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更新日:2016年6月1日

知事会見(平成28年(2016年)6月1日(水曜日)12時10分~12時51分 会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について

≪取材者からの質疑≫

2 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について(1)

3 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について(2)

 1 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について

長野県知事 阿部守一
 それでは、「子どもを性被害から守るための条例案」についてお話申し上げたいと思います。先ほど県議会の正副議長、そして各会派代表者との懇談会におきまして、6月県議会の定例会に「長野県子どもを性被害から守るための条例案」を提出するということを表明させていただきました。改めてご説明を申し上げたいと思います。
 まず、子どもを性被害等から守るための取り組みにつきましては、約3年ほど前、平成25年の5月に子どもを性被害等から守る専門委員会を設置して、おおむね3年の時間をかけて、さまざまな専門家にご議論いただいたり、あるいは県民の皆さま方のご意見を伺ったり、あるいは県民運動、あるいは子ども支援を行っている皆さま方と対話を重ねてきて検討してまいりました。子どもの性被害が増加し、看過できない状況にあるという中で、子どもを性被害等から守る専門委員会におきまして議論いただき、子どもの性被害、これは決して一過性のものではなく、長期間にわたって心身に重大な影響を及ぼす、まさに子どもの尊厳を踏みにじる行為として、子どもを性被害から守っていくということは大変重要だと位置付けられています。私も同じ考えでございます。実際に被害者の方のご意見も頂く中で、本当に何年何十年という長期にわたって心に傷を負われているという方がいらっしゃるという現状もございます。また子どもたちの自己肯定感が全体的に低い社会だと言われておりますけれども、性被害を受けた子どもたち、被害者であるはずなのに人によっては、子どもによっては、被害を受けた自分が悪かったのではないかと思う、あるいは周囲からもそうしたようなことでさらに傷つけられるということもあるわけでありまして、こうした子どもに対しては、やはり大人として行ってはいけない行為というものを法規範として、しっかり示していくということが重要だと考えております。他県の青少年健全育成条例、保護育成条例と同じような条例ではない、性被害に特化した条例案で、これまでもお示しして議論してきているわけでありますけれども、私どもが考えている条例と、これまでの県民運動であったり、あるいは一部反対、慎重のご意見の方ご意見の中には、性教育の方が先だというようなご意見がありますけれども、決して今回の条例と矛盾するというものではなく、むしろ県民運動であったり教育であったり、こうしたものを条例の中にしっかりと位置付けていくことが、さらにこうした取り組みを進めていく上でも大変重要だと思っています。今年の2月に子どもを性被害から守るための条例に関する基本的な方針を決定し、その際にもご説明申し上げたわけでありますが、条例制定必要と判断し、その後2月県議会でご議論いただいたわけであります。県議会でのご議論を踏まえて骨子案を一部修正した上で、ご承知の通り3月下旬から約1カ月間パブリックコメントを実施致しました。また県内2カ所でタウンミーティングを開催して、県民の皆さま方からご意見を伺ってまいりました。そういう中で、パブリックコメントは自由記載でありますので、◯、×、△というような記載ではありませんけれども、私も全てのご意見に目を通させていただきましたけれども、条例制定に前向きだと受け止められるご意見、約4分の3程度あると思っています。個別のご意見については皆さま方のところにもお配りをさせていただいていると思いますので、後ほどお目通しをいただければと思いますけれども、かなり条例に対して肯定的という以上に、むしろ積極的と言った方がふさわしいようなご意見も多数頂戴をしている現状でございます。私どもとすれば、ご意見頂いて、われわれが受け止めなければいけないと感じる部分もございますので、今後、骨子案の修正も含めて検討した上で条例案を成案としていきたいと思っています。これまでも県民の皆さま方と対話し、そしてさまざまな実情等もお伺いする中で、現実に被害、長野県においては、いわば法的な被害という位置付けにはなっていないものも含めて性被害を受けて苦しんでいる子どもたちがいるという状況でございますので、私とすればいたずらに先延ばしをすることはできないと判断致しまして、6月の県議会に条例案を提出することを決定致しました。ぜひ県議会の皆さま方には十分私どももご説明をしてご理解を賜れるように取り組んでいきたいと思っております。条例を持たずに取り組んできた長野県としては、条例を制定するということは大きな転機であると考えております。県民運動については、繰り返しになりますけれども、これからも重要性はいささかも変わるものではありません。多くの県民の皆さま方と、子どもたちの健全な育成支援を行っていきたいと思っています。また罰則についてさまざまご議論があるわけでありますけれども、今回のパブリックコメントにおきましても一部否定的なご意見があったということも事実でございます。ご覧いただくようにつまびらかにさせていただいております。ただ、他方で、私どもの条例骨子案以上に重い罰則にするべきだ、あるいはより処罰対象を広げるべきだというご意見があるということも他方で事実でございます。今回の罰則の対象行為については、専門家の皆さま方のご議論を踏まえ、そうした専門家の皆さんのご議論の中でも、立法事実というものを踏まえたものということになっているわけでありますので、私自身は現在の対象範囲ということが基本的に適当だと考えておりますが、今後は社会環境の変化等、あるいは立法事実によっては、そうしたことも含めて考えなければいけない場合も出てくるのかと思っております。また、罰則につきましては懲役2 年、罰金100万円と、これは威迫等による性行為の場合でありますけれども、これは地方自治法で認められた罰則の上限の最上限ということでございます。こうした部分、地方自治の強化という観点でも、この上限規定が現状本当に適切なのかということについては、しっかり県民の皆さま方のご意見も受け止めながら、必要に応じた国への要請も検討していく必要があると思っております。また性教育については、今申し上げたように、いわゆる淫行というようなあいまい性を排除した条例案文になっているわけであります。そうしたことの裏返しとして、私はやはり自分あるいは他人を尊重する、大切にする思いを育てるということ、あるいはこうした性被害に遭わないような教育ということは他の県以上に長野県としては積極的な取り組みが必要だと考えております。そういう意味で、教育の充実につきましても、教育委員会ともしっかり連携を図りながら取り組んでいきたいと思っております。また、インターネットの適正利用の推進を含めて条例に今回盛り込んでいる内容については、県民運動の展開も含めて、これまで以上に力を入れて取り組んでまいりたいと考えております。何よりも子どもたちの尊厳を守る、子どもたちを守るということを基本にこれまでの検討も行ってきました。今後もその視点をしっかり持って対応していきたいと思っております。私の方からは冒頭以上でございます。よろしくお願い致します。

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 2 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について(1)

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 大きく6 点ほどお伺いしたいのですが、最初に今回提出に至った理由をちょっともう少し詳しく教えていただきたいのですが。今まで知事のご説明ですと法的な部分とあと県民の理解というか、その2点というのをご自身の中でずっと考えてこられたというふうにおっしゃったと思うのですが。その部分がどのような形で今回クリアというか、解決されたというふうにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 長野県として条例を作っていこうという判断については、先ほど申し上げましたように、2月の段階で子どもを性被害から守るための条例に関する基本的な方針として決定し、この点についてもお示しをしてご説明をしてきたところでございます。繰り返しになりますけれども、まず子どもの性被害が看過できない状況になってきているという現状認識、それから先ほど申し上げたように、一過性のものではなく長期にわたって心身に重大な影響を及ぼす、子どもの尊厳を踏みにじる行為であるということ、それから、これまでの関係者、まず法律の専門家の参画も得た検討、あるいは県民運動に関わった皆さま方からのご提言、そういう中で条例制定の必要性というものが言われていること。特にご指摘がありましたような法的な部分については、他県のいわゆる青少年保護育成条例にある淫行というものについては皆さまもご承知の通り最高裁で考え方確定はしています。確定していますが、しかしながら数名の少数意見、付いているわけでありまして、構成要件の明確性等の担保ということが、条例のモデルの検討の中で私としては十分検討していただいた上で方向付けしていただけたということを思っています。また立法事実の確認を踏まえた処罰対象の限定化ということも行われていると考えております。また県民の皆さま方との意見交換、今回のパブリックコメント、あるいはタウンミーティングもそうでありますけれども、一部否定的なご意見があるということは確かだと思っておりますが、しかしながら条例制定に対して肯定的あるいは先ほど申し上げたように、肯定というよりもむしろより踏み込んだ積極的なご意見が非常に多いという状況、こうしたことを踏まえて、今回、条例を、もうここまで慎重な検討をしてきたわけでありますので、あとは県議会の皆さま方とのご審議に委ねて進んでいくということが私として果たすべき責任だと考えて、6月県議会にご提案をさせたくということに致しました。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 子どもの性被害のところで看過できない状況という部分を今ご説明されたと思うんですが、2月の県議会ですと清沢県議の方から、実際、性犯罪、福祉犯はそれほど顕著に増えてないんではないかという主張もあったんですが、知事のご認識としては今、子どもを取り巻く環境というのはどのように。

長野県知事 阿部守一
 これはもちろん、性被害がインターネットの普及等で近年増大しているという現象は見られています。そのことを踏まえて検討をスタートしているわけでありますけれども、私は、仮に今減少に転じれば条例は要らないかといえば、そうしたものではないだろうと思っています。今申し上げましたように、さまざまな観点からの検討、必要性ということを考えてきたわけでありますし、何よりも子どもの尊厳を踏みにじる行為ということで、われわれは認識しておりますので、仮に1人でもそうした被害を受ける子どもがいるのであれば、これは行政として、あるいは人間としてかもしれませんけれども、対応していく、救っていくということが重要だと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 法的な部分のお話も今ご説明されたと思うんですが、懸念を示されているのは法律の専門家の方ですとか弁護士の方ですとか、一つは一番悪いケースとしては冤罪の懸念ということを指摘される方も仰いましたし、警察の恣意的な捜査ですとか、そういった部分というのは改めてお聞きしますが、これまでの議論等を通じて払拭されたとお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 構成要件の明確化であったり、あるいは今回私どもが考えている検討の中でも国民の権利を不当に侵害しないように留意するということ、あるいは子どもの最善の利益を尊重すると。この条例発動することによって子どもの利益が損なわれるということがないように最善の利益を尊重するという規定も盛り込んでいるところであります。冤罪を生む危険性ということをこの場でも何度もご質問いただいていると思いますけれども、われわれとすれば社会的非難を受けるべき行為というものについては、これは罰則でありますから、構成要件をできる限り明確化した上で規制の対象にしていく、罰則の対象にしていくということがまず重要だということで、その姿勢で、この間ずっと取り組んできたわけであります。また、他の都道府県で青少年保護育成条例、すでにわれわれが今検討しているものよりも解釈の余地が広いものが多いのではないかと思っておりますけれども、数十年にわたって他県では青少年保護育成条例が運用されてきています。今回の検討の中でも、いわゆる裁判になったけれども無罪になった事例というものがどんなものがあるかというものを探したわけでありますけれども、これはこの場でもお話ししたかと思いますが、名古屋簡裁判決の1 事例だけと認識をしております。繰り返しになりますが、この事例もいわゆる最高裁判決でいうところの第2 類型、「単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められない行為」の方で処罰の対象になっているわけでありまして、これは本県の現在の条例骨子案でお示ししている処罰対象には含まれていないということはご承知の通りであります。そういう意味で、例えば他県で冤罪事件が、この青少年健全育成条例、保護育成条例をめぐって多発しているというようなことではまず私はないと思いますし、冤罪の恐れがあるから、いやこれは社会的非難を受けるべき行為だけれども処罰の対象にはしないというのは、いささか本末転倒の議論ではないかと率直に思います。そういう意味で、処罰規定については構成要件の明確化、あるいは立法事実の確認、慎重の上にも慎重な検討を重ねてきたわけでありますし、また捜査の段階においても慎重に行っていくと。これは当然刑罰を科するという司法手続になるわけでありますので、当然の話だと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 もう少し具体的に言いますと、骨子案のところにある、特に「困惑」については弁護士会の方から懸念を示されていて、被害者側からの申告がどうしてもそういった部分を強調されてしまうんではないかという懸念があるんですが、他県の、確かにおっしゃるように第2類型、名古屋簡裁については第2類型だと思うんですが、第1類型に絞った場合でも、確かに全国的にも冤罪というのは起きていないかもしれないですが、懸念があるという部分については、それについてはどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 今申し上げたように、冤罪の懸念があるということのみをもって処罰の対象にするべきでないという結論には、恐らく多くの人はならないという理解だと思います。例えば殺人罪の冤罪の危険があるから刑法から殺人罪を削除しようという議論は恐らく、あるのですか、あるのだったら教えいただきたいんですけれども、多分そういう議論はないのではないか。一部そういうご意見を主張される方もいるかもしれませんけども、社会全体の感覚としてそういうものではないだろうと思っています。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 そこは議論ちょっと知事と分かれるところなのですが、構成要件の明確化をどこまで進めても、なかなか詰まるところどこまでできるかなということだと思うんですが。

長野県知事 阿部守一
 まず御社に対するご意見もかなり出てることは事実でありますので、そういう意味ではどこまで、社会的に非難をするべき、あるいは罰則規定を設けるべき対象とすべきかどうかという議論と、冤罪の危険性を払拭(ふっしょく)するという議論が、冤罪の懸念があるからその罰則規定はいけないという話であれば、恐らくすべての罰則規定について同様の指摘になってくるのではないか思いますけれども、今回の、私ども構成要件の明確化というのは先ほど申し上げたように、第2類型は除き、また誘惑、これも最高裁判決ではいわゆる淫行するという概念の中には入っていますが、こういうものは今回私どもは対象にしてないということでありますので、そういう意味では相当程度明確な規定にさせていただいていると思っています。困惑という話もありましたけども、これは困惑に乗じた性行為を社会的に非難すべきものと考えるのか考えないのかということで、私は考えるべきではないかと思っています。「困惑」という用語は、既に法律用語として使われているわけでありまして、売春防止法であったり、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の中で、罰則対象となる行為の構成要件ということで用いられています。そこが不明確ということがあれば、売春防止法あるいは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律も、これもまた構成要件不明確ということになり得るのではないかと思いますけども、これは現に国会で立法されて施行されているわけでありますし、また、困惑という言葉は精神的に自由な判断ができないという状況が解釈として確立しているという認識でありますので、こうした子どもたち、そうした状況の子どもに対する性行為あるいはわいせつな行為、こうしたものは非難しないのか、罰しないのか、そういう問題だと思います。私は、今回のパブリックコメントを見ても、今回の私どもの案よりもむしろ厳しい罰則、あるいは対象範囲を広げるべきというご意見もある中で、私とてみだりに、いろいろな方を罰するということが望ましい社会だとは決して思っていません。しかしながら、今の現状に鑑みれば、今回お示ししている内容の処罰規定ということは、これは多くの県民の皆さま方のご理解を頂くことができるものと思っております。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 関連してですね、捜査当局が性の問題というか恋愛の問題に介入する部分についてお聞きをしたいのですが、長野市で4月にあった意見交換会の中でも、捜査が始まるという時点で、警察が自分たちの男女の関係に入ってくる部分については抵抗感があるというか、発言があったと思うんですが、その部分についてはどのようにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 真摯(しんし)な恋愛かどうかが処罰の可否の判断基準になっているということであれば、真摯な恋愛の判断を公権力が行うのかと、一部報道等ではそういうご指摘を頂いていましたけれども、今回の私どもの条例案では、真摯な恋愛であるかどうかっていうのは構成要件としては位置付けてない、処罰の対象要件としては位置付けてないわけであります。そういう意味で、今お話いただいたような懸念ということは、全く当たらないというとちょっと大変失礼なのかもしれませんけれども、これは全体としての条例の考え方として、子どもの最善の利益、あるいは人権の尊重、また捜査においても運用においても、こうした点はしっかり留意して取り組んでいくと。また他県の運用状況、こうしたことを見たときにご指摘されるような懸念、例えば他の県で自由な恋愛が青少年保護育成条例で著しく阻害されているというようなことは、私は勉強不足なのかもしれませんが聞いてはおりません。もしそういう事実があればご指摘を頂きたいと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 比較考量の問題で、それはそういった懸念よりも、その子どもを被害を守るという部分の方が社会的には優先されるべきだという立場なのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回、われわれ立法事実の積み重ねでこうしたものは社会的非難に相当すべきものだと判断しています。他県では既に、より範囲が広い青少年健全育成条例が既に施行されている中で、今、観念論的なご意見ではなくて、実際に子どもをどう救うかという話でありますので、そうした実態があるのか、他県では自由な恋愛ができないということが現実に起きているのかということを考えたときには、そうしたことは少なくとも報道機関の皆さま方の報道では出てきてないのではないかと思いますし、私も他県で暮らしたことは長いわけでありますが、そうした議論がされたということは寡聞にして承知していませんので、議論のための議論としてはあり得る論点だとは思いますけども、実際の社会の現実の場において、そうしたご意見をどう受け止めればいいのかなと思います。そうした現実に子どもをどう守るかということを考えたときに、あまりにも観念的な議論で検討を進めない、あるいはいたずらに時間を費やすということは、もはや私は許されないのではないかと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 別の質問でですね、ちょっとこれまでの議論について、どのぐらい深まったというか十分だったというか、そういった観点から知事がどのようなご認識を持っているのか伺いしたいんですが。2月の県会ですとか、もうちょっと19市で説明会を開いたりとかですね、さらに意見を聞いた方がいいんではないかと。一方知事ご自身で4月に2回改めて、意見交換会を開いたりとかしてるんですが、これまでに意見交換というのは十分、県民からの意見、今回あとパブコメについては件数が191件というのは他のテーマに比べればかなり多いような気もするんですが、県民の関心というか、説明というのは今まで十分高まってきたというふうにお考えになりますか。

長野県知事 阿部守一
 これは県民のご意見の中でも無関心の人もいるよというお話があります。要するに全ての人たちに100%この条例の内容を伝わった上での話かといえば、決してそんな状況ではないだろうと思います。ただ、県行政がこれまでこうした条例を検討する際に行っている中では、極めて丁寧な取り組み、手続き的にも、あるいは多くの県民の皆さま方との対話ということも真摯に行ってまいりました。結論ありきということでご批判をされることがありますが、全く私はそんな思いはありません。結論ありきと批判されることはありますが、繰り返しますが、全くそんなことはありません。私は、前にも申し上げたと思いますけれども、この条例によらずにきた長野県において、この問題検討すると、より慎重なご意見が多く出るのではないかと、当初勝手に推測していました。しかしながら対話をすればするほど、現実に被害を受けている子どもたちをサポートしている人たちの声、あるいは保護者の皆さま方の不安感、こうしたものを受けて、多くの皆さんが必要ではないかと仰っているのは、私が3年前、この議論をスタートさせるときの私の見方とは全く違って、より先ほど申し上げたように肯定というよりむしろ積極ご意見が強いと感じています。村澤記者が周辺の皆さんに取材されて、どのような反応になっているかということもぜひ報道いただければ、そうしたことも伝わるのではないかと思います。

信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
 関連してこれご意見がありますが、世論調査協会の先日の世論調査のアンケートの結果については、必ずしも条例制定というのが、これ相対的な問題かもしれないですが、多くないという、まずその点について改めてどのように受け止めになられるかというのと、この弊社で先日報道していますが、松本BBSの方にお聞きをしていて、若い世代の方々がなかなか知事の仰ったように認知度が低い方もいらっしゃる。その部分についてこれから、条例制定に向けてどのような形で県民の理解を進めてかれるように考えられますか。

長野県知事 阿部守一
 まず、県民の皆さま方の理解は、まず県議会の皆さま方の理解をいただかなければいけませんが、条例として制定いただくことができれば、当然ながら、これまで以上に一般論、抽象論ではなくて、こういう具体的な条例を作って県としてこういう取り組みをしていきますと、あるいはこういうことが処罰の対象あるいは禁止の対象になりますということは当然しっかりお伝えをしていかなければいけないわけでありますので、条例ができれば全く次元が異なる対応、子どもの性被害どう考えますかというような周知ではなくて、より具体的な周知をしていくということが必要だと思っています。それから世論調査については、私は世論調査の対象でもあるわけで、あんまり前回いろいろ申し上げさせていただきましたが、私があまり個別具体的に問題点を指摘してはいけないのかもしれませんけども、しかしながら、例えば設問の仕方自体が逆に県民の理解の仕方をミスリードするということも率直に言ってあると思っています。冒頭申し上げたように、条例制定するということと県民運動とか性教育というのは、別に相対立する概念でもありませんし、一方を取れば片方は取らないというものでは全くないというのが私の認識であります。むしろ条例制定することによって県民運動の条例上の根拠もできますし、また性教育ということを充実させていく上でも根拠ができるわけでありますから、むしろ、それぞれ並列の選択肢ということではなくて、そうした内容がどうですかということと、それからそうしたものを法規制するのが適切なのかどうなのか、あるいは罰則規定も私ども何度も繰り返し申し上げておりますけれども、他県のいわゆる淫行するというような規定ではない規定を置こうということで検討してきたわけでありますので、そうしたことも十分お伝えいただいた上で、県民の皆さま方の声をお聞きいただければ、より的確な県民の皆さま方からの反応が返ってくるのではないかと思っています。

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 3 「長野県子どもを性被害から守るための条例案」について(2)

朝日新聞 井口恵理 氏
 条例案についてなんですけれども、6月定例会に提出するということなんですが、条例案自体の発表はいつごろになられるんでしょうか。またその骨子案からどのような変更があったのか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 6月10日の部局長会議で6月県議会にご提出させていただきます条例案、あるいは予算案等決める場になりますので、その段階でまたお示しをしてご説明する形になると思います。

朝日新聞 井口恵理 氏
 変更点についてもそのときにご説明いただけるということですね。

長野県知事 阿部守一
 はい。

朝日新聞 井口恵理 氏
 先ほどの知事のお話の中で、いろいろな意見があって、条例、罰則自体を重くするというご意見もあったっていうことですけれども、今後の社会の環境次第で、行政として罰則の上限を変える要請も検討したいっていうふうにおっしゃっていましたが、そういうふうに罰則をこれから重くすることも視野に考えていらっしゃるということでよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 これは、直ちに罰則を重くすべきだと言っているわけでは。これまでの検討の中でも、先ほど申し上げたように子どもの尊厳を踏みにじる、極めて重大な行為でありますから、そういう意味で、自治法上の上限の罰則という整理になっています。仮にもっと上限が重い処罰が可能であればそういう形になっていたかどうかというのは、仮定の議論なので今申し上げるのは適当じゃないと思いますけれども、しかしながら上限いっぱいのところまでの罰則が望ましいということでこういう整理をしてきています。自治体の取り組みというのが分権社会の中でどんどん広まる中で、性被害の話に限らず自治体が条例で独自に設けられる罰則の在り方というのはどうあるべきなのかということも含めて考えた上で、必要があれば国に対してもそうした点の要請をしていくということも考えなければいけないなと思っています。

朝日新聞 井口恵理 氏
 あとちょっと繰り返しになってしまうかもしれないんですけれども、条例案の提出までに3年かかったっていうのは、長いであったり、時期尚早である、いろんな考え方があると思うんですが、その中でやっぱりその県民運動をこれまで中心にされて運動してきた長野県の特性があると思うんですけれども、知事もこれまでその点について触れられていたんですが、なぜここまで、反対意見も含めて根強く、時間がかかったっていうか、3年かかったのかについて、改めてちょっとご意見を伺えますか。

長野県知事 阿部守一
 時間がかかったというのは結果論だと思います。私は丁寧な検討ということも他方で必要だと思っていまして、これまで県民運動を中心に行ってきた長野県が条例、しかも罰則付きの規制を設けた条例で子どもを性被害から守っていくということは、やはり先ほど冒頭申し上げたように、大きな転換でもあると思っています。そういう意味で、県民運動に取り組んできた皆さま方をはじめとして、多くの皆さま方の思いというものを十分反映させる中で検討してきたということと、もう1点は先ほどから議論になっております罰則規定のところ、やはりこれは相当慎重な検討を私はしてきたと考えています。法的な観点で専門家の皆さま方にもご議論いただく中で方向付けをしていただいたと。そして県議会でも前回骨子案という形でご議論いただき、その間も県民の皆さま方との対話あるいはパブリックコメント、こうしたことで多くの皆さま方のご意見を十分承りながら進めてきたという結果だと思っております。ただ先ほど申し上げたように、私はもう既に相当論点は出尽くしていると思っておりますので、現実に性被害を受けている子どもがいるという状況の中では、これは待ったなしで県議会にご提案させていただくことが必要だということで今回の判断に至ったところでございます。

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