蚊媒介感染症について
蚊媒介感染症とは
蚊媒介感染症とは、病原体を保有する蚊に刺されることで感染する病気の総称です。
代表的なものには、デング熱、ジカウイルス感染症、チクングニア熱、日本脳炎などがあり、主にウイルスによって引き起こされます。
蚊媒介感染症は、蚊に刺されることですべての人が感染するわけではありませんが、病原体を持つ蚊に刺されると感染する場合があります。
感染すると、発熱、発疹、頭痛、関節の痛みなどの症状が現れることがあり、病気の種類によっては重症化する場合もあります。
海外で感染する例が多くみられますが、国内での発生が報告されているものもあり、注意が必要です。
蚊の活動は気温や降水量などの気候条件に影響されやすく、特に夏季を中心に感染が広がりやすい特徴があります。
今後も国内外の発生状況を把握することが重要です。
基本的な感染対策について
蚊に刺されないようにしましょう
- 長袖、長ズボンを着用するなど肌の露出を少なくしましょう。
- 蚊の忌避剤(虫よけスプレー)なども利用しましょう。
- 網戸や蚊取り線香などを使用し、屋内に蚊を入れないようにしましょう。
蚊を増やさないようにしましょう
- 蚊はわずかな水たまりでも発生します。植木鉢の受け皿、空き缶、ペットボトル、古タイヤなどにできる水たまりは、定期的に除去・清掃しましょう。
- 屋外にある使用していない容器は片づけましょう。
- 下草を刈るなどして、成虫の蚊が潜む場所をなくしましょう。
海外に渡航される方へ
海外では、東南アジアや中南米、アフリカなどの熱帯・亜熱帯地域を中心に、蚊媒介感染症が発生している国や地域があります。流行地に出かける場合は、次の点に注意しましょう。
※流行状況は、国や地域、時期によって異なります。
- 渡航前には、渡航先の感染症情報を確認し、虫よけ対策の準備を行いましょう。
最新の流行状況は、「海外渡航者のための感染症情報」(厚生労働省検疫所(FORTH))(外部サイト)でご確認ください。
- 滞在中は、長袖・長ズボンの着用や虫よけ剤の使用など、蚊に刺されない対策を心がけましょう。
- 滞在先は、網戸やエアコンが備わっているなど、蚊が屋内に入りにくい宿泊先を選びましょう。
- 帰国時に体調が悪い時は、検疫所に申し出てください。
- 帰国後2週間程度は健康状態に留意し、発熱などの症状がみられた場合は、早めに医療機関を受診し、海外渡航歴があることを伝えましょう。
主な蚊媒介感染症について
1. デング熱
- デングウイルスを持つ蚊に刺されることにより感染します。
- 蚊に刺されてから2~14日(通常3~7日)後に症状が出現します。
- 主な症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、発疹などです。
- 多くは軽症で自然に回復しますが、まれに重症化し出血傾向や血小板減少を伴うことがあります。
- デングウイルスに対して国内で使用されているワクチンはなく、蚊に刺されない対策が予防の基本となります。
2. ジカウイルス感染症
- ジカウイルスを持つ蚊に刺されることにより感染します。
- 蚊に刺されてから2~12日(多くが2~7日)後に症状が出現します
- 主な症状は、発疹、発熱、関節痛、結膜充血などです。
- 多くは軽症で自然に回復しますが、妊娠中の感染では胎児への影響が報告されています。
- 主な感染経路は蚊に刺されることによるものですが、輸血や性行為により感染する場合もあります。
- ジカウイルスに対して有効なワクチンはなく、蚊に刺されない対策が予防の基本となります。
- 妊娠中にジカウイルスに感染した場合、胎児に感染する可能性があります。
- 妊婦及び妊娠の可能性がある方は、流行地への渡航を控えたほうが望ましいとされています。やむを得ず渡航する場合は、主治医と相談の上で、蚊に刺されないための対策を徹底してください。
- 性行為感染及び母体から胎児への感染のリスクを考慮し、流行地域に滞在中は、症状の有無にかかわらず、性行為の際にコンドームを使用するか、性行為を控えることが推奨されています。
- 流行地域から帰国後、症状の有無にかかわらず最低6か月、パートナーが妊婦の場合は妊娠期間中、性行為の際に、コンドームを使用するか性行為を控えることが推奨されています。また、流行地域から帰国した女性は、帰国後最低6か月は妊娠を控えることが推奨されています。
3. チクングニア熱
- チクングニアウイルスを持つ蚊に刺されることにより感染します。
- 感染してから2~12日(通常3~7日)程度で症状が出現します。
- 主な症状は、発熱や強い関節痛、頭痛、発疹などです。関節痛は長期間続くことがあります。
- チクングニアウイルスに対して国内で使用されているワクチンはなく、蚊に刺されない対策が予防の基本となります。
4. 日本脳炎
- 日本脳炎ウイルスを持つ蚊に刺されることにより感染します。
- 感染してから6~16日程度で症状が出現します。
- 主な症状は、発熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれんなどです。
- 日本脳炎ウイルスに感染しても多くの場合は発症しませんが、発症した場合には重症化し、後遺症を残すことや、死亡することもあります。
- 国内では日本脳炎ワクチンがあり、定期予防接種の対象となっています。
〇厚生労働省「日本脳炎ワクチン」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)
検疫所での対応
- リーフレットの設置等により流行地域への渡航者に情報提供しています。
- 全ての蚊がウイルスを保有しているわけではないので、蚊に刺されたことだけで過分に心配する必要はありませんが、心配な方や発熱等の症状のある方は、帰国された際に、検疫所でご相談ください。
医療機関の皆様へ
デング熱、チクングニア熱、ジカウイルス感染症などの蚊媒介感染症は感染症法の四類感染症に分類されており、診断した場合は、直ちに最寄りの保健所への届出が必要です。
また、海外渡航歴や蚊の刺咬歴があり、蚊媒介感染症が疑われる症例については、最寄りの保健所へ情報提供をお願いします。
保健所(保健福祉事務所)連絡先