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更新日:2014年9月19日
長野県知事 阿部守一
それでは9月19日の会見を始めさせていただきます。
まず、冒頭1点、お詫びを申し上げたいと思います。昨日、県の公共工事等の入札を行う長野県電子入札システムにおきまして、障害が発生して利用できない事態になりました。本日午前8時40分から運用を再開することとなりましたが、この間、入札及び入札情報の閲覧ができないという状況になりました。関係の皆さま方に大変なご迷惑をお掛け致しましたこと、この場をお借りしてお詫びを申し上げたいと思います。今回の障害はシステムの処理能力の著しい低下が原因と聞いております。処理能力の低下した詳細については、現時点で調査中ということでございます。なお、運営管理会社におきましては、システムの処理能力を向上させる対策を施したと聞いております。今後、同様な原因による事態は生じないものと考えております。県としては、今回の事態を受けまして、公告中の全案件の入札書の受付期限、あるいは開札日等の日程を1日延期するという措置を取ることと致しました。具体的な対応につきましては、県のホームページを通じて情報提供しておりますので、ご確認をいただきたいと思います。また、今回の事態を受けまして詳細な原因究明を行い、システム運用管理者と共に、本システムの信頼回復に努めてまいりたいと思っております。以上でございます。
それから、本日皆さま方にお伝えする事項、まず、部局長会議におきまして、補正予算案、条例案を決定致しましたということでございます。まず補正予算案についてお話を申し上げたいと思います。今回の補正予算案は全体で74億円余となっております。そのうち一般会計で68億円余という規模でございます。7月の台風災害等に対応して速やかな災害復旧工事等を進めるということ、そして、近年全国的にも頻発しております土砂災害、これに対応するために土砂災害警戒区域の指定の前倒しに向けた基礎調査の追加、河川の氾濫水位等の見直し等今後の災害を未然に防ぐ対策について盛り込んでおります。また、併せて、緊急輸送路の整備、あるいは河川施設の改修等、施設の防災・減災対策、いわゆるハード面の対策についても今回の補正に盛り込んでおります。ソフト、ハード両面で県民生活の安全安心の確保に全力で取り組んでまいりたいと考えています。また、台風災害、そして夏の天候不順等によりまして観光客の減少等の影響が生じております。本県は積極的に発信し、地域の活性化につなげていくことが重要だと考えております。観光誘客の促進、まつもと空港の活性化、サミット誘致、こうした事業についても今回の補正予算に盛り込んでおります。このほか、人づくり、子ども支援、人口減少社会への対応等についても盛り込ませていただいたところでございます。私の2期目の就任会見の時に、スタートダッシュ・アクション7ということで7項目お示しを致しました。その中で、「2015信州発信事業」の展開、そして、「人口定着・確かな暮らし実現会議」の設置、この2項目については、今回必要な予算を計上させていただいたところでございます。皆さま方のところに9月補正予算案のポイントをお配りさせていただいていると思いますが、順次コメントをさせていただきたいと思います。2ページ目のところから具体的な記述になっておりますが、大きな項目として、「県民生活の安全安心の確保」ということで、今申し上げました土砂災害の関連でありますとか、交通安全施設の整備、防災行政無線の設備更新、こうした安全安心に関わる予算について、今回計上させていただいております。まず、土砂災害基礎調査につきましては、土砂災害警戒区域の指定完了の前倒しをさせていこうと考えております。そのため、次年度以降に予定をしておりました27カ所につきまして土砂災害基礎調査を追加で実施するものでございます。そして次の河川の氾濫危険水位等の見直しでございます。市町村が的確な避難勧告を行うために避難勧告の判断基準となります氾濫危険水位につきまして、対象となる34河川について、今年度中に見直しを行ってまいります。その次の県単公共事業でございます。7月の台風災害によります被災個所の応急対策、復旧工事等を行ってまいります。また、併せて災害時の緊急輸送路の整備、あるいは河川、砂防施設の整備を行い、防災、減災対策をしっかり着実に進めてまいります。台風災害分の13億円を含めまして全体で41億円余の予算を県単独の公共事業として追加を致します。このほか、歩行者等の安全確保のための道路拡幅、歩道整備、あるいは大雪時の交通障害を防ぐための信号機改良等の交通安全施設の整備、さらにはひょうによる農作物被害への支援、防災行政無線の設備更新のための予算について計上致しております。安全安心の確保、県政を進める上でのベースとなるものでありますので、しっかりと対応できるようにまずは県議会でお認めいただいてその後の着実な執行を行っていきたいと考えております。そして、3ページの「長野県の発信と地域活性化」でございます。まず、信州ブランドの普及・拡大でございますが、観光誘客のための「2015信州発信事業」を展開してまいります。スタートダッシュ・アクション7で掲げた項目でございます。まず、夏の台風あるいは天候不順による観光客の減少に対応してまいります。それと併せて北陸新幹線金沢延伸あるいは善光寺御開帳といった長野県にとっては大きなチャンス、機会が到来いたします。こうした機会を最大限生かして、今年度後半から来年度にかけて切れ目のない観光誘客の促進を図ってまいります。国内向けの誘客と致しましては、長野県の魅力を首都圏そして北陸にしっかりと発信をしていきたいと考えております。東京メトロでのCM放映、あるいは東京駅等でのPR、市町村と連携したイベント等に取り組んでまいります。また、訪日外国人が増えてきている、円安等の追い風でございますけど、この機会にインバウンド対策をしっかりと強化をしていきたいと考えております。今回、最重点市場として位置付けておりますタイでの誘客促進のため、現地での情報発信の強化、あるいは旅行商品の造成を支援してまいりたいと考えております。具体的には、経済誌等へのPR広告の掲載、あるいは県内を周遊する旅行商品の広告費用について一部助成等を行なってまいります。また、長野県の素晴らしさというものは映像でないとなかなか、文字、文言では伝わらないと平素考えております。そうした観点で長野県の四季折々の魅力を捉えた海外向けの映像媒体を制作して、発信につなげていきたいと考えております。また、その下の「おいしい信州ふーど(風土)プロジェクト」でございます。「おいしい信州ふーど(風土)」の認知度向上、販路拡大は重要な課題だと考えております。そのため「おいしい信州ふーど(風土)SHOP」の発信力の強化、新しく設置します「銀座NAGANO」での商談会等を実施してまいります。その下の「松本空港の活性化」でございます。信州まつもと空港の路線拡充等も視野に入れて、旅客需要等の基礎調査、空港機能の強化に向けた検討を行ってまいります。その下の「スポーツの振興」でございますが、全日本中学校陸上競技選手権大会に向けまして、まずは松本平広域公園陸上競技場の大型電光掲示板を改修してまいります。加えて松本平広域公園、主要な運動施設、アルウィン等も含めた機能向上について調査検討を行なってまいります。その下の「主要国首脳会議(サミット)の誘致」でございます。2016年に日本で開催されます主要国首脳会議の積極的な誘致活動、市町村、経済団体と共に展開をしてまいります。3ページの下から「人づくりと子ども支援」でございます。まず産業人材の育成に関しましては28年の4月開校を目途としております南信工科短期大学校の建設のために、既存建物の解体・撤去工事に着手を致します。裏面4ページでございますが「教育施策の推進のための体制整備」と致しましては新しい県立4年制大学の設立準備、そして高等教育を振興していくために「県立大学設立参与」と「高等教育参与」を設置致します。そのための予算でございます。そして「子ども支援の充実」でございますが、子ども支援条例、ご議決をいただいたわけであります。「子ども支援センター」、仮称でございますが、来年4月の開設に向けて相談員の研修でありますとか、広報等の準備を進めて、子どもたちの支援をしっかり行える体制整備を図ってまいります。そして最後、「人口減少社会への対応」でございますが、人口減少に真正面から向き合い、人口減少の抑制と、そして人口減少期であるという現状を踏まえた地域社会の維持・活性化の取り組みを全県挙げて推進していくための総合戦略の検討に着手してまいります。
続きまして条例案についてでございます。お手元に資料をお配りしているかと思いますが、今回条例案につきましては一部改正条例案が5件、新設条例案が2件でございます。一部改正条例案のうち、「長野県個人情報保護条例の一部を改正する条例案」につきましては、いわゆる「マイナンバー制度」の導入に伴いまして、特定個人情報保護評価における第三者点検を長野県個人情報保護運営審議会に行わせるということを定めるものでございます。また、2番、3番、そして次のページの6番、7番、この4件の条例案は、いわゆる「地方分権一括法」を受けて、県の条例で基準等を定めるものでございます。戻っていただいて4番の「長野県手数料徴収条例等の一部を改正する条例案」につきましては、薬事法の一部改正によりまして医療機器等の製造業の許可制度に代えて登録制度が導入されました。その登録に係る手数料等を定めるものでございます。補正予算に計上した事業、あるいは条例案の具体的な内容につきましては、後ほどそれぞれ担当部局から取材をしていただければありがたいと思います。
それからもう1点でございます。新しい信州ブランド魚についてのご紹介であります。ここに展示をさせていただいておりますが、お手元のプレスリリース資料をご覧いただければと思います。海がない県、海なし県の長野県、特産ブランド魚として信州サーモン、広く認知をされるようになってきております。この信州サーモンが登場してから10年を経て、このたび新しい特産魚のブランド確立に向けて取り組みをスタートさせていきたいと考えております。今のところ昨日の夕方に付けた仮称でありますが「信州大(おお)イワナ」と呼んでおります。いい名前を付けていきたいと思っておりますが、今月24日に稚魚を水産試験場から県内の養殖業者に初出荷を致してまいります。魚は一般的に産卵期に身が痩せて品質が低下してしまいますが、こうした課題を解決するために特産魚の開発を進めてきたところでございます。養殖場で育った魚が食べられるようになるのには2年程度必要となります。そういう意味で平成28年の秋頃から皆さんには召し上がっていただくことになるかと思いますが、15もの養殖業者によります大型イワナの本格生産は全国で初めてでございます。2年後に向けて県と関係者の力を合わせてブランド化の取り組みを積極的に進めてまいりたいと考えておりますのでご期待をいただきたいと思います。この新しい「信州大(おお)イワナ」、詳しい内容について田原偉成水産試験場長から説明をしてもらいますのでよろしくお願いします。
水産試験場長 田原偉成
それではご説明申し上げます。お手元の「信州大(おお)イワナ」と見出しのある色刷りの説明資料をご覧いただきたいと思います。グラフが2つ付いている方です。長野県ではマス類の養殖、いろいろ盛んですけれども、イワナもかなり生産量がございます。主体は塩焼きサイズの出荷でございますけれども、もともとイワナという魚、大きくなる性質がございますので、その性質を利用して刺身向けの大型魚を生産出荷している養殖業者も既にございます。そして県内観光地の宿泊施設ですとか飲食店で人気メニューとなっているのが現状でございます。ただし、今、知事からも説明がありましたとおり、大型にするためにはどうしても秋の産卵期を経なければならない、そしてその産卵期にはエネルギーが成熟に向けられて痩せてしまうとか肉質が悪くなるといったデメリットがあるわけです。その辺で業者の方々は特に一番の大きな需要期である年末年始に向けて出荷魚を確保するための苦労をされてきたという中で、今、信州サーモンみたいな全雌三倍体にすれば成熟しない性質がございますので、それが求められてきたという経過がございます。こういった要望を受けまして、私ども水産試験場では平成20年から全雌三倍体イワナの研究に着手しまして、昨年までの間にほぼ量産できる見通しがついたということで、この度「信州大(おお)イワナ」、仮称ではございますけれども、として稚魚を出荷する運びとなりました。全雌三倍体については資料に説明がございますけれども、三倍体という不妊性をもった性質と、その不妊性のメリットを最大に生かすためにすべて雌にする必要がある、これは信州サーモンと一緒なんですけれども、そういったものでございます。二つのバイオテクノロジー技術を組み合わせた魚で、平成4年に長野県がニジマスで真っ先に全雌三倍体の技術を確立しまして、イワナについては平成14年、宮城県が実用化に成功しております。現在この「信州大(おお)イワナ」となります全雌三倍体のイワナの生産ができるのは宮城県と長野県の2県だけというのが現状でございます。この「信州大(おお)イワナ」の特徴でございますけれども、繰り返しになりますが、産卵期になる秋になっても成長が鈍らない。そこのグラフにございますとおり、二倍体は11月からの産卵期に痩せていくというようなグラフがありますけれども、三倍体はそれがなくて孵化(ふか)から丸3年、稚魚からの出荷からだと2年でほぼ1キロを超えるサイズになります。痩せませんので、ここにありますとおり、いわゆるお肉の部分、可食部も多くて生産者にとっても、使われる側にとってもメリットのある、そういった魚になっております。味については長野県調理師会の方々に調理と試食をお願いしたところでございますけれども、そこにありますとおり、身が締まっていて、旨味があると、脂の乗りもちょうどいいといった好評価をいただいたところでございます。今回出荷する稚魚につきましては、養殖業者の方々に私ども水産試験場が定めた養殖管理指針に沿って飼育していただいて出荷する魚の大きさとか品質について一定の基準を満たしていただくことを条件として出荷致します。生産された平成28年度頃からの食用魚の出荷先としては、先ほども申し述べましたように、観光地の宿泊施設とか飲食店を中心に考えておりまして、主に刺身として消費されるというふうに今のところ考えております。現状、信州サーモンがかなり広く認知されておりますので、そういった信州サーモンの流通チャンネルも利用しながらのPR、プロモーションを展開していくという考えでございます。今後の予定でございますけれども、2年後の食用魚の初出荷に向けて、来年度、関係者からなる協議会の設立と正式な魚の名称の決定で、できれば長野県として商標登録をしていきたいと考えております。食用魚出荷の平成28年度には食用魚のお披露目会の開催や県内外の観光物産PRイベントの参加など、協議会と力を合わせてこの魚の普及を図っていきたいと考えております。説明は以上でございます。
長野県知事 阿部守一
私も昨日試食をさせていただきましたけれども、大変おいしくいただきました。何となく、体が大きいと何となく大味なイメージになりがちですけれども、決してそんなことはないなと思っております。ぜひ、信州サーモンと併せて、どうしても長野県に来て海がないとお刺身出すのにまだマグロを出したりとか、いろいろ工夫をされている旅館・ホテルの皆さんもいらっしゃいますけれども、ぜひ、やはり信州産のこうした魚を広めることによってお越しいただく方にも満足いただける長野県づくりを進めていくこともできるなと思っております。ぜひ、写真もしっかり撮っていただいて広めていただければありがたいと思っています。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点、先ほど冒頭にありました、電子入札システムの障害の件ですけれども、これ8時40分をもって運用再開されたというお話ですが、県内4市ほど共同利用されてらっしゃるところもありますので、そうしたところも含めてという理解でいいのかというのが1点と、それから今回の障害で利用できなくなったことによる影響というのは、案件数などどのくらい出てらっしゃるのか教えてください。
長野県知事 阿部守一
はい。じゃあこれ担当課の方からお願いします。
建設部技術管理室長 丸山義廣
私の方からお答え致します。まず、市町村の関係ですが、市町村につきましても同様に再開をしております。あと影響でございますが、昨日の時点で公告から開札までの案件というものは約250件あったということで、この250件につきましては、1日運用が停止したということで、すべての案件について1日期限を延期するという処置をとっております。以上でございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。補足して伺うと、今おっしゃった250件というのは約でいらっしゃるのか、正確な数なのかというのと、それからそれは県発注の工事だけでよろしいのでしょうか。それから先ほど知事からのご説明では、原因についてですね、システムの処理能力が著しく低下したことが原因であるというようなお話ありましたが、逆に考えるとそれだけシステムに大きな負荷がかかったというふうにも考えられなくもないのですが、どんなことが原因として考えられているのか、現時点でのご説明をください。それから重ねて同様のことは今後生じないものというふうなご説明、冒頭知事からありましたけど、それについても今回こうした事態が起きたわけなので、どういう理由でどういう根拠で今後はこれが生じないというふうに言えるのかをご説明ください。
建設部技術管理室長 丸山義廣
まず、1点目の件数のことですけれども、具体的な件数でいいますと、工事が168件、委託が89件の計257件でございます。そして、原因はどのようなものが考えられるかという質問でございますが、原因としてはアクセスの集中とかシステム自体のハード・ソフトに問題があるとかですね、内部外部による攻撃みたいなものがあったかとかいろいろ原因は考えられるんですけれども、それについては今調査中ですので、具体的にどうなのって話、まだできる状況ではございません。あと、同様な原因による事態はないものということでございますが、処理能力が低下したことについては、その処理能力を向上させる対策を施しておりますので、今回と同様なことは起きないのではないかというように考えております。以上でございます。この250件につきましては県の工事でございます。県の工事とか委託でございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点補足して伺うと、先ほどおっしゃったアクセスの集中であるとかシステムのハード・ソフトの両面の可能性等もおっしゃってらっしゃいましたが、これは今回初めてだというふうに伺っているんですけれども、そうするとアクセスの集中だとかというよりは、先ほど最後におっしゃった外部からの過度な負荷がかかるような、いわゆるサイバー攻撃であるとかの可能性もあるのかと思いますが、現時点ではどんなふうに、それも視野には入っているけれども、その可能性が今のところ高いとか、そういうことはいまだ現時点では言えないということでしょうか。
建設部技術管理室長 丸山義廣
そのとおりでございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
それから、別の質問に移りたいと思うんですが、補正の話ですけれども、今日もですね、部局長会議でもアクション7の1つにも挙がってらっしゃった人口定着・確かな暮らし実現会議についての話もございまして、そちらについて本年度は県が人口ビジョンを策定するということになっていまして、補正はおそらくこれは、この人口ビジョン、ですから県としての人口推計等をされた上での目標を立てていくという流れになるんだと思いますが、国の社人研(国立社会保障・人口問題研究所)の推計があったりであるとか、それを基にした5か年計画の県としての推計を今までも掲載しているわけですけれども、それとは別にですね、県として独自のこうした人口推計をすることの意義というのはどんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
では、まず、担当課の方から答えてもらいますか。
総務部財政課長 平木万也
人口推計をする意義というご質問でございますけれども、まず前提としまして、この人口減少社会に対応していくということを今後、県としても本格的に考えていくと。そういった中で、今後それぞれの地域ごとにどういったことになっていくのかという、まず現状を把握していくという意図で今回やっていくというふうに認識をしてございます。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうしましたら、これまで一番多く使われているのは社人研の推計なんだと思いますが、そうしたものを地域別に例えばまとめ直すというような作業で済む話なんですかね。それとも、例えば社人研の前提にしている条件を県として政策的に対応していくことで前提条件を変えたりしてこれは推計していくことに意義があるというふうに考えればいいんですか。もう少しご説明願えますか。
企画振興部総合政策課長 関昇一郎
今回ですね、人口ビジョンを描こうとしておりますけれども、この意図は、社人研の推計はこれまでのトレンドを前提とした、どちらかというと機械的な試算を行っております。これに対して、今回県としては、あるべき姿を念頭に置きつつ、政策の展開を行って人口の目標を設定するということを行いたいと思っておりまして、独自推計を行う予定であります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
細かく言いますと、先ほど財政課長からもご説明ありました地域ごとの推計になるのかというのが1つと、それから今、政策、県としてあるべき姿をもっていくということになりますと、いろんな政策展開があるんですけれども、いくつかの想定、どんな想定をした場合を今のところではお考えなのか、お話いただけますか。
企画振興部総合政策課長 関昇一郎
人口ビジョンについては、国のまち・ひと・しごと創生本部で今年いっぱいまでに全国の人口目標を人口ビジョンとして設定をすると言っております。その中で、長野県としてのあるべき姿を来年3月末を目途に示したいと思っておりますが、基本的には県全体の人口目標の設定になるだろうと現在は考えております。ただ、地域の姿については広域圏ごととかさまざまな形が考えられますので、今後、国の動きをみながら長野県として望ましい姿を考えて、単位については今後も考えていきたいと思っております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
これは知事に伺うべきなのか分かりませんけど、これからこの会議で人口減少の抑制などを考えていく取り組みをこれから具体的に議論されるわけですけど、それとの前後関係がよく分からないのですが、まず、あるべき姿の目標が来年の3月に出ると。で、そのあと総合的に戦略が出てくるということになりますと、こういう対策を打つからこういう目標になるんだということなのか、それともまず大ざっぱな目標を示してそれを実現するための戦略・具体的な対応策を裏付けとして示していくという流れになるのか、今後の県としての人口減少抑制対策の基本的な姿勢を伺えますか。
長野県知事 阿部守一
そこもちょっと関課長から説明してもらって、その後ちょっと私もコメントしたいと思います。
企画振興部総合政策課長 関昇一郎
人口のビジョンというのは、目標年次は国との整合をとりますので、現時点で確定はしておりませんが、2050年もしくは2060年を視野に国では検討されています。そんな中で、ごく長期の人口問題というのは取り組みでありますので、大きなあるべき姿については、今年度いっぱいの人口ビジョンで示し、総合戦略の方は来年度の作業になりますけど、5か年程度の中期的な施策の取り組みを取りまとめたいと思っておりますので、今年度大きな方向性については、議論を済ませたいと思っております。
長野県知事 阿部守一
まち・ひと・しごと創生本部を政府が作って、国が立法を行っていこうと、法律を作っていこうという動きがある中で、国の動きに合わせて取り組まなければいけない側面と、それから私ども長野県独自に考えて進めていかないものと両面あります。そこが、今まだ国の取り組みの中身が必ずしも判然としていないところもありますが、そうしたものを総合して取り組んでいかなければいけないという形で今のところ予定を組んでいるというのが現状であります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうすると、やり方とすれば国の推計なり全体の総合ビジョンが出た所でそれを分解して、県としての推計なり、それに対応するような施策を組んでいくというやり方もあるのですけども、そうではなくて県が独自で推計をしてというのは、県としてやはり国に先んじて独自の対策を打っていく必要があるというお考えなのかと思いますけれども、その辺りの問題意識をご説明願います。
長野県知事 阿部守一
そこのスケジュールについては関課長の方からお願いします。
企画振興部総合政策課長 関昇一郎
国は人口ビジョンについては、総合戦略とともに、この12月を目途に策定するとなっておりますが、私ども人口ビジョンは来年3月を目途にしておりまして、そういった意味では当然国の動きを見ながらとなりますが、県独自の対応については、庁内の議論を経てこの実現会議で議論をいただきたいと思っております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
残りはおそらくですね、全体的な問題意識などは、また会議の席上でも知事からお話があるのだと思いますが、ひとつ今回の全国的な人口減少問題がクローズアップされた経緯とすればですね、今年の5月ですか。日本創生会議のいわゆる増田リポートがあるのだと思いますが、あちらの評価であるとか、それからそこで言われているような、地方に魅力ある拠点都市を築いて、そこで投資や施策を集中させることによって、人口のダムにする考え方について、この2つについての知事の現時点の受け止め、ご認識についていただけますか。
長野県知事 阿部守一
日本創生会議からの提案というのは、非常に社会的にインパクトがあったと思っています。そういう意味で今までも人口問題は、私も総務省で過疎対策室長をやっていましたから、人口の大都市への集中化とかですね、一定の問題意識を持って取り組まれてきてますけれども、しかしながら、広く国民全体の問題意識として共有されつつあるということは、われわれが地方行政として取り組んでいく上では良い方向だと思っております。決して人口減少すると、あるいは推計値がこうだからということで単純に悲観するだけではなくて、そうした推計をもとにどういう取り組みを前向きにしていく必要があるのかと、これは人口減少の抑制に向けた取り組み、あるいは人口減少社会の中で地域の暮らしをどう維持し、豊かなものにしていくかと、この両面から取り組んでいく必要があると思いますが、そうしたことを政府全体で取り組むべき課題だということで認識をする契機となったという意味で、私は評価をしたいと思います。ただ、あの具体的な対応策として例えば人口規模が一定程度以上のところを何とか拠点として人口流失を食い止めようと、人口減少を食い止めようというようなことだけで、果たしていいのかということを考えたときに、とりわけ長野県の状況を考えたときには、よりきめ細かな単位で対策を考えていかなければいけないのではないかと考えていますので、具体的な取り組み、政府においてもこれから具体化をしていくと思いますが、われわれの方からも問題提起をしながら逆に国としての取り組みの方向性をしっかり把握をしながら、長野県の各地域が本当に活力を維持できる、あるいは安心して暮らせる社会にできる、そうした取り組みを市町村、あるいは関係の皆さんと一緒になって進めていきたいと考えています。
長野放送(NBS)西尾佳 氏
今、人口減少問題のお話がありましたけども、改めてその人口減少問題のこの対策について取り組んで、結果を出すというのは非常に難しい課題かと思うんですけども、改めて知事ご自身の決意というのをちょっとお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
今申し上げたように、人口減少の問題は、人口がどう推移していくか、今の予測を含めてそれに対して、どういう水準の人口であるべきなのかっていうことを積極的に政策的に考えていく、そうした側面と、それから一定程度人口減少、これは出産適齢期の女性の絶対数が減ってる現状ですから、今直ちに合計特殊出生率が2を上回る状況になったとしても、自然減が急激に自然増になるということはほとんどあり得ないという状況ですから、一定程度の人口減少を前提としてどうやって地域社会、あるいは県民の皆さんの暮らしを成り立たせるかと、両面あると思っています。そういう意味で、前段の人口の自然増減あるいは社会増減の部分については、やはりこれは今の現状で結婚したくてもできない若者たち、あるいは本当は2人、3人子ども欲しいけれども、いろんな制約条件の中で、なかなかそうした希望が実現できていない、そういう皆さんの思いを、実現できるような社会にまずしていくということが必要だと思います。加えて長野県は、移住したい県ナンバーワンと、いろんなところで言われています。そうした優位性を最大限生かす取り組みを、本気で行っていきたいと思います。加えて長野県の暮らし、私も選挙で県内くまなく回らせていただきましたけれども、やはり医療であるとか、福祉であるとか、あるいは身近な買い物であるとか、そういう暮らしの基盤をどう維持していくのかという観点が重要だと思っていますので、それぞれ取るべき対策は違っています。ただ、総合的にやはり地域の暮らし、長野県の暮らしをどう維持させるかということにつながるわけでありますので、これまでの常識にとらわれることなくですね、さまざまなアイデア、多くの皆さんからいただく中で、具体化をしていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 向井紀文 氏
関連してなんですが、今も話に出ましたけれども、その若い世代を含めて多くの意見を反映させていきたいというお話ありますが、この会議のですね、メンバー、顔ぶれを見ると、そういった方々は入ってこないような感じなんですか。どのような形でその多様な、特に若い方々、女性、子育て世代の意見を反映させていこうと考えてらっしゃるのかお願いします。
長野県知事 阿部守一
若い世代を含めてとは、今は申し上げていないんですけれども、一般的に子育て世代とか、若い世代の皆さんの思いとか声とか、そうしたものにもしっかり耳を傾けて県政に反映していく必要があると思っています。これまで県政タウンミーティング等で相当程度大勢の皆さんと対話をさせていただいてきておりますけれども、これからも女性・若者・障がい者、すべての皆さま方としっかり対話をして、県政を進めていきたいと思っております。ただ、今回大森先生に顧問になっていただいて、いわゆる関係する団体の皆さんと一緒になって会議体を構成しています。いろんな人たちの思いを伺うということと、政策を具現化するという部分はやはりフェーズが少し違っていると思っています。やはり私は、今回は具体的な取り組みを進めるということに力点を置いていかなければいけないと思っていますので、そういう意味では経済団体であるとか、労働組合であるとか、あるいは労働局をはじめ、国の機関であるとか、市町村、そうした人口減少について具体的に行動を起こすことができる皆さんを中心に、今回メンバー構成させていただきます。そういう意味では、今回のメンバーの皆さんと現状認識あるいは県民の皆さんの思いというものを共有させていただいて、具体的なアクションにしっかりとつなげていきたいと思っています。
長野放送(NBS) 中村大輔 氏
青少年の育成条例の関係で、知事、前の議会の会派の皆さんとの話で、議会前にある程度の方向性を示したいっていうお話だったんですけれども、その来週議会始まるんですけれども、どこのタイミングで、あと内容的にどこまで示そうとお考えなのかちょっと今のところのお考えを。
長野県知事 阿部守一
今内部で検討中です。私も今回の県議会で、ある程度ご議論しっかりいただかなければいけないテーマだと思っていますので、そうしたご議論につなげていただくことができるような対応はしっかり行っていきたいと思っています。
長野放送(NBS) 中村大輔 氏
いわゆる処罰規定に関しての考えも提示して、議会で議論いただきたいっていうお考えなんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いわゆる処罰規定と一括して言われてますけれども、非常に今回の問題というのは、まず私は共有、問題を共有をしっかりしなければいけないという認識でおります。他の県が作っているような包括的、網羅的な青少年健全育成条例は作らないということを、常々言ってきているわけでありますけれども、どうも報道される段になると、何となくそれと同じような感じで伝わってしまうところがありますし、多くの県民の皆さま方にはなかなかそこら辺の正確な伝達がわれわれもまだまだ十分出来ていない部分があるかな、と思っています。そういう思いがありますので、しっかりとしたものをぜひご提示していかなければいけないということで、中で検討しているところであります。
長野放送(NBS)中村大輔 氏
一般質問でもあるかと思うのですが、若者の意見を聞くべきだっていうようなお話もございますし、その議論も受けたかと思うのですが、そうした場も設ける考えも今、あるというお考えですか。
長野県知事 阿部守一
性被害、若者、子どもを性被害から守る上で、どうもその条例のところだけフォーカスされて、しかも、条例の中でも、いわゆる他県の青少年健全育成条例で言われているところの、淫行処罰規定のところだけが、クローズアップされているわけでありますけれども、今回の検討の過程で出てきているのは、もちろんその部分をどうするかという論点もありますけれども、被害者の救済でありますとか、教育をどうするかとかですね、そういう広範な議論がなされています。そうした点についてもぜひ、これは多くの県民の皆さま方には理解いただかなければいけないと思っています。いろんな取り組みがある中で、私とすればやはり多くの皆さんの議論をこれまでも経てきておりますから、ただしっかりと慎重にやらなければいけない部分はもとよりあるかと思いますが、逆に早急に対応しなければいけない部分もあるんじゃないかと思いますので、ある意味メリハリをつけた対応を考えていく必要があるのではないかなと思っています。
長野放送(NBS)中村大輔 氏
すべてを一括して条例化するか分かりませんが、出すというよりかは、個別にこれはまた、後にして議論を深めていこうという形で出されるのか・・・
長野県知事 阿部守一
私の感覚からすると、その問題提起いただいている論点、みんないずれも重要な論点だと思っていますので、そうしたものをどういう形で整理していくかということを今内部で検討しているという現状であります。
日本放送協会(NHK) 保科賢一 氏
「信州大(おお)イワナ」についてお聞きしたいのですが、これは仮称ということですけれども、この名前については、広く県民からそういった募集をするとか、あと試食会とかは考えていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは課長の方から。
農政部園芸畜産課長 本井治
名称につきましては、おいしい信州ふーど(風土)大使の玉村豊男さんに命名を依頼しております。それから試食会につきましては、今後のスケジュールの中で28年に、お披露目会を計画したいと思っておりますので、その際にはまた幅広く大勢の皆さまに試食していただいて、またPRもしていただきたいと思っております。
日本放送協会(NHK) 保科賢一 氏
そうなると、お伝えする場合には、「信州大(おお)イワナ(仮称)」という形になるのでしょうか。
農政部園芸畜産課長 本井治
当面は正式な名称でないので、そんなような形になります。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
イワナをちょっと今日われわれ食べられないみたいなんで、あらためて知事、食べられたご感想とですね、信州サーモンも認知が広がってきているという中での、イワナへの期待というのをお聞かせ願えますか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、いろんな種類が並んでいるんですけれど、昨日の夕方、私は試食をさせていただきました。いろんな、ここにもありますけれど、桜の葉寿司だとか、お刺身だとか、いろんな形で調理したもの、そのままの刺身も非常においしい、食感も含めておいしかったですし、あといろんな調理・加工したものも。これはどなたに調理してもらったんでしたっけ。
農政部園芸畜産課長 本井治
長野県調理師会長の湯本さんです。
長野県知事 阿部守一
大変上品な形で料理を作っていただきましたので、例えば高級な旅館とかそういうところでお出しをしても評価をしっかりいただけるのではないかなと私は考えています。そういう意味で、信州サーモンと並んで長野県の特産魚ということでしっかりブランド化を図っていきたいと、先ほど申し上げましたけれども、大勢の皆さんが長野県に来た時に、長野県の魚で一献傾けていただけるような状況をぜひ作っていきたいなと感じています。よろしいでしょうか。
長野朝日放送(abn) 後藤啓太 氏
話変わるんですけれど、予算の観光のところなんですけれども、首都圏にかなり力を、東京メトロなんかに広告を出したりとかっていうのがありますけれど、新幹線で言えば、これからつながる北陸方面というよりは、やっぱりその首都圏、大きなマーケットの首都圏に、という方が有益というか、やはりそちらの掘り起こしの方が、観光客の増加には可能性があるというご判断でしょうか。
長野県知事 阿部守一
北陸に対してももちろん、これまでも対応させてきていただいてますし、これからもしっかり対応していきたいと考えています。今回金沢延伸、善光寺御開帳といったようなことで、北陸とつながるということ、あるいは善光寺の御開帳を含めて、長野県のいろんなイベント、大きなイベントが来年、再来年にかけて次々行われるということを契機に、長野県全体の発信力を高めていきたいと思っています。そういう意味で、大きなマーケットである首都圏、これは銀座NAGANOと合わせてですね、しっかりと打って出ていく必要があると思っています。
信濃毎日新聞 青木信之 氏
「信州大(おお)イワナ」の関係でお伺い致します。知事先ほど、ブランド化を進めていきたいということでしたけれども、単に作るだけはなくて、これをいかに世間に出していくのか、というところでも、そのアイデアというものが求められてくるところだろうと思いますが、今後どういう形で戦略的に流通させるのか、そういったところの考えをもし現時点であれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
それはちょっと今、場長の方から。
水産試験場 田原偉成
一応扱いとしては信州サーモンと同じように、長野県内でしか活魚の流通はない、他県には活魚で出さないということを考えております。あと、サイズについては800グラム以上という縛りをかけた中で、あと、先ほども申し上げましたように、商標登録をして、これから付けていただく名称については、長野県で生産した、仮称ですけれども、「信州大(おお)イワナ」以外にはそういう名称は使えないという形で、信州サーモンと同様のオリジナルブランドという扱いをしていきたいと考えています。
長野県知事 阿部守一
どうもありがとうございました。
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