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更新日:2016年12月1日

指導資料No.78 みんなで考えよう!携帯電話

 今や携帯電話は、私たちの生活の中に溶け込み、その一部となっています。それとともに、子どもたちの世界にも広がり、多くの子どもたちが携帯電話を所持する現状となってきています。

 私たち大人は、「子どもたちに携帯電話を持たせるか、持たせないか」という議論から一歩進んで、「子どもたちにメディア・リテラシーをいかに身に付けさせるか」を考えていかなければならない時代だと言えます。メディア・リテラシーとは、情報を取捨選択して、自らの人格形成に資するものを取得していく能力です。

 そのために、子どもたちを取り巻く家庭、学校、地域がどのような責任を負わねばならないのか、みんなで考えていきたいと思います。

  1. 携帯電話は今
  2. 小・中・高校生の皆さんへ
    考えてみよう!携帯電話の使い方
    子どもたちへのメッセージ
  3. 保護者の皆さんへ
  4. 教職員の皆さんへ

 1 携帯電話は今

携帯電話と子どもたち

  1. 人と結べない子どもたち
  2. ケータイは電話?おもちゃ?
  3. 人との関係を簡単にリセット
  4. メールは相手の時間を拘束しない。でも・・・
  5. 犯罪につながった「出会い系サイト」関連の事例

 人と結べない子どもたち

結びつくはずのない関係・・・ 簡単に友達って言う中学生。

友達から紹介されれば、その人はもう友達。
顔を知らなくても、メル友が教えてくれた人はすぐ友達。
友達の友達が増えて、幸せな気分。
しかし、ある日突然、知らない「お友達?」が、偵察に来る。
身の危険を感じた時はもう遅い・・・・・。

 事例1 ある女子生徒が「メル友がほしい」と友達にメールしたところ、その友達の友達の友達が19歳の男性を紹介し、一晩のうちにメール友達になった。そして、深夜までメールのやり取りを行った。ところが、翌日その19歳の男性の友達だという18歳の男女が、その女子生徒の顔を見るために、車で学校に乗り付け、一時学校の前が騒然となった。(中2女子)
 事例2 中3女子が高1男子とメールのやり取りをしていて起こった出来事。その高1男子がA高校のことを話題にしたら、中3女子が「A高校って評判よくないよ」とその高1男子にメールしてしまった。高1男子がA高校の女生徒にその内容をそのまま見せたことで、激怒したA高校の女生徒5人が中学校に乗り込んできて中3女子を呼び出した。中3女子は「何が起こったのか全く身に覚えがない」と最初は思っていたが、「あっ、あのことが・・・」と徐々に事態がわかり青ざめた。(中3女子)
  「出会い系サイトって怖いし、お金もかかるからあんまり使わないよ」とある中学2年の女子は語る。しかし、相手が知っている人であれば一気に恐怖心は消える。話はあまりしたことはないが顔見知りであれば、気軽にメールができるようである。普段は、先輩と話をする機会もないが、メールなら気兼ねなくやり取りしてしまう。
 そんな中で話題になったA高校のことだったのだろうが、思っていることを文にすればそれは後まで残り、メールが一人歩きすることもある。
 また、顔も知らない、会ったこともない人でも、友達から紹介されてメールを始めるとその人のことを友達だと思い、気軽な感覚になってしまうということもある。会ったことがなくても、そのメール友達が紹介してくれた人はまた友達だという。どんな人かわからないうちにみんな友達になってしまう。その結果とんでもない人が自分に会いに来るという事態に巻き込まれてしまった。
 結びつくはずがない人が簡単にメールでつながってしまう。このようなことを続けると、先にはどんなことが待ち受けているのだろうか。その恐怖まで考えてメールしている人はどれくらいいるのだろうか。

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 ケータイは電話?おもちゃ?

カメラ付き携帯電話でパシャッ

いつでもどこでも、なんでも気楽に写せるカメラ付き携帯。
ちょっとしたいたずら心で・・・。
トイレの盗撮、本屋での資料の盗撮・・・。
写したものを友達に送ってしまう。そして一人歩きする。

プライバシーの侵害や、著作権法違反が横行しそう。
楽しけりゃいいや、では済まされない事態に巻き込まれる恐れがある。

事例3 ある男子生徒が、他人に見られてはいやな自分の写真をカメラ付き携帯電話で撮られ、その写真がメールで大勢の生徒に広まってしまった。(中3男子)
 カメラ付き携帯電話はポケットカメラのような便利さがあって楽しいものである。ま、多くの女子生徒はプリクラを撮るとお互いに交換しあっている。友達からもらったプリクラを順番にきれいに貼って、それを眺めて満足している姿はどこにでもある光景だ。それと同じ感覚なのか、携帯電話でも写真を撮って友達にまわすことがよくある。そこまでで楽しんでいればいいのだが、ちょっといたずらの度を過ぎると、トイレ内で他人の写真を撮ったり、盗撮したりして相手のプライバシーを侵害するような行為に発展する。どこまでが許される範囲でこれ以上は犯罪行為になるということが理解できず、「楽しけりゃあいいや」というおもちゃ感覚で遊ぶ傾向があるのだろうか。

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 人との関係を簡単にリセット

「どうしてアドレスをよく変えるの?」
 「だって、変なメールが入ってくるでしょ」
 「アドレス教えた人、むかつくんだよね。だから変えるの」

アドレスは簡単に変えられる。
それで、人との関係もリセットしてしまう感覚。

事例4 携帯電話を持っている生徒の中には、アドレスは簡単に教えるが携帯電話の番号は少数の人にしか教えないという生徒がいる。番号を変えることは難しいがアドレスを変えることは簡単だからだ。教えても迷惑メールがくればすぐにアドレスは変えられるのだという。実際、生徒から「アドレス変えました」というメールがたびたび入る。どうしてアドレスを変えるのかを聞くと、「アドレスに飽きた」「アドレス教えた人が嫌いだから」「アドレスを変な人に教えられた」とメールアドレスが一人歩きしていることに迷惑を感じながらも、アドレスを変えることで、その人とのかかわりがリセットできるように思っている感覚がある。(中学校養護教諭)

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 メールは相手の時間を拘束しない。でも・・・

メールは安いし、電話のように相手の時間を気にしなくていい。
でも、自分のアドレスが、知らないうちに流されたり・・・。
うわさ話がみんなに流されて、変な内容が広まったり・・・。
簡単に大事なことが何人にも遅れるから、友達を傷つけることだってある。
メールの画面でつながる友達って何だろう。

事例5 メールアドレスを友達に教えたところ、上級生からメールが届いた。「つきあってくれ」「誰かとつきあっているのか」という内容でその後ストーカーのようにメールが続いた。(中1女子)
事例6 A君が友達に送った秘密のメールの内容を、受け取った友達が勝手に何十人にも流した。(中2男子)
 メールは、電話に比べて料金が安いということや、相手の行動を束縛しないというメリットがある。電話だと相手の時間を束縛することになるが、メールを送信しても相手がいつ見るかは相手の都合。しかし、一度に何人にも同じ内容を簡単に送信できるため、情報の広がり方も早い。ある生徒は「一日平均6人とメールのやりとりするよ。連絡があるときは30人くらいにパァーって流すよ」と語る。簡単で便利なメールだからこそ、最善の注意を払いながら使わないと、内容によっては友達を傷つけてしまうなど、取り返しのつかない結果を招く。

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 犯罪につながった「出会い系サイト」関連の事例

強姦致傷
児童福祉法違反 等

男(36歳)は出会い系サイトで知り合った女子高生に暴行を加えるなどして強姦した。さらに暴力団組員を装い、多額の現金の支払いを約束させる借用書を書かせたり、出会い系サイトを利用して他の男性と援助交際させるなどしてお金を稼がせていた。  
青少年保護
条例違反
男(20歳)は出会い系サイトで知り合った女子高生を相手に、自宅でみだらな性行為をした。その後、女子高生が呼び出しを拒否し続けたため、携帯電話で何度も「お前を本当にぶっ殺す」と脅迫した。
脅迫 男(41歳)は出会い系サイトを通じて知り合った女子高生に対し、交際した際に撮影したわいせつな写真を使い、もう一度会うように要求した。そして、応じなければ写真をばらまくなどと脅迫した。
強盗傷害
監禁事件
携帯の「出会い系サイト」に女性のふりをして「今日会える人いない?」などと書きこみ、誘い出した男性を監禁したうえ、殴る蹴るの暴行を加えて現金などを奪った。
名誉毀損
児童ポルノ法違反
男(26歳)は、出会い系サイトで知り合った女子高生にみだらな行為をするとともに、その様子を写真撮影したうえ、交際を断られた腹いせにインターネット上に掲載して名誉を毀損した。

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 2 小・中・高校生の皆さんへ

考えてみよう!携帯電話の使い方

 出会い系サイトの実態やしくみ。「出会い系サイト規制法」や「ワンギリ」の実態について、Q&Aで紹介しています。
 また、あなたの携帯電話マナー度をチェックしながら携帯電話の使い方を考えてみましょう。

  1. 「出会い系サイト」には危険がいっぱい!
  2. 「ワンギリ」にご用心!
  3. 携帯マナーチェック

 「出会い系サイト」には危険がいっぱい!

 ある掲示板にこんな書き込みがありました。あなたはどう考えますか? 

私も出会い系サイトを利用したことが何度かあります。そのときは、好奇心だけで、出会いを求めていたわけじゃありませんでした。でも、返事を送ってくる人は、いやらしい内容ばかりでした。出会いは自由だと思いますが、顔が見えない他人との出会いという事をしっかり自覚した上じゃないと、ダメなんじゃないかな。(15歳 女子中学生)

 

Q1 「出会い系サイト」って何?
  • インターネットを利用した出会い・交際目的のサイト(掲示板)
  • 携帯電話やパソコンから誰でも自由に接続できるし、交信できる
  • 相手の姿が見えないので本当はどんな人かわからない
Q2 「出会い系サイト」ってどんなしくみ?

サイト接続までの流れは、以下のとおり

  1. サイトのアドレスが自分の携帯電話に送られてくる
  2. 携帯電話やパソコンからそのアドレスに接続する
  3. 自分の電話番号やメールアドレスを入力して会員になる
  4. 掲示板に自己紹介などを書き込む。また、人のメッセージを読む
  5. 気に入った相手とメールのやりとりをする
Q3 「出会い系サイト」の怖さは?
  • メールの相手がどんな人かわからない(匿名・架空の名前で利用できる)

私は出会い系サイトでサクラのバイトをやってます。悪いなとは思いつつ、外に働きに出られないので、効率のいいバイトだと割り切って仕事をしています。出会い系サイトには、私のようなサクラがたくさんいますから、本当の出会いを求めることは難しいかと思います。もちろん本気で出会い系サイトで相手を探している人もいるとは思いますが…。でも、女の子にとって危険性が高い出会いの場ですよね。殺人事件だって起きてるくらいですから…。(匿名 女子)

※ここでいうサクラのバイトとは、サイト会社に雇われた女性が時には主婦になりすまし、時には女子高生になりすましてメールを送る人のことです

  • はじめから金銭やわいせつ行為が目的の人がいる(情報の真偽を確認できない)
  • 一度接続すると、しつこくメールを送ってくる(瞬時に不特定多数の人に情報が届く)
Q4 「出会い系サイト」で犯罪につながった事例は?
事例1  女子高校生らが仲間と共謀して、出会い系サイトで知り合った男性会社員から現金を盗んだ。
事例2 男性が「出会い系サイト」で女子中学生の援助交際相手を募集し、他の男に斡旋をしていた。

犯罪事例は、こちら

※長野県ではこの他にも「出会い系サイト」に関係した事例が急激に増えています。全国的にも携帯電話を使った犯罪が多発しているため、平成15年には「出会い系サイト規制法」 が施行されました。詳細は、こちら(長野県警ホームページ)

Q5 「出会い系サイト」規制法とは?
  • 利用者が次のような書き込みをすると大人、児童(18歳未満)を問わずに100万円以下の罰金が課せられる~不正誘引(誘った児童)も罰則の対象になる~
     「女子中学生のあなた、僕とHしませんか?」(25歳、会社員)
     「女子高校生です。¥1,000で私と遊びませんか。」(16歳、高校生)
     「お小遣いくれればお茶してもいいよ。」(14歳、中学生)
  • 事業者(サイト管理者)に対する規制の強化。児童生徒の利用防止に努める責務がある
  • 保護者はフィルタリング機能の設定などを活用して児童に利用させない義務がある

注意すること

  • とにかく「出会い系サイト」には絶対に接続しない
  • 知らない人にアドレスや電話番号、住所などの個人情報を絶対に教えない
  • 被害者にならないことも大切だが、自分が加害者にならないように 節度ある利用を心がける

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 「ワンギリ」にご用心!

Q 「ワンギリ」に気をつけてと言うけれどどうしてなの?

「ワンギリ」とは悪徳業者が携帯所有者から高額な接続料をまきあげようとする「ワンギリ商法」という悪質な手口のことです。携帯所有者がその業者から送られてきた電話番号に電話をかけると、自動的にアダルトサイトなどの有料サイトにつながって使用料を請求されるというしくみです。

※はじめの呼び出し音1回だけですぐに切れることから「ワンギリ」と呼ばれています

注意すること

  • 着信した電話番号のうち、知らない番号にはかけ直しをしない
  • もし不当な請求をされたら家族や専門相談機関などにすぐ相談する

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 携帯マナーチェック

Q1 友達と待ち合わせの場所に向かうためにバスに乗りました。その時あなたは? A うるさくないようにマナーモードにする
B 公共の場なので電源を切る
Q2 友達からほかの友達のメールアドレスを教えて欲しいと頼まれました。その時あなたは? A 友達なので喜んで教える
B 友達の許可を得てから教える
Q3 自転車に乗っていると電話がかかってきました。その時あなたは? A 待たせないよう運転しながら出る
B 自転車を止めて電話に出る
Q4 知らない人からメールが届きました。その時あなたは? A どんな人か確認のメールを送る
B 無視する
Q5 身に覚えのない、有料サイトの請求書がきました。その時あなたは? A 何かの間違いなので、請求元に電話する
B 無視して電話をかけない
Q6 具合が悪く病院に行きました。その時あなたは? A 迷惑にならないようマナーモードにする
B 電源を切る
Q7 チェーンメールが送られてきました。その時あなたは? A 内容によっては次の人に送る
B どんな内容でも無視する
Q8 メル友や出会い系サイトの相手から「会いたい」とメールが来ました。その時あなたは? A どんな人か会って確かめる
B 会わない
Q9 人と話している時に電話がかかってきました。その時あなたは? A 待たせては悪いのですぐに出る
B その場では出ずに後でかけ直す
Q10 友達から「○○君の写真をメールで送って」と言われました。その時あなたは? A ○○君も知っている友人なので送る
B 本人の許可を得てから送る

 もう皆さんお気づきですよねすべて「B」が正解です

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 子どもたちへのメッセージ

携帯電話をもつ人の責任

  • 現在、日本の中学生は自分の携帯電話をどれぐらい持っているのでしょう。3人に1人ぐらい、それとも2人に1人ぐらいでしょうか。小学生ならもっと少ないと思いますが、まだ持っていない小中学生のほとんどは、早く自分もほしいと思っていることでしょう。
    でも、携帯電話は小中学生に本当に必要でしょうか。携帯電話は本当に便利なだけの機械でしょうか。一度よく考えてみる必要があると思います。
  • みなさんは病院や公共の乗り物では携帯電話の電源を切りましょうといわれているのを聞いたことがありますか。それは病院に置かれている医療機械が電磁波に影響されるからなのです。もし、あなたの隣に心臓のペースメーカーを入れている人がいた場合、あなたの携帯電話によってそのペースメーカーに悪影響をおよぼす可能性があるということなのです。事実、お医者さんの研究ではペースメーカーから半径20㎝の距離からメールなどを飛ばすとペースメーカーに影響が出たという報告があります。混んでいる電車の中では十分あり得る距離ですよね。
    現在日本では約600人に1人の割合でペースメーカー使用者がいます。携帯電話をすでに持っている人にとって、病院や公共の乗り物の中では電源を切るというのは絶対に守らなければならないルールなのです。赤信号で車は止まるという絶対のルールとまったく同じで、人の命にかかわるのです。
  • ペースメーカーでなくても携帯電話を使うことで殺人や傷害、恐喝や暴行などの犯罪が起きていることもみなさんはよく知っていることでしょう。みなさんの中には出会い系サイトの広告メールやチェーンメール、盗撮などで困った経験がある人もいると思います。ちょっとした好奇心から有害サイトに接続してしまい多額のお金を請求された小中学生もいる現在、携帯電話が安全なものだなどと思っている人はもう誰もいません。車やバイク、エアガンやナイフと同様に、使い方を一歩誤ると人を傷つけてしまう大変危険な道具でもあるということを少しでもわかってもらえたでしょうか。本来は責任ある大人が使うべき道具ですから、小中学生のみなさんにはまだ早いかもしれません。まだ自分は携帯電話は持たないでおこうという考え方も大切にして下さい。

携帯電話との上手なつきあい方

  • ある高校3年生に聞いてみるとこんな答えが返ってきました。
     「メール遊びなんて最初だけ。そのうち限られた人としかやらなくなるよ。それに他にやることあるしね。」
    こんなことばも聞きました。
     「メールがめんどくさい時も確かにあるよね。読むのも打つのも。でも無視できないこともあって、そこが自分でもつらい。」
    勉強に集中したいと思っている時はメールが来ても無視する。それができる高校生はどれほどいるでしょうか。なにをしていてもメールが来たらとりあえず見てしまうという人がほとんどではないでしょうか。悩んでいる人もたくさんいることでしょうね。
  • ところが実際には携帯電話がない生活は考えられないという、まるで中毒にかかったような人もいます。そういう状態を「携帯依存症」ということばで呼んでいることもあります。そういう人たちは、それがないとイライラしたり、なんとかそれを手に入れようとします。逆にあれば安心して落ち着いていられるのです。小さな機械が人の心を支配してしまっている状態です。あなたはそういう「携帯依存症」になりたくないですよね。
  • では、携帯電話に依存せず、自分の時間を自分でコントロールするにはどうしたらいいのでしょうか。その答えは「意志の強さ」。持っていない人は、将来持つまでに自分と携帯電話のつきあい方はどうすればいいか、じっくりと考えておくことが大切でしょう。依存症にならずに、学習や部活動や趣味の時間も確保しながら、うまく携帯電話とつき合えるように心の準備をしておくことが大切です。すでに持っている人もこれからどのように携帯電話とつき合うかは重要な問題ですよね。最後は自分の心の中のブレーキがちゃんとかけられるかどうかにかかってくるのです。まだ自分でも意志が弱いな、けじめがつけられないなと思う人は、携帯電話はまだ早いということになるでしょう。

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 3 保護者の皆さんへ

 今や携帯電話なしの生活は考えられないほど、携帯は、私たちの身近なものになりつつあります。携帯電話には、子どもとの緊急連絡の手段として、不登校の子どもや目の不自由な子どもとのコミュニケーションツールとして重要な役割もあります。
  これからは、親も子もその実態を把握するとともに、功罪についても正しく認識した上で利用について考えていく必要があります。子どもが欲しがるから、便利だから、という安易な考えだけで携帯電話を与えていませんか?

持たせることで、思わぬことが!!

出会い系サイトの危険 出会い系サイトを利用してこんな被害に!
17歳の女子高生は、出会い系サイトで知り合った男性2名に3日間アパートに監禁されて性被害を受けた。
無計画な電話利用 予期せぬ課金
使用料1万2,000円と、1週間の延滞料16万円を請求された高校生

所持させる家庭の責任は?

危険性と被害に遭った場合の対応についてきちんと教えましょう。

  • 出会い系サイトを利用することは、危険を伴うこと。
    万が一、被害に遭ってしまったら、親や先生など身近な大人に早く相談すること。
  • 出会い系サイトを利用して援助交際の相手方を求めることは犯罪であり、決して行ってはならないこと。

使用のルールやマナーについて家庭で話し合いましょう。

  • 使い方のマナーを守る。 
  • 1ヶ月に使用する電話料金を決める。
  • 出会い系サイトなど有害サイトへはアクセスしない。 
  • 利用目的をはっきりさせる。 
  • 個人情報をむやみに掲示板などに入力しない。

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律

第一章の総則(保護者の責務)  第四条 
 児童の保護者(親権を行う者又は後見人をいう)は、児童によるインターネット異性紹介事業の利用を防止するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない

こんなサービスがあります

有害な情報をシャットアウトする。
  【パソコンの場合】パソコンやプロバイダのフィルタリングシステムの活用。
  【携帯電話の場合】電話会社のアクセス制限機能の利用。

最後は親の判断

  • 情報化がますます進む中、携帯電話やインターネットなど、子どもを取り巻く環境が大きく変化してきています。
    この問題については、社会全体(学校・地域・家庭・政治・企業など)が、それぞれの役割を担う必要があります。しかし、最終的には保護者と子どもとのコミュニケーションが重要であり、子どもが被害者や加害者とならないよう、「親が目の前の自分の子どもを守る」という気概を持って取り組むことが必要です。

家庭の果たすべき責任は

  • 子どもが自分の頭で考え、情報を判断する力を身に付けるために、親としてもメディアに対するしっかりとした考えを持つ。
  • 保護者が、子どもを有害な情報・環境から守る配慮を怠らない。
  • 子どもとともに、身体や五感をフルに使った豊かな体験を。

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 4 教職員の皆さんへ

 実践例(中学2年生)の紹介

1 題材名 「出会い系サイト」の危険性

2 題材設定の理由

 昨今の携帯電話所有率の増加は、いわゆる「出会い系サイトに係わる犯罪」を激増させている一つの原因となっている。特に思春期の多感な世代である中学生たちがインターネットや電子メールの危険性をよく理解しないまま携帯電話を持つことによって、つい興味本位に出会い系サイトに接続して犯罪に巻き込まれていくケースが多い。本校でもメールやチャットで不快な経験をした生徒が増えている現状がある。
 そこで、携帯電話やインターネットの危険性を考える学習活動は中学校の現場では緊急を要すると思われ、情報教育係と生徒指導係が連携して早急に学習プログラムを立案し、特別活動(学級活動)として3時間程度の授業を計画した。今までも技術家庭科等でパソコンの学習は行ってきているが、携帯電話やいわゆる「出会い系サイト」の危険性という題材は特別に扱っていなかった。こうした題材を生徒自身に考えさせ、正しい利用方法について人権教育や性教育との連携も図りながら計画的に行う必要性を強く感じている。

3 事前の指導と生徒の実態

  1. 携帯電話についてのアンケートを行い、学校への携帯電話の持ち込みは禁止していることを再確認した。その時、「出会い系サイト」にアクセスしたことがあると答えた生徒もいたため、生徒指導係として携帯電話の正しい使い方に係る指導計画を立てた。
  2. 生徒は、「出会い系サイト」規制法の施行について知らないことがわかったので、どうすればこのような犯罪を未然に防げるかを特設授業を行って考えさせ、携帯電話の正しい使い方について理解を深める活動を計画した。

4 本時の展開

  1. 活動テーマ「出会い系サイト」の危険性を知ろう
  2. 主眼
    「出会い系サイト」に係わる犯罪の実態を知り、どうして犯罪が増えているかを考えさせることでその危険性や虚構性に気づき、規制法の施行に伴って携帯電話をどのように利用すればよいかが理解でき、自らの判断力を高めようとする。
  3. 活動の展開  
過程 活動の内容 教師の指導・生徒の反応 時間

導入

1 テーマを知る 世の中には携帯電話を利用した犯罪があることを知っていますか。
・知っている
 
2 携帯電話による 犯罪の種類を考える では、どんな犯罪があるか、カードに書いてみよう。書けたら発表しよう。
・出会い系サイト ・いたずら電話 ・迷惑メール ・盗撮 ・ワンギリ 
5
3 携帯電話による事件の増加の実態を知る その犯罪が増えている現状を見てみよう。(説明後に)どう思いますか
・1年で2倍以上増えている
・どうしてだろう
・とてもこわい

5

展開

4 事件が増えた理由を考える なぜ事件が増えているのだろう。カードに理由として考えられることを書いてみよう。書いたら発表しよう。
・みんなが携帯電話を持つから
・悪い人がたくさんいるから
・だまされるから
(適時、補足的に説明を加える)
△携帯電話の所有率のグラフなど
△出会い系サイトのさくら経験者の手記

15 

 

5 犯罪を減らす方法を考える どうすればこういう犯罪は減らせると思うか書いてみよう。書けたら発表しよう。
・サイトに接続しなければいい
・だまされないように注意する
・サイトをなくす

10

まとめ 

6 法律による規制が始まったことを知る。  「出会い系サイト」の法律ができたことを知っていますか。どんな法律だと思いますか。
・よく知らない
・エッチなことを書き込むとつかまる

 2

7 法律の内容を理解する その法律をくわしく見てみよう。(説明後に)これを見てどう思いますか。
・いい法律ができたと思う
・ほんとにこれで減るのかな

10

8 感想を書く 今日の授業の感想を書いてみよう

3

事後指導

特に「出会い系サイト」に係わる犯罪の問題は性教育との関連も重要である。性に関するモラルを育てる指導を性教育や道徳等で継続的に行う必要がある。また、携帯電話の正しい使い方について、一般的なルールやマナーの指導も必要である。授業の感想を通して、一人一人の受け止めに応じて、個別に、また全体として指導を継続する。

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お問い合わせ

所属課室:長野県教育委員会事務局心の支援課

長野県長野市大字南長野字幅下692-2

電話番号:026-235-7450

ファックス番号:026-235-7484

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