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更新日:2014年4月10日
長野県知事 阿部守一
4月10日の会見ということで、私の方からはまず3点話を申し上げたいと思います。まず1点目でありますが、皆さまのところにも資料をお配りしているかと思いますが、「信州あいさつ運動」についてであります。今年度、長野県青少年育成県民会議を中心として、県のPTA連合会をはじめとして多くの団体の賛同を得て、「信州あいさつ運動」をスタートするということに致しました。この運動については、大人が子どもにあいさつをすることで、子どもたちを元気づけ、地域ぐるみで子どもの育ちを応援する運動にしてまいります。あいさつはコミュニケーションの基本ということで、あいさつをすることで、気持ちが通じあい、お互い幸せな気分にもなれるわけでありますが、近年家庭あるいは地域でなかなかあいさつをしない状況にもなりつつある。そういう中で子どもたちもあいさつが少ない、地域によっては積極的に挨拶をしてくれる子どもたちもいますけども、相対としてみるとあいさつが少なくなってるなあと考えています。そうした中でまずは大人が子どもたちにしっかりあいさつをして、地域の子どもたちにもっと関心を持ってもらいたいと思っております。その上で大人同士も地域の中でお互いにあいさつをし、そして最終的にはすべての人たち、さまざまな場面であいさつをすることによって、長野県全体で、元気を出して地域ぐるみで子どもたちを応援していこうと、支えていこうと、そういう運動を展開していきたいと考えております。皆さま方にチラシをお配りしていると思いますが、裏面にございますように武田徹さん、三四六さん、小平奈緒さん、上村愛子さん、こてつさん、そして県内のプロスポーツチーム4チームの皆さんにご賛同いただいて、あいさつサポーターとして運動を応援していただこうと考えています。このチラシについては40万部作成して、県内の小中高生、全部、全員約26万世帯に配布をし、また市町村、企業、団体、そして賛同いただいて一緒に取り組んでいただく皆さんへの配布をしていきたいと考えています。また、すでに県内でもあいさつ運動を行っていただいている地域、団体ございますので、専用のホームページを立ち上げて、こうしたそれぞれの地域での取り組みを紹介すると同時に、協力していただける賛助団体を募集して、活動の輪を県民運動として広げていきたいと考えております。運動のスタートに当たりまして4月21日の月曜日、全県でキックオフイベントを行ってまいります。私も4月21日の朝7時半から長野市立南部小学校であいさつサポーターの皆さんとアルクマ、そしてライポくんなどと、一緒にキックオフセレモニーを行って、登校してくる子どもたちに朝のあいさつを行いたいと考えております。ぜひ大勢の皆さま方の賛同の中で、このあいさつ運動を広げていきたいと思います。よろしくお願いします。
それから2点目でございますが、ふるさと信州寄付金についての取りまとめ結果の報告でございます。皆さまのお手元に、ふるさと信州寄付金(ふるさと納税)の実績および今後の取り組み、という資料をお配りしているかと思いますが、大変多くの皆さまからご寄付をいただき、そして県としても税務課はじめ関係部門で積極的にこのふるさと信州寄付金、働き掛けをさせていただきました。その結果として、ふるさと信州寄付金とふるさと納税とちょっとわかりづらいところがあって申し訳ないのですが、ふるさと信州寄付金は個人に加えて、法人、団体も、全体を対象にしておりますが、いわゆる狭い意味のふるさと納税、個人住民税、寄付金控除、所得税も含めてですね、控除が受けられるふるさと納税分の個人分とちょっと分けておりますが、皆さまのお手元にお配りしているのは3,470件、43,811,360円というのは、いわゆるふるさと納税の個人の分の実績でございます。これにつきましては前年の8.6倍の件数で、3,470件、金額にして4.2倍の4,380万余のご寄付を頂戴致しました。長野県をこういう形で応援していただいております大勢の皆さまにこの場をお借りして心から感謝を申し上げたいと思います。頂戴致しました寄付金につきましては、ふるさと信州寄付金基金にいったん積み立てた上で、ご寄付いただいた時に使途も一定の方向で、例えば、登山道の整備とか、遭難防止対策とか、あるいは観光地の美化、景観づくりとか、そうした形でご希望もいただいておりますので、ご希望に沿って今年度の事業に活用していきたいと考えております。また今後のふるさと納税でありますけども、平成26年度信州の山 新世紀元年という位置付けにしておりますので、この寄付金のPRに際しましても、同じテーマを掲げて相乗効果を図ってまいりたいと考えております。また、これまでの寄付金の活用事業、登山道の整備とか、遭難防止対策とか沿道の美化活動、そうした活動、使用、活用した事業についても、その実績、成果を見えるような形にしなければいけないと思っております。ご寄付いただいた方々がもう一回寄付しようと思っていただけるように実績、成果をしっかりとお伝えできるようにしていきたいと考えております。またお礼の品を送らせていただいておりますが、1万円以上のご寄付に対して5,000円相当の県産品をお送りしております。企業の皆さま方にもご協力をいただく中で、実施をしてきておりますけども、この品目も68品目から78品目に拡充・充実をしていきたいと考えております。今後もこの「ふるさと信州寄付金」、さらに大勢の皆さま方にご協力いただけるように取り組んでまいります。なお、冒頭申し上げたように、「ふるさと信州寄付金」、個人の「ふるさと納税」分以外の法人・団体分もございます。トータル致しますと、全体で3,500件、6,734万4千円余という形でございます。前年が、424件の1,830万7千円余でありましたから、こちらも法人・団体分含めてもですね、相当多くのご寄付を頂戴致しております。いただいた趣旨をしっかり踏まえて、長野県の山岳、そして観光等を中心に、十分活用をさせていただきたいと考えております。
それから、3点目でございますが、皆さんのところに、これもプレス発表の資料をお配りしているかと思いますけれども、道州制に関連してでございます。道州制への慎重な対応についての与党への要請ということで、本日午後、自由民主党、それから公明党、与党に対しまして、道州制への慎重な対応について、私を含む8県知事の連名で要請をする予定でございます。私、ちょっとお伺いをできませんので、本日は、福井県の西川知事、そして兵庫県の井戸知事が8県を代表して、要請を行う予定になっております。道州制については、これは私も知事会でも再三発言をさせてきていただいておりますけれども、まずは十分な議論をですね、しっかりした上で、次のステップに進んでいただくということが重要だろうと思っております。知事会を始め、各種団体からも道州制の理念、姿などについて、明確に示すように、これまでも要請を行ってきたところであります。しかしながら、今の法案の骨子案でありますが、拝見すると、この道州制の根幹部分については、依然として道州制国民会議での議論ということに委ねられているというのが現状でありまして、地方の意見、あるいは国民の意見、そうしたものを十分反映することなく、議論が進んでしまうということに大きな危惧を覚えているところでございます。ぜひ、この道州制については、これは単なる地方分権という枠組みで留まるものではないと考えております。現在の日本の統治構造を変えていこうというものが、道州制であります。これは、私ども都道府県のみならず、多くの国民が関係してくる話でもありますので、ぜひ国民的な議論をしっかり行った上で、取り組んでいただくことが必要だろうと思っております。私は知事会で、私としての意見を述べさせてきていただいておりますが、何を目的として道州制を導入するのかということをやっぱりもう少し突き詰めていただかないと、目的が明らかにはならないのかなと。私は、例えば大都市部、すでにどこが県境か分からないような地域については、例えば、都道府県のエリアがいささか狭すぎるんじゃないかという議論も当然あり得ると思いますし、また都道府県と政令指定都市との関係性の在り方が、今のままでは非常にさまざまな活動が二重行政になったり、あるいは経済活動もやりにくいんじゃないかというような議論があり得るということは、十分理解するものでありますが、それに対する唯一絶対の解が本当に道州制であるのかと、例えば都道府県の広域連携であるとか、合併であるとか、さらには大都市制度の改革であるとか、より踏み込んだ地方分権改革であるとか、そうしたことで本当に対応できないのかと、そうしたことをもう少ししっかりと検討をした上で進んでいかないと、将来に禍根を残すのではないかと感じております。ぜひこの点については、大勢の皆さま方に、これ国民生活に大きく関係する話でもありますので、関心を持っていただきたいと思っております。私の方からは以上でございます。よろしくお願い致します。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
1点は、今お話がありました道州制についてのですね、緊急要請を今日されるということでしたけれども、今回は、知事会の中でも8人の知事の方の連名ということになっています。面々、お名前を拝見しますと、これまでの知事会でもですね、慎重な立場から発言されてきた知事が多いかと思うんですけれども、まず今回は知事会ではなくて、そうした8県連名になりましたので、どうした経緯でですね、どこからというか、どういう相談があって今回の要請になっていらっしゃるか、少し経緯をご説明願えますか。
長野県知事 阿部守一
知事会の中でもいろいろ議論があるわけでありますが、今回は福井県から、この道州制についての対応について、同じ考え方の県でですね、一緒に対応をできないだろうかという打診がございましたので、私としては、全国知事会の場でも、先ほど申し上げたような発言をさせてきていただいておりますので、他の7県知事と連名で要請書を出すということに致したところであります。この道州制推進基本法案、今は骨子案という状況でありますが、根幹部分がほとんど道州制国民会議の議論に委ねられているという状況でありまして、やはり、今なぜ道州制なのか、あるいはどういうことを目的として、どういう形を念頭に置いて議論をするのかと、そういうことについては、やはりあらかじめ具体化をしていただくことが必要だろうと思っておりますし、こうした点については、全国知事会からも要請をさせてきていただいているところであります。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
確認ですが、先ほど、そうした今おっしゃったような点について、国民的な議論を行った上で取り組んでほしいというようなお話があったかと思うんですけれども、そうしますと、根幹部分は、現況の推進基本法案というのは、骨子案の段階では、ほぼ国民会議設置法案のような意味合いが強いのかと思いますけれども、そうした設置法案的なものであっても、それを国会提出して議論する前に、今おっしゃったような、何のために道州制なんだというような根幹的なところについて、まず国民議論が必要であるという認識だというふうに受け止めればよろしいですか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。これは、知事会の中でもずいぶん議論をされているわけでありますけれども、今なぜ道州制なのかということが、やはりはっきりしないまま、まさに、今の骨子案は道州制推進基本法案という、推進ということで、そっちで進めますよという形のタイトルの骨子案になっているわけでありますから、推進を議論する上では、やはり何を目指して、どういうものを道州制として考えていくのかということをしっかり固めた上で議論に入らないと、すべて国民会議で考えるということでは済まされないのではないかと思います。私もずっと地方自治の仕事に携わってきたわけでありますけれども、本当に分権の推進は今の地方自治制度の下では限界だといえるのかと、私はまだまだそれは国の姿勢次第ではないかと思いますし、道州制というのは地方自治制度の話ではなくて、国の形を変えていこうという話でありますから、国会の権限を道州の議会にどれだけ移す前提で考えるのかとか、そうしたことが全く分からないまま道州制という言葉だけが独り歩きするかのような議論であってはいけないだろうなと思っております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。それから、今ご説明のあった2点目は、ふるさと信州寄付金、寄付金の話ですけれども、これは各県というか各自治体、非常に昨年度などは伸びていて、背景は、一つはお礼の品だとかの充実というのもあるのかと思いますが、先ほどおっしゃったように1万円以上の寄付に対しては、5,000円分のお礼があったりしまして、おそらく企業だとか、協賛の部分もあるかと思いますが、県が支出する部分もあったり、先ほどのふるさと納税制度自体の税の還付などを考慮すると、いわゆるこのお金自体全額が、県で今までなかった収入が入ったということではなくて、差し引きしなければいけないところもあると思いますが、これ、真水の部分というのはどれくらいあるか、県で試算されたりしていらっしゃいますか。
長野県知事 阿部守一
歳出側で、1千万円余計上しているのでその分は当然、正確な数字は後でお答え申し上げますけれども、その分は県として歳入歳出トータルで差し引きして考えなければいけない部分はあると思いますが、ただこれ、県産品の宣伝と、あるいは県内の県産品を活用して県内で資金循環する部分になるわけでありますから、そうした点を考えると、ある程度は必要だろうなと。ただ、あまりお礼の品だけで競争するような形にならないように気をつけながら対応していくということも必要だろうと思っています。ちょっと金額については。
総務部税務課長 林信一
お礼の品で、県の負担している金額でございますが、25年度は1300万円ほどの予算を計上させていただいております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
細かい話で、26年度予算は分かりましたけれども、25年度の決算見込みではないですけど、実際の支出というのはどのくらいになるか分かりますか。
総務部税務課長 林信一
補正を組んで1300万円ほど計上させていただいておりますので、ほぼその金額が出ていくと考えております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
そうしますと、26予算ではなくて、25の最終予算だと考えればいいですか。
総務部税務課長 林信一
失礼しました。ほぼ同額ということで考えていただくようお願いします。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
最後に、あいさつ運動にも絡む話ですけれども、昨日、知事と青少年育成県民会議の役員の皆さんとの意見交換がありまして、県民会議の方で、住民運動、県民運動でどこまでできるのかということを検討することになりましたけれども、昨日から当初は打ち合わせという予定だったのですが、結局第1回の会議になったようなんですけれども、知事も会長を務めていらっしゃるので伺いたいのですが、せっかく県民会議をどういうふうにこれから展開していこうかという議論なので、これは説明責任というよりは、これから県民の参加を求めていったり、県民の応援を受けていったりだとか、幅広く広げていくためにも議論を公開していった方がいいんじゃないかなと思うんですけれども、昨日ちょうど、当初は打ち合わせの予定だったのが、結局第1回の会合になっちゃったんで、そこら辺の議論というのは詰めてはいらっしゃらないんだと思いますが、今後何回か開いていく上では、どういうふうに議論を進めていくのがいいとお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
それは県民会議、私が会長ですけど、県民会議の議論は会議のメンバーの皆さんがかなり主体的にいろいろ考えていただいているんで、いつどれぐらいの頻度で集まって、どういう形でするかっていうのは、私は詳細は聞いていませんが、ちょっと次世代サポート課長の方で分かれば説明をしてもらえますか。
県民文化部次世代サポート課長 大月良則
今公開をということだったんですが、昨日これからのスケジュールですとか、どういうふうに進めるということを急遽検討させていただきましたが、公開かどうかということについては、特に委員の皆さんからもお話がございませんでした。次回5月に開催をしたいということで、大体3カ月程度のですね、時間を掛けながら、しっかり議論をしたいというのが昨日の議論の流れでしたが、そこら辺はすみません、田口さんが座長を務めておりますので、私の方でちょっとお答えはできませんので、また座長の方に連絡をしながら、またご連絡をさせていただければと思います。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
分かりました。趣旨は繰り返しになりますけど、県行政であれば、それは説明責任の観点から公開すべきだって言いますけれども、これは県民運動なので、むしろこれからどういうふうに県民の方の協力を得たり、広げていくかという観点なので、そういう意味では、今の現状がどういうことになって、どういうところで困っているんだ、もしくはどういうところで壁があるんだということを皆さんで共有して、県民も共有して、それを基にやはり広げてかなきゃいけないと思うんで、そういう意味で公開した方がいいんじゃないですかということなんで、その趣旨だけお願いします。
県民文化部次世代サポート課長 大月良則
趣旨はお伝えさせていただきます。
中日新聞 小西数紀 氏
県民会議の話なんですけれども、昨日のお話の中では、これまでの県民運動を振り返って、また新たな県民運動をどういうふうに作っていこうかっていうことを今後話し合って、2、3カ月程度話し合った上で、知事さんに報告すると。やはり知事さんとしては、県としてどういう対応をするかっていうのは、その報告というか、それを受け止めた上でやられるというようなお話でしたけれども、条例のお話なんですが、私は条例も制定するか否かっていうようなお話もその報告を受けた上でというふうに受け取ったんですけれども、任期とですね、知事選の日程とのからみもあると、3カ月となると7月も中旬ということなんですけれども、そのスケジュールの中でどういうふうに条例について判断されていくかということの、今知事のお考えをお伺いしたいんですが。
長野県知事 阿部守一
そうですね。今回、専門委員会から報告書を受けて、昨日県民会議の皆さんには県民運動をこれからどうしていくかということを、この報告書を踏まえて検討していただきたいということでお願いをさせていただいたところであります。これ県民運動の流れでありますが、もう一つ、われわれ県として、この報告書をいただいたわけでありますから、この報告書を行政としてどう対応していくかということは、この県民会議と並行してですね、県庁の中で検討していく必要があると考えています。私ども県としての対応と、県民会議、行政としての対応と県民会議としての対応というものを合わせた上で、県全体としてどういう形でこの専門委員会の報告書に応えていくのかということをまとめていくということが必要だろうと思っておりますので、県民会議の皆さんの議論とそれからわれわれ行政としての議論、並行して行った上で、それを全体トータルとしてですね、最終的にまとめて県としての方針を作っていきたいと考えています。
中日新聞 小西数紀 氏
ちょっと答えづらいと思うんですが、時期的には、いつ頃最終的な方針というのを。
長野県知事 阿部守一
これは私の任期がだんだん短くなってくる中で、どういうスケジュール感でやるかっていうのは、非常にセンシティブな問題ではあるんですが、私とすれば、まずは専門委員会での議論も十分ご議論いただく必要があるということで、取り組んできましたし、県側のスケジュールはしっかり立てていきますけれども、県民会議の皆さんの議論のスケジュールは、昨日も2、3カ月程度というお話がありましたので、そこは尊重した上で、県としての検討を並行して進めて、総体としての方針を固めていきたいなと思っておりますので、そこは何と言うか、無理やり早めるとかですね、遅めるとかいうことではなくて、非常に重要なテーマでありますから、自然体でしっかりと県民会議の皆さんには議論を深めていただきたいと思っています。
朝日新聞 井口恵理 氏
あいさつ運動の中身について伺います。地域であいさつを増やそうという取り組みは非常にいい取り組みだと思うんですけれども、いつまでにここまで達成させるという具体的な目標はありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、われわれ行政発意というよりむしろ県民会議の皆さんの発意でスタートしていますので、われわれ行政、県政は今、いつまでに何っていうかなりの具体的な数値目標できるだけ出すようにしてますけれども、今回のあいさつ運動、先ほど申し上げたように、まずは大人が子どもにあいさつするところから始めて、最終的には大人同士も地域であいさつしましょうという形に進めていきたいと思っていますので、いつまでにどこまでという明確な目標設定をしているわけではありません。ただ先ほど申し上げましたように賛同していただく団体の皆さんをどんどん募って広げていきたいと思っていますし、またすでにあいさつ運動を行っている地域とか団体もありますから、そうした皆さんの活動を可視化することによってですね、県全体であいさつ運動が着実に広がっているというような姿になるように取り組んでいく必要があるだろうと思います。
朝日新聞 井口恵理 氏
その、ただ運動として呼びかけるだけでは、なんて言うんでしょう、意識を変えるところは難しいという部分もあると思うんですけれども、そういった賛同団体を増やしていって、広がっていくっていうこと、可視化していく以外に、何かこういうふうにして取り組みを広げるっていう具体的な部分はありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね。取り組みを広げるには先ほども申し上げましたけれども、キックオフのイベントもやり、街頭キャンペーン等も行っていきたいと思っておりますし、また、ホームページを作って、あいさつ運動のそれぞれの地域の取り組みの紹介であるとか、あるいはそうしたあいさつ運動をする中で、いい話、あいさつをすることによってこんなことが広がったよと、こんなコミュニケーションができたよというような話の募集をしたりとかですね、様々工夫しながら、なんていうか、これ、強制していく話ではありませんので、主体的に、自主的に、こうしたあいさつ運動が広がっていくことができるように工夫をしていきたいと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
道州制の要望の関係で、1点確認をさせていただきたいと思います。知事のご発言の中ではですね、おそらく理念のない推進というのに危惧されているというふうに受け取りましたが、長野県に引きつけてですね、例えば先ほどおっしゃったように二重行政の解消であるとか、あとは県境、都道府県の枠組み自体が何か障害になっているという部分で、道州制じゃないと解決できない問題というのが、知事が県政を見られていてですね、何かお感じになっていることがあるかどうか。それとももうそれは広域連携等でできるとかですね、その、道州制じゃないとできないこととして、長野県の課題としてあるもの、お感じなっているところがあれば教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
それはあまりない。あまりないというか、もっと道州制自体が何を目指すのかはっきりしないので、明確に答えにくいんですけれども、例えば、世界の中で競争できる地域を作ろうという考え方というのがひとつあり得ると思うんですよね。で、そうしたときに例えば、私は横浜市にいましたから、例えば横浜の港湾と東京港、千葉港、そこの東京湾沿岸の港湾管理がそれぞれの自治体によって区分される状況ではなくて、一体管理をして、世界の貿易港にどんどん水をあけられてしまってきたという経過があるわけですから、そういうところの競争力を高める上で、一元管理が必要なんじゃないかという議論は例えばあり得ると思います。で、それは、道州制で対応すべきものであるのか、あるいは広域連携であったり、あるいは、例えば東京湾港湾なんとかみたいな組織を作るとか、あるいは先ほど言った都道府県合併とか大都市制度の改革だとか、いろんなやり方があると思います。で、要は何を、何のための道州制かがはっきりしないと、その手段としての道州制が本当に最適解なのかどうかというのは、なかなか正直判断しづらいんじゃないかと思ってまして、そういう意味で、長野県は道州制になることによるメリットが何かあるかと言われたときに、その道州制というものが何を目的としたどういう形の道州制であるのかというのがはっきりしないと、正直答えようがないなと思います。例えば一般論として申し上げれば、道州制がいいんじゃないかと言っている皆さんの主張は、分権型道州制みたいな、要は地方の権能を強化しますという方向であると思っています。で、地方の権能を強化するときに、例えば私は、長野県の知事として感じているのは、今の長野県の県域でも住民から直接選挙で選ばれる区域としては相当広いなと思っています。何度も何度も、例えば飯田下伊那へ私は行ってますけれども、でも行くたびにですね、「いや、ここまで来ていただいたの」というようなことを言われて、いやそんなに行っていないつもりはないけれども、やっぱり県民からするとやっぱり遠いなあという感じは知事に対しても県庁に対してもあるんだろうなというふうな受け止めをしてますけれども。仮にもっと広い圏域で、首長1人を選挙で選ぶということになったときに、本当に自治意識とかですね、住民との距離感というものが自治の単位と言えるかどうかというと、私は甚だ疑問だろうと思います。
そういう意味では地域主権、地域の地方分権、地域の住民自治なり団体自治を前提とした道州制ということを考えたときの、そのエリアの在り方というのは結構重要な話だろうと思いますし、逆に、国の現地機関を統合して、国のかつての官選知事の時代みたいにですね、そういうトップを置くということであればこれは完全に地方自治の分権の思想からは違う話になってしまいますから、それはそれで私としては取るべき方向じゃないだろうなと思いますので、そういう意味で本当に道州制で何を実現するかということを、やはりはっきりさせないと最適解が何かというのは見えにくいんじゃないかなと思っています。
読売新聞 戸田貴也 氏
すみません、再度確認ですけれども、そうすると地方自治をずっとやられてきた方としての危機感という部分と、やはり長野県知事、広い圏域を持っている知事としての危機感というか問題意識としても道州制に、今の現況の推進体制には疑問があるということでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そうですね、何をしたいからこうしたいということではないと、何というか議論がしにくいんじゃないかなと思いますし、だいぶ前になりますけれども、関西の経済界の皆さんとお話ししたときも、関西の経済界の皆さんは道州制、かねてから推進側の方々が多いわけでありますけれども、そこでも私申し上げましたけれども、いわゆる首都圏とか近畿圏の大都市圏と私ども長野県のような地域は、置かれている状況とか課題というのはかなり違っている部分があるので、そういうところは一律に区割りをして一律の発想で取り組むということが本当に望ましい形なのかどうかは、慎重に議論いただく必要があるんじゃないかということは申し上げましたし、なるほどそうかもしれないなという感覚をお持ちの方が多かったような気は致します。多分、東京にずっといると東京の目線になっちゃいますし、大都市圏の視点とやはり地方の側の視点というのは、必ずしも私は同じではないんだろうなと思います。
共同通信 小田智博 氏
あいさつ運動の件で追加で伺いたいのですが、大変いい活動なのかと思うんですけれども、一方でですね、見知らぬ人から声を掛けられたら、声掛け事案というふうにですね、言われかねない現状というのも近年あろうかと思います。それで大人たちが声を掛けづらくなっているという現状もあろうかと思うんですけれども、そういった現状を踏まえて知事がこのあいさつ運動というのを取り組まれる、この意図というのを教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
これは何というかずっと子どものこと、子ども支援条例の検討であるとか、あるいは、今回の組織改正でも子ども・若者関係の組織を県民文化部に一元化していこうというような議論する中で、子どもたちの現状というものを私自身も考える機会がありましたけれども、そうした中で自己肯定感が弱まっている、要するに自分たち、自己肯定感というのはありのままのみんなの姿でいいんだよとか、あるいは自分たちにもっと自信を持ってねという、そういうことが非常に弱くなっているということを私としては感じておりますし、それはいろんなデータでも出ています。海外に比べても、そういう日本全体の子どもたちが自己肯定が低いというデータが出ている中で、地域社会と子どもたち、あるいは大人と子どもたちの関係が希薄化してしまっていることが、いろんな課題。例えば、いろんな悩みとか課題があったときに、自分で悩まなくて誰か相談に乗ってあげる大人が一人でも身近にいればですね、子どもたちはどんなにか救われることが多いだろうと思います。そういうことを考えると、やはりコミュニケーションがしっかりできる地域社会というのは、大変私は重要だと思っていますので、そういう意味で今回、県民会議の皆さんがこのあいさつ運動をやりましょうということで発意していただいて、一緒になってやっていくということは、大変私としては意義があることだと思っております。ちょっとじゃあ、次世代サポート課長の方から少し補足してもらいます。
県民文化部次世代サポート課長 大月良則
1点補足させてください。今、声掛けの懸念というお話出まして、平成18年に奈良県で小学校の女の子が声を掛けられて、連れ去られ、殺害されてしまったという大変痛ましい事件が起きまして、奈良県では、その後条例を作るような対応もしております。その後、県警でもライポ君メールという声掛け事象については情報を流すということをやっております。ただ、一方で長野県教育委員会はクローバー共育活動ということで、ずっとあいさつをしましょうという活動をもう何十年にわたってやってまいりました。今回、私どもそこの点、重々心配をしまして、PTA連合会さんと1回1時間以上ですね、3回お話をさせていただきまして、PTA連合会の皆さんもですね、あいさつをするということは大事だと。何か子どもが事件に巻き込まれるということは、それとはまったく別の次元で考えるべきものであるということ、それから、やはり大人が関心を持ってあいさつをすることで、不審者が地域に入りづらくなる、その結果として子どもが守られるということで、皆さんも大変ご理解いただきまして、今回チラシの後援の中にあるんですが、長野県PTA連合、長野県高等PTA連合会もですね、趣旨にご賛同いただいて一緒にやろうということになっております。
共同通信 小田智博 氏
あの、その区別というのはですね、ちょっと難しいんじゃないかと思うんですけれども、まず、最初に声を掛けられるときは当然見知らぬ人から声を掛けられるということだと思うんですけれども、それは、不審者なのか、それとも信頼できる人なのかというのは、必ずしも分からないんじゃないかと思うんですけれども、かえって子どもに混乱を与えてしまうんじゃないかという気もしてしまうんですが、知らない人を基本的に信頼するのか、基本的に不審者と考えるのかというところなのかなと思うのですけれども、そのあたりに関する知事の考えをお聞かせいただけませんでしょうか。
長野県知事 阿部守一
さっきの自己肯定感の話にもつながる話だと思いますけれども、子どもたちがある意味で孤立化してしまうことがいろんな課題につながってしまうのだと私は思っています。そういう意味で地域の大人と日ごろからあいさつをして顔見知りになっておくということはその当該地域に全然いつもと違う雰囲気の人が入ってきているということは逆に分かりやすくなる。私もなるべくいろんな方とすれ違った時にあいさつするように心がけていますし、今回こういう運動やるからには、もっともっとあいさつしなくてはいけないと思っていますけども、あいさつする時は相手の顔を見ないであいさつすることはないですから、あいさつしないと何となくどんな人とすれ違ったかなんて分からないで通り過ごしてしまいますけど、あいさつして相手の顔を見れば、いつもこのおじさん、このおばさん、このおじいさん、このおばあさん私のことを見てくれているなと日ごろから分かるようになりますよね子供が。そういう日常から接してもらえる大人を、私は増やしていくことが子どもたちの安心とか子どもたちの自己肯定感に確実につながっていくだろうと思っています。ぜひ、子どもたちに対して、まず大人が声を掛けようよという運動でありますから、ぜひ大勢の皆さまにそうした思いで取り組んでいただきたいなと思います。
共同通信 小田智博氏
最後に、知事の考えは大変そのとおりだと思います。それで、そういったいい循環をつくっていくためには、間違ってもそういった善意のあいさつが、声掛け事案という形となって、例えば県警のメールでこういう事案がありましたとかいうふうにですね流れるようなことがあってしまっては、じゃあそれはやっぱりそんなことはすべきではなかったと大人たちも自主規制するし、子どもたちも不安に思うし、というような形になってしまうんじゃないかと思うんですけれども、そのあたりについて知事はどのようにお考えか最後にお伺いします。
長野県知事 阿部守一
そういうことに・・。
共同通信 小田智博氏
そういうふうになってしまう懸念。なってしまっては元も子もないかなと私は考えるのですけれども、知事として、それはどのようにお考えかということと、何かそこを間違えを起こさないための、間違って声掛け事案だということを思わないためにはどうしたらいいだろうかということについて知事のお考えをお伺いします。
長野県知事 阿部守一
これは、あいさつしましょうというレベルと知らない人のところについていきましょうというのは、だいぶレベルが私は違うだろうと思います。もちろん、あいさつ通じて地域社会がより緊密になっていくことを私としては期待していますが、しかしながら、あいさつをすることで、じゃあ何か物を買ってあげるからおじさんの車に一緒に乗っていかないっていうことに対してそれを称揚するような運動では必ずしもないわけですよね。先ほども言いましたように地域の力、そして見守り合いというか支え合いの雰囲気というものができればできるほど、その不審者というか、子どもたちに対して犯罪行為を犯そうという人たちは、私は行動しにくくなるだろうと思いますので、ぜひそういう地域社会を県民の力で作ってもらえるように、私として取り組んでいきたいと思います。
信濃毎日新聞 小出真人氏
ちょっと話題は変わるのですが、現在、県消防防災ヘリのアルプスの操縦士がちょっと採用がうまくいかずに、一人体制が続いているということに対する知事のお考えと、今年「信州 山の日」があって、国立公園なんかも節目の年を迎えてたくさん観光客を迎えることになるのですが、基本的に安全というのは個人の意識だとは思うのですが、最終的にセーフティーネットというのですか、そういうふうなことを県の方でどういうふうにお考えになっているのか知事のお考えを聞かせていただければと。
長野県知事 阿部 守一
消防防災航空隊は、先だって褒状、2千名人命救助、そして無事故ということで褒状を渡してこれまでの活動に県としての謝意を示したわけでありますし、先般も松本空港に行って航空隊の皆さまの実情を私自身直接いろいろ聞かせていただいてきました。そういう意味で、今、山岳遭難が増えている中で本当に航空隊の皆さまの尽力で長野県の山を含めた県土の安全・安心を守っていただけると思っています。そういう中でこの操縦士の確保は大変重要なテーマだと思っております。今頑張って操縦してもらっている方だけでなくて操縦士の確保を早急にしていかなければいけないわけでありますが、一つは、県内の消防本部に在籍している消防吏員から要請をしていくということを考えていかなければいけないと思っておりますし、それとあわせて危機管理部長にはそれ以外の方策もありとあらゆる方策をしっかり考えるようにということで、この人材の確保については、当面長野県の山岳を含む安全安心を守るという観点では最重要な課題として取り組んでいきたいと思っています。
長野放送(NBS) 上原結樹氏
発表の内容とは違うんですけれども、先日知事が本を出されてますが、4年前の知事選出馬後も本を出されているんですけども、ちょっとうがった見方かもしれませんが、今回本を出されたことも知事選への意欲と見てもよろしいのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
そういうふうに聞かれることがありますが、基本的に全く関係ない。出版社側からこういう本を出しませんかというお話を頂いて出版させていただいて、今回、長野県健康長寿、男性も女性も日本一になって長野県の強みを発信するためにはいい機会だなということでこういう本を、「長野県の長寿力」という本を出させていただきましたので、このことと知事選の話は全く関係ないという状況であります。
信濃毎日新聞 島田誠氏
たびたびすみません、1点追加で教えてください。先ほどの専門委員会の報告書を受けた取り組みの話ですけれども、条例の最終判断が県民会議の方からの報告を受けた後だというのは昨日のお話の通りかと思いますが、そうしますと県の方で並行して考えられる検討しなければいけないところというのは条例以外にも当然報告書の中には被害者支援の部分の仕組み作りだとかそれから教育の在り方であるとかそれは学校教育、行政がやる部分はありますからそうしたところの行政がやるべき報告書で条例以外にも書かれていらっしゃるところを検討するということでよいのかというのが1点と、そのためには例えば社会教育の分野と学校教育の連携だとか、非常に横断的な分野もかなりある報告だったかと思うんですけども、その検討というのは各課ごとにしてもらうのか、何か横断的なワーキングなり何かを庁内的に作ってですね、そちらを中心にもんでいくのかどんなふうにお考えでしょうか。
長野県知事 阿部守一
ごめんなさい、前段の方はどういう趣旨ですか。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
前段の方は条例の最終判断が県民会議の報告の後だというのは昨日のお話の通りでいいかと思いますが、そうしますと県として並行して検討しなければいけない部分、県民会議の議論と並行して考えなければいけない部分というのは、報告書の中には条例以外にも行政がやるべきこととして、例えば被害者支援の仕組み作りであるとか、教育の部分、性教育もそうだし、それはメディアリテラシーもそうですけど、それは学校教育もあれば社会教育もあったりして差は広いのでそうした部分の検討を並行して行政として考えなければいけないのでしょうかという中身の確認です。
長野県知事 阿部守一
報告書を頂いていますので、その提案を具現化すべく庁内で検討していくと。ご指摘のように複数部局またがりますので関係課を集めて検討チームを作って検討していくという形になろうかと思います。今、次世代サポート課の方で具体化の検討をしているので、もし補足することがあれば課長の方から。
県民文化部次世代サポート課長 大月良則
知事の方から指示がございまして、報告書を行政として政策化、具体化していくための検討を至急するようにという指示をいただきました。という中で報告書は3つの柱、教育、被害者支援そして法的な論点という3つの柱で報告されておりますので、検討チームをつくりまして教育、それから、被害者支援、法的観点の検討と、この3つのチームをつくってできるだけ早く検討をスタートしたいと考えております。
信濃毎日新聞 島田誠 氏
今伺いましたので、補足を受けて伺うと、そこでいうところの法的対応、法的規制の検討というのは、条例を考えるということですか、それとも条例を作るかどうかの最終判断というのが後だとすれば、条例を作るんだとすれば課題はどういうところにあるのか、作る場合を想定した課題の整理であるとかということですか、どういうことですか。
長野県知事 阿部守一
これはこれから具現化していくわけですけど、私とすれば条例の検討、条例での対応が必要ではないかという報告を頂いたわけでありますから、仮に条例を作るとすればどういう形のものにしていかなければいけないのか、あるいは条例化をするとした時にさまざまな課題があると思いますので、そうした論点にどんなものがあってどういう考え方が可能であるのかということをしっかりと整理をした上で、県民運動、県民会議側の対応とあわせてトータルとしてみて県としてどうするかということを最終的に判断していくことになると思います。
長野県知事 阿部守一
はい、よろしくお願いします。
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