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更新日:2025年7月23日

知事会見(令和7年(2025年)6月19日(木曜日)14時45分~15時30分 会場:県庁)

項目

阿部知事からの説明

  1. 信州まちづくりデザインスクールについて
  2. 知事木曽執務週間について
  3. クマ対策について

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取材者からの質問

  1. 知事木曽執務週間について
  2. 長野県150周年について
  3. 信州まつもと空港における国際チャーター便について
  4. ふるさと納税について
  5. ガソリン価格の適正化等に関する検討会について
  6. 長野県石油商業組合の対応について
  7. 人口問題への対応について
  8. 参議院議員選挙における自民党公約について

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本文

阿部知事からの説明

1 信州まちづくりデザインスクールについて

長野県知事 阿部守一
 知事会見を始めます。きょうから6月県議会定例会が始まりました。今回、特に補正予算については物価高騰、それから米国関税措置に対応する予算等、重要な予算を今回も計上しています。しっかり県議会でご説明し、ご議決を頂けるように努力していきたいと思っています。そういう中で、きょうは私からは3点お話を申し上げたいと思います。
 まず信州まちづくりデザインスクールについてです。資料をお配りしていますが、信州まちづくりデザインスクールを7月から8月にかけて開催したいと考えています。長野県はUDC信州(信州地域デザインセンター)を設置して、アーバンデザインセンターは全国各地にありますが、広域型のUDCとしては長野県が初めてですけれども、地域のまちづくりを応援してきています。そういう中で、やはりこれからのまちづくりをしっかり前進させていく上では行政職員、とりわけ市町村の職員の皆さまがしっかりと地域課題を捉えて、まちづくりのノウハウを持っていただいた上で行動していただくことが大変重要だと考えています。そういう中で、今回信州まちづくりデザインスクールを開催して、長野県全体のまちづくりに取り組む能力・実力を向上させていきたいと考えています。先日もUDC信州のセンター長を務めていただき、今回スクール長を務めていただく東京大学の出口先生とも話をしましたが、非常にまちづくりの分野ではそれぞれ第一線で活躍されていらっしゃる、素晴らしい皆さまに講師としてお越しいただく形になっています。私もどこかで受講しに行こうと思っていますので、ぜひメディアの皆さまも取材していただけるとありがたいなと。この講義は希望があれば皆さまも聞いていただければと思います。例えば今回まちづくりの関係での「まちづくり・自治体業務へのデジタル技術活用」というタイトルで講義いただく東京大学の越塚登先生は、まさにスマートシティ分野での第一人者で、(一般社団法人)スマートシティ社会実装コンソーシアムの代表理事も務めていらっしゃる方です。また「縮退時代の新しいまちづくり実践」ということで西村浩さんにお越しいただきますが、例えば糸魚川市の駅北地区のまちづくりで都市景観大賞特別賞等を受賞されていまして、いわゆる都市再生を進めていかれる上での専門家の方です。その他の皆さまもそれぞれの分野で、まさに全国各地で実践的なまちづくりを行っている皆さまばかりですので、これを受講する市町村職員が正直私はうらやましいと思っていますので、私もどこかで潜り込んで聞きたいと思っています。スクール長は先ほど申し上げた出口先生に担っていただき、副スクール長には信州大学副学長の林靖人さんということで、このスクールを通じてぜひ市町村の皆さまがいろいろな刺激を受けて、いろいろな学びを得る中で、それぞれのまちづくりに大きく役立っていくことを心から期待しているところです。7月3日の11時から長野市の生涯学習センターで開講式を行いますので、またそちらも取材いただければと思います。

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2 知事木曽執務週間について

長野県知事 阿部守一
 それから続いて二つ目ですが、これもプレスリリース資料でお配りしている私の木曽執務週間です。これまで南信州で行いましたが、今年はまず木曽で1週間、7月7日から11日まで5日間、月曜日から金曜日まで木曽地域に滞在して、木曽地域の皆さまと同じ感覚を共有しながら仕事をしていきたいと思っています。資料をお付けしているように、いろいろな所を訪問したり、またいろいろな皆さまと対話をしていきたいと思っていますが、特にまずフォレストバレー構想を木曽地域と伊那谷で進めていますので、関係者の皆さまと意見交換して、より一層フォレストバレー構想が発信力を高めつつ、両地域の発展につながるようなものにしていきたいと思っています。また木曽地域のリニア活用推進協議会、南信州はまさに長野県駅が南信州地域にできるわけですけれども、木曽地域はどちらかというと岐阜県駅が非常に利便性が高い駅になります。本県としては長野県駅だけではなくて、岐阜県駅の活用も視野に入れて地域を考えていく必要があると思いますが、リニア活用推進協議会の観光・交流部会の皆さまと、リニア時代の木曽路のことについて話をしていきたいと思っています。それから逐一ご説明しませんが、7月10日には県⽴木曽病院の関係で、どんどん人口が減っていく中で周産期医療をはじめとして地域医療をどうしていくかという大きな岐路に差し掛かっていると思っています。そういう意味で、地域の皆さまの関心も高いと思いますので、「木曽地域の医療の今後を考える」ということで対話をしたいと思っています。また順番が前後して申し訳ないですが、前日の9日には人口減少を乗り越えるということで「きそびと会議」の皆さまと一緒に木曽の未来を考えたいと思います。これらについてはどなたでも参加できますので、もちろんメディアの皆さまにもお越しいただいても結構ですし、ぜひ多くの木曽地域の皆さまにお越しいただければありがたいと思います。木曽地域の皆さまに少しでも県政を身近に感じていただく機会になれば私としては大変ありがたいなと思います。

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3 クマ対策について

長野県知事 阿部守一
 それから最後に3点目ですけれども、ツキノワグマ出没注意報の北アルプス地域における発出です。北アルプス地域においては、ツキノワグマ目撃件数が注意報の発出基準に該当する形になりましたので、本日6月19日から7月31日まで「ツキノワグマ出没注意報」を発出します。既に木曽、それから長野、北信の3地域については今月末までツキノワグマ出没注意報を発出していますが、新たに北アルプス地域が加わって7月末までという形になっています。こうした地域の皆さまには特に注意いただきたいと思いますが、その他の地域でも、やはりクマに対する注意はぜひ怠らないようにしていただきたいと思います。特に夏場は山の中にツキノワグマの食べ物が少なくなるということで、ぜひ山に入るような際は複数人で行動したり、あるいはクマ鈴やラジオなど音がするものを身に着けて入っていただくといったようなことは、これからも行っていただきたいと思っています。
 私からは以上です。よろしくお願いします。

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取材者からの質問

1 知事木曽執務週間について

市民タイムス 萩原 氏
 まず何点か伺いたいのですけれど、木曽執務週間の関係で、確か南信州に続いて2カ所目になるかと思うのですが、今回木曽を選ばれた背景と理由をお願いします。

長野県知事 阿部守一
 南信州も木曽地域も長野市の県庁からは非常に距離的に遠い場所ですので、そういう意味では木曽地域で、先ほど申し上げたように県政をできるだけ身近に感じていただくことが必要ではないかという思いを込めて選びました。また木曽地域は市がない地域ですので、その場合、県としてさまざまな分野で取り組むべきことが多い地域でもあります。そういう観点で今回は木曽地域で執務週間を行わせていただきたいと思っています。

市民タイムス 萩原 氏
 仕事で行かれるので当たり前ですけれども、木曽での仕事というのは理解した上で、楽しみみたいなものってありますか。木曽でこれをしてみたいとか。

長野県知事 阿部守一
 夜もいっぱい(予定が)入っているので、楽しむという楽しみではないかもしれないのですが、私としてはやはり、この会見の場でも何回か、もしかしたら申し上げているかもしれないですが、私にとって木曽地域は心安らぐ地なのですね。それは私の学生時代に木曽地域をふらっと訪れて心癒やされた経験がありますので、そういう意味では滞在するだけで、長野市の県庁周辺にいる時とは違った空気感に包んでいただけると思いますし、また今回はいろんな皆さまと懇談させていただく機会もたくさんつくっていますので、まずそういう皆さまと、いろいろな木曽の素晴らしさ、ここの県庁にいるとどうしても課題は何だとかという話ばかりになりますけれども、やはり木曽地域はさまざまな観光的な魅力もありますし、先日行われた御杣始祭(みそまはじめさい)のような木と森の文化が非常に発展している地域ですから、そういう意味では木曽地域の素晴らしいものにいろいろ触れる機会をつくることによって楽しませていただきたいなと思っています。

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2 長野県150周年について

市民タイムス 萩原 氏
 別の質問で、きょうの議案説明にもありましたし、この間の部局長会議でも出ていた話ですが、長野県の150(周)年。きょう議案説明の中でも説明されていましたが、150(周)年を迎えることに対する率直な知事の思いみたいなものを伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 150年と一言で言っても、その間日本全体も長野県も本当にいろいろな、オリンピックのようなにぎやかな出来事があった反面、今年80年ですが、第二次世界大戦があったりとか、いろいろつらいこと、苦しいこともたくさん乗り越えてきた150年だと思います。先ほどの提案説明の中でも申し上げましたけれども、とにかく長野県は今でも広い県なので、やはり地域のそれぞれの強みや特色というのは他の都道府県以上に際立ったものがあります。そういうものをぜひ県民全体で共有したい。共有したいというのは、例えばなかなか北信の皆さまは南信のことがよく分からなかったり、南信の皆さまは北信のことが分からなかったり、そういう部分もありますので、やはり150周年を契機として150年間それぞれの地域、あるいは長野県全体で育んできたこと、培ってきたこと、こういうものを地域の壁を越えて共有して、そして長野県全体で次の時代に向けてどうやって踏み出していくのか。こうしたことを一緒に考えられる、そういうような機会にしていきたいと思っています。

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3 信州まつもと空港における国際チャーター便について

市民タイムス 萩原 氏
 もう1点お願いします。きょうの発表事項にないのですけれども、きのう信州まつもと空港の国際チャーター便が今年もモンゴルということで、担当者のご努力もあって順調かなという印象も受けるのですが、改めて国際チャーター便に対する方針と思いみたいなものを伺えればと思います。

長野県知事 阿部守一
 信州まつもと空港についてはやはり長野県の空の玄関口ということで、私としてはもっともっと利便性を上げていかなければいけないと、国内外含めてですね。そのためには、やはり空港機能強化も県としてしっかり取り組んでいくことが重要だと思いますし、その一方で利用される方の利便性を高めていく観点で路線の拡充も重要だと思っています。国際線については、まずチャーター便から始めていきたいということで、松本空港課の職員も一生懸命頑張って各方面に働き掛けをしているところですので、私も海外、特に就航可能な地域に出掛けた際は信州まつもと空港のPRもしていますので、引き続き着実にチャーター便の就航が広がり、定着していくことができるように、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

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4 ふるさと納税について

読売新聞 櫻井 氏
 ふるさと納税の関係で何点かお伺いさせてください。まず1点目に、先日総務省から須坂市が行った産地偽装について、2年間の自治体の指定取り消しを行うという処分が下りました。まずその点について知事としてご所感をお伺いできますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 須坂市の今までの対応・状況を踏まえた上で、そうした措置が取られたものと受け止めていますので、多くの皆さまに影響を及ぼす可能性がありますが、私としては非常に残念な事態だと前回も申し上げたように思っています。ふるさと納税制度のいろんな課題も前回のこの場でのやりとりの中でもお話申し上げたようにありますので、そうしたものの改善は引き続き総務省にも求めていくことが必要だと思いますし、また私ども長野県も含めた長野県内の市町村が、やはり今のルール、今の制度の中で変えるべきところは提案していった方がいいと思いますけれども、とはいえ税制でもありますので、やはりルールの中でしっかりとした対応を行っていくことが重要だと思いますので、引き続きそうしたことについては市町村と問題意識を共有していきたいと思っています。

読売新聞 櫻井 氏
 2点目ですが、県が今回須坂市の問題が発覚して以降、全県を対象に自主点検ということで通知を出したと思います。ただ、その通知の結果が出た後も、例えば喬木村ですとか千曲市、一部市町村では総務省のルールに一部違反するような形でふるさと納税制度が続いていた可能性があるものが県内で散見されます。一義的には総務省に管理・監督責任があるとは思うのですけれども、長野県として今回の例えば再点検ですとか、何かしら市町村に対して再度通知を行うですとか、現時点での対応はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 市町村課長が来たので、市町村課長に答えてもらった方がいいかもしれないので、ちょっと石澤さんから答えてもらえますか。

市町村課長 石澤彰郎
 自主点検以降、見つかった案件についての対応ですが、これからちょうど時期的に申しますと、ふるさと納税制度については10月を仕切りとして1年間という形で毎年毎年指定を受ける形になっています。これからの時期は来期の指定に向けまして、今取り扱っている返礼品ですとか、そういったものを点検していただく時期になります。併せて総務省からもこの時期に地場産品基準等の告示が改正される時期にもなりますので、改めて毎年この時期に県が告示基準の改正の内容についての説明会等を従前から開催しています。今回は須坂市等での事案を踏まえて、やはり各市町村が主体的にこの制度を運用していただくことが必要だろうと考えておりまして、告示基準の改正内容について詳細に説明することも行うのですが、それ以上に今回の事案を踏まえて今回の事案に対処する中で見えてきた点、こういった点を事案の共有とともに市町村にしっかり説明しまして、それぞれが基準に沿った運用ができるように対応していきたい、そんなことを今考えている状況です。

読売新聞 櫻井 氏
 そうしますと確認ですが、現時点は各市町村が自主点検に入っている時期なので、特段県として再調査みたいなものをかけるのは今のところはない方針という理解でよろしいですか。

市町村課長 石澤彰郎
 はい。今のところ改めての再調査は検討しておりません。

読売新聞 櫻井 氏
 仮にですが、その自主点検を各市町村が今行っている中で、新たに出てきた場合、即時注文を止めるというか、そういう形にはなると思うのですが、前回のように例えばリリースを出すですとか、そういうような対応とかというのは考えていらっしゃるのですか。

市町村課長 石澤彰郎
 これはやはり制度を運用するのは各市町村になりますので、事案の大きさですとか影響等を考慮して県でも対応することもあろうかとも思いますけれども、原則としては各市町村において停止した旨ですとか、事案の内容について公表していただくものと考えています。

読売新聞 櫻井 氏
 私個人的に知事への要望というかお願いという形になるのですけれど、各自治体が所管しているというのは重々承知しているのですけれども、やはりふるさと納税制度というのは全国民の関心が高いですし、利用されている方も多い内容になってきていると思います。県としても、この件で長野県は非常に注目されていると思いますので、ある程度自治体が担当だからではなく、県としても何かしら対応ができるものがあるのであれば、例えば公表でもいいのですが、まとめていただくと大変ありがたいなと考えています。

長野県知事 阿部守一
 ご指摘ありがとうございます。制度的な部分については市町村課長が言っている通りだと私も思っています。というのは本来地方自治なので、一から十まで県が丁寧に伝えなければ対応できないということでは困る話ですので、そこのところは、まさにご指摘いただいたように、やはりこれだけ長野県で不適切な事例が出て、そして全国にも報道されているような状況ですから、各市町村はそれなりの意識をしっかり持っていると思います。ですからそういうことの注意喚起はもちろんしますけれども、事細かにこうなんだというのを繰り返し繰り返し通知を出さなければいけないというようなことではないと思いますし、むしろそれは私からすると市町村に対してある意味失礼な部分、私が逆に市町村長だったら、もう分かっているよと。市町村の自覚を期待したいと思います。ただ、せんだって申し上げたように長野県の場合、小さな町や村があったりして、なかなかそういう所で地元の特産品だけで競争するのは結構難しいところもあります。そういうことを考えると、県の場合は全県で対応できますので、もう少し県と市町村で協力し合ってやれないかみたいなことは、こういう状況の中では考えていく部分もあるのではないかと思いますので、そういう前向きな部分については、ぜひ市町村と一緒に問題と方向感を共有できるようにはしていきたいと思います。

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5 ガソリン価格の適正化等に関する検討会について

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 ガソリンの関係で伺えたらと思いますが、きょう午前中も検討会がありまして、県としての素案というのを一つ了承というか、次のステップに行くのかなというところですけれども、48の市町村に対して何らかの財政的な支援を独自にやっていくということですけれども、これに対するきょう了承されたという部分での知事の受け止めと、具体的にどういった制度というところを、制度をつくっていく上での論点といいますか、ポイントとなる部分がどこか教えていただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 私が検討会を途中で抜けてしまったので最後の結論でどうなってどうするかという取りまとめになったところまで詳細に承知はしていませんが、きょう県として提案した方向で、おおむねご理解いただけているのかなと思いますので、そういう意味では制度としての支援策の具体化を県として進めていきたいと思います。その時にいわゆる過疎地域等におけるSSの支援については、先ほど検討会の中でも私から申し上げたように、やはり地元の市町村の皆さまであったり、地域の皆さまがどう考えていくのかが非常に重要だと思います。例えば地域によって、今回お示しした対象となる市町村は、あそこでも申し上げたように、ある意味県として一定程度幅広く対象を捉えています。そうした中で本当に地域として守り抜いていかなければいけないSSはどういう所なのか、そういうものに対して住民の皆さまも含めて地域の皆さまがどう支援を考えていくのか、ここがまず基本にあって、そうした地域で方向付けをしていただくことを、県としては財政的にバックアップしていこうという形になりますので、まずは地域における議論、われわれとしては制度のしっかりとした設計を詰めていきたいと思いますし、その一方で各地域においてはSSの維持・存続に向けて、どういうSSを対象にしていく必要があるのか、あるいはどういう形で地域全体で支えていくのか、こうしたことの議論を行っていただくことが必要だと思っています。

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6 長野県石油商業組合の対応について

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 ガソリン関連でまたちょっと違う方向ですが、第三者委員会が今月末をもって、ある程度結論を出していくというお話がありますけれども、まだ実際にどのように公表するのかといったことがなかなか見えていないという状態で、本当にどういった形で出てくるのか、これまでの経緯を見ていると、なかなか(県)石油商業組合側も明確な提示というものが最初から行われないということもありましたが、その辺りに対して知事としてはどのようなことを求めていきたいか、あるいはどのような公表の形があるべきか。もちろん第三者委員会というところの制約はあるとは思うのですが、ただ(県)石油商業組合に対してどんなことを求めていきたいかというところを伺えたらと思います。

長野県知事 阿部守一
 第三者委員会と称していらっしゃるので、そういう意味では第三者委員会として対外的にも公表・説明いただけるのではないかと期待しています。ただ県が設置したわけではないので注文はできないですが、やはり第三者委員会としての報告の内容は県も含めて県民としっかり共有していただきたいと思います。その上でどういう内容かによりますが、それに応じてまた県としての対応を考えていかなければいけないと思いますが、これまでも県としては、やはり(県)石油商業組合に対してはしっかり説明責任を果たしてもらいたいということを求めてきていますし、また組織としてのガバナンスの確立であったり、やはりコンプライアンスの徹底、こうしたことも第三者委員会の報告の内容をしっかり踏まえた上で行っていただくことが必要だと思っています。そういう中で第三者委員会の報告がどういう内容でなされるかは、私も関心を持って見ているところですので、その内容を踏まえながら今申し上げたようなことも踏まえて、県としては対応していきたいと思います。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 現時点の取材の状況ですと、どう公表するかとかということもなかなか答えられていないというようなのが実情でして、これは一般論になるかもしれないですけれども、やはり第三者委員会というものがきちんと見ていったものを世に公表していく、フジテレビの事案なんかもありましたけれども、そういったところ、知事として公表の在り方、今回の事例にどうしろというのはまだなかなか言いづらいかとは思うのですが、一般論としてその公表の在り方というものはどのようにあるべきだなとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 なるほど。そういう取材になっているのですか。私どもは全然その辺はよく分からないのですが、少なくとも第三者委員会を日本弁護士連合会のガイドラインに基づいて設置するのであれば、おそらく当然内容については、しっかりと対外的にも説明がなされるべきものではないかなと私としては思っていますので、そうしないと県がまた何か間接的に聞くというような形だとなかなか実情を把握できないとなりますし、また県民の皆さまも第三者委員会の調査結果に関心を持たれている方が多いのではないかなとも思いますので、ぜひそうした対応を行っていただくことを期待しているところです。

日本放送協会(NHK) 杉本 氏
 この会見場とかでやっていただくのが一番いいのかなとは思っているのですが、そうした知事がおっしゃるようなところも含めて私たちも取材しながら見ていきたいと思います。

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7 人口問題への対応について

中日新聞 渡邊 氏
 本日の議会での説明でも言及された人口問題の対応のところでお伺いしたいのですが、議会でも長野県内の人口減少であったり、また東京一極集中の問題というところを言及されました。その中で地方税財源の偏在を是正する必要があるという趣旨のお話をされていましたが、具体的に現在の地方税の制度でどういった点に問題があるとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 やはり東京一極集中に伴う課題というのはいろいろな方面であると思っています。例えばもうすぐ参議院選挙がありますけれども、東京の人口がどんどん集中していってしまうと、なかなか都市部の選出の議員の方たちがどんどん増えて地域の声が国会の場で通りづらくなると思いますし、それから今の税財源の話も、やはり東京に、特に法人関係税を中心に非常に税収が集中している状況になっている中で、もとよりこれは地方自治ですから、東京都であったり、東京都の特別区等がいろいろな施策を主体的に進められることについては県がどうこう言う話ではないと思いますが、しかしながらその背景として、地方税の制度であったり、あるいは交付税制度が本当に十分な機能を果たしているのか、交付税制度には財源保障機能と財政調整機能の両方あるわけですけれども、東京都の場合はもうずっと圧倒的に財源超過であり、交付税制度の概念的には対象にはなっているけれども、ほとんど交付税で財政調整しないわけですので、そうすると交付税交付団体は税収が増えると、税収が増えた分、一定程度交付税で来る額が減りますが、東京都の場合は増えれば増えるだけその分自分の財源になると。こうしたことも含めて一定程度、もちろん財政的な強い所、弱い所があるということは、これは県も頑張って自分の地域の税源涵養(かんよう)というか、もっと税収が上がるような努力をしなければいけないと思いますけれども、しかしながら提案説明で申し上げたように、今、例えば子育て支援も含めて、かなり他の自治体とは大きなサービス水準の差が生じていると。こうした部分は、やはり国においてどういう制度が望ましいのかをしっかり考えていただかなければ、こうした格差がますます増大してしまうことにもなりかねませんし、一方で例えば東京都の立場で考えたときにも、先ほど申し上げたように交付税の枠外に完全に行ってしまっていますので、今度、税収が減るときはガクッと減るという形にもなります。財政規模が非常に大きいのでそれでもあまり影響はないのかもしれませんけれども、そうしたことも含めて、これは各地方が考えるよりは、やはり国全体としてどうあるべきかを考える時期に来ているのではないかと思います。

中日新聞 渡邊 氏
 また人口が減るというところに関してですが、人口が減るといろいろと地域の経済も成り立たなくなってきて、例えば公共交通で言えばバスに乗る人が減って、今まさにいろいろなバス事業者さんが路線を廃止するという話になっていて、それに対して行政が支援をすると。また今回の午前中にあったガソリンのお話も地域の人がどんどん減って需要が減って、また行政が支援をするという。また木曽の話に出ました病院に関しても、今後今の医療体制、今のままで維持できるのかという課題が出てくると思います。人口減少がいろいろな課題を引き起こすかと思いますが、それに行政がいろいろと一つ一つ対応していると、行政のやることがどんどん増えて支出も増えていくかなと思います。その辺りの全体のデザインだったり、また行政の役割をどこまでだと考えているかということについてお伺いします。

長野県知事 阿部守一
 行政の果たす役割は時代と共にどんどん変わらなければいけないと私は思っていますので、決して固定的なものではないと思います。例えば交通の話で、今回幹線バス路線に新しい県としての制度をつくることをきょうの提案説明の中でも触れましたが、かつてであれば交通事業は運賃収入で頑張って経営してくださいと。あるいはきょうも触れましたけれども、いわゆる企業の中の利益が上がる部分をそうでない部分に回す中で全体として経営を成り立たせてくださいといったようなことが、ある意味交通事業ではずっと行われてきたわけですけれども、そうしたことがもう成り立ちづらくなってきている中で、一方で地域の皆さまにとっては自家用車に過度に依存しているような地域社会では、なかなか通学する高校生だったり、あるいは免許を返納しようかなと思っている高齢者だったり、そういう人たちはもう生活できなくなってしまいますので、そこはこれまで以上にやはり行政がしっかりと支えていく。ある意味事業者にお願いするだけではなくて、私たち行政も一緒になって取り組んでいくことが求められていると思いますし、そういう考え方で今回の制度もつくったところです。これもやはり東京における問題と、あるいは地方における問題が相当違ってきている一つの例ではないかなと思いますので、まさにそういう意味では税財源の在り方の議論と、それからやはり地方分権の議論、オールジャパンで同じような制度・仕組みでは、もう立ちいかなくなっている状況ですので、もっともっと国が一律の規制ルールを決めるのではなくて、もっとわれわれに権限と財源を国からもしっかり渡してもらうことが必要になってきていると思っています。

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8 参議院議員選挙における自民党公約について

共同通信 川村 氏
 自民党が夏の参院選の公約に挙げている現金給付の関係でお伺いしたいのですが、一部の自治体の首長さんからは市町村職員の負担が増えるといったような意見が出ていて批判も出ている状況かと思うのですが、現金給付の関係で阿部知事のお考えをお聞かせください。

長野県知事 阿部守一
 今のお話は手法論の話だと思いますが、非常に日本社会はデジタル化が遅れているので、こうした現金給付を行うときに、いつも市町村の職員の皆さまは大変な思いをしてきているということは私も共有をしますし、現金給付をどんどんやることが必ずしもいいとは私もあまり思っていませんが、ただ例えばコロナ対策なんかを私もやってきた経験からすると、そうした対応が必要になってくるケースもあるので、そうしたときにどうやって迅速かつ事務負担が少なく、事務負担が多いということは行政コストが上がってしまうので、結局納税者の負担にはね返ってしまうので、効率的にそうした事務を行えるようにするかは、もっと真剣に考えられるべきではないかと私も思っています。特に県の立場では住民の個人情報を基本的にほとんど持っていませんので、個々の事務についての個人情報を持っていますけれども、住民基本台帳上の情報であったり、あるいは納税情報であったり、そうしたものが基本的にないので、基本的にというか市町村が持っているほど体系的・包括的な情報を持っていないので、そういう意味では都道府県行政は非常にやりづらいなと思っています。そういう意味では給付の話だけではなくて行政の効果が上げられるようにするには、もっとしっかり情報セキュリティーとか個人情報保護には万全の配慮をしながらも、もっと個人のいろいろな情報を持つことがなければ、毎回毎回、非常に手間暇のかかる事務になってしまうなと率直に思っています。ここは、とはいえ個人情報を一元化することについてはいろいろな議論があるので一朝一夕には進まない部分もありますが、私はやはりそういう議論をしっかりと行っていくことが求められていると思っていますし、特に長野県でも収入が少ない方に対する給付を行っていますけれども、一部の県民からは批判もあります。これは収入が少ないけれども資産がある人とそうでない人での不公平感とかそういうことがあって、これは行政が保有している情報が非常に一元化されていない。収入・資産の情報が一元化されていないことの表裏の関係だと思います。こういうところは、やはりこれから我が国全体としてどうしていくのかをしっかり検討していかなければいけないのではないかなと思います。

共同通信 川村 氏
 物価高等で長野県も今回補正予算案を立てたりされているかと思うのですけれども、自民党が夏の参院選の公約に現金給付を挙げているという、この点についてはどう考えていらっしゃいますか。

長野県知事 阿部守一
 野党はどちらかというと減税主張が多くて、自民党は給付という形で公約になったのですかね。そういうふうに報道されていますが、いちいち私が各党の公約にコメントし始めると切りがないので、直接言及することは控えたいと思いますけれども、今どちらかというと給付・減税みたいな個人の収入に関わるところの議論が中心になっていますが、私としては例えばこれからの社会保障を本当にどうしていくのかとか、教育をどうしていくのか、産業政策をどうするのかと、各政党でそうした公約も出されてくると思いますし、出してきていると思いますので、そういうところでも、ぜひ皆さまが報道して議論を喚起していただくといいのかなとは個人的には思っています。
 どうもありがとうございました。

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