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更新日:2014年12月5日
長野県知事 阿部守一
それでは12月5日の会見を始めたいと思います。
まず本日、11月定例会の一般質問が終了ということで、県政各般にわたってご質問いただいたところであります。来週から委員会開催ということで、さらに具体的なご議論をいただく中で、提出議案についてご議決をいただきたいと思っています。今日、私の方からは大きく3点お話をしたいと思います。
まず、皆さまのお手元に資料をお配りしているかと思いますが、11月補正予算案の追加分についてであります。先月22日に発生致しました神城断層地震、この対応につきまして、被災者支援を速やかに実施し、施設の復帰を迅速に行うという観点で追加の補正予算案を来週8日、月曜日に県議会に提出することと致しました。被災者の住宅支援等、迅速な対応が必要な事業であることから、県議会には早期にご議決をいただくようお願いをしたところでございます。追加の予算案全体で約14億円、13億9624万3千円という予算を計上していきたいと考えています。内容は、資料記載のとおり神城断層地震からの復旧・復興ということで大きく3点、住まいの確保と住宅再建の支援、そして被災施設の早期復旧、さらには風評被害防止のためのPR活動ということでございます。1点目でございますが、住まいの確保と住宅再建の支援と致しまして、住宅に被害を受けた皆さまの住まいを確保するため、応急仮設住宅47戸を年内に設置するほか、住宅再建に必要な資金の借り入れにかかる利子の一部を助成して、被災された方々の住まいの確保に迅速に取り組んでまいります。2点目の被災施設の早期復旧と致しましては、被災した道路、河川、農地、水路、土砂災害発生箇所の応急対策あるいは復旧工事を実施するため、10億円余を計上致しましたほか、地震によりひび割れ等の被害を受けました県営住宅の修繕を緊急に実施してまいります。3点目の風評被害防止のためのPR活動と致しましては、スキー客の減少及び地域経済への影響ということを防ぐという観点から、大町市、白馬村、小谷村や民間事業者と連携して、スキー場誘客プロモーション活動を展開してまいります。そういう中で、本日既に報道されているわけでありますけれども、スキーシーズン到来ということで白馬・小谷のスキー場がオープンしておりますし、また木曽のスキー場についてもオープン予定で準備を進めているところと伺っています。ぜひ大勢の皆さま方に長野県にお越しいただいて、そしてスキー場を始めとして長野県の状況を多くの人たちが伝えていただくということが何よりも風評被害の払拭(ふっしょく)につながるものと思いますし、地域の復興になるものと考えています。ぜひこういう観点でメディアの皆さま方にも情報発信、正確な情報が伝わるようにご協力をいただきたいと思います。
そして、この予算の資料ともう1つ「冬の信州観光 新戦略」ということでお付けをしています。7月に南木曽の土石流災害が発生して、9月に御嶽山の噴火災害、そして11月22日に神城断層地震ということで、立て続けに長野県は災害に見舞われたところであります。それぞれの観光地もそうでありますが、長野県観光全体が低迷しないように、多くの皆さま方にお越しいただけるようにしていくということが重要だと考えています。地震直後の11月23日と24日に長野県旅館ホテル組合会が県内の宿泊施設に緊急調査をされています。285の施設から回答があったわけでありますが、災害に関連して問い合わせ件数3,957件、キャンセルが916件と聞いています。大町・白馬・小谷地区では949件の問い合わせがあって、254件のキャンセルがあったというところであります。また、これとは別に今回の災害とは全く関係がない山ノ内町の宿泊施設においても修学旅行のキャンセルの申し出があり、交渉・調整をしたけれどもキャンセルが確定したというお話、あるいは大町温泉郷全体でも地震の翌日40名、その後約450名のキャンセルがあったと、こういう事例が出てきております。こうした状況の中で、市町村、県内観光事業者が一体となって度重なる災害による観光への影響を払拭(ふっしょく)して、長野県観光を発展させていきたいと考えています。こうした観点で、このたび「冬の信州観光 新戦略」ということで策定を致しました。この新戦略に基づいて、長野県全体、観光地が元気が出るように取り組んでまいります。大きな柱を3つ立てております。お手元のプレスリリース資料に書いてある通りでありますが、まず1つとして、冬のインバウンド誘客の拡大・強化であります。今年の日本への外国人旅行客は1300万人とも見込まれているところでありまして、今日も1ドル=120円という為替レートになっておりますが、円安を追い風に成長が見込める絶好の環境にあると考えております。そういう観点で、海外からの誘客を図るという観点で、インバウンド誘客の取り組みに力を入れてまいります。ターゲットはまず現在も多くのスキーヤーにお出でいただいておりますオーストラリア、そしてスキー人口が急増している中国、台湾、さらには日本への旅行客が増えておりますタイを新市場として開拓をしてまいります。これらによりまして、目標として、1~3月までの間、この3カ月の外国人宿泊者数を20万人から24万人ということで、2割アップを目指して取り組んでまいります。それから戦略2でありますが、銀座NAGANOをウィンター信州のゲートウエーにしてまいります。10月26日にオープン致しました銀座NAGANOをゲートウエーとして、最大のマーケットであります首都圏からの誘客促進を図ってまいります。情報発信をしっかり行ってまいります。特に銀座NAGANOに県内スキー場の臨時デスクを設置します。県内主要スキー場の割引券が全て入手できるようにするほか、ワンストップで情報を発信してまいります。また、木曽地域、北アルプス地域の物産を販売する応援ブースの設置でありますとか、イベントを実施することによりまして、今シーズンのスキー客、昨シーズンは703万9千人でありましたが、この数字を715万人へと増加させるというポジティブな目標設定をしております。それから3つ目の戦略でありますが、地域まるごとおもてなし「Welcome信州」の取り組みということで、おもてなしのさらなる向上を図ってまいります。「ずく出し!知恵出し!おもてなし宣言」の登録拡大、そして地元の商工会議所や商工会の皆さんのご協力によりまして、笑顔であいさつを基本とするおもてなしを実践していきたいと考えております。また、木曽地域などにおきますプレゼント企画を実施するほか、私も県知事として各種メディアを通じて、県内外に向けてしっかりとメッセージを発信していきたいと考えております。おもてなし宣言の登録者数を50パーセントアップするということを目標に取り組んでまいります。長野県にお越しいただくお客さま、感謝の気持ちですべての皆さんとお迎えをしていきたいと考えています。この3つの戦略に基づきまして、冬の信州観光の躍進を目指してまいります。なお、トータルの事業規模は約7700万円を見込んでおります。通常の時期の冬のプロモーションが約1800万円程度でございますので、既決予算、そして今回の補正予算も生かして、この新戦略に基づいて効果が上がるように全力で取り組んでまいりたいと考えています。
それから、災害関連の大きな2点目でありますが、長野県神城断層地震災害義援金についてということでございます。これも資料をご覧いただければと思いますが、神城断層地震災害によりまして、被災された方々を支援するために義援金の受付を11月27日から開始しております。今月3日現在で800万円を超える募金をいただいているところでございます。これをもっと増やしてまいりたいと考えております。募金の方法と致しましては、募金箱を県庁、合同庁舎、各文化会館、さらには銀座NAGANO、県外事務所、こうしたところに設置しております。金融機関にも義援金口座を設けて、振り込みにも対応しております。今回のプレスリリース資料にもありますように、今回ゆうちょ銀行にも振込口座を増設致しました。県外の方から私のところにも「県外からも振り込みやすくしてほしい」というお話を頂戴致しましたので、ゆうちょ銀行にもご協力をいただいて、全国のゆうちょ銀行各店舗、郵便局の窓口からのお振込手数料は無料で義援金を振り込んでいただくことができます。また、市町村における対応と致しましては、白馬村、小谷村、小川村に加えまして、大町市、長野市でも口座をそれぞれ開設して、義援金の受付を致します。このほか日赤長野県支部、そして長野県共同募金会でも引き続き口座を開設し、義援金の受け付けをしております。被災された方々の一日も早い生活立て直しのため、皆さまのご協力をお願い致したいと思っています。県に寄せられました義援金につきましては、義援金配分委員会を通して配分額を決定し、市や村を通じて被災された方々にお届けしてまいります。
なお、災害に関連しましていろいろなところで私も申し上げていますけれども、今回の義援金の募集も「神城断層地震災害について」という長野県として呼称、正式な名称で募集をさせていただいているところでございます。メディアの皆さま方の中には、この正式名称ではない「北部での地震」ということで報道いただいているところもあるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように長野県、被災地以外のところでも宿泊して大丈夫かという問い合わせもありますし、キャンセルも出ているという状況でございます。ぜひ、こうした点をご賢察いただきたいということを、重ねてこの場をお借りして各メディアの皆さま方にはお願いをしたいと思います。
それから大きな3点目でありますが、まったくこれは違う話でありますけれども、「携帯電話にかかわるインターネット適正利用の促進のための情報教育等に関する協定」の締結についてでございます。これもお手元のプレスリリース資料をご覧いただければと思いますが、このたびこの協定を携帯電話会社3社、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、この3社と提携をする運びとなりました。調印式の日時は今月10日、県庁においてでございます。先月の部局長会議で決定致しましたが、「子どもを性被害から守るための県の取組み」のうち「早急に実施する取組み」に呼応するものでございます。協定の目的と致しましては、青少年の携帯電話に関わるインターネットの適正利用を促進するという観点から、情報教育を行うことなどによりまして、青少年に携帯電話によるインターネット上の有害情報を閲覧させないようにすること、そして青少年にインターネットを適正に利用させることによりまして、インターネットを介した青少年の犯罪被害防止を目指してまいります。具体的には携帯電話会社各社からインストラクターの派遣でありますとか、指導者の育成でありますとか、教材の提供など対応可能な情報教育のご協力をいただいていこうというものでございます。この取り組みをはじめ早急に実施する取り組みを通じて、子どもを性被害から守るための取り組みの具体化を図ってまいります。
私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点、補正に出ている応急仮設住宅のことでお尋ねしたいんですけれども、これから議決を県会の方にいただこうという段階なので、まだ少しおっしゃりにくいところもあるかもしれませんが、方針について伺いたいんですけれども。これまでの場面でも知事は仮設については、できれば年内に早急に建設して年越しを、住まいの確保の目途を付けたいというような趣旨のご発言されていらっしゃるかと思いますけれども、当初、村の方では、やはり1カ月半ぐらいかかるというような見通しもあったりしまして、これから発注、それから仕様などを検討したり、確定させていく上で、どういう工夫でこの12月中に、年内に間に合わせようとしているのか、現時点でのお考えをお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
はい。これはもう全力で今やっていますので、担当課の方からお話をさせていただきたいと思います。
建設部建築住宅課長 山田邦仁
仮設につきましては、協定結んでいるところが3カ所ございます。そういった中で、それぞれの工法がございまして、それぞれ検討する中で、できるだけ工期を短縮できる工法ということで、今回、プレハブを選ばせていただいております。これによりまして、かなりの部分が今回短縮できるというものでございます。それから、場所が1カ所ということもございまして、それも工期短縮につながることと考えております。とりあえず今そういう状況です。
長野県知事 阿部守一
はい。ありがとうございます。雪が降ってくる中で、作業も大変ではありますけれども、年末にもなってきておりますので、極力早くということで、年内設置を目指して今頑張っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
すみません。補足なのですが、できるだけ工期短縮するところと裏腹な関係にあるところかもしれませんけれども、栄村の地震だとかの後には仮設を作ったけれども、例えばそのお風呂の追いだき機能がなくて、不満の声が出たりしたことがあったりしました。それから、当然これは織り込み済みの話だと思いますが、豪雪地帯でもありますから、そうしたものへの耐久性などの確保というのも必要になります。そのあたりの仕様については、発注これからなのでまだ具体的にどこまで検討されてるか分かりませんが、そうした生活の住みやすさであるとか、それから豪雪地帯への対応というのは今のところどんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これも担当課から答えてもらいますけれども、栄村のときの教訓を十分踏まえて、冬期であること、豪雪地帯であること、そうしたことを十分念頭において対応していきます。ちょっと具体的な話をしてもらいます。
建設部建築住宅課長 山田邦仁
今ご質問にありましたように何点か、栄村のときに後から提示された問題がございました。まず除雪の関係で、屋根の雪下ろしの関係もございます。これにつきましては、今回は栄村のときは平らな屋根だったんですが、今度は勾配屋根の南に面した、南というか、片流れの屋根にして予定しております。それから、お風呂の関係で追いだきができなかったわけで、それについても入居者の皆さんにだいぶつらい思いをさせたということもございまして、これにつきましても追いだき機能を備えた形に考えております。それと大きなものとしては、玄関側に雁木(がんぎ)形式の廊下を作るといったことも今回はやるようにしております。大きくはそんなところでございます。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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