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更新日:2025年10月27日
長野県知事 阿部守一
それでは本日の会見を始めたいと思います。私からは最初に3点お話をしたいと思います。
まず1点目ですけれども、9月3日付けで全国知事会の会長に就任することとなりました。東京で会見を開きましたが、今日もその時の資料をお配りしているかと思います。知事会のスローガンが「現場から、日本を動かす。」ということで、私としては大きな変革期に当たる日本において、知事会としては、現場の視点を各知事は持っていますので、国民・住民の思いをしっかり受け止めながら、現場から日本がより良い方向に向かっていくことができるように、問題提起であったり、行動をしていきたいと思っています。また、国に対しては財政の持続可能性であったり、地球環境の持続可能性であったり、あるいは社会保障の持続可能性であったり、さらに人口減少の中でのそもそも地域社会、日本としての持続可能性であったり、やはり中長期的視点で考えるべき課題がたくさんありますので、ぜひ長期的なビジョンに立った構造的な改革を求めていきたいと思います。知事会は、いわゆる地方6団体の一員ですので、全国市長会・全国町村会、さらには三つの議長会ともしっかり連携しながら取り組んでいきたいと思っています。取組の重点テーマを四つ掲げました。人口減少対策、ジェンダー平等の推進、そして国と地方の役割分担の改革、さらには地方自治・民主主義のアップデートということで、それぞれ関係の委員会、本部とも連携しながら各県知事のお力をいただきながら進めていきたいと思っています。知事会長としての仕事を行う基盤は長野県ですので、私にとっての現場はまさに長野県です。そういう意味で知事会長としての仕事も通じて、ぜひ長野県がより良い県として発展していくことができるように、また県民の皆様の暮らしや、あるいは各地の企業や産業がより良いものになるように、活力が出てくるように長野県の取組ともしっかり連動させながら知事会長としての職責を果たしていきたいと思っています。ぜひメディアの皆様にも御支援、御協力をいただければありがたいと思いますのでよろしくお願いします。
長野県知事 阿部守一
それから2点目ですが、信州住宅フェア2025の開催についてです。毎年10月が住生活月間として定められているわけでして、国土交通省を中心にしながら住生活に関する総合的な啓発活動を実施してきています。今年は、本県で初めて第37回住生活月間中央イベントとして「住まいフェスin長野」が開催されます。これに併せて長野市と長野県、住宅や木材などの関係団体で連携して、地方イベントとして「信州住宅フェア2025」を初めて開催します。日程はそこに記載していますように、10月11日・12日の2日間で、会場は長野市真島総合スポーツアリーナ、ホワイトリングです。入場は無料です。このフェアにおいては、耐震化や省エネ住宅の最新情報をご提供することとしていますし、また住宅メーカー等による相談ブースも設置しています。子どもの体験コーナーやコンサートなど多彩な催しがありますので御家族で楽しみながら御来場いただくことができると思っています。併せましてしあわせバイ信州「県産品フェア」、木質バイオマスストーブ啓発イベント「あったか信州!炎のぬくもり体験会」も同時に開催します。こうした取組を通じて「持続可能な暮らし」あるいは「信州の自然と地域に寄り添う暮らし」といった長野県が目指すライフスタイルの発信を行っていきたいと考えています。ぜひ多くの皆様にお越しいただければと思っています。報道機関の皆様にはぜひ情報発信について御協力をいただければありがたいと思っています。
長野県知事 阿部守一
それから最後3点目ですが、長野県の発信力を高めようということで、広報パートナーを今年の4月に委嘱しています。今般「移住×(かける)信州やまほいく」というテーマで、広報パートナーによる発信を開始しましたのでお知らせします。
<動画音声>
長野県知事 阿部守一
ということで、ほかのパートナーの方も発信していただいていますが、今日は一つだけご紹介しましたけれども、「信州やまほいく」は私もいろいろな所で口でああだこうだお伝えしていますけれども、百聞は一見にしかずで、こうやって動画で発信しないとなかなか分かっていただけない部分が多いなと改めて感じています。今回発信していただいた広報パートナーは6組いらっしゃいます。8月20日から「移住×(かける)信州やまほいく」をテーマに動画を投稿していただいています。YouTubeに私の知事会見も映像を載せているわけですが、大体数百回ぐらいしか再生回数がないということで、この会見自体の発信の仕方も工夫していかなければいけないなと思っていますが、今回広報パートナーの皆様の動画の総再生回数が約2週間で64万回ということで、非常に多くの方にご覧いただけている状況になっています。その結果として、8月における長野県に対する移住関連資料の請求件数は前年同期に比べて約2倍に増えていますし、またこの投稿について好意的なコメントが多数寄せられているところです。「長野県は教育に力を入れているって聞いてたけど本当に素晴らしい。最高ですね」「我が子たちも通わせたかった」「これは最高すぎる。自然保育いいよな」とか、非常に良いコメントを寄せていただいていますので広報パートナーの皆様にお願いした成果が一定程度上がっているのではないかと思っています。今後も「大糸線の活用促進」、あるいは「移住×(かける)農業体験会」などをテーマにして様々な発信を行っていきたいと思っています。この広報パートナーが作成された動画については県公式YouTubeチャンネルにも掲載していますので、ぜひチャンネル登録して御覧いただければと思っています。引き続き県全体としての発信力の強化に努めていきます。私からは以上です。よろしくお願いします。
朝日新聞 高木 氏
長野県石油商業組合に対する対応ですが、再回答が先般参りましたが、その後の県としての対応方針を教えていただけますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
石油商業組合に対しては追加で報告をいただいたところでして、今、担当課において内容の精査を行っているところです。私も内容を拝見していますが、やはり違法行為を認識していなかったというような記載もあって、やはり組織的にはコンプライアンス意識が不足していたのではないかなと思われる部分がありますし、またこれからいろいろ改善していただかなければいけないわけですが、例えば公益通報窓口の設置などについては有効な形で設置されるよう長野県としても求めていきたいと思っています。事実関係の認識等については更に内容をよく確認することが必要な点もあると思っていますので、引き続き中小企業団体中央会とも連携しながら石油商業組合の運営が適正になされるよう対処していきたいと考えています。
朝日新聞 高木 氏
具体的な対応については方針がございますか。具体的に今後どういった対応をされるかという話については。
長野県知事 阿部守一
まず、先ほど申し上げたように追加で聞取りをして確認しなければいけない点があると思っていますし、また石油商業組合の方で、こういうところを改善していきますとおっしゃっていただいている部分も中小企業団体中央会の皆様と連携して、やはりしっかりした対応を行っていただけるように求めていきたいと思っています。
読売新聞 桜井 氏
今の質問に関連してですが、知事が今、追加で聞取りをしていきたいとおっしゃったのですけれども、法律に基づいて2回報告を石油商業組合に求めているのですけれども、同様の形で3回目の報告を法律に基づいて求めていく理解でよろしいものなのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
文書でのやり取りだけではやはり限界があるので、直接補足的に聞取り等も行っていきたいと思います。
読売新聞 桜井 氏
そうしますと、今後担当課、県庁なりに石油商業組合の関係の方に来庁いただいて事実関係の聞取りをするという。
長野県知事 阿部守一
それはこちらから伺うか、来ていただくか、まだそこら辺の細かいところは決めていませんけれども、いずれにしても文書で2回報告いただきましたが、やはり対面でしっかり内容を確認したいと思っています。
読売新聞 桜井 氏
ちなみに今回法律に基づいた報告では2回とも公表していただいているのですが、対面での聞取り調査の結果というのは現時点でどんなふうに公開するのかですとか、どのように考えていらっしゃるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
前回もメディアの皆さんからはプロセスを明らかにせよと言われていますので、そこは知らないうちに聞き取っていたみたいなことにならないようにはしなければいけないと思いますが、ただ全面的に公開するような内容ではないので、しかしながらどういう対応をするかはしっかりお伝えしながら進めていくようにしていきたいと思います。
信濃毎日新聞 浜田 氏
石油商業組合の関係で再報告を求められる方針ということですが、具体的に今回の2回目の報告の中で不足していると感じられた部分は具体的にどの部分かというのを今精査中の段階ではあると思いますが、現時点で言えるところがありましたら教えてください。
長野県知事 阿部守一
一応再報告というか、今申し上げたように、また文書でやり取りしていても分からないところが残って、また同じやり取りをしなければいけないので、今度はいただいた報告を基に口頭で聞取りをしていきたいと思っています。今、手元に資料がないので、どこということは具体的に申し上げられないですけれども、担当課の方で今内容をよく精査していますので、そんなにたびたび聞取りをしなくてもいいように、県として聞き取ることをしっかり整理した上でお話を伺っていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 浜田 氏
今回、9月2日に出てきた報告書の中には、どうして違法性の認識がなかったのかという、その理由のところに言及がなかったかと思います。違法性(の認識)がなかったこと自体がコンプライアンス意識の緩みなのかなと個人的には感じました。一方で第三者委員会は組織ぐるみで価格調整があったと認定していて、食い違いというか矛盾がある状態なのかなと思います。県民にとってもふに落ちない状況かと思いますが、知事としてはこの矛盾というところはどのように感じていらっしゃいますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
先ほども申し上げたと思いますけれども、違法行為を認識してなかったと表現されている部分がありますが、これは一個人とかであればそういうケースもあるのだろうなと思いますが、これはしっかりとした組織ですので、もし本当にそうした認識が欠如していたということであれば、それはやはり組織に課題があるだろうと思わざるを得ないのではないかなと今の段階で私としては感じています。
信濃毎日新聞 浜田 氏
その部分についても追加の聞取りでは質問をしたいという方針でよいでしょうか。
長野県知事 阿部守一
今、担当課がどうするか整理をしている状況ですが、本来は組合員に対してやはりコンプライアンスを徹底する立場ではないかなとは私は思っていますので、そういう意味では組合としてこれだけ世の中的には、今回の問題に限らずですけれども、コンプライアンスの問題が重要視されてきている、かつてに比べればいろいろな組織で相当程度コンプライアンスに気を使って対処してきていると思いますが、そうした状況の中で本当にそういう問題意識がなかったのかどうかは、非常に組織のあり方としても重要な論点ではないかと思います。
信濃毎日新聞 浜田 氏
最後になりますが、組合側が再発防止などの対応についてコンプライアンス宣言とか、遵守マニュアルの作成、あと講演会の企画、それから公益通報窓口の設置などについて挙げてきているかと思いますが、こうした対応は十分だと感じられましたでしょうか。
長野県知事 阿部守一
いろいろ改善の方策を、今お話があったようにお示しいただいていること自体は望ましいことだと思いますが、ただその一方で具体的な内容が必ずしも明らかではないこともたくさんありますので、そういうところは確認していかなければいけないと思いますし、先ほど申し上げたように、県としても中小企業団体中央会とも連携して必要な対応を求めていくことも場合によっては必要になってくるかなと思っています。何よりも、やはり石油商業組合、あるいは本当に県民の皆様のガソリン価格に対しての信頼が揺らいでいる状況ですので、そういう意味で組合自体しっかり襟を正して信頼回復に努めていただきたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
知事会長就任おめでとうございます。
長野県知事 阿部守一
ありがとうございます。
市民タイムス 萩原 氏
重点スローガンの関係で、特に3番、国・地方の役割分担の改革のところで、「従うべき基準など国の過度な関与の見直し/業務に見合った財源のあり方の検討」とありますが、具体的にどこら辺がどう過度な関与か等々、具体的にお話いただければと思います。
長野県知事 阿部守一
数次にわたる地方分権改革で機関委任事務がなくなったり、いろいろ国と地方の関係も改善されてきている部分はたくさんあると思っています。ただ全体として見ると、いまだに上意下達的な関係性は制度面だけではなくて、例えば補助金の事務であったりとか、従うべき基準であったり、かなり残っているというのが私の感覚です。やはりこれから大都市部と地方部では置かれている状況が相当違ってきていると思います。例えば公共交通で申し上げれば、まだ大都市は運賃収入で一定程度運行経費を賄える路線もありますが、地方の路線はほとんど路線自体として赤字という状況の中で、行政としての取り組み方、関わり方が違ってくる中で、国が一律の基準を定めているということでは、なかなか実情に合った、そして国民・住民が求めるような仕組みを作っていけないと思っています。あるいは従うべき基準では、例えば国の省令でこういうことを決めてくださいということを都道府県レベルの条例で定めたりするケースがあるのですが、これは確かに従うべき基準とされているので従わなければいけないのですが、私は国の一省庁の省令で定めるものよりも、私たちの条例の方が、住民の代表が定めるものですから、本来はもっと力があるというか、例えば条例でもっと省令とは違うことを定めてもそれは住民の民意だということで尊重されるような仕組みがあってもいいのではないかなと思っていますが、今は逆に国の省令どおりに条例を書いて、ある意味国が決めたとおりにやっているのに条例化するということは、これは最終的な責任は県議会であったり県が取る形になるので、それだったらもう国が最初から責任を持って自分で決めてくれればいいのになということもあります。そういう意味では、ある意味地方分権の流れの中で宙ぶらりんな状況になっている事務がたくさんありますし、何より最初に事務の再整理と書きましたけれども、やはりもう一度、国と地方の役割分担のあり方は大きな視点で見直す必要があると思っています。長野県からはいつも求めていますけれども、子どもの医療費についても全国の都道府県・市町村で制度化していますが、国は全く対応していないと。これだけ子育て支援が大事だという状況になっていながら、しかも今、都道府県・市町村によって制度がバラバラになっていますので、やはりもうナショナルスタンダードとして国が制度を一本化して、国の責任において取り組むべきではないかと思っていますし、そうしたことだけではなくて、例えばデジタル化が進む中で、今までの国と都道府県と市町村との関係性も大きく変えられる部分がだいぶ出てきているとも思っていますので、そうしたことを考えれば、やはりもう1回、戦後まもなく今の地方自治制度ができてもう80年近くなりますので、やはりこうした役割分担そのものにしっかり向き合っていく必要があると思いますし、これらは知事会とか都道府県・市町村だけでは変わりませんので、ぜひ国、政府、与党、あるいは各政党が問題意識をしっかり持っていただけるように取り組んでいきたいと思います。
市民タイムス 萩原 氏
役割分担の部分で権限移譲みたいなものもかなり求めていくことになるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
権限というか、かなり日本の国と都道府県関係、市町村関係、あるいは国・地方の関係は結構事務は都道府県、市町村がかなり担っていますが、財源とそれから今申し上げたように主体的な権限、国の機関委任事務がなくなったとはいえ、いろいろなルールを国が決めているので、国が決めたとおりやらなければいけないことが多いということで、そういう意味でやはり財源と関与の部分は一番大きいですね。やはり事務については、逆に分権一方方向ではなくて国においてしっかり担っていただくものは改めて担ってもらいたいと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
今おっしゃった財源・権限の部分は繰り返しになってしまいますけれども、見合ったものをこちらにもらってくるというか、移譲を求めていくという。
長野県知事 阿部守一
そうですね。とにかく仕事をどんどん増やされていますよね。もちろん必要な仕事が多いと思いますが、それに併せてやはりわれわれ自体の主体的な権限も増やしていってもらいたいと思いますし、財源もしっかり担保してもらいたいなと思っています。
市民タイムス 萩原 氏
先日東京の方でやられた会見も見たのですけれども、あそこでの東京の記者さんとのやり取りを聞かせていただいて、もちろん当たり前だけど会長を2年間やるのが前提でお話しをされていて、そうするとやはりこちらにいる記者としては5期目が白紙というのと矛盾しているのではないかと感じてしまう部分もあったのですが、改めてなぜ5期目白紙に、こだわるという表現は失礼になりますけれども、白紙という形にしているのかという部分をお話いただければと。
長野県知事 阿部守一
こだわるという感覚ではなくて、ものの道理として知事の職にいるから知事会長をやれている状況ですので、知事の職でなくなれば知事会長ではもう自動的になくなりますので、そういう意味で長野県知事としての役割の方が私としてはまず基盤としてあると思っています。そういう意味で知事会長であるから自動的に次の選挙に立候補するという発想には少なくとも私自身は立っていません。
市民タイムス 萩原 氏
これで最後にしますが、別件で先日、松本空港の沖縄便がまた今年も就航するということでリリースがありましたけれども、今後の沖縄との交流の展望と、改めて松本空港の活性化の展望、その2点を最後にお願いします。
長野県知事 阿部守一
沖縄県との交流は、これからももっともっと増やしていきたいと思いますし、いろいろな皆さんの御協力でチャーター便も就航いただいていますので、こうしたチャーター便も、より便数が増えるように取り組んでいきたいと思っています。松本空港自体はやはり地域の皆様の御理解と御協力をいただきながらより活性化を図っていきたいと思っていますし、県としては空港施設の充実も含めて必要な投資はしっかり行っていきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 長山 氏
一つ戻って知事会長の関係でお伺いします。先日の会見を私も拝聴しまして、男女共同参画推進本部の立ち上げですとか、ジェンダー平等の推進に力を入れていくお考えを感じました。長野県の取組が知事が会長になったこともありまして、注目されていくと思うのですが、今後こういった分野についてはどういったことをやっていくかなど、今何かビジョンなどありますでしょうか。
長野県知事 阿部守一
この分野は山形県の吉村知事に本部長をお願いしました。吉村知事とも少しお話をしていますが、吉村知事は女性の立場でもあるわけで、やはりこの分野は非常に強い意思をお持ちでいらっしゃいます。これまでも吉村知事のもとでプロジェクトチームとして国に対して様々な提言・提案をしていただいていますけれども、今回本部に格上げしますので、全国の知事と力を合わせて制度的な面については国にしっかり改革・改正を求めていきたいと思っていますし、もう一方で固定的役割分担意識は、国民の意識の問題でもあります。とりわけ大都市部に比べると地方部においては、まだまだ固定的役割分担意識が強いのではないかと御指摘をいただいていますので、そうした部分は知事会としての発信を行うと同時に、やはり各都道府県でも具体的な取組を進めていけるように各都道府県とも連携していきたいと思っています。
日本放送協会(NHK) 長山 氏
何か県としてこういったことをやっていきたいとか、なんかそういったところはいかがですか。
長野県知事 阿部守一
私の基本姿勢の1、2、3と書かせていただいた一つ目のところに、『現場発の「政策提言」と都道府県の「率先行動」』と書いています。これは今後各本部長・委員長とも御相談させていただこうと思っていますけれども、これまで私が本部長を務めた脱炭素・地球温暖化対策本部では、みんなで統一して行動しようということで、例えばこれから購入する公用車は原則電動車両にしようといったようなことも含めて、ある意味申し合わせをして一緒に取り組んでいますので、ジェンダー平等の部分においても何らかのそうした取組ができないだろうかと私としては考えています。まだこれから各知事とは相談しなければいけないと思いますが、そうしたことを一緒に行っていくことができればありがたいなと思っています。
中日新聞 林 氏
石油商業組合の関連ですけれども、聞取りの日程というか、まずは庁内での精査が先だと思いますけど、その上でいつ頃までに聞取りをやりたいかみたいな目標だったりというのはあるのでしょうか。
長野県知事 阿部守一
担当課の方からご説明したいと思います。
産業政策課長 渡邉雅道
聞取りについては知事が申し上げているとおり、現在内容を精査していますので、精査終了後できるだけ速やかに行いたいと思っています。できれば可能な限り今月の早いうちにできればと思って進めています。
中日新聞 林 氏
昨日の話なのですけれども、中部経済連合会との懇談会があったと思います。ある意味、県の150周年とも絡む話ですが、比較的放っておいても観光客が来る東北信と、それからなかなか呼び込まないと来ない中南信というところがあるかと思うのですが、昨日観光客、インバウンドとかの平準化みたいな話を知事からお話されたという話を中部経済連合会の方からは聞いているのですが、改めて知事として昨日話した内容で、こういうところを求めたというところを伺えればなと思うのですが。
長野県知事 阿部守一
中部経済連合会の皆さんも広域観光は一生懸命これまでも推進していただいていますし、比較的中部経済連合会の皆様の御評価では、中部経済連合会のエリアの中でも長野県は順調にインバウンドのお客様が来ていますよねという御評価をいただいています。ただ、今御質問にあったように、県内もやはり地域によってだいぶ状況が違っていますし、特に南信地域ですよね。伊那谷等、どちらかというと中京圏に近いエリアが県としてもインバウンドのお客様を増やす上では課題だと思っていますので、そういう意味では広域での周遊観光も含めてしっかり中部経済連合会の皆さんとも連携していきたいと思っています。知事会の話になってしまいますけれども、知事会では来年のアジア競技大会・アジアパラリンピック競技大会の本部を設置して私が会長になりますので、アジア競技大会に各国から多くの皆さんがお越しいただきますが、そうしたものも地域をもっと広く周遊していただくことができるように取り組んでいく必要があると思っています。
中日新聞 林 氏
昨日、リニアの話も少し向こうから感謝されたという話と、お互い乗り越えていきましょうという話があったと伺っているのですが、開通すれば自動的に便が良くなってというところがあると思うのですけれども、いわばつなぎに当たる部分がやはりどうしても課題になるのかなと思うのですが、そこは中部経済連合会との連携を深めるみたいな、そういうよく言われること以上にもう少し具体的な何かがないとなかなか動かないのかなと思うのですけれども、知事会長にもなったわけですが、その広域での連携というのはどういうところがもう少し踏み込んだ話でやっていけるかどうかというと、どういうふうに考えられますか。
長野県知事 阿部守一
リニア関係においてはJR東海の柘植副会長も出席されていましたので、リニア整備についての協力についての感謝の言葉もいただきました。県は、やはりリニア中央新幹線を観光においても生かしていかなければいけないと思いますし、今リニア駅をどう生かしていくかを地元の皆さんとも一緒に考え始めていますので、そうしたことをしっかり今後は進めていきたいと思っています。観光の観点で申し上げれば、私が少し言及したのは来年長野県は宿泊税の導入を予定していますが、お話の中で、例えば木曽地域は特急しなのの利用客は結構外国人の利用客が増えていますが、木曽に滞在した時に私が泊まった宿泊施設は、例えば初日は朝ご飯を食べる時もほとんどわれわれ以外はみんな外国人みたいな感じだったので、相当外国の方がいらっしゃっているなと感じましたが、やはり鉄道が走っていて比較的来やすいという背景もあると思います。そういう意味で宿泊税を使って二次交通をもっと便利にしていきたいというお話もしていますので、そういったことを通じてこれまでなかなかマイカー等がなければ行けなかった、外国人の皆さんにとってはなかなかアクセスが難しかった、そういう観光地にも多くの人にお越しいただけるように取り組んでいきたいと思います。
共同通信 奈良 氏
今の話にちょっと関連する部分があるかなと思うのですが、国で新しく制度を創設した広域リージョン連携のことで伺いたいと思います。長野をはじめとする中部圏は当初の候補には挙がっていないですが、この制度に対する評価と長野県として広域リージョン連携ができる可能性というか、今見据えているビジョンがあれば教えてください。
長野県知事 阿部守一
広域リージョン連携については関西広域連合等、非常に積極的に御検討されているところがある一方、本県はいろいろなエリアと、何しろ八つの県と県境を接していますので、いろいろな地域との関係性があるのでなかなかここだけという感じではありませんが、ただ中部圏の皆さんとのつながりは非常に重要だと思っていますので、今後はそうした広域リージョン連携の活用も含めて関係する皆さんとは一緒に考えていかなければいけないと思っています。ただ、そのときに長野県は地域によって向いている方向が違うので、一つの連携だけでいいかというと必ずしもそうではないので、少し長野県としてのあり方については、よく頭の体操をしていかなければいけないなと思いますが、中部圏でのつながりは非常に重要なつながりだと思っていますので、ぜひ検討を深められるようにしていきたいと思っています。
長野日報 林 氏
今日の話以外で恐縮ですが、冒頭、知事会長として長野県を現場に(して)取り組んでいくというお話がありました。そこで一つお伺いしたいのですけれども、最低賃金の関係です。また変わりまして10月から新しくなるわけですが、長野県が所属しているBランクは63円増というのは8月に中央最低賃金審議会で示されて、長野県の議論がされて、そのまま同額の63円の引上げとなったわけですが、同じBランクの中でも自分の調べですが、同額だったのが長野・静岡・滋賀の3県かと認識しているのですけれども、他のBランクの県ですと、例えば山梨だったら1円多い64円の増額となっています。個人的には地方創生の中で極端な話、東京よりも長野県の賃金の方が高ければより人が集まりやすいというところもあるかと考えているのですが、そうした中で改めてこの間お話くださったのですけれども、改めて長野県の今回の引上げ額についての受け止めと、全国知事会長として恐縮ですが、地方の賃上げの加速化についてどう考えているのかというところを教えてください。
長野県知事 阿部守一
まず、本県は全国の目安値どおりという形になっています。これは労使双方と中立的な立場の皆さんが議論した結果だと受け止めているところです。この問題は働いている方にとっては上がれば上がるほどいい。一方で賃金を支給する側からすると、なかなか今いろいろな物の価格が上がっている中で賃金もどんどん上がってしまうと、なかなか経営的には厳しくなってしまう企業もあるという中でのギリギリの判断だと思います。私としては全国的な視点で考えれば、これは目安値を上回って引上げていく都道府県がどんどん増えていっていることは、やはり今の物価上昇局面において賃金を引上げることによって経済的にもいい循環をもたらしていかなければいけないという問題意識が広まっているのではないかなと思っていますので、そういう意味で日本全体の動きとしては、個々の企業にとっては厳しい側面もあるかと思いますけれども、世界の今の水準から比べるとまだまだ日本の賃金水準は上がっていかなければいけないところもありますので、そうした方向性がこれからも一定程度続いていかなければいけないのではないかと思っています。ただその一方で、全国知事会の立場とすれば住民の皆様の所得向上が図られる観点ではいいですが、先ほどから申し上げているように、やはり企業の経営に対してのしっかりとしたサポート、生産性がしっかり上がるような取組が必要だと思いますので、こうした点は国にしっかり求めていくことが必要だと思いますし、長野県としても、そうした企業がこの賃金引上げの動きにしっかりと対応していくことができるような支援を考えていきたいと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
自民党の総裁選について受け止めをお伺いします。まもなく前倒しの実施をするかどうか決まりますが、既にもうこの間の議論で政治空白を生んでいるというような指摘もあったり、衆議院解散の可能性も取り沙汰されているような状況です。知事会長として掲げたものを実現していくには、与党を中心に国政制度の安定というのも一定程度必要かと思うのですけれども、自民党総裁選を巡る現在の状況というのを今、知事がどう受け止めていらっしゃるか教えてください。
長野県知事 阿部守一
これは自民党の総裁選ですので、どうあるべきかはまずは党内でしっかり考えていってもらいたいなと思います。ただ知事の立場であったり、全国知事会でいろいろな要請をしている立場からすると、今取り組むべき課題はたくさんあります。取り組むべき課題は政府、あるいは国会で向き合っていただかなければいけない、前進をさせてもらいたい、あるいは解決方法を見出してもらいたい、そうした課題は率直に言ってたくさんありますので、そういう意味ではどういう形がいいのかは私は分からないところがありますが、やはり政治がしっかり日本の国を引っ張っていけるような体制を早く作っていってもらいたい。それは今の形のまま自民党内が結束することが近道なのか、それとも今の状態を変えていくのが近道なのか、それはおそらく自民党の皆様でなければ分からない部分がありますが、いずれにしても様々な課題にしっかり向き合って、具体的な動きを作ってもらいたいと。おそらくこれは地方の思いであると同時に、国民の皆さんの思いでもあるのではないかなと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
もう1点、東京都との関係についてお伺いします。知事会長に就任した日に翌日都知事にも就任挨拶に伺うというようなお話をされていたと思いますが、その場で東京都の一極集中の是正は知事会の大きなテーマであると思うのですが、そういったことの議論の進め方ですとか、そういうことは話題になったのかどうかというのを教えていただけますか。
長野県知事 阿部守一
小池都知事のところには就任の御挨拶で伺いました。今日皆さんにお配りした資料は概要版になっていますが、3日の会見で使ったそのものの資料を小池知事にもお示ししながら、こうしたテーマで取り組んでいきたいと考えているのでぜひ協力してもらいたいとお話をしたところです。例えばナショナルスタンダードと言える業務の国の事務化等はいろいろ東京都も先進的な取組をされている中で、やはり国がもっと踏み込んで対応していただかなければいけない部分がありますので、そういう部分についてはぜひ連携していきたいなと私としては思っています。東京一極集中の問題については、やはり東京都の立場からするとなかなかここは東京都としての考えが強固におありになられる状況だと思います。私としては全国知事会が協力しながら取り組んでいけるようにぜひ頑張っていきたいなと思っています。
信濃毎日新聞 河田 氏
最後に東京都と他の地方の状況は知事がおっしゃるとおり、だいぶ違うところがあるかなと思っていて、一方で東京都と対立しないで知事会内の議論をまとめることも会長として問われるところだと思います。知事が前におっしゃっていたのですが、地方も東京もウィンウィンの関係にあると、これはなかなか難しいなと思うのですが、私はイメージができなくて、地方も東京もウィンウィンの関係になる姿というのはどんなふうな将来像を考えていらっしゃるのですか。
長野県知事 阿部守一
これは小池知事にも申し上げたのですが、やはり双方の課題をお互い理解し合うことが必要ではないかなと思っています。私は東京で生まれ育った人間ですので、東京の良さであったり、今の東京とはだいぶ違う昔の東京ではありますが、東京の課題も人口密集における課題であったり、あるいは地価が高い地域における課題だったり、そうしたものも一定程度分かっているつもりではありますが、一方で地方は先ほどの例えば公共交通をはじめとしてそもそも人がいなくなって何も機能しなくなり始めているといったようなことで、問題が非常に質的に違ってきているのではないかと。私が公務員になり始めた頃は、まだ過疎・過密ですねというぐらいで、例えば交付税でも人口急増補正があったり、急減補正があったりみたいな形で、人口が増えたり減ったりというところの調整である意味対応してきた時代がありますが、私が今感じているのはかなり質的に違ってきているのではないかと思います。大都市はやはり世界と戦ってもらわなければいけない。世界の街と競争することが重要な役割だと思いますし、その一方で地方部においてはやはり地域の暮らしをどうやって存続させていくのかということで相当課題感の質的な差ができてきていると思っています。やはりこうしたことをお互いがしっかり共有していくことが大都市と地方が共存していく上では重要だと思いますし、一方、地方でどんどん人が少なくなって、例えば農業の担い手がいなくなってしまうということになれば、これは大都市も食料は地方に依存しているわけですから、そういう意味では大都市だけ、東京だけが良ければいいという状況ではないということもやはり理解していただくことが必要ではないかなと思っています。そういう意味で私は過疎対策室長をやったり、過疎連盟の会長をやったりしてきていますけれども、過疎地域も過疎地域単体では成り立ちません。生産面では力があっても消費面はやはり大都市に依存しているわけで、大都市も、例えばエネルギーであったり、あるいは食料であったり、そうしたところは地方に依存しているわけですから、そういう意味でやはりそうしたつながりであったり、関係性を共有し、かつ先ほど申し上げたような問題の質的な違いという側面にもしっかり目を向けながら対応していくことが必要ではないかと思っています。
どうもありがとうございました。
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