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更新日:2018年10月29日

知事会見(平成30年(2018年)10月26日(金曜日)11時10分~12時14分 会場:県庁)

≪阿部知事からの説明≫

1 消防防災航空体制の再構築について

2 部局長会議を開催

3 台湾訪問について

≪取材者からの質疑≫

4 来年度当初予算編成方針について

5 臨時国会の召集について

6 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について

7 台湾訪問について

8 安倍首相の中国訪問について

9 来年度当初予算編成方針について(その2)

10 自転車利用に関する条例の骨子案について

11 台湾訪問、自転車利用に関する条例の骨子案について

12 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その2)

13 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その3)

14 県民協働による事業改善について

15 県内建築物における免震オイルダンパーの国交省大臣認定等への不適合事案について

16 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その4)

17 営業本部の設置について

18 「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導の諸課題に関する調査」結果について

19 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その5)

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1 消防防災航空体制の再構築について

長野県知事 阿部守一
 今から会見を開きます。よろしくお願いいたします。(手話で表現)
 私から、最初3点お話を申し上げたいと思います。
 まず1点目ですが、運輸安全委員会から消防防災ヘリコプターの事故についての調査報告書が出されたことについてです。
 これまで私ども長野県として運輸安全委員会の調査に対し、全面的に協力を行ってまいりました。昨日、国土交通省の運輸安全委員会から消防防災ヘリコプター「アルプス」の事故に係る調査報告書が発表されました。改めて、亡くなられた9名の隊員の皆さまに哀悼の意を表しますとともに、ご遺族の皆さま方にお悔やみを申し上げます。
 事故調査報告書を私どももしっかり読み込ませていただき、内容についてはしっかり受け止めさせていただきたいと思います。
 これまでも消防防災航空体制の再構築に安全第一で取り組んでまいりました。私どもとしては考えられるリスクを幅広く洗い出し、そうしたリスクに対する安全対策を、消防防災航空体制のあり方検討会を設置して、市町村あるいは消防本部の皆さまとともに検討し、具体的な取り組みを進めてきています。平成32年度には新しい機体が導入される予定ですが、二度とこうした事故を起こすことがないよう、今後とも安全を最優先としながら、県民の皆さまの安全安心を確保するための消防防災航空体制の構築に取り組んでまいります。

 

2 部局長会議を開催

長野県知事 阿部守一
 2点目ですが、本日の部局長会議で、平成31年度当初予算編成方針の報告を受けました。この予算編成方針は「しあわせ信州創造プラン2.0」を着実に進めていくことを基本にしているわけですけれども、今回、「事業構築・見直し5箇条」ということで、県民起点・現場重視、データ&ロジカルをはじめ5点の視点で、各部局長にしっかりリーダーシップを執ってもらいながら、予算編成を行っていただきたいとしています。
 南信州移動知事室でさまざまなところを訪問させていただき、いろいろなご意見も伺ってまいりましたが、机の上で政策を考えるのではなく、県民起点あるいは現場の皆さまが日ごろから課題に思ったり、あるいは悩みとされていることにこそ、しっかり目を向けて予算再編成していく必要があると思っています。組織全体でこうした考え方を徹底することにより、県民の皆さまの期待に応えることができる来年度当初予算の編成を行っていきたいと思っています。

 

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3 台湾訪問について

長野県知事 阿部守一
 
それから最後3点目ですが、プレスリリース資料をお配りしているかと思いますが、11月1日から5日にかけて、6年ぶりに台湾を訪問させていただく予定にしています。今回の台湾訪問の目的は大きく5点です。
 1点目が、人口約280万人の大都市である台中(タイチュウ)市と新たな関係を構築していきたいと考えています。長野県に対するインバウンド、あるいは教育旅行を誘致する先として、大変有望な地域であると考えています。これまで本県内の駒ヶ根市が台中市と積極的に交流を進めてこられています。今回、駒ヶ根市の杉本市長とも一緒に訪問させていただき、台中市と駒ケ根市、そして私ども長野県の3者での覚書を新たに締結したいと考えています。
 教育旅行の促進、あるいは観光資源や特産品等の相互の魅力発信、あるいはチャーター便の就航、こうしたことに一緒になって取り組んでいきたいと思っています。また、11月3日から「台中フローラ世界博覧会」にご招待いただいていますので、これも杉本市長とともに参加する予定です。
 2点目ですが、高雄(タカオ)市、彰化(ショウカ)県との交流強化です。平成24年に「観光・教育交流強力に関する覚書」を結ばせていただいています。台湾からの教育旅行は本当に多くの皆さんに訪れていただいていますので、覚書の更新を行うなど交流の強化を図っていきたいと考えています。
 3点目は、台湾から本県には多くの観光客の皆さま方が訪れていただいていますけれども、グリーンシーズンはまだまだ入り込みが弱いと考えています。そういう観点で、台中市におきまして長野県観光セミナーを開催してまいります。また、世界的な自転車メーカーでありますジャイアントグループの羅祥安(ラ ショウアン)最高顧問と懇談させていただき、サイクルツーリズムに長野県もこれから力を入れて取り組んでいきたいと思いますので、このジャイアントグループとの間で一緒に取り組むことができないか、協議を行っていきたいと考えています。
 4点目は、本県産の農産物、あるいは加工食品の輸出の促進です。本県産品を取り扱っていただいています輸入商社、あるいは小売店の経営者の方と懇談させていただき、今後の販路の拡大、取り扱い量の拡大、こうしたことをお願いしていきたいと考えています。
 そして最後5点目ですが、6年前、高雄市と覚書を締結しましたが、当時の高雄市長は今、総統府の秘書長になられています。陳 菊(チン キク)秘書長です。総統府の立場からも、私どもと高雄市はじめ各地域との交流の促進について、後押しをお願いしてきたいと考えています。
 私からは以上です。よろしくお願いいたします。

 

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4 来年度当初予算編成方針について

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 来年度の当初予算編成方針に関してお伺いします。
 今回、分権型予算編成の強化ということで部局長裁量経費が新たに創設されたと思うのですが、昨年97%という枠がはまっていた政策的経費の枠が、今年は今年度当初予算額の範囲内ということで少し枠が拡大されましたが、改めてこの辺に関する理由と、あと来年度の予算編成で今後重視していきたい点を教えていただきたいと思います。

長野県知事 阿部守一
 分権型の予算編成に、できるだけしていきたいと思っています。もちろん全体的な調整は私のところであったり、総務部長のところで行う必要があると思いますけれども、ただ先ほども、県民起点・現場重視と申し上げましたけれども、やはり現場とか県民に近いところで課題を分かっているのは各部局ですから、各部局の中でしっかり今回の事業構築・見直し5箇条に書いてあるような点、データに基づく論理的な政策の構築であったり、選択と集中であったり、中長期的視点であったり、協働・共創であったり、こうした視点をしっかり踏まえてもらいながらそれぞれの部局が主体的に編成をしてもらうと、そういう観点で今回それぞれの部局長にできるだけ主体的に取り組んでもらいたいと思っています。
 それから、来年度予算の重点項目、基本的に「しあわせ信州創造プラン2.0」の推進ということですが、各部局での検討を踏まえて全体的な打ち出し方も考えていく必要があると思いますけれども、私がいま考えているのは、今日ちょうどスマート県庁の報告がありました。それから稲荷山養護学校でのICT(アイシーティ/情報通信技術)を活用した教育の話もありました。来年度は年度途中で元号も変わることが予定されているわけですので、そういう意味で長野県として新しい時代をしっかり作っていく。スマート信州、あらゆる産業分野もスマート化は不可避ですので、新しい技術を積極的に取り入れる組織の検討も今並行して行っていますので、そういう意味でスマート信州をつくるような予算、そうした予算に、暮らしの面でも産業面でも力を入れて取り組んでいきたいと思っています。

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5 臨時国会の召集について

日本経済新聞 佐伯遼 氏
 国政についてですが、臨時国会が召集されましたが、外国人労働者の受け入れ拡大が今回の国会の焦点になると思います。長野県の産業でもかなり技能実習生含めて外国人労働者が多く入っていると思うのですが、こうした動きに関して知事としてご意見があれば教えていただきたいのですが。

長野県知事 阿部守一
 長野県も多くの業種で人手が足りないという状況ですので、就業促進・働き方改革戦略会議で経済界、労働界の皆さんも交えてさまざまな取り組みを考えています。その中で外国人に活躍いただくということも大きな選択肢の一つだと思っていますし、現実に、今、いろいろな産業分野に外国人が入ってきています。そういう意味で、われわれとしては国の議論の動向をしっかり受け止めながら地域での対応を考えていく必要があると思いますが、その中でやはり地域の暮らしに外国人の、働くことの場だけではなくて、生活の場でもあるわけで、われわれ地方行政の立場としては、外国人を積極的に受け入れることにあわせて、外国人にも暮らしやすい環境をつくっていくということもあわせて検討していく必要があると思っています。労働分野でどういう方針でどういう分野を重点的に積極的に外国人活用に取り組んでいくかということは関係の皆さんのご意見をいただきながら、県としてしっかりと方向づけしていきたいと思っています。それとあわせて生活環境の整備も行っていく必要があると思っています。

 

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6 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について

読売新聞 丸山修 氏
 消防防災ヘリの報告書についてですが、報告書の内容を見ますと事実の認定ではなくて可能性を推定するような内容が多かったこともありまして、長野県のような行政組織からしますと、なかなか県の不備を認めることはしにくい部分も、もしかしたらあるのかもしれませんが、それでもやはり再発防止という観点から考えると、報告書の指摘を生かしていこうという姿勢が県にも求められていると思います。
 そこで知事としては報告書をお読みになって、率直に県組織としてはどういった部分の改善が必要とお感じになったか教えてください。 

長野県知事 阿部守一
 今回の報告書、原因ということで記載されている部分が基本的に最終的な認識だと思いますけれども、可能性の指摘にとどまっていると受け止めています。ただご指摘の通り、先ほど申し上げましたが、私どもとしてはこれからも県民の皆さまの安全安心を確保するために、消防防災航空隊の運航、活動を継続していかなければいけないので、できる限りリスクを最小化していくことが当然求められていると考えています。そういう意味で、例えばこれまでもダブルパイロット制の導入であったり、あるいは安全運航要領を新しく制定して安全運航管理幹を配置して、安全運航に関するマネジメントを強化したり、さまざまな安全確保対策に取り組んできています。今回の報告書を受けて、例えば隊員の健康状態等も今後は本人の同意を得た上で県組織として共有することも考えていく必要があると思います。これまでもさまざまな取り組みを行ってきましたが、今回の報告書に書かれていることも念頭に置きながら、リスクができる限り少なくなるように引き続き取り組んでいきたいと思っています。

 

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7 台湾訪問について

読売新聞 丸山修 氏
 次に、先ほどご案内がありました台湾訪問の件ですが、駒ヶ根市と一緒に知事も行かれるということで、南信へのインバウンド効果への弾みが期待されるところかと思いますが、県内へのインバウンドに関しては県としての先進地域以外でもインバウンドを促進していくにあたって、知事としては受け入れ側の現状と課題について、サイクルツーリズムも含めてどのようにお感じになっているか教えてください。
 インバウンドを受け入れていくにあたって、台湾から長野県へ来てくださいというプロモーションをされると思うのですが、そういった方を受け入れるにあたって、長野県側の受け入れ態勢にはまだまだこれから改善していくべき点もあろうかと思いますが、そのあたりをどのようにサイクルツーリズムを含めてお感じになっているか教えてください。

長野県知事 阿部守一
 本県には幸いなことに台湾から多くのお客さまがお越しいただいています。台湾の皆さま方にもアピールできる観光素材がある県だと思っています。ただご指摘がありましたように、インバウンドのお客さまを受け入れるに当たって、私どもとしてもまだまだ改善すべき点はいろいろあると思っています。例えば、キャッシュレス決済であったり、あるいは案内表記のピクトグラム化であったり、こうしたものについては県としても、しっかり取り組んでいかなければいけないと考えています。
 今、観光部、観光機構でインバウンド対応をいろいろ取り組み始めてきていますが、市町村であったり、地域のDMO(ディーエムオー/観光振興を官民一体で進める地域組織)もしっかり巻き込んで一緒になって対応できるように取り組んでいきたいと思っています。

読売新聞 丸山修 氏
 台湾からの観光客といいますと、アルペンルートですとか、白馬のスキー場のエリアですとか、どうしてもその辺が中心という印象がありますけれども、それを今回一緒に行かれる駒ヶ根を含めた南信地域に面的にも広げていくという点では、県としてはどのような取り組みが必要だとお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 長野県の観光地の発信はどちらかというと、個々の観光地のキャラが立っていると言いますか、非常に特色ある観光地が多いので、どうしても点の発信になりがちなところがあります。先ほど申し上げたように、台中市と駒ヶ根市も非常に交流を深めていただいていますけれども、やはりインバウンドでお客さまを呼び込むということになれば、点としての観光地ではなくて、観光広域観光ルートであったり、面的な発信であったり、そうしたこともしっかり行っていくことが必要だと思っています。
 ちょうど南信州移動知事室に行ってきましたけれども、これから上下伊那がそれぞれDMOを設立されるかたちになりますし、また伊那谷全体の観光PRも行っていく必要が出てきますので、そうした取り組みと連動させながら、台湾の皆さんに対する観光PR を行っていきたいと思っています。

 

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8 安倍首相の中国訪問について

読売新聞 丸山修 氏
 安倍首相の中国訪問で、県としては農産物輸出に対して期待がある部分もあろうかと思いますけれども、そのあたり県としての期待感について教えていただけますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私どもとしては、原発事故後、長野県産農産物の輸出、中国からすると輸入が止まっている状況を、一刻も早く改善してもらいたいということは、国に対しても、あるいは中国側に対しても、これまで繰り返しお願いしてきました。今回の総理訪問の中で、そこについてはしっかりと検討していただきたいと思います。科学的なデータをもってすれば、私ども長野県産の農畜産物は全く安全だということをこれまでも繰り返し申し上げてきましたので、合理的な判断がなされて長野県からの輸出が1日も早く、解禁されることを強く望んでいます。

 

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9 来年度当初予算編成方針について(その2)

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 予算編成のことですけれども、南信州へ行かれて、非常に現場の課題というものをたくさん、山ほどお感じになったというお話がありましたけれども、やはり、各地域振興局においては、本当に住民の皆さんと日々ダイレクトに接している中でいろいろな課題がきっとあるのだろうと思います。予算をつくるときに、地域振興局に、もっと裁量を持たせるような、本庁内の部局というよりは、振興局長さんにより多くの予算を渡すというようなことは、お考えになったかどうか、教えてください。

長野県知事 阿部守一
 一つは地域振興推進費を設けていますし、元気づくり支援金も各地域振興局で考えて、取り組んでもらっています。それから地域振興局長からの提案も受け付けていますので、そういう中で現場に近い地域振興局であったり、現地機関の声をできるだけ予算の中に反映していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 今日もICT(アイシーティ/情報通信技術)、IoT(アイオーティ/モノのインターネット)、AI(エーアイ/人工知能)の話が部局長会議で出ていたのですが、これは部局横断になる話だと思うのですけれども、積極的に進めるようにというお話もありましたけれども、それはこれからさらに部局から提案を募って、予算の中で具体化していくということでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 例えば予算編成方針のポイントにも記載していますけれども、そもそも「しあわせ信州創造プラン2.0」をつくるときに、先端技術を活用することを明確にうたっていますので、当然各部局がこれから政策を作っていくにあたっては、そうしたAIであったり、IoTであったり、そうしたものの活用を十分検討した上で、取り組んでもらいたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 今日まさにデモの紹介が部局長会議であったのですけれども、あのようなものは、他の都道府県でも使えるものであったり、あるいは市町村でも使えるようなものだったりすると思うのですが、今後の、遠い先の話ですけれど、でき上がったものを、長野県が権利を持って展開していくようなことは考えられるのかどうかは、いかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 それは長野県が独自に開発すればそういうことも考えられるかもしれませんけれども、それは各企業が、われわれのノウハウ以上にRPA(アールピーエー/ロボットによる業務自動化)であったり、AIであったり、進んでいますので、県として権利を保有して、それを使ってもらうというところまでいくのはなかなか難しいのではないかなと思います。むしろいろいろな企業と連携して、伊那谷自治体会議でリニア時代を迎える南信州においてもそうですけれども、企業の皆さんともしっかり連携して、新しい産業であったり、新しいまちづくりであったり、こうしたことに県としてしっかり取り組んでいきたいと思っています。

 

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10 自転車利用に関する条例の骨子案について

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 自転車を利用する条例の骨子案が今週示されたのですけれども、その中で、損害賠償請求に備えるため保険の加入の義務化が骨子案の中に入っています。これは非常に議論したいというか、難しい問題だなと思うのですが、けがをする、けがをさせてしまうという、これに備えるということは十分分かるのですけれども、そのことに備えるのは、それぞれの方、県民の皆さんのある種自由な選択で、保険商品は当然民間の商品です。それを県が条例で義務化することにはいろいろ議論があると思うのですが、本当に安全な自転車利用を最優先に考えるのであれば、やはり自転車の乗り方に対するアプローチを、県民や外から来られた方が観光地で自転車を乗ることに対して、どうやって安全に自転車を乗ってもらうのかということに、事故抑止という点でいえば、そのことの方が最優先ではないかと思うのですが、この点はいかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 もちろん学校現場での教育の中で、自転車の安全な乗り方を教えたりしていくことは私も必要だと思っています。これは、最終的には県議会で条例案を議決していただかなければいけないので、最終的には議会の判断になると思いますけれども、私は保険には入ってもらうことが必要だと思っています。今でも保険に入られている方もいらっしゃいますし、入ってらっしゃらない方もいらっしゃいます。被害者にとっても加害者にとっても、自転車に起因する重大事故を生じることは、非常に大変なその後の賠償を、賠償が着実に行われるかどうか、あるいは賠償が着実に行われなければ、被害者の方にとっては非常に不利益、問題ですし、また、加害者側にとっても莫大(ばくだい)な賠償ということになったときには、普通、自転車に乗るときは人の生命身体に影響を及ぼすようなことはないだろうという前提で乗っていることが多いと思いますので。加害者側にとっても、多額の賠償請求が行われれば、生活面で大きなリスクになりうる話です。また、今インバウンドのお客さまもどんどん増えている中で、海外から旅行に来られて、県内で自転車をレンタルされたときの事故等についても、確実な補償が行われるようにしていくことも必要だろうと思っていますので、こうしたことから義務化する方向で検討していきたいと思っています。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 保険に入るということは県民がある種負担を負うことになるわけなのですけれど、一つは事故が起きやすいのは首都圏とか、いわゆる都市部で、もちろん長野市内などでも非常に危険な箇所があることは承知しています。やはり、県内の市街地でも非常に危ない事例があると思います。ただ、自転車は山間部の人とか、より人口密度が低い人たちも当然乗るわけで、そのような人たちも含めて一律に保険に入ることを義務にすることとか、もう一つは、経済的に困窮している人たちもいるだろうと。
 長野県は森林税も、条例で定めていますし、来年は消費税の増税が控えている中で、県民に負担をある種求めるのであれば、別の方法があるのではないかと。例えば自転車に乗る人から100円ずつとって、あるいは自転車道の整備は非常に遅れている現状があるわけですけれども、そのようなところの予算に専門的に充てるとか、そういったことは考えられないのか、いかがでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 乗る人から取るというのは税金で取るということですか。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 税金として100円ずつ取る、例えばですが。

長野県知事 阿部守一
 今、われわれが議論している保険の加入義務付けは、他県の多くの例と同様に、罰則規定をつけるところまではなかなか難しいと思っています。自動車と違って自転車は登録制度がないので厳格な罰則付きの義務付けまではなかなか難しいのではないかと思っていますが、逆に、税金で取るとより厳しくなるのではないかと私は感じますけれども。

信濃毎日新聞 鈴木宏尚 氏
 個人的には老若男女全ての人に保険に入りなさいというのは、年間1,000円未満と言われていますけれども、どうなのかなと思った次第です。

長野県知事 阿部守一
 今は、月100円程度で家族全体をカバーする保険もあるので、自動車の保険のように極めて高額なものになるのであれば、いろいろな配慮や検討が必要な部分がありますけれども、自転車の場合は比較的低額な保険等もあるので、そのような中で考えていただくことは、一定程度必要なのではないかと思っています。これは県議会でもご議論いただく話だと思いますけれども。

 

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11 台湾訪問、自転車利用に関する条例の骨子案について

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 自転車のツーリズム、保険とも絡むのですが、台湾への訪問で、ジャイアントの最高顧問の方と懇談される予定です。ジャイアントは知事がおっしゃるように、ヨーロッパのサイクルロードチームでも採用されている世界的な自転車のメーカーですが、台湾も長野県と同じく山が多く、どうしてもジャイアントですからロードバイクのイメージがあって、ロードレースに一番熱中するのがヨーロッパでも山岳ステージということで、長野県は非常にそのような人たちを引き付ける魅力的な県だと思うのですが、一方で台湾も長野県と同じような山が多い、お互いの特徴が被るのですが、長野県は山ではなくて平地なのか、どういうところでサイクルツーリズムをアピールしていきたいと思っていますか。

長野県知事 阿部守一
地形が似通っている場所は世界中にいろいろあると思いますけれども、台湾はどちらかというと、周りは全部海に囲まれて、本県は周りが全部山に囲まれていますので、そういう意味では、山岳地形があるといっても結構景観的にはだいぶ違うだろうと思っています。長野県は四方八方山ですが、そういう意味で違いがありますし、長野県へのインバウンドのお客さまは台湾からのお客さまが多い状況でありますし、今、自転車条例の検討も行う中で、保険の議論がありましたけれども、それだけではなくて、自転車道路の整備も県としてしっかり行っていきたいと思っていますので、そういうことと相まって、サイクルツーリズムを県としても大きな観光の目玉として活かしていくうえでは、ジャイアントとの交流をしっかり行っていくことは重要だと思っています。

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 
関連になりますが、やはりジャイアントも世界中に顧客がいますので、ジャイアントのブランド力、ジャイアントと提携して、まず台湾なのですけれども、ヨーロッパですとか北米、サイクルロードレースが人気なところにも長野県を紹介できたらとか、そのような考えはございますか。

長野県知事 阿部守一
 
ジャイアントの直営店はいろいろなところにありますので、できれば私は長野県内にもお店をおいていただきたいなと思いますし、また、そういうネットワークを通じて、長野県のサイクルツーリズムの取り組みも発信をいただければありがたいと思っています。

 

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12 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その2)

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 ヘリ事故の件で、昨日、消防課が会見をしていただいたのですけれども、まだ県警は捜査中ということで、原因とは断定されませんでしたが、当時の機長の健康状態を含め、あと写真撮影をしていたということで、これが1回だけではなく複数回だった。同乗していた隊員たちがそういう声を上げなかったかということに関しては、捜査中ということもありあまりコメントをいただけなかったのですが、ただ今回、原因は事故上、専門家が調べて分からなかったわけですけれども、いろいろ報道が出る中で、機長の居眠りの指摘もありまして、県民としては疑問が残っていると思うのですが、当時、もしかしたら機長に何も隊員が物を言えない状況ではなかったのかというようなことも考えられますので、そのあたり県として、これからの安全対策に生かすため、当時の状況をさらに調査して公表する考えはございますか。

長野県知事 阿部守一
 私も職場の方から聞くと、全く物が言えないというような状況だったわけではないと聞いています。今回、いろいろな可能性についての検討が委員会でなされているわけですけれども、いずれも明確な断定をされているものではなくて、最終的に原因として考えられるのは、機長の覚醒水準の低下した状態となっていたことにより危険な状況が認識できなかったことによる可能性が考えられるが、実際にそのような状態に陥っていたかどうかを明らかにすることができなかったということが、「原因について」の最終的な部分だと受け止めています。
 先ほど申し上げましたように、われわれは原因がどうかということいかんに関わらず、少しでもリスクを低下させることが重要だと思っていますので、これからもいろいろな知見を入れながら、安全第一で、運行の安全確保、段階的にこれから山岳救助にまで取り組んでいただけるようにしていきたいと思っていますけれども、そうした取り組みを着実に進めていきたいというふうに思っています。

中日新聞 渡邉陽太郎 氏
 
最終的に、昨日の消防課の説明ですと、今、民間のパイロット2人そして、県職員のパイロット1人で、かなり活動制限がある中で訓練を積めたと。最終的には完全自前運航なのですけれども、新機体購入後は、当面は民間と県職員のハイブリッドで、その中でまず県職員をもう1人、民間と足すと4人体制で、そうすると疲労とかのリスクも軽減されるということを伺いましたが、知事してもそのような認識でしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
具体的な人員配置の話は、また危機管理部によく確認してもらえたらと思いますけれども、人員体制も今回ダブルパイロット制を導入したわけであります。そして今後はやはり、派遣いただいている操縦士ではなくて、自主運航をしっかりできるような体制に持っていく方向で検討していこうとなっていますので、県としての体制整備、操縦士の確保も含め、しっかり取り組んでいくべきテーマだと思っています。

 

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13 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その3)

信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
 
ヘリ事故の関連で一点お聞きしたいのですが、事故の原因とは断定されていないですが、瞬間的な居眠りということでマイクロスリープがあったのではないかという指摘が報告書の中でありますけれども、さきほど知事がおっしゃったような少しでもリスクを低下させるという観点でいくと、居眠りの要因の一つとして、直前の時差のある場所への旅行ということも報告書に書いてありますけども、知事として、リスクを排除する、少しでも低下させるという考えからいくと、これについての具体的な対策というのは何か考えられることはあるのでしょうか。瞬間的な居眠りということが、もし可能性としてあるのであれば、少しでもリスクを低下させると。

長野県知事 阿部守一
 例えば、今は健康管理をこれまで以上にしっかり確認するような体制にもなっていますし、それからダブルパイロット制の導入も行ってきています。
 そういう意味で、これまでの運航状況に比べると、リスクを相当程度減らす方向での取り組みは進めてきています。
 ただ、100%ということはなかなか難しい部分があると思いますので、できる限り最善を尽くしていくということで、絶対にこういう事故が起きないようにという前提で、関係者、消防防災航空隊の隊員も非常に士気高くやっていますし、われわれも安全面については細心の注意を払いながら進めていきたいと思っています。

信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
 そもそもその、旅行というのはリフレッシュのためにあるものであって、昨日の危機管理部の囲み取材でも、その後の休息というのは十分だったと考えているというお話だったのですけども、今後さらに時差があるような海外旅行の後とかの勤務体系というのはもう少し配慮するとか、そのようなことは考えられるのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 
操縦士は海外旅行をしてはいけないとはできないと思います。
 人間が行っている話ですから、私だって会見をこうやっていますけど、会見中に気分が悪くなることだってあると思いますので、そういういろいろなリスクに対応して、どういうことをやらなければいけないかということをしっかり対応していくことが、われわれには求められているのだと思います。
 海外に行ってはいけないとか、そういうことをやり出すと、対応の仕方としては違う方向性に行ってしまうんではないかと思います。
 やはり、リフレッシュしていただくときはリフレッシュしていただかなければいけないと思いますが、そういうことも含めて全体としてのリスクを低減させる方向で考えていきたいと思います。

信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
 
カメラでの撮影のことなのですけども、報告書でもあるように、2006年に1度、当時の上司に注意をされていて、結果的にその後も続いていたということなのですけれども、県としては把握されていなかったということですけれども、飛行中に撮影をしていれば周りの人は気付いて、そういう声が上がってくるということが普通はあるような気がするのですが、そういうことがなかったということに対して知事はどのようにお考えでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 そもそも安全注意義務をきちんと果たしてもらうことが前提ですので、そういうことが行われていなかったとすれば、それは残念なことだと思っています。
 今回の報告書は、いろいろな可能性もあるとか、そういうことの表現にとどまっていますので、ほとんど断定的なことは指摘されていないと思っています。ただ、先ほど申し上げたように、われわれとしてはリスク最小化のために今回の報告書で議論されているような点も含めてしっかり対応していきたいと思っています。

 

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14 県民協働による事業改善について

信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
 県民協働の事業改善の話なのですけれども、今年からやり方が変わって判定をしないスタイルになったということです。知事の就任直後の信州型事業仕分けからスタートして、今回事業改善というかたちでは7回目ということなのですけど、改めて判定というかたちではなくて、そういう方式をやめたということについて、知事としてどのようなお考えがあるか教えていただければと思うのですが。

長野県知事 阿部守一
 担当課の言うことと私が言うことがもしかしたら違ってしまうかもしれませんけど、私の思いで申し上げれば、やはりなかなかマルかバツかで考えるというのは難しいと思います。われわれ行政も、日々その仕事に従事していても、単純にマルかバツかと、これは明日からやめてしまおうという判断はなかなか難しいですね。ステークホルダーの方たちもいっぱいいらっしゃいますし、あるいはどういう方たちがそれでメリットを受けて、やめることによってどういう影響があるかというのは、しっかり把握した上で考えていかなければいけないことがかなりあります。これまでの事業改善の結果を見ても、そんなに明確にやめろという意見は、その欄があってもなかなか付かない。そういうことを考えると、むしろ、そういう議論ではなくて、事業をどういうかたちでどういう視点で進めていった方がいいか、どういう視点で強化したらいいか、そういう議論を県民の皆さんと行っていくことの方が有意義ではないかなと思っています。
 県民の皆さんと事業を一緒に考えるということ自体、まだやり方が固まっていないわけですけれども、これからも、ぜひいろいろ試行錯誤しながら県民の皆さんに開かれた、そして県民の皆さんにも参加いただけるような検討の機会をしっかり作っていきたいと思います。

信濃毎日新聞 島岡太郎 氏
 つまり意見がどのように反映されたのかということというのは、ある意味、判定が出ている方がどう反映されたのかというのが分かりやすいような部分はあったかと思うのですけど、今回からのようなスタイルになると一層そこは難しくなってくるような気もするのですけどどうですか。

長野県知事 阿部守一
 これまでも、いただいた意見をどう反映させたか公表させていただいていますので、それがどうなったか分からないということはないと思います。

コンプライアンス・行政経営課長 宮下克彦
 昨日、上田の長野大学で第1回をやらせていただいて、土曜日に県庁で行うわけですけれども、結果の反映についてはホームページに整理し、公表します。
 それから、知事が今おっしゃったような考えで存続・廃止・改善という枠組みからさらに今年は踏み込み、課題を詳細に議論いただいて、個々の事業につきましても部分的にここはこう改善した方がいいとか、いいアイデアを大変多くいただきました。今後予算もございますので、そこに、どのように反映したかということを綺麗に整理し、年度末に向けてホームページで発表したいと考えています。

 

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15 県内建築物における免震オイルダンパーの国交省大臣認定等への不適合事案について

共同通信 岡田健太郎 氏
 少し前に、KYBとは別に川金コアテックがオイルダンパー、免震制震装置のデータを改ざんしていたというニュースが出まして、県内でも信州大学の工学部にそれが使われていたことが新たに判明しました。その前段で、KYBのオイルダンパーの話でも、この県庁棟を含めて県内多数の施設で使われているということで、知事も先日、特定行政庁としてどのようにできるかということと県庁自体の対応をどうできるか考えていきたいとおっしゃっていましたが、そこも何か進展等あればお聞かせ願えないでしょうか。

建築住宅課長 小林弘幸
 特定行政庁としての対応ですが、それぞれ施設所有者さまには、今週、現時点で把握している情報に基づいて、データ書き換え等の状況について、戸別訪問してご説明しました。KYB等への対応ですが、まずは状況を説明してくれと電話にて出頭指示をし、今週KYBから事情聴取をしました。
 また先週ですが、建築基準法12条の5項の規定に基づきまして、免震オイルダンパー等の適合状況等について、まずは報告をくださいと文書で指示をしてあります。

 

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16 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その4)

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 ヘリ事故の報告書の関係で戻ってしまってすみませんが、いろいろ内容があって、ただ、これで区切りがまた一つついたというかたちにもなると思います。
 消防課からは、今、機体が耐空検査中で12月上旬までは飛ばないと聞いているのですが、多分この報告書を見て現場の方もいろいろ思ったことがあると思います。
 この際、知事がもう1回センターに行って、現場の人と直接話し合う場を設けるとか、そのようなお考えはありますでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 この間、防災訓練を塩尻で開催したときに、消防防災航空ヘリに乗せてもらいました。
 成山安全運航管理幹ともいろいろお話させていただいて、隊員の士気が非常に高くやっているということであったり、あるいは安全面ではいろいろ工夫しながら取り組んでいるという報告をその場でも受けています。
 今後、必要に応じて、消防防災航空隊の皆さんとしっかりコミュニケーションをとっていきたいと思いますけれども、今の時点でいつどうするかということの予定はありませんが、消防防災航空隊の皆さんとまたお話する機会をいずれかの時点で作っていきたいと思います。

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 たらればの話でなかなか答えづらい部分もあると思うのですが、最初、知事のお話の中で、原因が分からないなかでなるべく広くリスクを洗い出して体制を取ってきたというお話もされていました。ダブルパイロット制とか成山安全運航管理幹がいらっしゃったりとか、健康チェックもしているとか、いろんな対策もとったわけなのですが、もし仮に事故前にこの対策がとれていれば今回の事故は防げたという認識でいるのか、知事の認識を伺ってもよろしいでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 私は責任ある立場ですので、仮にこうだったらこうなったというような発言はここでは控えさせていただきたい。

 

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17 営業本部の設置について

市民タイムス 赤羽啓司 氏
 営業本部について、前回の会見でも質問させていただいたのですが、来年度には設置したいというお話をされたと思うのですが、それは来年度中、来年の4月から3月までの間には設置したいということなのか、当初にはもうできているのが望ましいという考えなのか。

長野県知事 阿部守一
 今、関係部局で議論しているので、もちろんなるべく早くと思っています。段取りを踏んで、この時点でというよりは、私としてはなるべく早くと思っていますので、検討状況を聞いた上で判断していきたいと思います。

 

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18 「平成29年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導の諸課題に関する調査」結果について

長野朝日放送 山口哲顧 氏
 
いじめの件数が5,300余りということで、過去最多と昨日数字が出たと思います。
 調査方法が変わったという面はあるので、一概に前の年との比較はできないと思いますが、1,000件ほど増加しているという数字的な部分と、これまでもLINE(ライン)による相談など県もいろいろ取り組まれてきていると思うのですけども、そこらへんについての数字の受け止めと、今後、対策をとられているのがどのように効果が上がっているのかという部分についてお聞かせいただければと思います。

長野県知事 阿部守一
 一義的には、教育委員会に答えていただく必要があると思いますが、私の認識で申し上げれば、まず件数は、やはり事案としてしっかり把握することが大事ですので、件数が多くて大変だというさばき方をするとなかなか件数カウントを控えてしまうようなところが出てしまってはいけないので、まずしっかり実態を把握できるようにしていくことが重要だと思います。その上で、学校現場の先生には、やはり子どもたちが気持ちよく学べる、学校で過ごせる環境づくりにぜひしっかり取り組んでもらいたいと思っていますし、私の立場からすると、学校の先生だけではなくて、いろいろな地域の皆さんであったり、スクールソーシャルワーカーのような人たちであったり、多くの皆さんが子どもたちに寄り添って対応していくことができるような体制をつくっていくことも重要だと思っています。教育委員会と問題意識を共有しながら、しっかり対応を行っていきたいと思います。

 

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19 消防防災ヘリコプターの事故調査報告書について(その5)

毎日新聞 鈴木健太 氏
 消防防災ヘリの件で1、2点話を聞かせていただきたいのですが、まず、カメラ撮影の件なのですけれども、私も国交省に行って担当者の方から説明を聞いてきたのですけれども、カメラ撮影は時々というレベルではなくて、常態化している状態だという説明を私は取材で受けました。一部の報道を中心に、組織風土とか組織の風通しに本当に問題がなかったのかという報道が続いてきたわけですけれども、知事は先ほどのご発言のとおり組織の風土とか風通しは、やはり問題がなかったという認識なのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回、事故原因の究明の話をしているわけですので、組織風土、さきほどもコンプライアンスの話をしましたけれども、程度の問題だと思います。安全管理を徹底する上で重要なことは、やはり法令等に基づく義務がどういう義務があるか、そういうものをしっかり遵守していかなければいけないことを徹底するかどうか。そういうところが基本に判断されるべきものと思っています。そうしたルールに抵触していた可能性があるのではないかというものについては、私としては、本来あってはならないことと受け止めなければいけないと思っていますし、そういうことも含めて、これからの対策には生かしていく必要があると思います。

毎日新聞 鈴木健太 氏
 繰り返しになりますが、当時の組織風土については、県としてもしくは知事としてはどういう認識なのですか。

長野県知事 阿部守一
 今申し上げたように、組織風土の認識と、今回の事故要因の報告書で書かれていることというのは次元が違う話ですよね。今のカメラ操作の話も、事故発生時にカメラの操作を行っていた可能性は低いものと考えられるという記載もあるわけですので、それについてどうこういうと、例えば長野県庁の組織だって私は相当厳しいこと言っていますから、県の職員が萎縮していたのではないかとマスコミに書かれれば、それは委縮していたこともあるかもしれない。それは、その状況とかによって職場の雰囲気がだいぶ変わるわけですので、その中で、ある時点だけを切り取ってどうというのはなかなか申し上げるのは難しいのではないかと思います。

毎日新聞鈴木 鈴木健太 氏
 私、去年、県の検討会が立ち上がってから1年間ずっと取材を通して見てきたのですけれども、特に組織風土、風通しの件については、当時の航空隊の中にこういう現状があったからこうしなければいけないねという議論ではなくて、あくまで一般論として、組織の活性化、もっと風通し、声の掛け合いをよくしていかなければいけないねという、あくまで一般論の議論としてここまで進んできたのですけれども、やはりやや疑問なのは、一般論としていいのは当たり前の話であって、事故当時、事故直前の組織の風土がどうだったかということについては直視しなくていいのかということなのですけれども、そこについてはどうなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 今回の事故要因は何なのかということについて検討してきているわけですし、今ご指摘あった点については、この中では言及されていませんし、先ほど申し上げましたように、私もいろいろな組織で仕事をしていますけれども、その組織のあり方というのはなかなか客観的に評価するのは難しいことだと思います。先ほど申し上げたように、いろいろなルールが定められて、それによって安全性を担保するかたちになっているわけですから、そうしたことはしっかり守っていくことは組織としては重要なことだと思います。

毎日新聞鈴木 鈴木健太 氏
 マイクロスリープの件なのですけれども、報告書を見ると、2月27日に帰国して次の日の翌日には訓練ではあるのですけれども、49分フライトしているわけで、海外旅行に行くなとは言わないですけれども、帰国後何日間かはフライトを避けるとかですね、それもちょっとパイロットの人数の問題も出てくると思うのですけども、今回マイクロスリープの可能性が示唆されて、その要因として、日ごろの疲れや海外旅行の時差の影響というのが示唆されているわけなのですけれども、現時点でそれについての具体的な改善策というのは持ち合わせてないというのが先ほどのご発言なのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 いや。例えばダブルパイロット制を講じたり、日々健康状態を確認したりとか、そういう改善は行ってきていますので、われわれはいろいろな安全配慮の取り組みはこれまで以上にしっかり行わせていただいていると思っています。

毎日新聞鈴木 鈴木健太 氏
 これまでやってきた改善や安全策で十分というご認識なのか、この報告書のこの記述を受けてさらに考えていかなければいけないということなのかどちらなのでしょうか。

長野県知事 阿部守一
 先ほど申し上げたように、これが完璧だという状況はなかなか難しいと思います。私も道を歩いていて絶対に交通事故に遭わないかといったら、もしかしたら明日何らかの事故に巻き込まれる可能性もなくはないわけですので、ゼロリスクというのは多分非常に難しいことだと思います。ただ、そうしたリスクが極限まで少なくなるように取り組んでいくことが重要だと思います。
 この報告書との関係で私が感じているのは、先ほど申し上げたように、法令で定められている安全水準は当然満たしていくことが求められているわけですから、しっかり守っていかなければいけないわけですけれども、今回私どもが取り組んでいるのは、そうしたことを上回って、いろいろな工夫をしていこうということでやっています。それが今の時点で100点満点、完璧かと言われれば、それは改善すべき点がないとはいえないだろうと思います。そういう意味で、先ほども安全運航管理幹とも着実にステップを踏みながら山岳救助をやっていきましょうという話もさせていただいていますので、装備面であったり、いろいろな基準であったり、あるいは複合的なことで安全確保ができるわけですので、しっかり全体の安全管理ができるように引き続き取り組んでいきたいと思っています。

毎日新聞鈴木 鈴木健太 氏
 そうすると当たり前になってしまうとは思うのですが、これまで1年半にわたっていろんな改善や安全策の向上に取り組んできて、報告書が昨日出ましたので、さらに取るべき措置があれば取っていくということでいいのですかね。

長野県知事 阿部守一
 取るべき措置があればもちろんちゃんとやっていきます。もちろん、われわれはここで固定してこれで安全対策を終わりということは永遠にないと思っていますので、そこは常にしっかり考えていく必要があると思っています。

長野県知事 阿部守一
 どうもありがとうございました。

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