ホーム > 県政情報・統計 > 県概要 > 知事の部屋 > 県議会における知事議案説明要旨 > 令和2年2月県議会定例会における知事議案説明要旨

ここから本文です。

更新日:2021年2月3日

令和2年2月県議会定例会における知事議案説明要旨(令和2年2月13日)

 ただいま提出いたしました令和2年度当初予算案をはじめとする議案の説明に先立ち、新年度の県政運営に向けての所信などについて申し述べさせていただきます。

【気候危機突破への決意】
 昨年6月に「G20持続可能な成長のためのエネルギー転換と地球環境に関する関係閣僚会合」が開催された際、私たち長野県は、「持続可能な社会づくりのための協働に関する長野宣言」を行い、国内外の地方政府に対し、協力して気候変動対策に取り組むことを呼びかけました。地球温暖化に起因すると考えられる様々な災害等が世界各地で頻発しており、気候変動は今や人類共通の課題であると考えたからです。そして、昨年10月の台風第19号による大規模災害は、気候変動が私たちの暮らしにとっても差し迫った課題であることを改めて認識させる結果となりました。
 こうした中、県議会11月定例会での決議を受け、12月6日、都道府県としては初となる「気候非常事態宣言」を「ゼロカーボン宣言」と合わせて行いました。将来世代を含む県民の皆様の生命と財産を守るため、早急に「気候危機突破方針(仮称)」を取りまとめ、脱炭素社会を実現するための具体的な行動を起こしてまいります。「SDGs未来都市」として、環境と経済、社会の統合的な向上を目指しつつ、美しく豊かな自然環境を次の世代に確実に継承し、持続可能な社会を実現するため、全力を傾けていく決意です。

 【令和2年度の県政運営の基本方針】
 日本銀行松本支店が今月公表した金融経済動向によれば、県内経済は、幾分ペースを鈍化させつつも、緩やかに拡大しており、個人消費は台風第19号や消費税率引上げの影響がみられるものの底堅く推移し、公共投資は持ち直しているとされています。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行により中国経済に停滞の動きがみられるなど、県内経済の先行きについては予断を許しません。
 来年度は、こうした経済動向にも十分注意しつつ、台風第19号災害からの復旧・復興と、災害に強い県土づくりに最優先で取り組むとともに、気候変動対策についても新たな視点からの確実な一歩を踏み出してまいります。また、3年目の中間年を迎える「しあわせ信州創造プラン2.0」については、本県の強みである「学びと自治の力」を発揮することに留意しながら、着実にその実現を図ります。特に、災害対策や地域医療構想の推進などを含む「命を守る県づくり」、学びの改革を推進し、子ども・若者の希望実現を支援する「将来世代を応援する県づくり」、信州ITバレー構想や高速交通網の整備などを進める「時代の変化に即応した産業・地域づくり」の3つの観点を重視し、確かな暮らしが営まれる美しい信州の実現を目指してまいります。

【令和2年度当初予算編成】
 今定例会に提出いたしました令和2年度当初予算案及びその他の案件について御説明申し上げます。
 令和2年度当初予算案の総額は、一般会計9,476億8,660万7千円、特別会計4,759億4,993万4千円、企業特別会計411億6,429万3千円であります。特別会計は公債費特別会計など11会計、企業特別会計は流域下水道事業など3会計であります。
 一般会計予算案は、台風第19号災害への対応等により、今年度当初予算に比べ、歳出総額で約617億円の増加となり、歳入面では国庫支出金で約308億円、県債で約231億円の増加を見込んでおります。災害復旧事業や防災・減災対策事業等について積極的に予算計上する一方で、国庫補助金や後年度に交付税措置のある地方債を最大限活用することによる一般財源負担の抑制や、不要不急の事業の徹底的な見直しなどにより、県財政の健全性にも配慮いたしました。その結果、来年度末時点での財政調整のための基金残高は425億円程度にまで減少するものの、県債残高については令和3年度以降減少していく見通しです。また、実質公債費比率や将来負担比率についても引き続き健全な水準を維持する見込みです。
 以下、主な施策につきまして、順次御説明申し上げます。 

【命を守る県づくり】
 台風第19号災害から、ちょうど4か月が経過しました。お亡くなりになられた方々に改めて哀悼の意を表しますとともに、今も様々な苦難と向き合っておられる被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
 この度の甚大な被害を目の当たりにし、改めて命の尊さに思いを致しました。行政としての責任を強く自覚し、「命を守る県づくり」を推進してまいります。 

(台風第19号災害からの暮らしと生業(なりわい)の再建)
 台風第19号災害への対応は、人命確保を最優先とする初動期から、避難所への支援や公共施設の応急復旧等を行う災害応急対策の段階を経て、暮らしと生業(なりわい)の再建に本格的に取り組む段階へと向かいつつあります。被災された方々が、一日も早く日常の生活を取り戻していただくことができるよう、復旧・復興に全力で取り組みます。
 最も大切な暮らしの基盤である住宅の再建に向けては、国の被災者生活再建支援制度や信州被災者生活再建支援制度により、これまで約2,800世帯に対して支援金を支給いたしました。引き続き、災害復興住宅資金の借入利子への助成、市町村が行う住宅相談や災害公営住宅建設への協力等を行ってまいります。被災者の生活相談や見守り・安否確認などについても、県の「生活支援・地域ささえあいセンター」を中心に、アドバイザーの派遣や専門研修の開催などを行い、市町村を支援してまいります。
 義援金については、これまでに22億円を超える善意をお寄せいただきました。被災された方々に速やかにお届けできるよう取り組むとともに、募集期間の延長も検討してまいります。被災した住宅の後片付けや農地からの泥出し等については、延べ8万人を超える県内外のボランティアの皆様から力強い御支援をいただきました。復旧・復興に御支援をいただいてきた皆様に改めて深く感謝申し上げます。
 今回の対応を教訓として、NPOやボランティア団体が行う大規模災害時の被災地支援活動に助成を行う制度を新たに設けることといたしました。また、被災地域のコミュニティを維持するための支援についても現在検討中です。こうした施策の財源としては、ふるさと信州寄付金を活用させていただく予定です。
 力強い復興を成し遂げるためには、生業(なりわい)の再建が重要です。
 被災した中小企業の生産設備や施設の再建を支援する「中小企業等グループ補助金」の活用については、商工業者だけでなく、農業、建設業や福祉事業者など幅広い事業者を対象として、説明会の開催や個別相談の実施などを行い、丁寧な対応に努めております。これまでに15グループ28者からの申請を受け付けておりますが、今後も多くの事業者からの申請が見込まれることから、来年度予算案には66億円余を計上いたしました。引き続き、商工会・商工会議所等の関係機関とも連携しながら、復興事業計画の策定や被災した中小企業の販路開拓等を支援してまいります。
 被災した農家の営農再開も重要な課題です。市町村が取り組む農地からの土砂撤去を引き続き支援するとともに、農地・農業用施設の復旧により、営農を早期に再開していただくことができるよう、県職員の派遣等を通じて市町村を支援します。また、水稲の作付けが当面困難な地域については、そば等の代替(だいが)え作物を栽培していただけるよう技術指導等を進めているところです。 

(被災施設の復旧)
 被災した施設の復旧に当たっては、単なる「原形復旧」にとどまらず、被災時の流量に対応した河川の拡幅、近隣箇所の一体的改修などの「改良復旧」に努めてまいります。
 台風第19号により被災した公共土木施設1,351か所、農地・農業用施設3,666か所等に係る災害査定が今月上旬までにおおむね終了いたしました。これまで災害復旧事業費として補正予算に計上した事業費に、2月補正予算案の約101億円、来年度当初予算案の約237億円を加え、今後、本格的な復旧工事を進めてまいります。
 復旧工事については、県の事業に加え、国や市町村が発注する事業も短期間に集中することにより工事が遅れる恐れがあるため、発注者間の調整等を行って円滑な施工を図ってまいります。
 千曲川流域下水道終末処理場の復旧については、11月補正予算に引き続き、来年度当初予算案にも必要な事業費を計上することとし、特にクリーンピア千曲については、電源施設の防水対策等により浸水に対する備えを強化した上で、令和3年度末までに復旧を完了する予定です。
 保育所、高齢者福祉施設、障がい者福祉施設等の建物・設備の災害復旧についても、必要な事業費を計上いたしました。各施設においては、設置者である社会福祉法人等が早期復旧に向けて既に工事に着手するなど準備を進めており、来年度中にはおおむね完了する見通しです。 

(「がんばろう信州!」の推進)
 復興支援の輪を県内外に広げることにより、被災地の元気回復を支援します。また、台風第19号災害や中国での新型コロナウイルス感染症の流行等による影響を踏まえ、観光需要の喚起に取り組んでまいります。
 誰一人取り残されることのない復興を成し遂げていくためには、市町村はもとより、ボランティアや企業・団体など、多くの皆様の協力のもと、被災された方々を中心に声を掛け合い、励まし合いながら復興を進めていく必要があります。これまでも、「ONE NAGANO」を合言葉に、復興への参加と協力を広く県内外に働きかけてまいりました。各種メディアを活用して、全国に向けた情報発信や支援の呼びかけを引き続き行うほか、「ONE NAGANO復興協働会議」等を通じ、多様な主体の協力の下で、力強い復興に取り組みます。
 昨年11月から「がんばろう信州!観光キャンペーン」を実施し、「長野県ふっこう割」を活用した旅行商品等への支援や交通事業者と連携した観光プロモーションなどを実施してまいりました。いち早く取り組んだ「長野県ふっこう割」は、活用予定額約4億円の8割程度を既に販売したところであり、宿泊に加えてスキー場やお土産店などでの消費拡大にも一定の効果があったものと考えています。11月に専決処分で予算化した「地域協働事業」は、新たな観光の魅力づくり等に活用いただいており、復興への足掛かりともなっています。
 こうした取組は、来年度に向けても切れ目なく実施していく必要があることから、観光機構と地域の観光関係者が協働して広域的に取り組む観光振興策に対する助成とインバウンド観光客に限定した宿泊費用の助成、加えて旅行会社等と協働して行うプロモーション活動を「観光振興緊急対策事業」として予算案に計上し、早期の執行に努めてまいります。

(県全体の治水安全度の向上)
 台風や豪雨による被害を抑制するため、台風第19号災害の教訓を活かし、千曲川・犀川流域をはじめ、県全体で治水安全度の向上を図ってまいります。
 千曲川・犀川流域では、国・県と沿川41市町村が参加する「信濃川水系緊急治水対策会議」において、流域全体で洪水被害を軽減するための総合的な治水対策を検討してまいりました。先月取りまとめられた「緊急治水対策プロジェクト」に基づき、観測史上最大洪水となった台風第19号災害と同じ出水に対し、今回大規模な浸水被害が発生した区間で越水等による家屋への浸水を防ぐための対策を、国や市町村と連携して進めてまいります。立ヶ花や戸狩狭窄(きょうさく)部での河道掘削、遊水地や堤防の整備等「河川における対策」、ため池や水田等を活用した雨水調整機能の確保、支流水路の氾濫対策等「流域における対策」、防災教育や防災知識の普及、浸水想定区域図の作成、住民への情報伝達の充実等「まちづくり、ソフト対策」の3本の柱で、新潟県側も含む流域全体で取り組みます。
 県内全域においても、堤防の改良や砂防施設の整備等を進めてまいります。特に、地域からの要望が強い浚渫(しゅんせつ)については、河川の流下能力やダムの洪水調節能力等を高める即効策として積極的に取り組むこととし、県単独の事業については、新たに創設される特別の地方債を活用して、今年度の約10倍に当たる20億円余の事業費を確保いたしました。
 今回の浸水被害を踏まえ、既に復旧工事に着手しているクリーンピア千曲を除く流域下水道処理施設については、浸水を想定した対策の検討に速やかに着手します。また、約1,600ある全ての県有施設についても、改めて浸水想定に基づく被災の可能性などを確認し、各施設の長寿命化・耐震化整備計画との整合性や優先度等を考慮しながら、必要な浸水対策を実施してまいります。

(地域防災力の強化)
 今後も想定される大規模な風水害による被害を低減するため、今回の応急対策を振り返り、地域防災計画等の見直しを行うとともに、防災意識の向上や情報発信の改善など地域防災力の強化に取り組んでまいります。
 まず、現在作成中の「いのちを守る防災力向上プログラム」を活用して、災害時住民支え合いマップや地区防災マップの作成を促進してまいります。また、自治会・企業向け出前講座の実施や学校における防災教育の推進、水害や土砂災害の記憶を伝承する「赤牛先生」の地域への派遣にも取り組みます。
 市町村がハザードマップを作成する基礎となる浸水想定区域図については、水防法により作成を義務付けられている34河川に加え、住宅地に近接する約320の中小河川についても令和4年度までに作成を行うことといたしました。来年度は、まず、今回の災害で床上浸水被害のあった市町村に係る区域図を作成いたします。
 災害時における情報伝達は極めて重要です。洪水時における河川水位等の情報をきめ細かく発信するため、危機管理型水位計や簡易型河川監視カメラを増設します。また、アクセスが集中した場合でも安定的に情報発信を行うことができるよう、河川砂防情報ステーションや県ホームページの回線を強化します。災害時に住民が適切な避難行動を取ることができるよう、情報発信・伝達のあり方を国や報道関係者等と検討するほか、市町村長を対象とする実践的な防災研修や大規模風水害を想定した図上訓練の実施などにより、地域防災力の向上を図ってまいります。

(2050ゼロカーボンの始動)
 「気候非常事態宣言」を踏まえ、脱炭素社会実現に向けた取組をスタートします。県民の皆様と危機感を共有し、地球規模でのパートナーシップの下で、省エネルギーの推進と再生可能エネルギーの普及拡大、エネルギー自立分散型で災害に強い地域づくりなどの気候変動対策に徹底して取り組んでまいります。
 まずは、「学び」、「パートナーシップ」、「県組織の率先実行」の3つの観点から取組に着手します。
 地球温暖化を食い止めるためには、県民の皆様一人ひとりが、気候変動がもたらす影響や現状について、正しく理解することが重要です。そのため、信州環境カレッジのカリキュラムを気候変動を柱に充実させるとともに、SNSなど様々なメディアを通じた情報発信やゼロカーボンミーティングの開催等により、学びの場づくりに力を入れてまいります。
 「G20長野宣言」に関するシンポジウムやSDGs全国フォーラムの開催、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)など国際会議における本県の先進的取組の発信、ゼロカーボン実現に資する新技術等提案受付窓口の設置などにより、国内外の地方政府や企業、NPO等とのパートナーシップを構築、強化してまいります。
 県組織自らも変わらなければなりません。専門家を招いた研修会の実施等により職員全体で危機感を共有するとともに、環境改善効果のある事業を進めるための「グリーンボンド」の発行や、駐在所のゼロエネルギー化など、できることから直ちに率先実行してまいります。
 加えて、省エネアドバイザーや事業活動温暖化対策計画書制度等による家庭・企業の省エネルギー化の促進、収益納付型補助制度による自然エネルギー発電の推進に引き続き取り組むとともに、住宅リフォーム補助制度の対象に太陽光発電とセットでの蓄電池設置を加えたり、「信州ソーラーポテンシャルマップ」を活用して屋根ソーラーの普及拡大を図るなど、従来から取り組んできた施策についても更に発展・充実させてまいります。

(地域医療構想の推進)
 必要なときに適切な医療が受けられることは、暮らしの安心にとっての重要な要素です。人口減少や高齢化の進展に伴う将来的な医療需要の変化を見据えて、限られた医療資源を有効に活用するために、医療機関の役割分担と連携を進め、持続可能な医療提供体制を構築してまいります。
 平成29年に「長野県地域医療構想」を策定し、令和7年の医療需要と病床数の必要量等の推計値をお示ししました。その後、各医療圏等において将来の医療提供体制のあり方が議論され、医療機関の統合、回復期病床への機能転換、病床のダウンサイジング等が進められてきています。しかし、将来の医療ニーズの見極めは必ずしも容易ではなく、各医療機関がそれぞれ医療の充実に取り組んでいる中では、圏域全体で統一的な方向性を見出すことはなかなか難しい状況です。
 このため、来年度、医療需要の見込みに資するデータを可能な限り整理してお示しするとともに、必要に応じて関係者が自由に意見交換や情報共有できる場の設定や、地域医療構想アドバイザーの派遣を行うことを通じて、各地域での議論を促進してまいります。また、病床機能の再編・統合に伴う施設の整備や解体に対する財政支援を拡充し、経営面での支援も強化してまいります。なお、現在国から求められている公立・公的医療機関の役割や機能の再検討についても、こうした取組の中で地域の実情を踏まえながら丁寧に進めてまいります。
 国から示された医師偏在指標によると、本県は医師少数県とされ、上小・上伊那・飯伊・木曽・北信の5つの二次医療圏が医師少数区域として位置付けられました。医師確保の方針や目標医師数、その達成のための施策などを定めた医師確保計画を今年度中に策定するとともに、医学生修学資金の新規貸付者数を増員し、地域医療人材拠点病院に対する支援を新たに木曽、大北地域でも行うなど、医師の偏在是正に積極的に取り組んでまいります。

(新型コロナウイルス感染症への対応)
 中国を中心に広がりを見せている新型コロナウイルス感染症については、国内でも人から人への感染が確認され、そのまん延が懸念されています。感染拡大を防ぎ、県民の健康を守るとともに、社会経済への影響を最小限に食い止めることができるよう取り組んでまいります。
 先月29日、長野県新型コロナウイルス感染症対策本部を設置しました。先月以降、手洗いの励行等の感染症対策を行っていただくことなどを県民等に対して呼び掛けたほか、新型コロナウイルス感染症に係る相談に24時間対応を行う窓口を保健所に設置するなど、必要な対策を講じてまいりました。引き続き、県民への迅速かつ的確な情報提供や医療機関と連携したサーベイランス実施体制の充実等に努めてまいります。
 横浜港に寄港したクルーズ船内で確認された感染者を県内医療機関で受け入れることについて、厚生労働省から依頼があり、人道的な立場から本県でも受入れを行うこととしました。昨日、2名の方が感染症指定医療機関の専用の病室に入院し、訓練を積んだ医師、看護師等が万全の体制で対応しております。
 また、県内経済への影響が懸念される中、先月30日には、経営・雇用に関する相談窓口を産業労働部及び地域振興局に開設いたしました。引き続き、中国に進出している県内企業の状況や県内経済への影響等の把握に努めてまいります。

【将来世代を応援する県づくり】
 技術革新が加速度的に進展し、人間の働き方や社会の有り様も大きく変化しつつある今日、これからの時代にふさわしい教育のあり方を追求してまいります。また、様々な困難を抱える子どもや若者が希望を持って暮らすことができるよう、学習機会の確保や相談・支援体制の整備、社会的自立への支援などに取り組んでまいります。 

(学びの改革の推進)
 変化が激しく将来を確実に見通すことが困難な時代にあって、幼児期から高校までの各年代で生きる力と創造性を育む学びへの転換を図るとともに、県立学校における情報通信基盤を整備します。
 今年度設置した幼児教育支援センターを中心に、幼稚園教諭や保育士が学び合うフィールドワーク研修や幼保小の接続を改善するための実践研究を進め、幼児教育の質の向上を図ります。
 「学びの改革」を進めるためには、従来の画一的な学校システムからの脱却が重要です。このため、学年担任制の導入やタブレット活用による自由進度学習などに取り組む小・中学校を「学びの改革実践校」として選定し、アドバイザーの派遣等により支援してまいります。また、「未来の学校」として指定した県立高校においては、国際的な教育プログラムの活用や高度な産業教育などに先進的に取り組んでまいります。
 国のGIGAスクール構想に呼応して、児童・生徒が一人で1台のパソコンを利用するための基盤となる無線LANを来年度中に県立学校の全教室に整備します。教育におけるICTの活用は、一人ひとりに個別最適化された学びや創造性を育む学びにも寄与しうるものであることから、ICT環境を活用した授業のあり方等について、有識者の意見も踏まえて検討を行い、教育内容の質的向上につなげてまいります。 

(県内大学への支援と連携)
 時代に即応して教育内容の充実に取り組む県内大学を支援するとともに、地域課題の解決のため、「知の拠点」である県内大学との連携を強化します。
 来年4月、松本看護大学(仮称)の開学と佐久大学におけるヒューマンケア科学部の設置が予定されています。地域の看護や医療・福祉を支える専門性の高い人材は、これからの地域社会にとって重要な存在であり、また、高校生にとっては県内進学の選択肢を増やすものでもあることから、両大学の施設・設備の整備に対して支援を行うことといたしました。
 また、昨年11月に設置した「信州大学・長野県連携室」を活用し、社会的な課題と大学の研究成果とをマッチングさせ、イノベーションにつなげてまいります。県内各大学との包括連携協定に基づく取組についても充実を図り、産業・観光・福祉・教育など幅広い分野で連携を強化してまいります。
 長野県立大学のソーシャル・イノベーション創出センターは、年間約300件の地域連携に関する相談を受けており、専門スタッフによるコンサルティングやイノベーション人材育成塾の開講などにより、社会的課題に取り組む事業者等を引き続き支援します。 

(子ども・若者の希望実現への応援)
 家庭の経済的事情に関わらず、子どもたちの学習機会が確保されるよう努めるとともに、医療や教育面で特別な支援を必要としている子どもたちを支えるための体制を強化します。また、喫緊の課題である児童虐待への対応や子どもの自殺対策、ひきこもりの方への対応については、専門家による助言や地域における支援体制の充実を図ります。
 学習機会の確保については、この4月から「高等教育の無償化」及び「私立高校授業料の実質無償化」をスタートさせるとともに、県立看護専門学校における国の支援上限額を上回る無償化や、工科短期大学校や技術専門校における無償化を、県独自の取組として実施します。さらに、困難を抱える生徒が多く利用する私立通信制高校サポート校の利用料負担を軽減します。
 日常生活を営む上で医療的ケアを必要とする子どもたちが、地域で必要なケアを受けることができるよう、医療・福祉の双方に知見を有する専門家を配置して、必要な体制づくりや人材の育成を進めます。また、長期入院中の県立高校生の学びの保障として、ICTを活用した遠隔教育を開始します。
 障がいのある子どもの学びの支援として、特別支援学校の自立活動担当教員を引き続き増員するとともに、小・中・高等学校の通級指導教室の増設や障がい児を受け入れる私立幼稚園への支援の充実などを行います。
 増加・深刻化する児童虐待への対応については、児童相談所の児童福祉司及び児童心理司を来年度合わせて15人増員し、体制を更に強化します。また、住民からの養育相談等に応える児童家庭支援センターを5か所に増やし、身近な場所での相談体制を充実します。
 全国で最も深刻な水準にある未成年者の自殺防止は急務です。多職種の専門家で構成する「子どもの自殺危機対応チーム」による困難ケースへの対応など、昨年9月に締結した日本財団との協定に基づく取組を進めるほか、高校生自身や教員、保護者を対象とするワークショップの開催、「SOSの出し方に関する教育」の全県展開などにより、「子どもの自殺ゼロ」を目指します。
 学校でのいじめや不登校については、科学的知見に基づく要因分析を行った上で予防的な取組を試行的に実施するとともに、不登校を問題行動と捉えず、社会的自立に向けた支援を行うための新たな仕組みを検討してまいります。
 ひきこもり状態にある方への対応としては、「伴走コーディネーター」を県内4か所に新たに配置し、御本人や御家族の思いに寄り添いながら、相談支援機関との橋渡しを行い、自立に向けて適切な医療や福祉サービスを受けられるよう丁寧な支援を行ってまいります。 

【時代の変化に即応した産業政策の推進】
 時代の変化に柔軟に対応することができる足腰の強い産業を育成・支援し、県内経済が持続的に発展していくことができるよう、技術革新の進展やグローバル化などに対応した産業政策を推進してまいります。企業の開発力強化や製品のブランド力向上等による高付加価値化、先端技術の導入等による業務の省力化・効率化を進めるとともに、人材確保対策や働き方改革を推進することにより、本県産業の一層の生産性向上を図るとともに、働きやすい職場環境づくりを進めます。

(信州ITバレー構想の推進)
 ソサエティ5.0時代を担うIT人材・IT企業の集積や、県内産業のDX(デジタルトランスフォーメーション)の促進を図る「信州ITバレー構想」を推進するため、先月、産学官31機関が参画する「信州ITバレー推進協議会」が発足しました。多様なIT人材の育成・誘致を図るため、協議会に専門人材を配置し、産業支援機関や大学等と連携した人材育成プログラムを実施するとともに、国内外からクリエイティブな人材や起業家を呼び込む「ワールドIT人材フォーラム(仮称)」等を開催いたします。
 県内各地で革新的なビジネスを創出・誘発するため、IT産業の集積地を目指す市町村等と共同して創業支援体制を構築することとし、来年度は、松本市のICT支援施設「サザンガク」に専門コーディネーターを配置いたします。さらに、創業間もない起業家への投資の促進を図るベンチャーサミットや、地域課題の解決を目指すスタートアップ企業に対する伴走型支援プログラムの実施等により、クリエイティブ人材を育むエコシステムの構築を進めてまいります。また、「ICT産業立地助成金」についても制度の拡充を図り、IT企業の積極的な誘致に取り組んでまいります。
 県内産業のDXの促進については、昨年3月に策定した「AI・IoT、ロボット等利活用戦略」に基づき、長野県IoT推進ラボ(AI・IoT等先端技術利活用支援拠点)によるコーディネートや、AI活用/IoTデバイス事業化・開発センターによる技術実装のサポートにより、県内企業の技術革新とイノベーションを促進してまいります。 

(成長期待分野への支援)
 今後の成長期待分野において、本県企業が発展していくことができるよう、戦略的な取組を進めてまいります。
 県内企業の医療機器産業への本格的な参入を促進するため、世界市場も視野に入れ、新たな医療機器の開発・事業化やそのために必要な人材の育成を支援します。本県をアジアにおける航空機システム産業の拠点とするべく、航空機システム研究開発支援施設「S-BIRD(エスバード)」を核として、人材育成から研究開発、実証実験までの一貫した支援を行うとともに、航空機関連企業の集積を促進します。食品産業については、国内外の市場での優位性を確保するため、機能性食品等の開発から商品化までの一貫した支援を行うほか、特に発酵食品に関しては、SNS等を活用した情報発信やインフルエンサーの招へい等により、ブランド力の一層の強化に取り組みます。

(産業支援体制の構築)
 時代の変化に対応し、県内企業が革新的な技術の積極的な活用やビジネスモデルの転換を進めていくことができるよう、産業支援体制の見直しに取り組みます。今年度、中小企業振興センター、テクノ財団などの産業支援機関とともに、本県における産業支援のあり方について、目指すべき姿や方向性をとりまとめました。まずは、長野市にある若里庁舎に産業支援機関の本部機能を集約することにより、関係機関の連携・協力体制を強化することとし、引き続き、人材育成、技術開発から販路開拓までの一貫したサポート体制の構築に向け、検討を進めてまいります。

(次代につながる農業の推進)
 本県農業を持続的に発展させるため、スマート農業の普及促進による生産性の向上、輸出促進等による新たな需要の創出、農業の担い手育成と外国人を含む人材の確保、農村の活性化等に取り組みます。また、喫緊の課題であるCSF(豚熱)対策については、県内養豚農場にウイルスを侵入させないことを基本方針とし、バイオセキュリティレベルの一層の向上を図ってまいります。
 スマート農業の普及に向けては、自動走行トラクターやドローンなどの実証実験を中山間地域において行うほか、先端機器の有効性を農業者に実感していただく「お試し導入」の推進、農業大学校における人材育成の充実等に取り組みます。
 ブランド力の強化に向けて、市場からの評価が高い夏りんご「シナノリップ」や、種なしで皮ごと食べられるぶどうの新品種「クイーンルージュ」など、本県オリジナル品種の導入・拡大や生産性の高い栽培技術の普及を一層進めてまいります。また、ぶどうや市田柿、ももなど海外でも人気の高い農産物の輸出拡大に向けて取り組みます。農業の担い手を確保するため、新規就農里親研修制度による支援や高校生等に対する農業版キャリア教育等に取り組みます。また、JAグループと連携して、特定技能外国人を農家に対して派遣する仕組みを構築するほか、農繁期が異なる地域と連携して行う雇用を模索するため、「リレー雇用」を試行的に実施します。また、障がい者の就労を促進するため、新たに福祉事業所職員に対する農業技術習得研修等を実施します。
 定年帰農や半農半Xなど農ある暮らしを志向する人たちを呼び込むため、見学会を開催し、実践事例の情報発信を強化します。また、先人たちが築いてこられた疏(そ)水・ため池・棚田などの農業資産を、観光資源や学びの教材として活用してまいります。
 CSF対策では、養豚農場での防疫対策として、昨年10月に開始した飼養豚へのワクチン接種を継続し、廃業予定の農場を除く全ての養豚農場における防護柵及び消毒装置の設置を進めるほか、新たに、農場内に入る際の更衣室等防疫設備の導入についても支援してまいります。また、野生イノシシに対する対策についても、経口ワクチンの散布や地形的な要所での集中的な捕獲などを引き続き実施いたします。なお、畜産試験場においては、昨年9月のCSFの発生確認以来、養豚関係業務を停止していましたが、生産効率の向上に向けた技術開発研究等を行うため、防疫レベルが高い施設を新たに整備してまいります。

(防災・減災や気候変動を踏まえた森林づくり)
 県土の8割を占める森林は、持続可能な社会を支える基盤であり、社会共通の財産です。台風第19号災害や「気候非常事態宣言」を踏まえ、森林が持つ国土保全や二酸化炭素吸収・固定などの機能に着目して施策を充実してまいります。また、森林県から林業県への取組を加速させるため、森林を適切に管理するための体制構築や、林業の収益性を向上させる取組を支援します。
 災害に強い県土をつくるため、必要な間伐の実施や治山施設の整備を進めるとともに、森林づくり県民税を活用して、道路や電線等ライフライン沿いにある危険木の除去、流出木を防止するための河畔林の整備などを実施します。また、自然やみどりを核に都市と地方が連携し、植樹や都市緑化、国立公園等の持続可能な利用等を推進するため、「みどりのプラットフォーム(仮称)」を他の都道府県等に呼びかけて設立したいと考えています。市川海老蔵丈を中心に志賀高原で毎年実施してきた植樹活動についても、来年度は「G20長野宣言」の賛同自治体とともに行うことにより、SDGsに関する本県の取組等について広く発信する機会にしてまいります。
 今年度から始まった森林経営管理制度については、広域的な対応を図るための体制づくりや適切な業務遂行に必要なマニュアルの作成を通じて、その推進に大きな役割を担う市町村を支援します。
 木材生産の増加を図り、林業の収益性向上につなげるとともに、二酸化炭素の吸収・固定化を図るため、主伐後の再造林に対する補助率を85パーセントに引き上げます。また、ドローンの活用や森林情報のデジタルマップ化など、スマート林業を推進することにより、森林施業の効率化・高度化を図るとともに、林業大学校への高性能林業機械の導入等により、新しい技術を使いこなすことができる次世代の担い手を育成します。
 県産材の販路拡大に向けては、これまでの取組に加え、製品の品質を保証するJAS認証の取得支援や、都市部での営業を強化するためのコーディネーターの配置、店舗・オフィス等の身近な施設の木質化支援など、新たな取組を行ってまいります。 

(新しい貿易の枠組みへの対応)
 環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)、日EU経済連携協定(日EU・EPA)に続き、先月、日米貿易協定が発効しました。輸出企業にとってはグローバル市場における競争力の強化が期待されるところです。このため、海外展示会への中小企業の出展支援、医療機器など成長期待分野における海外市場の開拓、JETRO(ジェトロ)長野と連携したセミナーの開催や貿易・投資情報の提供等を通じて企業の輸出拡大に向けた取組を後押ししてまいります。
 一方、農業分野においては、マイナスの影響が見込まれ、特に牛肉・豚肉に対する影響が大きいものと試算されていることから、先月改定した「TPP協定等に係る農林業分野対応方針」に基づき、必要な対策を講じてまいります。畜産については、スマート畜産技術の普及により、生産性の向上や省力化を図るとともに、信州プレミアム牛肉を、既に高評価を得ている関西圏に加えて首都圏の市場へも出荷するなど、ブランド力の強化と販路の開拓に取り組みます。また、海外への農産物輸出を推進するため、輸出対象国のニーズや植物検疫等に対応できる生産・出荷体制の構築を支援し、県産農産物全体の稼ぐ力の強化を図ってまいります。 

(営業局の成果と今後の取組)
 長野県営業本部は、本県の稼ぐ力とブランド力の向上を図るため、昨年6月に策定した営業戦略に基づき、「県外販路の拡大」、「商品力の強化」、「信州ブランドの発信」の3つの役割を中心に活動を行ってまいりました。「県外販路の拡大」としては、県産品のマッチングサイトを新設し、意欲ある事業者の誰もが県外への販路拡大にチャレンジすることのできる環境づくりを行ったほか、国内外での商談機会の拡充や沖縄県への新たな販路開拓などに取り組みました。「商品力の強化」については、県内21か所でマーケティングの先進事例等に関する研修会や個別相談を行ったほか、新たなブランド商品を企画するための講座を開講いたしました。「信州ブランドの発信」としては、バンコクやニューヨークなど海外において県産品の試食イベントを開催いたしました。今後は、これらの取組を更に強化しつつ、県産品の価値を真に認めていただけるレストランのシェフやバイヤー等にしっかりとつなげることにより、付加価値の創出を図ってまいります。また、東京オリンピック・パラリンピックの開催期間中も含め、世界トップクラスの長寿を育む本県の食文化や、伝統工芸品等に込められた歴史や文化等を、本県の特産品と合わせて海外向けにアピールすることにより、ブランド力の向上を図ってまいります。

(産業・地域人材の確保)
 依然として人手不足の状況が続き、将来においても労働力の不足が見込まれる中、「長野県就業促進・働き方改革戦略会議」での議論を踏まえ、若い世代の人材確保や誰もが働きやすい職場づくり等に取り組んでまいります。
 若い世代の人材確保・定着を図るため、これまで実施してきた新規学卒者の県内就職促進に加え、社会人のUIJターンに焦点を当てた就職フェアを開催します。また、副業・兼業が可能な県内企業と専門人材とのマッチングや、人材確保に関する企業向け研修会等を実施します。
 「職場いきいきアドバンスカンパニー認証制度」を拡充して、ダイバーシティや若手人材の育成等に取り組む企業を新たに認証の対象とします。また、就職氷河期世代やひきこもり状態の方などに対する職業相談や職場への定着支援を充実してまいります。
 女性の活躍に向けては、中小企業で働く女性のキャリア形成のための研修参加を支援するとともに、結婚・出産を控える世代の就業継続のための子育て支援制度等に関するセミナーの開催、地域ごとに配置する就業支援員による相談からインターンシップまでワンストップでの再就職支援等を行ってまいります。 

(外国人材の受入れと多文化共生)
 長野県内の外国人労働者は年々増加傾向にあり、昨年10月末現在で2万人を超えています。就労を希望する外国人材が能力を発揮し、受入れを希望する企業等が優秀な人材を確保することができるよう取り組んでまいります。また、地域において外国人との相互理解を促進するための環境を整備します。
 「外国人材受入企業サポートセンター(仮称)」を新しく設置し、在留資格に関する知識や労務管理等に不安を覚える企業からの相談に対応するとともに、外国人雇用の制度等に関するセミナーを開催します。ニーズが大きい介護人材については、技能実習生の受入事業所が負担する日本式介護の訪日前研修費用を新たに助成します。農業分野においては、特定技能外国人受入れの仕組みづくりをJAグループと共に行うなど、スキルの高い外国人材の受入れを促進してまいります。また、ベトナム政府との間で締結した覚書に基づき、観光人材の現地採用面接会等を来年度も実施します。
 外国人を地域の一員として受け入れていくため、新しい多文化共生推進指針の策定を進めています。外国人が地域に溶け込み活躍することができるよう、多文化共生相談センターにおける多言語での相談対応、先駆的な日本語教室を設置する自治体への重点的な支援等を行ってまいります。

【将来を見据えた地域づくり】
 グローバル化の進展や高速交通網の整備による国内外との交流の拡大、少子高齢化に伴う人口構造の変化など、現在進行している様々な時代の変化を的確に捉えた地域づくりが求められています。今年開催される東京オリンピック・パラリンピックを好機として本県の魅力を積極的に国内外に発信するとともに、時代に適応した魅力あるまちづくり、観光地域づくりを進めてまいります。また、人の交流や経済活動を安定的に支える交通ネットワークの整備等も着実に進めてまいります。

(東京2020オリンピック・パラリンピックを活かした情報発信等の強化)
 この夏、開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを本県のブランド価値向上と世界への情報発信の好機として活かしてまいります。
 まず、4月にオリンピック聖火リレー、8月にパラリンピック聖火フェスティバルを実施し、大会への機運を高めてまいります。5月から9月にかけては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会との共催により、本県の芸術監督団による音楽や演劇の公演、障がい者による作品展等を「信州・アート・リングス」と銘打って開催いたします。また、中国を対象国とするホストタウンとして、両国大学生の相互交流の拡大や、大会に合わせて来日する中国要人の本県への招へい等により、2022年北京冬季大会を控えている中国との間で、スポーツを通じた連携を深めてまいります。
 東京に訪れる観光客をできる限り本県へ呼び込むことができるよう、海外メディアや東京都内のホテルコンシェルジュを招請し、本県の魅力をアピールします。また、「全国ワーケーションEXPO(エキスポ)」の開催やテレワーク体験ツアーの実施等により、大会期間中に混雑する首都圏の企業を中心にリゾートテレワークの普及拡大を図ります。さらに、選手村への本県食材の提供、大会ライセンス商品となった木曽漆器や飯田水引の販売促進などにも取り組んでまいります。 

(国民体育大会、全国障がい者スポーツ大会の準備)
 令和9年に本県で開催予定の国民体育大会・全国障がい者スポーツ大会に向け、会場地の選定や競技力の向上など、開催準備を着実に進めてまいります。
 来年度中には正式競技の会場地を選定し、必要な施設整備等を順次進めてまいります。国民体育大会については、天皇杯・皇后杯の獲得と大会後の競技力の維持・定着を目指し、各競技団体による強化計画の策定を支援するとともに、来月に開館する県立武道館を拠点とする武道指導者の養成等を進めてまいります。全国障がい者スポーツ大会については、全種目にエントリーすることを目指して、指導者の養成や選手の発掘に努めるとともに、「パラウェーブNAGANO」プロジェクトとして、障がいの有無や年齢、性別を問わず誰もが一緒に楽しむことができるパラスポーツを通じた共生社会の実現を目指してまいります。

(持続可能で魅力あるまちづくり)
 昨年開設した信州地域デザインセンター(UDC信州)を中心に、県内各地の持続可能で魅力あるまちづくりを支援してまいります。また、県民の皆様と力を合わせ、緑豊かなまちづくりに取り組みます。
 UDC信州に対しては、中心市街地の活性化や遊休地の利活用等、多くの御相談が寄せられており、各地域における検討の場の立上げ等の支援を行ってまいりました。来年度は、複数の市町村にまたがる広域的な取組や、若者や民間企業が関わる事業等に参画し、自然や文化の豊かさを活かした質の高いまちづくりに貢献してまいります。
 大成功を収めた第36回全国都市緑化信州フェア「信州花フェスタ2019」の成果を継承し、緑化に対する意識の醸成を図るため、「信州緑花(りょっか)ネットワーク」などと連携して、花や緑に関するイベントや講習会などを開催します。また、グリーンインフラの考え方を積極的に取り入れ、まちなかの緑地や街路樹の整備などを引き続き実施するとともに、都市の緑の現状を把握し、都市緑化の更なる推進策を検討してまいります。 

(観光地域づくり)
 「世界を魅了するしあわせ観光地域づくり」に向け、観光の担い手としての経営体の支援やサイクルツーリズムの推進に取り組むとともに、インバウンド誘客の一層の強化に取り組みます。
 昨年、県として重点的に支援する広域型DMOの第1号として、一般社団法人HAKUBAVALLEYTOURISM(ハクババレーツーリズム)を指定しました。「観光地域づくり重点支援事業」を創設し、公衆無線LANやキャッシュレス決済等をはじめとするインバウンド受入環境の整備などを、3年間集中的に支援します。あわせて、この地域が、「世界に選ばれる通年型のマウンテンリゾート」となるよう、無電柱化の推進や景観デザインの共通化、グリーンシーズンの魅力発信などについて、DMOとともに取り組みます。今後、他の地域でも重点支援広域型DMOの指定を行うことができるよう、県内各地域の特色あふれる観光地域づくりを積極的に支援してまいります。
 雄大な山岳景観や歴史・文化、温泉など豊富な観光資源を生かし、「サイクルツーリズムの聖地」としてのブランドを確立するため、昨年設立した「Japan Alps Cycling(ジャパン アルプス サイクリング)プロジェクト」とともに、マーケティング調査や積極的な情報発信等を行ってまいります。
 世界から観光客を呼び込むため、昨年設立した「長野県インバウンド推進協議会」と連携し、欧米人に人気の高い中山道等の街道をテーマとした旅行商品の開発や、周遊型交通パス「NAGANO PASS」の利用可能路線の拡大を進めます。また、大阪観光局と連携して豊富な自然や健康をテーマとした観光ルートを造成するなど、関西圏からのインバウンド誘客を強化してまいります。

(自然公園の保全と利用)
 中央アルプス県立公園が来月に国定公園に指定されることを機に、中央アルプスの魅力を広く発信するとともに、学びと体験の場として自然公園の活用を図ってまいります。
 自然保護センターについては、上質な自然体験を楽しめるエコツーリズムの推進拠点として活用してまいります。県内全域で活動するエコツアーガイドの育成等に引き続き取り組むほか、八ヶ岳中信高原国定公園にある霧ヶ峰自然保護センターの展望テラス等の整備に着手します。
 また、御岳県立公園内の王滝村田の原の登山口周辺に御嶽山ビジターセンターを新たに整備することとし、令和4年度の開館を目指して設計に着手します。木曽町が整備を検討している山麓のビジターセンターとの連携により、平成26年の御嶽山噴火災害の教訓を後世に伝えるとともに、御嶽山の魅力を発信する拠点となるよう、展示内容等も十分検討し、木曽地域の復興と活性化につなげてまいります。 

(高速交通網の整備)
 本州中央部に位置する本県の優位性を発揮し、首都圏・関西圏との「東西軸」と太平洋側と日本海側を結ぶ「南北軸」を基軸に、本県を中心とした大規模な流動の創出と活用を図る「本州中央部広域交流圏」の構築を目指し、高速交通網の整備を進めてまいります。
 今年度、上信越自動車道の4車線化が完了し、三遠南信自動車道は中央自動車道から飯田上久堅・喬木富田インターチェンジまでつながりました。中部横断自動車道や中部縦貫自動車道、松本糸魚川連絡道路をはじめ、安全・安心・快適な暮らしに必要な社会資本である高規格幹線道路等の道路ネットワークを着実に整備します。
 リニア中央新幹線については、その開業が地域の発展に資するものとなるよう、伊那谷地域の経済団体等と連携してリニアバレー構想の実現に取り組むとともに、効果を広く県内に波及させるため、関連道路の整備を推進してまいります。
 信州まつもと空港については、昨年10月に就航した神戸便の先月までの搭乗率は平均で7割超、今年度の国際チャーター便は過去最多の44便、先月までの空港利用者数は前年同期比2万人増と、その利活用が順調に進んできています。様々な環境変化も念頭に置きながら、引き続き、国内線の利用促進や国際チャーター便の誘致、外国人旅行者を呼び込むための国際乗継ツアーの造成等に取り組みます。また、発着便の増加に伴う混雑を緩和し、国際便の円滑な受入れを図るため、入国審査用の臨時的な施設の整備に着手します。

 (生活を支える地域交通の確保)
 地域公共交通は、地域の産業や医療、教育などを支え、環境負荷の低減にも資する重要な社会基盤です。県民の皆様の暮らしにとって不可欠な移動手段を維持・確保するため、生活圏を単位とした広域的な交通ネットワークの構築に取り組んでまいります。
 交通分野における様々な課題の解決に向け、定額タクシーのモデル構築のための実証実験や人と貨物の移動をAIにより最適化するデマンドシステムの構築、地域の助け合いによる移動手段の調査などを実施します。また、広域的な交通ネットワークの最適化を図るため、市町村域を越えるバス路線の利用状況などを多角的に分析し、市町村や事業者とともに路線見直し等の改善方策を検討してまいります。
 この他、地域鉄道会社が行う安全設備の整備や昇降機の設置によるバリアフリー化を支援するとともに、引き続き、しなの鉄道の計画的な車両更新を支援します。
 また、ドライブレコーダーを活用した安全教育の充実、運転能力の衰えへの気付きを促す講習会の開催支援など、高齢ドライバーの交通安全対策を強化してまいります。

(効率的・効果的な行政体制づくり)
 社会・経済構造の変化に伴い大きく変化する行政需要に対応しつつ、質の高い行政サービスを安定的に提供できるよう、事務処理の効率化を図るとともに、より創造性の高い業務に職員が取り組める環境づくりに努めます。
 先端技術を活用して業務を自動化・省力化するため、RPA(業務の自動化)の導入業務を今年度の30件から60件に拡大するとともに、市町村と協力してスマート自治体の構築を推進するため、県・市町村間で行われている調査業務等を処理する共通基盤の検討に着手します。
 適正な行政事務の執行を確保し、地方自治法に基づく内部統制制度にも対応する取組として、本県が他に先駆けて取り組んできたリスクマネジメントを来年度から本格的に実施し、重要なリスクに対しては組織全体で計画的に対応策を講じてまいります。コンプライアンス推進月間や管理監督者に対する研修なども継続的に実施し、社会の要請に的確に応えることができる県組織を目指します。
 公文書に対する信頼性を高め、現在及び将来の県民の皆様への説明責任を果たすため、「長野県公文書等の管理に関する条例案」を提出いたしました。令和4年度からの新しい公文書管理制度の運用開始に向け、来年度、公文書審議会を設置して公文書管理の具体的な基準を議論いただくとともに、新しい文書管理システムの構築に着手したいと考えております。

【令和元年度補正予算案】
 次に、令和元年度補正予算案について申し上げます。
 補正予算案は、一般会計399億2,752万円、企業特別会計1,500万円であります。
 今定例会に提出した補正予算案は、国の補正予算を最大限に活用し、来年度当初予算と一体のものとして編成いたしました。
 台風第19号災害からの復旧・復興については、先ほど申し上げた農地・農業用施設や社会福祉施設の災害復旧事業のほか、被災したしなの鉄道と上田電鉄の代替バス輸送への支援、農産物集出荷施設の復旧や農業機械の取得への支援等を実施します。また、防災・減災対策の推進として、水害・土砂災害対策を強化するため、河川改修や砂防・治山施設の設置、道路や農業基盤の整備などを進めるとともに、医療・社会福祉施設が行う非常用自家発電設備等の整備を支援します。
 このほか、県立高校や特別支援学校における校内無線LANの整備や三次元金属プリンターの導入による「3Dデジタル生産技術実装化研究拠点」の整備、先ほど申し上げた畜産試験場の施設整備などを進めてまいります。
 補正予算案の財源として、国庫支出金211億6,426万6千円、県債180億4,900万円、その他地方交付税など7億1,425万4千円を見込み、計上いたしました。
 今年度の一般会計予算は、今回の補正を加えますと、1兆36億7,894万6千円となります。
 企業特別会計の補正予算案は、流域下水道事業会計に係るものです。

【条例案ほか】
 条例案は、先ほど申し上げた「長野県公文書等の管理に関する条例案」など新設条例案4件、一部改正条例案18件の、合わせて22件であります。
 新設条例案のうち、「長野県附属機関条例案」は、附属機関の設置、廃止等を効率的に行うことができるよう各附属機関の設置条例を整理統合するとともに、要綱等により開催している会議体のうち必要なものについて、附属機関として位置付けようとするものです。
 一部改正条例案のうち、「職員の勤務時間及び休暇等に関する条例の一部を改正する条例案」は、職員の仕事と家庭の両立支援のため、男女とも1年間取得できる不妊治療休暇制度を都道府県として初めて導入しようとするものです。5.5組に1組の夫婦が不妊検査や治療を受けたことがあるとの調査もあり、多くの方が不妊に悩まれています。今回の制度導入を契機として、こうした方々が周囲の理解とサポートを得られるような環境整備に努めてまいります。 

 事件案は、21件であります。
 このうち、「長野県道路公社定款の変更について」は、三才山トンネル有料道路を9月1日から一般道路化するものであり、道路公社出資金に係る「権利の放棄について」は、県の要請に基づき実施している通行料金引下げによる減収相当額分を放棄しようとするものであります。

 専決処分報告は、「交通事故に係る損害賠償の専決処分報告」など11件であります。

 以上、今回提出いたしました議案につきまして、その概要を申し上げました。何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

お問い合わせ

総務部秘書課

電話番号:026-232-2002

ファックス:026-235-6232

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?

  • 長野県公式観光サイト ゴーナガノ あなたらしい旅に、トリップアイデアを
  • しあわせ信州(信州ブランド推進室)