ここから本文です。
更新日:2025年11月10日
松本地域振興局
松本南西部地域では、春先の強風により農地から土壌が飛散する風食が長年の問題となっています。風食の発生により、優良な耕作土の亡失、農作物への砂の混入等農業生産への影響に加え、周辺道路や住環境など近隣住民の生活面にも影響を及ぼしています。
松本農業農村支援センターが事務局をしている、「松本南西部地域農地風食防止対策協議会」ではこれまで麦類の播種による農地被覆を中心とした対策の普及啓発を行ってきました。令和4年度からは、さらなる対策推進を目指し、麦類以外の新たな被覆作物として「ヘアリーベッチ」という緑肥作物について関係機関による導入検討を行っています。
ヘアリーベッチとは、マメ科の植物で雑草抑制効果、排水性の改善効果が期待できる植物です。
また、環境にやさしい農業の推進が進む中、化学肥料の低減や土壌改良効果といった点でも緑肥作物が注目されており、「ヘアリーベッチ」は減肥効果が期待されています。
こうした背景のもと、風食防止対策、緑肥を活用した減肥栽培のモデルほ場を設置するために、10月10日に朝日村で農家さんとともに、ヘアリーベッチの播種を行いました。
秋に播種すると、春の作付けまでの期間ほ場を植物体で覆うことができ、強風による土の流亡を防ぐことができます。
また、緑肥のすき込みによる減肥効果も期待できます。ほ場の地力にもよりますが、ヘアリーベッチすき込み後のレタスでは3~5割、スイートコーンでは5割慣行栽培に対して窒素の減肥栽培ができるようになります。
支援センターでは風食防止対策を推進するとともに、春の生育調査やすき込み時期による減肥効果の検証を通じて、緑肥を活用した環境にやさしい農業の推進に取り組んでまいります。

ヘアリーベッチ播種の様子

R6年秋播種・ほ場を覆っている様子
お問い合わせ
より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください