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更新日:2021年3月31日
令和2年(2020年)12月21日(月)
午後1時から午後2時10分まで
本館棟 特別会議室
○議題
議第1号 令和4年度長野県立中学校入学者選抜の実施日程について
議第2号 令和4年度長野県立高等学校入学者選抜の実施日程について
議第3号 県立長野図書館協議会委員の委嘱について
議第4号 長野県スポーツ推進審議会委員の任命について
○教育長報告事項
(1) 令和2年11月県議会定例会の結果について
(2) 「新型コロナウイルス感染症対策に係る県立学校運営ガイドライン」について
(3) 令和3年度長野県立中学校入学者選抜について
(4) 長野県立中学校・高等学校新しい「学びの指標」について
(5) 「新型コロナウイルス感染症影響下における児童生徒の状況調査報告書」について
(6) 第82回国民体育大会の名称改正について
(7) 第82回国民スポーツ大会・第27回全国障害者スポーツ大会「競技会場地市町村」の選定について
○教育長
原山隆一
○委員
教育長職務代理者 伏木久始
委員 矢島宏美
委員 荻原健司
委員 塚田裕一
委員 中澤眞弓
○その他
尾島教育次長、塩野教育次長、内堀高校改革推進役、早川教育政策課長、
桂本参事兼義務教育課長、井村参事兼高校教育課長、駒瀬参事兼高校再編推進室長、
坪井特別支援教育課長、曽根原参事兼学びの改革支援課長、松村参事兼心の支援課長、
小林文化財・生涯学習課長、宇都宮保健厚生課長、北島スポーツ課長、滝沢国体準備室長
原山教育長
ただ今から、第1071回「教育委員会定例会」を開会いたします。
それでは議題に入ります。議第1号「令和4年度長野県立中学校入学者選抜の実施日程について」、議第2号「令和4年度長野県立高等学校入学者選抜の実施日程について」、井村高校教育課長から説明をお願いいたします。
井村高校教育課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご意見、ご質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは議第1号、第2号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。
全委員
異議なし。
原山教育長
ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。
次に、議第3号「県立長野図書館協議会委員の委嘱について」、小林文化財・生涯学習課長から説明をお願いいたします。
小林文化財・生涯学習課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご意見、ご質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
では、議第3号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。
全委員
異議なし。
原山教育長
ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。
次に、議第4号「長野県スポーツ推進審議会委員の任命について」、北島スポーツ課長から説明をお願いいたします。
北島スポーツ課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご意見、ご質問があればお願いします。よろしいでしょうか。
それでは、議第4号を原案どおり決定したいと思いますが、ご異議ございませんか。
全委員
異議なし。
原山教育長
ご異議ございませんので、原案どおり決定いたします。
続いて、教育長の報告事項に入ります。報告事項の(1)「令和2年11月県議会定例会の結果」につきまして、早川教育政策課長から説明をお願いいたします。
早川教育政策課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご質問、ご意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、以上で報告事項の(1)を終了いたします。
報告事項の(2)「新型コロナウイルス感染症対策に係る県立学校運営ガイドラインについて」につきまして、早川教育政策課長から説明をお願いいたします。
早川教育政策課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご意見、ご質問があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、教育長の報告事項の(2)を終了しまして、報告事項の(3)「令和3年度長野県立中学校入学者選抜について」、井村高校教育課長から説明をお願いいたします。
井村高校教育課長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご質問、ご意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、報告事項の(3)を終了しまして、報告事項の(4)「長野県立中学校・高等学校新しい学びの指標について」、曽根原学びの改革支援課長から説明をお願いいたします。
曽根原学びの改革支援課長
(資料説明)
原山教育長
それでは、ただ今の説明につきまして、ご質問、ご意見があればお願いします。
伏木教育長職務代理者
ご説明ありがとうございました。かねてより進められている県教育委員会の学びの改革の理念に連動する方向に沿って、昨年度、有識者を集めて時間をかけて作成された学びの指標ですけれども、今年度はその内容に関して、さまざまな皆さんの声をヒアリングされたと先ほどご報告がありました。
具体的には、どういう方を対象に、どれくらいの人々からの声を吸収されたのか、教えてください。
原山教育長
お願いします。
曽根原学びの改革支援課長
それでは幾つかご紹介したいと思います。10月7日から11月27日までの間、12回にわたり延べ152名の方々と対話を実施いたしました。
中学生、高校生、大学生では、例えば、いとこと比較され過度な期待をされてきたけれども、そのとき努力できたのは母親から頑張ったねと褒められたりした。そういう期待に応えたいという思いから頑張れたという意見や、これは高校生ですけれども、学校では特にクラスの人気者とは違う意見だとは言えない。違う意見を言ったら、陰で何を言われているか分からない。だから先生もなかなか分かってくれないというのは苦しいという意見。それから、なるべく早く教育方法を変えてほしいので、そうしないと自分的に崩れてしまうから、自分も学校に行かれなかった時期があるので、どうせ導入するなら早くというような意見もありました。
そんな中、こういう質問は答えるのがちょっと難しいなというもので、例えば、将来の夢を持っているかと聞かれても、夢と言われると職業だと思うので、こういう職業に就きたいなんていうことはなかなか言えないというような具体的な質問のことも言っていただきました。
また、大学院生からは、保護者、教員、生徒の評価観を変えていくこれからに望ましいものであるというような意見。ただ、どのような場面でどう言葉掛けをするか、記述するか等、どのように子どもたちに返すか教員研修も必要ではないかというような意見をいただきました。
PTAの方からは、よい試みで推進してほしい。一人ひとりの人権や個性が尊重されるべきという前文を読み腑に落ちた。要望としては、今までテストで頑張って評価されることもあり、今までのことを全否定するのではなく、これまでのものとバランスを取ってほしいというような意見をいただきました。
子どもを支えるNPO団体の方からは、とても厳しいご意見をいただきました。先生を信用していない、当てにしていない生徒が多いので、全ての人にとって安心・安全な学校であってほしい。子どもたちが全ての力を発揮できるかは周りの関り方次第なので、学校の先生方にこういうことがきちんとやれるのかどうかというご意見をいただきました。
ある中学校で対話したときの言葉ですけれども、自分を知り向上させるためのものであるが、この部分が欠落しているから頑張れという指導をするのはよくない。自分が分かったとき、次にどうするか決めるのも自分でないといけないというようなご意見をいただきました。
専修学校や専門学校では点数の一点縛りより、個々の生徒の適性、職業適性、成長や伸びしろを見ているAOのエントリーなので、いかにリンクして活用できるか。引き続き、総合型選抜と高校教育の連動性については意見調整が必要だと思うというようなご意見。
大学関係者からは、運用に当たっては教員の意識改革が大事であり、この有用性や、生徒をどう見る切り口になるか、意識をきちんと持ってもらうことが大切であるというようなご意見をいただきました。
企業経営者の方からは、この理念と、具体的な質問、活用という全体の方向性は素晴らしいと感じた。この指標を基に、学校で行われている授業はどう変わっていくのか。高校生の新規採用で提出してもらっているものも成長してきた過程が表示されるが、今後、目に見える形になってくるのか。フィードバックされることで、親は子どもの成長を実感できる枠組みとなるのか、というような言葉をいただきました。
企業側がどういう人を採用するかということもあるので、学びの指標が具体的になった際、またこのような機会を設けて、今後とも対話を続けさせてほしいというような意見もいただきました。
以上です。
原山教育長
どうぞ。
伏木教育長職務代理者
ご説明ありがとうございます。この学びの指標そのものは素晴らしいものだと思いますし、日本の教育がそろそろこういうことを重視できる世の中にならねばならないと考えております。しかし、これを高校の先生方や保護者、あるいは地域の方々に納得していただくためには相当な努力が必要だと思います。
実は、私も以前は東京都内の高校の教師をしておりまして、高校3年生を希望の進学先に送り出すのに随分苦労を致しました。でも、今思えば、点数で輪切りにして、人格ある高校生を人間選抜のふるいにかけていたのかもしれない。私どもは生徒に獲得させた点数で大学へ送り出していましたので、その当時のことを思うと、こういう学びの指標が自分の学びを振り返るだけでなく、自分の生き方やキャリアに何かプラスになるようなものになるといいなと願っています。
そういう意味では、高大連携ということを重視していただいて、大学の関係者と高校の進路関係者が対話するような場を持っていただき、本当に大学側が必要とする書類は何なのか、高校側で書ける書類は何なのか、そういうことを時間をかけて、本当に双方にとって意味のあることをしていきたいですね。長野県の大学だけでは進路先全部は網羅できないのですけれども、まずは私たち長野県から率先してそういうアクションを起こしつつ、先生たちは本気なんだという姿勢を見せて、高校生もこういう指標に合わせて自分の学びを確認しながら学びを深めていくというような、そんな展開になっていけばいいなあと考えております。我々大学のほうも、高校生の進学、生き方、キャリアに関して、一緒に考えたいと思いますので、今後も検討していただければなと思います。
一つ感想ですけれども、令和4年度から導入を図るということになり、当初の予定よりも1年間、検討の時間を長くとってくださるということで安心しました。ぜひ、この令和3年度に、公私を越えて様々な各界の人たちが積極的に議論に関わるような、そんな機会をつくっていただきたいと思います。
以上です。
原山教育長
ありがとうございます。どうですか。
曽根原学びの改革支援課長
ありがとうございます。学びの指標は、今、現段階で直接成績にそのまま反映するようなものではありませんが、例えば、自分自身を振り返り、メタ認知能力を身に付けることで子ども自身が変容して、結局それが学力向上につながったりという期待もされるところであります。
また、新しい学習指導要領では、個人内評価を重視するといわれております。個人内評価は生徒一人ひとりの良い点や可能性等を見るものでありますので、学びの指標の考え方とも親和性が高いと思っています。
将来的にどのように活用できるかという可能性も含めて、ぜひそのような対話の場を大切にして、議論させていただければと思っております。ありがとうございます。
原山教育長
他にいかがでしょうか。
中澤委員
ありがとうございました。
学びの改革の中でこの学びの指標が位置付けられて、幼・保・小・中の流れの中でそれが全部つながって、子どもたちの成績じゃない人となりがきちんと理解され、子どもたち自身も自分に気付いていくような、そんなものにつながっていくといいなと思っています。
幼児教育の場合は、現段階で一人ひとりをこのような形で見ているのが、割と一般的にはなっていると思いますが、このままこれを小学校でも続けていただいて、また中学、高校と続けていっていただける流れができるといいなというのも願っています。
これをやるときに、確かに教師側、スタッフ側が忙しくなることも私たちの中ではすごくあるんです。その辺りを、もし1年後に取り上げていくときに、先生たちの働く忙しさの中がうまく回るような、何を削っていくことができるのかということも一つ考えていただけたらなと思います。
一番大事なことは、子どもたち一人ひとりが自分を知ること、自分の得意や課題を知ること、わくわくと次につなげていけること。その辺りを大切にしながら、これを生かしていけるとうれしいなと思います。ありがとうございます。
原山教育長
ありがとうございます。
どうですか。
曽根原学びの改革支援課長
とても大切な点を言っていただきました。まずは、これを運用して最大の効果を出すとともに、どのようにして先生方にスムーズにやっていただけるか、負担に感じずにやっていただけるかということも検討して、まず導入の紹介をしていく。併せて、これは数値化して目標値に設定するわけではありませんが、これで県の全体の学びを見ていきたい、我々も教育の効果を見ていきたいといったときに、では何か、それがあるから別に削れるものがあるかなというようなことも、ちょっと1年間検証して考えていって、バランスを取っていきたいと思います。ありがとうございます。
原山教育長
他にいかがでしょうか。
矢島委員
ありがとうございました。長野県教育委員会が推進してきた学びの改革の流れの中での学びの指標かなと感じました。
先ほど中澤委員がおっしゃっていたとおり、自分の良いところはどこがありますかとか、夢がありますかというのは、急に高校生になって発生するものではなくて、小さい頃からの積み重ねと周りの大人の関わりによって、自分の中での夢や希望がどんどんと大きく膨らんでいって、自分のことを大切でかけがえのない人だというふうに感じると思います。
ですから、この学びの指標の視点は、幼・保・小・中・高と全て一貫した、長野県がみんなで子どものことをしっかり考えていて、子どものいいところを見ていくというような、その姿勢が必要になってくるかなと思います。
そのためには、まずは当事者である子どもの声を聞いていただいて、子どもがこのような学びの指標に対してどのような考えを持っているのか、どのように感じるのか。少なくとも私が出会ってきた多くの子どもは、これは小学校から導入してほしいということを言っておりました。
なかなか学校に行かれないとか、それから自己肯定感が低い子どもたちは、点数や学力で評価されてこなかった。そうすると、自分は駄目なんだというような思いがとても強くて、でも周りから、こういうところがいいと一言言っていただければ自分の良さに気付いたりすることもあるのかなと思います。それによって自己肯定感が少しずつ高くなれば、学びたい姿勢だとか、探究心だとか、そういうところも出てくるかと思いますので、結果的には全ての子どもが安心して学べるような形になるかなと思うのが一点です。
それから、具体的な質問の中で、来年度実施される全県共通質問というところですけれども、これは学校独自の質問で生徒が記述するということですけれども、やはり記述して終わりではなくて、私はこれをきっかけに対話をしていただきたいなと考えています。
自分には良いところがあると思うということを、なかなか自分の中で見いだせない。そういう生徒さんに対しては、例えば、「先生はこういうところがいいと思うよ」というふうな一言を言っていただくことによって、「先生はこんなところを見ていてくれるんだ」というような大人に対しての信頼感だとか、また、そういう自分もいいかもしれないと気付くことも多いかなと思います。
また、こういうことを言うと、さらに先生方が多忙感を抱くのではないかという視点もあるかと思いますけれども、私は将来的に子どもが生きづらさを感じなければ、それは子どもにとっても、学校にとっても、周りの大人にとっても、今、多少の時間を割くことによって将来的にさらに負担感がなくなる。そこのところの時間というのは、何とか効率よく、業務をうまく回すような仕組みも必要になってくるかと思いますけれども、ぜひ対話をしていただきたいなと感じております。
以上です。
原山教育長
ありがとうございます。
どうですか。
曽根原学びの改革支援課長
まず、高校だけでなく、先ほど中澤委員さんから幼稚園や保育園のこと、幼児教育のこともお伺いしましたけれども、小・中でもということで、実際、小中学校で既に似たような自分自身を振り返るというようなことをやっている先生や学校もあることは承知しておりますので、きっと親和性は高いだろうと思っています。ですから、高校でやったものを小中学校のほうにも広めていくということは、これからも絶対できることだと認識しています。
また、やった子どもの声を聞くということで、例えば、来年試行をしますので、そんな中で高校生との対話、お話を聞くというようなこともぜひしていきたいなと思っています。
また、教師が返すということが大事ということで、私は本当にそう思っています。私自身、本当に頑張っていてすごいなと思っていた子が、実は自己肯定がすごく低いというものを見て、びっくりした経験があります。よくよく対面をして話を聞いたら、実は頑張っているのがもう限界に来ていて、いっぱいいっぱいだったというものをつかんで、私自身本当に足りなかったなと思って、それから接し方を変えて、今も元気でやっています。
このような経験を振り返ったときに、さりげないことなんだけれども、日常会話でちょっと声を掛けるときに、その声掛けの内容が変わったりであるとか、面談を行いますので、その面談の中で話題にしてちょっと触れたりというふうに、先生と生徒がつながって、学校が本当にみんなが学べる楽しい空間になってもらいたいなということを願って、そんなつもりで進めたいと思っています。
以上です。
原山教育長
他にいかがでしょうか。どうぞ。
中澤委員
もう一度お願いします。質問事項がすごく大切になってくると思うので、頭でっかちになる質問ではなくて、本当に心の中をさらけ出してくるようなというか、染み出てくるようなというか、そんな質問を何か考えていただけたらなと、お願いしたいと思います。
曽根原学びの改革支援課長
ありがとうございます。
原山教育長
他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、以上で報告事項の(4)を終了いたしまして、報告事項の(5)「新型コロナウイルス感染症影響下における児童生徒の状況調査報告書について」、松村心の支援課長から説明をお願いいたします。
松村心の支援課長
(資料説明)
原山教育長
ありがとうございました。
伏木先生には、この調査チームの代表を務めていただきまして、信州大学の皆様に大変なご協力をいただきました。本当に心から感謝を申し上げます。
伏木先生から一言お願いいたします。
伏木教育長職務代理者
合同チームの信州大学側の代表を務めました伏木です。松村課長から概要の説明がございましたので、私からは個人的な感想だけ補足させていただきます。
この手の調査は、調査項目と選択肢の作り方で、調査側が得たい結果へ誘導しがちなんですけれども、本調査においては全くそうした意図を擦り込まず、また、回答データから分かることだけを厳密に報告書にまとめたものです。なので、推測などは挟んでおりません。
結果として、他機関で行われた同様の調査結果との違いはそれほどなく、調査を実施したからこそ明らかにできたというものはそれほど多くはありませんでした。
全体的には、子どもの学びを止めないという先生たちの真摯な姿勢が感じられましたけれども、その一方で、ほとんどの学校でICTが日常的に使われていなかったんだなということを再確認する結果になりました。
この時期にこういう調査をした結果は以上ですが、私の予想としては、恐らく、このコロナ休業やソーシャルディスタンスが、この後ボディーブローのようにじわりじわりと、何らかの形で子どもたちに影響を与えることがあるのではないかと、短期間で現れるものと、そうではないものがあるだろうなという気がしています。
また、信州大学も今回は入学式典をやっていませんけれども、仲間づくりのチャンスを大きく奪われた新入生等に何か保障していくべきことがあるのではないかということを、絶えず気にしながら、これから見守っていく必要があると感じております。
今回の合同チームの研究の最も大きな成果かもしれないと個人的に思うのは、大学と教育委員会がこのように本当にフラットに合同チームを結成して、集まったり、オンラインで議論したり、メールで審議したり、委員同士の間で活発に意見交換ができました。学びの改革支援課、心の支援課、義務教育課、特別支援教育課、高校教育課が合同し、さらに次世代サポート課まで参加してくださったこともあります。
県庁の中で縦割り行政の問題がいろいろ指摘される中で、こんなふうに課を越えて一緒に同じ課題に向き合ったということはあまりなかったのではないかと思います。それを信州大学メンバーと一緒に、これだけ皆さんお忙しい中、特に課長さんたちには本当にご苦労いただきました。なかでも松村課長は、私とのメールのやりとりが深夜になることが多く、本当にご苦労いただきました。県と大学が同じ方向を向いて、こんなに一生懸命にやれたんだなあという、本筋ではないところでちょっとうれしい思いをしております。こういう機会を与えていただきました教育長に、御礼を申し上げます。ありがとうございました。
原山教育長
伏木先生のお人柄だと思っております。本当にありがとうございました。
何かご意見、ご質問あればお願いいたします。どうぞ。
矢島委員
本当に素晴らしいなと率直に思いました。子どもたちにとって安心な学校というところを考えた上で、とても大きなヒントになる調査で、非常に興味深い内容になっているということを実感しました。
私から二つありまして、少しずれるかもしれませんけれども、不登校の背景の一つに、要支援、要保護児童の家庭において、コロナ禍においては、特に一斉休業中にはリスクが高まる可能性があります。そのような状況の中で、支援者同士が実際に集まって会議ができない。それは、今までICTによる支援者会議が行われていなかったので、そういうことが一切できずに、じゃあ誰がどのような担当をするのか、何をするのかということさえも、できるのはもう電話で一方的な、もう本当に一対一のやりとりにしかならずに、結局支援ができないような状態になっていることが、結果、不登校にまたつながってしまうというようなことがあったかと思います。
ICTの活用ということで、例えば、電子@連絡帳というサービスがあるんですけれども、病院とかも活用していますけれども、そのようなICTを使った支援者同士の情報共有ということを、これを機会に考えていただきたいなというふうに思います。誰が、いつ、どのように関わるのかというのを本当にすぐにできる。緊急性のある子どもたちにとっても、とても必要なことかなというふうに思いました。
それからもう一つとして、今後1人1台タブレットが配られるということでしたので、タブレットの中に例えば相談先のアプリなども入れておいていただければ、何か困ったときにそこから相談ができるような形になったら相談しやすく、それからつながりやすいかなというふうに思いました。
最後のほうにもつながるということがとても重要だということが書かれていました。私も本当につながること、とにかく孤立させないということが子どもたちにとっても必要かと思いますので、ぜひまたこれを機に、学校の在り方ということも再考する必要があるかなというふうに感じました。
以上です。
原山教育長
ありがとうございました。
どうですか。
松村心の支援課長
ありがとうございます。支援者同士のやりとりでいろいろなことがあったというのを、私は初めて伺いました。
例えば、当課でやっているスクールカウンセラーについてですが、普通はカウンセラーと対面でカウセリングするのが効果があり、ズーム等を使ったカウンセリング、あるいは電話でもいいですということを可能にして、今、幾つかやっていることがあるんです。支援者同士というと、今度はSSWとSCとか、子どもにまつわる支援者同士のつながりというのも、そういったことを参考にして考えていければなというふうに今、感じました。
それと、1人1台のパソコンの中に相談先のアプリは、いいものがあったら教えていただきたいと思います。ぜひ、そんなこともあれば積極的にと思っています。ありがとうございます。
原山教育長
ありがとうございます。
矢島委員
例えば、スクールソーシャルワーカーとスクールカウンセラーのつながりと、要保護児童対策地域協議会のような児相とつながっていたりだとか、そういうところと要対協の集まりみたいなものが、インターネットでの支援者会議みたいなことが学校間だけではなくてできればいいかなと思います。校種を越えた、要対協はいろいろな職種が入りますので警察が入ったり、それ自体の支援者会議がICT活用でできればいいかなと思いました。
相談先のアプリは、例えば長野県の教育委員会がやっているLINEの相談先、そこにすぐつながれるとか、何かそんなことができたらいいかなと思います。
原山教育長
ありがとうございます。1人1台端末の活用に関して、曽根原課長どうですか。
曽根原学びの改革支援課長
今まで学校では1人1台端末がなく、ICTの活用というと大型提示装置を使ったりする活用はされてきたんですが、まさか急に1人1台という、コロナを予想していなかったということですが、これを機に1人1台が入りますので、例えば、ある子は発展問題とか、ある子は学び直しができるというような個別の学習もできますし、それからクラウド上に一つの課題があると、それをみんなで共有して同時に書き込む。昔は、模造紙にみんなで膝をつきながら書いていたのが画面上で共有しながらやれるとか、学びが豊かに広がっていきます。
さらに、時間と空間の制約も取り払うことができるので、学校に行けない子なども授業をオンラインで流したり、または課題をやって先生とやりとりしたりという可能性はとても秘めているので、そういうことを実践的にやっていただけるような学校も、今、ピックアップして探っているところです。
そういうことが普通に行えるような学校になるように努めていきたいと思います。
原山教育長
今、矢島委員からご提案されたような相談アプリが1人1台端末の中にきちんと入っているとか、学びもそうなんだけれども、学びの前提条件となる安心感みたいなものをちゃんとつくってあげられるような、そういうことも考えてもらったほうがいいと思っています。お願いします。
曽根原学びの改革支援課長
分かりました。
原山教育長
他にいかがでしょうか。よろしいでしょうか。
これについては教育委員会定例会の後に、伏木先生と記者会見をやらせていただきますので、今、松村課長から概要で説明はしていただきましたけれども、実は報告書の中身のところを読むと、非常に生々しく先生方の思いも伝わってきますので、そんなところも併せて、ぜひこの後の記者会見の中でも触れていただければありがたいなと思います。お願いいたします。
それでは、次の報告事項に移りたいと思います。次に報告事項の(6)「第82回国民体育大会の名称改正について」、それから報告事項(7)「第82回国民スポーツ大会・第27回全国障害者スポーツ大会競技会場地市町村の選定について」、滝沢国体準備室長から説明をお願いいたします。
滝沢国体準備室長
(資料説明)
原山教育長
ただ今の説明につきまして、ご質問、ご意見があればお願いいたします。よろしいでしょうか。それでは、以上で教育長の報告事項(6)、(7)を終了いたします。
以上ですが、その他、何かあればお願いいたします。よろしいでしょうか。
それでは、以上をもちまして第1071回長野県教育委員会定例会を閉会いたします。どうもありがとうございました。
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