しました。それに向けて、武道をはじめとしてスポーツのさらなる振興ということが、われわれの大きなテーマになってきますので、そういう中でも、この武道館というものは大変大きな意義があると考えています。
日本経済新聞 佐伯遼 氏
アドバイザーの伊藤さんにお伺いしたいのですが、先ほどデジタル社会に通用する県立武道館というご発言があったと思うのですが、具体的なイメージがあれば教えていただきたいのですが。
県立武道館アドバイザー(武道部門) 伊藤仁 氏
今、他の県からも全国大会のアドバイスを求められており、それはなぜかというと、平成25年に長野市のビックハットで、全国の中学生の空手道選手権大会を開催したのですが、そのときに、今までもこれからもできないような全国大会だと称賛を受けました。
その後、他の県からも全国大会開催に当たってアドバイスいただけないかということで、今年、山梨でやった大会は、準備に関してはほとんど私がプロデュースして全国大会をやったわけですけれども、デジタル化というのは、今の全国大会というのは、まさにリアルタイムにインターネットで配信するような時代になっているわけです。
だから、高校の大会も全ての全国大会がリアルタイムでインターネット配信されて、みんなスマホでも見られるし、もちろん家庭でも見られるわけですが、そんな形の中で、そういう対応が各施設を見ると遅れているのです。例えば電話回線でしっかりとしたものがなくてはいけないとか、いろいろとありまして、まさにそういうところまで細かいところまで考えて、昔の箱だけ造ったという状態ではなくて、これからは細かいものに対応できる、全てのデジタル社会に対応できる会場づくりが必要だというのは、つくづく感じております。そんな関係でたまたまそういう話になったのです。
信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
知事に伺いたいのですけれども、昨年5月の基本構想のときには建設費が約50億円ということになっていましたが、今回57億円ということで、だいぶ増えたなという感じはあるのですけれども、今後、実際に建設していく中で、さらに建設費が上がっていくということは考えられるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
現時点で適正な見込みをして予算計上しているということなので、それは急激な情勢変化があれば全くないと断言できないところもありますけれども、適正な金額を計上していると思っています。
信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
もし建設費がこれ以上に上がる場合、その際はさらに補正で対応するのか、それとも施設規模を縮小なり見直すなりして考えていくのか、今どうお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今申し上げたとおりで、今回、予算を計上するときに、そんなことを想定しているわけではないので、それは全く仮定の話ですので、ここでお答えするような話ではないだろうと思います。
信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
基本構想のときにはなかったステージを、今回付けることになったというのは、例えば佐久市から要望があったとかいうことがあるのでしょうか。
スポーツ課長 内山充栄
今回のステージの設置ですが、もともと多目的に利用できる、選ばれる施設を目指すということをうたっていました。具体的な設計を検討する過程の中で、マネジメントの観点からも、従来型の施設ではなく多様な利用ができる、そういう施設にすべきだという、さまざまなご意見もいただいて中で、利用形態の選択肢も広げていくために、多くの集客も見込めるように、こういったコンサートが可能なステージを設置することにしたということです。
信濃毎日新聞 井手拓朗 氏
佐久市から要望があったわけではなく、県で考えたということなのですか。
スポーツ課長 内山充栄
われわれ教育委員会として、関係者と協議をする中で決めてきたということでして、佐久市からご要望があったものではありません。
長野県知事 阿部守一
佐久市からイベント等でも使えるようにして欲しいということは言われているわけですよね。
スポーツ課長 内山充栄
はい。佐久市としても地元の方の多目的な利用については、大変期待されているという話は聞いています。
読売新聞 丸山修 氏
武道館の収支の見通しについて伺いたいのですが、地域行事やスポーツ行事などと比べまして、コンサートなどの商業利用は収益が読みにくいところもあるかと思いますけれども、収入のどの程度をそこに依存していく見通しで考えていらっしゃるのかという点と、東信では最大ということで、東信ですと新幹線による首都圏からのアクセスなどにも恵まれていると思いますけれども、どういったクラスのアーティストですとか、どういったジャンルのコンサートが想定できるのか。知事は先日EXILE(えぐざいる)のHIRO(ひろ)さんと懇談されて、芸能関係にもご関心があるのかもしれませんけれども、その辺りについて、知事とアドバイザーの方と、それぞれにご見解をいただきたいと思います。
県立武道館アドバイザー(施設マネジメント部門) 大竹弘和 氏
コンサートをどれだけ想定しているかということについては、まだ検討段階です。
長野県知事 阿部守一
この施設の維持管理費は、現時点で県の負担額は1億円程度と考えています。これは収支等も一定程度考えた上で見込んでいますが、ただ、今お話ありましたように、大竹先生からもいろいろアイデアをいただきながら、一つは使用料の設定の仕方に工夫が考えられると思いますし、われわれとしては先ほどのステージの話もありますが、武道館として、武道関係の活用は最大限行っていただきながらも、そうしたことで空く部分については最大限、さまざまなイベントや地域行事等で活用していけるようにしたいと思っています。
先ほど申し上げました、東信地域で3,000人が入れる場所はないので、それなりのアーティストとか興行を呼んでこようとすると、あまり施設が小さいと、興行自体がなかなか難しいというところもありますので、そういう意味で3,000人収容ということを、よりアピールすることによって、いろいろな活用ができる、東信地域における最大限の収容人員ということを、しっかりアピールしていきたいと思っています。
それと同時に、武道関係の全国的、県レベルの催しは、かなり多く県立武道館で行っていただく方向で武道関係団体の皆さま方にもご協力いただいていますので、そういう中で、しっかりと武道としての活用も行っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
今、冒頭知事の方からお話ありましたこの消防防災航空体制の再構築の関係なのですが、知事の方からも機体の新しい購入に向けた準備を進めたいというお話がありましたけれど、一方で有利な起債も使える期限もあるということで、新たな機体の購入のスケジュール感みたいなものは今どのように考えていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
スケジュール感は、先ほど申し上げたように、新たなヘリコプターを購入していくという方向性が検討会の場で確認をされた段階ですので、われわれとすれば、機体の購入に向けた準備を着実に進めていくということだと思っています。これは、発注してすぐ買えるというようなものではないということですので、そういう意味ではしっかりと手順を踏みながら、購入できるように取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
そうすると、お尻をいつまでにとかそういうのを定めてというよりは1個1個手順を踏んでという感じなのですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。機体を自前で購入してやっていきましょうという方向性を関係の皆さま方が共有されていますので、その方向で進めていきます。その方向で進めていきますけれども、一定の期間がどうしてもかかってしまいますので、その間は先ほどのリース方式で対応していきます。並行して機体の購入に向けた取組は着実に進めていくという形になります。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
わかりました。冒頭のお話の中からもう1点、森林税の基本方針の中で、ちょっと私の聞き間違いだったら申し訳ないですけれど、マスコミ対策という言葉を知事2回使われていたかと思ったのですが。
長野県知事 阿部守一
そんなこと全く言っていない…松くい虫対策ですね。神経過敏になっているのでしょうけど。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
すみません。森林税の話でちょっと少し神経が尖っていたのかもしれません。
もう1点すみません。北安曇地方事務所の林務課の過去にあった話ですけれど、里山の集約化事業の書類の関係で、職員が無断ではんこを押したり、日付を書き換えたりしたという不適切な事務処理があったかと思うのですが、知事も前回の2日の会見以降にいろいろ事実関係もお聞きになったりしたかとは思うのですが、改めてこの問題が起きた背景とか原因っていうのをどのように認識されているかというのを教えていただいてもよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、この問題は、もう相当昔の話に今となればなってしまっているので、われわれもそのときの状況がどうだったかということを書類をひっくり返したり、関係者の話を聞いたりして、だいぶ整理をさせていただいてきていますし、そうした内容はメディアの皆さま方にもこれまでもお伝えをさせてきていただいていると認識しています。そういう中で、この北安曇の地域はなかなか森林整備が進まない中で、いわゆる協議会方式をとって、要は、本来地域の人たちがやるべきことを、県の職員が協議会の職員という、協議会の事務を行うという形になって、事業進捗を円滑に進めましょうという、ある意味こういう形式をとったこと自体の考え方は、善意の考え方です。善意の考え方というのは、要するに地域の森林整備がなかなか進みづらいところを少しでも進めようという思いが、これは県にもあり、そして地域の皆さま方にもご理解いただいて、そういうやり方をとったと思っています。ただ厳密に言えば、やはり事務手続き上は、本来個別に委任状を取るか、あるいは本人に直接印鑑を求めたりするということが望ましい対応だと思いますので、そういう意味では不適切な事務処理の仕方も一部あった、そういう部分もあったという状況だと思っています。今はこのような方式は、全くとられていない訳ですので、私もこの間報道をご覧になった方達から、いろいろなご意見とかご質問いただいた訳ですけれども、現状こういうことが行われてないということであったり、あるいはこういう協議会方式をとる中で行われたものであるということであったり、森林整備自体は適切に行われている、基本的には行われてきている訳ですし、所有者の皆さま方としてもそれは整備されて良かったと思っていただけているとわれわれは理解していますので、そういうことについては、逐一いろいろな方から言われる度にご説明をさせていただき、そうなんですかというふうに納得をいただいているところです。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
わかりました。その上でなのですけれど、前回2日の会見のときには知事の方からは、本誌の報道について事実誤認だったり、誤った記事というようなお話もされていたのですが、その辺の認識というのは今も変わりありませんか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、何でそういうご質問をここでされるのか今一つ私は理解しかねるところがありますけれど、御社に対しては、こういう点を訂正してほしいということは、われわれの方からはお話させていただいていますよね。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
この間、林務の方と意見交換させていただいたのですが、訂正をしてほしいというお話ではなかったです。こういう形で何の承諾もないまま、あたかも事業が進められたような印象を与える記事なのでその辺の書き方は工夫してほしいって…
長野県知事 阿部守一
優しいですよね、林務部の人達が優しいからこういういろいろな事件に私はなってしまうところがあったのだと思いますけれど。はっきり直してくださいと。そこはちゃんと言った方がいいと思うのだけど。
森林政策課 福田雄一
ちょっと認識の違いがあったらということなのですけれども、申し上げたのは、2点一般の読者の方に誤解を招く、そういう内容になっているのではないかということについて申し上げた上で、特に協議会の事務局として事務の代行をしていたということ、それから、別途あたかも何の承諾もなく行われたというようなことではないということについて申し上げて、承知をした上で書かれているのであれば明らかに誤解を与える記事であり、訂正をしていただきたいと、承知していないのであれば追加記事の掲載をお願いしたいとお話をさせていただいたかと思っております。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
ちょっと待って、その辺また後で少しこちらの認識とも違うところがありますので。
長野県知事 阿部守一
そうですね、もう少しよく話し合っていただいた方がいいのではないかと思います。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
まあ、そうすると、一つには、やはり地元への説明責任という話もあるかと思うのですが、その辺、説明会なりを開いたりして、地元にきちんとこの問題も伝えるというのも必要なのではないかなと。
長野県知事 阿部守一
これ、会長の皆さん達には、お話をしていますので、ちょっと事務方から説明させます。
信州の木活用課長 河合広
所有者への説明ということで質問を受けたと思うのですけれども、それぞれの森林整備協会の会長さんには個々に協議会長に事業の認識があったということを確認するとともに、適切でない事務処理があったことをお詫びしてご理解をいただいています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
分かりました。すみません林務部さんとまだ少し認識が違うところもあるようなので、またちょっと。
長野県知事 阿部守一
そうですね、これ10月31日の記事で例えば交付金の申請自体を承知していなかったと反論している。地元団体が反論しているというふうに記載をされているところですけれども、交付金の申請自体を知らないというよりは、交付金の交付請求書自体は、会長さんが出されているわけですよね。出されているというご説明はさせていただいていると思います。これを私は、中国で読みました。とんでもないことやっているなと私は正直最初思ったのですけれども、とんでもないというのは、所有者の同意を得ずして、事業をやっているということはあり得ないですよね。そんなことが行われているというのは、とんでもないというふうに思って私はこの記事を読みました。しかしながら、先ほど申し上げたように、協議会方式で協議会を作って森林整備やりますよというような説明会も地域の皆さま方とはさせていただいていますし、また、この事務で行った森林整備自体については、地域の皆さま方のご意向に沿ったものとわれわれは認識しています。特に、もし無断で森林整備をやるのは完全に所有権の侵害になっているわけですから、そうしたことにはなってないということ等を鑑みれば、ここで書かれている内容を、細かい点で見れば、ここで言っている交付金というのは、交付金の申請書の作成行為だという見方をすればそのように読めなくもない部分もあるかもしれませんけれども、しかしながら、全体として見たときにはこれはちょっとミスリードをさせてしまう、読者に対して誤解を与える部分があるのではないかなと思います。また、協議会の事務を職員が行っていたわけですので、そういう意味で交付金を受け取る同協議会ではなく同職員が作成したものであったというような記述というのも、これは協議会方式ということからすれば、やや不正確な部分もあったりしますので、ぜひそうしたところは少し事務的に、林務部もはっきり言うことは言ってもらって、少し意見のすり合わせをしていただく必要があるのではないかと思います。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
分かりました、ありがとうございました。
毎日新聞 鈴木健太 氏
私も今の不適切な事務処理の関係で、1、2点お伺いしたいのですが。
私も担当課、林務部をこれまで何度か取材しているのですけれども、前回の知事会見でも知事がおっしゃいました検証委員の報告書の時点では、もちろんその協議会方式であるとか、事務代行の話というのはもちろん承知はしていたのだけれども、日付を変えたりとかですね、はんこをあれだけたくさん事前に取り揃えたりとか、そういうことに関しては昨年1月の内部指摘の後に初めて分かったという話だったのですけれども、思ったよりも事務処理がずさんだったということについては、知事ご自身も、いつの時点でご存知になったのでしょうか。その昨年1月以降なのか、もっと言うと今回の一連の信毎の報道以降なのか、どうなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回の事件は先ほど申し上げたように、事務手続きの適切さには問題があったけれども、包括的には合意を得ながらやってきたわけですので、補助金の返還等にはその行為をもって直接的には結びついてないわけです。そうすると今回の大北森林組合の問題は刑事事件も含めた非常にでかい、極めて問題な案件ですから、そういう中でその部分は検証の対象にはなっていたけれども、そのことをもって補助金の返還請求の対象にはしていないということですので、全体の中でもわれわれとして、それが全く問題ないと理解していたわけでは必ずしもないですけれども、全体図を刑事事件になるような話から、億円単位で国に返還したりとか、そういうことをする中で、その部分についての詳細な情報提供というのは、必ずしもなされてなかった部分もあると思います。ただ、それはそういうところを今回出していくことが本筋の話だったかどうかというのは、それは判断は違うのかもしれませんけれども、われわれとすればやはり基本的に大筋の問題点はつまびらかにしていこうということで、個別に詳細に一件一件当たってきて、われわれが知り得たことをできるだけ丁寧にお伝えしようと努力はさせてきていただいています。今回の問題の情報開示が不十分ではないかというご指摘があるのは、それは真摯に受け止めますけれども、今回の里山集約化事業の流れがどういうことだったのかということは、メディアの皆さんには多分ご説明していないのかな。していなければもっとわれわれの方から積極的に、丁寧にご説明をして理解を得たいと思いますので、よろしくお願いいたします。
毎日新聞 鈴木健太 氏
ちょっと難しいところなのですけれども、ずさんはずさんでもいろいろ程度があると思うのですけれども、今回のレベルのずさんさというのは、個別に公表したりとか、職員に対して追加処分をしたりとか、そういうレベルのものではないという認識なのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
かねてからそういうやり方があったというのは、認識はしていたのですよね。そこは事務方にちょっと説明をさせてもらいたいと思います。
森林政策課長 福田雄一
取材にもお答えをさせていただいているところですけれども、検証委員会の場で、事務の代行をしていたと、不備があればその書き換え等も行っていたというようなことは検証委員会の報告書にも書かれていますけれど、そういう事務の代行方式について本質的にいろいろとやはり問題がある、トラブルを招きかねない方法であって、すべきものではないというような、そういう整理はさせていただいています。平成28年1月に、そういう報告が職員の方からありまして、細かい詳細な話についてさらに事実が入ってきたわけですけれど、その件についてはその時点で、特にその当時、補助金の返還の対象になり得るかどうかということが一番の主眼でしたので、その点を中心に調査をして、またさらにどのような声があったのかということについても整理をして、これは当然、当時総務部と一緒に検討はさせていただいていますので、その時点でさらにいわゆる処分の追加等の事態にはならなかったということです。
毎日新聞 鈴木健太 氏
分かりました。
最後に1点、ヘリの件でお伺いしたいのですが、昨日の検討会の県の説明だと国の防災・減災事業債を利用していくというつもりだと思うのですけれども。先ほどの質問ともかぶりますが、事業債を使う場合は期限があると思いますので、今知事考えているヘリ購入っていうのは、2020年度末までの納入というのが一つラインになっているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
事務的には検討していると思いますけど、私のところで予算的な詳細なスケジュール検討はまだしていません。そういう意味でちょっともし補足することがあれば説明してもらえますか。
消防課長 花岡徹
昨日の議論の中で委員さんの中からも、緊急防災・減災事業債の活用については積極的に進めるべきだというお話がありました。
昨日の段階で、借り上げ以降については新機体の購入を急ぐべきだというご意見をいただき、知事に報告させていただいたという状況で現在して、今知事からそういう準備を進めていくというお話をしていただきました。
今そういう段階ですので、一つ目には借り上げの方の固めを急がなければなりません。同時に、新機体購入する場合には詳細な仕様、特に長野県の場合には気象、山岳地形、いろいろな特殊な要素がありますので、そういった検討にもじっくりかからなければならない。当然、32年度末までの整備というのは非常に望ましいとは考えていますけれども、着実な手順を踏んだ上で進めていきたいと考えていますので、今の段階でいつまでにという、結論は持っておりません。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
私も防災ヘリの関係で1点お伺いしたいのですが、先ほど、知事は購入するというお考えを示されたと思うのですが、購入のする機体数は1機というお考えなのでしょうか。今までのあり方検討会でいろいろ見てきたのですが、そこの議論というのは基本的にはなくて、ただ、議論を見ていくと、大前提として1機という暗黙の了解というのがあった上で進んでいるのかな。というのが私の印象なのですが、それについてどのように考えていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
検討会の考え方は事務方に説明していただいて、その後、私が補足します。
消防課長 花岡徹
検討会としては、委員さんの共通認識として、まず1機の借り上げ、さらにはそれに交代する形での1機の購入という意識で進んできたと思います。ただ、検討の過程の中で数字にかかわることというのは明確に発言していないことは、委員さんからも無かったことは確かです。ただ1点、県警からオブザーバーで出席していただいている方から、早急に再構築を図るべきという言葉の中で、県警2機、防災ヘリ1機の3機体制で全県の安全を守る体制を早急に構築すべきだというご意見をいただいています。
長野県知事 阿部守一
という中で、ご指摘のように、2機体制にするみたいな考え方も、無くは無いのだろうと思います。当面パイロットの確保等をわれわれがこれからしっかりやっていかなければいけない状況の中で、まず、1機どうするかという部分で、来年に向けての対応とそれから1機購入する対応ということやっていきます。例えば本県もダブルパイロット制にしていこうと思っていますけれども、そうした動きの中で、パイロットに対する需要はこれからどんどん高くなってきて、確保もこれまで以上に難しくなってくるだろうと思われる中で、消防防災航空体制のあり方とかそれを担うパイロットの確保要請みたいな話は、もう少し国レベルで、しっかり考えていただくということもわれわれの方から併せて働きかけながら、全体として将来的にどうあるべきかということは考えていかなければいけないと思います。当面は、来年に向けてのリースと、それから、まず1機購入していくという方向で対応していきたいと思います。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
最後に一つ確認で、知事としても、緊急防災・減災事業債を使った購入が望ましいという考えをお持ちということでよろしいのですか。
長野県知事 阿部守一
いや、そこは検討会の結論がこうだということの報告を受けている段階ですので、財源の話について私のところで全く何も議論していません。ただ、消防防災航空体制のあり方というのは、先ほどから何度も繰り返し強調しているように、絶対事故を起こさないという安全対策が最優先だということで取り組んでいかなければいけませんので、そういうことを考えると、財源ありきで考えるということよりは、やはり着実にどういう体制が望ましいのか、どういう機材を購入するのが望ましいのかというようなことも含めて、しっかり一つ一つ検討を具体的に積み上げながら進めていくべきだと思っています。
長野朝日放送(abn) 藤井学 氏
部局長会議で出た話なのですが、LINEを使ったいじめ自殺相談の結果が増えたという、問い合わせが増えたというのを知事はどう受け止めていらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
これは全部の都道府県に先駆けてそのSNSを活用しての子どもたちの相談を受け付けということを、長野県として取り組んだわけですけれども、極めて短い期間だったにもかかわらず、多くの相談を受け付けることができたということで、私も皮膚感覚としては感じているのですけれども、やはり、今の若い人たち、子どもたちにとっては、電話をかけるという行為よりも、SNSでSOSを出したり、相談するということの方が、はるかにハードルが低いということが一つ分かったことだろうと思います。問題は部局長会議にも出ていたように、これからどうやって本当に課題解決とか、相談の充実に繋げるかということですので、そこは関係機関、子ども達、若者達の相談に乗っている行政の窓口も複数ありますし、民間の皆さんの相談体制もありますので、問題意識を広く共有する中でより望ましいあり方を考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 松嵜林太郎 氏
防災ヘリの関係で、先ほど知事が、パイロットの確保・養成というのがこれからも大きな課題としてあって、それについて、やはり国レベルで考えていく必要があるというお話をされていましたが、何かもう少し具体的に、今後、国に働きかけていく、こんなふうにやっていきたいというお考えがあればお願いします。
長野県知事 阿部守一
救急救助のあり方は、例えば有料化みたいな話も一部に出たりしていますけれども、やはりわれわれとしては、もちろん消防防災航空体制をしっかり確立して行くということが片方に重要ですけれども、やはり山岳遭難自体をどう減らしていくかということも併せて進めていくということが重要だと思っていますし、それが山岳県長野県としての責務だと思っています。登山安全条例を作って、入山届を提出したり、保険も義務付けにはしていないですけれども、入りましょうねというようなことも記載させていただいている中で、まだまだそういう取組の十分な徹底をしていかなければいけないと思います。また、消防防災航空体制というのは、山岳地帯での救助活動を考えるとほとんど県境になっているので、どうしても広域的な運用をする場合が多いです。そういうことを考えると、もう少し国レベルでも、われわれと一緒に、そのあり方を考えていただく必要があるのではないかと思いますので、今後、関係省庁には、人材育成であったり、救助のあり方であったり、われわれ自身ももちろん主体的に検討しなければいけないのですけれども、必要な要請をしていかなければいけないと思っています。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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