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更新日:2022年11月30日

20号諏訪バイパスについて

ご意見(2022年10月3日受付:Eメール)

長野県知事阿部守一さま

国道20号諏訪バイパスについて

県議会の開催中で、とてもお忙しいことと思いますが、お許しください。環境大臣の環境アセス評価書に対する意見書を受けて、知事の見解が求められている場面と理解しています。お手数ですが御一読ください。

7月26日に、国道20号諏訪バイパスの環境アセス評価書が環境省に提出され、9月9日に環境大臣の意見書が公表されました。この流れに従えば、環境大臣の意見を踏まえて、7月26日から90日程度で(10月末)、許認可権者(=知事)が何らかの意見をすることになっています。この意見をもとに、国道事務所はアセス評価書を補正し、住民に評価書の縦覧をするはずです。誤解をしていたらお許しください。

私は、県の技術委員会などを通して、選定ルートと活断層や温泉や地下水について意見を述べてきました。しかし、地下水を除いては余り議論されませんでした。特に活断層については全くの無回答のレベルです。

地下水や醸造水や温泉も極めて大きな問題ですが、以下では活断層に限って話します。技術委員会の委員長から「活断層について何らかの対応を書き込みたい」と問われた国道事務所は、技術委員会の最後の最後で「最新の資料を集めて検討します」とだけ答えましたが、促されなければ何も答えなかったでしょう。リニアのアセスで、大井川の水や残土の処理が大問題となっているのと同様に、活断層が大きな問題となることを知り、県知事としても対応を考える必要があるでしょう。

国道事務所は住民に「バイパスは活断層を避けたので安全な設計」と説明をしましたが、現在のルートは、国土地理院が昨年の9月に新しく公表した活断層と重なって、その中を数kmにわたって掘る設計となってしまいました。勉強不足の失態です。トンネルは、活断層を最短の距離で、地表や地下で横断することはあっても、活断層のど真ん中を掘ることは、カリフォルニア活断層法でも許可されないと聞きます。万が一、活断層が動くような地震となれば、伊豆急トンネルは完全に崩落しましたし、最近でも上越トンネルではアーチ部の大規模な崩落が起きています。瀬戸大橋でも変形が報告されています。それらは全て活断層の横断であって、縦断ではありませんでした。活断層のど真ん中を縦断的に掘ること自体が技術的に問題ですが、トンネルの崩落で死亡事故に繋がることを危惧します。トンネルは一般的には地震に強いものですが、活断層地帯では別物です。

私の作った資料で、国道事務所ルート案と国土地理院の新活断層の重なりを描いています(新聞報道もあります)。県の都市まち課は「アセスを早く終わらせること」以外は何も考えていないようでした。国道事務所も、一度は住民に「活断層を避けた安全な設計」と述べてしまった以上、それを修正するとルートが変更になり、アセス自体がやり直しの破局を迎えるので、黙っておし通したようです。最近の諏訪市のオープンハウスなる住民説明会でも、アセスでは「新しい活断層は扱わない」との回答をもらいました。準備書の段階で予想されていなかったからだそうです。

資料を読んでいただければ、活断層でも地下水でも温泉でも、いかにこの環境アセスが非科学的であったかがわかります。この活断層の死活的な問題は、日本土木学会(トンネル工学委員会)や建築学会のような研究組織などでの検討の上で、対応を決めるべきで、開発を急ぐ国道事務所のような組織に判断をさせるべきではありません。放置しておいて良い案件ではありません。死者が関わる問題です。

正しい判断が必要です。確かに日本は、トンネル掘削の技術では高い技術を誇っています。しかし、活断層の真ん中の破砕帯を数kmも縦断して掘る工事は世界でも初めてで、三遠南信トンネルですら活断層から500mも大きく離れていても、7年もの難工事が続いていることが難しさを証明しています。地域で予想されている地震の状況は良くわかっておられると思います。松本から諏訪地域では、M7.6で横ずれ9mになると予報されています。

バイパスには一定の経済効果を私も認めます。あれば活用できますが、このような重なりでは、トンネル工法や場所(ルート)の再検討と変更は避けられないと思います。より安全なバイパスを望むなら、山側にもうすこし離れた(500mくらい?)場所にルート変更の検討を指示するのが普通なのだと思います。まずは土木学会のような中立的なところで判断されるべきでしょう。土木学会に問題点を指摘してみたいと思います。ルート変更が起きるなら、アセスをやり直すのが普通です。

回答(2022年10月11日回答)

長野県建設部長の田中衛、環境部長の猿田吉秀と申します。
この度は、「国道20号諏訪バイパス」に関しまして、「県民ホットライン」にご意見をお寄せいただき、ありがとうございます。

はじめに、諏訪バイパスの環境アセスメント手続きについてご説明します。
本事業の許認可権者は国土交通大臣となります。知事としては、準備書についての環境保全の見地からの知事意見の中で、活断層に関して、最新の文献等を踏まえた対策を求めています。
今後の手続きとしては、環境大臣意見を勘案した国土交通大臣意見が県に送付されたことを受け、県において評価書の補正を行い、県都市計画審議会の審議を経て、評価書の公告・縦覧を行ってまいります。

続いて、活断層を避けたルート変更を行うべきとのご提案についてお答えします。
今回の計画路線は、極力、断層を回避したルートが選定されていますが、国土地理院が2021年9月に諏訪地域の活断層図を改定したことは承知しております。
今後は事業予定者である国が、過去に地震で被災したトンネル事例等を勘案しつつ、最新の知見も踏まえた検討を行うべきものと考えています。国では事業実施段階において、文献等で示された活断層に限らず計画路線全体の活断層の位置及び性状を把握するための現地踏査、ボーリング調査、各種物理探査、検層等の詳細な地質調査を実施し、断層帯をできる限り事前に把握した上で、道路設計及び施工計画を検討するとのことです。また、断層帯との回避が困難な場合は、過去の事例や複数の専門家の意見等を踏まえながら、安全に配慮したトンネル設計及び施工計画を立案していく予定と承知しております。
県としては、事業予定者である国に対して、環境影響評価書に基づき詳細な調査及び適切な計画を立案するとともに、地元住民へ丁寧な説明を尽くすよう要請してまいりますので、ご理解いただきますよう、お願い申し上げます。

以上、ご意見への回答とさせていただきますが、ご不明な点がございましたら、道路計画につきましては、建設部道路建設課長:青木謙通、担当:計画調整係、環境影響評価制度につきましては、環境部環境政策課長:小林弘一、担当:環境審査係まで、ご連絡くださいますようお願い申し上げます。

【問合せ先:建設部/道路建設課/計画調整係/電話026-235-7304/メールmichikeni(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

【問合せ先:環境部/環境政策課/環境審査係/電話026-235-7163/メールkankyoi(あっとまーく)pref.nagano.lg.jp】

 

(分野別:まち・みち・かわづくり)(月別:2022年10月)2022000675

 

お問い合わせ

企画振興部広報・共創推進課

電話番号:026-235-7110

ファックス:026-235-7026

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