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更新日:2014年11月27日
長野県知事 阿部守一
それでは11月27日の会見を始めたいと思います。私の方からは4点お話をまずしたいと思います。
まず1点目でありますが、神城断層地震についてであります。11月22日の午後10時8分頃、神城断層を震源とする地震が発生したわけであります。多くの被害が発生し、被災された皆さま方大勢いらっしゃるわけであります。この場をお借りして改めて被災された皆さま方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。また県としても、市町村とも十分連携しながら災害応急対策、災害復旧、万全を期していきたいと思っています。発災後、災害対策本部を設置して人命救助最優先で取り組んできました。警察、消防、自衛隊にも応援をいただく中で応急対策進めてきたわけでありますが、今回、最大震度6弱という大変強い地震でありました。しかしながらそういう中でも地域の皆さんの支え合いの中で、お亡くなりになられた方がいなかったということは大変ありがたいことだと思っています。昨日も政府、関係省庁、さまざま要請をさせていただきましたが、山谷大臣はじめ関係の皆さま方、地域の皆さんの支え合いに感銘を受けたというお話をいただいております。これからの復旧復興に向けて、さまざまクリアしていかなければいけない課題がありますし、県としては被災された皆さんの思いにしっかり寄り添いながら、かつ、これだけ多くの皆さま方から賞賛されている地域の絆、コミュニティーの強さ、そうしたものができるだけ維持されるようにしっかり応援していかなければいけないと思っています。今回の被害さまざまあるわけですが、道路関係、観光にも影響しますので、極力早期の復旧ということと、それから分かりやすい迂回(うかい)路の表示、さらには観光関係者への正確な情報の伝達ということを努めてきております。また今回、住民の皆さん、被災者の皆さま方にとっては住宅再建が最も大きな課題であると思っております。危険度判定を早急に行って427棟の被災建築物の危険度判定を行って周知をしてきているところでありますが、できるだけ早く県としての住宅再建の支援に向けた枠組みをお示ししていきたいと思っています。また、被災された皆さま方のご要望を十分お伺いする中で、今後の方向性、仮設住宅の建設、あるいは公営住宅の建設、そうしたことも含めて地元の市町村の皆さま方とも相談する中で方向付けをしていきたいと思っています。また、体育館等が避難所になっている状況下で、なかなか環境的に望ましいとは言い難いところがございますので、旅館・ホテルの避難所としての利用ということも県としてしっかり応援をしていきたいと思っています。生活再建支援制度を含めて国の制度を活用しつつ、国の制度では十分カバーしきれないようなところについては、県も積極的に対応していきたいと思っています。それから暮らしの関係で、水道の復旧。住宅が居住可能であっても水道が来ないとなかなか住めないというお話も前回お伺いした際には多くの方からありました。県としても基本的に市町村の事業でありますが、技術的な支援も含めて、一緒になって水道の早期の復旧に取り組んでいきたいと思っています。加えて、農業施設にも損傷が見られております。現在被害を調査中でございますので、早急に被害状況を把握した上で、来年の営農への影響というものが極力小さくなるように農業者の皆さま方の意見も聞きながら対応していきたいと考えています。それから、避難所の関係では、健康福祉部から保健師等の派遣をさせていただいているところでありますけれども、さまざま、今後寒くなってくる中で感染症対策等にも留意をしていかなければいけないと思いますし、また、医療救護班には避難所の巡回をしてもらっていますし、また、医師会の皆さんにもご協力する中で被災された皆さま方の健康管理を引き続きしっかり対応していきたいと思っています。北安曇の地方事務所に生活再建支援本部を設置致しましたので、今朝の本部会議でも報告がありましたけれども、支援本部を通じて県としての取り組みも被災された皆さま方にしっかり伝わっていくように取り組んでまいりたいと思っています。それから、観光関係。これからスキー場がオープンしていくわけでありますけれども、風評被害が生ずることのないように対応していきたいと思いますし、スキー場の入り込み客数も、今年2月の豪雪災害で少し影響を受けましたけれども、長い間の下げ止まりの傾向から反転の兆しが見えてきているという状況でありますので、しっかりとスノーリゾート信州の発信をしていきたいと思っています。昨日も観光庁長官のところにもお伺い致しましたが、観光庁としても、雪も日本の重要な資源としてしっかり発信をしていかなければいけないと、スノーリゾートの振興に取り組まなければいけないというお話もいただいておりますので、国の協力もいただきながら頑張ってこの観光振興に取り組んでいきたいと思っています。いずれにしても、余震に十分留意しながら、そして地盤の緩み等ある中で二次災害にもしっかりと対応しながら今回被災した地域の復興再建に向けた取り組みを全力で県としても支えていきたいと思っています。
それから2点目でありますが、今日から11月定例県議会が開会致しました。提案説明で述べさせていただいたように災害対策をはじめとして、さまざまな課題があるわけであります。御嶽山の噴火への対応も含めてしっかり取り組んでいきたいと思っていますので、県議会におかれては、ぜひ十分ご議論いただいた上で御議決をいただきたいと思っています。
それから3点目。長野県の伝統的工芸品を新しく4品目追加で指定をさせていただきました。伝統工芸品、伝統技術の継承、あるいは地域資源の活用を通じて地域経済の活性化に資する重要な地場産業だと考えております。中小企業振興条例等も踏まえて県として、私としてもしっかり振興に取り組んでいかなければいけないと思っております。今回、「飯田水引」「松代焼」「栄村つぐら」「信州からまつ家具」この4件の指定を致したところであります。これで県内の伝統的工芸品は経済産業大臣の指定が7品目、長野県知事としての指定が18品目という形になりました。今後もこの伝統的工芸品の産業振興に向けて県内外での展示会、あるいは商談会の開催、情報の発信、販路拡大、こうしたことに取り組んでいきたいと思っております。また、後継者育成にも力を入れていく必要があると思っています。この後、担当課から詳細なご説明をさせていただく予定でございますので、よろしくお願い致します。なお、今日私が胸に着けているのも飯田水引で、これはリニア中央新幹線をイメージしたものということであります。
それから最後4点目でありますが、これは予告編でございます。本日の提案説明でも触れさせていただきましたが、明日、11月28日松本市におきまして、「長野県百年企業<信州の老舗>表彰」の表彰式を行います。私も出席して経済団体の代表者の皆さま方と一緒に受賞企業の方々に賞状と記念品をお渡しする予定にしております。どうか大勢の皆さんに取材をいただきたいと、老舗企業の皆さま方の励みになるように伝えていただければありがたいと思っております。また当日、「一日中小企業庁in信州」ということで中小企業庁、関東経済産業局と合同で開催致します。北川中小企業庁長官から最新の中小企業支援施策についてご紹介いただく予定になっております。また、私と北川長官、そして中小企業の皆さま方とパネルディスカッション方式で意見交換を行ってまいります。この一日中小企業庁の開催は44年ぶりということであります。大勢の皆さま方のご出席を得る中で、意義のあるイベントになることを期待しているところでございます。よろしくお願いします。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1つは先ほどおっしゃった地震の関係ですけれども、まずは住まいの、冬が近づいてくる中で、住まいの確保というのが先ほどおっしゃったように課題になるんだと思いますが、当面、宿泊施設、ホテルや旅館などを避難所の代わりに借り上げるという方針も出ているようですけれども、その後の仮設ですとか公営住宅というふうなことを考えていったときに、例えば栄村の長野県北部地震のときには小規模自治体であることもあって、県が前面に出て仮設を建設したような経過もあります。今後の白馬村、小谷村、とくに小谷村なんかは規模の小さい町村であるわけですけども、今後の県のこうした住まいの確保における関わり方というのは、栄村のようなケースも考えられるのか、どんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほど申し上げたように、住宅あるいは居住する場所の確保が、家を失われた方、あるいは失ってはいないけどもまだ非常に危険な方にとっては、喫緊の課題だと思っています。これは市町村とよく相談していかなければいけませんが、当然県としても前面に立って対応を考えていく必要があると思っています。個別のニーズはやっぱり市町村の皆さんにきめ細かく聞いていただかなければいけない部分もありますし、また、村として地域をどう維持して発展させていくかという観点も十分に聞かせていただく中で対応しなければいけませんが、いずれにしても今回非常に大規模な災害が発生しておりますので、市町村にお任せするだけでなく県としてもしっかり対応していきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうしますと確認ですが、県として技術的な支援などにとどまらず、栄村の時のように県が応急仮設住宅を建設するというような主体的な対応も選択肢にはありうるという理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、住民の皆さんのニーズ、公営住宅に入っていただく方もいると思いますし、親戚のところに身を寄せる方もいらっしゃると思いますし、いろいろな選択パターンがあると思いますが、そういうことをお伺いする中で、仮設住宅の建設ということも当然念頭におきながら対応をしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。それから2点目は、先ほど後段でおっしゃってらっしゃった観光関係の方ですけども、実際スキー場のほうは地域の東側の断層上の地区とは違って、被害はほとんどないような状況があります。スキー場のオープンの時期が近づいている中で、木曽においては専決処分も使いながら入り込みが落ち込むことのないように誘客策など手を打っていらっしゃるわけですけども、今後こちらの白馬、小谷の一帯についてもこうした予算的な対応など、まだ11月県会が始まったところではありますけども、例えば11月県会中の追加補正の提出であるとか、今後の予算的な対応、どんな選択肢があるとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今回の災害に対しても、できることはしっかり取り組んでいくことが大事だと思っています。そういう意味で、降雪期が近づいている、例年であれば雪が降って積もっていてもおかしくないような時期でもありますので、まずは早急に取り組み方針を固めていきたいと思っています。その上で予算に関わることについては県議会開会中でもありますので、議会の皆さまとも相談する中で方針を決めていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今おっしゃった取組方針というのは木曽で言えば復興支援方針をまず掲げられて、その中で具体化を図っていくという手順を取られましたけど、今回もそうしますと神城断層の地震においてもまず、県として取組方針をまず作ってその上での具体化を図る、しかも今、時期については11月県会中にも、というお話だったかと思いますがそういう理解でよろしいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
これはスピード感を持って迅速に対応していきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 藤原里瑛 氏
一日も早い対応を、という話でしたけども、被災地にとっては一日一日が不安かと思うのですが仮設住宅ですとか、インフラの整備、知事の頭の中には具体的な日程、これをここまでにはやろうというものはイメージできているのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、大体どれくらいかかりそうだというイメージはあります。ただこれは抽象的なものを扱っているわけではなくて、先ほどから申し上げているように一番大事なのは被災された皆さんがどういう暮らしを選択されるかということでありますから、あまり行政が先走ってこうだああだということではなくて、昨日から住宅相談も始めさせていただいておりますので、被災された皆さんのご希望もお伺いする中でそうした市町村としてのこれからの地域のあり方をどうするかという考え方も伺う中で、はっきりとした方向を出していきたいと思っています。
テレビ信州(TSB) 藤原里瑛 氏
また、もう1つなんですけども、今年は特に自然災害が多いかと思うんですけども、これまでに起きた南木曽の土石流、そして御嶽山の噴火など、この災害が起きた時の対応を今回の白馬村で大きな被害があった県の北部地震でも何か生かされているものがあったら教えてください。
長野県知事 阿部守一
そうですね、ぜひ皆さんには「神城断層地震」という言い方を用いていただきたいと思いますけど、今年は長野県非常に災害が多い年になったわけですけども、災害によって少しずつ対応のあり方というのは違います。ただ、先ほども申し上げましたように全ての災害でやはり初動としては人命確保最優先ということで取り組んできています。今回の地震も地域の皆さんの支えの中で人命救助、確保していただいたわけでありますけども、消防の広域応援、緊急消防援助隊も発災直後にお願いする中で、安否確認も他県からの応援も含めて警察消防の方々も交えて対応することができましたので、そういう意味では消防庁あるいは警察の皆さん、あるいは今回給水だけでありますけども自衛隊の皆さんも応援をいただきましたけども、そういう関係機関とある意味顔の見える関係を作ってきていますのでそういう意味で迅速に対応できたと思っています。それから栄村の地震を教訓にして今現在そのときの復旧復興方針を参考にしながら各部何をするべきか検討しろということを指示していますので、そういう意味ではこれまでの災害時の対応ということが今回の災害対応にもいろいろな所で生きていると思っています。
信越放送(SBC) 清水秀行 氏
今の質問で関連してになりますけれども、仮設住宅の建設ですが、栄村のケースでは冬の3月に起きてこれから春に向かっていくという時期だったので、3カ月後の6月には仮設住宅を建設して、第一班という形で入居が可能になったかと思うんですが、今回の白馬のケースではこれから冬に向かっていく中で、知事おっしゃるようにニーズを踏まえた上でということになるかと思いますが、県として時期的なもの、もしくは資材の調達の時期とかもあるでしょうし、どれくらいを見据えているのか、来春なのか、この冬中に仮設住宅に関しては建設を進めるのか、そこら辺のことはどのように知事としては・・。
長野県知事 阿部守一
必要な部分は、必要なものについては極力早くですね。資材の確保のみならず、建設場所も確保しなければいけませんから、私がここであんまり軽々に言うと地元のほうで調整をまずしてもらわなければいけないわけでありますので、あまり踏み込んだ発言はここでは控えておきますけれども、できるだけ地元と調整して早い段階で建設に着手できるようにしていきたいと思っています。
共同通信 小島桂祐 氏
本日で御嶽山の噴火発生から2カ月となりますが、先ほど県議会の中でも知事述べられておりましたが、改めまして現在の災害に対する思いと今後の県の取り組みについての考え方をお聞かせください。
長野県知事 阿部守一
御嶽山への対応については、まず木曽地域を県民全体で応援しようということで取り組みはスタートさせていますので、今回の地震のように直接的な被害を受けている部分というのは、おんたけスキー場等一部を除いてないわけでありますけれども、しかしながら地域の経済産業のかなりの部分、いわゆる御嶽山に頼っている地域でありますから、そういう意味では観光も含めた産業振興にしっかりと取り組んでいきたいと思っています。加えてこれも提案説明で述べたことと繰り返しになって恐縮でありますけれども、やはり火山防災対策、そして山の安全対策、こうしたことについてしっかりと取り組んでいくということによって、今回の犠牲になられた皆さま方、被災された皆さま方にしっかり報いていかなければいけないと思っています。登山安全条例の検討もできるだけ早く検討を進めて成案にしていきたいと思っているところです。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございました。
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