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更新日:2016年5月13日
長野県知事 阿部守一
皆さん、こんにちは。よろしくお願い致します。(※手話で表現)
今日の会見は、私からは冒頭4点お話しさせていただいて、その後質疑を受けたいと思います
最初の項目でありますけれども、今日はNPOの関係の皆さまにも同席いただいておりますけれども、「長野県みらいベース」によります、熊本地震に対する支援についてでございます。今回の熊本地震、大変大きな被害が発生しているところでございます。長野県は先の東日本大震災の際には、東日本大震災支援県民本部を官民一体で立ち上げて、行政ができるところは行政で、民間の皆さま方の得意な分野は民間の皆さんにという形で東日本大震災の支援に努めてまいりました。今回の熊本地震に対しても行政だけではなく、市民ベース、県民ベースの支援ということも大変重要だと考えています。そういう観点で、今回、「長野県みらい基金」の皆さんの呼び掛けでNPOの皆さま方が、それぞれの得意な分野で熊本地震の被災者を支援していただくという形の取り組みが進められています。そういう中で、「長野県みらいベース」、「長野県みらい基金」を通じて多くの皆さんに寄付という形でこうしたNPOの活動を支援していただきたいと思っております。寄付募集の詳細についてはみらい基金の高橋理事長からご説明をいただきたいと思っております。現時点で五つの団体にご登録をいただいて、広く大勢の皆さま方の支援をいただきたいと思っておりますが、今後、熊本地震のを支援活動を行っていこうと考えている団体の皆さんにおかれまして、ぜひみらい基金に登録をいただいて一緒になって熊本地震の被災地、被災者の支援を進めていきたいと思っております。ということで、まず高橋理事長、それから今回の支援を担っていただく5団体の代表の皆さま方にこの場をお譲りしますので、少し皆さま方のお考えとか取り組みについてお話しいただければと思いますので、よろしくお願いします。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
「長野県みらい基金」は長野県が作りました寄付をするサイト、いわゆるクラウドファンディングですが、「長野県みらいベース」を運営するために生まれて丸3年経ちました。おかげさまで寄付金額は、一昨日で延べ665人、2,258万9千円、昨年度1年間でおよそ1,000万円の寄付を集めることができるようになりました。県内のさまざまな分野で活動している46の市民団体へ昨年1年間で助成することができました。登録している団体は140団体、子育て支援であったり福祉、環境、まちづくりなどさまざまな分野で多様な活動している団体です。今回、熊本地震災害支援緊急寄付募集、それらの登録団体の日々の活動の中から生まれた具体的な方々に対して、具体的な分野に対しての大切な寄付募集が今日始まりました。これからご紹介する団体の寄付募集内容は、幅広くて、さまざまな内容となっています。これらのさまざまな分野の収納に関しては県の関係するそれぞれの課にも協力してもらいながら、幅広く寄付を集めていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。それでは、今日から開始する寄付募集の団体の方から一言ずつ団体の紹介と寄付の内容についてコメントいただきたいと思います。まずは、県内で最初にこども食堂を始めましたNPOホットライン信州の青木さんです。
NPOホットライン信州専務理事 青木正照 氏
実は14日の震災の後、県民の多くの方からたくさんの支援物資を頂きまして、即日全国のフードバンク協議会、あるいはこども食堂ネットワークだとか労協連などを通じまして現地に支援物資を送って、7回くらい送っているわけです。具体的には、実際に現地の慈恵病院だとか保育園なんかにも送りまして、結構郵送料なんかも掛かるものですから、その辺をぜひご協力していただきたい。また、松本の炊き出し隊も熊本市と連携をしながら炊き出しを行っているんですけれども、できれば長野県や熊本県と通行証の届け出なども、スムーズにいくようにご配慮していただければありがたいと思います。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
次に、子どもたちが感受性、創造性豊かに育つように定期的に舞台芸術を鑑賞する機会を展開している、長野県子ども劇場おやこ劇場協議会の小林さんです。お願いします。
長野県子ども劇場おやこ劇場協議会事務局長 小林正典 氏
子ども劇場というのは、生の舞台を定期的に観劇・鑑賞することで九州福岡から始まりまして、今年で50年の歴史があります。長野県では15カ所、全国では500カ所ぐらい子ども劇場が活動しております。今回の地震につきまして、熊本にも子ども劇場がありまして、約20カ所子ども劇場があるんですけれども、私たちが支援したいのは被災した子どもたちに生の舞台を届けることとか、絵本を読み聞かせるとか、今、遊びということが子どもたちの育ちには大切だなと思っておりますので、遊びについても地元の子ども劇場のボランティアを通じて活動を展開しながら、子どもたちに精神的に豊かになるような活動を進めていきたいと思っておりますので、そのための資金ということで今回お願いする次第です。よろしくお願い致します。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
聴覚障がいの方々へITを活用してさまざまな支援をしている認定NPO法人長野サマライズ・センターの小笠原さんです。お願いします。
長野サマライズ・センター事務局長 小笠原恵美子 氏
普段はスマートフォンとかスマートグラスなどといった最新の機器を使って、離れた場所にいらっしゃるお子さんの授業支援を文字によって行っております。東日本大震災の後も全国のボランティア大学生さんと一緒に情報支援活動を行いましたが、くしくも昨年12月、熊本のお母さんの企画で研修会に呼んでいただき、そこで聴覚障がいの保護者の皆さんや学校の先生たちとお会いしてきました。聞こえなくて情報が分からない、不安だというお子さんたちに安心して授業に参加していただけるように、私たちの支援で対応させていただきたいと思いますので、ぜひご協力をよろしくお願い致します。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
持続可能な地域社会づくりのために地域の環境や福祉、教育などの課題に取り組んでいるNPO地域づくり工房の太谷さんです。お願いします。
地域づくり工房理事 太谷優子 氏
私たちはミニ水力発電や菜の花エコプロジェクトなど、自然エネルギーを生かして環境、福祉、学び合いの地域づくり活動をしております。水俣病患者の方々は私たちのエコツアーにも遠くから来てくださって、参加してくださったことがあり交流があります。闘病生活の上に震災による被害があり、少しでも支援できることがあればと思い、菜の花畑などで募金をしておりました。今回、みらい基金さんと一緒に取り組ませていただきますので、よろしくお願いします。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
最後になりますが、知的障がいのある人たちにスポーツ活動を提供し、彼らの自立と社会参加を応援している公益社団法人スペシャルオリンピックス日本・長野の代表の伊澤さんです。お願いします。
スペシャルオリンピックス日本・長野理事長 伊澤喜久子 氏
私どもは47都道府県全部に組織がございます。世界中で170カ国の人たちが参加しております。知的障がい者に関する熊本の今の震災の後の支援というのは、今聞くところによると何もなされていないということで、実はその知的障がいがあることによって避難所にいることがとても居づらいということが5月4日にSO日本の本部の理事とそれから事務局長が現地に入りまして、そういうことを訴えられました。そして、私たちにどういう支援ができるかということで、熊本の方たちとお話し合いを待ちまして、やはり皆さんストレスをかなり感じている、それで知的障がい者に対する支援の情報はまだ得られていないということもありまして、まず健康の管理、それから栄養指導。それから知的障がい者、もしくはその知的障がい者のスペシャルオリンピックスに関わらない方に対しても一緒にやっていこうと思っております。体も動かさないと皆さんストレスもあるので、これからキャラバンを作って、九州の方を中心に活動を展開していきたいと思っております。私どもも、みらい基金さんの前に声をお掛けいただく前に、独自でこの連休中に軽井沢でこの様に募金活動致しました。なんと軽井沢で100万円を超える金額を集めることができました。それと併せて、やはり皆さんが動くことによって、動く資金というのがどうしても必要になります。それを皆さんに援助していただければと思います。よろしくお願い致します。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
今日から始まります、熊本地震災害支援緊急寄付募集。今日は、この五つの団体でスタートしますけれども、これからたくさんの団体が寄付を始めるようになると思います。ぜひともよろしくお願いします。長野県未来ベースの寄付は皆さんからお預かりした大切な寄付金をどのように使ったのか、どういう方々に対してどういうふうに使ったのかというのをきちんと報告してまいります。そういう形で寄付をしてくれた方々にも安心して共感して寄付していただける、そういう環境づくりをしておりますので、よろしくお願い致します。今後とも地域で活動するNPOなどの市民団体、その方々を応援するみらい基金ともども、ぜひともよろしくお願いします。今日はありがとうございました。
長野県知事 阿部守一
ただいまご説明いただきましたように、それぞれのNPO、団体の皆さま方の活動、被災地の皆さま方にとっては非常に勇気づけられる活動ばかりだと思います。ぜひ県民の皆さま方のご支援をお願いをしたいと思います。熊本地震の支援については、これまでも市町村と連携して、「チームながの」で応援してきておりますけれども、引き続き幅広い県民の皆さまのご協力の中で、被災地、被災者の皆さま方の支援を行っていきたいと思っておりますので、どうかよろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
二つほどお聞きしたくて、スキームというか、どういった形で寄付するのかというのと、例えば細かい話で、寄付する方がそれぞれ団体というか、こんな目的に使ってほしいとか指定できるのか、それとも皆さんの方である程度分配されるのかというのをお聞きしたいのと、あとそれぞれ各5団体の共催ですが、先ほどの例えばホットラインの青木さんから郵送料と話もあったと思うんですけど、それぞれ具体的に皆さんから手弁当でご苦労されていると思うので、かなり遠隔地ということもありますし、そこで活動していく上でやっぱりこういった部分で資金が必要なんだという、ちょっと具体的にこんな面で資金が必要なってくるというのをそれぞれ教えていただけますか。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
寄付募集に関しては、「長野県みらいベース」というホームページ上でカード決済、あるいは郵送、銀行送金等々を選んですることができます。今日から特別ページといいますか、緊急寄付募集のページを新たに作りましたので、そのページを見ていただきますと今日の五つの団体の詳しい、こういうことで使いたいというような内容紹介、プラスそこをクリックしますと、いくら寄付できる、その寄付でこういうことに使われますという具体的内容も書いたページを見ることができます。実際に寄付が集まってきた段階で各団体さんからこういうことに使いました、こういうことに使わせていただきましたというレポートも同様にそこに掲載されていくという形で、寄付される方が自分の寄付したお金がどういうふうに使われたかというのが具体的に知っていただけるというような構造になっております。具体的にはそのページに書いてありますけども、せっかくですのでこういう形で使うんだということを青木さんのところは郵送費というか、運搬費が非常に掛かるのでそれを集めていきたいということですが、それぞれもしありましたら一言ずつお願いします。
長野県子ども劇場おやこ劇場協議会事務局長 小林正典 氏
私たちは熊本の子どもたちに届けるために現地で派遣チームを作ります。だいたい4~5人で編制するんですけども、その4~5人経費に充てます。内訳は移動経費が主に半分、具体的に言いますと2万円ぐらい掛かるんですけれども、そのうち半分ぐらいは移動経費で、その他は4~5名さんたちの食費とかそういったことで考えております。よろしくお願いします。
長野サマライズ・センター事務局長 小笠原恵美子 氏
長野サマライズ・センターの活動は遠隔のシステムですので、通信費とかサーバーの保守点検管理、そういうものにお金が主に掛かります。ホームページの方にかなり詳しく掲載させていただいているので、ご覧いただければと思います。
地域づくり工房理事 太谷優子 氏
私たちも通信費、それからスタッフの手当です。よろしくお願いします。
スペシャルオリンピックス日本・長野理事長 伊澤喜久子 氏
活動するのに人の、いわゆる交通費、それから食事代とか、そのようなものはできるだけ経費が掛からないように九州の方を中心に動かしたいと思っています。それから、その間でも、今年でもスペシャルオリンピックスの大会がございます。それの派遣費用を私どもは補助したいと思っております。
読売新聞 大木隆士 氏
熊本地震の発災からもう1カ月経った段階なんですけれども、これからの支援ということについて皆さんはどうお考えになっていらっしゃるのかということと、もう一つは行政からの支援もかなり入っていると思うんですが、今後、皆さんのもっと細かい事情に即した支援ができるということなのかなと思って聞いていたのですが、その点についてご意見をお聞ききします。
長野県みらい基金理事長 高橋潤 氏
こういう大きい災害、震災が起きますと、ボランティアはどう活動したらいいんだとかどういう支援をしたらいいんだというのは、いろいろなお話がありますけれども、やっぱり初動、最初の支援はやっぱり行政中心できちっとやっていただきながら、やはり細かいところというのでしょうか、市民団体が普段活動している中で、なかなか行政であったり、そういうところでは手当てができないような、そういうところの支援というのを丁寧に細かくやっていけるのが市民団体の強さなんだろうと。特に今回は遠く離れた熊本ですが、長野県の団体さんが普段の活動の中で、そのつながりの中で支援できることということが大事なのかなと思っております。
長野県知事 阿部守一
高橋理事長をはじめ各団体の皆さんありがとうございました。よろしくお願い致します。ぜひ「長野県みらいベース」のサイトは一度のぞいていただきますと、熊本地震の支援以外にいろいろな団体がこんな活動をするので、これだけ目標金額にして取り組んでいるので協力してくださいという形でメッセージが載っていますので、またメディアの皆さま方にもそうした部分、熊本地震の支援はもちろん重要でありますけれども、その他の平常時の活動についても、ぜひご理解、ご支援いただければと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、本日の2点目を申し上げたいと思います。県産材の建築部材、ここに実物が陳列されていますけれども、県産材の建築部材「信州型接着重ね梁(ばり)」の国土交通大臣認定についてお話を申し上げたいと思います。お手元にプレスリリース資料お配りしているかと思いますが、このたび信州木材認証推進センターと私ども県林業総合センターが共同で開発を進めてまいりました、県産材の建築部材「信州型接着重ね梁」が、建築基準法に基づく国土交通大臣の認定を受けることができました。大臣認定は極めて厳しい基準の下で審査が行われるものでありまして、今回認定されるまで4年の年月を要しております。2,000本を超える試験を行ってデータを蓄積した上で、今回の認定に結び付いた、大変意義ある認定だと思っております。こちらに実物置いていますけども、「信州型接着重ね梁」の強度あるいは質感ともに木材に近い状況でございます。これまで9割が外材で占められているといわれております梁(はり)を県産材に転換することができる画期的な建築部材であります。製造は上伊那森林組合、そして征矢野建材株式会社の2社が行うことが可能でございます。今回、法律に基づく指定建築材料になったことによりまして、建築士等の皆さんが設計に使用できる製品として、全国に対して幅広い普及が期待されるところでございます。公共建築物あるいは住宅等に「信州型接着重ね梁」が利用されるように県としても積極的に普及していきたいと思っております。森林県から林業県へということで取り組みを進めておりますけれども、何よりも川上の、供給側の問題だけではなくて、需要が拡大する取り組みということをしっかり行っていかなければいけないわけでありますが、今回の接着重ね梁は、そうした需要拡大するという意味でも、大変大きな意義があると思っております。今日は、このたび認定を取得された、信州木材認証製品センターの細川理事長にお越しいただいておりますので、細川理事長の方から製品について詳しくご紹介いただきたいと思います。よろしくお願いします。
信州木材認証推進センター理事長 細川忠國 氏
本来、この無節の梁だとか桁というのは、直径30センチ以上の大きなものでなければ製材できなかったんですけれど、今回の「信州型接着重ね梁」につきましては、小さな材でも製材して梁桁の高さを40センチくらいはできるというそういうことでございます。また今回認定を受けるまで構想から20年、事業開始してから4年間、2,000本近い木材を使って各試験を実施し、業界として念願であった国土交通大臣の認定をようやく取ることができました。この認定製品はここにありますように、Aタイプ、カラマツ、4(種類)ということでここにあるとおりでございますけれども、そういう形でカラマツ、アカマツ、スギ、ヒノキ、Bタイプといわれる4パターンでございます。「信州型接着重ね梁」の認定につきましては、本当に多くの皆さんにご協力いただいて、新たな梁・桁材製品等々の建築資材として、設計をしやすく、国と県が連携していただいて促進に努め、また全国の幅広い普及に図っていきたいと思っています。なお、認証センターでございますけれども、われわれ146社、これは山で木を切っていただく人、製材していただく人、乾燥していただく人、接着していただく人、それから設計事務所の皆さん、流通の皆さん、そういう多くの皆さんに支えられてこの製品を開発し、今日でございまして、先ほど知事さんから言っていただきましたように、最終製品は上伊那さんと征矢野さんで作ってもらえるわけでございますけれども、そういう形でわれわれ、こうしてやっていただくと、多くの県をはじめ皆さんにここまできたことを深く感謝申し上げて紹介とさせていただきます。ありがとうございます。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。ということでございますので、ぜひ「信州型接着重ね梁」、広く普及させて、県産材の普及拡大に努めていきたいと思っておりますので、よろしくお願い致します。
それから大きな3点目でございますけれども、コンプライアンス推進の観点で、プレスリリース資料をお配りしているかと思いますけれども、新たにコンプライアンスリーダーを設置致しました。各部局単位でコンプライアンス委員会設置してまいりますが、コンプライアンスリーダーにおいては各部局のコンプライアンス推進の中心的な役割を果たしてもらおうと思っております。メンバーとしては人事課、そしてコンプライアンス推進室の職員に加えて各部の主管課の企画幹、地方事務所の副所長、保健福祉事務所の副所長、そして建設事務所次長等の職にある54名、新たに推進役としてコンプライアンスの推進を図ってまいります。職員の意識改革、あるいは職場風土の改善、こうしたことを中心になって担っていただこうと思っておりますので、大久保コンプライアンス推進参与、そして私も直接コンプライアンスリーダーと対話する機会をつくって、問題意識を共有して全庁挙げてコンプライアンスの推進、「意識改革」、「組織風土の改革」、そして「しごと改革」に取り組んでいきたいと思っております。
それから最後4点目でございますけれども、しあわせ信州移動知事室の実施についてでございます。日程を配布させていただいているかと思いますけれども、しあわせ信州移動知事室、来週の16日(月曜日)から18日(水曜日)3日間にかけて飯田・下伊那地域で実施してまいります。さまざまな地域の皆さま方との交流の機会をつくってまいりますが、まず下伊那地域を中心に民族芸能の支援の新しいモデルをつくってきているわけでありますが、新しい取り組みとして「民族芸能パートナー企業」の協定締結・登録証交付式の第1弾を行っていきたいと思っております。また、飯田・下伊那地域はリニア中央新幹線あるいは三遠南信自動車道の整備によりまして、県内でもこれから未来に向けて飛躍的に地域が変貌する発展の可能性が大きい地域でございます。そういう観点でリニア等の建設予定地、工事現場等も訪れて、実際の現状をこの目で見てきたいと思っておりますし、また、建設現場で実習中の高校生との対話等も行ってきたいと思っております。また、県政全体として進めている「郷学郷就(きょうがくきょうしゅう)」という観点で、関連する皆さま方との対話、あるいは移住交流の推進、促進ということをテーマに市町村長の皆さま方とも意見交換を行ってまいりたいと思っております。また、連休前後でもいろいろなテレビで取り上げられておりましたけれども、星空を新たな観光資源として成功しております阿智村のヘブンスそのはらでの星空観光の取り組みも視察していきたいと思っております。今回も飯田・下伊那地域、県庁から遠い地域でございますので、しっかりと地域の皆さま方の思い、あるいは感覚、こうしたものを把握させていただいて県政にしっかり生かしていきたいと思っておりますし、できる限り多くの皆さま方とさまざまな分野で対話を行っていきたいと思っています。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
大きく4点お願いします。コンプライアンスリーダーにもちょっと関係するかと思うんですが、先日発表のあった河川占用料の未収の事案なんですが、まずこの問題について、知事ご自身どのようにお考えになるか教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
コンプライアンス推進元年ということで位置付けている中で、こうした事務上のミス、さまざまな部局で発見されてきているということは大変残念な状況だと考えるのと同時に、こうした事案を今後の仕事の改革、そうしたものにしっかりつなげていかなければいけないと思っています。今回、河川占用料についての国の許可分等についても未徴収事案ということであります。まず、今回の事案については国からデータを提供していただく中で、しっかりと徹底した調査をして、漏れがないように是正をしていかなければいけないと思っています。また、今回の事案、この会見の場でもいろいろ皆さんから少し出ている問題として、4月4日に最初の事案が2件発見され、その後コンプライアンス室には早い段階で報告があったようですが、私のところに報告に来たのは5月2日ということで、私とすればもっと早く問題を共有してもらいたいというのが率直な感覚でありますし、早い段階で公表することによって、今後の取り組みの方向性というものもお示しをする中で、取り組みを進めていく方がより望ましいのではないかなと率直に思っております。こうしたことも含めて、これからもこうした事案が出てくる可能性あると思います。もちろん未然にこうしたものが起きないように防いでいくという努力をしていきますが、こうしたものがかえって隠される、あるいは大変な問題だから何か隠してしまうというようなインセンティブが働かないようにしながら、積極的に公開していくと同時に、対応についても、何となくその場限りの今後の対応ということではなくて、本来の仕事の本質的な部分までさかのぼって在り方をそれぞれ考えていくようにしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
知事もおっしゃられたように、例えば1月ですと佐久建設事務所でも道路占用料がありましたし、3月に発覚したのですと林業センターの試験手数料、これは消費増税に伴う対応をしていなかったという、ちょっとかなり単純なミスというか、しかもそれが今回のは30年以上放置されていて、佐久の事務所も10年ぐらい放置されていて、ずっと見逃し続けている状況があって、結果的に途中で職員の方が気付いた形になると思うんですけど、マンネリというか、毎年続けてしまっている事業の中のこういったミスを見つける抜本的な方法はなかなかないのかもしれないですが、それはどのように考えていらっしゃいますか。例えば、今年で全庁棚卸しとか、コンプライアンス推進の中で施策を盛ってらっしゃいますが、具体性のある対策というのは。
長野県知事 阿部守一
県の仕事もいろいろな分野でいろいろな作業、いろいろな仕方があるので、一概にはなかなか言いづらいところがありますけれども、ただ、やっぱり一人一人の職員がしっかり問題意識を持って取り組んでいくということが大変大事なんだろうと思っています。全庁的にこれからコンプライアンス推進の中で一緒に考えていかなければいけない話でありますけれども、例えば、私が感じているのは自分の目の前にある仕事を対応する、これは当たり前ですし、県の職員は皆真面目だから一生懸命やっていると思いますけれども、それが全体の県組織の中でどういう位置付けになっているのか、どういう他の分野に影響するのかということを、やっぱり考えながら仕事していくということが一つ重要なんだろうなと思います。例えば、問題の共有みたいな話も、自分のところから直属の上司に伝えたらそれで終わりということではなくて、全庁的にそれがどうなっているかというのは、一人一人の職員がしっかり考えて、どっかで止まっちゃっているようなら本当にこれでいいのかなということは、それぞれ管理職も担当の職員も問題を持って、そうしたことをやっぱり率直に対話できるような環境をつくっているということが大事なんだろうと思います。そういう意味でコンプライアンスの推進が重要なテーマでありますけれども、これは一人一人の職員の意識、あるいは職場自体の風土の在り方にも関わる話でありますので、今日言って明日すぐ全く劇的に変わるというようなことにはなりづらい分野でありますけれども、しかしながら、地道にコンプライアンスの推進ということを訴えていきたいと思います。村澤記者からお話しいただいたように、こういう事案も職員の方からこういうのがあるというのが出てくるということをもっと広げていくということ自体も大事なことだろうと思いますので、会見も県の職員聞いていると思いますので、ぜひ自分が仕事をやっていてちょっとおかしいなと、これで本当にいいのかなということは、ぜひ職場で問題提起をどんどんしていってもらいたいなと思いますし、そういうことが活発に行われる風土に改善をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
でも原因究明をしなければいけない部分があって、例えば今回で30年以上前で、例えばですが、そこまでさかのぼって、当時で辞められていると思いますけれども、なぜこういったことが始まったのかという原因究明というのはどのように進められますか。
長野県知事 阿部守一
非常に単純な入力ミスみたいな話とすごく根深い問題と両面、あるいはその中間でいろいろ思いますけれども、単純であればあるほどそもそも原因は何なのかというのはあまりはっきりしなくなる可能性があると思います。ただ、お話あったように継続的に、例えば継続的に今回、占用料の徴収をしているわけでありますけども、継続的に行える事案について、やっぱり定期的に見直し点検をするとか、そういうことによって発見していく契機を意識的につくっていくということが重要だろうと思います。単年度単年度で終わってしまうような事業と、それから一度入力したらそのデータをもとに継続的に行っていくようなものとあるわけでありまして、後者のようなものについてはやはり、一定期間ごとに意識的に点検する、あるいは第三者的な目でチェックする、こうしたことを組み込んでいくということも考えていかなければいけないと思います。県の事務いろいろありますので、そういう意味で各部局のコンプライアンス委員会をつくったわけでありますから、私がこれだけやれということよりは、むしろ事務事業の内容に応じて、今何が足りないのかということをしっかりとそれぞれの部局でまずは考えてもらいたいなと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
お聞きしますと、辞められた方にまで原因究明でお話を聞かれるかどうかというのと、現実的な被害ということからすれば、今回の事案で700万円ぐらい時効になっていますし、佐久の地方事務所では1千万円以上時効になってしまっていると。厳しい言い方をすれば、大北森林組合の件については退職された方に退職金の返金まで命じている状況があるのですが、責任の追及というか、そういった部分というのはどのようにお考えになりますか。
長野県知事 阿部守一
大北森林組合の問題と今回の問題が同じ次元で論じられるかどうかというと、必ずしもそうではないのではないかと思っています。例えば、個人の賠償請求をしていくということも、もちろん県としてあり得る話だと思いますが、今回の件は必ずしもそういう問題ではないと思いますけれども、やはり当時の職員あるいは今現実に現在進行形のものについて、本当に故意であるとか、極めて重大な過失があるとか、そうしたことがあるのかないのかということを前提に判断していかなければいけないだろうと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
くどいですが、さかのぼって辞められた方までお話は聞かれますか。そうしないのであれば原因究明ができないかと思うんですが。
長野県知事 阿部守一
この事案はおそらくはデータ入力の誤りの問題ですので、聴取したからすごく深い問題が出てくるということでは必ずしもないのではないかというのが私の今の認識ですけれども、建設部の方で何か考え方があったら言ってもらえますか。
河川課長 新家智裕
今のお話でございますけれども、これから状況等がだんだんと分かってくると思いますので、その状況の内容を見て、知事の方には報告していきたいと思っております。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
別の質問で、舛添都知事の海外出張の件について、最近よく報道されていると思うんですが、ファーストクラスで海外出張しているという、こういった事案について各知事それぞれご判断があると思うんですが、知事ご自身として話題になっている件についてどのようにお考えになるか教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
昨日も舛添知事と一緒に食事をさせてもらったりして、メディアも大勢関東知事会に押し掛けてきて、非常に世間的に注目されている問題だと思っています。海外渡航の問題については、東京都がどういう規則、ルールのもとで運用しているかということを正確に承知していないので、直接的にどうこう判断するという立場でもないし、なかなかコメントしづらいところでありますけれども、やはり税金でわれわれは仕事をしているわけでありますから、そういう意味では、県民、東京では都民の皆さんに対して理解と納得が得られるような内容であるということが、私は必要なんだろうなと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
担当課の方でもいいのですが、現状知事のご出張についてはどのようになっているかというのを教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
メディアの方からも照会があったので、今、外国旅行についての旅費の扱いは特別職の職員の旅費又は費用弁償に関する条例に基づいて運用をするという形になっていまして、基本的に国家公務員等の旅費に関する法律の規定に準じて旅費を計算するという形になっています。うちの県の場合、知事は副大臣級。国の国家公務員旅費法に当てはめた場合、副大臣と同じ扱いという形になっているようでありまして、そういう意味では、総理がいて大臣がいて副大臣と。その3番目という理解でいいのかな。国家公務員の旅費法に準じたときには、例えばうちの県でいくと、私はファーストクラスまで乗っていいという形になっているようですけれども、実際ビジネスで抑制的に運用させていただいていますし、あとは部長級もビジネスクラスが可能な制度にはなっていますけども、実際はエコノミーで運用するという形で、できるだけ抑制的に運用させていただいているところでありますので、これからも海外との連携協力関係は、私は大変重要だと思っておりますので、必要な海外出張については私も県の職員もできれば積極的に行っていきたいと思いますけれども、1回1回の旅費の在り方については県民の皆さんの理解が得られるような、これまでもそういうものだと思いますけれども、より精査をしながら取り組んでいきたいと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
今年は国際担当部長を置かれて国際的なそういった取り組みを強化されていると思うんですが、就任翌年から毎年中国を訪問されたりですとか、昨年ですと、非常に元外相の唐家璇(トウカセン)元国民委員にお会いになったりとか、かなり積極的な取り組みをしていらっしゃると思うんですが、実際の効果というか、県政にどのような形で生かしていくかという、そのような観点ではどのようにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それぞれの目的によってさまざまだと思いますけど、例えば先ほど木材の話がありましたけれども、オーストリアに行かせていただいて、先方の大臣との間で覚書を締結して、林業関係についてはオーストリアと長野県はしっかり提携をしながら取り組んでいきましょうということが、例えば具体的な形になっています。また、中国との関係も、極めて今、中国側からは冬季オリンピック、北京、河北省の張家口市も会場になりますが、冬季オリンピックに向けて、長野県のこれまでの冬季オリンピック・パラリンピックのノウハウに対する期待というものが非常に高くなっておりますので、こうした環境というのは、これまで地道に、これはもちろん県だけではなくて、例えば中国であれば日中友好協会の皆さんの取り組み、あるいはオーストリアとの関係は森林林業関係者の皆さんの長い間の積み重ね、こうした民間の取り組みとわれわれ県、行政としての取り組みが相まって、成果が上がりつつあると思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
あと別の質問で、熊本地震の関係で、昨日の知事会議でも話題になったかと思うんですが、明日で発生から1カ月という節目を迎えて、今後県としてどのような支援を考えていかれるというのを教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
先ほど、みらい基金の皆さま方と一緒に会見させていただきましたけれども、当面、応急対応的な緊急物資であったり、あるいは人的な支援についても、当初必要とされていた分野が徐々に縮小されてきているというのが現状であります。ただ、非常に被災状況、甚大な被害でもありますし、今でも余震が継続しているという状況がある中で、被災地に対する支援まだまだ必要なものが出てくると思います。昨日の関東知事会としても被災地支援をしっかりと連携して取り組もうという決議を行わせていただいておりますが、被災地、被災者の皆さんにニーズの変化、こうしたものをわれわれもしっかり把握しながら適切な応援を行っていきたいと、その一つが、先ほど申し上げたような、行政だけの支援でなくても少し幅の広い、NPO等民間ベースの活動を県としても一緒に応援をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 村澤圭一 氏
先日、私どもの方で報じたんですが、市町村の事業継続計画、BCPの策定率が非常に低いと、まず現状についてどのようにお考えになるかというのと、市町村なかなか県内では町村の数が全国一 多いという、そういったのが背景にあるかなと思うんですが、県としての支援策というか何か今考えている点があれば教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
まず、今回の熊本地震を契機にやっぱり県としての現状もう1回把握し直して、足りない部分については取り組みを強化するということが重要だと思っています。特に今回、行政機関の市町村の庁舎が使用不能になるといったような事態も出てきているわけでありますので、昨日の関東知事会の中でも話題になりましたけれども、ハード面の支援、それからソフトの部分でのBCPの策定、こうしたものがしっかりと行われるように、県としても応援を行っていかなければいけないだろうと思っています。具体的な内容は危機管理部の方で考えてもらっているので、竹内課長の方から少しお話を申し上げます。
危機管理防災課長 竹内善彦
BCPに関しましては、市町村も小さいところはなかなか人的にも手が回らないということなもんですから、私どもの方で必要な助言等やって、できるだけ速やかに整えていくように支援をしていきたいと考えております。
朝日新聞 横川結香 氏
先日、運輸局の方で北陸新幹線の延伸開業前後の人の流れの調査で、県内の新幹線乗車数が上がったのに対して、実際に来訪者数が下がったというようなデータに関して、知事の率直なご意見をお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
私も新聞記事で見て、観光部に確認して対応を考えなければいけないなと思っていて、まだできてないですが、現状をしっかり把握をした上でわれわれの取り組みとして今後何が必要なのかということはしっかり考えていかなければいけないと思っています。
朝日新聞 横川結香 氏
今のところ何かこう考えられることって。
長野県知事 阿部守一
今年の予算の柱の一つに「観光大県(たいけん)づくり」ということを入れています。今のところまだスタートーアップが十分でき切れてないところがあるわけでありますけれども、観光協会のDMO化の話も含めて、観光行政は私は抜本的に変えなければいけないと思っています。今の観光部の仕事のやり方を漫然と進めているだけでは本当に世界から選ばれる長野県にはならないと思っていますので、そういう意味では本質的な改革、今の新幹線の利用者数をどう増やすかということと次元的には違ってしまうかもしれませんけれども、ただ、抜本的な県の観光の方向性をしっかりと観光関係者と共有して進んでいくことを抜きに、個別個別のパーツの弥縫(びぼう)策だけではとても観光大県にならないと思ってますので、今その仕込みをしっかりと観光部で議論しているところでありますので、大きな方向性を打ち出す中で、その新幹線の利用者数の向上ということも視野に入れて取り組んでいきたいと思っています。
読売新聞 大木隆士 氏
先ほどの質問にありました海外出張のところで追加でお聞きしたいんですけれども、できるだけ抑制的な運用をしたいというところの理由ですけれども、県民の理解が得られないというふうに思われる理由をもうちょっと詳しく教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
県民の理解は、私は得られていると思っていますけども、冒頭申し上げたように、税金でわれわれは仕事しているわけでありますから、海外出張はもとよりそうですけれども、日ごろの業務を行うに当たってもできるだけ効率化していくということが常に求められていると思いますので、そういう意味では、海外出張の旅費の扱いについても、旅費の扱いだけではなくて必要な職員数をどう考えるかとか、そういうことも含めて、今後ともしっかりと考えていかなければいけない課題だと思っています。
読売新聞 大木隆士 氏
先ほど法律的にはファーストクラスでも許されるというご説明がありましたけれども、法律で許されるからそこまでっていうようなお考えはしないということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
例えば、いろいろなルールがある中で、ルールがあるから目いっぱいそのルールの許される範囲でやろうという発想は、私はおかしいなと思っています。そういう中で極力簡素化できるところ、効率化できるところは効率化していくという工夫をしていくということが重要だろうと思っています。
読売新聞 大木隆士 氏
もう一つ知事としてのお考えということで、舛添都知事に関しては公用車の利用ということについても批判が出ていますけれども、なかなか知事というお立場ですからどこまでが公でどこまでが私だという区別を付けるのは難しいとは思うんですが、ご自身ではその点についてどのように考えて行動されてらっしゃるんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
公用車の利用のところは、これも県民の理解が得られるようにしているということが基本だと思っています。私自身悩ましいなと思うのは、いろいろなところに出掛けていくときに、例えば公務の合間にいろいろなものが入ってしまうとか、あるいは知事という立場でいろいろ呼ばれる中で、どれが公務でどれが公務でないかというのは若干仕分けしづらいというものが中にはあり得ると思っています。そういう中でもできるだけそういうことは整理をしながら進めていくということが重要だろうと思っていますので、公用車の運用についての考え方というのが長野県として物的なルールは何かあるみたいですけども、使用についてのルールというのが必ずしも明文化されたものがないということのようですから、私はこの機会にしっかりとしたものを考えていくことも重要ではないかと思っていまして、今、総務部で検討しろということで検討するようにしてもらっているところであります。
朝日新聞 辻隆則 氏
昨日、森林組合の不正受給事件の第3回公判があったんですけれども、その中で当時、北安曇地方事務所の林務課職員の調書が証拠採用されて、その中で発覚した経緯というものの調書で2014年の4月に、もうすでに調査を、内部調査すべきだとか、その職員自体がもう問題を把握していて内部調査すべきだとか、場合によっては県の職員は告発すべきだとかそういった文書が作られて、それを県の林務部の方に伝えていたという趣旨の調書があったんですけども、そもそも県の最終報告書、検証委員会が作った最終報告書の中には、発覚したのは2014年の12月。4月から約8カ月後になっているんですけども、知事としてそういった、4月に作成されたと言われているその文書についての存在を認識されていたかどうかということをお聞かせ願えればと思います。
長野県知事 阿部守一
まず、明確に申し上げなければいけないのが、職員の処分をする際に本庁の林務部の担当課課長の対応が、その間、時期的にずれてしまったわけですよね。私のところに報告がきたのが一昨年の12月。そこから全庁的に調査体制をつくって対応しろということを指示したわけでありますけれども、今のお話にあった、当時、北安の地方事務所の林務課の方からは問題があるのではないかというシグナルが出てたわけでありまして、そのことについては処分、昨年の段階に処分をするに当たっての処分事由に入れているところでありまして、当然のことながら、私も検証委員会の委員の皆さんもそうした状況については認識していたということであります。
朝日新聞 辻隆則 氏
4月に文章を作成して県の林務部の方に言ったと。林務課職員はそう供述しているんですけども、その後も何のアクションもなかったと。見て見ぬ振りを感じたというようなこともしゃべっているんですけれども、そういったことに関して、一県の職員がそういうふうに感じたということに関しては知事としてどういうふうにお受けしますか。
長野県知事 阿部守一
私もその担当職員と全く同じような思いです。だから処分しているわけです。
朝日新聞 辻隆則 氏
昨年12月に処分した職員の中はもうそういったことも全部含まれて、処分事由として含まれていて、処分したということで。
長野県知事 阿部守一
どうしてこんなに報告が遅いんだとさっきも言いましたけれども、そのこと自体を私は問題だと思っています。内部でこの議論をするときにも、なぜそうした対応になってしまっているのかというのは大変大きな問題だと認識しているということは林務部にも伝えていますし、この会見の場でもそうした趣旨で私はお話ししたことあるのではないかと思います。
長野放送(NBS) 中村明子 氏
先ほどの公用車の運用についての話に戻ってしまうのですが、知事も悩ましい点があるということで、ちゃんと考えるというふうにおっしゃっていましたが、これはこういうときは公用車でというようなルール作りというのをしていくというような認識でいいんですか。
長野県知事 阿部守一
他の県がどういう状況になっているかというのも調べていかなければいけないと思いますけれども、今、コンプライアンスの推進ということを言っている中で、私はコンプライアンス推進自体は単なる法令順守ではなくて社会の要請に答えることだということを言っています。今回、例えば旅費であったり公用車であったり、そうしたことが、東京都知事の行為自体がどういう都民の評価ということになるのかというのはまだこれからなのかもしれませんけども、しかしながら、世間的に問題提起がされているわけであります。そういう観点で考えれば、われわれもコンプライアンスの推進と言っているわけでありますから、私だけではなくて県職員の公用車の使い方であったり、あるいは出張の在り方であったり、そうしたことはやっぱりしっかり見直して必要な対応していくということが恐らく今の社会的な要請だろうと思いますので、そうした観点で検討していきたいと思います。
日本経済新聞 白岩ひおな 氏
県産農産物の輸出についてお伺いします。昨日、政府の方で国産の農産物の輸出力強化に向けた戦略の取りまとめがありました。海外の消費者に対して品質保証する制度の創設及び規制の緩和を諸外国に向けて求めるという内容が柱になっておりますけれども、今回の戦略に対しての受け止めをお伺いしたいということが1点と、こうした制度の創設であるとか規制の緩和というのは、恐らくある程度時間がかかるものかと思いますけれども、現状の制度を前提にして県内の生産者の支援をどのように取り組まれるかということについてお伺いたく思います。よろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
昨日の関東知事会でも農産物輸出の話が、栃木県が提案県で出て、その時私も申し上げたわけですけれども、今、国内事業が人口減少でどんどん減っていく中で、海外市場の開拓というのはこれからの日本の農業にとって至上命題だと思っています。そういう中で、今、どちらかというと各都道府県が何とか米だとか、何とかリンゴだとか、そうやって半ば競って取り組んでいるわけでありますけれども、私はもちろん、それぞれの地域が競い合うということも大事ですけれども、その一方でベーシックなところは国がしっかり取り組んでもらいたいと思っています。そういう中で、今お話しあったような検疫等についても、国によっては農産物の検疫基準が作物によって明確になってないと、だから輸出できないという現状がある中でありまして、そういう部分はやはり国がしっかり取り組んで行ってもらわないことにはなかなか各都道府県レベルでは難しいという議論を昨日もさせていただいています。また放射能の関係で、私とすれば十分な科学的根拠なく、長野県の農産物の輸出がまだできない地域が残っているわけでありますので、そうしたものに対する働き掛けも国が行っていただく必要があると思っております。そういう意味で、関東知事会全体としては国にこの分野、より強く、強めの要請をするべきだということで意見が一致しておりますし、私も全く同感であります。そういう意味で、この分野の規制あるいは海外との交渉についてはぜひ国がしっかり進めていただきたいと思いますし、そうした方向性の取り組みを進めるということは、大変ありがたいことだと思っています。
市民タイムス 赤羽啓司 氏
コンプライアンスリーダーの関係で1点お聞きしたいんですが、4月4日の確か会見で各部局ごとにコンプライアンス委員会を設置するという話がありまして、このコンプライアンスリーダー、業務内容の方にコンプライアンス委員会の運営などというのがありまして、多分委員会の委員長というのは多分運営の中心にはなってくるかと思うんですが、委員長はまた別にコンプライアンスリーダーという役職を作ったという、知事のお考えをもう少し詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
もちろん各部局のコンプライアンス委員会、各部局長がしっかり責任持って取り組んでもらうわけでありますけれども、事務方の長というか、事務方としてしっかり支えてもらう立場として、コンプライアンスリーダーには頑張っていただかなければいけないと思っています。コンプライアンスの問題は、極めて現場の問題でもあるわけでありますし、また例えば、先ほども本庁と地方事務所の林務課との関係性、極めて問題が多かったと思っていますけども、そうしたことを考えたときには、単に部局長のレベルの目線だけではなくて、もう少し現場に近い、職場の雰囲気が実際体感できるような職員もしっかりコンプライアンスに関わってもらうということが重要だと思っておりますので、そういう意味では企画幹等にしっかり役割を果たしてもらいたいと思っています。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
私、信州アイドル最前線という企画をやっているんですが、知事は信州キャンペーン実行委員会の会長も確かやられていると思うんですが、そこが委嘱しているしあわせ信州応援アイドルの関根梓さんというアップアップガールズ(仮)というグループのメンバーを恐らくご存じだと思うんですが、11月8日にそのグループが日本武道館で初めてコンサートをやることが決まったので、もし把握されていたらちょっと祝福のコメントくらいちょっといただきたいなと思ったんですが。
長野県知事 阿部守一
ちょっと把握していないです。しかるべく把握をした上で、次回コメントがあればお伝えするようにしたいと思います。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
ちょっと大北森林組合の方に変わるんですが、先ほどうちの辻が質問した中で、現地職員の見て見ぬふりをしたと感じだというのと、私も同じ思いだっていうふうにおっしゃっていたんですが、知事としてはそういう報告遅れたということを聞いたときに同じ思いとはどういうふうに具体的に言うと感じたんですか。
長野県知事 阿部守一
当然対応を早くすべきだということです。私はその職員から出されたペーパーを見ていますけども、ここまでのことを職員が言いながら、どうして組織的にもっと対応しなかったかというところは、私としては大きな問題だと思いますし、極めて残念な対応だったというのが率直な思いです。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
先ほど、処分理由の中で、実際に2人の方がぱっと見た限りは処分されているんですが、この処分理由が上司に未完了箇所が存在するという内容の報告を受けながら上司に報告せずに未完了箇所の完成を優先させるよう、地方事務所に誤った指示をしたってあるんですが、当時の12月25日の副知事ですかね、会見や、こういう処分のこれを見て、あと人事課の方が説明してくれてるのを聞いてると、私はどちらかというと知事が仰しゃるように対応が遅れたとか、放置されたとか、8カ月間ですね。そういう印象を持っていたんですが、昨日裁判に出たような調書や恐らく知事もご覧なったペーパーですね、その後の林務部の対応を見ると、どちらかということ隠したとか握りつぶしたっていうようなそういう対応というか対応ですね、そちらの方が表現として近いかなと思うんですが知事はどういうふうにお感じになっていますか。
長野県知事 阿部守一
結果的には私のところに林務部から報告きたわけですよね。詳しい経過は、正確にコンプライアンスなり林務部から聞いてもらいたいと思いますけれども、当時会計検査が入るということで、対応をそちらを優先してしまったということは、確かにそういうことあったんだろうと私も感じます。ただ問題の優先順位の付け方が、あるいはどういう対応すべきかということが、正しかったのかどうか、物事を事後的に評価して、当時の対応を事後的に批判するのは簡単だと思うので、あんまりそういう言い方はしたくないですけれども、そのときの対応なり判断なりが良かったかと考えれば、それは悪かったんだと私は思いますし、担当していた人間もそういう問題認識は、現在はしてもらっていると思っています。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
先ほど報告が遅れたときに、何でっていうふうに、ちょっとなんでこんなに遅いんだというふうに仰しゃっていたと思うんですが、その何でっていうのに対して、報告してきたのが林務部か人事課なのか分からないですけど、どうしてこれだけ遅れたという説明があったんですかね。その対応の優先順位間違えたとか、それこそ、隠したかったとか。
長野県知事 阿部守一
そういう説明はなかったと思いますけれども、やっぱり事案の重大性というものが、今は、要するに事後的に振り返っているわけですから、検証委員会の検証等を経て、とんでもない膨大な不適正事案があったということは世の中的にも明らかになっているし、私だってそれを前提に今話しているわけでありますけれども、おそらく最初にこういう報告があったときに、そこまでの認識には多分ならなかったんだろうと思います。ですから、事後的に批判するのは極めて簡単でありますけれども、そうしたことが起きないようにするにはどうすればいいのかということを今回のケースをもとにしっかりと考えていくことが重要だろうと思っています。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
僕は、今の知事の全く逆かなと思っていて、実際処分された職員に私ども取材したんですが、まずもう4月に来たときにいきなり地方事務所の課長が飛んできたんで、これは大きな問題だとまず認識していたって取材にはっきり仰しゃって、先ほど知事、全然違うコンプライアンスリーダーの説明の中で、大変な問題だから隠されるとかそういうのがないように、というふうに仰しゃったんですが、僕どちらかというと要は大変な問題だから隠そうとしたとか、そっちの方かなと思うんですが、どうですか。
長野県知事 阿部守一
大変な問題だからそれは本人の話をちゃんとは聞かなければいけないですけれども、今回、われわれとしては職員にも聞き取り調査した上で処分しています。そのことは、今回の場合は作為ではなくて不作為なわけです。事案が重大とはいえ、作為に行動を起こしたわけではなくて不作為で何もしなかったということに対して減給処分を3月ということで、われわれとすれば、県職員に対する処分とした極めて重い対応を職員に対してはさせていただいているという認識であります。事実認定の中身が、今仰しゃっていただいたようなことが背景に、いろいろこういう事実認定、こういう事実認定ということがあるわけでありますが、それについてもう少し具体的な話を聞きたいということであればコンプライアンス室なりに聞いてもらわないと、私が職員に対して直接聞き取っているわけではないので、ただ私とすれば、事後的に見れば、当然私が12月に報告された時点でも、まだ今分かっている全体像が必ずしも分かってない状況だったわけでありますから、そういう意味で事後的に職員の不作為を攻め立てるというのはたやすいわけでありますけれども、他方でその当時、どういう状況でどういう判断をしたかということはあまり後付けではなくて、そのときの状況を踏まえて対応しなければいけないのではないかというのが私の正直な感覚でありまして、そのことを通じて、決して組織に甘くするということはなくて、組織全体が反証を見たときに、あるいはきっかけがあったときにどう行動すべきかということはしっかり考えていくのが今回のコンプライアンスの在り方だろうと思っています。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
そうすると具体的な経緯というのはコンプライアンス推進室でご説明いただけるということでよろしいわけですね。
人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
当時の様子を詳しくヒアリングもして12月の処分に反映させております。当時、会計検査が迫っているということで、まずは、期ずれ、遅れているところを完成させるということが第一だったということで対象の課長も申しておりまして、その辺を第一に重い判断だということで、林務部全体で考えなかったというようなことも踏まえて、先ほど知事が述べました重い処分ということで係長も含めて処分しているところでございまして、特にそこを隠すとか、もみ消すとか、そういったことよりも早く完成させて迫っている会計検査に対応すると、そちらの方を優先させたということで、重い処分ということにしております。
朝日新聞 小松隆次郎 氏
具体的なことはまたこちらで聞くということで、1点だけちょっと最後にするんですが、昨年12月25日の処分の発表のときに、副知事に、8カ月間、当時は僕放置されたくらいにしか、対応が遅れたというふうに思ったんですが、それで処分された方がその後、今回の不正受給問題で調査チームに入って職員委員会のヒアリングにも同席したりしていることについて、これは調査の公正性という点でどうなのかっていうような質問をしたんですが、副知事はそのとき、太田副知事ですね、調査を始めたときにはそこまでの認識が、だからそういう8カ月対応が遅れたとか、そこまでの認識はまだあまり深くなかったというふうに副知事の仰しゃったんですね。だけど、だとするとそこから、皆さん先ほど隠すつもりはなかったというようなお話があったんですが、ただこれ不作為っていっても、かなり重大な不作為だと思うんですね。そうすると途中で調査から外すとか、そういうことも可能だったかなと思うんですが、これは事後的になっちゃうんですがそれはどういうふうに思いますか。
人事課コンプライアンス推進室長 宮下克彦
小松記者もよくご存じだと思いますけれども、担当する課長、直接関係するようなところには、もちろんヒアリングとか、入らないとか、そういったことはもちろん配慮しておりまして、内容が明らかになるにつれてそれなりの対応取って適切な対応取っていると、そういうことでございます。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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