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更新日:2025年7月4日

知事会見(令和7年(2025年)5月27日(火曜日)14時54分~15時45分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 長野県への移住者数について
  2. 物価高騰・米国関税措置支援パッケージについて
  3. 長野県スポーツアワード2024の受賞者の決定について
  4. 県庁県民ホールのコナン装飾のレイアウトのバージョンアップについて

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取材者からの質問

  1. 物価高騰・米国関税措置支援パッケージについて
  2. 長野県への移住者数について(1)
  3. 政治資金について
  4. 長野電鉄における事故について
  5. 長野県への移住者数について(2)

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本文

阿部知事からの説明

1 長野県への移住者数について

長野県知事 阿部守一
 本日の会見を始めたいと思います。
 私から冒頭4点お話をしたいと思います。まず最初に長野県への昨年の移住者数、これは市町村に行っていただいているアンケート、それから行政が関与している移住者の数から推計した数字ですが、3747人になりました。今のような集計方式でデータを取るようになってからは最高ということで、改めて長野県は多くの皆さまに移住していただけているということを大変うれしく思っていますし、また(田舎暮らし)「楽園信州」推進協議会をはじめ市町村、あるいは企業、多くの皆さまのお力を頂いた中で、こうした多くの方にお越しいただけていること、関係の皆さまのご努力にも心から感謝を申し上げたいと思います。移住者の状況を見ると、長野県の場合は20代、30代といった比較的若い方の移住が多い状況になっています。これは「楽園信州」推進協議会でも、若者、あるいは子育て世帯をメインターゲットとしていろいろな取り組みを進めてきた成果が出てきているのではないかと思っています。また、Iターンをされる方が非常に多いということで、いろいろな取り組みの成果が上がってきているものと思います。長野県を選んでお越しいただいている理由としては、自然環境に注目される方、それから子育て・教育移住という方も増えていらっしゃいますので、引き続き信州やまほいくをはじめ、子どもたちが健やかに育つことができるような環境づくりであったり、あるいは子育て世帯に対する支援策だったり、こうしたことの充実も市町村の皆さまと共に図りながら、多くの移住者をさらにお迎えできるように取り組んでいきたいと思います。しあわせ信州創造プラン(3.0)においては、2027年度目標が移住者数4500人という目標を立てていますので、今ひと踏ん張りしていかなければいけないなと思いますし、さらに2030年目標が信州未来共創戦略では1万人という極めて高い目標を掲げています。なかなか簡単に1万人に一足飛びに持っていくのは難しい部分もあると思いますが、長野県のポテンシャルは、まだまだ地域ごとに見ればもっとお越しいただいてもいいのではないかという地域もありますので、地域の皆さま、市町村の皆さまとも連携して、さらに移住者の受け入れに積極的に取り組んでいきたいと思います。また一方で、昨日も国土交通省の古川副大臣ともお話をしましたが、日本全体の人口が減少していく中で、単に移住者を増やすということだけではなくて、二地域居住をされる方を増やしたり、あるいは関係人口、つながり人口を増やしていくということにもこれからも力を入れて取り組んでいきたいと思っています。今年度は移住、あるいは関係人口施策に力を入れようということで、イベントの充実であったり、あるいはUIJターン就業・創業移住支援金全体の予算額の増額であったり、あるいはふるさと回帰支援センターの移住相談窓口の強化であったり、いろいろなことに取り組んでいますので、今年度は昨年度以上に大きな成果を上げられるように、県としても取り組んでいきたいと思っています。

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2 物価高騰・米国関税措置支援パッケージについて

長野県知事 阿部守一
 それから2点目ですけれども、午前中に本部会議を設置しましたが、物価高騰・米国関税措置に対する支援策の検討を行っていきたいと考えています。まず米国の関税措置は、自動車をはじめとする製造業に多大な影響が懸念されるところです。長野県はものづくり産業のウエートが高い県ですので、今後の状況をしっかり把握しながら、必要な対策を機動的に行っていかなければいけないと思っています。また併せまして、物価高騰が県民の皆さまの暮らしを直撃している状況ですので、これまで物価高騰対策に取り組んできましたが、今後、今の現状をしっかり把握した上で、物価高騰・米国関税措置支援パッケージを取りまとめていきたいと思っています。本日はその骨子案をお示ししたところですが、この骨子案を早急に具体化していきたいと、この骨子案に書かれているもののみならず必要なものがあれば追加していきたいと思っています。県民の皆さまの暮らしと、中小企業を中心とする産業をしっかりと守っていくことができるように、県全体を挙げてこの問題に向き合っていきたいと考えています。

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3 長野県スポーツアワード2024の受賞者の決定について

長野県知事 阿部守一
 それから3点目ですけれども、⻑野県スポーツアワード2024の受賞者が決定しました。6月4日に表彰式を行いたいと思いますが、プレスリリースでお配りしている通り、今回最優秀賞は2団体、それから優秀賞は3団体7人の方、これらの方にスポーツアワードを授与したいと思っています。まず最優秀賞ですが、佐久長聖高等学校の駅伝部、それから長野東高等学校の陸上競技部女子駅伝チーム、この2団体に授与したいと思います。この2校は昨年の全国高校駅伝において、県勢史上初めてダブル優勝という快挙を成し遂げていただきました。駅伝王国長野の名を、全国に改めて示していただく結果になったということで県民の皆さまに多くの感動、元気を与えていただいたということを評価して最優秀賞にしました。また優秀賞ですが、1団体目は飯山高等学校スキー部です。インターハイにおいて女子が総合優勝、それから男子が総合準優勝ということで、大変素晴らしい成績を残されました。特に女子のクロスカントリーリレーにおいては、メンバーが毎年替わりながらも7連覇を達成したということです。また小原理子さんは上田高校の3年生ですけれども、エアロビック世界大会のジュニアトリオ部門で優勝。県外に住む選手たちとトリオを組んで練習を重ねた上で見事に金メダルを獲得されました。また佐々木翔夢さんは明治大学の2年生ですが、ワールドカップスピードスケートマススタートにおいて、小海高校に在籍されていた時に初優勝、そして大学に進学されてからも活躍している状況です。また中野林太郎さんは富士電機フロンティアに所属していますが、日本知的障がい者バドミントン選手権大会男子シングルス、ダブルス共に優勝ということで、特にシングルスでは5連覇を達成された方です。また西嶋岳琉さんは松本蟻ヶ崎高校の3年生ですが、アジアジャンプロープ選手権大会2024のシングルロープ個人男子3重跳びで優勝。この大会で509回を記録して日本新記録も樹立しています。縄跳びという誰もが知っている競技でも、世界に羽ばたけることを示していただきました。それから林康生さんは中京大学の4年生ですが、全日本ショートトラックスピードスケート距離別選手権大会の2種目で優勝されています。ワールドカップで銅メダルを獲得されるなど、来年のミラノ・コルティナ冬季五輪への出場が期待されています。またボアルース長野フットサルクラブはFリーグディビジョン2において、開幕から無敗を続け見事優勝を果たし、F1に昇格されました。また地域貢献活動についても積極的に行っていただいています。そしてポミエ新体操クラブは、全国中学校新体操選手権大会女子団体で優勝。新体操競技の優勝は長野県勢としては初の快挙です。3年後の信州やまなみ国スポでの活躍も期待しているところです。続いて牧秀悟選手は横浜DeNAベイスターズですが、2024(年)のシーズンもベイスターズの中心打者として素晴らしい成績を残されました。主将として球団を26年ぶりの日本一に導いたという素晴らしい成果を上げていただいています。そして丸山弘毅さんは神奈川VANGUARDSで、2024年の日本車いすバスケットボール選手権大会で優勝され、MVPを受賞されています。今年の大会でも優勝して、3連覇という快挙を達成されています。ロサンゼルスパラリンピックへの出場も期待されているところです。お一人お一人、1団体1団体ごとに簡単にご説明しましたが、いずれの団体・個人の皆さまも県民の皆さまに勇気と感動を与えていただいたと、大変うれしい話題を提供していただいたということで深く感謝しているところです。6月4日に県庁で表彰式を行って、それぞれ賞を授与したいと考えています。

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4 県庁県民ホールのコナン装飾のレイアウトのバージョンアップについて

長野県知事 阿部守一
 それから最後に、この場でも何度も話している名探偵コナンについてですが、動員ランキングでは5週連続1位ということで、非常に快進撃を続けていると承知しています。県庁も多くの皆さまに訪れていただいているということで、県庁が観光名所の一つになったということで、大変うれしいと同時に複雑な思いもありますが、野辺山天文台をはじめ、県内にも多くのお客さまがお越しいただけることを大変うれしく思っています。県庁にも何度もいらっしゃった方もいると伺っており、名探偵コナン効果は非常に大きなものがあると受け止めています。今回そうしたファンの皆さまに、さらにお楽しみいただこうということで、県民ホールの装いをリニューアルしました。まず入って左側の壁に大迫力の特大フラッグを掲げました。こちらは信毎メディアガーデンに飾られていたものをお借りして掲示しています。また映画に登場するキャラクターが個別に描かれた6枚のパネルも展示しています。またお越しいただいた際にメッセージを記載していただくファンノートを置くことにしますし、またお越しいただいた方の地域を示していただくための日本地図の掲示も行って、さらにお越しいただく皆さま、ファンの皆さまにお楽しみいただくようにしたところです。ゴールデンウイーク中には5000人もの方が県民ホールを訪れていただいたわけですので、次回の県庁舎が閉庁する時の特別開放についても併せてきょうご案内したいと思います。次回の特別開放についてはプレスリリースに記載した通り8月9日から11日の3連休、それから8月16日から17日の土日に実施したいと考えています。お盆期間中でもありますので、多くの方が帰省、あるいは夏休みで長野県を訪れる機会が多いと思いますので、多くの皆さまにまた県民ホールにお越しいただければと考えています。
 私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

1 物価高騰・米国関税措置支援パッケージについて

日本放送協会(NHK) 篠田 氏
 午前に示された支援パッケージの骨子について、幾つかお伺いします。きょうの会議で四つの柱から成る物価高騰と関税対策の骨子が示されましたが、率直にこの内容をどう見ているのかということと、先ほど、ここに書かれているもののみならず必要なものがあれば入れていきたいとおっしゃっていましたけれども、この中でもっとこういう視点が必要だとか、今後これに追加していきたいものがあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まずこの支援パッケージの骨子については、大きな柱立てとしては今必要なものについては一定程度カバーをしていると思っています。まず暮らしを守る側面と、それから中小企業を中心とした企業の当面の経営環境変化への対応ということで、このパッケージの1番目、2番目は、まずは喫緊の対応。そして米国関税等については短期の対応だけではなかなか済まない部分もあります。また物価高騰も一時的な部分があると同時に構造的な部分もありますので、そういう意味では中長期的な対応もしっかり考えていきたいということで、三つ目の柱も立てているところです。そういう意味で骨子としては必要な部分はカバーをしていると思っています。ただ、今のご質問もありましたし、私も先ほど申し上げたように、ここに挙げている項目だけで思考停止してはいけないと思います。これから県議会の皆さまであったり、あるいは経済界の皆さまとも意見交換させていただく予定にしていますので、そうした中で頂くご意見も踏まえて、この骨子の内容をさらに充実させていきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 篠田 氏
 この中の米の価格高騰についてですけれども、きょう農林水産省の小泉大臣が随意契約を発表して19者が申請したと報道が出ています。まず国のここ数日の動き、随意契約で県内も含めて米の価格がある程度落ち着きを取り戻すのかどうかの見通しをどういうふうに見ていらっしゃるのかというのと、それに加えて県内には米の生産者もいっぱいいらっしゃると思います。安ければいいものではないとも一部思うのですが、阿部知事はお米の適正価格は5キロで大体幾らぐらいが適正だと考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 適正価格というのはなかなか難しい部分があろうかと思いますけれども、まず米の価格が高騰しているということについては、私たち日本人の主食ですので、そういう意味で家計への負担への影響は極めて大きいと思っています。スーパーに行ってもなかなか棚に置かれていないというような状況も続いてきていますので、そういう意味では価格を安定させる、そして供給をしっかり確保していただくということが重要だと思っています。県内の米の卸売り関係者に県としてもお話を伺っていますが、備蓄米の放出を受けて、5月の連休頃からは1日の取り扱い量は例年並みには回復してきているとも伺っています。また小泉新大臣が非常に精力的に取り組みをされています。需要があればどんどん放出するともおっしゃっていますので、今後当面の間は例年並みの取り扱い量が維持できるのではないかと考えています。そういう中で各店舗における販売量については、まだ品薄な所、状況がありますが、今後徐々には増えていくものと受け止めています。引き続き当面の対策としての米の価格の引き下げ、安定化、そして供給の確保をしっかり国において取り組んでいただきたいと思いますし、その後の段階としては米政策全体をどうしていくのかということを、やはり国全体でしっかり議論していただくことが必要になってくると思っています。

日本放送協会(NHK) 篠田 氏
 適正価格は幾らぐらいだと考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 農家の皆さまの生産コストがどれぐらいかということですけれども、先ほど農政部から聞くと大体1500円ぐらい、人によったり事業規模によって違う部分はありますけれども、それが従前は1000円ぐらいが生産者での価格ということで、ある意味生産者からすると従来の取引価格では非常に安値だという印象をお持ちの方が多いと受け止めています。そういう意味では農家の皆さまが生産に要するコストをしっかりと転嫁しつつ、しかしながら一方で、主食としての米の価格を、しっかり暮らしの安定性を損なうことがないようにしていかなければいけないと思いますので、そういう意味では幾らということを具体的に申し上げるのはなかなか難しい状況ですが、今、物の価格がどんどん上がっています。そして、県はいろいろな事業者の皆さまには価格転嫁をしっかりやってくださいというお願いもしています。そういう意味では農家の皆さまが安定的、継続的に生産が行えるような価格に収斂(れん)していくことが必要だと思いますし、一方で先ほど申し上げたように米政策全体を考えたときには、米の需要と供給をどう見るかということを踏まえて米政策の在り方を考えていくと。そうした中で適正な価格というものが見いだされてくると思います。

日本放送協会(NHK) 篠田 氏
 続いてトランプ関税について、従前の会見でもなかなか先が見通せないというお話がありましたし、今も国同士の議論が続いています。そうした中で今回、支援パッケージで一部、中小企業融資制度を拡充したりだとか出てきましたけれども、1カ月後にはまた状況が変わる可能性もある中で、県としての支援を組んでいくのはなかなか難しいところもあるかと思うのですが、そうした変化にはどう対応していくのかというところを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 まず、これは先行き不透明という懸念が強いわけですが、先ほどの会議で配られた資料にもありますように、県内一部の企業ですけれども、状況を聞き取らせていただいたところ、既に影響が出ていると答えた企業はまだ一定割合ということで、これからの影響を県も注視していかなければいけないと思っています。そうした中で、非常に県内企業に関税政策の影響がどう出てくるかというのはなかなか見通しづらい。例えば最終製品を作っている企業であれば非常に端的に分かるわけですが、そういう最終製品だけではなくて、いろいろな部品等を製造している会社はどういう形で影響が出てくるかとなかなか見通しづらいところもありますので、県としては個別の企業も含めて経済界の皆さまと意思疎通をまずしっかり行って、状況を迅速に把握していきたいと思っていますし、また一方で相談窓口も県をはじめ、関係機関につくっていただいていますので、そうした所に寄せられている問題意識、そうしたものも把握した上で機動的な対応を行っていきたいと思っています。そういう意味では、まずしっかりと影響を見極めた上で対策については機動的に迅速に対応していきたいと思っています。

日本放送協会(NHK) 篠田 氏
 最後に、きょう示された資料の中で、企業への調査で県に期待する支援を情報提供の充実と答えた社が79社ありました。トランプ大統領の関税政策の発表が4月の頭にあって、そこから2カ月ありましたけれども、県内の会社に対して情報提供という部分では県はどのように応えてきたのかというのと、今後これをさらに拡充したりだとか、今後どういうふうに会社側からの期待に応えていくのかというところを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 ここで言われている情報提供というのは、おそらくはこれから政府間の関係だとか、あるいは政府としての対策、あるいは県としての対策がどんどん動いていく中で、随時情報共有してもらいたいということだと思います。連絡協議会もつくっていますので、そうしたものを通じて経済団体、それから各企業との意思疎通は密にしていきたいと思いますので、随時県としては情報提供、情報共有を図っていきたいと思います。企業の皆さまの今の状況は影響を受ける可能性がある、あるいは現時点ではどういう影響が出るか分からないという不透明感のところの懸念が一番大きいわけですので、やはり正確な情報を県も国をはじめ、関係機関からしっかりと収集した上で、そうしたものを経済界の皆さまと共有していきたいと思います。

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2 長野県への移住者数について(1)

長野日報 林 氏
 きょう発表された移住の関係で2点お伺いします。まず1点目ですが、令和6年度は3747人ということで、前年より384人増えているということで、令和5年度の伸びは29人でしたので、それに比べて結構大幅に増えたかなという感じがするのですけれども、コロナ禍を経て、コロナ禍が終わって若干減ったところ、伸びが落ち着いたところでさらに増えたというところで、この辺りの知事の見解を伺えたら、また大きく増加に転じたところについての見解を伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 長野県は元々選ばれる県ではありましたけれども、先ほど申し上げたように、「楽園信州」推進協議会では、若者・子育て世代をターゲットに取り組もうということで関係機関の皆さまと一緒に取り組んできました。その結果が比較的若い世代の移住者が多いということにつながったと思っています。県としても体制を強化して取り組んでいますので、これからも継続的に移住者数が増えるように努力していきたいと思っています。

長野日報 林 氏
 もう1点、移住の関係で、今おっしゃったように相談体制の充実であったり、そういったソフト面を強化するというお話がありましたがハード面についてはいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 ハードというのは。

長野日報 林 氏
 リニアとかを含めた道路建設とかそういったハード面といいますか。

長野県知事 阿部守一
 比較的長野県に移住される方は、先ほど申し上げたように自然環境が豊かだとか、子育てするのにふさわしいとか、そういう感覚の方たちが多い状況です。一方、インフラは何も関係ないかというと、実はそもそもベースとしてやはり大都市から近くて、特に新幹線があったり、あるいは高速道路があったりということで、比較的大都市部から近接しているということも移住する際の心理的な壁を低くしているのではないかと思っています。そういう意味ではこうしたインフラの整備についても、今後とも県としてはしっかり着実に進めていかなければいけないと思っています。

信濃毎日新聞 篠原 氏
 私も移住について何点か伺わせていただきます。今のご質問と少し重なるところで、まず1点ですが、まさに令和2年度、3年度、4年度の伸びというのは、新型コロナで地方回帰と言われていたと思うのですが、改めてコロナ禍の地方回帰的な動機が一定あった当時の増加の伸びに対して、一昨年度から昨年度の伸びはどちらかというと政策的なものが奏功していると見ているかというところを改めてご見解を伺ってもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 やはり私たちがいろいろな政策努力をしているところが一つあると思います。例えば移住セミナーであったり、移住相談も充実してきていますし、そうした県としての取り組み、それから長野県は個別の市町村も、ふるさと回帰支援センター等のいろいろな機関とも連携して積極的な取り組みを行っていただいていますので、そういう意味では、そうした地道な取り組みの積み重ねの成果が一つあると思います。それからもう一つは、やはり元々長野県は優位性が高い。大都市からも近接していますし、観光でお越しいただく方も多いので、そういう意味ではよく知られている地域でもありますので、移住に向けての心理的ハードルが比較的低いのではないかなと思います。それからもう1点あえて申し上げれば、最近は教育移住という形で、子どもたちの教育環境をより良いものにしようということで移住される方も多いわけでして、それは県が取り組んできている信州やまほいく、信州型自然保育であったり、あるいは(軽井沢)風越学園であったり、大日向小・中学校であったり、新しい私立学校も県外からの方を多く引きつけていただいています。そうしたことが相まって、こうした比較的若い年代の方たちが多く移住されている結果につながっているのではないかと思っています。

信濃毎日新聞 篠原 氏
 もう1点、リリースの目標のところでも改めて年度ごとの移住者数の目標値を掲げていただいていると思いますけれども、約400人増えたというところを見ると、令和9年度も単純にこのままいくと4500人は一つ視野に入ってくるのかなという気もしますが、2030年度の1万人というのはかなり高い数値にも見えます。知事として27年度、30年度、それぞれの目標値のこういった傾向を踏まえた実現可能性みたいなところをどう見ているか。また、そのためにどういった政策が改めて重要になってくると考えているか、この点を伺ってもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今お話あったように、まず、しあわせ信州創造プラン(3.0)の4500人目標というのは今のトレンドでいけば実現可能性が比較的高い範疇(ちゅう)に入るかと思います。一方、2030年の移住者数1万人というのは、今と同じような取り組みや施策ではなかなか達成が難しいと思います。そういう意味で、きょうこういう形でデータを発表していますが、県としてはこのデータをよく分析した上で、例えばどういう地域に多くの皆さまがお越しいただいて、そしてどういう方たちが、どういう地域を選ばれているのかということを、より詳細に分析する中で具体的な増加策をさらに練り上げていきたいと思っています。そのことを通じて、この高い1万人目標の達成に向けて、さらに施策の強化、そして市町村はじめ関係団体の皆さまとの具体的な取り組み目標の共有をしていきたいと思います。

信濃毎日新聞 篠原 氏
 最後に1点、知事の冒頭の発言でも移住者数の増加というところと、きのうの副大臣との絡みも踏まえて、まさに二地域居住というところも並行してやっているという現状かと思うのですが、ある種人口減少が全国的に広がっている中で、なかなか移住というところまではいかなくてもと私も理解しているのですが、改めて知事としては移住、2拠点を含めて長野県に関わってくれる県外の人たちがどういうような状況になっていくという辺りを、一つ目標というか、達成のゴールというかに設定しているか。知事の言葉で一つご見解を伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 まず移住される方はもう長野県民になっていただくわけですから、そういう意味では信州未来共創戦略でも掲げているように、私たちは今現在長野県にいる皆さまとやはり寛容性の高い社会をつくっていく、女性にとっても暮らしやすい、あるいは今、外国の方も増えていますけれども、外国人、あるいは障がいがある人、いろいろな方にとって暮らしやすい寛容性の高い社会をつくっていくことがまず必要だと思います。その一方で二地域居住であったり、関係人口、これは一般的にそういう言い方をしていますが、きのうも副大臣との話の中でもテーマになりましたけれど、必ずしも何か定義であったり、捕捉の仕方というのは必ずしもこういうものだということが明確になっていない部分もあるわけで、私どもとしては例えば長野県はこれまでも別荘をお持ちの方、週末は長野県で暮らされている方などが、元々非常に多い土地柄です。そういう皆さまにもっともっとある意味地域の活動であったり、あるいは長野県の取り組みであったり、こうしたことにコミットしていただけるような、県からの働き掛けということも重要だと思いますし、そういう中で単なる週末を長野県で過ごしていただいている方ということだけではなくて、ある意味長野県にもっともっとコミットしていただくというような関係性を積極的につくっていくということが必要だと思っています。それから二地域居住まで至らないにしても、長野県の場合は東京、あるいは名古屋といった大都市から、かなりの地域は日帰り圏でもありますので、そういう意味ではいろいろな、例えば産業活動を行うにしても、あるいは公共的、公益的な活動を行うにしても、地域の皆さまの力だけではなくて他の地域の皆さまも巻き込みながら一緒になって取り組んでいくと、そういうことも進めていくということが必要だと思います。これらのことについて行政だけでやっていくわけにはいきませんので、まさに未来のNAGANO創造県民会議の中でも、関係人口であったり、二地域居住であったり、こうした皆さまをもっと巻き込む巻き込み方について県民の皆さまと一緒に考えて具体化していきたいと思っています。

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3 政治資金について

信濃毎日新聞 河田 氏
 発表外のことで2点お伺いします。政治資金と長電の事故についてお伺いしたいのですが、まず政治資金の方ですが、資金管理団体の信立会(しんりゅうかい)の主に個人献金の住所の表記について、改めてもう1回全部点検して速やかに報告書を訂正するということでしたが、点検の結果と先週、報告書の訂正があったようですが、どういった訂正の内容、どんなところを訂正したかというのを教えてください。

長野県知事 阿部守一
 これは前回の会見の時にもさまざまご質問いただいたところですが、一部メディアからご指摘を頂いたのは、43件、84万円分について住所が誤っているのではないかということでご指摘を頂きました。そのご指摘を踏まえて信立会の事務担当において確認作業を行ったところです。その結果として最終的には54件について誤りが判明しました。ご指摘いただいたのは43件でしたが、そのうち1件は事務所兼ご自宅ということで、この方は修正が必要ないということで判断して、ご指摘いただいた43件中42件の修正、そしてその他に12件、12万円分誤りがあったと。ご自宅の住所以外の住所が記載されていたということで、合わせて54件93万円については誤りということで、5月21日に選挙管理委員会に修正申請を行い、22日に収支報告書の修正を行ったところです。

信濃毎日新聞 河田 氏
 併せて先日の会見で信立会の体制を見直すというお話もありましたけれども、そちらはその後具体的に変えるというところは結論出ていたのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まだ人の話になりますので、ホイホイ変えてしまうというわけにはいきませんが、いずれにしても体制を刷新したいと考えています。そういう意味では新しい体制を担っていただく方にも、今後私からお願いして、しっかりとこういった政治資金の確認等も行えるような体制をつくっていきたいと思っています。

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4 長野電鉄における事故について

信濃毎日新聞 河田 氏
 2点目です。須坂市の駅の近くで起きた、長野電鉄の駅の近くで起きたパイプ製の小屋が衝突した死傷事故についてお伺いしたいのですが、県としては農政部で農機具関連の施設の点検を呼び掛けるということをされたと聞いていますが、県として再発防止に向けてできることというのは何かお考えがあれば方針をお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 まず今回の、いわゆる事故と言っていいのかもしれないけれども、亡くなられた方にお悔やみ申し上げるとともに、けがをされた方にお見舞い申し上げたいと思います。大変痛ましい事故だと思いますので、こうしたことが繰り返されることがないようにしていかなければいけないと思います。農政部からは、こうした農業関係、農地に設置する施設について安全対策を行っていただく、安全確認を行っていただくような通知は出しています。私としては、そうしたものに対して何らかの制度的な対応ができるのか、できないのかということも含めて考える必要があるのではないかと思っていまして、例えば一般の建物は建築基準法の適用になって非常に厳しいルールがあるわけですが、こうした農地に、ある意味簡易的に設置されるものについては、必ずしもそうした建築基準法等が適用されないという現状の中で、それでやむなしと考えるのか。何らかの形でルール作りが必要なのかということを考えなければいけないのではないかということで、今私から農政部には問題提起したところですので、県としては問題意識を持って対応していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 河田 氏
 今のお話で確認ですが、当面は鉄道の線路に近い農地についてというのが検討の対象ですか。

長野県知事 阿部守一
 まだ、どういう対策が可能なのか、可能ではないのかも含めて考えなければいけないと思いますが、例えば今回は鉄道の事故です。ただ、例えば同じようなことが道路沿いで起きたら、例えば自動車に物が飛んでくるようなことがあれば、やはりこれは必ずしも鉄道だけの問題でもないのではないかなと私としては感じていますので、少しいろいろ考えなければいけないのではないかと思います。

信濃毎日新聞 河田 氏
 もう1点すみません。県としては、しなの鉄道に出資するという立場もあると思います。今回の件はまだ原因ですとか、解明されていないところもあるわけですけれども、鉄道を運営する側の視点としては、こういう事故に対してどういう備えをしていくべきか。今回の事故を踏まえて知事のお考えがあれば教えてください。

長野県知事 阿部守一
 今回の事故の要因分析などしっかり行われなければいけない部分があると思いますが、やはり鉄道事業としては乗客の皆さまの安全第一ということが基本だと思っています。そうしたことを考えると、一つは例えば気象条件が厳しいときに、運行の可否の判断、これはこれから例えば気候変動で災害の多発化・激甚化ということも指摘されている中で、そういう部分において考えるべき点があるのかないのかということも検討しなければいけないと思いますし、また一方で、例えば鉄道事業者からすると、鉄道事業者の敷地外から何かが飛んでくるといったようなものについては自分の努力だけでは防ぎようがないと思います。そういう意味では社会全体で気候変動に伴う災害の多発化に備えて考えるべきことがあるのかないのか、こうしたことも一方で検討していくということが必要ではないかと思います。

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5 長野県への移住者数について(2)

テレビ信州(TSB) 塩澤 氏
 移住者の関係で、もし数字が細かいところまで分かればお伺いしたいのですが、3747人中、20代、30代と知事がおっしゃる若い方の層が大体何割ぐらいを占めているかという数字がありましたら教えてください。もしかしたら後ほど担当課にお伺いすべきかもしれませんが。お願いします。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、3747という数字には市町村窓口で行っているアンケートと、それから移住支援制度を使った行政サポートの人数と両方混ざっています。全体の中でどれぐらいの割合かというのは把握はできないのですが、一方でアンケートにお答えいただいた方についての内訳は分かります。アンケートにお答えいただいている方が世帯主ベースで1403人いらっしゃるのですが、その年代別内訳を見ると、20代が30パーセント、30代が24パーセントということで、世帯主の年齢で見ると20代、30代で約半数という状況になっています。

中日新聞 林 氏
 今のお話ですが私も30代ですが、例えば転勤で県外から来るというパターンもあると思うのですが、この数字というのはそういう人間も含んでいるのかどうなのか気になったのですが。

長野県知事 阿部守一
 そういう転勤で転入される方は含まれていない数字です。転勤等で含まれている方も入れると、普通の社会増減と同じ数字になってしまいますので、そういう意味では、これは定義としては「県外から新たな生活の場所を求め、自らの意思により県内に転入した者」ということで集計しているということでいいですよね。

信州暮らし推進担当課長 伊東笑子
 補足します。長野県独自に今、知事が申し上げた「県外から新たな生活の場所を求め、自らの意思により転入した者」ということを定義付けています。その中では結婚によってこちらに移住した方ですとか、あとは転勤によって転入されてすぐ出て行かれる方を除外しています。細かい話は、もしよろしければ私が後ほどご説明します。よろしくお願いします。

中日新聞 林 氏
 それから先ほどの話だと、細かい地方別の数字だとかは把握されていないということなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 市町村別に先ほどのアンケートと、それから行政が関与した移住者の数は分かりますので、また担当課でご確認いただければと思います。

信州暮らし推進担当課長 伊東笑子
 また後ほどご説明しますので、お寄りいただければと思います。

中日新聞 林 氏
 その上で、先ほどお話されている限りではやはり地域別の偏りがかなりあるのかなと思います。単純に数字を増やすことはもちろん重要ですが、そこら辺のバランスというか、そこら辺も大事なのかなと思うのですが、その辺はどうやっていくべきかなというところでいうと、どうでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、今回の数字をよく分析しなければいけないとまず思っています。まず一つは各市町村にはアンケートで、できるだけ精緻に捕捉してもらいたいということをお願いしていますが、必ずしもまだ十分に捕捉されていない方もいらっしゃるのではないかと思っていますので、そこは市町村の皆さまと一緒に捕捉の精度は上げていかなければいけないと思います。一方でやはりこのデータを見ると、ざっとしたイメージとして地域ごとにかなりばらつきが大きいと思います。そういう意味では片方で県としては非常に人気の高い、希望者が多い所にもっともっと移住者を増やすということも1万人を達成していく上で重要だと思っていますが、その一方で、なかなか十分良さが伝わっていない、発信が十分できていないような所については、市町村と県も力を合わせて、そうした地域のPRにも当たっていかなければいけないと思います。いずれもこのデータをよく分析した上で対策を考えていきたいと思います。
どうもありがとうございました。

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お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7054

ファックス:026-235-7026

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