ダニの感染症に注意しましょう!
ダニ媒介感染症とは
ダニ媒介感染症とは、病原体を保有するダニに刺されることで感染する病気の総称です。
代表的なものには、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、つつが虫病、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎などがあり、主にウイルスや細菌によって引き起こされます。
これらのうち、SFTS、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎はマダニ類が、つつが虫病はツツガムシ類が媒介します。
マダニは春から秋にかけて活動が活発となり、特に初夏から秋に注意が必要です。
また、ツツガムシは主に春から初夏や晩秋から冬に多く発生します。
ダニ媒介感染症は、ダニに刺されることで必ずしも感染するわけではありませんが、病原体を保有するダニに刺された場合には感染することがあります。
感染すると、発熱、倦怠感、食欲低下、発疹、消化器症状(下痢・嘔吐など)などがみられ、病気の種類によっては重症化する場合もあります。
なお、食品や室内に発生するコナダニや、寝具などにみられるヒョウヒダニとは種類が異なります。
最新の流行状況は長野県感染症情報をご覧ください。
基本的な予防方法について
マダニに刺されないように注意しましょう!
マダニの生息場所
- マダニは、シカやイノシシなどの野生動物が出没する環境に多く生息しています。
- 民家周辺や裏山、裏庭、畑、あぜ道などにも生息しています。
|
|
マダニから身を守る服装
- 野外作業や農作業、レジャーなどでダニの生息場所に立ち入ると、ダニに刺されることがあります。
- 草むらや藪などに入る際は、長袖・長ズボン・足を完全に覆う靴などを着用し、肌の露出を少なくしましょう。
- マダニの付着を目視で確認しやすくするために、服は明るい色のものがお勧めです。
- マダニが生息する場所では、半ズボンやサンダル履きは控えましょう。
|
 |
マダニから身を守る方法
- 野外活動後は、上着や作業着を家の中に持ち込まないようにしましょう。(ガムテープなどを使用して服に付いたダニを取り除く方法も効果的です)
- シャワーや入浴時にマダニに刺されていないか確認しましょう。(マダニが付着しているときは、「できもの」のように見えることがあります)
虫よけ剤(忌避剤)の使用
- 現在、ディート、イカリジンの2種類の有効成分を含む虫よけ剤が市販されています。
- 虫よけ剤の使用でマダニの付着数は減少しますが、マダニの付着を完全に防ぐわけではありません。
- 虫よけ剤を過信せず、様々な防護手段と組み合わせて対策をしましょう。
マダニに刺された時の対応
- マダニの多くは、ヒトや動物に取り付くと長時間(数日から10日間以上)吸血しますが、刺されたことに気付かないことが多いと言われています。
- 吸血中のマダニに気付いたら、無理に引き抜こうとはせず、医療機関(皮膚科)を受診し処置してもらいましょう。
- マダニに刺された後、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関(内科など)を受診しましょう。
- 受診の際は、マダニに刺されたことを伝えるとともに、以下のことを医師に伝えてください。
- ○ いつ頃刺されたか
- ○ どこで刺されたか
- ○ 体のどの部位を刺されたか
- ○ 山林や草むらなどの場所に立ち入ったか
主なダニ媒介感染症について
重症熱性血小板減少症候群(SFTS)
- SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。
- また、ウイルスに感染した動物(犬や猫など)の体液や、患者の血液・体液に直接触れることで感染することもあります。
- マダニに刺されてから6~14日(通常は7~10日)の潜伏期間(感染してから症状が出るまでの期間)を経て発症します。
- 主な症状は、発熱や消化器症状などで、重症例では出血傾向や意識障害を伴い、死に至る可能性があります。
つつが虫病
- つつが虫病リケッチアを保有するツツガムシに刺されることにより感染します。
- ツツガムシに刺されてから5~14日の潜伏期間を経て発症します。
- 発熱、発疹※、刺し口が特徴的な症状であり、倦怠感、頭痛、リンパ節の腫れなどの症状も現れます。重症となると、肺炎や脳炎症状が現れます。
※体幹を中心に発疹が出現します。
- 早期に適切な抗菌薬を投与することが重要です。
日本紅斑熱
- 紅斑熱群リケッチアを保有するマダニに刺されることにより感染します。
- マダニに刺されてから2~8日の潜伏期間を経て発症します。
- 発熱、発疹※、刺し口が特徴的な症状です。
※四肢、手のひら、足の裏を中心に発疹が出現します。
- 早期に適切な抗菌薬を投与することが重要です。
ダニ媒介脳炎
- ダニ媒介脳炎ウイルスを保有するマダニに刺されることにより感染します。
- マダニに刺されてから2~28日(多くは7~14日)後に発症します。
- 感染しても多くは無症状ですが、発熱、頭痛などの症状がみられ、髄膜脳炎へ進行することもあります。
- 重症例では上肢などの麻痺や意識障害を呈し、回復後も神経症状が残ることがあります。
- 国内では主に北海道で発生が報告されています。
医療機関の皆様へ
- ダニ媒介感染症のうち、SFTS、つつが虫病、日本紅斑熱、ダニ媒介脳炎などは感染症法における四類感染症に分類されており、診断した場合は、直ちに最寄りの保健所への届出が必要です。
- また、マダニなどに刺された既往があるなど、ダニ媒介感染症が疑われる症例については、最寄りの保健所へ情報提供をお願いします。
- 届出基準及び届出様式は厚生労働省ホームページをご確認ください。
○厚生労働省「感染症法に基づく医師の届出のお願い」(別ウィンドウで外部サイトが開きます)