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更新日:2016年8月19日

知事会見(平成28年(2016年)8月19日(金曜日)11時00分~11時41分会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 第1回「山の日」記念全国大会の開催、アメリカ合衆国(コロラド州)訪問、長野県スポーツコミッションの設立について

≪取材者からの質疑≫

2 登山安全条例について

3 アメリカ合衆国(コロラド州)訪問について

4 奥原希望選手に対するコメントについて

5 信州まつもと空港の国際化について

6 大北森林組合補助金不適正受給について(1)

7 大北森林組合補助金不適正受給について(2)

 1 第1回「山の日」記念全国大会の開催、アメリカ合衆国(コロラド州)訪問、長野県スポーツコミッションの設立について

長野県知事 阿部守一
 それでは、8月19日の会見を始めさせていただきたいと思います。私の方からは最初3点お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目は、過日行われました山の日全国大会についてでございます。第1回「山の日」記念全国大会、多くの県民の皆さま方、そして関係の皆さま方のご協力とご支援によりまして、無事盛大な大会として開催できましたこと、改めて厚く御礼申し上げたいと思います。報道の皆さま方にも心から感謝申し上げたいと思います。今回の式典には、皇太子同妃両殿下並びに愛子内親王殿下をお迎えし、御臨席を賜る中で開催できましたこと、大変光栄なことだと思っております。天候にも恵まれ、両殿下あるいは内親王殿下におかれましては、多くの県民の皆さま方、関係者の皆さま方とも接していただき、また上高地の自然にも、限られた時間ではありますけれども、触れ合っていただけたと思っております。長野県としては、この大会を契機として、「信州 山の日」もすでに制定をしております、より多くの皆さま方、県民も含めて、県外から観光に訪れる皆さま方も含めて、山に親しむ機会がより増えていくように観光振興策を含めて取り組んでいくと同時に、長野県の素晴らしい山岳あるいは森林、こうした資源、財産を次の世代にしっかりと引き継いでいくことができるように、これからも森林整備であったり、あるいは環境保全であったり、さまざまな施策を進めていきたいと思っています。大変多くの関係者の皆さま方にご支援いただきましたこと重ねて感謝を申し上げて、私からのお礼と致したいと思います。
 それから2点目でございますけれども、すでにプレス発表させていただいているところでありますけれども、8月21日から27日までの日程で、アメリカ合衆国コロラド州を訪問させていただくことになりました。途中で分かれますけれども、経営者協会の海外経済視察団の皆さま方と一緒に訪問する予定でございます。その中で、いろいろな場がございますけれども、順不同で申し上げれば、25日(木曜日)には、コロラドのヒッケンルーパー州知事と会談させていただき、産業・観光・人材育成、こうした分野における相互協力に関する覚書を締結する予定でございます。ヒッケンルーパー州知事とは昨年10月に安藤国威県立大学理事長予定者のご紹介で、東京でお会いさせていただいて懇談させていただきましたが、その際、コロラド州としてイノベーションを創出する地域づくりに力を入れていること、あるいは長野県とコロラド州、同じ山岳地域、優れたスキー場を抱えている地域でもあり、共通点が多いということをお互い確認させていただいたところでございます。こういうことも含めて、今回コロラド州、今アメリカで最もイノベーティブな州を目指した取り組みを進めていらっしゃいます。今年の長野県の予算の中でも信州産業のイノベーション創出ということを大きな柱に据えて取り組んでおりますけれども、こうしたことについて経済界の皆さま方と一緒に学び、そしてお互いの地域間の情報交換を行っていきたいと思っております。通常は海外に行って、お互いの説明みたいな話でやることが多いですけれども、今回、これも安藤理事長予定者のお取り計らいで、現地でネットワーキングセッション、われわれ長野県側と、それからコロラド州側の関係者が参加してディスカッションする機会もつくらせていただいているところでございます。こうした機会を有効に使ってコロラド州との間の産業面での連携がさらに強まるように、そしてコロラド州の取り組みの中で、私どもとして参考になるべき点についてはしっかりと吸収していきたいと思っております。また、ネットワーキングセッションの会場でもありますが、Galvanize(ガルバナイズ)という機関がございます。これは起業促進・支援の機関でございます。長野県、日本一創業しやすい県づくりということで取り組みを進めてきておりますけれども、創業支援、起業支援という観点についてもしっかり学んで参考にしていきたいと思っております。また、観光面ではコロラド州はベイル、アスペンといった世界的なスノーリゾートを有している地域でございます。今回ベイルを訪問させていただく予定でありますけれども、長野県が目指す山岳高原観光地づくり、ぜひ世界水準というからには、こうしたコロラドの有数のスノーリゾートとしっかり連携協力できるような方向付けをしていくことも重要だと思っております。こうした観光面での取り組みも十分進展が得られるように取り組んでいきたいと思っております。それから、現在リオのオリンピックが開催されているわけでありますけれども、2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催予定になっておりますが、アメリカ選手団に対しての事前合宿のアピールを行っていきたいと思っております。そういう観点で、米国のオリンピック委員会がコロラド州にございますので、米国オリンピック委員会のCEOスコット・ブラックマン氏ともお話をさせていただいて、長野県の素晴らしさ、あるいは事前合宿地としての適性等について十分お伝えをしていきたいと思っております。あとは現地で、デンバー市ではスマートシティーの取り組みについてお伺いをしたり、あるいはオスカーブルースブルワリーは現地のビール会社で、本県のヤッホーブルーイングとも提携している企業でございますが、こうした企業等にも訪問してきたいと思っております。また、県内の上田市、茅野市がコロラド州のブルームフィールド市、ロングモント市と姉妹提携しておりますので、こうした本県の市町村の交流先の皆さんとも懇談してくる予定でございます。コロラド州との連携が進むようにしっかりと取り組んできたいと思っております。
 それから最後、もう1点でございますけれども、スポーツコミッションの設立についてでございます。リオデジャネイロオリンピックも残すところ2日ということで、日本選手の活躍でメダルラッシュが続いております。奥原希望(のぞみ)選手も、昨晩、今日の未明と言った方がいいですか、準決勝で残念ながら敗退しましたが、銅メダル見込みという情報が入ってきております。メダル獲得となれば、地元大町市の皆さんはもとより長野県としても大変うれしいニュースだと思っております。オリンピック、パラリンピック、長野県もかつて開催した地域でもございますので、そういう意味で、これから東京オリンピックに向けてさらにスポーツ振興に県として力を入れていきたいと思っております。そういう中で、来週8月23日に長野県のスポーツコミッションの設立総会を開催することと致しました。スポーツ大会、事前合宿、こうしたものを効果的に誘致していくという観点で、関係者の皆さま方に加わっていただいて、県を挙げて合宿誘致に取り組んでいきたいと思っております。設立総会におきましては、オリンピック金メダリストの荻原健司さんに記念講演を行っていただく予定にしております。スポーツコミッションは県、市町村といった行政機関に加えまして、経済団体、スポーツ団体、観光団体、旅行会社、そしてメディアの皆さま方など多くの関係者の皆さま方に加わっていただいて、情報共有しながらこの大会誘致、事前合宿等に向けた取り組みをワンストップで行っていきたいと思っております。当面、オリンピック・パラリンピックが大きな目標ではありますが、その前後、2018年には平昌(ピョンチャン)での冬季オリンピック・パラリンピックがございますし、また2019年にはラグビーワールドカップの日本での開催、そして、2022年には本県と姉妹提携している河北省も開催地になります北京冬季オリンピック・パラリンピックがございます。こうした世界規模でのスポーツイベントが日本あるいは日本の周辺諸国で行われるということを契機として、スポーツで長野県がより活性化するべく、スポーツコミッションを中心にさまざまな取り組みを積極的に進めていきたいと思っています。
 私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。

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 2 登山安全条例について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 3点お願いします。知事の方からお話があった山の日の関連で、ちょっと登山安全条例についてお伺いしたいんですが、7月1日から登山届の義務化が始まっていて、私どもの方で県警の方に聞いたところ、遭難した方の中で、登山届の提出率が大体6割くらい、4割の方が出していない状況だと。この辺の今後の周知策、出すこと自体に意義があるっていうか、出すことによって安全な登山につなげたいというお考えがあると思うんですが、その辺これからどのように高めていくのかちょっとお話しいただけますか。

長野県知事 阿部守一
 登山安全条例、特に登山計画書の提出を義務化してしばらく経ったわけでありますけれども、まず、われわれとしては提出状況の実態をしっかり把握していきたいと思っています。その上で、われわれのスタンスは罰則等で強制するということでなくて、提出しやすい環境をつくる、提出するモチベーションを上げていただくということで提出率を上げていこうと思っていますので、その分、罰則を掛けて駄目だよと取り締まるよりも、われわれ行政側の努力が必要になってきていると思いますので、提出状況の把握をまずしっかり行った上で、それをさらに上げていく工夫を次の段階では考えていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 目標として、それは100%が目標だと思うんですが、ある程度ロードワーク的にこんな形で上げていきたいというのはございますか。

長野県知事 阿部守一
 それはお話のように、もちろん全員が提出していくということが条例の趣旨からいけば当然の目標だと思いますけれども、実態を把握した上で、順次中間的な目標がもし必要であればそうしたものも考えていくようにしますが、まずは実態、例えば、どうして提出しないのかとかどうすればもっと提出してもらえるのかとか、そうしたことをもう少し踏み込んで検討していくことが重要だろうと思っています。

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 3 アメリカ合衆国(コロラド州)訪問について

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 あともう一つ、コロラドの訪問の関係なんですが、県立大の関係でちょっと教えていただきたいんですが、将来的には県立大からの留学生の受け入れというお話も協議されるのかなと思うんですが。昨年訪問された韓国でしたか、今、世界各国の大学と同じような形で話を進めていると思うんですが、目標とすればこのぐらいの国と進めたいとか、アメリカについていえば、先日もお話しに来られていたミズーリともお話が進んでいますし、これでアメリカで二つ目になるかと思うんですが、10とか20とか、かなり大学と進めたいという考えがおありになるんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そこは県立大学の安藤さん、金田一さんはじめスタッフの皆さんが今、一生懸命取り組んでいただいているところであります。特に今回私どもとすれば、いろいろな国にもちろんあるわけであります。多様な国と交流を深める必要があると思いますけれども、やはり英語を母国語とするようなところを中心として広げていくことも必要だと。英語教育、外国語教育全体が必要ですし、英語教育に力を入れておりますので、そういう意味で、アメリカとの交流ということは、われわれとしてはしっかり力を入れて取り組んでいくべき相手国の一つだと思っています。

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 4 奥原希望選手に対するコメントについて

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 先ほど、リオのバドミントンの奥原選手のお話があったんですが、6月にお会いになってらっしゃると思うので、そのときの感想も含めて、報道によると銅メダルが確定したというお話なので、ちょっとコメントをもう少し。

長野県知事 阿部守一
 先ほど、ちょっと奥歯に物が挟まったような状況の言い方をしましたけれども、相手選手が棄権をするという情報が流れたので、銅メダル見込みという中途半端なお話をしているんですけれども、それは確定しているのか。どんな状況なのか。

スポーツ課長 小野沢弘夫
 先ほど、私どもの方に入っている情報では、中国選手団の方から棄権の申し出があって、それを受けて正式決定をするということを聞いております。これは日本バドミントン協会でもその情報は確認済みでございますが、最終的にはメダルリストというものが出て正式決定しますので、これは確定したかどうか、ちょっと今のところ私どもも情報をつかんでおりません。

長野県知事 阿部守一
 冒頭申し上げたように、メダル獲得ということになれば、長野県としては、冬季ではない夏のオリンピックでは史上3人目ということになるようであります。私も奥原選手と直接お会いをさせていただきましたけれども、非常に前向きに取り組む姿勢に強く感銘を受けておりますし、またご両親にもお会いして、また地域の皆さま方の期待も大きい中で、本当にメダルを獲得したとすれば大変うれしいニュースだと思っています。昨日、私はセイジ・オザワ 松本フェスティバルのレセプションに出て、帰る途中で試合が始まるかと思ったら遅れていて、家に帰ってからテレビを見たら始まったのでずっとそのまま見て、本当に準決勝で破れてしまったのが残念だなと思って見ていましたけれども、銅メダル獲得ということになれば県民を挙げて祝福し、お祝いをして、これまで2度も大けがをする中で、大変な苦労を乗り越えてこられた成果だということで、多くの皆さんと一緒にお祝いしたいと思っています。

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 5 信州まつもと空港の国際化について

日本経済新聞 白岩ひおな 氏
 まつもと空港の国際化についてお伺いします。国交省の方で17年度以降に地方の管理する空港において国際線を新規就航した場合に、着陸料の航空会社負担がゼロになるようにするというような方針を示していますけれども、これについて、長野県も国際線の就航をまつもと空港で検討されていますが、こちらについての受け止めと、併せて先日の活用方針で示された国際線の就航に向けた検討状況と、併せて示されている国際チャーター便の増便に向け、どのような支援策を検討して考えていらっしゃるかということについて伺えますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この間、取組方針を出して県として積極的に国際化も含めて取り組んでいく方向付けをさせてもらいました。相手方がある話ですので、県が方針を出したからといって、直ちにどんどん進んでいくというような状況では必ずしもありませんけれども、われわれとすれば、ターゲットとする地域とか航空会社について絞り込んできていますので、そうしたところと具体的な交渉をする中で、方向付けをしたことを着実に具体化することができるように取り組んでいきたいと思っています。今、政府も、今お話があったように、空港の活性化であったりインバウンドの取り組みであったり、われわれの取り組みと方向性を一にしていただいていますので、政府の支援策とか考え方、こうしたものについてわれわれも十分受け止める中で、一体となって取り組んでいくことができるように頑張っていきたいと思っています。

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 6 大北森林組合補助金不適正受給について(1)

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 大北森林組合の補助金不正受給の関係で何点か伺いたいことがあります。まず、先日の公判の中でも、県職員の方が不適切な申請の恐れがあるというふうに気付いて上司に相談したにも関わらず、上司の方に、それは道が開いているけれども改良でいいんだなどと言われて強要されたと、不適切な申請の恐れがあると言ったのに、それを認めるような強要されるようなことがあったというふうに部下の職員の方が仰っている内容だとかが先日の公判でも明らかになったんですけれども、そういった一部の職員が強要と取られるような言動を上司からされていたというようなことを知事自体は把握されていましたでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私が把握をしていたかどうかというよりは、何度も申し上げているように、県職員にはかなり個別具体的な聞き取り調査を行った上で、それぞれの行為に対して懲戒処分を厳正に行っているところであります。今のお話が刑事裁判で、刑事裁判は私から申し上げるまでもないですけれども、検察側と被告人の弁護側がやり合うわけでありますから、それについて、例えば、被告側の弁護士がこう言っているから、それが真実かどうかっていうのは裁判の判決を見てみないことには確定してないので、例えば強要なのかどうなのかといった程度の問題で、私が仮に被告人の弁護人であれば、当然のごとく被告人の最大の利益を図りますから、被告側、被告人側に最も有利な発言をし、そして有利な証言のみを集めて弁護すると。それは当然弁護士の責務だと思いますけれども。そういう意味で、裁判の過程で出てきたものに対して、これがどうだとかこうだとかっていうことをコメントするような問題ではないのではないかと思っています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 ただ、そういったその部下の方の訴えっていうのは、県が作成した顛末(てんまつ)書というもので、県の方に報告がされているというふうに私は把握しているんですが、その点についてはどうでしょうか。県の内部でそういったものという訴えは、当然把握されているんじゃないんでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今申し上げたように、県として職員からは詳細な聞き取りをしていますから、当然県職員がどういう考え方で、どういう行為を行ったかということについては、われわれとしては把握させていただいています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 先日、コンプライアンス推進室にも伺ったところ、そういった部下の訴えはあったけれども、強要というような評価はされていないというふうに仰っていたんですけれども、知事のお考えもそれと同じで変わらないですか。

長野県知事 阿部守一
 個別具体的には、それが私のところで強要か強要ではないか、私が認定しているわけでありませんけれども、コンプライアンス推進室の判断に対して私が積極的に異を唱えるような、齟齬(そご)があるような問題ではないだろうと思っています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 それについて、そういう訴えがなされているにも関わらず、昨年7月にまとめられた報告書に一切そういう記載がないんですけれども、そのことについてはどうお感じになっていますか。つまり、部下の方がそういう上司から強要されたというような訴えがあったということについての検証なりがその報告書に。

長野県知事 阿部守一
 強要をされたと分からないですけれども、強要されたというのは価値判断が入ってくる話で。人によって受け止めによって、あるいは立場によって相当程度。多分私が知事として各部に「これやれ」と。場合によったら強要と受け止めている職員もいるかもしれませんが、私は「指示をした」と言うと思います。それが言葉のやりとりのところだけ取り上げられても多分あまり生産的ではないのかなと思います。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 ただ少なくともそういう訴えがあるのですから、細かいことをちょっと言うようですけれども、実際工事がされていた道路を「されていた」というふうに訴えたにも関わらず、「それはもう改良でいいんだ」と上司の方が言って、それで、そういうことを言われて、実際の開設工事として通っているんですよね。かなり道路工事の実態として、無理やり予算消化のために通したんじゃないかと思われる、疑われるような、架空申請と知っていながら通したんじゃないかと疑われるような客観的な状況があるんですから、それをやはり報告書なりでしっかりと、しかも強要されたと訴えている部下がいるんですから、それの検証をしっかりすべきではないかなと思うんですけど。

長野県知事 阿部守一
 報告書の表現ぶりは、私、正確には記憶していないですけれども、要するに予算執行しなければいけないという思いに現地機関の職員が駆られていたという認定はわれわれもしています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 それは私も承知しておるんですけど、ただ北安曇地方事務所林務課内部で、そういう上下関係の中で、そういう本当に強要があったかどうか分からないですけれども、そういう組合からの圧力だとか、本庁からの圧力じゃなくて、上司部下の関係の中で不適切な申請っていうものがあって、部下が「これはおかしいですよ」って訴えたのに、上司がそれをある意味、もみ消すじゃないですけれども、そういうような状況、発言というのはかなりコンプライアンス上問題だと思うんですよね。部下がその不正を止めようとしたのに、上司がそれをある意味握り潰したような状況が仮にあったとすれば、非常に問題だと思うんです。それについてのやはり検証っていうのはやはりしっかりすべきだと思うんですよ。それについては検証委員会の報告では一切そういうようなことがないんですけれども。それは、私個人とすればそういう検証が必要ではないかなと思うんですけれども、知事自体は。

長野県知事 阿部守一
 今まさにコンプライアンス上の問題だということでお話しされましたけれども、この問題、いつも私は話が混乱しているのではないかと思うんですけれども、一番問題なのは組合でどうした行為が行われたか。今裁判が行われていますけれども、われわれには調査権がないので、ですから刑事告発しているわけです。県として刑事告発して、今、裁判が行われているということは、ぜひもう1回しっかり認識していただきたいと思います。そういう中で、これは前から申し上げていますけれども、仮に新しい事実が判明してくるようなことがあり、職員の、例えば懲戒処分の量定が違うんじゃないかということになれば、それは見直すということもあると思いますけれども、今まだ裁判の途上であります。先ほど申し上げたように、刑事事件でありますから、刑法の、あるいは刑事法の条文が本当に適用されるものかどうなのかというところが一番の争点になっているわけでありまして、そういう意味で、今お話しがあったような県職員内部のコンプライアンスの問題は、裁判の中で中心的なテーマではないということは当然ご理解いただけると思いますので、そういう意味で、裁判の過程で出てきた一部を取り上げて、全体の話に普遍されるというのは話のレベルが違うのではないかと思います。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 当然それは承知の上でその一番着服した被告っていうのが、一番悪いということは私もそれは認識しておるんですけども、ただその中で、やはり県職員の加担、不正への、全く県がだまされたっていうのであれば、それは致し方ないと思うんですけれども、やはりある程度その不正に加担するというようなある程度認識があった中で、今回多くの予算が失われていたとすれば大きな問題だと思うので、それはまた刑事事件とは別にしっかりと検証すべき、実際検証委員会の報告で検証しているんですけども、足りない部分というのがあると思うんです。それをぜひやはりまた検証すべきなんではないかなと思うんですけども。

長野県知事 阿部守一
 検証委員会の報告でも行き過ぎた助言の話とか県側の職員の不適切な対応がご指摘されているわけです。われわれも、先ほど申し上げた職員からの聞き取り等も行った上で、懲戒処分を行っているわけでありまして、それを変更するまでに至るような事実関係が明らかになれば、当然そういうアクションを起こしますけれども、今の段階ではそうした段階ではないだろうと私は認識しています。

信濃毎日新聞 佐藤勝 氏
 それまだ裁判が継続中だからということで。

長野県知事 阿部守一
 裁判継続中ですから、例えば弁護側がいくら、県もいろいろな裁判やりますけれども、民事でも刑事でも被告側あるいは弁護側がいろいろ主張して事実として認定されるかどうかは判決文を見ないと分からないです。

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 7 大北森林組合補助金不適正受給について(2)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 今の件で補足なんですが、一番お聞きしたいのは、顛末書自体を知事がお読みになっているのか、ないしは存在を知った上で昨年12月の処分をされているのかというのをお聞きしたいんですが、処分の前に当たっては知事自身かなり緻密に各職員、非常に重い処分を下すに当たって調べていらっしゃる、かなり膨大な資料があったというふうにお聞きをしているんですが、その中で、その処分の前に顛末書自体をお読みになってはいらっしゃるんですか。

長野県知事 阿部守一
 顛末書のすべては私は読んでいません。別に大北森林組合の問題に限らず、職員の聞き取りはもちろんやりますけれども、そのすべてに私が目を通して、私が直接判断するというようなことはやっていません。もちろん要旨みたいなもの、あるいは処分についての考え方、そうしたものについては説明を受けて、その上で最終的に判断させていただいていますけれども、一言一句、この職員がこう言っていたという話は、今回のケースでいけば相当膨大な話になります。例えば、私も見て副知事も見て総務部長も見て、代理の人間が全部見てというようなことであれば、コンプライアンス推進室は不要だという話にニアリーイコールになってしまいますので、それは見ていません。ただ、基本的な視点とか考え方とか論点、そうしたものは把握させていただいた上で処分の決定しておりますので、先ほどから申し上げているように、そうした判断に影響を及ぼすような新しい事実関係というものが仮に出てくれば、それは改めて考えるということも当然有り得ると思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 処分前にお読みになっていなくて、例えば弊社の方で、今月の上旬に報道した後ですとか、最近においてもまだ一度もお読みになってはいらっしゃらないということ。内容については最近においても一度もお読みになってはいないということですか。

長野県知事 阿部守一
 読んでいません。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そういったことで先ほどの報告を受けている内容からすれば、従来の域を出ないというか判断をされているということなんですね。私どもとすれば内容把握した限り強要と取れるような内容ではないかというふうに判断をしているんですが、それは主観的な解釈の違いなのかもしれないですが。

長野県知事 阿部守一
 強要かどうかというのは、先ほど申し上げたように、指示する側、受け止める側によって相当程度違いがあるだろうと思います。もちろん、恐らく私の指示も各部は強要と受け止めているところももしかしたらあると思います。これはおかしいのではないかとかなり厳しく言っています。いろいろなことについて。だけど、職場内の問題ですから、刑事と民事とかという話ではなくて、先ほどもお話があったようなコンプライアンス上の問題ということで、われわれコンプライアンスの推進ということをしっかりやっていこうということで、今、林務部を中心にかなり風通しの良い職場をつくっていこうということで取り組みを始めています。ですから、何度も申し上げて恐縮ですけれども、この問題は刑事の問題なのか、損害賠償の問題なのか、懲戒処分の問題なのか、それとも県の組織風土の問題なのか、ここのどこが問題だからおかしいのではないかということをはっきりさせていただかないと、刑事の視点で風土の問題を論じても次元が違う話ですから、そこはちゃんと整理した上で、ここがおかしいからやっぱりこれは刑事的におかしいのではないかなとか、ここはこういうことがあったので、もっとコンプライアンスをしっかりやるべきではないかという話で、今の例えば強要的な話でいけば、われわれコンプライアンスの推進で、やっぱり職場内あるいは本庁と現地機関の意思疎通が悪かったと問題が十分共有されてなかったということは認識しているし、それは林務部のコンプライアンス行動計画を見ればいろんな問題点が出ています。今手元にないので具体的に申し上げられないですけれども、こういうことが問題だったというのは相当出ていますので、それを改善していこうということで今取り組みを進めています。ですから、われわれがそんなものは全く無視をしているということではありませんので、事実上問題があったということは謙虚に受け止めて改善していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一
 職場風土で強要ということではなくて、なぜ強要というか職員の方がそういうふうに感じられるかというのは、不正を感じるというか何かおかしいんじゃないかというサインというか、そういう感じたことに対して上司が強要というか、いやそれはやるべきだというふうな、ある意味サインをあげていると思うんですね。それは、だからコンプライアンス上の問題でもありますし、一方、だから現場では、この問題の根本的な問題になりますけれども、不正、架空というふうに気付いていたんではないかという根本に関わる問題ではないかなという問題意識があって、私ども報じている部分もあるんですね。一方、だからコンプライアンス的な部分も確かにあると思います。でも刑事事件で今問われている、県の関与の度合いの部分に関わる、側面もあるのではないかなというふうには見てはいるんですが。

長野県知事 阿部守一
 会見の場でこのやりとりをするのが適切なのかどうかというのはありますけれども、具体的なここがこうなのでこうですということであれば、私も手元に資料を持っていないのであまり具体的なことは、この場では申し上げづらい状況です。私とすれば、県として職員に対しては聞き取りをしていますし、私からもしっかり聞き取れということはコンプライアンス推進室には指示してきています。その上で、過去の処分案件等とも照らし合わせて処分してきておりますので、処分しているけれども、ここの処分がおかしいというのはどの部分なのかというのを明確に教えていただかないと何とコメントすればいいのかよく分からないんですけれども。

人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
 今、知事が仰った細部にわたる部分ですので私の方から説明させていただきますけれど、今までも佐藤記者にも丁寧に説明、可能な限りしているつもりですけれども、そこの顛末書でございますけれども、それは事故を起こした職員が懲戒処分等にかかるときには全員が出すもので、特別に作ったものというものではないです。それを詳細に検討してきまして、それで聞き取り、知事も申しましたような詳細な聞き取りをして、合同調査班で1年近くかけて、そこは判断したものでございまして、部下それから上司についても数回、丁寧な聞き取りをした上での判断ということで、そこのところは強要ということなのかどうかということで可能な限り突き詰めました。それで、その上で、上司としての幅広い見地からの指導、そういったこともあるというようなことで、うちの方は判断して12月25日の懲戒処分ということでしておりますので、その辺は佐藤記者、それから村澤さん等にも丁寧に説明してきているところでございます。

長野県知事 阿部守一
 ありがとうございました。

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