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更新日:2022年11月30日

令和4年11月県議会定例会における知事議案説明要旨(令和4年11月30日)

 

 ただいま提出いたしました議案の説明に先立ち、当面の県政課題について御説明を申し上げます。

【次期総合5か年計画の策定】
 約1年間にわたる熱心な御議論を経て、今月18日に総合計画審議会からいただいた答申を踏まえ、次期総合5か年計画の案の概要を今定例会に御報告いたしました。
 様々な危機が複合的に押し寄せている現下の難局を乗り越え、信州から未来を切り拓(ひら)き、真にゆたかな社会を創るためには、今までの発想にとらわれることなく、山積している課題を突破し、大胆かつ戦略的に我が国の社会経済システムの大転換を図っていくことが急務です。今般策定する計画では、今後5年間で取り組む政策を明確にし、長野県が全国に先駆けて大きな変革を起こし、持続可能な社会を実現してまいる決意です。
 次期計画の基本目標として、「確かな暮らしを守り、信州からゆたかな社会を創る」を掲げました。これには、新型コロナウイルス感染症や物価高騰、気候変動とそれに伴う災害の激甚化、少子化や担い手不足など、かつてない危機的な状況を克服し、県民の皆様の命と暮らしを守るとともに、物質的にも精神的にも満たされた、真にゆたかな社会をこの信州から創っていくとの強い想いを込めました。
 新しい時代に向けて、特に力を入れて進めていく政策については、新時代創造プロジェクト(仮称)として位置づけ、部局の枠を超えて重点的に取り組んでまいります。とりわけ、少子化や人口減少を克服するための女性・若者から選ばれる県づくり、持続可能な脱炭素社会や最先端技術等の活用を図るデジタル社会の実現などについて、社会経済システムの大きな転換にもチャレンジしつつ、鋭意取り組んでまいります。
 これまで、計画の策定段階において「信州これから会議」や県内大学生からの施策提言など多くの皆様からの広範な御意見を取り入れさせていただきました。これからの施策の実行に当たっても、既にゼロカーボン社会共創プラットフォーム「くらしふと信州」で行っているように、県民の皆様と信州の未来の姿を共有しながら共に取り組んでまいります。
 今後、県民の皆様や県議会の研究会などから御意見を頂戴した上で計画案をとりまとめ、来年の2月定例会に提出してまいります。県議会の皆様におかれましては、引き続き御協力を賜りますようお願い申し上げます。

【対話と共創の県政】
 県民ニーズが複雑・多様化し、行政だけで社会課題の解決を行うことが難しくなっている中、幅広い県民・事業者等との対話を通じて課題や方向性を共有すること、また、課題の解決に協力して取り組むことは、今や私たち県行政がその役割を果たすためには不可欠です。「県組織は県民のために存在する」ということを組織全体で改めて確認し、そのために必要な「対話と共創」を県政推進の様々な場面で実行していくとともに、現在策定中の新たな行政・財政改革方針においても大きな柱として位置付けてまいります。

(県民対話集会の実施)
 「スタートダッシュ・アクション2022」に掲げた県民対話集会を、先月11日から開始し、これまで10市町村で実施してまいりました。農業や観光の振興、地域交通の維持発展など、各市町村で設定していただいたテーマを中心に率直な対話を行い、双方向でのやりとりとするべく、私の考え方についてお伝えしているところです。市町村長との対話も含めて、直接御意見や課題をお伺いできる貴重な機会であり、できるだけ早期に全市町村を訪問できるよう取り組むとともに、いただいた御意見や私自身の気づきを今後の県政に生かしてまいります。

(県民参加型予算の試行)
 県民・企業等と予算を共に創り上げる「県民参加型予算」については、「提案・選定型」及び「提案・共創型」の2つのスキームで試行的に実施することとし、今月28日までの1か月間事業提案を募集いたしました。このうち、「提案・選定型」は、諏訪、南信州及び長野の3つの地域振興局において設定したテーマに対し、23件の提案をいただいたところであり、今後、県政モニターの皆様の御意見に基づき事業を選定し、令和5年度当初予算案への計上を目指してまいります。また、「提案・共創型」は、「信州まつもと空港における賑(にぎ)わいの創出・活性化」や「共生社会の実現に向けた体験機会の創出」など各部局から出された5つのテーマに対し、民間企業やNPOなどから28件の提案をいただきました。テーマによっては多くの提案をいただいており、今後は、提案を絞り込んだ上で、提案者と課題や目指す方向性を共有しながら共創による事業構築を進め、来年度以降の予算計上を目指してまいります。

(共創推進パートナーの活用)
 共創を進める一環として、専門的スキルや能力を持った民間人材を「共創推進パートナー」として任命し、県政の推進に力を発揮していただきたいと考えています。先月、試行的に、「デジタル・メタバースの活用策の企画検討」や「広報の基本方針の策定」など6つのプロジェクトについて募集を行ったところ、144名もの方々から御応募をいただきました。その中から、関係部局がそれぞれの分野における専門性や実績などを考慮し選考した7名の方に、来月からそれぞれの業務に携わっていただく予定です。各プロジェクトの推進に力を発揮していただくことはもとより、新しい視点や知見が県庁組織の活性化につながることも期待しているところです。

【新型コロナウイルス感染症第8波への対応】
 新型コロナの陽性者数は、8月をピークに収束に向かったものの、先月中旬以降再び感染拡大局面に入り、陽性者数が急増し、確保病床使用率も50パーセントを超えたことから、今月14日には、第8波を迎えたとの認識のもと「医療非常事態宣言」を発出いたしました。
 その後も感染拡大に歯止めがかからず、今月27日の確保病床使用率が70.8パーセントと過去最高を記録し、また、確保病床以外の入院患者も初めて300人を超えるなど、医療提供体制のひっ迫が顕著となっております。
 こうした状況を踏まえ、これ以上の医療への負荷の増大を避けるため、今月22日には、関係団体の皆様と「新型コロナ第8波克服県民共同宣言」を発出するとともに、昨日は、医療関係者との共同会見を行い、医療現場の厳しい現状をお伝えし、あわせて、御自身の重症化リスクを確認した上で、適切な行動をとることなど県民の皆様に協力を求めました。
 今後とも、医療への負荷軽減と経済の下支えに継続的に取り組むことにより、県民一丸となって第8波を乗り越えることができるよう全力を尽くしてまいります。
 著しい感染拡大を防ぎ、重症化を予防するため、現在、感染の主流となっているオミクロン株に対して効果が期待されるオミクロン株対応ワクチンによる追加接種の促進に積極的に取り組んでいます。県接種会場を10広域13か所に設置し、市町村接種会場へは医療従事者を派遣するなどの支援策のほか、高齢者施設入所者等への接種促進、若年層や現役世代に対する県接種会場での団体接種、「ワクチンキャラバン隊」による企業・学校等への出張接種などを推進しているところです。
 オミクロン株対応ワクチンの接種率は、今月28日時点で、全人口の20.8パーセントとなっており、全国平均を2.9ポイント上回り、全国第6位となっている状況です。引き続き、市町村と連携し、接種機会の確保はもとより、テレビ、ラジオ、インターネットなど様々な媒体を活用した情報発信を行い、年末年始を安心して迎えるため、年内にできる限り多くの県民の皆様に接種を受けていただくことができるよう取り組んでまいります。

【長野県価格高騰緊急対策の実施】
 先月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合指数が前年同月比3.6パーセントと1982年2月以来の高い上昇率となるなど、エネルギーや食料品をはじめ様々な価格の高騰が長期化し、生活や経済に暗い影を投げかけております。そのため、6月、9月に続く第三弾としての価格高騰緊急対策を策定し、多大な影響を受けている県民や事業者に対し、「生活者への支援」や「事業継続への支援」などの観点から、きめ細やかな支援を継続的に行うことといたしました。
 「生活者への支援」として、緊急小口資金等特例貸付の利用者に対する県独自の償還金補助制度を拡充し、住民税所得割非課税相当の世帯については緊急小口資金の償還額の全額を免除します。真に住まいを必要とする方の県営住宅への入居に支障がないよう、入居時の連帯保証人を不要とするための改正条例案を今定例会に提出したほか、入居時に一括納付を求めている敷金についても、生活就労支援センター「まいさぽ」と連携して入居後の分割納付を可能とするルールを新たに設定します。
 「事業継続への支援」としては、酪農の経営者に対し粗飼料価格高騰分を助成するとともに、ポンプ等の農業水利施設を管理する土地改良区に対して電気料金の助成を行うことにより農家負担の軽減を図ります。また、県有施設の指定管理者との基本協定書に基づき、光熱費等の価格高騰分について指定管理料を増額します。さらに、優れた品質を有する県産品を国内外に積極的に売り込み、県内事業者の販路拡大を促進してまいります。まず国内市場においては、大都市圏でのイベント開催を通じて地酒や味噌・漬物などの加工食品や、木曽漆器をはじめとする伝統的工芸品などの県産品のプロモーションを実施します。とりわけ、新型コロナの影響で需要が減少している日本酒やワインなどの信州の地酒の魅力向上と販売の促進を図るため、プロモーションの強化、県外における商談会の開催支援、ECサイト上で販売する県産酒に係る発送料の助成などを行います。海外向けには、現下の円安の利点を活かし工業製品や食品等の輸出拡大を図るため、海外での展示会や商談会への出展等に対する支援や現地小売店での長野フェアの開催などを行います。
 「エネルギーコストの削減」としては、将来のゼロカーボン社会の実現を視野に、省エネ家電切換え緊急支援事業の対象製品にテレビ、LED照明器具を追加するとともに、事業者向けのエネルギーコスト削減促進事業と合わせて予算を増額し、申請期間についても延長します。また、県有施設の省エネルギー化を促進するため、諏訪湖環境研究センター(仮称)ホール棟のゼロエネルギー化に向けた改修工事と合同庁舎照明設備のLED化工事に着手します。

 今月の政府の月例経済報告では、「景気は、緩やかに持ち直している」とされていますが、一方で、「世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている」とされるなど、世界的な景気後退懸念が高まっています。
 国においては、この難局を乗り越え、未来に向けて日本経済を持続可能で一段高い成長経路に乗せていくため、先月、「物価高・円安への対応」、「構造的な賃上げ」、「成長のための投資と改革」を重点分野とする「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を策定しました。県としては、県民生活の支援や県内経済の活性化に取り組むため、国の対策を踏まえつつ、総合的な経済対策を近々策定し、その上で追加の補正予算をとりまとめ、県議会にお諮りしてまいりたいと考えております。

【インバウンドの推進】
 10月11日に新型コロナの水際対策が大幅に緩和され、入国者数の上限撤廃、海外からの個人旅行やビザなし渡航の解禁など、インバウンドの本格的な再開に向けた環境が整ってまいりました。
 これまで、コロナ禍にあってもインバウンドの回復を念頭に置き、スキー場の多言語表記や自動改札導入などの受入環境の整備を支援してきたほか、海外の旅行会社やメディアを招へいするなどプロモーションにも努めてまいりました。加えて、今回の水際対策の緩和を十分に生かすため、先月29日から今月3日にかけて、町村長や観光事業者の皆様とともに冬の重要なインバウンド相手国であるオーストラリアを訪問してトップセールスを実施してきたところです。現地旅行会社やマスメディアを対象とした観光セミナーの参加者アンケートでは、全ての方から「長野県への関心が高まった」、また、9割の方から「長野県を対象とした新たな旅行商品を造成する」などの回答をいただき、今後のインバウンド回復に確かな手応えを感じたところです。
 今後は、今般の円安を追い風とし、オーストラリアや東南アジアなどこれまで実績のある国のインバウンド需要を確実に獲得するとともに、欧米からの個人旅行客を呼び込めるよう、自然、食、アウトドアなど本県の特長を生かしたコンテンツづくりやプロモーションを強化してまいります。

【森林づくり県民税の継続】
 森林づくり県民税については、9月に「長野県森林づくり県民税に関する基本方針(案)」として県の考え方をお示しした上で、パブリックコメントや県民説明会を行ってまいりました。県民の皆様からは、森林づくり県民税を活用して森林づくりを進めることの重要性や施策展開に当たり留意すべき点、とりわけゼロカーボンの実現や林業振興を図る上で喫緊かつ重要な課題として、再造林の加速化や林業人材の確保に関して多くの御意見をいただいたところです。
 主伐・再造林の推進は、本県の森林・林業にとって重要な施策であると同時に、その推進に当たっては、防災や景観面への配慮など周辺環境との調和を図ることが必要と考えています。このため、施業方法などの基準となる「長野県主伐・再造林ガイドライン(仮称)」を今年度中に定め、市町村とも連携して必要な対策を講じながら、適正な主伐と確実な再造林が進むよう取り組んでまいります。また、取組を支える林業人材については、中核的な人材や多様な担い手の確保に係る各種施策を検討、実施してまいります。
 基本方針(案)に関しましては、こうした取組を進めることを追記するとともに、事業の説明等に関する記載に所要の修正を行い、今月22日に基本方針として決定したところです。今回、森林づくり県民税を活用して実施する施策の柱を、「森林の若返り促進と安全・安心な里山づくり」、「森や緑、木のぬくもりに親しむことのできる環境づくり」、「森林・林業活動に取り組む多様な人材・事業体への支援」と「市町村と連携した森林等に関連する課題の解決」とさせていただきました。
 先人たちのたゆまぬ努力により育まれてきた本県の豊かな森林を健全な姿で次の世代に引き継ぐとともに、林業県への飛躍を図るためには、県民全体の力で森林づくりを支えていただくことが重要です。このため、基本方針に基づき、引き続き、超過課税を行わせていただくことが必要であると判断し、今定例会に、「長野県森林づくり県民税条例の一部を改正する条例案」を提出いたしました。課税期間は令和5年度からの5年間とし、県民税均等割の超過課税方式により、個人県民税については年額で500円、法人県民税については均等割額の5パーセントをそれぞれ御負担いただきたいと考えております。
 議員各位をはじめ、広く県民の皆様の御理解を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

【令和5年度当初予算編成】
 令和5年度の当初予算編成について申し上げます。
 来年度は、次期総合5か年計画の初年度となる重要な年となります。計画推進に向け、確かな一歩を踏み出すことができるよう、計画に沿った施策を重点的に展開してまいります。
 来年度の県財政は、価格高騰や海外経済など様々なリスク要因により県税収入の動向が定かでなく、社会保障関係費や県債残高の増加により財政構造が一層硬直化することなどから、引き続き厳しい状況となることが見込まれます。
 こうした状況の中、徹底した事務・事業見直しによる選択と集中の強化、それらを通じた組織のスリム化、職員数・総人件費の適正化などに取り組むとともに、県行政のDX(デジタルトランスフォーメーション)やゼロカーボンの推進により、しごとの質的転換を加速させ、経費の節減と環境負荷の低減、しごと改革を一体的に進めてまいります。あわせて、「県民参加型予算」の試行などを通じて県民の皆様の発想や身近な問題意識を県予算に取り入れてまいります。


【補正予算案】
 さて、今定例会に提出いたしました一般会計補正予算案その他の案件につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 補正予算案は、一般会計71億7,358万円、企業特別会計6億7,800万円であります。
 一般会計補正予算案には、「長野県価格高騰緊急対策(第三弾)」の実施に加え、新型コロナへの対応、人材の育成・確保などのために必要な予算を計上しました。
 新型コロナへの対応としては、季節性インフルエンザとの同時流行に備え、年末年始に外来診察を行う医療機関や施設内療養等の感染症対応を行う高齢者向け入所施設を支援します。人材の育成・確保としては、移住支援金の支給やマッチングサイトの充実により県内への移住や就業を促進するとともに、県内企業の人手不足解消や多様な働き方の実現に向け、副業・兼業人材活用のための事業者向けセミナーの開催等を行います。このほか、豪雨災害等で被災した林道の復旧工事への支援、G7外務大臣会合の開催や県議会議員一般選挙のための準備、県有施設で高騰した光熱費の増額等に要する経費を計上しました。
 さらに、飯田警察署・南信運転免許センター(仮称)建設予定地の地盤調査や県立高校の特別教室等の空調設備の設置、春夏の観光シーズンに向けた道路舗装の修繕や除雪等により不鮮明となった道路の区画線等の塗り替えなどを実施するための債務負担行為を設定しました。なお、飯田警察署・南信運転免許センター(仮称)については、地元からの要望を踏まえて、現在の飯田警察署と隣接する風越(ふうえつ)公園内に設置いたしたいと考えております。このため、同公園内にある飯田創造館は閉館せざるを得ないことから、地元市町村と連携の上、現在利用されている皆様に対し丁寧に対応してまいります。
 この補正予算案の財源として、国庫支出金57億7,324万1千円、地方交付税12億6,569万円、その他繰越金など1億3,464万9千円を見込み、計上しました。
 今年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと1兆1,130億2,389万3千円となります。
 企業特別会計の補正予算案は、流域下水道事業に係るものであり、電気代の高騰に伴い予算の増額を行うものであります。

【条例案、事件案、専決処分報告】
 次に、条例案は、本年の人事委員会勧告に基づき給与改定を行う「一般職の職員の給与に関する条例の一部を改正する条例案」など一部改正条例案7件であります。

 事件案は、指定管理者の指定についてなど16件であります。

 専決処分報告は、交通事故に係る損害賠償の専決処分報告など9件であります。

 以上、今回提出いたしました議案等につきまして、その概要を申し上げました。何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。
 

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