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更新日:2017年8月21日
長野県知事 阿部守一
今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
今日は私からは特段の発言事項はありませんので、皆さま方からのご質問をお受けしたいと思います。私もお盆のお休みを頂いて、岩手県の三陸の方に行ってきました。昔、私は岩手県庁で地方振興課長と税務課長を務めさせていただいていましたので、ある程度土地勘もある場所で、今は宮古市になっている田老町、それから陸前高田市の奇跡の一本松などを訪問しました。田老町は非常に高い防潮堤が当時から、当時というのはだいぶ前ですけれども、平成元年、2年、3年と岩手県に勤務していましたけれども、極めて高い、約10メートルの防潮堤に囲まれた町で、当時私の印象はこんなに高い防潮堤が本当に必要なのかという感覚でいましたけれども、いとも簡単にその防潮堤を乗り越える大津波が襲うという大変大きな被害を受けた地域の状況を、実際に被災されたボランティアガイドの方に案内してもらって見てきました。改めて東日本大震災の規模の大きさ、そして災害の恐ろしさを痛感してきました。岩手県には当県からも多くの職員が継続的に応援に行っていますので、引き続き被災地の復興が着実に進んでいくことができるように、県としても全力で取り組んでいかなければいけないという思いを新たにしたところです。私も何度も東日本大震災の映像等を見て、実際に震災後も現地に行って状況を見たりしてきましたけれども、今回ガイドの方から、その方は民宿を経営されていて、民宿自体が全くなくなってしまったという状況ですけれども、直接被災された方のお話を伺って、改めて行政として責任を持って対応するべきことを着実に進めていくことの重要性と、それのみならず、やはり過去の災害履歴の重要性を痛感しました。三陸地方はこれまでもたびたび明治、昭和、平成と大きな津波に襲われてきた地域であり、その地域の伝承、言い伝えとしては残っていました。そうした伝承の重要性、そして一人ひとりが自分ごととして、この災害防災に向き合うことの重要性についても、改めて痛感しましたので、長野県のこれからの防災対策、ハードとソフト両面で県としても対策を進めていきたいと思います。もう一つ、地域の皆さま方の自助、あるいは共助にもしっかり力を入れていきたいと思っています。冒頭、プライベートな話ですけれども発言をさせていただいて、あとはご質問いただければと思いますので、よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
今、冒頭お話しをされました、岩手の三陸の方に行かれて、知事の印象として復興の状況というものがどの程度進んでいるのかという点はどのようにお感じになりましたか。
長野県知事 阿部守一
高台移転をしている状況ですので、私は以前の姿も承知をしていますけれども、まず基本的に元の形には戻らない状況だということは深く認識をしました。住宅の移転等はかなり進んでいますけれども、私が宿泊した施設と同じ敷地内にもまだ仮設住宅があるという状況ですので、先般も岩手で知事会が開かれたときに長野県から行っている職員と話しましたけれども、まだまだやるべきことがあるなと思います。ハード面の整備もここしばらくが最後の仕上げの時期に差し掛かってくるということで、長野県の職員も責任感をもってやっていますけれども、今まさに大変な時、仕事量が多くて大変だと言っていましたので、まだまだ復旧復興は途上だなという印象を受けています。陸前高田の奇跡の一本松と言われているところも行ってきましたけれども、元の姿は全く想像できない地域になってしまっているというのが、私の率直な思いです。ともすると今災害が日本全国各地で起きているので、東日本大震災のことも過去の記憶になりがちですけれども、改めて被災地の皆さんの思いに引き続き寄り添っていくことが重要だと思っています。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
行政として責任を持って対応することの重要性をお感じになられたというお話でしたが、ハードとソフト両面の対策であったり、自助や共助も促していくという部分を指してということですか。
長野県知事 阿部守一
両面です。特に田老町の方では、先ほども言ったように万里の長城とも言われるような巨大な防潮堤がX字型にできていて、私はここまでの規模のものが必要なのかというぐらいの感覚をかつて持っていましたが、いともたやすくそれが乗り越えられてしまう。ただ、乗り越えられてしまったから全く無駄だったのかと言うと、ガイドの方のお話では、かなり軽減された部分もあるのではないかとおっしゃっていたので、やはりそうしたハード面での整備について行政はしっかり責任を持って行わなければいけないと思いました。長野県でも先の飯山の山腹崩落においても、砂防施設が被害の拡大を食い止めた状況もあるので、そうした意味でのハード面の整備は行政でしかできないことですので、しっかりやらなければいけないと思います。もう一つは自助、共助の部分、これは単に災害に備えましょうということだけはなくて、過去の歴史に学んでいくということは極めて重要だと思います。今、長野県も歴史館と砂防課が連携して、一部過去の災害履歴を整理する取り組みも始めていますけれども、改めて自分たちが暮らしている地域が過去どんな状況だったのか、どんな災害に見舞われてきたのかということについては、引き続き広く県民の皆さま方、災害を知らない若い世代や子どもたちにも伝えていくことの重要性も改めて認識しました。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
来週21日にLINE(ライン)の運営会社と子どものいじめや自殺の防止に関する協定を結ぶということで、詳細は当日ということかと思いますが、知事はどのような部分に期待されているか教えていただければと思います。
長野県知事 阿部守一
別途、会見を予定していますので、その時に整理してお話ししたいと思います。
信濃毎日新聞 千野雅樹 氏
先日、ロンドンで開かれた世界選手権の男子50キロメートル競歩で、小布施町の荒井選手が銀メダルを獲得したということで、2020年の東京五輪に向けて、かなり期待も高まると思うのですが、知事とすればどのようなご感想を持たれたか教えていただきたい。
長野県知事 阿部守一
荒井選手にはオリンピックに引き続いて活躍いただいていて、県民の一人としても大変うれしいですし、ぜひ、小布施町、長野県民、大勢の皆さんが荒井選手を応援していると思いますので、ますます活躍していってもらいたいと思っています。春の園遊会の時にもお会いしお話もさせてもらいましたが、非常に前向きに頑張っていると受け止めていますので、ぜひ、この調子を維持していっていただきたいと思っています。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
松商学園が甲子園で負けてしまったのですが、知事はご覧にはなりましたか。
長野県知事 阿部守一
直接は観ていないですが、報道で知っています。1回戦が圧勝という状況だったので、ぜひ、波に乗ってもらえればと期待していました。残念な結果にはなりましたが、甲子園で1勝したという誇りと自信を持ち帰って、それぞれの選手の次の人生に生かしていってもらいたいと思っています。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
信州DCが期間の半分を過ぎ、今、改めての知事の受け止めと今後の力を入れたいところや、誘客の目標、その辺りの意気込みをお願いします。
長野県知事 阿部守一
率直にいって、8月に入ってから天候があまり良くないということで、せっかくの信州DCをフルに生かし切れていないのではないかという思いがあります。今、聴き取り等を行ってきていますが、7月はほぼ前年並み程度ということで前回も申し上げましたが、8月は本格的な夏休みシーズンということもあって、地域によってバラつきはもちろんありますが、おおむね前年を上回ってきているような状況ではあると思っています。ただ、天候が良くない状況の中で、山岳関係の地域はなかなか苦戦をしているようですけれども、温泉地であったり、あるいはテレビCMで取り上げられているような観光地については、昨年を上回るペースで順調に入込客数が推移していると把握しています。これからまだ8月の後半、9月とありますので、しっかり結果が出るように取り組んでいきたいと思っています。テレビ局あるいはFMでの放送であったり、あるいはFacebookとかTwitterを活用しての情報提供等をこれまでも行ってきていますけれども、新たにJR東海と連携して名古屋駅でデジタルサイネージでの信州DCのCMを放送していきます。また、宿泊予約サイトで新しくクーポンを発行して、宿泊をインターネットで行ってもらう方に対しての訴求を強めようという取り組みを行っていきたいと思っています。まだ、できることはいろいろあると思いますので、これからの8月の後半から9月にかけても引き続き1人でも多くの皆さま方に訪れていただくことができるよう取り組んでいきたいと思っています。
長野放送 中村明子 氏
来週会見があるかと思うのですけれども、大北森林組合の補助金の不正受給の問題で、県の関係者への損害賠償を検討する検討委員会が、県の職員にも損害賠償を求めることができるのではないかという方向でまとめているかと思うのですが、それについて知事が何か聞いていることですとか、受け止めをお伺いできればと思います。
長野県知事 阿部守一
法的課題検討委員会においては大北森林組合に関係する損害賠償についての検討を行っていただいているという状況です。まだ最終的な報告がまとまっている状況ではありませんので、今の段階で私からコメントすることはありませんけれども、報告書がまとまりましたら、しっかりと受け止めて、県としての対応を考えていきたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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